JPH10173391A - 電磁波シールド材 - Google Patents

電磁波シールド材

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JPH10173391A
JPH10173391A JP9006934A JP693497A JPH10173391A JP H10173391 A JPH10173391 A JP H10173391A JP 9006934 A JP9006934 A JP 9006934A JP 693497 A JP693497 A JP 693497A JP H10173391 A JPH10173391 A JP H10173391A
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electromagnetic wave
wave shielding
shielding material
oxide film
conductive metal
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JP9006934A
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Akira Umigami
暁 海上
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Idemitsu Kosan Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の構成の電磁波シールド材では、これを
表示装置用電磁波シールド材として用いたときに、画面
から放射される電磁波を画質の低下を抑制しつつ高度に
シールドすることが可能なものを得ることが困難であ
る。 【解決手段】 透明基材と、透明導電性酸化物膜と、平
面視したときに所定形状の開口部からなる繰り返しパタ
ーンがパターン間隔300μm〜1mmで現れるように
して線幅が10〜50μmの細線状の導電性金属層によ
って形成された導電性金属パターンとを、前記透明導電
性酸化物膜と前記導電性金属パターンとのうちの少なく
とも一方が前記透明基材の片面上に形成されており、か
つ、前記透明導電性酸化物膜と前記導電性金属パターン
とが電気絶縁層を介して積層された状態にあるように組
み合わせて、電磁波シールド材を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電磁波シールド材に
係り、特に、透明導電膜と導電性金属パターンとを併用
したタイプの電磁波シールド材に関する。
【0002】
【従来の技術】我々の身の回りには、電子,電気,電波
を利用した機器が数多く存在するが、これらの中には意
図しないで不要な電磁波を放射しているものがある。こ
の電磁波は他の電子機器に影響を与えて、誤作動,雑音
の発生,その他いろいろな機能障害を起こす原因となっ
ている。また、電子機器から放射される電磁波が人体に
及ぼす影響についても従来より問題となっており、特に
ヨーロッパ等においては電器機器,情報機器等に対して
規制が設けられている。そして、日本においても最近自
主規制が設けられるようになり、電器機器,情報機器等
から放射される電磁波をシールドする必要性が重要視さ
れている。
【0003】特に、CRT(ブラウン管)ディスプレイ
やカラー表示プラズマディスプレイ等の表示装置では画
面からも電磁波が放射され、かつ、これらの表示装置で
はその使用者が当該表示装置の画面の前にいる時間が比
較的長くなり易いことから、画面から放射される電磁波
についても画質を低下させることなく十分にシールドす
る必要がある。
【0004】電磁波シールド材としては、従来より(1)
金属メッシュ網,(2) ITO膜等の透明導電性酸化物
膜,(3) 金属薄膜,または(4) 金属薄膜と透明導電性酸
化物膜との積層物、等を利用したものが知られている。
また、特開平1−170098号公報には、窓,ドア等
に使用するに適した電磁波遮蔽透明板として、透明性導
電膜と導電性の格子パターンとを併用した電磁波遮蔽透
明板が開示されている。この電磁波遮蔽透明板は、透明
性導電膜と、1つの格子単位における長い方の対角線の
長さ(内寸)が1〜30cmである導電性の格子パター
ンとが形成されいている透明板からなるものであり、上
記公報の記載によれば、当該電磁波遮蔽透明板は10M
Hz〜1000MHz以上の広い帯域の電磁波を効果的
に遮蔽することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】表示装置の画面から放
射される電磁波をシールドするための電磁波シールド材
(以下、この電磁波シールド材を「表示装置用電磁波シ
ールド材」という。)には、画質の低下を抑制するうえ
から高い光透過特性と低い光反射特性とが要求される。
【0006】このため、上記(3) の金属薄膜あるいは上
記(4) の積層物を利用した電磁波シールド材を表示装置
用電磁波シールド材に適用することは、その光透過特性
からして困難である。また、上記(2) の透明導電性酸化
物膜を単独利用した電磁波シールド材は、表示装置用電
磁波シールド材、特にカラー表示プラズマディスプレイ
に適用する表示装置用電磁波シールド材として使用する
には電磁波シールド効果が不十分である。そして、上記
(1) の金属メッシュ網を利用した電磁波シールド材で
は、金属メッシュ網のメッシュ間隔を狭くすることによ
って高い電磁波シールド効果を得ることができるが、メ
ッシュ間隔が狭い金属メッシュ網を利用した電磁波シー
ルド材を表示装置用電磁波シールド材として使用する
と、モアレが生じて画面表示が不鮮明になる。
【0007】一方、特開平1−170098号公報に開
示されている電磁波遮蔽透明板では、格子パターンの線
幅を広げない限りは表示装置用電磁波シールド材として
利用可能な電磁波シールド効果を有するものを得ること
ができず、前記の線幅を広げたものを表示装置用電磁波
シールド材として使用すると画質が低下する。
【0008】本発明は、表示装置用電磁波シールド材と
して用いた場合でも画面から放射される電磁波を画質の
低下を抑制しつつ高度にシールドすることが可能なもの
を得ることが容易な電磁波シールド材を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の電磁波シールド材は、透明基材と、透明導電性酸
化物膜と、平面視したときに所定形状の開口部からなる
繰り返しパターンがパターン間隔300μm〜1mmで
現れるようにして線幅が10〜50μmの細線状の導電
性金属層によって形成された導電性金属パターンとを有
し、前記透明導電性酸化物膜と前記導電性金属パターン
とのうちの少なくとも一方が前記透明基材の片面上に形
成されており、かつ、前記透明導電性酸化物膜と前記導
電性金属パターンとが電気絶縁層を介して積層された状
態にあることを特徴とするものである(以下、この電磁
波シールド材を「電磁波シールド材I」という。)。
【0010】また上記の目的を達成する本発明の他の電
磁波シールド材は、透明基材と、透明導電性酸化物膜
と、平面視したときに所定形状の開口部からなる繰り返
しパターンがパターン間隔300μm〜1mmで現れる
ようにして線幅が10〜100μmの細線状の導電性金
属層によって形成された導電性金属パターンとを有し、
前記透明導電性酸化物膜と前記導電性金属パターンとの
うちの少なくとも一方が前記透明基材の片面上に形成さ
れており、かつ、前記透明導電性酸化物膜と前記導電性
金属パターンとが厚さ方向に積層された状態にあること
を特徴とするものである(以下、この電磁波シールド材
を「電磁波シールド材II」という。)。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳述する。まず、本発明の電磁波シールド材Iについ
て説明すると、この電磁波シールド材Iは、上述したよ
うに透明基材と、透明導電性酸化物膜と、所定形状の導
電性金属パターンとを有している。
【0012】ここで、上記の透明基材としては、本発明
の電磁波シールド材Iを表示装置用電磁波シールド材と
して用いた場合でも表示画面の画質の低下をできるだけ
抑制することができるように、可視光(波長380〜7
80nmの光を意味する。以下同じ。)の平均透過率が
概ね70%以上であるものを使用することが好ましい。
透明基材における可視光の平均透過率は、概ね75%以
上であることがより好ましく、概ね80%以上であるこ
とが特に好ましい。当該透明基材は、可視光の平均透過
率が前記の条件を満たすのものであれば、フィルム状
物,シート状物および板状物のいずれであってもよい。
【0013】透明基材の材質の具体例としては、ソーダ
石灰ガラス,鉛ガラス,硼硅酸ガラス,高硅酸ガラス,
無アルカリガラス等のガラスや、ポリカーボネート樹
脂,ポリアリレート樹脂,ポリエチレンテレフタレート
およびポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹
脂,ポリエーテルサルホン樹脂,アモルファスポリオレ
フィン樹脂,ポリスチレン樹脂,アクリル樹脂等の樹脂
等、電気絶縁性のものが挙げられる。
【0014】なお、特にプラズマディスプレイ用の電磁
波シールド材I(表示装置用電磁波シールド材の1つ)
を得ようとする場合には、温度80℃,試験時間100
0時間の条件で耐熱性試験を行ったときに実質的に色変
化が起きず、温度60℃,湿度95%,試験時間100
0時間の条件で耐湿性試験を行ったときにも実質的に色
変化が起きず、かつ、温度80℃,試験時間1000時
間の条件で耐熱性試験を行ったときの寸法変化が小さい
(概ね1%以下)透明基材を用いることが好ましい。
【0015】表示装置の画面上、あるいは表示装置を構
成している表示パネルの前面板(表示パネルにおいて画
面側の最外層となっている透明基板を意味する。以下同
じ。)上等に貼付して使用するタイプの表示装置用電磁
波シールド材では、(1) 表示部に用いられているガラス
が仮に破損した場合でもその飛散を防止する、(2) 電磁
波シールド材の軽量化を図る等の観点から、可撓性,耐
衝撃性,衝撃吸収性に優れ、かつ、軽量であるものが望
まれるので、上記のタイプの表示装置用電磁波シールド
材を得ようとする場合には、透明基材として透明樹脂基
材、なかでも透明樹脂フィルムを用いることが好まし
い。
【0016】また、透明基材として板状物を使用した場
合には、前記の前面板(DSTN方式の液晶表示装置に
あっては、液晶セルにおける「前面板」および補償セル
を構成している透明基板のいずれでもよい。)としても
使用し得る表示装置用電磁波シールド材を得ることが可
能である。
【0017】そして、透明樹脂基材を用いて表示装置用
電磁波シールド材、特に、CRTディスプレイ用,プラ
ズマディスプレイ用またはアクティブマトリックス駆動
方式の液晶ディスプレイ用の電磁波シールド材を得よう
とする場合には、近赤外カット機能を付与したもの、す
なわち、表示装置用のリモートコントローラが表示装置
から放射される近赤外線によって誤作動するのを防止す
るために、近赤外吸収剤や近赤外反射剤を添加して近赤
外領域である波長800〜1200nmにおける光透過
率を低下させたものを透明基材として用いることもでき
る。近赤外カット機能を付与した透明樹脂基材として
は、波長850〜1200nmの近赤外線の透過率を概
ね20%以下としたものが好ましい。
【0018】透明基材の厚さは、上述のように、目的と
する電磁波シールド材Iの用途等に応じて適宜選択可能
である。また、上述した透明基材は、後述する透明導電
性酸化物膜との密着性を改善するためのアンダーコート
層,基材が傷つくことを防止するためのハードコート層
(UV硬化型アクリルハードコート層,熱硬化型ハード
コート層等),水蒸気や酸素等のガスを遮断するための
ガスバリヤ層,溶剤による基材の劣化を防止するための
耐溶剤層,透明性を向上させるための反射防止層,表示
装置用のリモートコントローラが表示装置から放射され
る近赤外線によって誤作動するのを防止するための近赤
外カット層等をその片面または両面に有していてもよ
い。近赤外カット層としては、波長850〜1200n
mの近赤外線の透過率が概ね20%以下のものが好まし
い。
【0019】上述した透明基材とともに本発明の電磁波
シールド材Iを構成している透明導電性酸化物膜の具体
例としては、インジウム酸化物,ITO,スズ酸化物,
アンチモンドープスズ酸化物,フッ素ドープスズ酸化
物,アルミニウムドープ亜鉛酸化物,In23−ZnO
系酸化物等が挙げられる。透明導電性酸化物膜のシート
抵抗は概ね100Ω/□以下であることが好ましく、6
0Ω/□以下であることがより好ましい。できるだけ高
い電磁波シールド効果を有する電磁波シールド材Iを得
るうえからは、透明導電性酸化物膜のシート抵抗は40
Ω/□以下であることが更に好ましく、特に、20Ω/
□以下であることが好ましい。そして、シート抵抗が4
0Ω/□以下の透明導電性酸化物膜を得るうえからは、
その材質をIn23−ZnO系非晶質酸化物とすること
が好ましい。なお、本発明でいう「In23−ZnO系
非晶質酸化物」とは、インジウム(In),亜鉛(Z
n)および酸素(O)を必須の構成元素とし、ガリウム
(Ga),Snを任意の構成元素としている非晶質酸化
物を意味する。
【0020】上記のIn23−ZnO系非晶質酸化物が
不可避的な混入物を除いて必須の構成元素のみからなる
場合、当該非晶質酸化物におけるインジウム(In)の
原子比In/(In+Zn)は、得られる膜の導電性の
点から0.5〜0.9とすることが好ましく、0.6〜
0.9とすることがより好ましく、0.8〜0.9とす
ることが特に好ましい。この場合、当該In23−Zn
O系非晶質酸化物からなる膜の比抵抗は概ね3×10-4
〜5×10-4Ω・cmとなるので、その膜厚を概ね75
0オングストローム以上とすることにより、シート抵抗
が40Ω/□以下の透明導電性酸化物膜を形成すること
が可能になる。なお、前記インジウムの原子比In/
