JPH10170514A - ヒスタミンの蛍光強度測定方法 - Google Patents

ヒスタミンの蛍光強度測定方法

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JPH10170514A
JPH10170514A JP32678296A JP32678296A JPH10170514A JP H10170514 A JPH10170514 A JP H10170514A JP 32678296 A JP32678296 A JP 32678296A JP 32678296 A JP32678296 A JP 32678296A JP H10170514 A JPH10170514 A JP H10170514A
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histamine
fluorescence intensity
measuring
fluorescent
dispensing
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JP32678296A
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English (en)
Inventor
Kunio Oyama
邦夫 大山
Shigeru Ikuta
茂 生田
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 迅速かつ簡便な操作でしかも再現性に優れた
被検液から遊離されるヒスタミンの蛍光強度測定法を得
るものである。 【解決手段】 アレルゲン成分を有し、ウエル内にガラ
ス微細繊維を付着せしめたマイクロプレートにヒスタミ
ン遊離能を有する被検液を分注する工程と、マイクロプ
レートを一定の条件下に維持しながらアレルゲン成分の
刺激により被検液中からヒスタミンを遊離せしめる工程
と、遊離ヒスタミンをガラス微細繊維に特異的結合せし
めた後マイクロプレートを洗浄する工程と、蛍光発色試
薬をウエルに分注してガラス微細繊維よりヒスタミンを
溶出させた後、蛍光発色団と結合させる工程と、遊離ヒ
スタミン量に基づく蛍光強度を測定する工程とを有し、
これらの工程を一定間隔で順次連続して行うものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒスタミン遊離能
を有する被検液、例えば全血、白血球画分、洗浄血球ま
たは好塩基球を含有する体液からアレルゲン成分の刺激
により遊離したヒスタミンの自動測定に関し、更に詳し
く言えば被検液の分注工程−ヒスタミン遊離反応工程−
洗浄工程−蛍光発色試薬分注工程−発色安定化試薬分注
工程−蛍光測定工程を一連の連続した反応工程としたヒ
スタミンの蛍光強度測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アレルギー疾患患者の治療は、起因する
アレルゲンが何であるかを知ることが極めて重要なこと
である。このための検査法としては、例えばin vi
voの検査の場合は皮内試験、吸入誘発試験、食物負荷
試験などが知られている。また、患者に苦痛を与えない
in vitroの診断法は、血清中のレアギン、すな
わち特異IgE抗体を免疫的に測定する方法が一般的に
行われている。これらの検査で判定される疾患は、例え
ば薬物やワクチンによるアナフィラキシー、気管支喘
息、花粉症、食物アレルギー等のごとく外来性のアレル
ゲンに起因するものが挙げられる。
【0003】アレルゲン成分の刺激により被検液からの
ヒスタミン遊離反応は、体液性の抗体が関与している即
時型アレルギー反応の引き金であり、特異IgE抗体量
測定よりも生体内の反応をより強く反映しているという
ことが既に報告されている(安枝浩:ヒスタミン遊離試
験.臨床免疫20,237−247,1988)。従っ
て、反応操作に種々の制約を受けない、あるいは、危険
性を伴わない安全なin vitroでのヒスタミン遊
離反応に基づく起因アレルゲンの検索が、特異IgE測
定によるアレルゲン検索と比較して同等もしくはそれ以
上の意味を持つことが期待される。
【0004】遊離ヒスタミン測定法に関しては、例えば
