JP2003061650A - 新規ヒスタミン酵素とその製造法、及びヒスタミンの高感度測定法 - Google Patents

新規ヒスタミン酵素とその製造法、及びヒスタミンの高感度測定法

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JP2003061650A
JP2003061650A JP2001256874A JP2001256874A JP2003061650A JP 2003061650 A JP2003061650 A JP 2003061650A JP 2001256874 A JP2001256874 A JP 2001256874A JP 2001256874 A JP2001256874 A JP 2001256874A JP 2003061650 A JP2003061650 A JP 2003061650A
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dehydrogenase
enzyme
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JP2001256874A
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Inventor
Tetsuya Kondo
Hiroaki Uematsu
宏彰 植松
徹弥 近藤
Original Assignee
Aichi Prefecture
Toyobo Co Ltd
愛知県
東洋紡績株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】ヒスタミンを高感度で選択的に定量すること。 【解決手段】アルカリジェネス属のアミン脱水素酵素生
産菌をフェニルエチルアミンを含有する培地で培養して
ヒスタミン脱水素酵素を採取する。本酵素は、特異性と
共にヒスタミンの分解活性も高く、分析用試薬、アレル
ゲン診断、魚などの鮮度センサ等に利用される。また、
該酵素および電子メディエータ、電子伝導性支持体から
構成されるヒスタミンセンサを用いたヒスタミン濃度を
高感度に定量する方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリジェネス
属に属する微生物から採取された新規ヒスタミン脱水素
酵素(ヒスタミンデヒドロゲナーゼ)及びその製造方法
に関するものである。 【0002】また、本発明は、食肉、鮮魚などの食品検
査や生体試料の測定において、試料中に含まれるヒスタ
ミン濃度を、特異的に高感度で分析する為のヒスタミン
センサ、及び該センサを用いたヒスタミン濃度の高感度
測定法に関する。 【0003】 【従来の技術及びその課題】ヒスタミンは生体アミンの
一種であり、特にアレルギー反応に関係する。また、食
肉や魚介類中のヒスチジンが微生物と反応することによ
り生じるため、食品衛生上、食品中の濃度の測定も必要
となっている。 【0004】食品中のヒスタミンについては、蛍光法、
液体クロマトグラフィが知られている。蛍光法はヒスタ
ミンとクロマトグラフィにおける誘導体化試薬としても
よく知られているo-フタルアルデヒドとの反応により蛍
光物質を合成し、その蛍光強度より濃度を求める方法で
ある。しかしながら蛍光法は妨害物質の影響を受けやす
く、前もって妨害物質を除去する必要があることや、蛍
光試薬が必要であるなどと言った問題があり、試薬の反
応時に正確な時間と温度の制御が必要である。一方、液
体クロマトグラフィでは、極めて低い検出限界が得られ
るが、分離プロセスのみで、10分以上の時間がかかる
ため、汎用性、汎速性が損なわれる。 【0005】ヒスタミンを基質とする酵素として、これ
まで、酸化酵素としてジアミン酸化酵素(Aspergillus n
iger)、 ヒスタミン酸化酵素(Arthrobacter globiformi
s)(特許第3121905号)、 ジアミン酸化酵素(porcine
kidney)の存在は知られているものの、ヒスタミン濃度
の測定時、生体試料をそのまま用いた場合、酸化酵素で
は試料中に含まれるカタラーゼが、測定時の正誤差を与
えるため、試料をアジ化ナトリウムなどで前処理する煩
雑さがあった。 【0006】ヒスタミン脱水素酵素として、メチルアミ