(In+Zn)が0.5未満では得られる膜の導電性が
低下し、0.9を超えると膜の熱に対する抵抗安定性が
低下する。
【0021】一方、上記のIn23−ZnO系非晶質酸
化物に任意の構成元素を含ませる場合、当該任意の構成
元素としてはガリウム(Ga)が特に好ましい。ガリウ
ム(Ga)を含ませることにより、波長400nm付近
の光透過率が向上したIn23−ZnO系非晶質酸化物
膜を得ることができる。
【0022】任意の構成元素としてガリウム(Ga)を
含ませる場合、当該非晶質酸化物におけるインジウム
(In)の原子比In/(In+Zn+Ga)は、必須
の構成元素のみからなるIn23−ZnO系非晶質酸化
物膜におけると同様の理由から0.5〜0.9とするこ
とが好ましく、0.6〜0.9とすることがより好まし
く、0.8〜0.9とすることが特に好ましい。また、
ガリウム(Ga)の原子比Ga/(In+Zn+Ga)
は0.04以下とすることが好ましく、0.03以下と
することがより好ましく、0.025以下とすることが
特に好ましい。この場合、当該非晶質酸化物からなる膜
の比抵抗は概ね3×10-4〜5×10-4Ω・cmとなる
ので、その膜厚を概ね750オングストローム以上とす
ることにより、シート抵抗が40Ω/□以下の透明導電
性酸化物膜を形成することが可能になる。なお、前記ガ
リウム(Ga)の原子比Ga/(In+Zn+Ga)が
0.04を超えると、得られる膜の導電性が低下する。
【0023】上記のIn23−ZnO系非晶質酸化物か
らなる膜を概ね100℃以下の低温度環境下で製膜した
場合、このIn23−ZnO系非晶質酸化物膜の透明性
は低温度環境下で製膜した他の透明導電性酸化物膜(イ
ンジウム酸化物膜,ITO膜,スズ酸化物膜,アンチモ
ンドープスズ酸化物膜,フッ素ドープスズ酸化物膜,ア
ルミニウムドープ亜鉛酸化物膜等)より高くなる。した
がって、当該In23−ZnO系非晶質酸化物膜は電磁
波シールド効果が高い電磁波シールド材を得るうえで好
適であるほか、透明性の高い電磁波シールド材を得るう
えでも好適である。
【0024】本発明の電磁波シールド材Iは、前述した
透明基材と上述した透明導電性酸化物膜との他に、線幅
が10〜50μmの細線状の導電性金属層によって形成
された導電性金属パターンを有している。ここで、導電
性金属パターンを形成している導電性金属層の線幅を1
0〜50μmにする理由は、当該線幅が10μm未満で
は十分な電磁波シールド効果を得ることが困難になり、
50μmを超えると、表示装置用電磁波シールド材とし
て用いたときでも表示装置の画質の低下を抑制すること
ができる電磁波シールド材を得ることが困難になるから
である。導電性金属層の線幅は40μm以下であること
がより好ましく、30μm以下であることが特に好まし
い。
【0025】上記の導電性金属層はAu,Ag,Pt,
Cu,Ni等の単体金属や合金からなっていてもよい
し、カーボン(C)ペースト,銀(Ag)ペースト,A
g−Cペースト等の導電性ペーストの単品または混合物
によって形成されたもの(本発明においては、Cペース
トやAg−Cペーストによって形成された導電層も「導
電性金属層」に含めるものとする。)であってもよい。
当該導電性金属層の材質は、目的とする電磁波シールド
材Iの用途や透明基材の材質,製造コスト等を勘案して
適宜選択可能である。また、当該導電性金属層は複数層
構造を有していてもよく、その場合の各層の材質は同じ
であってもよいし異なっていてもよい。
【0026】透明基材として透明樹脂基材を用いる場合
には、製造コスト,生産性等の観点から、前記の導電性
ペーストによって導電性金属層を形成することが好まし
い。そして、透明基材として透明樹脂基材を用いて表示
装置用の電磁波シールド材Iを得る場合には、製造コス
ト,生産性等の観点から、また、表示装置の画質の低下
を抑制するうえから、Ag−Cペーストによって導電性
金属層を形成することがより好ましい。Ag−Cペース
トは、導電性が高いことから、電磁波シールド効果の高
い電磁波シールド材Iを得るうえでも好適な導電性ペー
ストである。
【0027】導電性金属層の厚さは、所望の透明性を有
する電磁波シールド材Iが得られるように、その材質に
応じて適宜選択可能である。例えば、表示装置用電磁波
シールド材として使用する電磁波シールド材Iを得るに
あたって上記の導電性ペーストによって導電性金属層を
形成する場合には、当該導電性金属層の厚さ(導電性金
属パターンを形成するにあたって導電性金属層同士を交
差させる場合には交差部における厚さ)を10μm以下
とすることが好ましく、8μm以下とすることがより好
ましく、5μm以下とすることが特に好ましい。導電性
ペーストによって導電性金属層を形成するにあったて当
該導電性金属層の厚さを10μmより厚くすると、表示
装置用電磁波シールド材として使用したときに表示装置
の画質が低下し易くなる。ただし、導電性ペーストの種
類によっては、その膜厚を20μm程度まで厚くして上
記の導電性金属層を形成しても、表示装置の画質の低下
を抑制することができる。
【0028】上述した導電性金属層によって形成されて
いる導電性金属パターンは、前述したように、平面視し
たときに所定形状の開口部からなる繰り返しパターンが
パターン間隔300μm〜1mmで現れるようにして形
成されている。ここで、前記の開口部からなる繰り返し
パターンは、平面視上、電磁波シールド材Iにおいて電
磁波シールド効果をもたせようとする全領域に亘って形
成されている。また、本発明でいう前記の「開口部」と
は、導電性金属パターン全体を平面視したときに導電性
金属層の下地となっている層の表面が裸出している部分
を意味する。
【0029】上記の開口部からなる繰り返しパターンを
構成している1つ1つのパターン(以下、このパターン
を「ユニットパターン」という。当然のことながら、こ
のユニットパターンも上記の開口部からなる。)の平面
視上の形状は、二等辺三角形(正三角形を含む。以下同
じ。),矩形(正方形を含む。以下同じ。),菱形(正
方形を除く。以下同じ。),正五角形以上の正多角形,
楕円形(円形を含む。)等、目的とする電磁波シールド
材Iの用途等に応じて適宜選択可能である。ただし、こ
のときのパターン間隔は上記のように300μ〜1mm
とする。
【0030】ここで、本発明でいう上記の「パターン間
隔」とは、ユニットパターンの平面視上の形状や導電性
金属パターンの全体形状に応じて、下記(1) 〜(4) のい
ずれかを意味する。 (1) ユニットパターンの平面視上の形状が二等辺三角形
である場合には、前記の二等辺三角形における最大の高
さ。 (2) ユニットパターンの平面視上の形状が矩形,菱形ま
たは正五角形以上の正多角形である場合には、前記の矩
形,菱形または正多角形における最長の対角線の長さ。 (3) ユニットパターンの平面視上の形状が楕円形(ただ
し、円形を除く。)である場合には、前記の楕円におけ
る長軸の長さ。 (4) ユニットパターンの平面視上の形状が円形である場
合には、前記の円における直径。
【0031】導電性金属パターンにおける上記のパター
ン間隔を300μ〜1mmとする理由は、当該パターン
間隔が300μm未満では、表示装置用電磁波シールド
材として使用したときでも表示装置の画質の低下を抑制
することができる電磁波シールド材を得ることが困難に
なり、1mmを超えると表示装置用電磁波シールド材と
して使用したときでも十分な電磁波シールド効果を発揮
する電磁波シールド材を得ることが困難になるからであ
る。パターン間隔は、ユニットパターンの形状に拘わら
ず、400μm以上1mm未満とすることがより好まし
く、500μm以上1mm未満とすることが特に好まし
い。表示装置用電磁波シールド材を得ようとする場合に
は、当該表示装置用電磁波シールド材を用いたことによ
ってモアレが生じないように、表示装置における画素の
配置仕様等を考慮して、上記のパターン間隔を適宜選択
することが好ましい。
【0032】導電性金属パターンを平面視したときに現
れるユニットパターンの形状は、導電性金属パターン全
体を通じて同じにしてもよいし、導電性金属パターン中
で必要に応じて変化させてもよい。同様に、パターン間
隔は導電性金属パターン全体を通じて同じにしてもよい
し、導電性金属パターン中で必要に応じて変化させても
よい。電磁波シールド効果の高い電磁波シールド材を得
るうえからは、平面視したときの全体形状が格子状とな
るように導電性金属パターンを形成することが好まし
い。
【0033】本発明の電磁波シールド材は、以上説明し
た透明基材,透明導電性酸化物膜および導電性金属パタ
ーンを有しており、透明導電性酸化物膜と導電性金属パ
ターンとのうちの少なくとも一方は、前述したように透
明基材の片面上に形成されている。また、透明導電性酸
化物膜と導電性金属パターンとは電気絶縁層を介して積
層された状態にある。ここで、本発明でいう「透明導電
性酸化物膜と導電性金属パターンとが電気絶縁層を介し
て積層された状態にある」とは、意図的に導通を図るた
めの処理を施さない限りは、実質的に透明導電性酸化物
膜と導電性金属パターンとが電気的に絶縁されているこ
とを意味する。
【0034】電気絶縁層を介して積層された状態にある
透明導電性酸化物膜と導電性金属パターンとは、例えば
下記(i) 〜(vi)の方法により形成することができる。 (i) 透明基材の片面に直接透明導電性酸化物膜を形成
し、前記透明基材の他方の面に直接導電性金属パターン
を形成する。この場合には、透明基材が電気絶縁層に相
当する。
【0035】(ii)透明導電性酸化物膜と導電性金属パタ
ーンの両方を透明基材の片面上に順次積層する。この場
合には、まず透明基材の片面上に直接透明導電性酸化物
膜を形成し、この透明導電性酸化物膜上にエポキシ樹
脂,アクリル樹脂,ウレタン樹脂,エポキシウレタン樹
脂等の電気絶縁性有機透明材料やSiO2 等の電気絶縁
性無機透明材料によって膜厚0.1〜10μm程度の電
気絶縁層を形成した後、この電気絶縁層上に直接導電性
金属パターンを形成することが好ましい。
【0036】(iii) 第1の透明基材の片面に直接透明導
電性酸化物膜を形成することによって第1の電磁波シー
ルド部を得、また、第2の透明基材の片面に直接導電性
金属パターンを形成することによって第2の電磁波シー
ルド部を得、これら第1の電磁波シールド部と第2の電
磁波シールド部とを、(a) 前記の透明導電性酸化物膜と
前記第2の透明基材とが直接向かい合うようにして、ま
たは、(b) 前記の導電性金属パターンと前記第1の透明
基材とが直接向かい合うようにして、重ね合わせる。第
1の電磁波シールド部と第2の電磁波シールド部との重
ね合わせは、熱圧着(透明基材が熱可塑性樹脂製である
場合),両面テープの使用等の方法で両者を互いに固着
させることによっても行うことができるが、エポキシ系
接着剤,アクリル系接着剤,シリコーン系接着剤,ウレ
タン系接着剤等の透明接着剤によって両者を互いに固着
させることによって行うか、あるいはラミネータ(この
場合、アースの接続を考慮して接着剤は端部を残して塗
工し、重ね合わせることが好ましい。以下同じ。)によ
って両者を一体化させることによって行うことが実用上
好適である。
【0037】(iv)上記(iii) でいう第1の電磁波シール
ド部および第2の電磁波シールド部を、前記の透明導電
性酸化物膜と前記の導電性金属パターンとが透明電気絶
縁層を介して向かい合うようにして重ね合わせる。ただ
し、第2の電磁波シールド部を構成している透明基材
(第2の透明基材)を前記の透明電気絶縁層として利用
する場合を除く。第1の電磁波シールド部と第2の電磁
波シールド部との重ね合わせは、エポキシ系接着剤,ア
クリル系接着剤,シリコーン系接着剤,ウレタン系接着
剤等の透明接着剤の層を電気絶縁層として利用しつつ、
当該透明接着剤によって両者を互いに固着させることに
よって行うことが実用上好適である。
【0038】(v) 導電性金属パターンの平面視上の全体
形状を例えば格子状にする場合には、透明基材(以下
「透明基材A」という。)上に直線状を呈する複数本の
導電性金属層を所定ピッチで形成し、また、他の透明基
材(以下「透明基材B」という。)上に同様に複数本の
導電性金属層を所定ピッチで形成して、透明基材A上に
形成されている導電性金属層と透明基材B上に形成され
ている導電性金属層とが平面視上直交するように、か
つ、互いに当接するようにしてこれらを重ね合わせて、
上記(iii) または(iv)でいう第2の電磁波シールド部を
作製する。このときの重ね合せは、ラミネータによって
行ってもよいし、透明基材Aおよび透明基材Bのうちの
少なくとも一方が熱可塑性樹脂製である場合には熱圧着
によって行ってもよい。また、当該第2の電磁波シール
ド部と後述する第1の電磁波シールド部との重ね合せを
ラミネータによって行う場合や、熱圧着によって行う場
合(この場合、第1の電磁波シールド部を構成している
透明導電性酸化物膜に接する透明基材(透明基材Aまた
は透明基材B)は、熱可塑性樹脂からなる。)には、単
に重ねるだけでもよい。この後、当該第2の電磁波シー
ルド部を構成している透明基材Aまたは透明基材Bが上
記(iii) または(iv)でいう第1の電磁波シールド部の透
明導電性酸化物膜と直接向かい合うようにして、第1の
電磁波シールド部と第2の電磁波シールド部とを上記(i
ii) と同様にして重ね合わせる。
【0039】(vi)導電性金属パターンの平面視上の全体
形状を例えば格子状にする場合には、透明基材上に直線
状を呈する複数本の導電性金属層を所定ピッチで形成し
たもの(以下、このものを「導電性金属層付き基材a」
という。)と、他の透明基材上に同様に複数本の導電性
金属層を所定ピッチで形成したもの(以下、このものを
「導電性金属層付き基材b」という。)と、上記(iii)
または(iv)でいう第1の電磁波シールド部とを用意す
る。そして、第1の電磁波シールド部と前記2つの導電
性金属層付き基材のうちの一方とを、第1の電磁波シー
ルド部を構成している透明導電性酸化物膜と導電性金属
層付き基材を構成している透明基材とが直接向かい合う