特公平3−19948号公報、特表平4−506252
号公報等が知られている。これらの公報に開示されたヒ
スタミン遊離測定法は、ウエルに刺激用のアレルゲンを
固定したガラスファイバーを有するマイクロプレートを
使用する。すなわち、マイクロプレートのウエルに添加
された被検液から遊離されるヒスタミンは、ガラスファ
イバーに特異的に吸着されるため、B/F分離が極めて
容易に行え、そして、ガラスファイバーに吸着せしめた
ヒスタミンをアルカリにて溶出し、次いで蛍光発色団で
あるo−フタルアルデヒドと結合させて蛍光を発色さ
せ、その蛍光強度を測定すればヒスタミン量を測定する
ことができるため、簡便な測定法とされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな測定法では、一連の測定工程においてマイクロプレ
ートを蛍光測定に持ち込むまでに手作業による極めて煩
雑な工程を必要とし、中でも、マイクロプレートへの被
検液・試薬の分注、マイクロプレートの洗浄等の段階で
多大の時間を必要としていた。更に、全血の被検液を用
いる場合には、蛍光測定での妨害を防ぐために、特にマ
イクロプレートの洗浄工程を長く取る必要があった。
【0006】しかし、この種のアレルギー疾患の多くは
周知のように季節性のものであり、それのシーズンには
一時に多数の検体が集中し、しかも、測定は血液からの
ヒスタミン遊離を見るため、血球は活性を保った条件下
で行わなければならない。このため、測定は一般的には
採血後48時間以内に行う必要があることから、前記の
ごとく手作業による煩雑な工程を含む測定法では多検体
の測定には到底対処できず、それ故、被検液の測定を効
率的に行うことのできる方法が強く要望されていた。
【0007】本発明者らは、このような要望を満足せし
めるために鋭意研究の結果、迅速性、操作性、再現性に
優れた、被検液から遊離されるヒスタミンの測定法を開
発し、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は
被検液の分注工程−ヒスタミン遊離反応工程−洗浄工程
−蛍光発色試薬分注工程−発色安定化試薬分注工程−蛍
光強度測定工程を、一定の間隔で連続した工程とするこ
とにより、極めて効率的かつ簡便に連続測定することが
できるようにしたヒスタミンの蛍光強度測定方法を提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、被検液から遊
離されたヒスタミン量に由来する蛍光強度を測定するも
のにおいて、アレルゲン成分を有し、ウエル内にガラス
微細繊維を付着せしめたマイクロプレートのウエルにヒ
スタミン遊離能を有する被検液を分注する工程と、マイ
クロプレートを一定の条件下に維持しながらアレルゲン
成分の刺激により被検液中からヒスタミンを遊離せしめ
る工程と、遊離ヒスタミンをガラス繊維に特異的結合せ
しめた後マイクロプレートを洗浄する工程と、蛍光発色
試薬をウエルに分注してガラス微細繊維よりヒスタミン
を溶出させた後、蛍光発色団と結合させる工程と、発色
安定化試薬を加え蛍光結合物を安定化させた後遊離ヒス
タミンの蛍光強度を測定する工程を有し、これらの工程
を一定間隔で順次連続して行うことを特徴とするヒスタ
ミンの蛍光強度測定法であって、極めて簡便かつ効率的
にアレルギー疾患に起因するアレルゲンを連続検索する
ことができる。
【0009】更に、本発明は、被検液から遊離されたヒ
スタミンを有するマイクロプレートに蛍光発色試薬を分
注し、蛍光発色団とヒスタミンの結合物を生成させた
後、蛍光反応生成物の安定化をはかるため安定化試薬を
分注することが好ましい。被検液は、全血、白血球画
分、洗浄血球または好塩基球を含有する体液である。ヒ
スタミン蛍光発色試薬は、o−フタノールアルデヒドで
あり、蛍光発色試薬の分注一定時間後に反応液に発色安
定化試薬を加え、酸性条件となすpH補正工程を有す
る。pH補正は過塩素酸によりpH1.3〜2.4の範
囲に補正される。測定工程は、ウエル内の反応液を蛍光
強度測定部へ導入する少なくとも2個以上の吸引パイプ
を有し、それぞれの吸引部を予め設定されたウエル内に
導入し、反応液または検査液を蛍光光度計に移送して同
時に複数測定すれば、より効率的な測定が可能となる。
