JPH1189132A - 回転電機の円筒形回転子 - Google Patents

回転電機の円筒形回転子

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JPH1189132A
JPH1189132A JP23969497A JP23969497A JPH1189132A JP H1189132 A JPH1189132 A JP H1189132A JP 23969497 A JP23969497 A JP 23969497A JP 23969497 A JP23969497 A JP 23969497A JP H1189132 A JPH1189132 A JP H1189132A
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slot
slots
axis
cylindrical rotor
electric machine
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JP23969497A
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Shinichi Wakui
真一 湧井
Kazumasa Ide
一正 井出
Miyoshi Takahashi
身佳 高橋
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】コストアップすることなく、短絡比を大きくす
ることができる回転電機の円筒形回転子を提供する。 【解決手段】回転電機の円筒形回転子1の磁極中心方向
をd軸、磁極間方向をq軸としたとき、q軸最寄りのス
ロット5をスロット2、3、4と比較して深い構造とす
る。回転電機のマシンサイズを低減することが可能とな
り、コストアップすることなく、短絡比を大きくするこ
とができる。その結果、電圧変動率が小さくなり、安定
度を高くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転電機の円筒形回
転子に関するものであり、特に、界磁巻線を巻装するた
めに複数のスロットを設けた回転電機の円筒形回転子に
関する。
【0002】
【従来の技術】回転電機は固定子と回転子から成り、同
期機の場合、界磁極を固定し、電機子を回転させる回転
電機子形と、電機子を固定子とし、界磁極を回転子とし
た回転界磁形に分類される。更に、この回転界磁形の同
期機は突極形回転子と円筒形回転子に分類できる。
【0003】一般に、突極形界磁は界磁巻線の起磁力を
大きくすることができ、しかも極数を非常に多くするこ
とが容易であるため水車発電機等に用いられる。また、
円筒形の回転子は機械的強度が強く、風損が小さいこと
から、蒸気タービンやガスタービンで駆動されるタービ
ン発電機に用いられる。
【0004】タービン発電機に用いられる円筒形回転子
では、界磁巻線は円筒形鉄心に設けられた複数のスロッ
ト内に分布巻にしておさめる。更に、界磁巻線をおさえ
るために、スロット頭部に楔を挿入する。界磁巻線を分
布巻にしてスロット内におさめる理由は、界磁巻線を分
布巻にするとエアギャップの磁束密度分布が正弦波形に
近くなり、起電力の波形を正弦波形に近づけることがで
きるためである。
【0005】更に、磁極に最も近いスロットの深さをそ
の他のスロットの深さより浅くすることにより、無負荷
時の起電力の波形を正弦波形に近づけるとともに、スロ
ット底の応力の集中を緩和している。
【0006】しかし、負荷時には電機子反作用起磁力の
影響で磁束密度分布が歪むため、特開昭49-45307号公報
に記載されているように、負荷時において磁束密度が最
大になる位置のスロットを他のスロットの幅より狭く、
且つスロット深さを深くして、負荷時の磁束密度分布に
おける高調波成分を減少させる方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、電機
子巻線に誘起する電圧波形を正弦波に近づけるための回
転子構造であるが、電圧波形よりはむしろ所望の短絡比
を得るために回転電機のマシンサイズが大きくなること
の方が問題である。これは以下の理由による。
【0008】発電機が定格速度で無負荷運転している場