ようにしてこれらを重ね合わせ、さらに、第1の電磁波
シールド部に重ね合わせた後の導電性金属層付き基材の
導電性金属層と未だ重ね合わせていない他方の導電性金
属層付き基材の導電性金属層とが平面視上直交するよう
にして、かつ、互いに当接するようにして、当該他方の
導電性金属層付き基材を重ね合わせる。このときの第1
の電磁波シールド部,導電性金属層付き基材aおよび導
電性金属層付き基材bの重ね合せはラミネータによって
1工程で行ってもよいし、第1の電磁波シールド部を構
成している透明導電性酸化物膜上に重ね合わせる導電性
金属層付き基材の透明基材が熱可塑性樹脂製である場合
には熱圧着によって1工程で行ってもよい。また、第1
の電磁波シールド部と導電性金属層付き基材(導電性金
属層付き基材aまたは導電性金属層付き基材b)との重
ね合せは、上記(iv)と同様にエポキシ系接着剤,アクリ
ル系接着剤,シリコーン系接着剤,ウレタン系接着剤等
の透明接着剤によって行ってもよい。
【0040】なお、上記(iii) 〜(v) のいずれの方法に
おいても、第1の電磁波シールド部と第2の電磁波シー
ルド部とを重ね合わせるにあたっては、一方の電磁波シ
ールド部のサイズ(平面視上の大きさ)を他方の電磁波
シールド部のサイズ(平面視上の大きさ)よりも若干小
さくすることが好ましい。このように第1の電磁波シー
ルド部と第2の電磁波シールド部のサイズをそれぞれ調
整すると、重ね合わせた後に透明導電性酸化物膜および
導電性金属パターンからそれぞれアースをとることが容
易になる。同様に、上記(vi)の方法においては、容易に
アースがとれるように、第1の電磁波シールド部,導電
性金属層付き基材aおよび導電性金属層付き基材bの各
サイズ(平面視上の大きさ)をそれぞれ調整することが
好ましい。
【0041】本発明の電磁波シールド材Iを構成する透
明基材,透明導電性酸化物膜および導電性金属パターン
それぞれの数(層数)は、目的とする電磁波シールド材
Iの用途等に応じて適宜選択可能であるが、透明基材の
層数が4以上では、当該透明基材としてフィルム状物を
用いた場合でも電磁波シールド材Iの透明性が低下し易
い。また、透明導電性酸化物膜または導電性金属パター
ンの層数が2以上でも、電磁波シールド材Iの透明性が
低下し易い。したがって、透明性の高い電磁波シールド
材I(後述する可視光の透過率が概ね50%以上である
電磁波シールド材I)を得ようとする場合には、透明基
材の層数を3以下、より好ましくは2以下とし、透明導
電性酸化物膜および導電性金属パターンの層数をそれぞ
れ1とすることが好ましい。なお、透明導電性酸化物膜
上に直接導電性金属パターンを形成すると、全く同じ透
明導電性酸化物膜上に電気絶縁層を介して全く同じ導電
性金属パターンを形成した場合よりも、得られる電磁波
シールド材の電磁波シールド効果が低くなる。
【0042】本発明の電磁波シールド材Iを表示装置用
電磁波シールド材、特にカラー表示プラズマディスプレ
イ用電磁波シールド材として用いようとする場合には、
当該電磁波シールド材Iにおける可視光の透過率(38
0〜780nmの波長域における平均の光透過率を意味
する。以下同じ。)を50%以上とすることが好まし
く、可視光の反射率(380〜780nmの波長域にお
ける平均の光反射率を意味する。以下同じ。)を20%
以下とすることが好ましく、100MHzの電磁波に対
するシールド効果を50dB以上とすることが好まし
い。この場合、可視光の透過率は55%以上であること
がより好ましく、60%以上であることが特に好まし
い。また、可視光の反射率は10%以下であることがよ
り好ましく、5%以下であることが特に好ましい。そし
て、100MHzの電磁波に対するシールド効果は55
dB以上であることがより好ましく、60dB以上であ
ることが特に好ましい。
【0043】電磁波シールド材Iにおける可視光の透過
率は、透明基材の材質および厚さならびに層数,透明導
電性酸化物膜の材質および厚さならびに層数,導電性金
属パターンの材質および厚さならびに層数等を適宜選択
することにより調整することができる。
【0044】また、電磁波シールド材Iにおける可視光
の反射率は、透明基材の材質および厚さならびに層数,
透明導電性酸化物膜の材質および厚さならびに層数,導
電性金属パターンの材質および厚さならびに層数,電磁
波シールド材I中の界面の数等を適宜選択することによ
り調整することができるが、必要に応じて可視光用の反
射防止層を形成してもよい。この反射防止層は、例えば
反射防止フィルム、すなわち、透明樹脂フィルム上に所
定の誘電体多層膜または反射防止用の層(シロキサンオ
リゴマーにチタン成分を添加したものからなる層や、フ
ッ素系アクリル樹脂層等)を形成したものを貼着するこ
とにより形成することができる。
【0045】そして、電磁波シールド材Iの電磁波シー
ルド効果(周波数が100MHzの電磁波に対するシー
ルド効果)は、透明導電性酸化物膜の導電性および層数
や、導電性金属パターンの材質,パターン間隔および層
数等を適宜選択することにより調整することができる。
前述したように、シート抵抗が40Ω/□以下と導電性
の高い透明導電性酸化物膜を利用することにより、10
0MHzの電磁波に対する電磁波シールド効果が50d
B以上の電磁波シールド材Iを得ることが容易になる。
また、パターン間隔が300μm〜1mmの導電性金属
パターンと透明導電性酸化物膜とを電気絶縁層を介して
積層された状態にすることにより、インジウム酸化物,
ITO,スズ酸化物,アンチモンドープスズ酸化物,フ
ッ素ドープスズ酸化物,アルミニウムドープ亜鉛酸化物
等によって透明導電性酸化物膜を形成した場合でも、1
00MHzの電磁波に対する電磁波シールド効果が50
dB以上の電磁波シールド材を得ることが可能になる。
【0046】なお、本発明の電磁波シールド材Iは、そ
の片面もしくは両面の最外層として、または、当該電磁
波シールド材が前述した可視光用の反射防止層を有して
いる場合にはその直ぐ内側の層として、表示装置用のリ
モートコントローラが表示装置から放射される近赤外線
によって誤作動するのを防止するための近赤外カット層
(透明基材を構成している前述の近赤外カット層を除
く。)を有していてもよい。この近赤外カット層は、例
えば、近赤外吸収剤や近赤外反射剤を添加して近赤外領
域である波長800〜1200nmにおける光透過率を
低下させた透明樹脂組成物をコーティングすることによ
り、あるいは、当該透明樹脂組成物がコーティングされ
た透明樹脂フィルム(近赤外カットフィルム)を貼着す
ることにより、形成することができる。近赤外カット層
としては、波長850〜1200nmの近赤外線の透過
率が概ね20%以下のものが好ましい。
【0047】また、所望の光透過性を有する電磁波シー
ルド材Iが得られる範囲内で、必要に応じて金属薄膜を
所望箇所に設けてもよい。このとき、金属薄膜は透明導
電性酸化物膜または導電性金属パターンと接していても
よいし接していなくてもよい。また、2つの透明導電性
酸化物膜によって挟持された状態としてもよい。いずれ
の場合でも、透明導電性酸化物膜と導電性金属パターン
とは、前述のように、電気絶縁層を介して積層された状
態とする。金属薄膜としては、金(Au),銀(A
g),銅(Cu),ニッケル(Ni)等の導電性金属の
単体やこれらの合金等からなる単層構造もしくは複数層
構造の膜を用いることができる。金属薄膜の膜厚は、本
発明の電磁波シールド材Iが透明導電性酸化物膜および
導電性金属パターンを有していることから、電磁波シー
ルド能を有する部材として金属薄膜のみを有している従
来の電磁波シールド材を得る場合よりも薄くすることが
できる。当該金属薄膜は、より電磁波シールド効果が高
い電磁波シールド材Iを得るうえで好適である。
【0048】透明基材としてフィルム状物またはシート
状物を用いて電磁波シールド材Iを作製した場合には、
所望の光透過性を有する電磁波シールド材が得られる範
囲内で、必要に応じて補強材としてのシート状または板
状の透明板を所望箇所に配設してもよく、前記の補強材
を配設したものも本発明の電磁波シールド材Iの一形態
である。このような補強を行うことにより、透明基材と
してフィルム状物またはシート状物を用いた場合でも、
表示装置を構成している表示パネルの前面板として使用
し得る表示装置用電磁波シールド材を得ることが可能に
なる。補強材材としての透明板の材質の具体例としては
前述した透明基材と同じものが挙げられ、当該透明板の
材質および厚さは適宜選択される。
【0049】さらに、最外層として板状の透明基材(上
記補強材としての透明板を含む。)を有している電磁波
シールド材Iにおいては、当該透明基材の外表面にエン
ボス加工を施してもよい。前記の透明基材の外表面に傷
が付くと、このような電磁波シールド材を表示装置用電
磁波シールド材として用いたときに表示装置の表示性が
低下するが、上記のエンボス加工を施すと透明基材の外
表面に傷が付くことを抑制することが可能になる。ま
た、上記のエンボス加工を施すことにより、前記の透明
基材の外表面の汚れを目立たなくすることが可能にな
る。エンボス加工は、目的とする電磁波シールド材Iを
得る過程のどこで行ってもよい。
【0050】以上説明した本発明の電磁波シールド材I
は、パターン間隔が300μm〜1mmの導電性金属パ
ターンと透明導電性酸化物膜とが電気絶縁層を介して積
層された状態にあり、かつ、前記の導電性金属パターン
は線幅が10〜50μmの細線状の導電性金属層によっ
て形成されているので、表示装置用電磁波シールド材と
して用いた場合でも表示装置の画面から放射される電磁
波を画質の低下を抑制しつつ高度にシールドすることが
可能なものを容易に得ることができるものである。ま
た、本発明の電磁波シールド材Iは、電磁波を放射する
種々の表示装置用の電磁波シールド材として用いる他、
窓ガラス,パチンコ(遊技台)等用の電磁波シールド材
として用いることもできる。
【0051】本発明の電磁波シールド材Iを実際に使用
するに当たって当該電磁波シールド材Iの裏,表を区別
する必要性は必ずしもないが、導電性金属パターンが最
外層となっているものを表示装置用電磁波シールド材と
して使用する場合には、表示特性の低下(画質の低下)
を抑制するうえから、導電性金属パターンが内側(表示
装置側)となるように電磁波シールド材Iを貼着または
配置して使用することが好ましい。
【0052】上記の特性を有する本発明の電磁波シール
ド材Iは、例えば透明基材,透明導電性酸化物膜,導電
性金属パターンおよび電気絶縁層をこれらが当該電磁波
シールド材Iの厚さ方向において前述のように特定の順
番で積層された状態となるように形成し、その後、必要
に応じて可視光用の反射防止層および/または近赤外カ
ット層を形成することにより、得ることができる。以
下、透明導電性酸化物膜および導電性金属パターンにつ
いて、その形成方法を具体的に説明する。
【0053】(1)透明導電性酸化物膜 透明導電性酸化物膜を形成するにあたっては、スパッタ
リング法(反応性スパッタリング法を含む。以下同
じ。),イオンプレーティング法,活性化蒸着法等の物
理的気相蒸着法、プラズマCVD法等の化学的気相蒸着
法、スプレーパイロリシス法、ゾルゲル法等の方法を目
的とする透明導電性酸化物膜の組成に応じて適宜適用す
ることができる。先に説明したIn23−ZnO系非晶
質酸化物によって透明導電性酸化物膜を形成しようとす
る場合には、均一性や透明基材との密着性に優れた透明
導電性酸化物膜を形成するうえから、スパッタリング法
またはイオンプレーティング法を適用することが好まし
い。以下、In23−ZnO系非晶質酸化物からなる透
明導電性酸化物膜をスパッタリング法によって形成する
場合およびイオンプレーティング方によって形成する場
合の各製膜条件について詳述する。
【0054】(a)スパッタリング法 In23−ZnO系非晶質酸化物(ただし、必須の構成
元素からなるもの。)からなる透明導電性酸化物膜をス
パッタリング法によって形成する場合に使用するスパッ
タリングターゲットは、目的とする組成の透明導電性酸
化物膜を製膜することができさえすればメタルターゲッ
トであってもよいし酸化物焼結体ターゲットであっても
よいが、目的とする透明導電性酸化物膜の組成に応じた
酸化物焼結体ターゲットを用いることが好ましい。ここ
で、「目的とする透明導電性酸化物膜の組成に応じた酸
化物焼結体ターゲット」とは、目的とする組成の透明導
電性酸化物膜を得ることができる組成の酸化物焼結体タ
ーゲットを意味する。
【0055】上記の酸化物焼結体ターゲットの組成は、
スパッタ率および目的とする透明導電性酸化物膜の組成
に応じて適宜選択される。インジウム(In)の原子比
In/(In+Zn)が0.5〜0.9であるIn23
−ZnO系非晶質酸化物膜を形成するあたっては、前記
インジウム(In)の原子比が0.45〜0.85であ
る酸化物焼結体ターゲットを用いることが好ましい。酸
化物焼結体ターゲットとしては、例えば、インジウム
(In)の原子比In/(In+Zn)の範囲が異なる
点を除いて特開平7−235219号公報の第27〜2
8段に記載されているスパッタリングターゲットを用い
ることができる。これらの酸化物焼結体ターゲットのな
かでも、製膜時の放電が安定し、その結果として安定に
製膜することができるという観点から、In23(Zn
O)m (m=2〜20)で表される六方晶層状化合物の
1種以上とIn23 および/またはZnOとからなる
ものが特に好ましい。
【0056】酸化物焼結体ターゲットの相対密度は90
%以上であることが好ましく、95%以上であることが
より好ましく、97%以上であることが特に好ましい。
酸化物焼結体ターゲットの相対密度が90%未満である
場合には、製膜速度が遅くなったり、得られる膜の膜質
が低下したりし易くなる。ここに相対密度とは、酸化物
の組成から計算した理論密度に対する焼結体の実際の密
度を面分率で示したものである。
【0057】また、酸化物焼結体ターゲットを得るため
に使用する原料の純度は99%以上とすることが好まし
く、99.9%以上とすることがより好ましく、99.
