JPH09154246A - 回転電機の回転子 - Google Patents
回転電機の回転子Info
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- JPH09154246A JPH09154246A JP31028795A JP31028795A JPH09154246A JP H09154246 A JPH09154246 A JP H09154246A JP 31028795 A JP31028795 A JP 31028795A JP 31028795 A JP31028795 A JP 31028795A JP H09154246 A JPH09154246 A JP H09154246A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】所要界磁電流を増大させることなく逆相電流に
よる回転子の温度上昇を低減することができる回転電機
の回転子を提供すること。 【解決手段】磁極部と該磁極部以外に形成された複数個
の巻線挿入用スロットと該スロット間に形成されたティ
ースを有する塊状回転子鉄心と、複数個のスロット内に
挿入された界磁巻線及びダンパ巻線と、界磁巻線保持用
ウエッジとを備えた回転電機の回転子において、前記複
数個のスロットのうち磁極部に近いスロットの配置間隔
を磁極部から遠いスロットの配置間隔より大きくすると
ともに、磁極部に近いスロット内に挿入されたダンパ巻
線の断面積を磁極部から遠いスロット内に挿入されたダ
ンパ巻線の断面積より大きくする。
よる回転子の温度上昇を低減することができる回転電機
の回転子を提供すること。 【解決手段】磁極部と該磁極部以外に形成された複数個
の巻線挿入用スロットと該スロット間に形成されたティ
ースを有する塊状回転子鉄心と、複数個のスロット内に
挿入された界磁巻線及びダンパ巻線と、界磁巻線保持用
ウエッジとを備えた回転電機の回転子において、前記複
数個のスロットのうち磁極部に近いスロットの配置間隔
を磁極部から遠いスロットの配置間隔より大きくすると
ともに、磁極部に近いスロット内に挿入されたダンパ巻
線の断面積を磁極部から遠いスロット内に挿入されたダ
ンパ巻線の断面積より大きくする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は回転電機の回転子に
係わり、特にタービン発電機の円筒形回転子において、
所要界磁電流を増大させることなく逆相電流による回転
子の温度上昇を低減することができる構造に関する。
係わり、特にタービン発電機の円筒形回転子において、
所要界磁電流を増大させることなく逆相電流による回転
子の温度上昇を低減することができる構造に関する。
【０００２】
【従来の技術】図２に従来の回転電機の断面構造を示
す。
す。
【０００３】回転電機を固定子１と回転子２で構成し、
固定子１には積層鉄心に固定子スロット３を設け、電機
子巻線４を施す。電機子巻線４には平角銅線を用いて、
亀甲形コイルにしたものを用い、電機子巻線４を保持す
るために、固定子スロット３の頭部に固定子ウエッジ５
を挿入する。回転子２は機械強度を持たせるために、単
一銅塊から製作し、磁極部６と非磁極部を形成する。非
磁極部には回転子２の周方向に等間隔に複数個の巻線挿
入用回転子スロット７を設け、回転子スロット７間には
ティース８を設ける。回転子スロット７内には界磁巻線
９とダンパ巻線１０を施し、ダンパ巻線１０上部に回転
子ウエッジ１１を挿入して界磁巻線９を保持する構造に
する。界磁巻線９は、裸銅帯を平打ち巻きにして、層間
を絶縁して形成する。
固定子１には積層鉄心に固定子スロット３を設け、電機
子巻線４を施す。電機子巻線４には平角銅線を用いて、
亀甲形コイルにしたものを用い、電機子巻線４を保持す
るために、固定子スロット３の頭部に固定子ウエッジ５
を挿入する。回転子２は機械強度を持たせるために、単
一銅塊から製作し、磁極部６と非磁極部を形成する。非
磁極部には回転子２の周方向に等間隔に複数個の巻線挿
入用回転子スロット７を設け、回転子スロット７間には
ティース８を設ける。回転子スロット７内には界磁巻線
９とダンパ巻線１０を施し、ダンパ巻線１０上部に回転
子ウエッジ１１を挿入して界磁巻線９を保持する構造に
する。界磁巻線９は、裸銅帯を平打ち巻きにして、層間
を絶縁して形成する。
【０００４】一方磁極部６にはポールスロット１２を設
け、ポールスロット１２内にポールダンパ巻線１３を施
