JP2001086685A - 回転電機の回転子 - Google Patents

回転電機の回転子

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JP2001086685A
JP2001086685A JP26312099A JP26312099A JP2001086685A JP 2001086685 A JP2001086685 A JP 2001086685A JP 26312099 A JP26312099 A JP 26312099A JP 26312099 A JP26312099 A JP 26312099A JP 2001086685 A JP2001086685 A JP 2001086685A
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rotor
wedge
electric machine
rotating electric
facing
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JP26312099A
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English (en)
Inventor
Masashi Fujita
真史 藤田
Mikio Kakiuchi
幹雄 垣内
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転電機の回転子表面に誘起される電流によ
るウェッジの温度上昇、及び起動時のような低回転時
の、鉄心とウェッジ間あるいは、ウェッジとダンパバー
間の電気的接触、非接触の反復によるスパークの発生、
局部過熱を防ぐ事を目的とする。 【解決手段】 回転子の回転子ウェッジと鉄心の間に絶
縁性介在物を設ける。この絶縁性介在物は回転子ウェッ
ジと鉄心を電気的に絶縁するため、回転子ウェッジにお
ける表面損失を低減し、また、スタティックスタート方
式の起動時のように、回転子表面に電流が誘起されて
も、回転子ウェッジ、鉄心間のスパークの発生、局部過
熱を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円筒形の回転子を
有する回転電機において、たとえばタービン発電機の回
転子の構造を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】図8に本発明に係わる回転電機の回転子
の従来例を示す断面構成図を示す。図においては、回転
子の1極分について示してある。また、図9には、ター
ビン発電機の回転子を部分的に破断して示す斜視図を示
す。タービン発電機の回転子鉄心1は機械強度を持たせ
るために単一鋼塊から製作し、磁極部6と非磁極部を形
成する。非磁極部には回転子鉄心1の周方向に等間隔に
複数個の巻線挿入用コイルスロット2を設け、スロット
2間にはティース4を設ける。コイルスロット2の上側
に界磁巻線3を収める。界磁巻線3上部には回転子ウエ
ッジ8を挿入して界磁巻線3を保持する構造にする。
【0003】発電機の運転時には、図示されていない固
定子側の電機子巻線の高調波磁界あるいは不平衡磁界に
より、回転子1の表面、すなわち磁極部6、ティース、
回転子ウエッジ8の表面には渦電流が誘起される。ま
た、発電機電機子に不平衡電流が流れる場合には、逆相
分電流のつくる回転磁界により回転子表面に回転周波数
の2倍の周波数の渦電流が誘起される。渦電流による損
失が増加すると、回転子構成部材の過熱により各部材に
損傷を与える恐れがある。
【0004】また、ガスタービン設備のように、タービ
ンで起動できない場合、通常は、起動用電動機でガスタ
ービンが駆動できるスピードまで回転数を上昇させる
が、大容量発電機ではトルクコンバータの容量が十分で
ないため、ステータ側にインバータ、コンバータから成
る可変周波数電源を接続し、電源周波数を回転子のスピ
ードに同期させながら徐々に増加していくことにより、
回転数を上昇させるスタティックスタート方式が採用さ
れる場合がある。
【0005】しかしながら、スタティックスタート方式
の場合、一般に固定子側の電機子巻線には高調波を含む
電流が流れるため、回転子表面に電流を誘起する。
【0006】回転数が低い場合、回転子各部に働く遠心
力は小さく、回転に伴い、回転子各部材間、例えば、ウ
