JP2723327B2 - 回転電機の回転子 - Google Patents

回転電機の回転子

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JP2723327B2
JP2723327B2 JP2038251A JP3825190A JP2723327B2 JP 2723327 B2 JP2723327 B2 JP 2723327B2 JP 2038251 A JP2038251 A JP 2038251A JP 3825190 A JP3825190 A JP 3825190A JP 2723327 B2 JP2723327 B2 JP 2723327B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、並列接続のコイル銅帯から成る回転子コイ
ルを備えた大形タービン発電機等の回転子に関する。
(従来の技術) 回転電機の回転子コイルは、一般に円筒形の回転子鉄
心の半径方向に沿って設けた軸方向の複数個のスロット
の中に挿入され、その外周部には楔が設けられて、スロ
ット内の回転子コイル等の遠心力による飛び出しを防止
する様にしている。
そして、回転子コイルを構成する各磁極コイルはコイ
ル銅帯と称される銅の平角導体で構成され、その半径方
向には冷却通風用の孔が設けられている。又、コイル銅
帯の層の幅には絶縁物が挿入され、磁極コイルを直列接
続の構成とし、一般に単一の直列電気回路として構成さ
れている。
一方、大型タービン発電機等では第3図に示すように
コイル銅帯を並列接続し、回転子コイルの冷却性能の向
上を図るようにした構成のものがある。即ち第3図にお
いて回転子鉄心(4)に設けられたスロット(10)内
に、その底部に下敷板(7)を配置して並列接続された
コイル銅帯(2)が、その層間(ターン間)にターン絶
縁物(3)を配置するとともにその上部にクリページプ
ロック(8)を介して楔(9)が設けられている。又ス
ロット(10)とコイル銅帯(2)間にスロット絶縁物
(6)が配置されている。コイル銅帯(2)、ターン絶
縁物(3)、クリページブロック(8)および楔(9)
には冷却用の通風孔(5)が設けられてある。
この様な構成にあっては、同一層のコイル銅帯(2)
の銅表面同士が直接に接触するためコイル銅帯(2)と
スロット絶縁物(6)との間の微少隙間内で並列接続さ
れたコイル銅帯(3)が相互に微小振動を起こしコイル
銅帯(2)が摩耗し摩耗銅粉が発生する。この摩耗銅粉
が蓄積すると磁極コイル間の層間短絡、回転子鉄心への
ロータ接地、更にはスロット間およびコイル銅帯間の短
絡等の問題が生じることがある。
(発明が解決しようとする課題) この摩耗銅粉に対して発生を防止する方法として層間
に摩耗防止材を挿入する方法や直線部を長手方向に接合
する方法がある。しかしこれらの構成では実施上いくつ
かの問題点がある。即ち層間に摩耗防止材を挿入するの
は半径方向の高さ寸法が増加するし、直線部を全長ある
距離で接合するとコイル銅帯の変形によりターン絶縁お
よびスロット絶縁物の損傷等の不具合がある。
上記の欠点に鑑み本発明に於いては、コイルの変形な
く並列接続されているコイル銅帯のターン層間の摩耗を
防止し、スロット内での銅粉の発生を防止できる回転子
コイルを備えた回転電機の回転子を提供することを目的
とする。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 上記の課題を解決するため本発明の回転電機の回転子
は、円筒形鉄心の長手方向に形成されたスロット内に層
をなして配置された複数個の並列接続のコイル銅帯から
なる回転子コイルを備えた大形の回転電機の回転子に於
いて、前記並列接続のコイル銅帯間の長さ方向の接合間
隔がスロットテーパ部に対しスロット平行部が倍以上に
したことを特徴とする。
(作用) 本発明は上記のように構成されており、ターニング運
転時の低速回転状態によるコイル銅帯に加わる遠心力が
低下し、スロット平行部の並列コイル銅帯間の層間接触
面積が小さくなったとしても、並列コイル銅帯間の相対
すべり振動は発生せず、コイル銅帯の摩耗により銅粉の
発生を防止できる。
(実施例) 以下、本発明の一実施例について第1図ないし第3図
を参照して説明する。第3図と同一部分には同一符号を
付して説明を省略する。
回転子鉄心(4)の半径方向に設けたスロット(10)
内に、その底部に下敷板(7)を配置し、並列接続され
