WO2005114182A1 - ヒスタミン検出方法およびヒスタミン検出キット - Google Patents

ヒスタミン検出方法およびヒスタミン検出キット Download PDF

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Abstract

本発明は、迅速でかつ簡易にヒスタミンを検出できるヒスタミンの検出方法を提供することを目的とする。このため、本発明では、ヒスタミン含有可能性のある試料液と2,3−ナフタレンジカルボキシアルデヒドとを、pH10未満で反応させる反応工程と、前記反応工程により生じる呈色に基づいて前記ヒスタミンを検出する工程と、を備えるようにする。この方法によれば、可視領域において高い発色を得ることができ、ヒスタミンを簡易かつ迅速に検出できる。

Description

明細書 ヒスタミン検出方法およびヒスタミン検出キット 技術分野
本発明は、ヒスタミン検出方法おょぴヒスタミン検出キットに関する。
背景技術
近年、食品に起因する食中毒などの感染症の発生を予防等する観 点から食品の安全性が重要視されるようになってきている。食品に起因し て発生する食中毒の一種にヒスタミン中毒を挙げることができる。ヒスタミ ンは、 ヒスチジン脱炭酸酵素を有する細菌(主として Morganella菌)の 作用で遊離ヒスチジンから生成されることが知られている。特に、マグロ、 サバなどの赤身魚は、ヒスタミンの前駆物質であるヒスチジン含有量が高 いため、本菌などで汚染された魚肉中には多量にヒスタミンが蓄積される ことがある。このような汚染魚肉を摂取することで、一過性の中毒が発生 する。この食中毒をアレルギー様食中毒(またはヒスタミン中毒)と呼んで いる。本中毒の発生状況は多くはないものの、一過性ゆえ未報告事例 の存在が推定され、その実体は多いと推定される。
また、ヒスタミンは水溶性であるとともに、熱にも比較的安定であるため、 通常の調理過程では分解除去できない。このため、本中毒を予防するに は、ヒスタミン含量のモニタリングが最も効果的である。さらに、 HACCP衛 生管理システムにおいても、 ヒスタミンは規制項目 に挙げられている場合 がある。
現在、食品中のヒスタミンを測定する方法としては、酵素反応を用いて 行う方法力 Sある(特開 200 1— 1 5 75 9 7号公幸艮、特開平 2003— 6 1 6 50 号公報)。 発明の開示
しかしながら、酵素反応を用いる測定方法は、反応時の温度管理や p Hが重要であるとともに前処理が煩雑である。また、特殊な検出装置や 検出試薬を必要とする。したがってこれらの手法では、原料たる水産品の 漁獲時、流通時、あるいは加工品製造工程、ひいてはレストランなどの 調理工程などにおいてヒスタミン含量を測定することは操作上および時 間的に困難であった。以上のことから、簡易かつ迅速にヒスタミンを測定 し、ヒスタミンに関して食品の安全および品質管理をすることが求められて いた。
そこで、本発明は、迅速でかつ簡易にヒスタミンを検出できるヒスタミン の検出方法、ヒスタミンの検出キットを提供することを一つの目的とする。 また、本発明は、迅速でかつ簡易に原料あるいは加ェ品中のヒスタミン 含量を管理しながら水産加工品等の食品を製造することができる食品の 衛生管理方法を提供することを他の目的とする。
本発明者は、ヒスタミンの検出方法について呈色反応を検討したとこ ろ、従来、ヒスタミンと反応して蛍光物質を生成する化合物を当該蛍光 物質を生成しない条件下でヒスタミンと反応させると、可視領域において 高い発色を呈することを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明に よれば、以下の手段が提供される。
本発明の一つの形態によれば、ヒスタミンの検出方法であって、ヒスタミ ン含有可能性のある試料液と 2, 3—ナフタレンジカルボキシアルデヒドと を、 pH I O未満で反応させる反応工程と、前記反応工程により生じる呈 色に基づいて前記ヒスタミンを検出する工程と、を備える、方法が提供さ れる。この形態においては、前記検出工程における検出波長は、 600η m以上 700nm以下であることが好ましい態様である。また、前記反応ェ 程に先立ってヒスタミンを保持可能な担体に前記試料液を供給するェ 程を備えることが好ましい態様である。さらにこの態様においては、前記 反応工程は、前記担体上において前記ヒスタミンと 2, 3—ナフタレンジ力 ルポキシアルデヒドとを反応させる工程であることが好ましい。さらに上記 いずれかの方法において、前記試料液は、魚肉浸出液または魚肉抽出 液であることが好ましい態様である。また、前記検出工程は、ヒスタミンの 呈色に基づいてヒスタミンを定量する工程とすることもできる。