合の、端子電圧と界磁電流との関係を示す曲線を無負荷
飽和曲線という。一方、発電機の端子を短絡し、定格速
度で運転した場合の、短絡電流と界磁電流との関係を示
す曲線を短絡曲線という。これらの結果から短絡比は、
定格速度において無負荷で、定格電圧を発生するに要す
る界磁電流If0と、定格電流に等しい三相短絡電流を発
生するに要する界磁電流Ifaとの比a (a=If0 / Ifa)であ
らわされる。
【0009】短絡比の大きい機械は、構成材料からみる
と、銅が比較的少なくて鉄が比較的多く、いわゆる鉄機
械といわれるものになる。この場合、価格も高く、鉄損
・機械損などの固定損が大となり効率が悪くなる。しか
しその半面において、電圧変動率が小さく、安定度およ
び線路充電容量が大きい利点がある。
【0010】短絡比の小さい機械は、電機子巻線の巻線
が標準より多く、機械寸法が小さくなり、構成材料とし
て銅が比較的多く使ってあるいわゆる銅機械と称される
ものになり、一般に電機子反作用が大きいうえに電機子
漏れリアクタンスも大きくなる。
【0011】発電機の場合、電圧変動率はできるだけ小
さく、安定度および線路充電容量が大きいほうがよいた
め、固定子と回転子間のエアギャップを大きくすると
か、電機子巻線の巻数を少なくして界磁磁束数を大にす
るなどして短絡比を大きくする。
【0012】しかし、固定子と回転子間のエアギャップ
を大きくすると、発電機のマシンサイズが大きくなると
共に、負荷時の所望の界磁電流が大きくなる。また、電
機子巻線の巻数を少なくして界磁磁束数を大にするとい
うことは、界磁磁束数を増やすために界磁電流を大にし
なければならない。界磁電流を大きくするためには、界
磁巻線を励磁する励磁電源の容量を大きくしなければな
らなくなり、コストアップになる。
【0013】一方、特開昭49-45307号公報に記載されて
いるようなスロット形状では、短絡比を大きくする効果
はほとんどなく、スロット形状が数種類になるためスロ
ット加工が容易ではないこと、スロット内におさめる界
磁巻線の形状もスロット形状に合わせて変わり、コスト
アップに繋がること等の問題がある。
【0014】本発明の目的は、コストアップすることな
く短絡比を大きくして、電圧変動率が小さい、すなわち
安定度の高い回転電機の円筒形回転子を提供することに
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、界磁巻線を巻装するための複数のスロッ
トが形成された円筒形回転子であって、この円筒形回転
子の磁極中心方向に延びる軸をd軸、前記磁極中心方向
と電気角で90度ずれている磁極間方向に延びる軸をq
軸としたとき、前記q軸の最寄り位置に形成されたスロ
ット間のq軸方向の距離が、その他のその他のスロット
より短くしたことを特徴とするものである。
【0016】又、界磁巻線を巻装するための複数のスロ
ットが形成された円筒形回転子であって、この円筒形回
転子の磁極中心方向に延びる軸をd軸、前記磁極中心方
向と電気角で90度ずれている磁極間方向に延びる軸を
q軸としたとき、前記q軸の最寄り位置に形成されたス
ロットの深さをその他のスロットの深さより深くしたこ
とを特徴とするものである。
【0017】又、界磁巻線を巻装するための複数のスロ
ットが形成された円筒形回転子であって、この円筒形回
転子の磁極中心方向に延びる軸をd軸、前記磁極中心方
向と電気角で90度ずれている磁極間方向に延びる軸を
q軸としたとき、前記d軸側に形成されたスロットの深
さをその他のスロットの深さと同等に形成し、且つq軸
の最寄り位置に形成されたスロットの底部に第2のスロ
ットを形成したことを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて詳細に説明する。
【0019】図1に本発明の一実施例を示す回転電機の
円筒形回転子断面について、図2に本発明に関わる従来
構造の回転電機の円筒形回転子断面について示す。ま
た、図3は特定のスロットをその他のスロットより深く
した場合の短絡比の変化、図4は特定のスロットをその
他のスロットより深くした場合の負荷時界磁電流に対す
る無負荷時界磁電流の変化、図5は図3及び図4の補足
説明図である。
【0020】回転電機の円筒形回転子1は主軸・界磁極