し、ポールウエッジ１４でポールダンパ巻線１３を保持
する構造のものがある。一般にこのような磁極部にダン
パ巻線が施されたものを完全全長ダンパ構造と呼び、磁
極部にダンパ巻線が施されていないものを不完全全長ダ
ンパ構造と呼ぶ。
け、ポールスロット１２内にポールダンパ巻線１３を施
し、ポールウエッジ１４でポールダンパ巻線１３を保持
する構造のものがある。一般にこのような磁極部にダン
パ巻線が施されたものを完全全長ダンパ構造と呼び、磁
極部にダンパ巻線が施されていないものを不完全全長ダ
ンパ構造と呼ぶ。
【０００５】上記の回転電機において、系統（図示せ
ず）で不平衡短絡事故が起きたり負荷（図示せず）が三
相平衡でない場合には、発電機に逆相電流が流れる。逆
相電流による磁界は回転子速度と同期しないため、回転
子導体に誘導電流が生じて回転子の加熱原因となる。ダ
ンパ巻線１０は逆相電流による変動磁界を抑制する作用
があるが、高橋典義ほか：「大容量タービン発電機の不
平衡耐力」，日立評論，Ｖol.５８，Ｎo.３(１９７６年
３月）に記載されているように、不完全全長ダンパ構造
より完全全長ダンパ構造のほうが磁極部６の鉄心損失が
著しく小さく、回転子２の温度上昇低減に極めて効果が
ある。このため、不平衡負荷条件で運転される頻度が高
いなど、逆相電流の影響が大きい発電機には、完全全長
ダンパ構造が採用される。
ず）で不平衡短絡事故が起きたり負荷（図示せず）が三
相平衡でない場合には、発電機に逆相電流が流れる。逆
相電流による磁界は回転子速度と同期しないため、回転
子導体に誘導電流が生じて回転子の加熱原因となる。ダ
ンパ巻線１０は逆相電流による変動磁界を抑制する作用
があるが、高橋典義ほか：「大容量タービン発電機の不
平衡耐力」，日立評論，Ｖol.５８，Ｎo.３(１９７６年
３月）に記載されているように、不完全全長ダンパ構造
より完全全長ダンパ構造のほうが磁極部６の鉄心損失が
著しく小さく、回転子２の温度上昇低減に極めて効果が
ある。このため、不平衡負荷条件で運転される頻度が高
いなど、逆相電流の影響が大きい発電機には、完全全長
ダンパ構造が採用される。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、ポ
ールスロットを設けるため、ポールスロット部の磁気抵
抗が低下し、励磁リアクタンスが低下する。従って、励
磁に要する界磁電流が大きくなるという問題があった。
ールスロットを設けるため、ポールスロット部の磁気抵
抗が低下し、励磁リアクタンスが低下する。従って、励
磁に要する界磁電流が大きくなるという問題があった。
【０００７】本発明は、上述の点に鑑みなされたもので
あり、所要界磁電流を増大させることなく逆相電流によ
る回転子の温度上昇を低減することができる回転電機の
回転子を提供することを目的とする。
あり、所要界磁電流を増大させることなく逆相電流によ
る回転子の温度上昇を低減することができる回転電機の
回転子を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の特徴とするところは、磁極部と該磁極部以外に形成
された複数個の巻線挿入用スロットと該スロット間に形
成されたティースを有する塊状回転子鉄心と、複数個の
スロット内に挿入された界磁巻線及びダンパ巻線と、界
磁巻線保持用ウエッジとを備えた回転電機の回転子にお
いて、前記複数個のスロットのうち磁極部に近いスロッ
トの配置間隔を磁極部から遠いスロットの配置間隔より
大きくするとともに、磁極部に近いスロット内に挿入さ
れたダンパ巻線の断面積を磁極部から遠いスロット内に
挿入されたダンパ巻線の断面積より大きくすることにあ
る。
明の特徴とするところは、磁極部と該磁極部以外に形成
された複数個の巻線挿入用スロットと該スロット間に形
成されたティースを有する塊状回転子鉄心と、複数個の
スロット内に挿入された界磁巻線及びダンパ巻線と、界
磁巻線保持用ウエッジとを備えた回転電機の回転子にお
いて、前記複数個のスロットのうち磁極部に近いスロッ
トの配置間隔を磁極部から遠いスロットの配置間隔より
大きくするとともに、磁極部に近いスロット内に挿入さ
れたダンパ巻線の断面積を磁極部から遠いスロット内に
挿入されたダンパ巻線の断面積より大きくすることにあ
る。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて詳細に説明する。
いて詳細に説明する。
【００１０】図１に本発明の一実施例を示す回転電機の