ェッジ、鉄心間の電気的接触状態と電気的非接触状態が
交互に現れる。電気的接触状態から電気的非接触状態へ
の転移の際には、回転子各部材間に、スパークの発生、
または局部的な過熱が発生し、回転子の各部材に損傷を
与える恐れがある。
【0007】また、鉄心長が長い場合など、回転子ウエ
ッジ8が製作上、組み立て上の理由により回転子の軸方
向に分割された構造をとる場合などには、上記ウェッ
ジ、鉄心間の電気的接触状態から電気的非接触状態への
転移の際のスパークの発生、または局部的な過熱を防止
するため、コイルスロット2内に良導電性のダンパバー
5を設け、回転子ウェッジ8に発生する渦電流の低減
や、回転子ウェッジ8と鉄心間を流れる渦電流の低減を
図る場合がある。この場合には、回転数が低い場合に
は、ウェッジ、ダンパバー間や、ダンパバー、鉄心間で
も電気的接触状態から電気的非接触状態への転移が生
じ、スパークの発生、または局部的な過熱の恐れがあ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように回転子表
面に誘起される渦電流のうち、回転子ウェッジを流れる
渦電流には、回転子ウェッジ内のみで渦電流パスを構成
する成分と、回転子ティースあるいは回転子磁極部を通
るパスを構成する成分とがあるが、一般的に、回転子テ
ィースあるいは回転子磁極部を通るパスを構成する成分
が支配的であり、回転子ウェッジと、回転子ティースあ
るいは回転子磁極部とを電気的に十分絶縁することがで
きれば、回転子ウェッジを流れる渦電流を低減すること
ができる。
【0009】また、低速回転時に回転子各部材間で生じ
る電気的接触、非接触状態の転移についても、回転子各
部材間を電気的に十分絶縁することによって、防ぐこと
ができる。
【0010】このように、回転子各部材間を電気的に十
分絶縁することができれば、回転子ウェッジでの損失増
加および過熱、回転子各部材間の、スパークの発生、ま
たは局部的な過熱を防ぐことができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による回転電機の
回転子は、回転子各部材間を電気的に十分絶縁すること
によって、回転子ウェッジなどの回転子構成部材におけ
る損失増加および過熱、回転子各部材間の、スパークの
発生、または局部的な過熱を防ぐことを特徴とするもの
である。
【0012】本発明に係わる請求項1に対応する回転電
機の回転子は、回転子鉄心とウエッジの間に、電気絶縁
層を介在させたものである。これにより、回転子鉄心と
ウェッジとの電気的絶縁を確保できる。
【0013】また、請求項2に対応する回転電機の回転
子は、鉄心のウエッジに対向する面あるいは、ウエッジ
の鉄心に対向する面に、絶縁シートを貼付するものであ
る。これにより、ウェッジの回転子スロットへの挿入前
に電気絶縁層を形成することができ、回転子の組み立て
が容易になる。
【0014】また、請求項3に対応する回転電機の回転
子は、鉄心のウエッジに対向する面あるいは、ウエッジ
の鉄心に対向する面に、絶縁性皮膜を塗布するものであ
る。これにより、ウェッジの回転子スロットへの挿入に
関してより高い製作性を確保できる。
【0015】また、請求項4に対応する回転電機の回転
子は、鉄心のウエッジに対向する面あるいは、ウエッジ
の鉄心に対向する面に、セラミックコーティングを施し
たことを特徴とするものである。これにより、より高い
強度の絶縁皮膜を形成することができる。
【0016】また、請求項5に対応する回転電機の回転
子は、鉄心のウエッジに対向する面あるいは、ウエッジ
の鉄心に対向する面に、弾性部材を介在させ、さらにそ
の上からセラミックコーティングを施したものである。
これにより、絶縁皮膜のじん性をより高めることができ
る。
【0017】また、請求項6に対応する回転電機の回転
子は、ウエッジと鉄心の間に、絶縁性サブウェッジを設
けたものである。これにより、回転子鉄心とウェッジと
の電気的絶縁を確保できるとともに、ウェッジを回転子
スロット内により確実に固定することができ、低速回転
時のスロット内回転子構成部材の相対的な動きを抑制す
ることができる。
【0018】また、請求項7に対応する回転電機の回転
子は、ウェッジとダンパバー間に電気絶縁層を形成させ
るものである。これにより、低速回転時のウェッジとダ
ンパバーとの電気的接触、非接触状態の転移によるスパ