・鉄心など全部を一塊の鍛鋼で作るのが最も一般的な方
法で、磁性材の高張力合金鋼が用いられる。この円筒形
回転子1の鉄心部にスロット2、スロット3、スロット
4およびスロット5が、一般に放射状に切ってあり、ス
ロット2、スロット3、スロット4およびスロット5の
内部に界磁巻線(図示せず)をおさめ、界磁巻線が飛び
出さないように楔6で固定している。また、スロット
2、スロット3、スロット4およびスロット5の間隔
7、8、9は一定とするのが一般的である。
【0021】先に説明したように、従来の円筒形回転子
1は起電力の波形を正弦波に近づけるため、すなわちエ
アギャップの磁束密度分布を正弦波形に近づけるために
磁極に最も近いスロット2の深さをスロット3、4およ
び5より浅くしている。
【0022】図3は特定のスロット深さをその他のスロ
ットより深くした場合の短絡比の変化を図示したもの
で、2極、回転子スロット数28のタービン発電機につ
いて計算した結果である。
【0023】先ず、解析ケースについて図5を用いて説
明する。解析ケース1は回転子スロット2、3、4、
5、13、14、15の深さを全て同じ深さとしたとき
の計算ケースであり、この時のスロット深さをbとする
と、解析ケース2は磁極最寄りのスロット2の深さが
1.2×b、その他のスロット3、4、5、13、1
4、15の深さがbの時の結果である。
【0024】解析ケース3はスロット3の深さが1.2
×b、その他のスロット2、4、5、13、14、15
の深さがbの場合、 解析ケース4はスロット13の深
さが1.2×b、その他のスロット2、3、4、5、1
4、15の深さがbの場合、解析ケース5はスロット1
4の深さが1.2×b、その他のスロット2、3、4、
5、13、15の深さがbの場合、解析ケース6はスロ
ット15の深さが1.2×b、その他のスロット2、
3、4、5、13、14の深さがbの場合、解析ケース
7はスロット4の深さが1.2×b、その他のスロット
2、3、5、13、14、15の深さがbの場合、解析
ケース8はスロット5の深さが1.2×b、その他のス
ロット2、3、4、13、14、15の深さがbの場
合、解析ケース9は全てのスロット2、3、4、5、1
3、14、15深さが1.2×bの場合の結果である。
【0025】定格速度において無負荷定格電圧を発生す
るのに必要な界磁電流If0と、定格電流に等しい持続短
絡電流を流すのに必要な界磁電流Ifaとの比を短絡比aと
いう。ここで、解析ケース1の場合の短絡比をa1、解析
ケース2の場合の短絡比をa2、解析ケース3の場合の短
絡比をa3、解析ケース4の場合の短絡比をa4、解析ケー
ス5の場合の短絡比をa5、解析ケース6の場合の短絡比
をa6、解析ケース7の場合の短絡比をa7、解析ケース8
の場合の短絡比をa8、解析ケース9の場合の短絡比をa9
とすると、図3に示したΔaは以下のように定義した。
【0026】 解析ケース2:Δa=(a2-a1)/a1 解析ケース3:Δa=(a3-a1)/a1 解析ケース4:Δa=(a4-a1)/a1 解析ケース5:Δa=(a5-a1)/a1 解析ケース6:Δa=(a6-a1)/a1 解析ケース7:Δa=(a7-a1)/a1 解析ケース8:Δa=(a8-a1)/a1 解析ケース9:Δa=(a9-a1)/a1 すなわち、Δaが大きいほど、特定のスロットを深くす
ることによって短絡比が増大したことを示している。図
3からわかるように、深くするスロットの位置が異なる
と短絡比も異なるが、スロットを深くすることにより短
絡比が大きくなることを見い出した。
【0027】一方、発電機の基本性能を判断する量の一
つとして負荷時の所要界磁電流が挙げられる。負荷時の
界磁電流が小さいマシンほど、少ない励磁電流で負荷運
転が可能であり、励磁電源容量が小さくなる。したがっ
て、スロットを深くすると短絡比が大きくなるが、定格
負荷時の界磁電流Ifindはできるだけ増加しないように
しなければならない。短絡比aは無負荷時の界磁電流If0
に比例するため(三相短絡時は、界磁起磁力Ffを打ち消
すように電機子反作用起磁力Faが生じるため、機内の磁
束はほぼ零となり、定格電流に等しい三相短絡電流を発
生するに要する界磁電流Ifaはスロット2、スロット
3、スロット4およびスロット5の形状には関係ない)
