JPH11183475A - 体液検査システム - Google Patents

体液検査システム

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JPH11183475A
JPH11183475A JP27921298A JP27921298A JPH11183475A JP H11183475 A JPH11183475 A JP H11183475A JP 27921298 A JP27921298 A JP 27921298A JP 27921298 A JP27921298 A JP 27921298A JP H11183475 A JPH11183475 A JP H11183475A
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reagent
body fluid
blood
section
developing
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JP27921298A
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Masaru Matsui
大 松井
Yasuhiro Imai
康浩 今井
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Advance Co Ltd
Original Assignee
Advance Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 血液中の複数の特定成分を、一度に簡便かつ
精度良く定量することのできる血液検査システムを提供
する。 【解決手段】 血液検査チップ上に、血球分離機能を有
する血液展開部より延展して、その一部が接する独立し
た、ほぼ同一の吸光度スペクトルを有する発色、もしく
はほぼ同一の発光スペクトルを有する発光をする試薬部
が平面的に配され、測定部には発光スペクトルが狭いこ
とを特徴とする光源や特定の波長を受光する光検出器
が、単数もしくは複数設置され、さらには、患者ごとの
検査データの記録手段、経時変化表示手段、診断手段な
どを有する血液検査システムを提供するものである。ま
た、採血した血液に、緩衝・展開液を加えることによ
り、血漿を複数の試薬部全体に十分行き渡らせ、血液中
の特定成分を定量する、血液検査チップを提供するもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微量な体液、特に
血液中の複数の特定成分の同時定量測定を目的とし、そ
の構成は、微量の血液と緩衝・展開液を混合した混合液
生成する手段と体液検査手段上に、血球分離機能を有す
る展開部より延展して、その一部が接する独立した、ほ
ぼ同一の吸光度スペクトルを有する発色、もしくはほぼ
同一の発光スペクトルを有する発光をする試薬部が平面
的に配されている体液検査チップよりなる。また、測定
部には発光スペクトルが狭いことを特徴とする光源や特
定の波長を受光する光検出器が、単数もしくは複数設置
されている。さらには、患者ごとの検査データの記録手
段、経時変化表示手段、診断手段などを有する体液検査
システムに関する。
【0002】
【従来の技術】血液検査は、X線や超音波などを用いる
生理機能検査とともに、人々の健康及び疾病時の動態を
解明する臨床検査の一分野として重要である。これまで
の血液検査は血漿あるいは血清を用いて予め調整した試
験溶液と反応させる方法(ウエットケミストリーと呼ば
れる。)で行われてきた。溶液中での反応を基本とした
この方法は、多数の検体をまとめて処理する場合には便
利ではあるが、緊急検査のようにその場で結果を求めら
れるときや、夜間、休日など検査技師が不在のときの対
応などには向いていない。また、検体量が少ない施設な
どでも、ウエットケミストリーによる検査は不便な点が
多い。さらに、診療形態の目指す方向として、医師によ
る検診前の外来患者の血液検査や、入院患者の日常管理
のためのベットサイド検査、在宅検査など「より患者に
近いところでの検査」の必要性が指摘されており、この
ための検査にもウエットケミストリーは不向きである。
【0003】ウエットケミストリーに対し、乾式の血液
化学分析材料を用いるドライケミストリーと呼ばれる分
析方法は、上記のような医療現場の動向を背景として開
発されたもので、日米欧各国の臨床現場に急速に浸透し
つつある新しい血液検査システムである。多層フィルム
型の分析材料を用いるドライケミストリーの場合、多層
フィルムの構造上、1つのフィルムで分析できる成分は
1つに限られている。特開平6―242107号公報に
は、1つのフィルムで複数の成分が分析できる多項目測
定用乾式分析要素が示されている。この分析要素は、水
不透過性支持体の上に、親水性ポリマー層と多孔性展開
層が積層された複数の部分分析要素、及びその上に剥離
可能な状態で跨設された血球分離要素からなる。測定の
際、血球分離要素に点着された血液は血球がろ過され、
血漿が各部分分析要素に展開する。この後、血球分離要
素を剥離して除去し、各部分分析要素に測定試薬を点着