また、本発明の他の一つの形態によれば、ヒスタミン検出キットであって、 2 , 3—ナフタレンジカルボキシアルデヒドを含有する試薬と、ヒスタミンを保 持可能な担体を備える反応場提供部材と、を備える、キットが提供される。 この形態において、前記反応場提供部材は前記担体が収容されたカラ ムであることが好ましい態様であり、また、前記反応場提供部材は前記 担体を少なくともその一端側に有するとともに把持可能な形態を備えるこ とも好ましい態様であり、前記反応場提供部材は食品の包装容器の一 部であって食品とは隔離された食品からの浸出液の吸収体であることも 好ましい態様である。これらのいずれかのキットにおいて、前記試薬は前 記担体の少なくとも一部に予め付与されていることが好ましい態様であ. る。
さらにまた、本発明の他の一つの形態によれば、 2, 3—ナフタレンジ力 ルポキシアルデヒドを含有するヒスタミン検出試薬が提供される。
さらに、本発明の他の一つの形態によれば、食品の衛生管理方法で あって、前記食品の原料の採取から消費に至る過程のいずれかの工程 において得られる原料もしくは食品の浸出液または抽出液を、 2 , 3—ナ フタレンジカルボキシアルデヒドと pH I O未満で反応させる反応工程と、該 反応工程により生じる呈色に基づいてヒスタミンを検出する検出工程と、 を備える、方法が提供される。 図面の簡単な説明
図 1はヒスタミン検出方法の一例を示す工程図、図 2はヒスタミン検出 キットにおける反応場提供部材の一例を示す図、図 3は図 2の反応場提 供部材を用いたヒスタミン検出の一例を示す図、図 4はヒスタミン検出キッ トにおける反応場提供部材の他の一例を示す図、図 5は発色液の可視 領域の吸収スペクトルを示す図、図 6は発色液の吸光度(610nm)の経 時変化を示す図、図 7は各種ァミンの発光液の可視光領域の吸収スぺ タトルを示す図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明のヒスタミンの検出方法は、ヒスタミン含有可能性のある試料液 と 2, 3 _ナフタレンジカルボキシアルデヒドとを、 pH 10未満で反応させる 反応工程と、前記反応工程により生じる呈色に基づいて前記ヒスタミンを 検出する工程とを備えている。この方法においてヒスタミンと 2, 3—ナフタ レンジカルボキシアルデヒドとの pH8以下での呈色反応は、従来全く知ら れていなかった。 2, 3—ナフタレンジカルボキシアルデヒド.は、 pHIO以上 でかつシアンイオン(CN—)の存在下で第 1級ァミン化合物と反応して蛍 光物質を生成することが知られている(B. K. Matuszewski, R. S. Gi vens , Κ . Srinivasachar, R. G . Carlson, Anal. Chem. 59(丄 98 7))。しかしながら、シアンイオンの不存在下でかつ pHが 10未満でいかな るァミン類といかなる反応が生じるかは知られておらず、しかもヒスタミンが 高い選択性でこの化合物と反応して高い発色性を有する化合物を生成 することは全く予想されていなかった。
この新たな呈色反応に基づく本検出方法によれば、従来酵素反応を 主体として検出されていたヒスタミンを簡易にかつ迅速に検出することが できる。また、この呈色反応は極めて速やかにかつ安定的に進行し、例 えば、シリカゲルなどの担体上においても安定して進行する。このため、ヒ スタミンが保持されるような担体上にて呈色反応を生じさせることで、一層 簡易にヒスタミンを検出することができる。
また、本発明のヒスタミン検出キットは、 2, 3—ナフタレンジカルボキシァ ルデヒドを含有する試薬と、ヒスタミンを保持可能な担体を有する反応場 提供部材と、を備えている。本キットは、ヒスタミンを保持可能な担体を有 するため、この担体にヒスタミンを保持した状態で上記した呈色反応を担 体上で生じさせることができる。このため、簡易にヒスタミンを検出できるキ ットが提供される。また、このキットによれば、使用する器具や装置を少な くできるため、食品の原料採取から提供までのいずれの工程においても 容易にヒスタミン検出工程を実施することができる。
以下、本発明の実施の形態について、ヒスタミン検出方法について説 明するとともに、ヒスタミン検出キット、および食品衛生管理方法について 説明する。なお、以下、本明細書において、特に断りのない限り、 「%Jは 重量%を示し、 「部」は重量部を意味するものとする。
(ヒスタミン検出方法)
ヒスタミンの検出方法について、図 1に例示する検出工程の一例を参 照しながら説明する。