ークの発生や局部温度上昇を抑えることができる。
【0019】また、請求項8に対応する回転電機の回転
子は、ダンパバーのウエッジに対向する面あるいは、ウ
エッジのダンパバーに対向する面に、絶縁シートを貼付
するものである。これにより、ウェッジの回転子スロッ
トへの挿入前に電気絶縁層を形成させることができ、回
転子の組み立てが容易になる。
【0020】また、請求項9に対応する回転電機の回転
子は、ウェッジとダンパバー間に絶縁性皮膜を塗布によ
り形成するものである。これにより、低速回転時のウェ
ッジとダンパバーとの電気的接触、非接触状態の転移に
よるスパークの発生や局部温度上昇を抑えることができ
るとともに、ウェッジの回転子スロットへの挿入に関し
てより高い製作性を確保できる。
【0021】また、請求項10に対応する回転電機の回
転子は、ウェッジとダンパバー間にセラミックコーティ
ングを施したものである。これにより、低速回転時のウ
ェッジとダンパバーとの電気的接触、非接触状態の転移
によるスパークの発生や局部温度上昇を抑えることがで
きるとともに、より高い強度の絶縁皮膜を形成すること
ができる。
【0022】また、請求項11に対応する回転電機の回
転子は、ウエッジとダンパバー間に弾性部材を介在さ
せ、さらにその上からセラミックコーティングを施した
ものである。これにより、ウエッジとダンパバー間の絶
縁皮膜のじん性をより高めることができる。
【0023】また、請求項12に対応する回転電機の回
転子は、絶縁テープで巻回したウエッジを回転子スロッ
トに挿入したものである。これにより、絶縁シートを貼
付した場合に比べて、より確実に回転子鉄心とウェッジ
との電気的絶縁を確保できる。
【0024】また、請求項13に対応する回転電機の回
転子は、スロット内においてウェッジにダンパバーを密
着させたダンパ一体型ウェッジに対して、ウエッジの肩
部に、絶縁性サブウェッジを設けたものである。これに
より、回転子鉄心とウェッジとの電気的絶縁を確保でき
るとともに、ウェッジを回転子スロット内により確実に
固定することができ、さらに、ウェッジとダンパバー間
の密着性をより高めることができ、低速回転時のスロッ
ト内回転子構成部材の相対的な動きを抑制することがで
きる。
【0025】また、請求項14に対応する回転電機の回
転子は、スロット内においてウェッジにダンパバーを密
着させたダンパ一体型ウェッジを絶縁テープで巻回した
ものである。これにより、ウェッジとダンパバーの電気
的結合をより高めることができ、低速回転時にウェッジ
とダンパーバー間での電気的接触、非接触状態の転移を
低減することができる。
【0026】また、請求項15に対応する回転電機の回
転子は、界磁巻線の冷却用通風孔を有する回転子におい
て、絶縁テープ巻回後にエッジおよびダンパバーの給排
気通風孔をふさがないように通風孔を設けたものであ
る。これにより、界磁巻線冷却用の通風孔を有する回転
子において、ウェッジと鉄心間、あるいはウェッジとダ
ンパバー間の電気的絶縁を確保することができる。
【0027】また、請求項16に対応する回転電機の回
転子は、界磁巻線の冷却用通風孔を有する回転子におい
て、絶縁テープが通風孔を覆うことのないように、回転
子の軸方向に間隔を開けて絶縁テープを巻回したもので
ある。これにより、界磁巻線冷却用の通風孔を有する回
転子において、ウェッジと鉄心間、あるいはウェッジと
ダンパバー間の電気的絶縁を確保することができるとと
もに、絶縁テープの巻回後に、絶縁テープに通風孔を設
ける必要が無いためより高い製作性を確保することがで
きる。
【0028】また、請求項17に対応する回転電機の回
転子は、回転子ウエッジの肩部の回転子鉄心に対向する
面の内、絶縁テープの巻回されていない面に、絶縁シー
トを貼付したものである。これにより、部分的に絶縁テ
ープを巻回した場合に、絶縁テープの回転子ウェッジ肩
部を覆う部分に働く面圧を下げることができ、さらに、
より回転子ウェッジと回転子鉄心の間の絶縁性をより確
実に確保することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 (第1の実施の形態)(請求項1、3、4、7、9、1
0対応) 図1は本発明による回転電機の回転子の第1の実施の形
態を示す1スロット分の断面図である。
【0030】図1において、回転子1に設けられたコイ
ルスロット2に界磁巻線3を収め、この界磁巻線3の外