99%以上とすることが特に好ましい。前記の原料の純
度が99%未満では、得られる膜の導電性や化学的安定
性が当該原料に含まれていた不純物によって低下し易く
なる。
【0058】スパッタリングは一元であってもよいし、
多元であってもよい。また、スパッタリングの方式とし
てはRFスパッタリング,DCスパッタリング等、各種
の方式を適用することができるが、生産性や得られる酸
化物膜の膜特性の観点から、工業的には一般的にDCマ
グネトロンスパッタリングが好ましい。DCマグネトロ
ンスパッタリングのスパッタリング条件の一例を挙げる
とすれば、以下のようになる。
【0059】・到達真空度 スパッタリングを行う前に、真空槽内を予め1×10-4
Pa以下に真空引きする。真空引きの間は、真空引きの
時間を短縮させるために加熱してもよい。到達真空度が
1×10-4Paより高圧であると、装置,基板(透明基
材),スパッタリングターゲット等に吸着されている水
分を十分に除去することが困難になり、これに起因し
て、得られる膜の導電性が低下し易くなる。
【0060】・製膜時の真空度 製膜時の真空度は1×10-2〜1×100 Pa、好まし
くは1×10-2〜5×10-1Pa、特に好ましくは1×
10-2〜2×10-1Paとする。製膜時の真空度が1×
10-2Paより低圧であると放電安定性が低下し、1×
100 Paより高圧であるとスパッタリングターゲット
への印加電圧を高くすることが困難になる。
【0061】・製膜時の出力 製膜時の出力は3W/cm2 以下、好ましくは2W/c
2 以下、特に好ましくは1W/cm2 以下とし、この
ときの電圧は100〜400V,好ましくは100〜3
00V、特に好ましくは100〜200Vとする。製膜
時の出力が3W/cm2 を超えると緻密な膜を得にくく
なり、その結果として、得られる膜の導電性が低下し易
くなる。
【0062】・雰囲気ガス 雰囲気ガスとしては、通常、アルゴンガス等の不活性ガ
スと酸素ガスとの混合ガスが用いられる。不活性ガスと
酸素ガスとの混合比は、使用するスパッタリングターゲ
ットの酸化状態,製膜時の圧力,製膜時の出力等に応じ
て異なるが、酸素ガスの混合比は体積濃度で5%以下と
することが好ましく、4%以下とすることがより好まし
く、3%以下とすることが特に好ましい。酸素ガスの混
合比が体積濃度で5%を超えると、得られる膜の導電性
が低下し易くなる。また、混合ガスの純度は99.9%
以上とすることが好ましく、99.95%以上とするこ
とがより好ましく、99.99%以上とすることが特に
好ましい。
【0063】・基板温度 基板(透明基材)は特に加熱しなくもよいが、必要に応
じて加熱してもよい。基板を加熱する場合、その温度は
透明基材の耐熱性に応じて、当該基材が熱により変形や
変質を起こさない温度の範囲内で適宜選択される。基板
温度は20〜150℃程度とすることが好ましく、20
〜100℃程度(透明導電性酸化物膜の材質によっては
20〜120℃程度)とすることがより好ましく、20
〜80℃(透明導電性酸化物膜の材質によっては20〜
100℃程度)とすることが特に好ましい。
【0064】(b)イオンプレーティング法 In23−ZnO系非晶質酸化物(ただし、必須の構成
元素からなるもの。)からなる透明導電性酸化物膜をイ
オンプレーティング法によって形成する場合に使用する
蒸着材料は、目的とする組成の透明導電性酸化物膜を製
膜することができさえすれば焼結体,顆粒,加圧成形物
等、いかなる形態のものでもあってもよい。組成からみ
た当該蒸着材料の具体例としては、インジウム金属,亜
鉛金属,インジウム−亜鉛合金,酸化インジウム,酸化
亜鉛,In23(ZnO)m (m=2〜20)から選ば
れた単物質またはこれらの物質同士の混合物等からな
り、インジウムおよび亜鉛を含んでいるものが挙げられ
る。
【0065】上記の蒸着材料の具体例としては、特に限
定されるものではないが、下記(I)〜(III) のものが挙
げられる。 (I) 酸化インジウムと酸化亜鉛との混合物からなるも
の。 (II)In23(ZnO)m (m=2〜20)で表される
六方晶層状化合物の少なくとも1種からなるもの。 (III) In23(ZnO)m (m=2〜20)で表され
る六方晶層状化合物の少なくとも1種と、酸化インジウ
ムおよび/または酸化亜鉛との混合物からなるもの。
【0066】蒸着材料の純度は98%以上とすることが
好ましく、99%以上とすることがより好ましく、9
9.9%以上とすることが特に好ましい。蒸着材料の純
度が98%未満では、得られる膜の導電性や光透過性が
当該蒸着材料に含まれていた不純物によって低下し易く
なる。
【0067】また、蒸着材料全体におけるインジウムの
原子比In/(In+Zn)と製膜された透明導電性酸
化物膜におけるインジウムの原子比In/(In+Z
n)との間には若干のずれが生じることがあるので、蒸
着材料全体におけるインジウムの原子比In/(In+
Zn)は、目的とする透明導電性酸化物膜が得られるよ
う適宜調整する。例えば、In23−ZnO系非晶質酸
化物膜におけるインジウムの原子比In/(In+Z
n)は前述のように0.5〜0.9であることが好まし
いわけであるが、イオンプレーティング法によってイン
ジウムの原子比In/(In+Zn)が0.5〜0.9
であるIn23−ZnO系非晶質酸化物膜を製膜しよう
とする場合には、蒸着材料全体におけるインジウムの原
子比In/(In+Zn)を概ね0.45〜0.9とす
ることが好ましい。
【0068】製膜時の雰囲気は、蒸着材料が酸素(O)
を含んでいる場合、すなわち、当該蒸着材料が酸化物か
らなるか、もしくは酸化物を含有しているか、または蒸
着材料の少なくとも1つが酸化物からなる(多元のと
き)場合には、アルゴンガス等の不活性ガスからなる雰
囲気または不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスからなる
雰囲気とする。また、蒸着材料が酸素(O)を含んでい
ない場合には、酸素ガスからなる雰囲気、または不活性
ガスと酸素ガスとの混合ガスからなる雰囲気とする。製
膜時の雰囲気中に酸素ガスを含ませることの要否および
製膜時の雰囲気中に酸素ガスを含ませる場合の酸素ガス
の使用量(導入量)は、蒸着材料の組成,目的とする透
明導電性酸化物膜の組成,製膜条件等を勘案し、酸素
(O)についての組成補償が必要であるか否かに応じて
適宜決定される。
【0069】イオンプレーティングは、1つの蒸着源の
みを使用するもの(以下、「一元イオンプレーティン
グ」という。)であってもよいし、2つ以上の蒸着源を
使用するものであってもよいが、均質な膜が得易い,電
源が1つでよい等の理由から、一元イオンプレーティン
グが好ましい。
【0070】イオンプレーティング法によって透明導電
性酸化物膜を製膜する場合の条件は、イオンプレーティ
ング装置の種類,個々の装置の特性等に応じて種々変わ
ってくるため一概に規定することは困難であるが、例え
ばRFイオンプレーティング法による場合には、以下の
ように設定することができる。
【0071】(i) 真空度,印加電力 イオンプレーティング時の真空度は製膜可能な真空度で
あれば特に限定されるものではなく、一般的には1×1
-2〜1×101 Paである。また、印加電圧は製膜可
能な印加電圧であれば特に限定されるものではなく、一
般的には数十〜数千Vである。
【0072】(ii)基板温度 特に限定されるものではなく、一般的な基板温度、すな
わち−50℃〜基板の耐熱温度の間ならよい。基板とし
て透明樹脂基板を使用する場合には、概ね−50〜10
0℃とすることが好ましい。
【0073】In23−ZnO系非晶質酸化物(ただ
し、必須の構成元素からなるもの。)からなる透明導電
性酸化物膜は、上記(a)で例示した条件のDCマグネ
トロンスパッタリング法や上記(b)で例示した条件の
イオンプレーティング法等の方法によって形成すること
ができるわけであるが、任意の構成元素を含んでいるI
23−ZnO系非晶質酸化物からなる透明導電性酸化
物膜もまた、同様にして形成することができる。
【0074】前記任意の構成元素としてガリウム(G
a)のみを含み、かつ、インジウム(In)の原子比I
n/(In+Zn+Ga)が0.5〜0.9、ガリウム
(Ga)の原子比Ga/(In+Zn+Ga)が0.0
4以下のIn23−ZnO系非晶質酸化物からなる透明
導電性酸化物膜をDCマグネトロンスパッタリング法に
よって形成する場合には、インジウム(In)の原子比
In/(In+Zn+Ga)が0.45〜0.85で、
ガリウム(Ga)の原子比Ga/(In+Zn+Ga)
が0.04以下である酸化物焼結体ターゲットを用いる
ことが好ましい。当該酸化物焼結体ターゲットとして
は、製膜時の放電が安定し、その結果として安定に製膜
することがすることができるという観点から、InGa
Zn25 とIn23 とからなるもの、またはInGa
Zn25 とIn23 とZnOとからなるものが特に好
ましい。
【0075】また、任意の構成元素としてガリウム(G
a)のみを含み、かつ、インジウム(In)の原子比I
n/(In+Zn+Ga)が0.5〜0.9、ガリウム
(Ga)の原子比Ga/(In+Zn+Ga)が0.0
4以下のIn23−ZnO系非晶質酸化物からなる透明
導電性酸化物膜をイオンプレーティング法によって形成
する場合には、インジウム(In)の原子比In/(I
n+Zn+Ga)が0.5〜0.9で、ガリウム(G
a)の原子比Ga/(In+Zn+Ga)が0.04以
下である蒸発材料を用いることが好ましい。
【0076】当該蒸着材料の具体例としては、特に限定
されるものではないが、下記(i) 〜(vi)のものが挙げら
れる。 (i) 必須の構成元素からなるIn23−ZnO系非晶質
酸化物膜をイオンプレーティング法によって形成する場
合に使用する蒸着材料として先に例示した(I) または(I
I)の混合物に、さらに酸化ガリウムを添加したもの。 (ii)必須の構成元素からなるIn23−ZnO系非晶質
酸化物膜をイオンプレーティング法によって形成する場
合に使用する蒸着材料として先に例示した(II)の六方晶
層状化合物の少なくとも1種と酸化ガリウムとの混合物
からなるもの。
【0077】(iii) ガリウムが固溶したIn23(Zn
O)m (m=2〜20)の少なくとも1種と酸化インジ
ウムとを含み、さらに酸化亜鉛および/または酸化ガリ
ウムを含む混合物からなるもの。 (iv)InGaO3(ZnO)m(m=2〜20)で表され
る六方晶層状化合物の少なくとも1種と酸化インジウム
とを含み、さらに酸化亜鉛および/または酸化ガリウム
を含む混合物からなるもの。
【0078】(v) In23(ZnO)m (m=2〜2
0)で表される六方晶層状化合物の少なくとも1種とI
nGaO3(ZnO)m(m=2〜20)で表される六方
晶層状化合物の少なくとも1種と酸化インジウムとの混
合物からなるもの。 (vi)In23(ZnO)m (m=2〜20)で表される
六方晶層状化合物の少なくとも1種と、InGaO
3(ZnO)m(m=2〜20)で表される六方晶層状化
合物の少なくとも1種と、酸化インジウムとを含み、さ
らに酸化亜鉛および/または酸化ガリウムを含む混合物
からなるもの。
【0079】(2)導電性金属パターン 導電性金属パターンは、前述したように導電性金属層に
よって形成されており、この導電性金属層はAu,A
g,Pt,Cu,Ni等の単体金属や合金からなってい
てもよいし、カーボン(C)ペースト,銀(Ag)ペー
スト,Ag−Cペースト等の導電性ペーストの単品また
は混合物によって形成されたものであってもよい。さら
に、当該導電性金属層は複数層構造を有していてもよ
く、その場合の各層の材質は同じであってもよいし異な
っていてもよい。
【0080】単体金属や合金からなる導電性金属層によ
って形成された導電性金属パターンは、例えば所望の単
体金属または合金からなる所定膜厚の薄膜をフォトリソ
グラフィー法等の方法によって所定形状にパターニング
することにより得ることができる。このときの前記薄膜
の膜厚は、所望の透明性を有する電磁波シールド材Iが
得られるように、単体金属または合金の種類に応じて適
宜選択される。
【0081】一方、導電性ペーストを利用した導電性金
属パターンは、例えば、粘度を概ね100〜500ポイ
ズに調整した導電性ペーストを用いて、平面視上の形状
が目的とする導電性金属パターンの平面視上の形状とほ
ぼ同等のパターンをスクリーン印刷法,シルクスクリー
ン印刷法等によって形成し、これを硬化させることによ
り得ることができる。このとき、導電性ペーストの粘度
が100ポイズ未満では液垂れが生じ易くなることか
ら、また500ポイズを超えると印刷途中でパターンが
切れ易くなることから、共に所望パターンの導電性金属
パターンを得ることが困難になる。印刷の際に使用する
マスク(版)の材質は特に限定されるものではなく、ナ