(検査対象)
本発明方法は、ヒスタミン含有可能性のある検体を検查対象とする。 したがって、食品のほか、ヒトを含む動物の血清や尿などの採取物や、ヒ スタミン関連医薬スクリーニングサンプルなどを対象とすることができる。本 発明の好ましい検査対象の一つは、ヒスタミン含有可能性の高い食品で あり、例えば、肉類およびその加工品、魚介類およびその加工品、各種 発酵食品を挙げることができる。肉類おょぴその加工品としては、鶏肉、 豚肉おょぴこれらの缶詰、調理品および半調理品を含み、魚介類およ びその加工品としては、マグロ、サンマ、カツォ、アジ、サバ、カジキ、トビゥ ォなどの赤身魚を含む魚類、およびこれらの缶詰、干物などの半調理品 や調理品を含み、発酵食品としては、みそ、しょうゆ、ワインを含んでい る。
(試料液おょぴその調製工程)(ステップ S 1 0 )
検査対象を本検出方法の試料液としては、検査対象の種類に応じ、 検査対象をそのまま用いることもできるし、その浸出液を用いることもでき るし、適当な抽出方法を採用した上での抽出液とすることもできる。浸出 液とは、例えば、食品の場合、解凍や保存に伴って肉、魚介類から浸出 する浸出液の他、肉類や魚介類を、必要に応じて粉碎後、 固液分離し て得られる液体画分であってもよい。また、抽出液とは、検查対象、その 粉砕物、その浸出液を原料として適当な溶媒で抽出した抽出液とするこ とができる。 '
なお、食品を検査対象とする場合、本検出方法の試料調製に用いる 部分は、全体であっても一部であってもよい。例えば、生の魚類の場合に は、ヒスタミンの前駆体であるヒスチジンの主たる含有部位である魚肉部 分(好ましくは血合肉でなく普通肉)を対象とすることが好ましく、魚肉缶 詰などの場合には、内容物全量を対象とすることが好ましい。
抽出液を調製する場合、溶媒はヒスタミンに対して溶解性があればよく、 例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロノ ノーノレ、ブタ ノール、ァセトニトリル、トリクロ口酢酸(TCA)あるいは水とこれらの有機溶 媒の 1種あるいは 2種以上との混液などを用いることができる。好ましくは、 メタノール、 TCA水溶液を用いることができる。なお、みそ、しょうゆ、ワイン などの着色した食品については、エタノール、イソプロパノールなどのアル コールを用いることが好ましい。アルコールを用いたこれらの食品の抽出 液は、シリカ系担体などの担体を呈色反応場として用いた場合、効果的 に着色成分を担体から溶出させることができる。
(呈色反応に対する前処理工程)(ステップ S 20)
こうした抽出溶媒による抽出液や浸出液などの試料液は、呈色反応 に適した液性を有し呈色反応の障害になるような夾雑物を含まない場合 には、そのまま呈色反応に用いることができるが、そうでない場合には、前 処理によって呈色反応に適した液性とされるのが好ましい。本方法にお ける呈色反応は、水性媒体であって pHが 1 0未満で行われることが好ま しく、より好ましくは p H 8以下(好ましくは 3以上 8以下)で行われる。この ため、呈色反応に先立って、試料液自体がこのような液性を有するように 調製されていることが好ましい。こうすることで、試薬と接触させることのみ で呈色反応を速やかに行うことができる。なお、試料液の pHは、リン酸緩 衝液などの適当な緩衝液を用いるほか、塩酸などの無機酸や有機酸、 水酸化ナトリウムなどのアルカリなどを用いて行うことができる。
浸出液や抽出液中のヒスタミンを水性媒体へ抽出するには、例えば、 適当な担体を充てんしたカラムや担体を装着したフィルターを用いて行う ことができる他、各種溶媒を用いた溶解性の相違に基づく抽出操作を用 いることによって行うことができる。例えば、浸出液あるいは抽出液を、適 当な担体に供給してこれらの液中のヒスタミンを担体に吸着あるいは保持 させた上、適当な洗浄溶媒で担体を洗浄して、その後、担体にヒスタミン を溶出させる溶出溶媒を供給してヒスタミンを溶出させ、該溶出液を試 料液とすることができる。抽出液を担体に供給するにあたっては、担体の 種類にもよるが、酸性担体を用いる場合には、抽出液を中性〜アルカリ に調整しておくことが好ましい。