回転子断面構造を示す。ここで、図は２極機の場合を例
示したもので、２極のうち１極分のみを示したが、以下
の発明は２極以上の偶数極機に対しても一般的に成立す
る。
回転子断面構造を示す。ここで、図は２極機の場合を例
示したもので、２極のうち１極分のみを示したが、以下
の発明は２極以上の偶数極機に対しても一般的に成立す
る。
【００１１】回転電機を固定子１と回転子２で構成し、
固定子１には積層鉄心に固定子スロット３を設け、電機
子巻線４を施す。電機子巻線４には平角銅線を用いて、
亀甲形コイルにしたものを用い、電機子巻線４を保持す
るために、固定子スロット３の頭部に固定子ウエッジ５
を挿入する。回転子２は機械強度を持たせるために、単
一鋼塊から製作し、磁極部６と非磁極部を形成する。非
磁極部には回転子２の周方向に等間隔に複数個の巻線挿
入用回転子スロット７を設け、回転子スロット７間には
ティース８を設ける。回転子スロット７内には界磁巻線
９とダンパ巻線１０を施し、ダンパ巻線１０上部に回転
子ウエッジ１１を挿入して界磁巻線９を保持する構造に
する。界磁巻線９は、裸銅帯を平打ち巻にして、層間を
絶縁して形成する。
固定子１には積層鉄心に固定子スロット３を設け、電機
子巻線４を施す。電機子巻線４には平角銅線を用いて、
亀甲形コイルにしたものを用い、電機子巻線４を保持す
るために、固定子スロット３の頭部に固定子ウエッジ５
を挿入する。回転子２は機械強度を持たせるために、単
一鋼塊から製作し、磁極部６と非磁極部を形成する。非
磁極部には回転子２の周方向に等間隔に複数個の巻線挿
入用回転子スロット７を設け、回転子スロット７間には
ティース８を設ける。回転子スロット７内には界磁巻線
９とダンパ巻線１０を施し、ダンパ巻線１０上部に回転
子ウエッジ１１を挿入して界磁巻線９を保持する構造に
する。界磁巻線９は、裸銅帯を平打ち巻にして、層間を
絶縁して形成する。
【００１２】本発明では、図１の如く不完全全長ダンパ
構造において回転子スロット７のうち磁極部６に近い回
転子スロット７の配置間隔を磁極部６から遠い回転子ス
ロット７の配置間隔より大きくするとともに、磁極部６
に近い回転子スロット７のダンパ巻線１０の断面積を磁
極部６から遠い回転子スロット７のダンパ巻線１０の断
面積より大きくするものである。
構造において回転子スロット７のうち磁極部６に近い回
転子スロット７の配置間隔を磁極部６から遠い回転子ス
ロット７の配置間隔より大きくするとともに、磁極部６
に近い回転子スロット７のダンパ巻線１０の断面積を磁
極部６から遠い回転子スロット７のダンパ巻線１０の断
面積より大きくするものである。
【００１３】なお、ギャップにおける磁束分布を正弦波
状にして、電機子巻線（図示せず）の誘起電圧に含まれ
る高調波を軽減するため、図中にも示したように少なく
とも磁極部６最寄りの回転子スロット７の深さを他の回
転子スロット７と同等以下の深さにしてもよい。
状にして、電機子巻線（図示せず）の誘起電圧に含まれ
る高調波を軽減するため、図中にも示したように少なく
とも磁極部６最寄りの回転子スロット７の深さを他の回
転子スロット７と同等以下の深さにしてもよい。
【００１４】以下に本発明の効果を説明する。図１の実
施例では、界磁巻線９を納めるための回転子スロット７
は１極あたり１２となっているが、回転子スロット７の
総数は任意でよく、以下の説明では１極あたり２Ｎｒと
する。いま、説明の都合上、磁極部６に近い回転子スロ
ット７から、回転子スロット７を＃１，＃２，＃３，
…，＃Ｎｒと呼ぶことにする。また、回転子スロット７
間の角度、＃１，＃２間をα1 、＃２，＃３間をα2，
…、＃Ｎｒ−１，＃Ｎｒ間をαNr-1 のように呼ぶこと
にする。ダンパ巻線１０の断面積は回転子スロット７の
＃１をＳ1 、＃２をＳ2、＃３をＳ3，…、＃ＮｒをＳNr
と呼ぶことにする。
施例では、界磁巻線９を納めるための回転子スロット７
は１極あたり１２となっているが、回転子スロット７の
総数は任意でよく、以下の説明では１極あたり２Ｎｒと
する。いま、説明の都合上、磁極部６に近い回転子スロ
ット７から、回転子スロット７を＃１，＃２，＃３，
…，＃Ｎｒと呼ぶことにする。また、回転子スロット７
間の角度、＃１，＃２間をα1 、＃２，＃３間をα2，
…、＃Ｎｒ−１，＃Ｎｒ間をαNr-1 のように呼ぶこと
にする。ダンパ巻線１０の断面積は回転子スロット７の
＃１をＳ1 、＃２をＳ2、＃３をＳ3，…、＃ＮｒをＳNr
と呼ぶことにする。