【0010】更にまた、本発明は、被検液分注工程A
と、緩衝液分注と蛍光発色試薬分注工程Bと、洗浄液分
注と安定化試薬分注の工程Cと、ヒスタミン遊離反応と
洗浄液での反応の工程Dと、洗浄工程Eと、ヒスタミン
と蛍光発色試薬の反応工程Fと、蛍光強度測定工程とが
組み合わされ、被検液からの遊離ヒスタミンを測定する
に際し、マイクロプレートが上記の工程B→A→D→E
→C→D→E→B→F→Cを一定間隔で移動した後、反
応液または検査液を蛍光強度測定工程に移送して測定す
れば、重複できる工程を共通使用できるため、システム
の配列がコンパクト化し得ることになる。
【0011】本発明において、使用した用語「被検液」
とは、ヒスタミン遊離能を有する血球を含むもので、例
えば全血、白血球画分、洗浄血球または好塩基球を含有
することを意味する。また、各分注ステージまたは工程
において、使用した用語「分注機」とは、被検液、及び
試薬を攪拌または静置しながら一定の液量を採取し、マ
イクロプレートに分注するものでればよく、特に限定さ
れない分注機であることを意味する。
【0012】更に、本発明において、使用した用語「恒
温ステージ」とは、遊離反応に必要な時間マイクロプレ
ートを一定温度に維持する装置であればよく、特に限定
されないが、好ましい例としては、30℃〜45℃の範
囲で自由に温度設定が可能で、かつ、マイクロプレート
を振とうすることができ、また自動的に出し入れするこ
とのできる恒温室が挙げられる。恒温室に一時にセット
できる被検液数は、当該恒温室の大きさ、すなわち収納
し得るプレート数により規定されることを意味するもの
である。
【0013】更にまた、本発明において、使用した用語
「洗浄機」とは、96穴マイクロプレートに、被検液・
洗浄液等を同時に吸排出できる性能を有していればよ
く、特に限定されない。また、蛍光強度を測定するステ
ージにおいて使用した用語「蛍光強度測定ステージ」と
は反射型もしくはフローセル型のものであればよく、特
に限定されないが、好適な例としては、10pg/ml
濃度のクマリン溶液の蛍光強度が検出可能である蛍光光
度計が挙げられる。
【0014】
【発明の実施の態様】以下に図面を参照しながら本発明
の実施例について説明するが、本発明は何らこれらによ
って限定されるものではない。本発明におけるヒスタミ
ンの蛍光強度測定法における好適な測定システムは以下
の主要部から構成される。 (1)アレルゲン成分を有し、ウエルにガラス微細繊維
を固定したマイクロプレートをセットしておくプレート
保持部。 (2)被検液の分注ステージにおいて被検液を上記のマ
イクロプレートに分注する分注機。 (3)マイクロプレートへ緩衝液、蛍光発色試薬、洗浄
液、安定化試薬を分注する分注機。
【0015】(4)各試薬類を収納するボトルユニッ
ト。 (5)マイクロプレートを収納して一定温度の反応条件
を維持せしめながら被検液からヒスタミンの遊離反応を
行い、また洗浄液による洗浄反応を行うための恒温室。 (6)マイクロプレートの洗浄を充分に行うための洗浄
機。 (7)遊離ヒスタミンの蛍光強度を測定するための測定
部を含む蛍光測定分析器。
【0016】(8)マイクロプレートをそれぞれの処理
工程に順次移動させてマイクロプレートをそれぞれのス
テージの所定位置に予め決められたシーケンスに従って
セットされるプレート移動部。 (9)指令に基づき当該システムの全体の作動を制御
し、データの記憶・演算を行って結果をプリンター等に
出力する記憶・制御部。 (10)上記(9)への作動指令を行う制御部。
【0017】図1に示した実施例による測定法のフロー
チャートは、被検液の分注工程−ヒスタミン遊離反応工
程−洗浄工程−蛍光試薬分注工程−安定化試薬分注工程
−蛍光測定工程が一連の連続した反応工程にて行われる
システムである。即ち、プレート保持部10は緩衝液分
注ステージ11に接続され、該ステージ11は被検液分
注ステージ12を介して反応条件維持の恒温ステージ1
3に接続され、該ステージ13は洗浄ステージ14に接
続され、更に洗浄液分注ステージ15を介して上記の恒
温ステージ13に接続してある。
【0018】恒温ステージ13は洗浄ステージ16を介
して蛍光発色試薬分注ステージ17に接続され、更にヒ
スタミンと蛍光発色試薬反応ステージ18、安定化試薬