ン脱水素酵素(Paracoccus denitrificans)、 アミン脱
水素酵素(Par.denitrificans)などを用いたヒスタミン
濃度測定が、文献などで発表されているが、いずれもヒ
スタミン濃度測定時に要求される基質特異性が不十分で
あったり、酵素が不安定であったりして実用化できるも
のはなかった。食品中のヒスタミン濃度を迅速に測定す
る方法として、酵素センサと電気化学検出器を組み合わ
せた方法が提案されている。被測定液にヒスタミン酸化
酵素を混合し、被測定液の酸素消費量を測定することに
よりヒスタミンを迅速に定量する方法である(特開平5
−236952号公報、特開平10−174599号公
報参照)。しかしながら酸素消費量を測定する方法にお
いては、ヒスタミン濃度が低い場合、酸素のわずかな減
少量を測定する必要があり、酵素反応生成物を測定する
方法に比べて、低濃度での定量性に劣るなどの問題があ
った。 【0007】一方、酵素反応生成物を測定する方法とし
て、ジアミン酸化酵素を用い、試料液の流通中に固定化
されたヒスタミン酸化酵素を有し、その下流に酵素と基
質との反応生成物である過酸化水素を電極反応を介して
還元する性質を有する物質が修飾された電極を有するヒ
スタミンセンサが提案されている(特開2001−61
497号公報参照)。同様に、ヒスタミン含有試料液に
ヒスタミン酸化酵素溶液を混合し反応させ、生成する過
酸化水素をベルオキシターゼを固定した酵素電極で電気
化学的に検出する方法も提案されている(特開2001
−99803号公報参照)。しかしながら、ヒスタミン
酸化酵素を使用し、反応生成物である過酸化水素を測定
する系では、食肉、魚介類サンプルより抽出した試料中
にはカタラーゼが含まれているため、カタラーゼの作用
により生成した過酸化水素が分解されてしまう問題が生
ずる。その対応として、抽出試料中にカタラーゼを分解
するためのアジ化ナトリウムを添加しなければならず、
危険な試薬を使用する必要がある上、アジ化ナトリウム
の添加量が多すぎると、過酸化水素と反応するペルオキ
シターゼ酵素を失活させてしまう可能性があるため、最
適条件を検討する手間が必要であった。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、ヒスタミン脱水
素酵素を使用したメディエータ型ヒスタミンセンサで、
特定のヒスタミン脱水素酵素を使用することで、上記試
料中のカタラーゼの影響もなく、特異性が高い、高感度
なヒスタミンの測定が可能であることを発見した。 【0009】本発明は、項1〜12の発明に関する。 項1. アルカリジェネス属に属するアミン脱水素酵素
生産菌を培地に培養して採取することができるヒスタミ
ン脱水素酵素。 項2. 下記の理化学的性質を有するヒスタミン脱水素
酵素: (1) 至適pH:8±0.5; (2) 70℃まで安定。 項3. 更に下記の理化学的性質を有する項1又は2に
記載のヒスタミン脱水素酵素: (1)基質特異性 ヒスタミンを良く脱水素するが、ヒスチジン、トリプト
ファン、オルニチン、クレアチニンを分解しない。 (5)安定pH 5.0〜10(GTA緩衝液) (6)熱安定性 70℃まで安定 (7)分子量 95,500(Superdex 200HR(30/60)を用いる高速液体クロマトク
゛ラフィによる) 項4. アルカリジェネス属に属するヒスタミン脱水素
酵素生成能を有する微生物を培養して、ヒスタミン脱水
素酵素を生成蓄積させ、これを採取することを特徴とす
るヒスタミン脱水素酵素の製造方法。 項5. フェニルエチルアミン含有培地で培養すること
を特徴とする項4に記載の製造方法。 項6. アルカリジェネス属に属するヒスタミン脱水素
酵素生産能を有する微生物が、アルカリジェネス・ザイ
ロースオキシダンスであることを特徴とする項4又は5
に記載の製造方法。 項7. ヒスタミン脱水素酵素、電子メディエータ、及
び電子伝導性支持体から構成されるヒスタミンセンサ
で、ヒスタミン含有サンプルのヒスタミン濃度を測定す
る方法において、項1〜3のいずれかに記載のヒスタミ
ン脱水素酵素を使用するヒスタミン濃度の高感度測定
法。 項8. ヒスタミン脱水素酵素、電子メディエータ、及
び電子伝導性支持体から構成されるヒスタミンセンサ
で、ヒスタミン含有試料液のヒスタミン濃度を測定する
方法において、ヒスタミン脱水素酵素としてアルカリジ
ェネス属に属する任意の微生物の菌体粉砕液を使用する