かかる担体としては、特に限定しないで、セルロース、レーヨン、ビニロン、 ポリエステル、ナイロン、アクリルなど各種の有機高分子のほか、シリカなど の無機高分子を用いることができる。ヒスタミンがアミノ基を有していること から、カルボン酸基ゃスルホン酸基などを有する陽イオン交換樹脂のほか シリカなどの酸性担体を用いるとヒスタミンを容易に保持可能であるため 好ましい。また、担体の形態は特に問わないで、繊維状、粒状、シート状 等各種の形態のものを使用することができる。担体に対して抽出液を供 給しやすいような形態の支持体に保持されていることが好ましい。粒状、 繊維状、シート状等のいずれの形態の担体にも適用できる支持体はカラ ムである。なお、担体を充てんするカラムは、好ましくは外部から内部が視 認可能な透過性を有している。また、シート状の形態の担体は、そのまま 帯状等の各種の形態の試験紙として用いることもできるし、周縁の少なく とも一部を支持するフレームを有する支持体等に保持させることもできる。 夾雑物を除去するには、抽出液等が供給された後の担体を水やリン 酸緩衝液(0. 2M程度、 pH 6〜pH 7程度)などで洗浄することができる。 また、担体からヒスタミンの溶出させる際の溶出液としては、塩酸水溶液 などを用いることができる。この方法によれば、呈色反応に先立って夾雑 物を除去するとともにヒスタミンを濃縮(精製)しておくこともできる。なお、 こうしてヒスタミンを保持させた担体からヒスタミンを溶出させることなく、そ のまま反応場として用いることでもきる。この場合、反応工程の一部として これらの操作工程を実施することができる。これについては後段で詳述す る。
(呈色反応工程)(ステップ S 30)
(検出試薬)
本方法において用いる検出試薬は、呈色反応物質として 2, 3—ナフ タレンジアルデヒドを含有している。なお、 2, 3—ナフタレンジアルデヒドの 誘導体あるいは類縁物質であって、ヒスタミンと反応して 2, 3—ナフタレン ジアルデヒドと同等以上の発色を呈するものも使用することができる。呈 色試薬は、 2 , 3 _ナフタレンジアルデヒドと、これを溶解するァセトニトリル、 メタノール等の溶媒とを含有している。また、 2, 3—ナフタレンジアルデヒド の濃度は特に限定しないが、 ImM程度であれば、 0. OlmM以上のヒス タミン濃度に対応して良好な発色を呈する。なお、本検出試薬は、適宜、 防腐剤、安定剤等他の添加剤を含んでいてもよい。
(反応条件) .
本方法は、試料液中のヒスタミンと 2, 3—ナフタレンジカルボキシアル デヒドとを pHIO未満で接触させることにより生じる呈色反応を利用する。 好ましくは PH9. 5以下であり、より好ましくは pH9以下であり、また、 ρΗ2· 5以上である。また、好ましくは、 ρΗ3以上 8以下の範囲で接触させる。 ρ Η3以上 8以下であると、良好な発色性を得ることができる。より好ましくは、 ρΗ4以上 7以下である。 ρΗ4未満であっても ρΗ7を越えても発色が弱く なり特に目視による検出が困難になるからである。さらに好ましくは、 ΡΗ5 以上 7以下である。 ρΗ5以上 7以下であると、呈色反応が速やかに進行 するため、迅速な検出が可能となる。最も好ましくは ρΗ5以上 6以下であ る。 ρΗ5以上 6以下であると、発色が速やかに安定するからであり、迅速 かつ精度の高い検出が可能となる。このような ρΗ条件は、リン酸緩衝液 などの緩衝液にて容易に形成することができる。
反応温度は特に限定しないが、 4 °C以上 40 °C以下で行うことが好まし レ、。本方法における呈色反応は、この温度範囲内において呈色強度が 温度に依存しないことが確認されている。したがって、本方法は、常温範 囲で温度制御の不要な検出方法となっている。反応時間も特に限定し ないが、この呈色反応は、非常に速やかに生じ、 pHにもよるが、 1分程度 で目視で判定可能な程度に呈色し、 5分〜 30分程度で安定した発色を 呈する。したがって、好ましくは 1分以上の範 Hで反応時間を任意に設 定することができる。
(担体の利用) 液性の調整あるいは呈色反応を妨害する可能性のある夾雑物質を 除去しヒスタミンを濃縮するのに用いた担体を、そのまま試薬との呈色反 応の場として用いることができる。すなわち、担体にヒスタミンを保持させた 状態で担体に試薬を供給することで、担体上でヒスタミンと 2, 3—ナフタ レンジカルボキシアルデヒドとの呈色反応を生じさせることができる。例え ば、上記の方法で調製した抽出液を、ヒスタミンを保持可能な陽イオン交 換樹脂やシリカ系担体に供給し適当な洗浄液で夾雑物質を洗浄した後、 ヒスタミンを担体から溶出させることなくヒスタミンを担体に保持させた状態 で、ここに試薬を供給して反応させることができる。また、上記の方法で予 め夾雑物などを除去した試料液を上記担体に供給する場合には、特に 洗浄等をしなくても、必要に応じて p Hを調整した後、試薬を担体に供給 すれば担体上で反応させることができる。こうすることで、いずれの場合も 担体にヒスタミンを濃縮したうえで反応させることができるため、担体を視 認可能な状態な場合には、そのまま目視による検出に適した呈色形態 (発色強度等)を容易に得ることができる。例えば、 0 . 0 5mM程度のヒス タミンについて目視による検出が可能であることを確認している。さらに、 この形態では速やかに発色する点においても簡易あるいは迅速な検出に 適している。さらに、抽出液を担体に供給する場合には、液性の調整等 の前処理と反応とを一挙に行うことができる。したがって、この方法は、特 に、夾雑物質等の影響が大きい可能性のある食品を検査対象とする場 合に有用である。なお、発色の視認性を向上させるには、無色から白色 の担体を用いることが好ましい。