分注ステージ19を介して蛍光強度測定ステージ20に
接続してある。該蛍光強度測定ステージ20はプレート
排出部27と反応液または検査液排出部28に接続して
ある。
【0019】上記の一連の工程途中に配置した恒温ステ
ージ13が検査液の往路と復路に共通して使用されるよ
うに配置してある。従って、この方法によれば、恒温ス
テージ13以外のステージは全て独立して処理が行える
ため、マイクロプレートの数が何枚になっても連続測定
が行える利点がある。
【0020】さて、図1に示した実施例による測定法を
工程順に従って具体的に説明すると、プレート保持部1
0には公知の96穴マイクロプレートT(図2参照)が
一度に数十枚積み重ねてセットされる。マイクロプレー
トTのウエルUの内底面にはガラスファイバー微細繊維
〔WhatmannGF/F(商品名)より調製〕が固
定してある。固定方法としては、例えば特表平4−50
6252号公報に開示されているように、ガラスファイ
バーシートを細片に切り、遠心型ボールミルで粉砕し、
粉砕ガラスマイクロファイバーを得る。この粉砕ガラス
マイクロファイバーを室温にて、蒸留水中に懸濁する。
【0021】この懸濁液を充分に攪拌した後、粉砕ファ
イバーを室温で一定時間沈降させ、その後、上層部を注
意深くデカンテーションすることによって粒度の整った
粉砕ファイバーを含有する懸濁液を得る。一方、市販の
ビニルアセテート/エチレンコポリマー分散液を室温で
攪拌し、蒸留水で希釈して結合剤分散液を得、この結合
剤分散液を粉砕ガラスファイバー懸濁液に加え、結合剤
/粉砕ガラスファイバー分散液とし、これをポンプで上
記マイクロプレートTのウエルUに一定量移し、一夜乾
燥させる。そして、ガラスファイバー微細繊維に例えば
ネコ、日本スギ、ダニ、牛乳、卵白など種々の試験アレ
ルゲンが固定する。固定化法についても特表平4−50
6252号公報の記載にしたがって行えばよい。
【0022】そこで、例えば薬物やワクチンによるアナ
フィラキシー、気管支喘息、花粉症、食物アレルギー等
の起因アレルゲンを調べるための種々のアレルゲン成分
を有するマイクロプレートTをプレート保持部10にセ
ットする。このプレート保持部10は、制御部により予
め設定されたシーケンスにしたがって各ステージの分注
位置にプレート移動部により順次移送され正しくセット
される。
【0023】さて、プレート移動部でプレート保持部1
0が緩衝液分注ステージ11に送られ、該緩衝液分注ス
テージ11において分注機(EDA 300A,バイオ
テック社製)により各ウエル当たり25μlの緩衝液が
96穴同時に分注される。分注時間は20秒程度であ
り、緩衝液としては、PIPES緩衝液(pH7.4)
が使用される。緩衝液の分注により、マイクロプレート
TのウエルUに固着されている各アレルゲンが溶離され
てくる。
【0024】各ウエルUに緩衝液が分注されたマイクロ
プレートTは、プレート移動部で次段の被検液分注ステ
ージ12に送られる。該被検液分注ステージ12では各
ウエルUに対して被検液が分注機(ピペットステーショ
ンSGR300、三光純薬社製)により25μlを12
穴づつ96穴全体に分注される。分注時間は大体30秒
程度である。
【0025】各ウエルUへの被検液の分注が終了したな
らばマイクロプレートTを順次、反応条件維持の恒温ス
テージ13のラックに移送する。この移送はマイクロプ
レートTを1分間隔で移送する。恒温ステージ13は3
7℃に保持されていて、この一定温度の反応条件下でマ
イクロプレートTは30分〜90分間放置される。恒温
ステージ13での反応条件下で、アレルゲン成分の刺激
により被検液中の細胞からヒスタミンが遊離され、該遊
離ヒスタミンはガラス繊維に特異的に結合される。
【0026】反応条件維持の恒温ステージ13に送られ
て90分間経過後のマイクロプレートTは次段の洗浄ス
テージ14に送られる。洗浄ステージ14では洗浄機
(96PW SLT社製)が使用される。洗浄剤として
は、例えばSDSを含有してもよい蒸留水が使用され、
洗浄回数は6回行われる。反応液・洗浄液の吸排出は9
6穴が同時に行われ、次位のマイクロプレートの洗浄開
始までの時間は1分間である。
【0027】洗浄を終了したマイクロプレートTは次段
の洗浄液分注ステージ15へ送られる。この洗浄液分注