イロン,ポリエステル等の樹脂,ステンレス等の金属,
金属繊維,シルク等からなるマスクを使用することがで
きる。また、導電性ペーストの硬化は、当該導電性ペー
ストの組成にもよるが、概ね80〜150℃で10〜3
0分熱処理することにより行うことができる。
【0082】導電性金属パターンを形成する場合、特に
導電性ペーストを利用してスクリーン印刷法,シルクス
クリーン印刷法等の印刷法によって導電性金属パターン
を形成する場合には、必ずしも1回の印刷操作によって
目的とするパターンを形成する必要性はなく、目的とす
る導電性金属パターンの全体形状に応じて、2回以上の
印刷操作によって目的とするパターンを形成してもよ
い。例えば、目的とする導電性金属パターンの全体形状
が格子状である場合には、メッシュ状シルクの表面に形
成した樹脂層をフォトリソグラフィー法によってパター
ニングして前記のメッシュ状シルクの表面を格子状に露
出させたものをマスク(版)として用いることにより、
1回または2回の印刷操作によって格子状の導電性金属
パターンを形成することができる。また、1回目の印刷
操作によって所望本数の導電性金属層を所定ピッチで形
成し、当該導電性金属層と直交する所望本数の導電性金
属層を2回目の印刷操作によって所定ピッチで成形する
ことにより、格子状の導電性金属パターンを形成しても
よい。
【0083】また、電気絶縁層を介して積層された状態
にある透明導電性酸化物膜と導電性金属パターンとの形
成方法の説明の中で述べたように、導電性金属パターン
は所定形状の導電性金属層が形成されている2種類の導
電性金属層付き基材を、これらの基材に形成されている
導電性金属層同士が接するように所定の向きで重ね合わ
せることによって形成してもよい。
【0084】なお、透明基材の片面に前述した透明導電
性酸化物膜を直接形成し、当該透明基材の他方の面に上
述した導電性金属パターンを直接形成する場合には、ま
ず透明基材の片面に透明導電性酸化物膜または導電性金
属パターンを形成し、この透明導電性酸化物膜または導
電性金属パターンを覆うようにして保護フィルムをラミ
ネータによってラミネートした後に、透明基材の他方の
面に導電性金属パターンまたは透明導電性酸化物膜を形
成することが好ましい。このとき使用する保護フィルム
としては、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリエチレ
ンテレフタレート等からなるフィルムの片面に薄い粘着
層を設けたものが好ましく、かつ、透明基材の他方の面
に導電性金属パターンまたは透明導電性酸化物膜を形成
する際にガスの発生が実質的にないものが好ましい。透
明基材の他方の面に導電性金属パターンまたは透明導電
性酸化物膜を形成する際にガスが発生する保護フィルム
を使用すると、保護フィルムとその下地となっている層
(透明導電性酸化物膜または導電性金属パターン)との
間に気泡が入ることから、ロール ツー ロール方式でフ
ィルム状またはシート状を呈する透明基材上に連続製膜
した場合には製品の巻きムラを生じる。
【0085】次に、本発明の電磁波シールド材IIについ
て説明する。本発明の電磁波シールド材IIは、前述した
ように、透明基材と、透明導電性酸化物膜と、平面視し
たときに所定形状の開口部からなる繰り返しパターンが
パターン間隔300μm〜1mmで現れるようにして線
幅が10〜100μmの細線状の導電性金属層によって
形成された導電性金属パターンとを有し、前記透明導電
性酸化物膜と前記導電性金属パターンとのうちの少なく
とも一方が前記透明基材の片面上に形成されており、か
つ、前記透明導電性酸化物膜と前記導電性金属パターン
とが厚さ方向に積層された状態にあることを特徴とする
ものである。
【0086】ここで、上記の透明基材としては、本発明
の電磁波シールド材Iについての説明の中で述べた透明
基材と同じものを使用することができる。また、上記の
透明導電性酸化物膜としても、本発明の電磁波シールド
材Iについての説明の中で述べた透明導電性酸化物膜と
同じものを使用することができる。
【0087】できるたで高い電磁波シールド効果を有す
る電磁波シールド材IIを得るうえからは、透明導電性酸
化物膜のシート抵抗は40Ω/□以下であることが好ま
しく、特に、20Ω/□以下であることが好ましい。シ
ート抵抗が40Ω/□以下の透明導電性酸化物膜を得る
うえからは、本発明の電磁波シールド材Iにおけると同
様に、その材質を前述したIn23−ZnO系非晶質酸
化物とすることが好ましく、特に、任意の構成元素とし
てガリウム(Ga)を含んでいるIn23−ZnO系非
晶質酸化物膜とすることが好ましい。そして、任意の構
成元素としてガリウム(Ga)を含んでいるIn23
ZnO系非晶質酸化物膜としては、インジウム(In)
の原子比In/(In+Zn+Ga)が0.5〜0.9
で、ガリウム(Ga)の原子比Ga/(In+Zn+G
a)が0.04以下のものが好ましい。
【0088】なお、前記インジウム(In)の原子比I
n/(In+Zn+Ga)が0.5未満では得られる膜
の導電性が低下し、0.9を超えると膜の抵抗安定性が
低下する。当該インジウムの原子比In/(In+Z
n)は0.6〜0.9とすることがより好ましく、0.
8〜0.9とすることが特に好ましい。また、前記ガリ
ウム(Ga)の原子比Ga/(In+Zn+Ga)が
0.04を超えると、得られる膜の導電性が低下する。
当該ガリウム(Ga)の原子比Ga/(In+Zn+G
a)は0.03以下とすることがより好ましく、0.0
25以下とすることが特に好ましい。
【0089】本発明の電磁波シールド材IIは、前述した
透明基材および上述した透明導電性酸化物膜の他に、所
定の導電性金属パターンを有している。この導電性金属
パターンと上述した導電性酸化物膜とは、一方の上に他
方が直接積層された状態にあってもよいし、前述した本
発明の電磁波シールド材Iと同様に電気絶縁層を介して
積層された状態にあってもよい。そして、導電性金属パ
ターンと導電性酸化物膜とが一方の上に他方が直接積層
された状態にあってもよいことに伴って、当該導電性金
属パターンを構成しているユニットパターンの平面視上
の形状についての選択の幅、導電性金属パターンのパタ
ーン間隔の範囲、ならびに導電性金属パターンを形成し
ている導電性金属層の線幅および厚さそれぞれについて
の範囲が前述した本発明の電磁波シールド材Iとは若干
変わるものの、当該導電性金属パターンは、基本的には
本発明の電磁波シールド材Iについての説明の中で述べ
た導電性金属パターンと同様にして形成される。
【0090】導電性金属パターンを構成しているユニッ
トパターンの平面視上の形状は、本発明の電磁波シール
ド材Iについての説明の中で述べた形状以外にもストラ
イプ状とすることができる。導電性金属パターンのパタ
ーン間隔は、前述した本発明の電磁波シールド材Iと同
様に概ね300μm〜1mmとすることができるものの
も、ユニットパターンが前記のストライプ状である場合
における「パターン間隔」は、ストライプ状を呈する個
々のユニットパターンの短手方向の幅を意味する。ま
た、導電性金属パターンを形成している導電性金属層の
線幅は、目的とする電磁波シールド材IIの用途等に応じ
て概ね10〜100μmとすることができる。そして、
その厚さ(導電性金属パターンを形成するにあたって導
電性金属層同士を交差させる場合には交差部における厚
さ)は、導電性金属層の材質や目的とする電磁波シール
ド材IIの用途等に応じて概ね50μm以下とすることが
できる。
【0091】本発明の電磁波シールド材IIを表示装用電
磁波シールド材として使用する場合、導電性金属パター
ンを形成している導電性金属層の線幅および厚さならび
にパターン間隔それぞれについての好ましい範囲は、前
述した本発明の電磁波シールド材Iにおける範囲と同じ
である。ただし、ユニットパターンの平面視上の形状を
ストライプ状とした場合には、パターン間隔を300〜
500μmとすることが特に好ましい。
【0092】電気絶縁層を介して積層された状態にある
透明導電性酸化物膜と導電性金属パターンとの形成は、
前述した本発明の電磁波シールド材Iと同様にして行う
ことができる。また、一方の上に他方が直接積層された
状態にある透明導電性酸化物膜と導電性金属パターンと
の形成は、例えば、透明導電性酸化物膜が形成されてい
る透明基材と導電性金属パターンが形成されている透明
基材とを、透明導電性酸化物膜と導電性金属パターンと
が当接するように重ね合わせることにより行ってもよい
し、透明導電性酸化物膜上に導電性金属パターンを直接
形成することによって行ってもよい。一方の上に他方が
直接積層された状態にある透明導電性酸化物膜と導電性
金属パターンとを形成する場合においても、前述した本
発明の電磁波シールド材Iと同様に、容易にアースがと
れるように透明導電性酸化物膜および導電性金属パター
ンの各サイズ(平面視上の大きさ)をそれぞれ調整する
ことが好ましい。
【0093】電磁波シールド効果の高い電磁波シールド
材IIを得るうえからは、前述した本発明の電磁波シール
ド材Iと同様に、透明導電性酸化物膜と導電性金属パタ
ーンとが電気絶縁層を介して積層された状態になるよう
にした方が好ましい。
【0094】本発明の電磁波シールド材IIを構成する透
明基材,透明導電性酸化物膜および導電性金属パターン
それぞれの数(層数)は、目的とする電磁波シールド材
IIの用途等に応じて適宜選択可能であるが、前述した本
発明の電磁波シールド材Iと同様に、透明基材の層数が
4以上では電磁波シールド材IIの透明性が低下し易い。
また、透明導電性酸化物膜または導電性金属パターンの
層数が2以上でも、電磁波シールド材IIの透明性が低下
し易い。したがって、透明性の高い電磁波シールド材I
(後述する可視光の透過率が概ね50%以上である電磁
波シールド材I)を得ようとする場合には、前述した本
発明の電磁波シールド材Iと同様に、透明基材の層数を
3以下、より好ましくは2以下とし、透明導電性酸化物
膜および導電性金属パターンの層数をそれぞれ1とする
ことが好ましい。
【0095】電磁波シールド材IIを表示装置用電磁波シ
ールド材として利用しようとする場合には、当該電磁波
シールド材IIにおける可視光の透過率(380〜780
nmの波長域における平均の光透過率を意味する。以下
同じ。)を50%以上、より好ましくは55%以上、特
に好ましくは60%以上とし、可視光の反射率(380
〜780nmの波長域における平均の光反射率を意味す
る。以下同じ。)を20%以下、より好ましくは10%
以下、特に好ましくは5%以下とすることが望ましい。
電磁波シールド材IIにおける可視光の透過率および可視
光の反射率の調整は、前述した本発明の電磁波シールド
材Iにおけると同様にして行うことができる。
【0096】また、電磁波シールド材IIの100MHz
の電磁波に対するシールド効果はその層構成に応じて異
なってくるが、本発明の電磁波シールド材IIにおいて
は、100MHzの電磁波に対するシールド効果を比較
的容易に40dB以上とすることができる。
【0097】なお、本発明の電磁波シールド材IIは、前
述した本発明の電磁波シールド材Iと同様に、その片面
もしくは両面の最外層として、または、当該電磁波シー
ルド材が前述した可視光用の反射防止層を有している場
合にはその直ぐ内側の層として、テレビ用等のリモート
コントローラの誤作動を防止するための近赤外カット層
(透明基材を構成している近赤外カット層を除く。)を
有していてもよい。
【0098】また、所望の光透過性を有する電磁波シー
ルド材IIが得られる範囲内で、必要に応じて金属薄膜を
所望箇所に設けてもよい。このとき、金属薄膜は透明導
電性酸化物膜または導電性金属パターンと接していても
よいし接していなくてもよい。また、2つの透明導電性
酸化物膜によって挟持された状態としてもよい。金属薄
膜としては、金(Au),銀(Ag),銅(Cu),ニ
ッケル(Ni)等の導電性金属の単体やこれらの合金等
からなる単層構造もしくは複数層構造の膜を用いること
ができる。金属薄膜の膜厚は、本発明の電磁波シールド
材IIが透明導電性酸化物膜および導電性金属パターンを
有していることから、電磁波シールド能を有する部材と
して金属薄膜のみを有している従来の電磁波シールド材
を得る場合よりも薄くすることができる。当該金属薄膜
は、より電磁波シールド効果が高い電磁波シールド材II
を得るうえで好適である。
【0099】透明基材としてフィルム状物またはシート
状物を用いて電磁波シールド材IIを作製した場合には、
前述した本発明の電磁波シールド材Iと同様に、所望の
光透過性を有する電磁波シールド材が得られる範囲内
で、必要に応じて補強材としてのシート状または板状の
透明板を所望箇所に配設してもよく、前記の補強材を配
設したものも本発明の電磁波シールド材IIの一形態であ
る。このような補強を行うことにより、透明基材として