無負荷時界磁電流If0ができるだけ大きく、かつ定格負
荷時の界磁電流Ifindが小さいマシンがよいことにな
る。
【0028】図4は定格負荷時の界磁電流Ifindに対す
る無負荷時界磁電流If0の増加の割合を示したものであ
る。図4における解析ケースは図3の場合と同じであ
り、ΔIf0およびΔIfindは以下のようになる。
【0029】 解析ケース2:ΔIf0=( If02- If01)/ If01 解析ケース3:ΔIf0=( If03- If01)/ If01 解析ケース4:ΔIf0=( If04- If01)/ If01 解析ケース5:ΔIf0=( If05- If01)/ If01 解析ケース6:ΔIf0=( If06- If01)/ If01 解析ケース7:ΔIf0=( If07- If01)/ If01 解析ケース8:ΔIf0=( If08- If01)/ If01 解析ケース9:ΔIf0=( If09- If01)/ If01 解析ケース2:ΔIfind =( Ifind2- Ifind1)/ Ifind1 解析ケース3:ΔIfind =( Ifind3- Ifind1)/ Ifind1 解析ケース4:ΔIfind =( Ifind4- Ifind1)/ Ifind1 解析ケース5:ΔIfind =( Ifind5- Ifind1)/ Ifind1 解析ケース6:ΔIfind =( Ifind6- Ifind1)/ Ifind1 解析ケース7:find =( Ifind7- Ifind1)/ Ifind1 解析ケース8:ΔIfind =( Ifind8- Ifind1)/ Ifind1 解析ケース9:ΔIfind =( Ifind9- Ifind1)/ Ifind1 ここで、If0とIfindの添字1〜9はそれぞれ解析ケース
1〜9の時の所要界磁電流であることを示している。図
4から解析ケース2および解析ケース8の二つのケース
が、無負荷時の界磁電流増加分ΔIf0が定格負荷時の界
磁電流増加分ΔIfindの2.5倍程度で、解析ケース7はΔ
If0/ΔIfindが約1.5、解析ケース6及びケース9はΔIf
0/ΔIfindが約1.0、解析ケース4〜6はΔIf0/ΔIfind
が1.0より小さい。すなわち、負荷時の所要界磁電流を
大きくすることなく、短絡比を大きくするためには、磁
極中心方向に延びるd軸の最寄りのスロット2またはd
軸と電気角で90度ずれた方向に延びるq軸の最寄りの
スロット5を深くすればよい。
【0030】しかし、磁極に最寄り位置のスロット2の
間隔12はその他のスロット間隔7、8および9より著
しく広いため、スロット2の底部において応力が局部的
に大きくなる。そこで、一般にスロット2はその他のス
ロット3、4、5より浅くして、応力の集中を低下させ
ている。したがって、スロット2をスロット3、4およ
び5より深くすると、スロット2底部における応力集中
が大きくなり、機械的な問題が生じる。
【0031】一方、q軸に最寄りのスロット5(解析ケ
ース8)を深くしてスロット5間の距離16を狭くする
と短絡比aが大きくなるとともに負荷時の界磁電流Ifind
の増加はほとんどなく、機械的な問題も生じない。した
がって、スロット5をスロット2、3、4より深くする
と負荷時の性能は現行機と変わらずに、電圧変動率が小
さく、安定度が高くなる。
【0032】また、図2のような従来構造で所望の短絡
比aを満足しているとすると、図1のような構造にした
場合、所望の短絡比aより大きくなるから、その分エア
ギャップを狭くすることができ、発電機のマシンサイズ
を小さくすることができる。
【0033】図6に本発明の他の実施例を示す回転電機
の円筒形回転子断面を示す。図6においてスロット2、
3、4、5は全て同じ深さである。短絡比aを大きくす
るためにはq軸最寄りのスロット底の距離16を狭くす
ればよいから、スロット5の底にスロット17を設け
る。このため、q軸最寄りのスロット底の距離16が狭
くなり、図1の場合と同じ効果が得られる。
【0034】図6では、スロット2、3、4、5が同一
深さであるが、スロット5がスロット2、3、4に対し
て浅い場合でも、その分スロット17を深くしてq軸最
寄りのスロット底の距離16を狭くすればよい。
【0035】また、図1及び図6に示したようにq軸最