ステージ15では分注機として(EDR 300A、バ
イオテック社製)を使用して洗浄液200μlが96穴
マイクロプレートTに対して同時に分注される。分注時
間は30秒である。
【0028】各ウエルUに洗浄液が分注されたマイクロ
プレートTは、上記の反応条件維持の恒温ステージ13
に再び戻される。反応条件維持の恒温ステージ13にお
いてマイクロプレートTを37℃、30分〜60分間放
置する。この一定温度の反応条件下で、残存する発色系
に影響を与える血液由来物質が除去される。
【0029】遊離ヒスタミンが結合したマイクロプレー
トTは次段の洗浄ステージ16に送られる。洗浄ステー
ジ16による洗浄の目的は、マイクロプレート中の洗浄
液を取り除くためである。洗浄剤として、蒸留水による
洗浄が本実施例では6回行われる。反応液・洗浄液の吸
排出はマイクロプレートTの96穴が同時に行われ、次
位のマイクロプレートの洗浄開始までの時間は1分間で
ある。
【0030】洗浄ステージ16によりウエルUが充分に
洗浄されたマイクロプレートTは次段の蛍光発色試薬の
分注ステージ17に送られる。この分注ステージ17で
は、分注機(EDR 300A、バイオテック社製)が
使用され、各ウエルUに蛍光発色試薬75μlが分注さ
れ、ガラス微細繊維に結合されていたヒスタミンが溶出
せしめられた後、ヒスタミンと蛍光発色試薬とで蛍光発
色団が形成される。蛍光発色試薬としては、例えばOP
T液(o−フタルアルデヒド/50mM NaOH)が
使用され、ヒスタミンと蛍光発色試薬反応ステージ18
で遊離ヒスタミンとOPT液との間の充分な反応が行わ
れる。
【0031】ヒスタミンと蛍光発色試薬反応ステージ1
8で10分間経過したマイクロプレートTは次段の安定
化試薬分注ステージ19へ送られる。各ウエルUに安定
化試薬を75μl注入して酸性条件をpH1.3〜2.
4に調整する。安定化試薬としては、例えば過塩素酸
(HClO4 )が用いられる。pH補正の目的は、遊離
ヒスタミンとOPT液との間で生成された蛍光反応生成
物の安定性を確保するためである。
【0032】pH補正したマイクロプレートTを蛍光強
度測定ステージ20に送る。蛍光強度測定ステージ20
は、測定手段として、例えば図2に示すように2本の吸
引パイプ21、22を備え、該パイプ21、22にはそ
れぞれ蛍光光度計23、24及びポンプP1、P2を組
み込んだ構造のものが使用される。それぞれの吸引パイ
プ20、21の吸引部は96穴ウエルに予め決められた
シーケンスに従って順次挿入され、ウエルU内の反応液
または検査液25が同時吸引される。
【0033】吸引手段であるポンプP1,P2として
は、例えばペリスタポンプ(Model AC−212
0型、アトー社製)が使用され、各ウエルUから検査液
を吸引パイプ21、22内に吸引するとき、各反応液ま
たは検査液が混合汚染させられるのを防止するため、例
えば吸引パイプ21、22内にエアー層26−反応液ま
たは検査液25−エアー層26の形態となるようにして
吸引し、反応液または検査液25をエアー層26、26
でサンドイッチ状態にして夫々の蛍光光度計23、24
へ移送し、測定する。測定後のマイクロプレートは、プ
レート排出部27から回収し、反応液または検査液は排
出部28から回収し、一測定サイクルが終了する。測定
値はコンピュターへ入力され、何れのアレルゲンに起因
するかの判定が行われる。
【0034】本発明の図3に示した変形実施例における
測定法のフローチャートは、被検液の分注工程−ヒスタ
ミン遊離反応工程−洗浄工程−蛍光試薬分注工程−安定
化試薬分注工程−蛍光測定工程を一連の連続した反応工
程で行うことは、図1に示した実施例の場合と同様であ
るが、図3の実施例では、緩衝液分注ステージと洗浄液
分注ステージが他の処理ステージと共通使用される。
【0035】即ち、被検液分注工程Aは一方において緩
衝液分注と蛍光発色試薬分注の工程Bと接続され、他方
においてヒスタミン遊離反応、洗浄液による反応工程D
に接続され、該工程Dは一方において洗浄工程Eに、他
方において洗浄液分注と安定化試薬分注の工程Cにそれ
ぞれ接続してある。洗浄工程Eは緩衝液分注と蛍光発色
試薬分注の工程Bに接続され、更に該工程Bは遊離ヒス
タミンと蛍光発色試薬との反応工程Fに接続され、該工