【００１５】このとき回転子スロット７間の角度をα1
≧α2≧…≧αNr-1とし、ダンパ巻線１０の断面積をＳ1
≧Ｓ2≧…≧ＳNr とする。図１の実施例ではα1＞α2＞
α3＝…＝αNr-1とし、Ｓ1＝Ｓ2＞Ｓ3＝…＝ＳNr とし
ている。このようにダンパ巻線１０の施されていない磁
極部６の近傍に断面積の大きなダンパ巻線１０を備えた
回転子スロット７を配置することにより、ダンパ構造は
完全全長ダンパ構造に近い構造となる。本発明の回転子
２は図２に示すポールスロット１２がないため、ポール
スロット１２の磁気抵抗が低下しない。したがって励磁
リアクタンスが低下しないため、励磁に要する界磁電流
を増大させることなく逆相電流による回転子２の温度上
昇が低減できる効果がある。
≧α2≧…≧αNr-1とし、ダンパ巻線１０の断面積をＳ1
≧Ｓ2≧…≧ＳNr とする。図１の実施例ではα1＞α2＞
α3＝…＝αNr-1とし、Ｓ1＝Ｓ2＞Ｓ3＝…＝ＳNr とし
ている。このようにダンパ巻線１０の施されていない磁
極部６の近傍に断面積の大きなダンパ巻線１０を備えた
回転子スロット７を配置することにより、ダンパ構造は
完全全長ダンパ構造に近い構造となる。本発明の回転子
２は図２に示すポールスロット１２がないため、ポール
スロット１２の磁気抵抗が低下しない。したがって励磁
リアクタンスが低下しないため、励磁に要する界磁電流
を増大させることなく逆相電流による回転子２の温度上
昇が低減できる効果がある。
【００１６】図３は本発明の他の実施例を示すものであ
る。磁極部６に近い回転子スロット７のダンパ巻線１０
の断面積を磁極部６から遠い回転子スロット７のダンパ
巻線１０の断面積より大きくして、磁極部６を境にして
回転方向遅れ側の回転子スロット７の配置間隔を進み側
より大きくするものである。
る。磁極部６に近い回転子スロット７のダンパ巻線１０
の断面積を磁極部６から遠い回転子スロット７のダンパ
巻線１０の断面積より大きくして、磁極部６を境にして
回転方向遅れ側の回転子スロット７の配置間隔を進み側
より大きくするものである。
【００１７】磁極部６から回転方向の遅れ側に向かって
回転子スロット７を＃１，＃２，＃３，…，＃Ｎｒと
し、回転方向の進み側に向かって回転子スロット７を＃
１′，＃２′，＃３′，…，＃Ｎ′ｒと呼ぶことにす
る。また回転子スロット７間の角度、＃１，＃２間をα
1、＃２，＃３間をα2，…、＃Ｎｒ−１，＃Ｎｒ間をα
Nr-1のように、＃１′，＃２′間をα′1、＃２′，＃
３′間をα′2，…、＃Ｎ′ｒ−１，＃Ｎ′ｒ間をα′
Nr-1のように呼ぶことにする。ダンパ巻線１０の断面積
は回転子スロット７の＃１をＳ1、＃２をＳ2、＃３をＳ
3，…、＃ＮｒをＳNrと呼び、回転子スロット７の＃
１′をＳ′1、＃２′をＳ′2、＃３′をＳ′3，…、＃
Ｎ′ｒをＳ′Nrと呼ぶことにする。
回転子スロット７を＃１，＃２，＃３，…，＃Ｎｒと
し、回転方向の進み側に向かって回転子スロット７を＃
１′，＃２′，＃３′，…，＃Ｎ′ｒと呼ぶことにす
る。また回転子スロット７間の角度、＃１，＃２間をα
1、＃２，＃３間をα2，…、＃Ｎｒ−１，＃Ｎｒ間をα
Nr-1のように、＃１′，＃２′間をα′1、＃２′，＃
３′間をα′2，…、＃Ｎ′ｒ−１，＃Ｎ′ｒ間をα′
Nr-1のように呼ぶことにする。ダンパ巻線１０の断面積
は回転子スロット７の＃１をＳ1、＃２をＳ2、＃３をＳ
3，…、＃ＮｒをＳNrと呼び、回転子スロット７の＃
１′をＳ′1、＃２′をＳ′2、＃３′をＳ′3，…、＃
Ｎ′ｒをＳ′Nrと呼ぶことにする。
【００１８】このときダンパ巻線１０の断面積をＳ1≧
Ｓ2≧…≧ＳNrとし、Ｓ′1≧Ｓ′2≧…≧Ｓ′Nrとす
る。そして回転方向遅れ側の回転子スロット７間の角度
α1，α2，α3，…，αNr-1と回転方向進み側の回転子
スロット７の角度α′1,α′2，α′3，…，α′Nr-1は
α1≧α′1，α2≧α′2，…，αNr-1≧α′Nr-1 のよ
うな関係を満足するようにする。図３の実施例では、α
1＞α2＞α3＝…＝αNr-1とし、α′1＝α′2＝α′3＝
…＝α′Nr-1とし、Ｓ1＝Ｓ2＞Ｓ3＝…＝ＳNrとし、
Ｓ′1＞Ｓ′2＝Ｓ′3＝…＝Ｓ′Nr とした。このように
ダンパ巻線１０の施されていない磁極部６の近傍に断面
積の大きなダンパ巻線１０を備えた回転子スロット７を
配置するとともに、回転方向に対して遅れ側の回転子ス
ロット７間の角度を進み側より大きくすることによっ
て、逆相電流による回転子２の温度上昇が低減できると