端部(上部)には対地絶縁をとるためのクリページブロ
ック9を配置し、さらにその外側のスロット開口端部に
回転子ウエッジ8を挿入して界磁巻線3を保持する。ク
リページブロック9と回転子ウエッジ8の間には、回転
子ウエッジ8に誘起される渦電流のバイパス回路となる
良導電性のダンパバー5が設けられている。
【0031】本発明の第1の実施の形態では、回転子ウ
ェッジ8の回転子鉄心1との対向面にセラミックコーテ
ィングを施すことにより、回転子鉄心1との間に絶縁性
の皮膜21を形成しており、回転子ウェッジと回転子鉄
心1間を電気的に絶縁している。
【0032】本実施の形態によれば、電機子巻線の高調
波磁界あるいは不平衡磁界により、回転子ウエッジ8の
表面に渦電流が誘起された場合には、回転子鉄心1と回
転子ウェッジ8が絶縁性皮膜21によって電気的に絶縁
されており、回転子ウェッジ8内部を循環するパスのみ
を取りうるため、回転子鉄心1と回転子ウェッジ8が電
気的に接触している場合に比べて、回転子ウェッジ8に
誘起される渦電流を低減することができるため、過熱に
よる回転子構成部材の損傷を抑えることが可能となる。
また、低速回転時に回転子ウェッジ8と回転子鉄心1と
の間で生じる電気的接触状態から電気的非接触状態への
転移の際のスパークの発生、または局部的な過熱を抑制
することができる。
【0033】また、本実施の形態においては、絶縁性皮
膜21はセラミックコーティングによって形成されてお
り、高速回転時のような、高遠心力場においても、十分
な強度を保つことができる。
【0034】なお、回転子ウエッジ8と回転子鉄心1と
が、回転子ウエッジ8の肩部のみで接触するような場合
には、絶縁性皮膜21は、回転子ウエッジ8の肩部と回
転子ウェッジ8が対向する面のみに設けても良い。
【0035】さらに、図1には示していないが、回転子
ウェッジ8が回転子の軸方向に分割された構造をとる場
合には、回転子ウェッジ8とダンパバー5との間にセラ
ミックコーティングを施すことによって絶縁性皮膜を設
ければ、低速回転時に回転子ウェッジ8とダンパバー5
との間で生じる電気的接触状態から電気的非接触状態へ
の転移の際のスパークの発生、または局部的な過熱を抑
制することができる。
【0036】(第2の実施の形態)(請求項5,11対
応) 図2は本発明による回転電機の回転子の第2の実施の形
態を示す1スロット分の断面図である。図1と同様の構
成部分については、説明を省略する。
【0037】本発明の第2の実施の形態では、回転子ウ
エッジ8の肩部には、弾性体介在物24が設けられてお
り、その上から、回転子ウエッジ8の回転子鉄心1との
対向面にセラミックコーティングを施すことにより、絶
縁性の皮膜21を形成しており、回転子ウェッジと回転
子鉄心1間を電気的に絶縁している。
【0038】本実施の形態によれば、回転子ウエッジ8
の肩部に施したセラミックコーティングに働く衝撃力
を、弾性体介在物24の変形で受けるため、セラミック
コーティング単体の絶縁性皮膜を設けた場合に比べて、
より高いじん性を確保することができ、より耐久性の優
れた回転子を提供することが可能となる。
【0039】(第3の実施の形態)(請求項6、13対
応) 図3は本発明による回転電機の回転子の第3の実施の形
態を示す1スロット分の断面図である。図1と同様の構
成部分については、説明を省略する。
【0040】本発明の第3の実施の形態では、回転子ウ
エッジ8の肩部と回転子鉄心1との間に電気的絶縁性を
有するサブウェッジ22が設けられている。絶縁性サブ
ウェッジ22は、回転子の軸方向にテーパ形状を有する
もので、回転子組み立て時に、回転子ウェッジ8を回転
子スロット2に挿入した後に、回転子ウェッジ8と回転
子鉄心1との間に挿入される。
【0041】本実施の形態によれば、回転電機の運転時
に回転子鉄心1と回転子ウェッジ8との間が電気的に絶
縁されるため、回転子ウェッジ8に生じる渦電流を低減
できる。また、サブウェッジ22の、回転子ウェッジ8
と回転子鉄心1に対する突っ張り力のため、回転子ウェ
ッジ8を回転子スロット2内により確実に固定すること
ができ、低速回転時の回転子ウェッジ8と回転子鉄心1
との相対的な動きを抑制することができる。
【0042】また、回転子ウェッジ8の内側(下部)に
ダンパバー5を有する場合は、回転子ウェッジ8とダン
パバー5を接触させた状態でサブウェッジ22を挿入す