程Fは洗浄液分注と安定化試薬分注の工程Cに接続して
ある。洗浄工程Eは洗浄液分注と安定化試薬分注の工程
Cに接続され、該工程Cは蛍光強度測定ステージ20に
接続され、該ステージ20は一方においてプレート排出
部27に、他方において反応液または検査液排出部28
にそれぞれ接続してある。
【0036】従って、この実施例によれば、緩衝液分注
ステージと洗浄液分注ステージが共通使用され、各工程
またはステージをライン状に配列することなく、システ
ム全体をコンパク化できる利点がある。なお、図3の実
施例における各ステージにおいて、図1の実施例と同じ
ステージのものについては、同じ番号を付すとともにそ
の作用は図1の実施例と同様であるため、詳しい説明は
省略する。
【0037】図3の実施例において、被検液分注工程A
と、緩衝液分注と蛍光発色試薬分注の工程Bと、洗浄液
分注と安定化試薬分注の工程Cと、ヒスタミン遊離反
応、洗浄液による反応工程Dと、洗浄工程Eと、遊離ヒ
スタミンと蛍光発色試薬との反応工程Fとが前記で説明
したごとく接続されていることによって、マイクロプレ
ートTは工程B→A→D→E→C→D→E→B→F→C
を経て、蛍光強度測定ステージ20に予め決められたシ
ーケンスに従って移送される。
【0038】すなわち、マイクロプレートTを複数個セ
ットしたプレート保持部10を緩衝液分注ステージ11
に送る。この分注ステージ11に移送されたマイクロプ
レートTの各ウエルUには、緩衝液が分注機により96
穴同時に分注される。分注が終了したマイクロプレート
Tは被検液分注ステージ12に送られ、被検液が分注機
により12穴づつ96穴全体に分注される。分注を終了
したマイクロプレートTは反応条件維持の恒温ステージ
13のラックに移送される。マイクロプレートTの移送
は1分間隔である。
【0039】恒温ステージ13に送られて90分経過し
た最初のマイクロプレートTが洗浄ステージ14に送ら
れ、蒸留水による洗浄が行われる。反応液・洗浄液の吸
排出は96穴同時に行われ、次位の洗浄開始までの時間
は1分間である。洗浄が終了したマイクロプレートTは
洗浄液分注ステージ15に送られ、分注機により洗浄液
が分注され、再び反応条件維持の恒温ステージ13に戻
される。
【0040】反応条件維持の恒温ステージ13に60分
間放置した後、マイクロプレートTは洗浄ステージ14
に再び送られ、洗浄水により洗浄した後、蛍光発色試薬
分注ステージ17に送られ、各ウエルに蛍光発色試薬が
分注され、遊離ヒスタミンと蛍光発色試薬との反応ステ
ージ18を経て安定化試薬分注ステージ19に送られ、
分注機より安定化試薬が分注される。
【0041】安定化試薬が分注されたマイクロプレート
Tは蛍光強度測定ステージ20に送られ、ヒスタミンの
蛍光強度が図1に示した実施例と同様にして測定れ、測
定後、マイクロプレートTはプレート排出部27から回
収され、反応液または検査液は排出部28から回収さ
れ、一測定サイクルが終了される。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ヒスタミ
ン遊離能を有する被検液からアレルゲン成分の刺激によ
り遊離したヒスタミンの自動測定、すなわち被検液の分
注工程−ヒスタミン遊離反応工程−洗浄工程−蛍光発色
試薬分注工程−安定化試薬分注工程−蛍光測定工程を一
連の連続した反応工程としてヒスタミンの蛍光強度を測
定するので、多検体を極めて効率的かつ簡便に測定する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヒスタミンの好適な測定法の実施例を示すもの
であり、被検液の分注工程−ヒスタミン遊離反応工程−
洗浄工程−蛍光試薬分注工程−蛍光強度測定工程が一連
の連続した反応工程で行うフローチャートである。
【図2】蛍光強度測定ステージの概略的説明図である。
【図3】ヒスタミン測定法の他の実施例を示すものであ
り、緩衝液分注と蛍光発色試薬分注工程−被検液分注と
安定化試薬分注工程−ヒスタミン遊離工程−洗浄工程−
遊離ヒスタミンと蛍光発色試薬との反応工程−蛍光測定
工程を一連の連続した反応工程で行うフローチャートで
ある。
【符号の説明】