項7記載のヒスタミン濃度の高感度測定法。 項9. アルカリジェネス属に属する微生物の中で、ア
ルカリジェネス・ザイロースオキシダンスより生産した
ヒスタミン脱水素酵素を使用する項7または8記載のヒ
スタミン濃度の高感度測定法。 項10. 電子メディエータが、メタロセン類、キノン
類、フェナジンメトサルフェート、1−メトキシ−フェ
ナジンメトサルフェート、2,6−ジクロロフェノール
インドフェノール、フェリシアニドからなる群から選ば
れるいずれかである項7〜9のいずれかに記載のヒスタ
ミン濃度の高感度測定法。 項11. ヒスタミン脱水素酵素、及び電子メディエー
タの両方、若しくは一方が、電子伝導性支持体上に固定
されているヒスタミンセンサを使用する項7又は8に記
載のヒスタミン濃度の高感度測定法。 項12. ヒスタミン脱水素酵素、及び電子メディエー
タの両方、若しくは一方が、電子伝導性支持体に混合さ
れているヒスタミンセンサを使用する項7又は8に記載
のヒスタミン濃度の高感度測定法。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明のヒスタミン脱水素酵素
は、例えばアルカリジェネス属に属するアミン脱水素酵
素生産菌を培地に培養して採取することができるが、他
の菌株から得られたものであってもよい。アミン脱水素
酵素生産菌の1例として、アルカリジェネス・ザイロー
スオキシダンスが挙げられる。酵素の分離・精製は、通
常培養後に菌体を集め、これを緩衝液中に懸濁させ、超
音波処理などによって菌体を破壊する。菌体破砕物を含
む液から、硫安塩析・透析などで細胞壁断片及び不純物
のタンパク質を除去する。得られた液をイオン交換カラ
ムで処理し、粗酵素液(部分精製酵素液)とし、さらに
各種クロマトグラフィで精製すれば、ヒスタミン脱水素
酵素が得られる。各精製段階での比活性、収率を表1に
示す。 【0011】 【表1】 【0012】本発明に係るヒスタミン脱水素酵素の理化
学的性質は、次のとおりである。 (タンパク質の分子量)高速液体クロマトグラフィを使
用する。カラムとしてSuperdex200HR(30/60)を、移動相
として50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)+0.15
M NaClを用いた。検量線は、SERVE社製の標準タンパ
ク質:Cytochrome C horse heart(12,400)、Myoglobine
equine(17,800)、ChymotrypsinogenA(25,000)、Albnmi
n egg(45,000)、Albumin bovine(67,000)、Aldolase ra
bbit(160,000)を用いて作成し、280nmの吸光度よ
り、試料の分子量を求めた。流速は0.5ml/minであ
った。結果、分子量は95,500であった(図1)。 (酵素活性のpH依存性)0.1M GTA緩衝液を用い、測
定時のpHを4.0〜10.5に変えて酵素活性を測定した。
その他の条件は、Eadyらの方法(R.R.Eady and P.J.Lar
ge: Biochem. J.,106,245(1968))に従い、ヒスタミン
濃度1.0mM、PMS濃度333μM、タンパク質量1.03μ
g、30℃で測定した。結果、pH8で最も高い活性を
示した。結果を図2に示す。 【0013】なお、GTA緩衝液は、各0.2M濃度のb:
b'-ジメチルグルタル酸、トリス( ヒドロキシメチルア
ミノ)メタン、2-アミノ-2-メチル-1:3-プロパンジオー
ルの溶液を塩酸あるいはNaOHで目的のpH(4.0〜10.
5)にし、2倍希釈したものを用いた。 (酵素活性のpH安定性)0.1M GTA緩衝液(pH4.0
〜10.5)を酵素と混合し、30℃の恒温器中で24時間
放置した酵素液の残存活性を測定した。その他の条件は
Eadyらの方法に従い、ヒスタミン濃度1.0mM、PMS濃
度333μM、タンパク質量1.03μg、pH7.5、30℃で
測定した。その結果、pH6以上で酵素活性は安定して
いることが明らかになった(図3)。 (酵素活性の温度依存性)活性測定時の温度を25〜7
0℃に変えヒスタミン脱水素酵素活性を測定した。その
他の条件はEadyらの方法に従い、ヒスタミン濃度1.0m
M、PMS濃度333μM、タンパク質量1.03μg、pH7.