れば、サブウェッジ22の突っ張り力によって、回転子
ウェッジ8をダンパバー5により確実に密着させること
ができ、低速回転時の回転子ウェッジ8とダンパバー5
との相対的な動きを抑制することができる。
【0043】なお、絶縁性サブウェッジ22は、回転電
機の運転時に回転子ウエッジ8と回転子鉄心1の電気的
絶縁を保つ機能を有するものであれば、必ずしも、サブ
ウェッジ全体が絶縁材料で構成されていなくても、表面
のみに絶縁層を設けたものであっても良い。
【0044】(第4の実施の形態)(請求項2、8対
応) 図4は本発明による回転電機の回転子の第4の実施の形
態を示す1スロット分の断面図である。図1と同様の構
成部分については、説明を省略する。
【0045】本発明の第4の実施の形態では、回転子ウ
エッジ8の肩部と回転子鉄心1との間に電気的絶縁性を
有する絶縁シート25が設けられている。回転子ウエッ
ジ8の幅は回転子スロット2の幅よりも小さくなってお
り、組み立て時に回転子スロット2内への回転子ウェッ
ジ8の挿入を容易にしている。したがって、回転電機の
回転時には、回転子ウェッジ8の肩部のみ以外の部分も
回転子鉄心1に接触することはない。絶縁シート25
は、回転子ウェッジ8の回転子スロット2への挿入前
に、回転子ウェッジ8の肩部に貼付される。本実施の形
態によれば、回転電機の運転時に回転子鉄心1と回転子
ウェッジ8と間が電気的に絶縁されるため、回転子ウェ
ッジ8に生じる渦電流を低減できる。
【0046】(第5の実施の形態)(請求項12、15
対応) 図5は本発明による回転電機の回転子の第4の実施の形
態を示す1スロット分の断面図である。図1と同様の構
成部分については、説明を省略する。
【0047】本発明の第4の実施の形態では、回転子ス
ロット2内のダンパバー5の外側(上部)に、絶縁テー
プ23を巻回した回転子ウェッジ8が挿入され、界磁巻
線3を保持している。なお、図示していないが、絶縁テ
ープ23には、界磁巻線3とクリページ・ブロック9お
よび回転子ウエッジ8に半径方向に設けた通気通路用の
孔にマッチングした孔が、回転子の軸方向にある間隔を
もって設けられている。
【0048】本実施の形態によれば、回転電機の運転時
に回転子鉄心1と回転子ウェッジ8と間が電気的に絶縁
されるため、回転子ウェッジ8に生じる渦電流を低減で
きる。また、回転子ウェッジの回転子鉄心対向面、ある
いは回転子鉄心の回転子ウェッジ対向面に絶縁シートを
貼付した場合に比べて、より確実に回転子ウェッジと回
転子鉄心を絶縁することができる。また、絶縁テープ2
3の軸方向にある間隔をもって設けられた孔により、界
磁巻線3で発生する熱を冷却するための冷媒の通路を確
保している。
【0049】(第6の実施の形態)(請求項16、17
対応) 図6は本発明による回転電機の回転子の第6の実施の形
態を示す回転子ウェッジ鳥瞰図である。
【0050】本発明の第6の実施の形態では、回転子ウ
ェッジ8には、回転子の軸方向に間隔を開けて絶縁テー
プ23が巻回されている。この絶縁テープ23は、界磁
巻線とクリページ・ブロックおよび回転子ウエッジ8に
半径方向に設けた通気通路用の孔11を覆うことのない
ように、回転子の軸方向にある間隔をもって設けられて
いる。隣り合う絶縁テープ23aと23bはウェッジあ
るいは絶縁テープの変形によりウェッジと鉄心が接触し
ない距離以下の間隔を有するように巻回されている。ま
た、回転子ウェッジ8の肩部の、絶縁テープが巻回され
ていない部分には、絶縁テープ23cが貼付されてい
る。
【0051】本実施の形態によれば、回転子ウエッジ8
に絶縁テープ23を巻回した後で、通気通路用の孔を空
ける必要がなく、より高い製造性を確保できる。なお、
回転子ウェッジ8の肩部に設けた絶縁シート25は、回
転子回転時に回転子ウェッジ肩部に相当する絶縁テープ
に働く面圧を低減するためのものであり、また、ウェッ
ジと鉄心との間の絶縁をより確実にすることができる。
【0052】(第7の実施の形態)(請求項14対応) 図7は本発明による回転電機の回転子の第7の実施の形
態を示す1スロット分の断面図である。図1と同様の構
成部分については、説明を省略する。
【0053】本発明の第7の実施の形態では、回転子ウ
ェッジ8とダンパバー5は電気的に接触しており、その
外側(外周部)に絶縁テープ23が巻回されている。本
実施の形態によれば、回転子ウエッジ8とダンパバー5