フィルム状物またはシート状物を用いた場合でも、表示
装置を構成している表示パネルの前面板として使用し得
る表示装置用電磁波シールド材を得ることが可能にな
る。
【0100】さらに、最外層として板状の透明基材(上
記補強材としての透明板を含む。)を有している電磁波
シールド材IIにおいては、前述した本発明の電磁波シー
ルド材Iと同様に、当該透明基材の外表面にエンボス加
工を施してもよい。
【0101】以上説明した本発明の電磁波シールド材II
は、表示装置用電磁波シールド材として用いた場合でも
表示装置の画面から放射される電磁波を画質の低下を抑
制しつつ高度にシールドすることが可能なものを容易に
得ることができるものである。また、本発明の電磁波シ
ールド材IIは、電磁波を放射する種々の表示装置用の電
磁波シールド材として用いる他、窓ガラス,パチンコ
(遊技台)等用の電磁波シールド材として用いることも
できる。
【0102】本発明の電磁波シールド材IIを実際に使用
するにあたって当該電磁波シールド材IIの裏,表を区別
する必要性は必ずしもないが、導電性金属パターンが最
外層となっているものを表示装置用電磁波シールド材と
して使用する場合には、前述した本発明の電磁波シール
ド材Iにおけると同様に、導電性金属パターンが内側
(表示装置側)となるように電磁波シールド材IIを貼着
または配設して使用することが好ましい。
【0103】
【実施例】以下、本発明の実施例について比較例を挙げ
て説明する。実施例1 (電磁波シールド材Iの作製) 透明基材として厚さ75μmの2軸延伸ポリエチレンテ
レフタレートフィルム(以下「PETフィルム」と略記
する。)を用い、In23(ZnO)3 で表される六方
晶層状化合物とIn23とからなる酸化物焼結体(表1
に示すように、インジウムの原子比In/(In+Z
n)は0.85である。また、相対密度は97%であ
る。)をスパッタリングターゲットとして用いて、前記
のPETフィルムの片面にIn23−ZnO系非晶質酸
化物膜からなる透明導電性酸化物膜を以下の要領で形成
した。
【0104】まず、上記のPETフィルムとスパッタリ
ングターゲットとをDCマグネトロンスパッタリング装
置内に装着し、120℃で真空槽内を5×10-4Pa以
下の圧力になるまで真空引きした後、室温で6時間更に
真空引きした。真空引き終了後の真空槽内の圧力は1×
10-4Paであった。その後、アルゴンガス(純度9
9.99%)と酸素ガス(純度99.99%)との混合
ガス(酸素ガスの体積濃度=3%)を真空槽に導入して
真空槽内圧力を1×10-1Paとし、DC出力2W/c
2 ,基板温度20℃の条件で製膜を行って、上記のI
23−ZnO系非晶質酸化物膜からなる透明導電性酸
化物膜を形成した。
【0105】この透明導電性酸化物膜の組成(インジウ
ムの原子比In/(In+Zn))を誘導結合プラズマ
発光分光分析(ICP;使用機種はセイコー電子工業社
製のSPS−1500VR)により測定した。また、透
明導電性酸化物膜の膜厚,透明導電性酸化物膜を形成し
た後のPETフィルムにおける可視光の透過率(380
〜780nmの波長域における平均の光透過率を意味す
る。以下同じ。)および透明導電性酸化物膜のシート抵
抗を、触針法(使用機種はスローン(Sloan)社製
のDEKTAK3030),分光法(使用機種は日立製
作所社製のU−3210)または四探針法(使用機種は
三菱油化社製のロレスタFP)により測定した。これら
の結果を表1に示す。
【0106】次に、PETフィルムにおいて上記の透明
導電性酸化物膜を形成した面とは反対側の面上に、以下
の要領で導電性金属パターンを形成した。まず、幅30
μmの短冊状を呈する開口部が500μmピッチで所定
数形成されている鋼版マスク(ステンレス製)とAg−
Cペースト(東洋紡績社製のDX−130H−1;粘度
340ポイズ)とを用いたスクリーン印刷法によって、
前記のAg−Cペーストからなる所定本数の層を形成し
た。そして、150℃で30分間熱処理して、前記の各
層を硬化させた。次いで、上記の鋼版マスクに形成され
ている開口部の長手方向が上記の各層の長手方向と平面
視上直交するように当該鋼版マスクを配置した以外は上
記と同様の印刷操作を行い、その後に上記条件の熱処理
を行った。
【0107】これにより、PETフィルムの片面(透明
導電性酸化物膜が形成されている面とは反対側の面)に
は、硬化後のAg−Cペースト層(導電性金属層に相
当)からなり、かつ、平面視上の全体形状が格子状を呈
する導電性金属パターンが形成された。この導電性金属
パターンにおけるユニットパターンの平面視上の形状は
正方形である。また、当該導電性金属パターンは、平面
視上、前記の透明導電性酸化物膜の全体に亘って形成さ
れている。上記の導電性金属パターンの厚さ(導電性金
属層同士が交差している箇所以外の箇所での厚さ)を触
針法(使用機種はスローン(Sloan)社製のDEK
TAK3030)により測定し、Ag−Cペースト層の
線幅およびパターン間隔をそれぞれ光学顕微鏡を用いて
測定した。これらの結果を表2に示す。
【0108】PETフィルムの片面に前述した透明導電
性酸化物膜を形成し、当該PETフィルムの他方の面に
上述した導電性金属パターンを形成することにより、目
的とする電磁波シールド材が得られた。この電磁波シー
ルド材は、本発明の電磁波シールド材Iの1つである。
上記の電磁波シールド材について、可視光の透過率およ
び反射率(380〜780nmの波長域における平均の
光反射率を意味する。)を分光法(使用機種は日立製作
所社製のU−3210)により測定した。また、100
MHzの電磁波に対するシールド効果をアドバンテスト
法により測定した。これらの結果を表2に併記する。
【0109】実施例2〜実施例5(電磁波シールド材I
の作製) スパッタリング法によって透明導電性酸化物膜を形成す
るにあたって実施例毎に表1に示す組成(ただし、酸素
を除く。)のスパッタリングターゲットを用いた以外は
実施例1と同様にして、それぞれ電磁波シールド材を得
た。こらの電磁波シールド材は、いずれも本発明の電磁
波シールド材Iの1つである。なお、実施例4の電磁波
シールド材は本発明の電磁波シールド材IIの1つでもあ
る。上記の各電磁波シールド材ならびに当該電磁波シー
ルド材を構成している透明導電性酸化物膜および導電性
金属パターンのそれぞれについて、実施例1で求めたと
同じ物性を実施例1と同様にして求めた。これらの結果
を表1または表2に併記する。
【0110】実施例6(電磁波シールド材Iの作製) まず、平面視上の大きさが17cm□であるPETフィ
ルムの片面全体に実施例1と同様にして透明導電性酸化
物膜を形成して、第1の電磁波シールド部を得た。ま
た、平面視上の大きさが15cm□であるPETフィル
ムを用いて実施例2と同様にして電磁波シールド材を作
製して、これを第2の電磁波シールド部とした。第2の
電磁波シールド部においては、PETフィルムの片面全
体に透明導電性酸化物膜が形成されており、その反対側
の面全体に導電性金属パターン(各導電性金属層の長さ
はそれぞれ15cm)が形成されている。
【0111】次に、上記第1の電磁波シールド部と上記
第2の電磁波シールド部とを、第1の電磁波シールド部
を構成している透明導電性酸化物膜と第2の電磁波シー
ルド材部を構成している導電性金属パターンとが透明電
気絶縁層を介して互いに向かい合うようにして重ね合わ
せた。このとき、前記の電気絶縁層はエポキシ系接着剤
からなる層(厚さ約5μm)によって形成し、かつ、こ
のエポキシ系接着剤によって両者を互いに固着させた。
また、第1の電磁波シールド部と第2の電磁波シールド
部とは、アースがとり易いように、これらの電磁波シー
ルド部における平面視上の中心が重なるように重ね合わ
せた。
【0112】この後さらに、重ね合わせた後の第1の電
磁波シールド部と第2の電磁波シールド部とをラミネー
タを用いて一体化して、目的とする電磁波シールド材を
得た。この電磁波シールド材も本発明の電磁波シールド
材Iの1つである。上記の電磁波シールド材ならびに当
該電磁波シールド材を構成している透明導電性酸化物膜
および導電性金属パターンのそれぞれについて、実施例
1で求めたと同じ物性を実施例1と同様にして求めた。
これらの結果を表1または表2に併記する。
【0113】実施例7(電磁波シールド材Iの作製) まず、平面視上の大きさが17cm□であるPETフィ
ルムの片面全体に実施例1と同様にして透明導電性酸化
物膜を形成した後、その反対側の面全体に、実施例1で
用いたと同じ鋼版マスクおよびAg−Cペーストを用い
たスクリーン印刷法によって、Ag−Cペーストからな
る所定本数の層を所定ピッチで形成し、これらの層を1
50℃,30分の熱処理によって硬化させて、第1の電
磁波シールド部を得た。この第1の電磁波シールド部に
おける前記の層の長さは17cmである。また、平面視
上の大きさが15cm□のPETフィルムの片面全体
に、実施例1で用いたと同じ鋼版マスクおよびAg−C
ペーストを用いたスクリーン印刷法によって、Ag−C
ペーストからなる所定本数の層を所定ピッチで形成し、
これらの層を150℃,30分の熱処理によって硬化さ
せて、第2の電磁波シールド部を得た。この第2の電磁
波シールド部における前記の層(硬化後のAg−Cペー
ストからなるもの)の長さは15cmである。
【0114】そして、上記第1の電磁波シールド部と上
記第2の電磁波シールド部とを、それぞれに形成されて
いる導電性金属層(硬化後のAg−Cペーストからなる
もの)同士が平面視上直交し、かつ、透明導電層を介し
て互いに向かい合うようにして重ね合わせて、目的とす
る電磁波シールド材を得た。このとき、前記の透明導電
層は透明導電性接着剤からなる層(厚さ約5μm)によ
って形成し、かつ、この透明導電性接着剤によって第1
の電磁波シールド部と第2の電磁波シールド部とを互い
に固着させた。また、第1の電磁波シールド部と第2の
電磁波シールド部とは、アースがとり易いように、これ
らの電磁波シールド部における平面視上の中心が重なる
ように重ね合わせた。このようにして得た上記の電磁波
シールド材も本発明の電磁波シールド材Iの1つであ
り、当該電磁波シールド材は、平面視上の全体形状が格
子状を呈する導電性金属パターンを有している。上記の
電磁波シールド材ならびに当該電磁波シールド材を構成
している透明導電性酸化物膜および導電性金属パターン
のそれぞれについて、実施例1で求めたと同じ物性を実
施例1と同様にして求めた。これらの結果を表1または
表2に併記する。
【0115】実施例8(電磁波シールド材IIの作製) PETフィルムの片面に実施例4と同様にして透明導電
性酸化物膜を形成した後、その反対側の面全体に、実施
例1で用いたと同じ鋼版マスクおよびAg−Cペースト
を用いたスクリーン印刷法によって、Ag−Cペースト
からなる所定本数の層を所定ピッチで形成し、これらの
層を150℃,30分の熱処理によって硬化させて、目
的とする電磁波シールド材を得た。この電磁波シールド
材は本発明の電磁波シールド材IIの1つであり、当該電
磁波シールド材は、平面視上の全体形状がストライプ状
を呈する導電性金属パターンを有している。上記の電磁
波シールド材ならびに当該電磁波シールド材を構成して
いる透明導電性酸化物膜および導電性金属パターンのそ
れぞれについて、実施例1で求めたと同じ物性を実施例
1と同様にして求めた。これらの結果を表1または表2
に併記する。
【0116】比較例1 PETフィルムの片面に実施例1と同様にして導電性金
属パターンを形成して、電磁波シールド材を得た。この
電磁波シールド材および当該電磁波シールド材を構成し
ている導電性金属パターンのそれぞれについて、実施例
1で求めたと同じ物性を実施例1と同様にして求めた。
これらの結果を表2に併記する。
【0117】比較例2 実施例1で用いたと同じ鋼版マスクおよびAg−Cペー
ストを用いたスクリーン印刷法によってPETフィルム
の片面に前記のAg−Cペーストからなる所定本数の層
を形成し、これらの層を150℃,30分の熱処理によ
って硬化させて、第1の部材を得た。また、全く同様に
して、第2の部材を得た。そして、上記第1の部材と上
記第2の部材とを、各部材に形成されている導電性金属
層(硬化後のAg−Cペーストからなるもの)同士が平
面視上直交し、かつ、透明導電層を介して互いに向かい
合うようにして重ね合わせた。このとき、前記の透明導
電層は透明導電性接着剤からなる層によって形成し、か
つ、この透明導電性接着剤によって両者を互いに固着さ
せた。この後さらに、重ね合わせた後の第1の部材と第
2の部材とをラミネータを用いて一体化して、目的とす
る電磁波シールド材を得た。この電磁波シールド材は、
平面視上の全体形状が格子状を呈する導電性金属パター
ンを有している。この電磁波シールド材および当該電磁
波シールド材を構成している導電性金属パターンのそれ