5で測定した。その結果、酵素活性は、温度と共に直線
的に変化することが明らかになった(図4)。 (酵素活性の温度安定性)予備保温した0.1M リン酸ナ
トリウム緩衝液(pH7.5)に酵素液を混合し、10分間
インキュベートした後測定した。その他の条件はEadyら
の方法に従い、ヒスタミン濃度1.0mM、PMS濃度333μ
M、タンパク質量1.03μg、pH7.5、30℃で測定し
た。その結果、本発明のヒスタミン脱水素酵素は70℃
まではほぼ安定であり、95℃でほぼ完全に失活するこ
とが明らかになった(図5)。 (基質特異性)本酵素の各種アミン、アミノ酸に対する
分解活性を調べて、下記表2の結果を得た。 【0014】 【表2】【0015】次に本発明のヒスタミンの測定法につい
て、アルカリジェネス・ザイロースオキシダンス IFO
13495由来のヒスタミン脱水素酵素を例に取り説明
する。 (ヒスタミン脱水素酵素)アルカリジェネス・ザイロー
スオキシダンス IFO13495を0.2% β−pheny
lethylamine 中で抽出する。詳細に関しては、下記の
実施例1を参照。 (カーボンペーストの作成)電子伝導性支持体として
は、カーボンペーストが好ましく使用できるが、それに
限定されず、白金、金、グラッシーカーボンなどを使用
してもよい。 【0016】カーボンペーストを使用する場合、カーボ
ンとしては、炭素質材料、黒鉛質材料(グラファイト、
人造黒鉛、天然黒鉛など)を使用できる。カーボンと混
合されるバインダーとしては、流動パラフィン、ヌジョ
ールなどが使用できる。カーボンペーストには、ヒスタ
ミン脱水素酵素、及び電子メディエータの少なくとも1
つを混練することで、これらがカーボンペーストなどの
電子伝導性支持体に混合されているヒスタミンセンサを
得ることができる。電子伝導性支持体上にヒスタミン脱
水素酵素、及び電子メディエータの両方、もしくは一方
を固定化する場合、ヒスタミン脱水素酵素ないし電子メ
ディエータをバインダーを用いて電子伝導性支持体上に
固定化する方法が例示できる。 【0017】電子メディエーターとしては、メタロセン
類(例えばフェロセン、フェロセン誘導体)、キノン類
(例えば、ベンゾキノン)、フェナジンメトサルフェー
ト(PMS)、1−メトキシ−フェナジンメトサルフェ
ート(1−Methoxy−PMS)、2,6−ジクロロフェノー
ルインドフェノール(DCIP)、フェリシアニド、メチレ
ンブルーが例示される。 【0018】メディエータ、流動パラフィン、グラファ
イト粉末を3:20:40の重量比で混合し、十分練
る。最適な混合比は、別途検討した。 (酵素電極の作成)市販カーボンペースト電極(BAS製
品番11−2210)の凹部(内径3mm)に上記の混
練物を詰め、表面をパラフィン紙にこすりつけて滑らか
にした。上記方法で抽出したヒスタミン脱水素酵素を電
極表面に滴下、風乾し、透析膜(Visking Company製)
を被覆し、さらにナイロンネットで被覆し、酵素電極と
した。 (電気化学測定)酵素電極を試料溶液10mlを含む円
形セルに入れ、スターラで攪拌しながら、3電極方式
(銀/塩化銀電極を参照電極、白金を対極とする)で、
30℃において測定を行った。 (サイクリックボルタンメトリー測定)酵素電極のメデ
ィエータとしては、ベンゾキノンを用い、市販サイクリ
ックボルタンメトリー装置を用い、参照電極に対する酵
素電極の印加電圧を0Vより0.8Vまで電位走査し
た。まず0.2M リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.