担体を呈色反応の場として用いる一例を挙げる。マグロなどの新鮮魚 肉(刺身)の適量をホモジナイズし、 5 %程度の TCA水溶液適量を加え てさらにホモジナイズし、その後、遠心分離等により固液分離して液体画 分(遠心分離の場合には上清)を採取する。水酸化ナトリウムなどのアル カリを用いて p Hを約 5〜7に調整し、これを試料液(ただし夾雑物等は除 去されていない状態である。)とする。この試料液をシリカゲルが充てんさ れた外部から内部を視認できるミニカラムに供給し、水および Zまたは pH 5. 0〜7 . 0程度のリン酸緩衝液で洗浄し、洗浄.後の担体に試薬を供給 する。ヒスタミンは担体に保持されているために、担体上で直ちに試薬と 接触して呈色反応が生じ担体において発色する。こうした方法によれば、 ヒスタミンは担体に濃縮されて保持されるため、容易にかつ高感度に発 色を視認できる。また、ヒスタミンの精製と反応とを同一の場所でかつ極 めて迅速に行うことができるため、簡易にヒスタミンを検出することができ る。
なお、みそ、しょうゆ、ワインなどの着色した食品のアルコール抽出液の ヒスタミン検出において担体を用いる場合、洗浄液として、エタノール、ィ ソプロパノール、 ブタノール、ァミルアルコールなどの炭素数 2〜5のアルコ ール用いることで、これらの食品のヒスタミン抽出液の着色成分を選択的 に担体から除去することができ、担体においてヒスタミンに基づく呈色反 応を容易に視認できるようになる。
(検出工程)(ステップ S40) '
本方法における呈色反応による発色は可視光領域、特に、 500 nm 以上 7 50 nmの範囲において容易に観察することができる。したがって、 目視によってもその濃淡を確認することが容易であるため、 目視によって 定性分析のみならずある程度の定量分析も可能である。吸収波長を選 択して装置的に吸光度を検出して測定する場合、好ましくは、 6 00nm 以上 700nm以下の範囲で検出波長を選択して測定する。 600nm以上.
700nm以下であると、他の腐敗ァミンであるプトレシン、カタべリン、スぺ ルミジンなどのポリアミンに対して高い選択性で発色するからである。
(定性おょぴ定量) 本検出方法によれば、定性分析および定量分析が可能である。定性 分析においては目視による確認が可能である。定量分析にあたっては、 予め用意した 1あるいは 2以上の標準溶液を用いて所定波長の吸光度 に基づいて標準曲線を作成するなどするか、あるいは予め一定濃度のヒ スタミンに対して与えられた所定の吸光度あるいは吸光度係数に基づい て試料液の濃度を求めることができる。また、予め 1あるいは 2以上の濃度 のヒスタミン標準溶液に対して本方法によって得られる標準色の溶液(標 準溶液)あるいは標準品(例えば、担体が着色された状態のもの)を作製 しておくことで、これらの標準溶液を参照すれば、 目視によって簡易で迅 速な定量分析が可能となる。
ヒスタミン標準溶液を利用し'て確認できる本方法におけるヒスタミンの 検出限界は、おおよそ 0 . O l mMである。試料に対する検出限界は、試 料採取量等を適宜調整することによって調整することができるが、例えば、 マグロ魚肉を用いた場合には、少なくとも 25 ppmの検出限界を確保でき ることを確認している。
(検出キッド)
こうした本発明のヒスタミンの検出方法を行うのに好ましいキットは、 2 , 3—ナフタレンジカルボキシアルデヒドを含有する試薬と、ヒスタミンを保持 可能な担体を備える反応場提供部材と、を備えることができる。このキット は、ヒスタミンの前処理とヒスタミンの呈色反応との場として担体を有して いるため、ヒスタミンの検出を簡易にかつ迅速に行うことができる。この検 出キットにおいて、 2, 3—ナフタレンジカルボキシアルデヒドを含有する試 薬は既に述べたとおりの構成とすることができる。また、反応場提供部材 の反応場を構成する担体は、既に記載したとおりの構成のものを用いる ことができる。反応場提供部材は、ヒスタミンを保持可能な担体のみから なる構成とすることもできるし、当該担体を適当な保持部材によって保持 する構成とすることができる。例えば、担体を少なくともその一端側に有す るとともに把持可能な形態を備えることもできる。