ぞれについて、実施例1で求めたと同じ物性を実施例1
と同様にして求めた。これらの結果を表2に併記する。
【0118】比較例3 スパッタリング法によって透明導電性酸化物膜を形成す
るにあたってその膜厚を表1に示す厚さとした以外は実
施例1と同様にしてPETフィルムの片面に透明導電性
酸化物膜を形成し、これによって電磁波シールド材を得
た。この電磁波シールド材および当該電磁波シールド材
を構成している透明導電性酸化物膜のそれぞれについ
て、実施例1で求めたと同じ物性を実施例1と同様にし
て求めた。これらの結果を表1または表2に併記する。
【0119】
【表1】
【0120】
【表2】
【0121】表2に示したように、実施例1〜実施例7
で作製した各電磁波シールド材Iおよび実施例8で作製
した電磁波シールド材IIは、可視光の透過率が60〜8
0%と高く、その反射率が13〜18%と低い。また、
100MHzの電磁波に対するシールド効果が52〜6
8dBと高い。したがって、これらの実施例で作製した
電磁波シールド材Iまたは電磁波シールド材IIは、表示
装置用電磁波シールド材として用いた場合でも画面から
放射される電磁波を画質の低下を抑制しつつ高度にシー
ルドすることが可能なものであると推察される。
【0122】また、実施例1〜実施例7で作製した各電
磁波シールド材Iおよび実施例8で作製した電磁波シー
ルド材IIそれぞれについて、30〜230MHzの電磁
波に対するシールド効果をアドバンテスト法により測定
した。その結果、いずれの電磁波シールド材Iまたは電
磁波シールド材IIにおいても、周波数が30〜230M
Hzの範囲内にある電磁波に対してシールド効果が50
dBを下回ることはなかった。
【0123】さらに、実施例1〜実施例7で作製した各
電磁波シールド材Iおよび実施例8で作製した電磁波シ
ールド材IIそれぞれについて温度80℃,試験時間10
00時間の条件で耐熱性試験を行い、試験後に導電性金
属パターン(電磁波シールド材Iまたは電磁波シールド
材IIを形成している導電性金属パターン)の線幅および
パターン間隔を測定した。その結果、いずれの電磁波シ
ールド材においても、前記の線幅およびパターン間隔は
耐熱性試験の前後で同じであった。
【0124】一方、比較例1〜比較例3の電磁波シール
ド材は、可視光の透過率が69〜88%と高く、その反
射率が6〜15%と低いものの、100MHzの電磁波
に対するシールド効果は実施例1〜実施例8の各電磁波
シールド材よりも低い。
【0125】実施例9(電磁波シールド材Iの作製) まず、透明基材として近赤外カットフィルム(日本化薬
社製のIRC−H;平面視上の大きさは17cm□)の
片面にm)を用いた以外は実施例1と同条件で前記の近
赤外カットフィルムの片面全体にIn23−ZnO系非
晶質酸化物膜からなる透明導電性酸化物膜を形成し、こ
れによって第1の電磁波シールド部を得た。また、極細
線ステンレスをメッシュ状に編んだもの(極細線ステン
レススクリーン;村上スクリーン社製のSS−30)の
片面に感光性樹脂層を形成し、この感光性樹脂層をフォ
トリソグラフィー法によってパターニングして前記の極
細線ステンレススクリーンの片面を所定の格子状に露出
させ、これによってスクリーン印刷用のマスク(版)を
得た。そして、このマスクとAg−Cペースト(東洋紡
績社製のDX−153H−1;粘度300ポイズ)とを
用いたスクリーン印刷法によって、透明基材としてのア
クリル板(厚さ5mm,平面視上の大きさは15cm
□)の片面全体に未硬化のAg−Cペーストからなる格
子状パターンを形成した。この後、130℃で20分間
熱処理して前記の格子状パターンを硬化させて、前記の
近赤外カットフィルムと当該近赤外カットフィルムの片
面に形成された導電性金属パターンとからなる第2の電
磁波シールド部を得た。前記の導電性金属パターンは硬
化後のAg−Cペーストからなり、この導電性金属パタ
ーンにおけるユニットパターンの平面視上の形状は正方
形を呈し、当該導電性金属パターンの平面視上の全体形
状は格子状を呈する。上記の透明導電性酸化物膜および
導電性金属パターンのそれぞれについて、実施例1で求
めたと同じ物性を実施例1と同様にして求めた。これら
の結果を表3または表4に示す。
【0126】次に、上記第1の電磁波シールド部と上記
第2の電磁波シールド部とを、第1の電磁波シールド部
を構成している透明導電性酸化物膜と第2の電磁波シー
ルド材部を構成している導電性金属パターンとが透明電
気絶縁層を介して互いに向かい合うようにして重ね合わ
せた。このとき、前記の電気絶縁層は紫外線硬化型の電
気絶縁性接着剤からなる層(厚さ約5μm)によって形
成し、かつ、この電気絶縁性接着剤によって両者を互い
に固着させた。また、前記の電気絶縁性接着剤は導電性
金属パターン側に塗布したが、当該導電性金属パターン
の周縁部については、銀ペーストによるアース接続部と
して、幅0.5mm程度の非接着部を残した。さらに、
第1の電磁波シールド部と第2の電磁波シールド部と
は、アースがとり易いように、これらの電磁波シールド
部における平面視上の中心が重なるように重ね合わせ
た。
【0127】この後、上記の透明導電性酸化物膜の周縁
部と上記の導電性金属パターンの外側端面を覆うように
して、アースをとるために銀ペーストを塗布・乾燥し
て、目的とする電磁波シールド材Iを得た。上記の電磁
波シールド材について、実施例1で求めたと同じ物性を
実施例1と同様にして求めた。さらに、波長900nm
の近赤外線を測定光として用いた場合の光透過率につい
ても測定した。これらの結果を表4に併記する。
【0128】実施例10(電磁波シールド材Iの作製) 片面にUV硬化型のアクリル系ハードコート層を有する
アクリル板(アクリル板自体の厚さ5mm,平面視上の
大きさは17cm□)を透明基材として用い、この透明
基材の片面(前記のハードコート層が形成されている面
とは反対側の面)に実施例9と同条件でIn23−Zn
O系非晶質酸化物膜からなる透明導電性酸化物膜を形成
し、これによって第1の電磁波シールド部を得た。ま
た、透明基材として近赤外カットフィルム(日本化薬社
製のIRC−H;平面視上の大きさは15cm□)を用
いた以外は実施例9と同様にして当該近赤外カットフィ
ルムの片面全体に導電性金属パターンを形成し、これに
よって第2の電磁波シールド部を得た。上記の透明導電
性酸化物膜および導電性金属パターンのそれぞれについ
て、実施例9で求めたと同じ物性を実施例9と同様にし
て求めた。これらの結果を表3または表4に併記する。
【0129】この後、上記第1の電磁波シールド部と上
記第2の電磁波シールド部とを実施例9と同様にして重
ね合せ、さらに、アースをとるために実施例9と同様に
銀ペーストを塗布・乾燥して、目的とする電磁波シール
ド材Iを得た。上記の電磁波シールド材について、実施
例9で求めたと同じ物性を実施例9と同様にして求め
た。これらの結果を表4に併記する。
【0130】実施例11(電磁波シールド材Iの作製) まず、片面にUV硬化型のアクリル系ハードコート層を
有するアクリル板(アクリル板自体の厚さ5mm,平面
視上の大きさは17cm□)を透明基材として用い、こ
の透明基材の片面(前記のハードコート層が形成されて
いる面とは反対側の面)全体に厚さ1μmのCu薄膜を
形成した。そして、このCu薄膜をフォトリソグラフィ
ー法によってパターニングして、平面視上の全体形状が
格子状を呈する導電性金属パターンを得、これによって
第1の電磁波シールド部を得た。前記の導電性金属パタ
ーンは、線幅30μm,厚さ1μmのCu層によって形
成されており、当該導電性パターンのパターン間隔は4
70μmである。また、透明基材として近赤外カットフ
ィルム(日本化薬社製のIRC−H;平面視上の大きさ
は15cm□)を用いた以外は実施例9と同様にして当
該近赤外カットフィルムの片面全体に導電性酸化物膜を
形成し、これによって第2の電磁波シールド部を得た。
上記の透明導電性酸化物膜および導電性金属パターンの
それぞれについて、実施例9で求めたと同じ物性を実施
例9と同様にして求めた。これらの結果を表3または表
4に併記する。
【0131】次に、上記第1の電磁波シールド部と上記
第2の電磁波シールド部とを実施例9と同様にして重ね
合せ、導電性金属パターンにおける非接着部と透明導電
性酸化物膜とをアースをとるための両面導電性銅テープ
によって接着して、目的とする電磁波シールド材Iを得
た。上記の電磁波シールド材について、実施例9で求め
たと同じ物性を実施例9と同様にして求めた。これらの
結果を表4に併記する。
【0132】
【表3】
【0133】
【表4】
【0134】表4に示したように、実施例9〜実施例1
1で作製した各電磁波シールド材Iは、可視光の透過率
が67〜68%と高く、その反射率が15%と低い。ま
た、100MHzの電磁波に対するシールド効果が75
〜78dBと高い。さらに、実施例9〜実施例11で作
製した各電磁波シールド材Iについて、30〜230M
Hzの電磁波に対するシールド効果をKEC法(関西電
子工業振興センター法)により測定したところ、いずれ
の電磁波シールド材Iにおいても、周波数が30〜23
0MHzの範囲内にある電磁波に対してシールド効果が
60dBを下回ることはなかった。したがって、これら
の実施例9〜実施例11で作製した各電磁波シールド材
Iは、表示装置用電磁波シールド材として用いた場合で
も画面から放射される電磁波を画質の低下を抑制しつつ
高度にシールドすることが可能なものであると推察され
る。
【0135】さらに、実施例9〜実施例11で作製した
各電磁波シールド材Iについて温度100℃,試験時間
1000時間の条件で耐熱性試験を行い、試験後に導電
性金属パターン(電磁波シールド材Iを構成している導
電性金属パターン)の線幅およびパターン間隔を測定し
た。その結果、いずれの電磁波シールド材Iにおいて
も、前記の線幅およびパターン間隔は耐熱性試験の前後
で同じであった。したがって、これらの実施例実施例9
〜実施例11で作製した電磁波シールド材Iは、特にプ
ラズマディスプレイ用電磁波シールド材として好適であ
る。
【0136】実施例12(電磁波シールド材Iの作製) 透明基材として近赤外カットフィルム(日本化薬社製の
IRC−H)を用い、実施例9と同条件で前記の近赤外
カットフィルムの片面にIn23−ZnO系非晶質酸化
物膜からなる透明導電性酸化物膜を形成した。また、導
電性金属層の線幅を50μm,厚さを5μm,パターン
間隔を450μmとした以外は実施例9と同様にして、
上記の近赤外カットフィルムにおける他方の面(透明導
電性酸化物膜を形成した面とは反対側の面)上に導電性
金属パターンを形成した。この導電性金属パターンは、
平面視上、前記の透明導電性酸化物膜の全体に亘って形
成されている。上記の透明導電性酸化物膜および導電性
金属パターンのそれぞれについて、実施例9で求めたと
同じ物性を実施例9と同様にして求めた。これらの結果
を表5または表6に示す。
【0137】次に、上記の導電性金属パターンまで形成
した近赤外カットフィルムから平面視上の大きさが17
cm□の試料を切り出し、この試料と補強材としてのア
クリル板(平面視上の大きさ=15cm□,厚さ5m
m)とをラミネータを用いて貼り合わせた。このとき、
近赤外カットフィルムに形成されている透明導電性酸化
物膜がアクリル板との貼り合わせ面となるようにし、か
つ、両者の平面視上の中心が一致するようにして、紫外
線硬化型の電気絶縁性接着剤を用いて貼り合わせた。次
いで、導電性金属パターンが形成されている面上に15
cm□の反射防止フィルム(旭ガラス社製のサイトッ
プ)を貼着した。このとき、反射防止フィルムの平面視
上の中心と近赤外カットフィルムの平面視上の中心が一
致するようにした。
【0138】この後、上記の透明導電性酸化物膜のうち
で上記のアクリル板が貼着されていない部分(上記の透
明導電性酸化物膜における幅1cmの周縁部)と、上記
の導電性金属パターンのうちで上記の反射防止フィルム
が貼着されていない部分(上記の導電性金属パターンに
おける幅1cmの周縁部)とを覆うようにして、アース
をとるための両面導電性銅テープ(幅2cm)を貼着し
て、目的とする電磁波シールド材Iを得た。上記の電磁
波シールド材について、実施例9で求めたと同じ物性を
実施例9と同様にして求めた。これらの結果を表6に併
記する。
【0139】実施例13(電磁波シールド材Iの作製) 導電性金属パターンを形成するにあたり、導電性金属層
(硬化後のAg−Cペースト)の線幅を30μmにし、
その膜厚を10μmにし、かつ、パターン間隔を470
μmにした以外は実施例12と同様にして、目的とする
電磁波シールド材Iを得た。上記の電磁波シールド材な
らびに当該電磁波シールド材を構成している透明導電性
酸化物膜および導電性金属パターンそれぞれについて、
実施例12で求めたと同じ物性を実施例12と同様にし