5)中で電位走査を行い、次に0.6mMのヒスタミン濃
度溶液(pH7.5)中で、電位走査を実施した。結果
より、基質であるヒスタミンを入れることにより、明ら
かに酸化電流の増加が認められた(図6)。 (ヒスタミン添加による応答性)印加電圧を0.5Vと
し、10mlの0.2M リン酸ナトリウム緩衝液(p
H7.5)中でのブランク電流が安定した後、100mM
ヒスタミンを2μl添加し、出力電流により応答性を見
た。5分程度でほぼ定常電流が得られている。 (メディエータの種類による酸化電流出力の比較)メデ
ィエータとして、フェリシアン化カリウム、DCIP(2,6-
ジクロロフェノールインドフェノール)、BQ(ベンゾ
キノン)、PMS(フェナジンメトサルフェート)を用
い、それぞれのメディエータの濃度は50μMに統一
し、1mMヒスタミン溶液(pH7.5)中での酸化電流
値の大きさを比較した。その結果、メディエータとして
はPMSが最も大きな酸化電流値を示し、次にBQ、DC
IP、フェリシアン化カリウムの順であった。 (カーボンペースト中の最適なメディエータ量、及び酵
素量の検討)カーボンペースト中に添加するメディエー
タ量(メディエータとしてはベンゾキノンを使用)、及
び酵素量の検討をした。ベンゾキノン量は、5W%以上
で、ほぼ出力電流が安定した為、5W%を最適値とし
た。酵素量については、0.01Uでほぼ最大の出力電
流を示した為、0.01Uを最適値とした。 (ヒスタミン測定における直線性、及び最少検出感度)
リン酸ナトリウム緩衝液(pH7.5)に、ヒスタミン
を添加し、その直線性を確認した。ほぼ400μMまで
直線性が得られている。20μMまでの傾きは3.66
nA/μMであり、1μMまで、測定の測りわけが可能で
あった。よって本酵素電極の検出限界は1μMと判断し
た(図7)。 (再現性試験)1mMヒスタミン溶液(pH7.5)での
同時再現性試験を実施した。計15回測定での出力電流
値のC.V.値は1.982%であり、良好であった。 (特異性試験)特異性試験の方法としては、各種物質を
60μMとなるように添加したサンプルを準備し、その
出力電流値から、各物質の応答性を比較した。 【0019】結果より、食肉、魚介類に含まれるプトレ
シン、カダベリン並びに各種アミン及びアミノ酸に対し
て、特異性において問題ない程度である(表3参照) 【0020】 【表3】 【0021】(寿命試験)酵素電極の寿命を調べる為、
60μMのヒスタミン溶液を3回/日測定し、測定後は
酵素電極を冷蔵保存した。初期測定時の出力電流値を1
00%とし、その経時変化を調べた。ほぼ1か月間は、
出力感度の劣化は見られず、2か月目でも初期の60%
出力感度を得た(図8)。 【0022】 【実施例】以下、本発明の実施例について述べる。 実施例1(アミン脱水素酵素の精製) アルカリジェネス・ザイロースオキシダンスをペプト
ン(0.05%)及びグリセロール(0.5%)を主成
分とする液体培地で前培養した。得られた前培養物をヒ
スタミン培地(ヒスタミン二塩酸塩0.1%、リン酸一
水素カリウム0.2%、硫酸マグネシウム7水塩0.0
1% 酵母エキス0.05%、pH7.0)に加え、3
0℃で通気攪拌培養した。 菌体を回収し、50mMりん酸カリウム緩衝液(pH
7.0)中に懸濁し、冷却しながら超音波処理した。 得られた粗抽出液を硫安塩析し、余分なタンパクを除
去後脱塩の為の透析を実施した。 精製の第一段階として、CM−SephadexC-50カラムに
よる精製を実施した。図9にクロマトグラフィ溶出プロ
フィールを示す。流速は0.52ml/minであり、各
フラクション体積は4.0mlであった。 精製の第2段階として、SephadexG-100カラムによる
精製を実施した。図10にクロマトグラフィ溶出プロフ
ィールを示す。流速は0.285ml/minであり、各
フラクションン体積は3.87mlであった。 精製の第3段階として、SE−SephadexC-50カラムによ
る精製を実施した。図11にクロマトグラフィ溶出プロ
フィールを示す。流速は0.45ml/minであり、各
フラクションン体積は4.5mlであった。 精製の第4段階として、Hydroxyapatiteカラムによる
精製を実施した。図12にクロマトグラフィ溶出プロフ
ィールを示す。流速は0.45ml/minであり、各フ
ラクションン体積は3.0mlであった。 上記ヒスタミン脱水素酵素の各抽出、精製段階での全
蛋白量、全活性、比活性、収率を表1に示す。酵素活性
はEadyらの方法に従い、ヒスタミン濃度1.0mM、PMS
濃度333μM、酵素液1.03μg、pH7.5、30℃で測定
した。Lowry法でタンパク質量を測定した。表1より、
精製の第一段階であるCM−SephadexC-50カラム精製
で、ほぼ使用可能な比活性を得ていることがわかる。 実施例2(酵素精製標品) 各精製段階でのSDS−PAGEを図13に示す。図13よ
り第一段階の精製以後、分子量42,300と15,2
00の2ケ所にバンドが見られる。これは、ヒスタミン
脱水素酵素が、分子量42,000と15,200の2
つのサブユニットからなる複合タンパク質であることを
示している。 実施例3(酵素量依存性) 本酵素の酵素活性の酵素量依存性を調べた。0、0.103、0.