反応場提供部材を担体のみから構成する場合とは、例えば、担体を 帯状等各種形態の試験紙のようにする場合を挙げることができる。試験 紙 ·形態とする場合、手指やピンセット等にて把持しやすいような把持部を 有するか長尺体であることが好ましい。カラム形態の反応場提供部材の 例を図 2に示す。この反応場提供部材 2は、透明な材料で形成された筒 状のカラム 4に粒状の担体 6が充てんされて形成されている。カラム 4内の 担体 6の上下にはそれぞれセルロース等の繊維状体のフィルター 8を備え ることもできる。このような反応場提供部材 2を用いて、前処理と呈色反 応を担体にて行う例を図 3に示す。この例では、カラム形態の反応場提 供部材 2の担体 6に、試料液を供給し、次いで、適当な洗浄液で担体 6 を洗浄した後、担体 6に試薬を供給している。この結果、担体が発色した 状態でヒスタミンを検出できる。
また、把持部 1 8を有する反応場提供部材 1 2の例を図 4に示す。この 反応場提供部材 1 2は、全体として棒状体であって、その一端側に担体 1 6を露出して有するとともに他端側を把持部 1 8として有している。棒状 体はプラスチック製でありその担体支持部位は、シート状担体を露出して 支持できるようなフレーム 14を有している。このフレーム 1 4内において担 体 1 6は露出されており、当該露出部位に試料液を供給し浸透させること で担体 1 6にヒスタミンを保持させることが可能となっている。この形態にお いて、 シート状担体 1 6は供給された試料液が担体を通過して供給側と 反対側へのみ流出可能なフィルター状にフレーム 14に対して保持されて いてもよいし、試料液の供給側の反対側がフレーム 14の一部によって遮 断されていてもよいし、さらに試料液の供給側の反対側に試科液の少な くとも一部を貯留可能に形成されていてもよい。 また、反応場提供部材は、食品の包装容器の一部に備えることもでき る。すなわち、担体を食品とは隔離された食品からの浸出液の吸収体と して用い、担体を包装容器における食品からの浸出液が浸透可能な部 位に備えることもできる。なお、担体は、直接食品と接触しないように備え られる。また、担体は、担体側にー且浸透した浸出液が食品収容側へ 逆流しないような半透性部材を介して備えられていることが好ましい。また、 この担体は、包装容器の外部から視認できるあるいは包装容器から取り 外し可能に備えられていることが好ましい。食品の包装容器の一部にこう した反応場提供部材を備えることで、食品の保存、流通、販売工程にお いて容易にヒスタミンを検出することができる。
これら各種の反応場提供部材において、呈色反応に先立って除去す ることが好ましい夾雑物を含有する試料液に対してはカラム形態の反応 場提供部材を用いるのが好ましい。また、予め夾雑物が除去されている 場合あるいはそのような夾雑物の存在可能性が低い試料液に対しては、 試験紙形態あるいはフレーム部を有する形態の反応場提供部材を用い るのが好ましい。 .
これらの反応場提供部材に備えられる担体の少なくとも一部には、予 め試薬を保持させておくことができる。こうすることで、担体に試料液を供 給するのみで速やかに担体上で呈色反応を生じさせることができる。担 体に対する試薬の保持形態は特に限定しない。担体の一部に例えば 「 X」などのマークを形成可能に保持させることもできる。また、バーコード リーダーで読み取り可能なマーク(バーコード)を形成可能に保持ざせるこ ともできる。こうしたマークを形成することで、ヒスタミン検出時には、これら のマークが担体において現出されるため、その後の判定を容易に行うこと ができる。特に、機械的読み取りによって行うことで衛生管理を容易に行 うことができるようになる。 なお、担体に保持させる 2, 3—ナフタレンカルボキシアルデヒドの量は 必要とされる検出限界等によって適宜設定することができる。
(食品の衛生管理方法)
こうした本発明のヒスタミン検出方法及び検出キットを、食品の製造ェ 程に含まれるいずれかの工程において用いてヒスタミンを検出することによ つて、食品の原料採取工程から提供工程までのヒスタミンに関する衛生 管理を行うことができる。食品の製造工程としては、この他、原料の保存、 流通、一次加工、二次加工、最終加工等の各種工程を含めることがで きる。かかる衛生管理方法においては、ヒスタミン含量濃度あるいは各ェ 程において定められた基準以下であるか否かをヒスタミン検出履歴として 記録して管理することができる。