ともに負荷時に磁極部６に近い回転方向遅れ側の磁束集
中による磁気飽和が緩和され、界磁電流を低減する効果
を得ることができる。
Ｓ2≧…≧ＳNrとし、Ｓ′1≧Ｓ′2≧…≧Ｓ′Nrとす
る。そして回転方向遅れ側の回転子スロット７間の角度
α1，α2，α3，…，αNr-1と回転方向進み側の回転子
スロット７の角度α′1,α′2，α′3，…，α′Nr-1は
α1≧α′1，α2≧α′2，…，αNr-1≧α′Nr-1 のよ
うな関係を満足するようにする。図３の実施例では、α
1＞α2＞α3＝…＝αNr-1とし、α′1＝α′2＝α′3＝
…＝α′Nr-1とし、Ｓ1＝Ｓ2＞Ｓ3＝…＝ＳNrとし、
Ｓ′1＞Ｓ′2＝Ｓ′3＝…＝Ｓ′Nr とした。このように
ダンパ巻線１０の施されていない磁極部６の近傍に断面
積の大きなダンパ巻線１０を備えた回転子スロット７を
配置するとともに、回転方向に対して遅れ側の回転子ス
ロット７間の角度を進み側より大きくすることによっ
て、逆相電流による回転子２の温度上昇が低減できると
ともに負荷時に磁極部６に近い回転方向遅れ側の磁束集
中による磁気飽和が緩和され、界磁電流を低減する効果
を得ることができる。
【００１９】図４は本発明の他の実施例を示すものであ
る。図１のダンパ巻線１０を備えることなく、ウエッジ
１１に界磁巻線保持とダンパ巻線を兼ねるように、ウエ
ッジ１１を回転子２の軸方向に継ぎ合わせのない長尺型
にしたものである。そしてウエッジ回転子スロット７の
うち磁極部６に近い回転子スロット７の配置間隔を磁極
部６から遠い回転子スロット７の配置間隔より大きくす
るとともに、磁極部６に近い回転子スロット７のウエッ
ジ１１の断面積を磁極部６から遠い回転子スロット７の
ウエッジ１１の断面積より大きくするものである。
る。図１のダンパ巻線１０を備えることなく、ウエッジ
１１に界磁巻線保持とダンパ巻線を兼ねるように、ウエ
ッジ１１を回転子２の軸方向に継ぎ合わせのない長尺型
にしたものである。そしてウエッジ回転子スロット７の
うち磁極部６に近い回転子スロット７の配置間隔を磁極
部６から遠い回転子スロット７の配置間隔より大きくす
るとともに、磁極部６に近い回転子スロット７のウエッ
ジ１１の断面積を磁極部６から遠い回転子スロット７の
ウエッジ１１の断面積より大きくするものである。
【００２０】磁極部６に近い回転子スロット７から回転
子スロット７を＃１，＃２，＃３，…，＃Ｎｒと呼ぶこ
とにする。また回転子スロット７間の角度、＃１，＃２
間をα1、＃２，＃３間をα2，…、＃Ｎｒ−１，＃Ｎｒ
間をαNr-1のように呼ぶことにする。ウエッジ１１の断
面積は回転子スロット７の＃１をＳ1、＃２をＳ2、＃３
をＳ3，…、＃ＮｒをＳNrと呼ぶことにする。
子スロット７を＃１，＃２，＃３，…，＃Ｎｒと呼ぶこ
とにする。また回転子スロット７間の角度、＃１，＃２
間をα1、＃２，＃３間をα2，…、＃Ｎｒ−１，＃Ｎｒ
間をαNr-1のように呼ぶことにする。ウエッジ１１の断
面積は回転子スロット７の＃１をＳ1、＃２をＳ2、＃３
をＳ3，…、＃ＮｒをＳNrと呼ぶことにする。
【００２１】このとき回転子スロット７間の角度をα1
≧α2≧…≧αNr-1とし、ウエッジ１１の断面積をＳ1≧
Ｓ2≧…≧ＳNr とする。図４の実施例ではα1＞α2＞α
3＝…＝αNr-1とし、Ｓ1＝Ｓ2＞Ｓ3＝…＝ＳNr として
いる。このようにダンパ巻線１０の施されていない磁極
部６の近傍にダンパ巻線１０の効果がある断面積の大き
なウエッジ１１を備えた回転子スロット７を配置するこ
とにより、ダンパ構造は完全全長ダンパ構造に近い構造
となる。本発明の回転子２は図２に示すポールスロット
１２がないため、ポールスロット１２の磁気抵抗が低下
しない。したがって、励磁リアクタンスが低下しないた
め、励磁に要する界磁電流を増大させることなく逆相電
流による回転子２の温度上昇が低減できる効果がある。
≧α2≧…≧αNr-1とし、ウエッジ１１の断面積をＳ1≧
Ｓ2≧…≧ＳNr とする。図４の実施例ではα1＞α2＞α
3＝…＝αNr-1とし、Ｓ1＝Ｓ2＞Ｓ3＝…＝ＳNr として
いる。このようにダンパ巻線１０の施されていない磁極
部６の近傍にダンパ巻線１０の効果がある断面積の大き
なウエッジ１１を備えた回転子スロット７を配置するこ
とにより、ダンパ構造は完全全長ダンパ構造に近い構造
となる。本発明の回転子２は図２に示すポールスロット
１２がないため、ポールスロット１２の磁気抵抗が低下
しない。したがって、励磁リアクタンスが低下しないた