206、0.515、1.03、2.06、3.09、5.15μgの各タンパク量に
おける酵素活性を測定した。その他の条件はEadyらの方
法に従い、ヒスタミン濃度6.667mM、PMS濃度333m
M、pH7.5、30℃で測定した。結果を図14に示
す。図14より、酵素量が5μg/mlまでは、酵素量
と酵素活性はほぼ直線的変化することがわかる。 実施例4(ヒスタミン脱水素酵素の電子受容体能) アミン脱水素酵素の電子受容体能をPMS以外、DCIP、チ
トクロームC、フェリシアン化カリウム、及びNAD+を
電子受容体とした時の酵素活性を測定した。その他の条
件はEadyらの方法に従い、ヒスタミン濃度1.0mM、タン
パク質量1.03μg、pH7.5、30℃で測定した。結果
を表4に示す。結果よりPMSのみ活性を示した。ヒスタ
ミン脱水素酵素に対する電子受容体は、PMSが最適であ
ることを示している。 【0023】 【表4】 【0024】実施例5(ヒスタミン脱水素酵素の阻害剤
の影響) ヒスタミン脱水素酵素の阻害剤の影響を調べた。各阻害
剤濃度が0.1mM、1.0mMとなるように混合し、30℃の恒
温器中で10分間放置した酵素液を用い測定した。その
他の条件はEadyらの方法に従い、ヒスタミン濃度1.0m
M、PMS濃度333μM、タンパク質量1.03μg、pH7.
5、30℃で測定した。結果を表4に示す。結果よりカ
ルボニル試薬に大きく阻害されることがわかる。 【0025】 【表5】 【0026】 【発明の効果】本発明により初めてアミン脱水素酵素生
産菌より新しいヒスタミン脱水素酵素を製造するのに成
功した。本発明に係る新規ヒスタミン脱水素酵素は、特
異性が高いだけでなく、ヒスタミンを酸化分解する活性
も非常に優れているので、分析用試薬、アレルゲン診
断、魚などの鮮度センサ、抗ヒスタミン剤等の用途に利
用することができる。

【図面の簡単な説明】 【図1】タンパク質とリテンションタイムとの関係を示
す図である。 【図2】酵素活性のpH依存性を示す。 【図3】酵素活性のpH安定性を示す。 【図4】酵素活性の温度依存性を示す。 【図5】酵素活性の温度安定性を示す。 【図6】サイクリックボルタンメトリーの測定結果を示
す。 【図7】ヒスタミンの検量線を示す。 【図8】本発明のヒスタミン脱水素酵素の長期安定性試
験の結果を示す。 【図9】本酵素のCM-Sephadex C-50カラムクロマトグラ
ムである。 【図10】本酵素のSephadex G-100カラムクロマトグラ
ムである。 【図11】本酵素のSE-Sephadex C-50カラムクロマトグ
ラムである。 【図12】本酵素のHydroxyapatiteカラムクロマトグラ
ムである。 【図13】各精製段階でのSDS-PAGEを示す。 【図14】酵素活性の酵素量依存性を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C12N 11/14 G01N 27/30 353R (C12N 9/06 27/46 336G C12R 1:05) (C12Q 1/32 C12R 1:05) (72)発明者 近藤 徹弥 愛知県名古屋市西区新福寺町二丁目1番の 1 愛知県食品工業技術センター 応用技 術部内 (72)発明者 植松 宏彰 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 株式会 社東洋紡総合研究所高分子研究所内 Fターム(参考) 2G045 BA13 BB03 BB20 BB51 DA20 DA71 FB01 FB05 FB06 FB16 GC20 4B033 NA12 NA23 NB15 NB23 NC16 ND08 ND16 NG02 NG10 NJ01 4B050 CC01 DD02 LL03 4B063 QA01 QQ02 QQ16 QR04 QR82 QS36 QX04