寄りのスロットを深くすると、ティース部10の応力的
な問題から、スロットピッチ7及び9をスロットピッチ
8と同じ間隔に出来ない場合がある。この場合は、ティ
ース部10の応力を緩和するために、スロットピッチ7
及び9をスロットピッチ8より広くすればよい。
【0036】図7に本発明の他の実施例を示す回転電機
の円筒形回転子断面の拡大図を示す。円筒形回転子1の
鉄心部にスロット2、3、4、5(スロット2、3は図
示せず)を放射状に切ると、スロット幅が口元から底ま
で同一の場合には、ティース10の応力がスロット底部
で最高になり、口元に近くなるにつれ低くなるので、ス
ロット2、3、4、5の底部をテーパにしてスロット底
部の応力を小さくする場合がある。
【0037】このようにテーパ部を持つスロット形状を
回転子1の鉄心部に切る場合、スロット2、3、4、5
のテーパ部19と22は全く同一とし、ストレート部1
8のみをストレート部21と比較して深くする。この理
由は、テーパ部を同一にすることによって、スロット
2、3、4、5のテーパ部19、22を切るカッターが
1種類となり、コストアップには繋がらないからであ
る。これは、スロット5の深さをスロット2、3、4と
比較して深くしたことに変わりはないから、その効果は
図1の場合と同じである。
【0038】図8に本発明の他の実施例を示す回転子コ
イル断面図を示す。先に説明したように、スロット5を
スロット2、3、4より深くすると、わずかではあるが
負荷時の界磁電流が大きくなる。したがって、スロット
5を深くした分、巻数をスロット2、3、4より多くす
る。例えば、スロット2、3、4の巻数が5ターン(2
0A〜20E)、スロット5の巻数を6ターン(20A
〜20F)とする。
【0039】スロット2と3が5ターンのときの巻数と
比較して回転子全体で2ターン増であるから、巻数が増
えた分だけ界磁巻線に通電する電流を小さくしても所望
のアンペアターンを得ることができる。すなわち、スロ
ット5を深くすると共に、スロット5内に巻装される界
磁巻線の巻数を増やせば、図2の場合と比較して界磁電
流を同等以下にすることができる。したがって、負荷時
の界磁電流を大きくすることなく、短絡比を大きくする
ことができる。
【0040】また、スロット4、5の形状が図8に示し
たようにテーパ部を持つ場合、界磁巻線20A〜20F
の形状は、それぞれの電流密度をほぼ一定とするため、
テーパ部の界磁巻線20A及び20Bの厚みを界磁巻線
20C〜20Eより厚くしている。すなわち、図8では
スロット4におさめられる界磁巻線は4種類(20A、
20B、20C、20Dまたは20E)であり、ストレ
ート部の界磁巻線20Dと20Eは全く同一である。
【0041】したがって、スロット5をスロット2、
3、4より深くする場合、スロット5のストレート部の
み、界磁巻線20Fの厚みと界磁巻線20Eと界磁巻線
20F間の層間絶縁分だけ深くする。このようにすれ
ば、スロット5内の界磁巻線は4種類であり、スロット
4と同じである。
【0042】更に、円筒形回転子1全体のターン数がス
ロット5のターン数の増加分だけ大きくなるから、界磁
巻線に通電する電流を小さくしても所望のアンペアター
ンを得ることができる。
【0043】図8ではスロット5をスロット2、3、4
より1ターン分だけ深くした場合について示したが、応
力的に問題がなければ2ターン以上深くしてもそれだけ
界磁巻線に通電する電流を小さくでき、短絡比を更に大
きくできるのはいうまでもない。
【0044】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、回転電
機のマシンサイズを低減し、コストアップせずに短絡比
を大きくすることができる。したがって、電圧変動率が
小さくなり、安定度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す回転電機の円筒形回転
子の断面図である。
【図2】本発明に関わる回転電機の円筒形回転子の従来
構造断面図である。
【図3】本発明に関わる特定のスロットを深くした場合
の短絡比増加分を示した図である。
【図4】本発明に関わる特定のスロットを深くした場合
の負荷時界磁電流増加分に対する無負荷時界磁電流増加
分の比を示した図である。
【図5】本発明に関わる図3及び図4の補足説明図であ