たコイル銅帯(2)が、その層間(ターン間)にターン
絶縁物(3)を配置すると共にその上部にクリページブ
ロック(8)を介して楔(9)が設けられている。
又コイル銅帯(2)とスロット(10)との間にはスロ
ット絶縁物(6)を配置しておく。又前記スロット(1
0)は遠心力による機械強度から底部はテーパ形状、上
部は平行形状になっている。このためコイル銅帯(2)
もスロット底部に近づくほど幅が狭くなっている。
発電機を長期間高い信頼性ある運転を維持するために
は大電流が流されているコイル銅帯(2)を直接冷却す
る必要がある。このためコイル銅帯には整合した通風孔
(5)が設けられ更に高遠心力場でも変形を起こさない
様材料には銅に銀を0.1〜0.2%混合した銀入銅を用いて
耐力を高めている。
第1図に回転子の一つのスロット内に組立てられてい
るコイル銅帯を示す。並列に接続されている一つの層
(ターン)は、スロット長手方向に対しある間隔をもっ
てろう付されている。但しろう付の間隔はスロットテー
パ部に組立てられているコイル銅帯は倍以上である。又
回転子鉄心外部および鉄心内端部より約1mの範囲につい
てはコイル銅帯をろう付しない。
ろう付後のコイル銅帯(3)はその廻りを十分清掃、
点検してからスロット(10)内に装着する。
次に上記実施例の作用について述べる。
上記のような構成にすると並列のコイル銅帯間の相対
的なすべりは起こらず摩耗銅粉の発生を防止することが
できる。
回転子鉄心内端部から1mの範囲はコイルの熱伸びでコ
イル銅帯(2)がスロット絶縁(6)を圧縮するがこの
範囲はろう付(1)を行っていないためスロット絶縁を
損傷させることもない。
スロットの平行部分のろう付が少なくなるためろう付
作業も短時間で終了でき、コイルスロットに組込む際も
コイル銅帯の変形を少なくできる。尚ろう付でなく溶接
によっても同様の作用効果を得ることが出来る。
スロット平行部分のコイル銅帯はスロットテーパ部分
のろう付の2倍以上の間隔になるが平行部分のコイル銅
帯の相対的なすべりはコイル銅帯幅の異なるスロットテ
ーパ部分に対してほとんどなく2倍以上の間隔でのろう
付でも完全に摩耗銅粉の発生を防止することができる。
〔発明の効果〕
以上述べたように本発明の回転電機の回転子によれ
ば、並列接続のコイル銅帯でスロット平行部分のろう付
間隔をスロットテーパ部分の2倍以上にして更に回転子
鉄心端部から1m以内をろう付しないことにより、コイル
銅帯は運転中の遠心力や熱応力に対しても変形せず、又
スロット絶縁やターン絶縁にも損傷を与えずスロット内
でのコイル銅帯の摩耗による銅分の発生を防止でき、信
頼性の高い回転子コイルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る回転子のスロット内コ
イル銅帯の接合間隔の説明図、第2図はコイル銅帯の要
部拡大図、第3図はタービン発電機の1スロット分の断
面図を示す。 1……ろう付部、2……コイル銅帯、3……ターン絶
縁、4……回転子鉄心。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒形鉄心の長手方向に形成されたスロッ
    ト内に層をなして配置された複数個の並列接続のコイル
    銅帯からなる回転子コイルを備えた大形の回転電機の回
    転子に於いて、前記並列接続のコイル銅帯間の長さ方向
    の接合間隔がスロットテーパ部に対しスロット平行部が
    倍以上にしたことを特徴とする回転電機の回転子。
JP2038251A 1990-02-21 1990-02-21 回転電機の回転子 Expired - Fee Related JP2723327B2 (ja)

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JPH03243147A JPH03243147A (ja) 1991-10-30
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US4390806A (en) * 1980-09-02 1983-06-28 General Electric Company Dynamoelectric machine rotors with mechanical separators

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