が電気的に接触しており、軸方向に流れる渦電流に対す
る電気抵抗はそれぞれ単体の場合に比べて減少する。そ
のため、回転子ウェッジ8およびダンパバー5に生じる
渦電流損失はそれぞれ単体の場合に比べて減少し、より
低損失な回転電機を供給することができる。また、絶縁
テープ23の締め付け力によって、回転子ウェッジ8と
ダンパバー5が密着させられているため、低速回転時に
回転子ウェッジ8とダンパバー5が電気的非接触状態に
転移することが無いため、スパークや局所的な温度上昇
による損傷を抑制することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転電機の回転子において、回転子ウェッジなどの回転
子各部材間を電気的に十分絶縁することによって、回転
子ウェッジなどの回転子構成部材における損失および過
熱、回転子各部材間の、スパークの発生、または局部的
な過熱を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回転電機の回転子
を図示した断面構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の回転電機の回転子
を図示した断面構成図。
【図3】本発明の第3の実施の形態の回転電機の回転子
を図示した断面構成図。
【図4】本発明の第4の実施の形態の回転電機の回転子
を図示した断面構成図。
【図5】本発明の第5の実施の形態の回転電機の回転子
を図示した断面構成図。
【図6】本発明の第6の実施の形態の回転電機の回転子
に関わる回転子ウェッジ鳥瞰図。
【図7】本発明の第7の実施の形態の回転電機の回転子
を図示した断面構成図。
【図8】従来のタービン発電機の回転子を示す断面構成
図。
【図9】タービン発電機の回転子を部分的に破断して示
す斜視図。
【符号の説明】
1………回転子鉄心 2………回転子スロット 3………界磁巻線 4………回転子ティース 5………ダンパバー 6………回転子磁極部 8………回転子ウエッジ 9………クリページ・ブロック 11………通風孔 21………絶縁性介在物 22………サブウェッジ 23………絶縁テープ 24………弾性体介在物 25………絶縁シート

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁極部と該磁極部以外の部分に形成され
    た複数個の巻線挿入用スロットと前記スロット間に形成
    されたティースを有する塊状回転子鉄心と、前記スロッ
    ト内に挿入された界磁巻線と、前記界磁巻線保持用ウエ
    ッジとを備えた回転電機の回転子であって、前記回転子
    鉄心と前記ウエッジの間に、電気絶縁層を介在させたこ
    とを特徴とする回転電機の回転子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の回転電機の回転子にお
    いて、前記電気絶縁層は、前記鉄心の前記ウエッジに対
    向する面あるいは、前記ウエッジの前記鉄心に対向する
    面に貼付された絶縁シートによって構成されることを特
    徴とする回転電機の回転子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の回転電機の回転子にお
    いて、前記電気絶縁層は、前記鉄心の前記ウエッジに対
    向する面あるいは、前記ウエッジの前記鉄心に対向する
    面に塗布された絶縁性皮膜によって構成されることを特
    徴とする回転電機の回転子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の回転電機の回転子にお
    いて、前記絶縁性皮膜は、前記鉄心の前記ウエッジに対
    向する面あるいは、前記ウエッジの前記鉄心に対向する
    面に施されたセラミックコーティングによって構成され
    ることを特徴とする回転電機の回転子。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の回転電機の回転子にお
    いて、前記鉄心の前記ウエッジに対向する面あるいは、
    前記ウエッジの前記鉄心に対向する面に、弾性部材を介
    在させたことを特徴とする回転電機の回転子。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の回転電機の回転子にお