る。
【図6】本発明の他の実施例を示す回転電機の円筒形回
転子の断面図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す回転電機の円筒形回
転子の拡大断面図である。
【図8】本発明の他の実施例を示す回転電機の回転子コ
イルの断面図である。
【符号の説明】
1…回転子、2〜5…回転子スロット、6…楔、7〜9
…回転子スロットピッチ、10…回転子ティース、11
…界磁極、12…磁極開度、13〜15…回転子スロッ
ト、16…q軸最寄りのスロット間の距離、17…回転
子スロット、18…回転子スロットのストレート部、1
9…回転子スロットのテーパ部、20…界磁巻線、21
…回転子スロットのトレート部、22…回転子スロット
のストレート部、23…クリページブロック。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界磁巻線を巻装するための複数のスロッ
    トが形成された回転電機の円筒形回転子において、この
    円筒形回転子の磁極中心方向に延びる軸をd軸、前記磁
    極中心方向と電気角で90度ずれている磁極間方向に延
    びる軸をq軸としたとき、前記q軸の最寄り位置に形成
    された対応するスロット間のq軸方向の距離が、他のス
    ロット間の距離より短くなるようにしたことを特徴とす
    る回転電機の円筒形回転子。
  2. 【請求項2】 界磁巻線を巻装するための複数のスロッ
    トが形成された回転電機の円筒形回転子において、この
    円筒形回転子の磁極中心方向に延びる軸をd軸、前記磁
    極中心方向と電気角で90度ずれている磁極間方向に延
    びる軸をq軸としたとき、前記q軸の最寄り位置に形成
    されたスロットの深さをその他のスロットの深さより深
    くしたことを特徴とする回転電機の円筒形回転子。
  3. 【請求項3】 界磁巻線を巻装するための複数のスロッ
    トが形成された回転電機の円筒形回転子において、この
    円筒形回転子の磁極中心方向に延びる軸をd軸、前記磁
    極中心方向と電気角で90度ずれている磁極間方向に延
    びる軸をq軸としたとき、前記d軸側に形成されたスロ
    ットの深さをその他のスロットの深さとほぼ等しく形成
    し、且つq軸の最寄り位置に形成されたスロットの底部
    に第2のスロットを形成したことを特徴とする回転電機
    の円筒形回転子。
  4. 【請求項4】 前記q軸の最寄り位置に形成されたスロ
    ットとこのスロットに隣接するスロットの間隔を、その
    他のスロット間の間隔より広くした請求項1ないし3の
    いずれか1項に記載の回転電機の円筒形回転子。
  5. 【請求項5】 前記複数のスロットが円筒形回転子の外
    周側で同一幅に形成するとともに、前記スロットの底部
    側で底部に向かう方向に幅が狭くなるように形成された
    形状であって、前記底部側の形状を各スロットで同一形
    状に形成した請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    回転電機の円筒形回転子。
  6. 【請求項6】 前記複数のスロットが円筒形回転子の外
    周側で同一幅に形成するとともに、前記スロットの底部
    側で底部に向かう方向に幅が狭くなるように形成された
    形状であって、前記q軸の最寄り位置のスロットの同一
    幅に形成された部分の長さを、その他のスロットの同一
    幅に形成された部分の長さより長くした請求項1ないし
    2、4ないし5のいずれか1項に記載の回転電機の円筒
    形回転子。
  7. 【請求項7】 前記q軸の最寄り位置のスロットに巻装
    する界磁巻線の巻数を、その他のスロットに巻装する界
    磁巻線の巻数より多くした請求項1ないし2、4ないし
    6のいずれか1項に記載の円筒形回転子。
JP23969497A 1997-09-04 1997-09-04 回転電機の円筒形回転子 Pending JPH1189132A (ja)

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