め、励磁に要する界磁電流を増大させることなく逆相電
流による回転子２の温度上昇が低減できる効果がある。
【００２２】図５は本発明の他の実施例を示すものであ
る。図３のダンパ巻線１０を備えることなく、ウエッジ
１１に界磁巻線保持とダンパ巻線を兼ねるように、ウエ
ッジ１１を回転子２の軸方向に継ぎ合わせのない長尺型
にしたものである。磁極部６に近い回転子スロット７の
ウエッジ１１の断面積を磁極部６から遠い回転子スロッ
ト７のウエッジ１１の断面積より大きくして、磁極部６
を境にして回転方向遅れ側の回転子スロット７の配置間
隔を進み側より大きくするものである。
る。図３のダンパ巻線１０を備えることなく、ウエッジ
１１に界磁巻線保持とダンパ巻線を兼ねるように、ウエ
ッジ１１を回転子２の軸方向に継ぎ合わせのない長尺型
にしたものである。磁極部６に近い回転子スロット７の
ウエッジ１１の断面積を磁極部６から遠い回転子スロッ
ト７のウエッジ１１の断面積より大きくして、磁極部６
を境にして回転方向遅れ側の回転子スロット７の配置間
隔を進み側より大きくするものである。
【００２３】磁極部６から回転方向の遅れ側に向かって
回転子スロット７を＃１，＃２，＃３，…，＃Ｎｒと
し、回転方向の進み側に向かって回転子スロット７を＃
１′，＃２′，＃３′，…，＃Ｎ′ｒと呼ぶことにす
る。また回転子スロット７間の角度、＃１，＃２間をα
1、＃２，＃３間をα2，…、＃Ｎｒ−１，＃Ｎｒ間をα
Nr-1のように、＃１′，＃２′間をα′1、＃２′，＃
３′間をα′2，…、＃Ｎ′ｒ−１，＃Ｎ′ｒ間をα′
Nr-1のように呼ぶことにする。ウエッジ１１の断面積は
回転子スロット７の＃１をＳ1、＃２をＳ2、＃３を
Ｓ3，…、＃Ｎｒ をＳNrと呼び、回転子スロット７の＃
１′をＳ′1、＃２′をＳ′2、＃３′をＳ′3，…、＃
Ｎ′ｒをＳ′Nrと呼ぶことにする。
回転子スロット７を＃１，＃２，＃３，…，＃Ｎｒと
し、回転方向の進み側に向かって回転子スロット７を＃
１′，＃２′，＃３′，…，＃Ｎ′ｒと呼ぶことにす
る。また回転子スロット７間の角度、＃１，＃２間をα
1、＃２，＃３間をα2，…、＃Ｎｒ−１，＃Ｎｒ間をα
Nr-1のように、＃１′，＃２′間をα′1、＃２′，＃
３′間をα′2，…、＃Ｎ′ｒ−１，＃Ｎ′ｒ間をα′
Nr-1のように呼ぶことにする。ウエッジ１１の断面積は
回転子スロット７の＃１をＳ1、＃２をＳ2、＃３を
Ｓ3，…、＃Ｎｒ をＳNrと呼び、回転子スロット７の＃
１′をＳ′1、＃２′をＳ′2、＃３′をＳ′3，…、＃
Ｎ′ｒをＳ′Nrと呼ぶことにする。
【００２４】このときウエッジ１１の断面積をＳ1≧Ｓ2
≧…≧ＳNrとし、Ｓ′1≧Ｓ′2≧…≧Ｓ′Nrとする。そ
して回転方向遅れ側の回転子スロット７間の角度α1，
α2，α3，…，αNr-1と回転方向進み側のα′1，
α′2，α′3，…，α′Nr-1はα1≧α′1，α2≧
α′2，…，αNr-1≧α′Nr-1 のような関係を満足する
ようにする。図５の実施例では、α1＞α2＞α3＝…＝
αNr-1とし、α′1＝α′2＝α′3＝…＝α′Nr-1と
し、Ｓ1＝Ｓ2＞Ｓ3＝…＝ＳNrとし、Ｓ′1＞Ｓ′2＝
Ｓ′3＝…＝Ｓ′Nrとした。このようにダンパ巻線１０
の施されていない磁極部６の近傍に断面積の大きなをウ
エッジ１１備えた回転子スロット７を配置するととも
に、回転方向に対して遅れ側の回転子スロット７間の角
度を進み側より大きくすることによって、逆相電流によ
る回転子２の温度上昇が低減できるとともに負荷時に磁
極部６に近い回転方向遅れ側の磁束集中による磁気飽和
が緩和され、界磁電流を低減する効果を得ることができ
る。
≧…≧ＳNrとし、Ｓ′1≧Ｓ′2≧…≧Ｓ′Nrとする。そ
して回転方向遅れ側の回転子スロット７間の角度α1，
α2，α3，…，αNr-1と回転方向進み側のα′1，
α′2，α′3，…，α′Nr-1はα1≧α′1，α2≧
α′2，…，αNr-1≧α′Nr-1 のような関係を満足する
ようにする。図５の実施例では、α1＞α2＞α3＝…＝
αNr-1とし、α′1＝α′2＝α′3＝…＝α′Nr-1と
し、Ｓ1＝Ｓ2＞Ｓ3＝…＝ＳNrとし、Ｓ′1＞Ｓ′2＝
Ｓ′3＝…＝Ｓ′Nrとした。このようにダンパ巻線１０
の施されていない磁極部６の近傍に断面積の大きなをウ
エッジ１１備えた回転子スロット７を配置するととも
に、回転方向に対して遅れ側の回転子スロット７間の角
度を進み側より大きくすることによって、逆相電流によ
る回転子２の温度上昇が低減できるとともに負荷時に磁