て求めた。これらの結果を表5または表6に併記する。
【0140】実施例14(電磁波シールド材Iの作製) 導電性金属パターンを形成するにあたり、導電性金属層
(硬化後のAg−Cペースト)の線幅を30μmにし、
その膜厚を15μmにし、かつ、パターン間隔を470
μmにした以外は実施例12と同様にして、目的とする
電磁波シールド材Iを得た。上記の電磁波シールド材な
らびに当該電磁波シールド材を構成している透明導電性
酸化物膜および導電性金属パターンそれぞれについて、
実施例12で求めたと同じ物性を実施例12と同様にし
て求めた。これらの結果を表5または表6に併記する。
【0141】実施例15(電磁波シールド材Iの作製) 補強板としてポリカーボネート板(厚さ5mm)を用い
た以外は実施例13と同様にして、目的とする電磁波シ
ールド材Iを得た。上記の電磁波シールド材ならびに当
該電磁波シールド材を構成している透明導電性酸化物膜
および導電性金属パターンそれぞれについて、実施例1
2で求めたと同じ物性を実施例12と同様にして求め
た。これらの結果を表5または表6に併記する。
【0142】実施例16(電磁波シールド材Iの作製) 透明導電性酸化物の製膜条件を実施例2と同条件とした
以外は実施例14と同様にして、目的とする電磁波シー
ルド材Iを得た。上記の電磁波シールド材ならびに当該
電磁波シールド材を構成している透明導電性酸化物膜お
よび導電性金属パターンそれぞれについて、実施例12
で求めたと同じ物性を実施例12と同様にして求めた。
これらの結果を表5または表6に併記する。
【0143】実施例17(電磁波シールド材Iの作製) 表5に示す組成(ただし、酸素を除く。)のスパッタリ
ングターゲットを用いた以外は実施例12と同様にして
透明導電性酸化物膜を形成し、他は実施例14と同様に
して、目的とする電磁波シールド材Iを得た。上記の電
磁波シールド材ならびに当該電磁波シールド材を構成し
ている透明導電性酸化物膜および導電性金属パターンそ
れぞれについて、実施例12で求めたと同じ物性を実施
例12と同様にして求めた。これらの結果を表5または
表6に併記する。
【0144】実施例18(電磁波シールド材Iの作製) まず、膜厚を330オングストロームとした以外は実施
例12と同様にして近赤外カットフィルム(実施例11
で使用したものと同じもの)の片面に第1の透明導電性
酸化物膜を形成し、この第1の透明導電性酸化物膜上に
厚さ50オングストロームの銀薄膜を形成し、この銀薄
膜上に厚さ330オングストロームの第2の透明導電性
酸化物膜を前記第1の透明導電性酸化物膜と同様にして
形成した。このときの銀薄膜の製膜は、雰囲気ガスとし
てArガスのみを用い、かつ、DC出力を1W/cm2
にした以外は実施例12と同一の条件のDCマグネトロ
ンスパッタリング法によって行った。次に、上記の近赤
外カットフィルムにおける他方の面(第1および第2の
透明導電性酸化物膜ならびに銀薄膜を順次形成した面と
は反対側の面)上に、実施例14と同様にして導電性金
属パターンを形成した。
【0145】この後は実施例14と同様にして目的とす
る電磁波シールド材Iを得た。上記の電磁波シールド材
ならびに当該電磁波シールド材を構成している3層構造
の透明導電膜(第1の導電性酸化物膜,銀薄膜および第
2の透明導電性酸化物膜)および導電性金属パターンそ
れぞれについて、実施例12で求めたと同じ物性を実施
例12と同様にして求めた。これらの結果を表5または
表6に併記する。
【0146】実施例19(電磁波シールド材IIの作製) まず、実施例16と同様にして近赤外カットフィルム
(実施例11で使用したものと同じもの)の片面に透明
導電性酸化物膜を形成した。次に、上記の透明導電性酸
化物膜を形成した近赤外カットフィルムから平面視上の
大きさが17cm□の試料を切り出し、当該試料におけ
る前記の透明導電性酸化物膜上に、実施例14と同様に
して導電性金属パターンを形成した。このとき、透明導
電性酸化物膜の周縁部に幅1cmに亘って前記の導電性
金属パターンが形成されていない部分が生じるようにし
た。上記の透明導電性酸化物膜および導電性金属パター
ンのそれぞれについて、実施例9で求めたと同じ物性を
実施例9と同様にして求めた。これらの結果を表5また
は表6に併記する。
【0147】次いで、紫外線硬化型の電気絶縁性接着剤
を用いて、上記の導電性金属パターン上に15cm□の
アクリル板(厚さ5mm)を貼着した。このとき、前記
の電気絶縁性接着剤はアクリル板に塗布した。この後、
上記の透明導電性酸化物膜の周縁部と上記の導電性金属
パターンの外側端面を覆うようにして、アースをとるた
めの両面導電性銅テープを貼着して、目的とする電磁波
シールド材IIを得た。上記の電磁波シールド材につい
て、実施例12で求めたと同じ物性を実施例12と同様
にして求めた。これらの結果を表6に併記する。
【0148】
【表5】
【0149】
【表6】
【0150】表6に示したように、実施例12〜実施例
18で作製した各電磁波シールド材Iおよび実施例19
で作製した電磁波シールド材IIは、可視光の透過率が6
5〜68%と高く、その反射率が13〜15%と低い。
また、100MHzの電磁波に対するシールド効果が6
8〜78dBと高い。さらに、実施例12〜実施例18
で作製した各電磁波シールド材Iおよび実施例19で作
製した電磁波シールド材IIそれぞれについて、30〜2
30MHzの電磁波に対するシールド効果をKEC法に
より測定したところ、いずれの電磁波シールド材Iまた
は電磁波シールド材IIにおいても、周波数が30〜23
0MHzの範囲内にある電磁波に対してシールド効果が
60dBを下回ることはなかった。したがって、これら
の実施例12〜実施例19で作製した各電磁波シールド
材は、表示装置用電磁波シールド材として用いた場合で
も画面から放射される電磁波を画質の低下を抑制しつつ
高度にシールドすることが可能なものであると推察され
る。
【0151】さらに、実施例12〜実施例19で作製し
た各電磁波シールド材について温度80℃,試験時間1
000時間の条件で耐熱性試験を行い、試験後に導電性
金属パターン(電磁波シールド材を構成している導電性
金属パターン)の線幅およびパターン間隔を測定した。
その結果、いずれの電磁波シールド材においても、前記
の線幅およびパターン間隔は耐熱性試験の前後で同じで
あった。したがって、これらの電磁波シールド材は、特
にプラズマディスプレイ用電磁波シールド材として好適
である。
【0152】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電磁波シ
ールド材は可視光の透過率が高く、可視光の反射率が低
く、かつ、100MHz以下の電磁波に対するシールド
効果が高いものを得易い電磁波シールド材であるので、
本発明によれば、表示装置用電磁波シールド材として用
いた場合でも画面から放射される電磁波を画質の低下を
抑制しつつ高度にシールドすることが可能な電磁波シー
ルド材を容易に提供することが可能になる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年1月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0135
【補正方法】変更
【補正内容】
【0135】さらに、実施例9〜実施例11で作製した
各電磁波シールド材Iについて温度80℃,試験時間1
000時間の条件で耐熱性試験を行い、試験後に導電性
金属パターン(電磁波シールド材Iを構成している導電
性金属パターン)の線幅およびパターン間隔を測定し
た。その結果、いずれの電磁波シールド材Iにおいて
も、前記の線幅およびパターン間隔は耐熱性試験の前後
で同じであった。したがって、これらの実施例実施例9
〜実施例11で作製した電磁波シールド材Iは、特にプ
ラズマディスプレイ用電磁波シールド材として好適であ
る。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基材と、透明導電性酸化物膜と、平
    面視したときに所定形状の開口部からなる繰り返しパタ
    ーンがパターン間隔300μm〜1mmで現れるように
    して線幅が10〜50μmの細線状の導電性金属層によ
    って形成された導電性金属パターンとを有し、前記透明
    導電性酸化物膜と前記導電性金属パターンとのうちの少
    なくとも一方が前記透明基材の片面上に形成されてお
    り、かつ、前記透明導電性酸化物膜と前記導電性金属パ
    ターンとが電気絶縁層を介して積層された状態にあるこ
    とを特徴とする電磁波シールド材。
  2. 【請求項2】 透明導電性酸化物膜が少なくともインジ
    ウム(In),亜鉛(Zn)および酸素(O)を構成元
    素としている非晶質酸化物からなる、請求項1に記載の
    電磁波シールド材。
  3. 【請求項3】 透明導電性酸化物膜におけるインジウム
    (In)の原子比In/(In+Zn)が0.5〜0.
    9である、請求項2に記載の電磁波シールド材。
  4. 【請求項4】 透明導電性酸化物膜がインジウム(I
    n),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga)および酸素
    (O)を構成元素としている、請求項2に記載の電磁波
    シールド材。
  5. 【請求項5】 透明導電性酸化物膜におけるインジウム
    (In)の原子比In/(In+Zn+Ga)が0.5
    〜0.9、ガリウム(Ga)の原子比Ga/(In+Z
    n+Ga)が0.04以下である、請求項4に記載の電
    磁波シールド材。
  6. 【請求項6】 導電性金属パターンの平面視上の全体形
    状が格子状を呈する、請求項1〜請求項5のいずれか1
    項に記載の電磁波シールド材。
  7. 【請求項7】 透明基材の片面に透明導電性酸化物膜が
    形成されており、前記透明基材の他方の面に導電性金属
    パターンが形成されている、請求項1〜請求項6のいず
    れか1項に記載の電磁波シールド材。
  8. 【請求項8】 透明基材が近赤外カット機能を有してい
    る、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の電磁波
    シールド材。
  9. 【請求項9】 可視光の透過率が50%以上,可視光の
    反射率が20%以下、100MHzの電磁波に対するシ
    ールド効果が50dB以上である、請求項1〜請求項8
    のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
  10. 【請求項10】 表示装置における表示パネルの前面板
    として使用される、請求項1〜請求項9のいずれか1項
    に記載の電磁波シールド材。
  11. 【請求項11】 プラズマディスプレイにおける表示パ
    ネルの前面板として使用される、請求項10に記載の電
    磁波シールド材。
  12. 【請求項12】 透明基材と、透明導電性酸化物膜と、
    平面視したときに所定形状の開口部からなる繰り返しパ
    ターンがパターン間隔300μm〜1mmで現れるよう
    にして線幅が10〜100μmの細線状の導電性金属層
    によって形成された導電性金属パターンとを有し、前記
    透明導電性酸化物膜と前記導電性金属パターンとのうち
    の少なくとも一方が前記透明基材の片面上に形成されて
    おり、かつ、前記透明導電性酸化物膜と前記導電性金属
    パターンとが厚さ方向に積層された状態にあることを特
    徴とする電磁波シールド材。
  13. 【請求項13】 透明基材が近赤外線カット能を有して
    いる、請求項12に記載の電磁波シールド材。
  14. 【請求項14】 透明導電性酸化物膜がインジウム(I
    n),亜鉛(Zn),ガリウム(Ga)および酸素
    (O)を構成元素としている、請求項12または請求項
    13に記載の電磁波シールド材。
  15. 【請求項15】 可視光の透過率が50%以上,可視光
    の反射率が20%以下、100MHzの電磁波に対する
    シールド効果が40dB以上である、請求項12〜請求
    項14のいずれか1項に記載の電磁波シールド材。
  16. 【請求項16】 表示装置における表示パネルの前面板
    として使用される、請求項12〜請求項15のいずれか
    1項に記載の電磁波シールド材。
  17. 【請求項17】 プラズマディスプレイにおける表示パ
    ネルの前面板として使用される、請求項16に記載の電
    磁波シールド材。
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