なお、ヒスタミンは腐敗の指標でもあるため、本発明方法及びキットは、 食品、特に魚肉類及びその加工品の衛生管理のみならず鮮度管理に も用いることができる。また、本発明方法及ぴキットは、ヒトの尿や血清を 対象としたアレルギー検出にも用いることができる。さらに、ヒスタミン濃度 を指標とする医薬スクリーニングにも用いることができる。 実施例 1
以下、本発明を具体例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施 例に限定されるものではない。
( 1 )ヒスタミンの発色と pH
0. I mMのヒスタミン水溶液を調製し、該水溶液 0. 5mlと、 0. 1 M緩 衝液(pH 2, 4, 5, 6, 7 , 8, 9 ) 2. 5mlと、 I mMの 2 , 3—ナフタレンジ力 ルポキシアルデヒドのァセトニトリル溶液 0. 5mlとを混合し、 30分後に発 色を確認した。各発色液を目視で観察したところ、 pH2と pH9ではほとん ど着色されず、 pH8で薄く色着き、 pH4以上 7以下の範囲で目視によつ て緑色〜青緑色〜オレンジ色の発色を明確に確認できた。
また、 0. 1 M緩衝液(pH4, 5 , 6, 7 , 8, 9. 5 )を調製し、上記と同様 に操作して混合液を調製し、 30分経過後に可視領域の吸収スペクトル を測定した。結果を図 5に示す。また、 0. 1 M緩衝液(PH2. 5, 4, 5 , 6, 7, 8, 9. 5 )を調製し、上記と同様に操作して混合液を調製し、 610nm で時間を追って吸光度を測定した。結果を図 6に示す。
図 5に示すように、 pH6以下において 500nmから 800nmにおいて吸 収極大を有するスペクトルを有しているとともに大きな吸光度を示した。特 に、 600nmから 700nmにおいて高い吸光度を示した。特に pH5と 6にお いて高い吸光度を示した。一方、 pH 7以上では、同様の波長域に吸収 極大を認めず、また、吸光度も低かった。これらの結果は、 目視観察の 結果と一致していた。 .
また、図 6に示すように、いずれの pHにおいても 1 0分から 30分の間で 吸光度が安定していた。 pH5および 6では高い吸光度を示すとともに pH 5, 6, 7では 10分以内に急激に吸光度が上昇した。以上のことから、反 応 pHは、 2以上 9以下であることが好ましく、より好ましくは、 pH 5以上 7 以下であることがわかった。また、 pH 5および 6が迅速かつ高感度なヒスタ ミン検出に有効であることがわかった。
なお、 0. 05mM力 ら 1 . OmMのヒスタミン標準溶液にて波長 6 10nmに おける吸光度を用いて標準曲線を作製したところ、相関係数 rは、 0. 99 7であり、十分な定量性があることを確認した。
( 2)アミノ酸及ぴ他のアミン類の発色
ァノレギニン、ヒスチジン、ァスパラギン、セロトニン、カタべリン、スペ^/ミジ ン、プトレスシンおよびヒスタミンについて 0. I mM水溶液(プトレスシンの み ImM)を調製し、これらの各水溶液 0. 5mlと、 20mMリン酸緩衝液(p H5. 0) 2. 5mlと、 l mM2 , 3—ナフタレンジカルボキシアルデヒドのァセト 二トリル溶液 0 . 5mlとを混合し、 30分後に発色を確認した。各発色液を 目視で観察したところ、アルギニン、ァスパラギン及びカタべリンについて はほとんど発色せず、ヒスチジン、セロトニン及びスペルミジンについてやや 発色し、プトレスシン(ただし I mM)及びヒスタミンについてはよく発色して いた。
これらの発色液について可視光領域の吸収スペクトルを測定した結果 を図 7に示す。ヒスタミンの吸光度が大きくなる 600nmから 700nmにおい ては、セロトニンが比較的吸光度を示すに過ぎず、他の妨害可能性のあ るポリアミン類(スペルミジン及びプトレスシン)については低い吸光度を示 していた。なお、セロトニンはヒト由来であって食品において通常検出され ないタンパク質である。以上のことから、本呈色反応は、アミノ基を有する 各種化合物においても、選択的に高い発色を呈することがわかった。した がって、ヒスタミンの精製レベルが高い場合には、精度の高い測定が可能 であり、ヒスタミンの精製レベルが高くなくても一定以上の精度でヒスタミン を測定できることがわかった。 実施例 2
(回収実験)
次に、新鮮魚肉 (市販のマグロ刺身)に対してヒスタミン標準品を添加 して回収実験を行った。なお、ヒスタミン標準品は、二塩酸ヒスタミン(試 薬特級、和光純薬工業株式会社製)を用レ、、試薬には、 2, 3—ナフタレ ンジカルボキシアルデヒド(アルドリッチ製)の I mMァセトニトリル溶液用い た。