極部６に近い回転方向遅れ側の磁束集中による磁気飽和
が緩和され、界磁電流を低減する効果を得ることができ
る。
【００２５】
【発明の効果】本発明によれば、回転電機の励磁に要す
る界磁電流を増大させることなく逆相電流による回転子
の温度上昇の低減が実現できるため、同一体格で出力の
大きい回転電機が得られる効果がある。
る界磁電流を増大させることなく逆相電流による回転子
の温度上昇の低減が実現できるため、同一体格で出力の
大きい回転電機が得られる効果がある。
【図１】本発明の一実施例を示す回転電機の回転子断面
構造を示す図。
構造を示す図。
【図２】従来の回転電機の断面構造を示す図。
【図３】本発明の他の実施例を示す回転電機の回転子断
面構造を示す図。
面構造を示す図。
【図４】本発明の他の実施例を示す回転電機の回転子断
面構造を示す図。
面構造を示す図。
【図５】本発明の他の実施例を示す回転電機の回転子断
面構造を示す図。
面構造を示す図。
２…回転子、６…磁極部、７…回転子スロット、８…回
転子ティース、９…界磁巻線、１０…ダンパ巻線、１１
…回転子ウエッジ。
転子ティース、９…界磁巻線、１０…ダンパ巻線、１１
…回転子ウエッジ。
フロントページの続き (72)発明者 高橋 身佳 茨城県日立市大みか町七丁目２番１号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 宮川 家導 茨城県日立市幸町三丁目１番１号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 田中 洋司 茨城県日立市幸町三丁目１番１号 株式会 社日立製作所日立工場内
Claims (4)
- 【請求項１】磁極部と該磁極部以外に形成された複数個
の巻線挿入用スロットと該スロット間に形成されたティ
ースとを有する塊状回転子鉄心と、前記複数個のスロッ
ト内に挿入された界磁巻線及びダンパ巻線と、前記界磁
巻線保持用ウエッジとを備えた回転電機の回転子におい
て、 前記複数個のスロットのうち、前記磁極部に近いスロッ
トの配置間隔を前記磁極部から遠いスロットの配置間隔
より大きくするとともに、前記磁極部に近いスロット内
に挿入されたダンパ巻線の断面積を前記磁極部から遠い
スロット内に挿入されたダンパ巻線の断面積より大きく
することを特徴とする回転電機の回転子。 - 【請求項２】磁極部と該磁極部以外に形成された複数個
の巻線挿入用スロットと該スロット間に形成されたティ
ースとを有する塊状回転子鉄心と、前記複数個のスロッ
ト内に挿入された界磁巻線及びダンパ巻線と、前記界磁
巻線保持用ウエッジとを備えた回転電機の回転子におい
て、 前記複数個のスロットのうち、前記磁極部に近いスロッ
トの配置間隔を前記磁極部から遠いスロットの配置間隔
より大きくし、前記磁極部に近いスロット内に挿入され
たダンパ巻線の断面積を前記磁極部から遠いスロット内
に挿入されたダンパ巻線の断面積より大きくするととも
に、前記磁極部を境として回転方向遅れ側の前記スロッ
トの配置間隔は回転方向進み側の前記スロットの配置間
隔より大きくなるようにしたことを特徴とする回転電機
の回転子。 - 【請求項３】磁極部と該磁極部以外に形成された複数個
の巻線挿入用スロットと該スロット間に形成されたティ
ースとを有する塊状回転子鉄心と、前記複数個のスロッ
ト内に挿入された界磁巻線と、前記界磁巻線の保持用と
ダンパ巻線を兼ねたウエッジとを備えた回転電機の回転
子において、 前記スロットのうち、前記磁極部に近いスロットの配置
間隔を前記磁極部から遠いスロットの配置間隔より大き
くするとともに、前記磁極部に近いスロットの前記ウエ
ッジの断面積を前記磁極部から遠いスロットの前記ウエ
ッジの断面積より大きくすることを特徴とする回転電機
の回転子。 - 【請求項４】磁極部と該磁極部以外に形成された複数個
の巻線挿入用スロットと該スロット間に形成されたティ
ースとを有する塊状回転子鉄心と、前記複数個のスロッ
ト内に挿入された界磁巻線と、前記界磁巻線の保持用と
ダンパ巻線を兼ねたウエッジとを備えた回転電機の回転
子において、 前記スロットのうち、前記磁極部に近いスロットの配置
間隔を前記磁極部から遠いスロットの配置間隔より大き
くし、前記磁極部に近いスロットの前記ウエッジの断面
積を前記磁極部から遠いスロットの前記ウエッジの断面
積より大きくするとともに、前記磁極部を境として回転
方向遅れ側の前記スロットの配置間隔は回転方向進み側
の前記スロットの配置間隔より大きくなるようにしたこ