A 被検液分注工程 B 緩衝液分注と蛍光発色試薬分注の工程 C 洗浄液分注と安定化試薬分注の工程 D ヒスタミン遊離工程 E 洗浄工程 F ヒスタミンと蛍光発色試薬との反応工程 T マイクロプレート U ウエル 20 蛍光強度測定ステージ 21、22 吸引パイプ 23、24 蛍光光度計

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検液から遊離されたヒスタミンの蛍光
    強度を測定するものにおいて、 アレルゲン成分を有し、ウエル内にガラス微細繊維を付
    着せしめたマイクロプレートのウエルにヒスタミン遊離
    能を有する被検液を分注する工程と、 マイクロプレートを一定の条件下に維持しながらアレル
    ゲン成分の刺激により被検液中からヒスタミンを遊離せ
    しめる工程と、 遊離ヒスタミンをガラス繊維に特異的結合せしめた後マ
    イクロプレートを洗浄する工程と、 蛍光発色試薬をウエルに分注してガラス微細繊維よりヒ
    スタミンを溶出させた後、蛍光発色団と結合させる工程
    と、 発色安定化試薬を加えた後ヒスタミンの蛍光強度を測定
    する工程、 を有し、これらの工程を一定間隔で順次連続して行うこ
    とを特徴とするヒスタミンの蛍光強度測定方法。
  2. 【請求項2】 被検液が、全血であることを特徴とする
    請求項1に記載のヒスタミンの蛍光強度測定方法。
  3. 【請求項3】 被検液が、白血球画分、洗浄血球または
    好塩基球を含有する体液であることを特徴とする請求項
    1に記載のヒスタミンの蛍光強度測定方法。
  4. 【請求項4】 ヒスタミン蛍光発色試薬が、o−フタル
    アルデヒドであることを特徴とする請求項1に記載のヒ
    スタミンの蛍光強度測定方法。
  5. 【請求項5】 ヒスタミン蛍光発色試薬の分注後に反応
    液を酸性条件となすpH補正工程を有することを特徴と
    する請求項1に記載のヒスタミンの蛍光強度測定方法。
  6. 【請求項6】 反応液のpH補正は過塩素酸によりpH
    1.3〜2.4の範囲に補正されることを特徴とする請
    求項1または5項に記載のヒスタミンの蛍光強度測定方
    法。
  7. 【請求項7】 蛍光強度測定工程はウエル内の反応液ま
    たは検査液を蛍光強度測定部へ導入する少なくとも2個
    以上の吸引パイプを有し、それぞれの吸引部を予め設定
    されたウエルに導入し、反応液または検査液を蛍光光度
    計に移送して同時に複数測定を行うことを特徴とする請
    求項1に記載のヒスタミンの蛍光強度測定方法。
  8. 【請求項8】 被検液分注工程Aと、緩衝液分注と蛍光
    発色試薬分注の工程Bと、洗浄液分注と安定化試薬分注
    の工程Cと、ヒスタミン遊離工程Dと、洗浄工程Eと、
    遊離ヒスタミンと蛍光発色試薬との反応工程Fおよび蛍
    光強度測定工程とにより、被検液からの遊離ヒスタミン
    を測定するに際し、マイクロプレートを工程B→A→D
    →E→C→D→E→B→F→Cを一定間隔で移動せしめ
    た後、反応液または検査液を蛍光強度測定工程に移送し
    てヒスタミンの蛍光強度を測定することを特徴とするヒ
    スタミンの蛍光強度測定方法。
  9. 【請求項9】 被検液が、全血であることを特徴とする
    請求項8に記載のヒスタミンの蛍光強度測定方法。
  10. 【請求項10】 被検液が白血球画分、洗浄血球または
    好塩基球を含有する体液であることを特徴とする請求項
    8に記載のヒスタミンの蛍光強度測定方法。
  11. 【請求項11】 ヒスタミン蛍光発色試薬が、o−フタ
    ルアルデヒドであることを特徴とする請求項8に記載の
    ヒスタミンの蛍光強度測定方法。
  12. 【請求項12】 蛍光強度測定工程はウエル内の反応液
    を蛍光強度測定部へ導入する少なくとも2個以上の吸引
    パイプを有し、それぞれの吸引部を予め設定されたウエ
    ルに導入し、反応液または検査液を蛍光光度計に移送し
    て複数測定を同時に行うことを特徴とする請求項8に記
    載のヒスタミンの蛍光強度測定方法。
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