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】アルカリジェネス属に属するアミン脱水素
    酵素生産菌を培地に培養して採取することができるヒス
    タミン脱水素酵素。 【請求項2】下記の理化学的性質を有するヒスタミン脱
    水素酵素: (1) 至適pH:8±0.5; (2) 70℃まで安定。 【請求項3】更に下記の理化学的性質を有する請求項1
    又は2に記載のヒスタミン脱水素酵素: (1)基質特異性 ヒスタミンを良く脱水素するが、ヒスチジン、トリプト
    ファン、オルニチン、クレアチニンを分解しない。 (2)安定pH 5.0〜10(GTA緩衝液) (3)熱安定性 70℃まで安定 (4)分子量 95,500(Superdex 200HR(30/60)を用いる高速液体クロマトク
    ゛ラフィによる) 【請求項4】アルカリジェネス属に属するヒスタミン脱
    水素酵素生成能を有する微生物を培養して、ヒスタミン
    脱水素酵素を生成蓄積させ、これを採取することを特徴
    とするヒスタミン脱水素酵素の製造方法。 【請求項5】フェニルエチルアミン含有培地で培養する
    ことを特徴とする請求項4に記載の製造方法。 【請求項6】アルカリジェネス属に属するヒスタミン脱
    水素酵素生産能を有する微生物が、アルカリジェネス・
    ザイロースオキシダンスであることを特徴とする請求項
    4又は5に記載の製造方法。 【請求項7】ヒスタミン脱水素酵素、電子メディエー
    タ、及び電子伝導性支持体から構成されるヒスタミンセ
    ンサで、ヒスタミン含有サンプルのヒスタミン濃度を測
    定する方法において、請求項1〜3のいずれかに記載の
    ヒスタミン脱水素酵素を使用するヒスタミン濃度の高感
    度測定法。 【請求項8】ヒスタミン脱水素酵素、電子メディエー
    タ、及び電子伝導性支持体から構成されるヒスタミンセ
    ンサで、ヒスタミン含有試料液のヒスタミン濃度を測定
    する方法において、ヒスタミン脱水素酵素としてアルカ
    リジェネス属に属する任意の微生物の菌体粉砕液を使用
    する請求項7記載のヒスタミン濃度の高感度測定法。 【請求項9】アルカリジェネス属に属する微生物の中
    で、アルカリジェネス・ザイロースオキシダンスより生
    産したヒスタミン脱水素酵素を使用する請求項7または
    8記載のヒスタミン濃度の高感度測定法。 【請求項10】電子メディエータが、メタロセン類、キ
    ノン類、フェナジンメトサルフェート、1−メトキシ−
    フェナジンメトサルフェート、2,6−ジクロロフェノ
    ールインドフェノール、フェリシアニドからなる群から
    選ばれるいずれかである請求項7〜9のいずれかに記載
    のヒスタミン濃度の高感度測定法。 【請求項11】ヒスタミン脱水素酵素、及び電子メディ
    エータの両方、若しくは一方が、電子伝導性支持体上に
    固定されているヒスタミンセンサを使用する請求項7又
    は8に記載のヒスタミン濃度の高感度測定法。 【請求項12】ヒスタミン脱水素酵素、及び電子メディ
    エータの両方、若しくは一方が、電子伝導性支持体に混
    合されているヒスタミンセンサを使用する請求項7又は
    8に記載のヒスタミン濃度の高感度測定法。
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