とを特徴とする回転電機の回転子。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31028795A JPH09154246A (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 回転電機の回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31028795A JPH09154246A (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 回転電機の回転子 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH09154246A true JPH09154246A (ja) | 1997-06-10 |
Family
ID=18003413
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31028795A Pending JPH09154246A (ja) | 1995-11-29 | 1995-11-29 | 回転電機の回転子 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH09154246A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10226574A1 (de) * | 2002-06-14 | 2004-01-08 | Robert Bosch Gmbh | Läufer, insbesondere Kurzschlussläufer für eine elektrische Maschine, sowie elektrische Maschine mit einem Läufer |
| WO2008136044A1 (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-13 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 回転電機 |
| US20130088116A1 (en) * | 2010-04-13 | 2013-04-11 | Robert Chin | Electrical Machine With Circumferentially Skewed Rotor Poles Or Stator Coils |
-
1995
- 1995-11-29 JP JP31028795A patent/JPH09154246A/ja active Pending
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10226574A1 (de) * | 2002-06-14 | 2004-01-08 | Robert Bosch Gmbh | Läufer, insbesondere Kurzschlussläufer für eine elektrische Maschine, sowie elektrische Maschine mit einem Läufer |
| WO2008136044A1 (ja) * | 2007-04-18 | 2008-11-13 | Kabushiki Kaisha Toshiba | 回転電機 |
| US8138653B2 (en) | 2007-04-18 | 2012-03-20 | Kabushiki Kaisha Toshiba | Rotating electric machine |
| US20130088116A1 (en) * | 2010-04-13 | 2013-04-11 | Robert Chin | Electrical Machine With Circumferentially Skewed Rotor Poles Or Stator Coils |
| US9590458B2 (en) * | 2010-04-13 | 2017-03-07 | Abb Research Ltd. | Electrical machine with circumferentially skewed rotor poles or stator coils |
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