市販の新鮮なマグロ刺身 5 gをホモジナイザー(NIH ON S EIKI KAI SHA, LTD . )に量り採り、 25ppm、 50ppm及び l O Oppmネ目当の標準ヒ スタミン水溶液を添加し、次に、 5 %TCA水溶液 30mlを加えて 1分間ホ モジナイズした。この液を 4°C、 lOOOrpmで 10分間遠心し(himac CR— 20、 日立ェ機株
式会社製)、上清 1000 Lに 1M水酸化ナトリウムすなわち、溶液 250 μ Lを加えてよく攪拌して、試料液とした。この TCA抽出試料液の ρΗは 8であった。なお、 TCA水溶液をメタノールに変える点及び 1M水酸化ナ トリウムの添加量を 20 μ Lとする以外は同様に操作してメタノール抽出の 試料液も調製した。このメタノール抽出試科液の ρΗは 7であった。
市販の lml注射筒(1mlッベルクリン用、テルモ株式会社製)に担'体と してシリカゲノレ(Silicagel 60、メノレク製、 1. 07734. 1000)約 50mgを 筒内の底部に上下のシールに少量の脱脂綿を用いて充てんし、ヒスタミ ン検出用カラムを調製し、これをヒスタミン検出用カートリッジとした。
作製したカートリッジに上記試料液 500 μ Lを導入後速やかに予め備 えられていたピストンを用いて担体を加圧して試料液に担体を通過させ た。さらに試料液 500 μ Lを同様にしてカートリッジに導入して担体を通 過させた後、 0. 2Μリン酸緩衝液(ρΗ6. 0)200 しを1回導入し通過さ せ、さらに、水 200 Lを 4回導入し通過させて担体を洗浄した。次いで、 試薬 200 zLを導入し同様にして通過させた。
試薬 200 μ Lを通過させてから 1分経過後に担体の色を観察したとこ ろ、 25ppm添加試料液について明確に呈色を目視にて確認できた。な お、 6時間経過後においてもほとんど退色は認められなかった。なお、抽 出溶媒の種類によらないで同様の結果を得ることができた。以上のことか ら、本カートリッジにおけるヒスタミンの検出限界は 25ppmであること及び 1 分の反応時間があれば目視によって 25ppmレベルでヒスタミンを検出で きることがわかった。

Claims

請求の範囲
1 . ヒスタミンの検出方法であって、
ヒスタミン含有可能性のある試料液と 2, 3—ナフタレンジカルボキシアル デヒドとを、 pH I O未満で反応させる反応工程と、
前記反応工程により生じる呈色に基づいてヒスタミンを検出する工程 と、
を備える、方法。
2 . 前記検出工程における検出波長は、 6 00 nm以上 700nm以下で ある、請求項 1に記載の方法。
3 . 前記反応工程に先立つてヒスタミンを保持可能な担体に前記試料 液を供給する工程を備える、請求項 1または 2に記載の方法。
4. 前記反応工程は、前記担体上において前記ヒスタミンと 2, 3—ナフ タレンジカルボキシアルデヒドとを反応させる工程である、請求項 3に記載 の方法。
5 . 前記試料液は、魚肉浸出液または魚肉抽出液である、請求項 1〜 4のいずれかに記載の方法。
6 . 前記検出工程におけるヒスタミンの呈色によりヒスタミンを定量する、 請求項 1〜 5のいずれかに記載の方法。
7. ヒスタミン検出キットであって、
2 , 3 _ナフタレンジカルボキシアルデヒドを含有する試薬と、
ヒスタミンを保持可能な担体を備える反応場提供部材と、
を備える、キット。
8 . 前記反応場提供部材は前記担体が収容されたカラムである、請求 項 7に記載のキット。
9 . 前記反応場提供部材は前記担体を少なくともその一端側に有する とともに把持可能な形態を備える、請求項 7に記載のキット。
1 0 . 前記反応場提供部材は食品の包装容器の一部であって食品と は隔離された食品からの浸出液の吸収体である、請求項 7に記載のキッ 卜。
1 1 . 前記試薬は前記担体の少なくとも一部に予め付与されている、請 求項 7〜 10のいずれかに記載のキット。
1 2 . 2, 3—ナフタレンジカルボキシアルデヒドを含有するヒスタミン検出 。
1 3 . 食品の衛生管理方法であって、
前記食品の原料の採取から消費に至る過程のいずれかの工程におい て得られる原料もしくは食品の浸出液または抽出液を、 2, 3—ナフタレン ジカルボキシアルデヒドと pH 1 0未満で反応させる反応工程と、
該反応工程により生じる呈色に基づいてヒスタミンを検出する検出工程 と、
を備える、方法。
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