    いて、前記電気絶縁層は、前記ウエッジ肩部と前記鉄心
    の間に設けられた、絶縁性サブウェッジにより構成され
    ることを特徴とする回転電機の回転子。
  7. 【請求項7】 磁極部と該磁極部以外の部分に形成され
    た複数個の巻線挿入用スロットと該スロット間に形成さ
    れたティースを有する塊状回転子鉄心と、前記スロット
    内に挿入された界磁巻線と、前記界磁巻線保持用ウエッ
    ジと、導電性のダンパバーを備えた回転電機の回転子で
    あって、前記ウェッジと前記ダンパバーとの間に、電気
    絶縁層を介在させたことを特徴とする回転電機の回転
    子。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の回転電機の回転子にお
    いて、前記電気絶縁層は、前記ダンパバーの前記ウエッ
    ジに対向する面あるいは、前記ウエッジの前記ダンパバ
    ーに対向する面に貼付された絶縁シートによって構成さ
    れることを特徴とする回転電機の回転子。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の回転電機の回転子にお
    いて、前記電気絶縁層は、前記ダンパバーの前記ウエッ
    ジに対向する面あるいは、前記ウエッジの前記ダンパバ
    ーに対向する面に塗布された絶縁性皮膜によって構成さ
    れることを特徴とする回転電機の回転子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の回転電機の回転子に
    おいて、前記絶縁性皮膜は、前記ダンパバーの前記ウエ
    ッジに対向する面あるいは、前記ウエッジの前記ダンパ
    バーに対向する面に施されたセラミックコーティングに
    よって構成されることを特徴とする回転電機の回転子。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の回転電機の回転子
    において、前記ダンパバーの前記ウエッジに対向する面
    あるいは、前記ウエッジの前記ダンパバーに対向する面
    に、弾性部材を介在させたことを特徴とする回転電機の
    回転子。
  12. 【請求項12】 請求項1あるいは7に記載の回転電機
    の回転子において、前記電気絶縁層は、前記ウエッジの
    表面に巻回された絶縁テープによって構成されることを
    特徴とする回転電機の回転子。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の回転電機の回転子で
    あって、前記スロット内に導電性のダンパバーを備えた
    回転電機の回転子において、前記ダンパバーは前記ウェ
    ッジに密着したダンパ一体型ウェッジとし、前記ウェッ
    ジの肩部と前記鉄心の間に絶縁性サブウェッジを設けた
    ことを特徴とする回転電機の回転子。
  14. 【請求項14】 請求項1に記載の回転電機の回転子で
    あって、前記スロット内に導電性のダンパバーを備えた
    回転電機の回転子において、前記ダンパバーは前記ウェ
    ッジに密着したダンパ一体型ウェッジとし、このダンパ
    一体型ウェッジを絶縁テープで巻回したことを特徴とす
    る回転電機の回転子。
  15. 【請求項15】 請求項12あるいは14に記載の回転
    電機の回転子において、前記絶縁テープは、界磁巻線の
    冷却用通風孔およびウエッジの給排気通風孔が確保可能
    な通風孔を有していることを特徴とする回転電機の回転
    子。
  16. 【請求項16】 請求項12あるいは14に記載の回転
    電機の回転子において、前記絶縁テープをウエッジの回
    転子軸方向に、ウェッジあるいは絶縁テープの変形によ
    りウェッジと鉄心が接触しない間隔を有して巻回したこ
    とを特徴とする回転電機の回転子。
  17. 【請求項17】 請求項16に記載の回転電機の回転子
    において、前記ウエッジの肩部の回転子鉄心に対向する
    面のうち、前記絶縁テープの巻回されていない面に、絶
    縁シートを貼付したことを特徴とする回転電機の回転
    子。
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