して分析するものである。この方法は、血球分離要素の
剥離といった操作が必要であり、また特開平6―242
107号公報においては、測定試薬の点着・分析を検査
機関で行うことを目的としているため、そもそものドラ
イケミストリーの目標とする「より患者に近いところで
の検査」にそぐわないものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
なされたものであって、体液中の複数の特定成分を、一
度に簡便かつ精度良く定量することのでき、在宅におけ
る体液検査が容易に実現できる様な手軽な検査が可能な
体液検査システムを提供することを目的とする。
【0005】本発明は、緩衝・展開液を含む体液を、体
液検査チップ上の分離機能を有する展開部に適用する。
その適用部からほぼ等位置に延展して、独立した単数な
いし複数の試薬部が、一部を接するように平面的に配す
ることで、体液中の特定成分が一度に簡便かつ精度良く
定量されることが認められ本発明に至った。即ち、血液
の場合にあっては採血の困難性を回避する手段として有
効な微量血液によっても、十分な検査を可能とするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、体液検査
手段上に、分離機能を有する展開部から延展して、一部
が接するように平面的に配置した、単数ないし複数の試
薬部と、試薬部での発色、発光ないし蛍光を特定の分光
スペクトルで測定する、簡便な測定部とからなることを
特徴とする、体液検査システムを提供する。本発明に於
ける体液とは、主に血液を示すものであるが、その他測
定内容においては、汗、精液、母乳、尿等であってもよ
い。以下、説明をし易くするために体液を血液と置き換
えて説明する。尚その他の体液でも、緩衝・展開液との
混合、及び当該混合液と試薬部との水平方向での浸透反
応関係はその内容成分を変えれば容易に実現可能であ
り、本発明の範囲である。
【0007】本発明は、予め血液に緩衝・展開液を加え
ることを特徴とする、上記血液検査システムを提供す
る。
【0008】更に本発明は、血液展開部が血球分離機能
を有することを特徴とする、上記血液検査システムを提
供する。
【0009】更に本発明は、独立した複数の試薬部が、
血液適用部からほぼ等位置に配されてなることを特徴と
する、上記血液検査システムを提供する。この血液適用
部とは、血液と緩衝・展開液との混合液が、分離部及び
試薬部へ浸透する前段階で、一時的に貯留状態又は貯留
に近い状態を形成可能な部分であって、例えば支持材上
に凹状に形成されたもの等である。又この適用とは、滴
下、注入、流入等、当該混合液を血液適用部へ、入れる
為の状態を総称的な意味で用いたものである。
【0010】更に本発明は、各試薬部が、血液適用部か
ら延展して、その一部が接するように配されてなること
を特徴とする、上記血液検査システムを提供する。
【0011】更に本発明は、ほぼ同一の吸光度スペクト
ルを有する発色を呈するか、もしくはほぼ同一の発光ス
ペクトルないし蛍光スペクトルを有するように、異なる
血液検査用の試薬部をグループ化することを特徴とす
る、上記血液検査システムを提供する。
【0012】更に本発明は、測定部に200〜1100
nmの範囲内で、発光スペクトル幅が狭いことを特徴と
する光源を、単数もしくは複数設置することを特徴とす
る、上記血液検査システムを提供する。
【0013】更に本発明は、測定部に200〜1100
nmの範囲内で、特定の波長を受光する光検出器を、単
数もしくは複数設置することを特徴とする、上記血液検
査システムを提供する。
【0014】更に本発明は、測定した各種血液検査項目
のデータを、各患者ごとに保存する記録手段と、経時的
な変化を表示する手段、さらには診断手段を有すること
を特徴とする、上記血液検査システムを提供する。
【0015】本発明に於ける緩衝・展開液(増量液)
は、例えば、緩衝液としては、酢酸緩衝液、リン酸緩衝
液、リン酸塩緩衝液、バルビタール緩衝液、重炭酸緩衝
液、トリス緩衝液、クエン酸緩衝液、酒石酸緩衝液、グ
ッド緩衝液、ホウ酸緩衝液、コハク酸緩衝液、モノエタ
ノールアミン緩衝液などを用いることができる。また、
例えば、展開液としては、血漿の展開を促進するため
の、ノニオン、アニオン、カチオンもしくは両性の界面
活性剤などが含まれる生理食塩水等を用いることができ
る。更に、この緩衝・展開液に、試薬部での検出反応を
促進するための、あるいは干渉、妨害反応を低減、阻止
するための各種試薬、もしくは試薬の一部を加えること
が可能である。更に、本発明は、少量の体液を保持する
保持部、前記保持部に保持された体液を希釈する為の希
釈液を貯留する貯留部、用時、前記貯留部内の希釈液が
外部へ解放され、前記保持部内の体液と接触し、混合さ
せ、所望の部位へ移動出力させるべく前記希釈液を移動
させるための移動手段なる構成を具備するものであっ
て、保持部は、毛管現象を利用して、定量の血液を保持
する中空管であり、毛管現象による体液の保持ができる
程度で、外圧により、適度に体液が通過できる程度の口
径を有するものが好ましい。口径が決定し、且つ保持す
る体液の量によって、中空官の長さは決定されるが、配
置される中空官の数により、その大きさも適宜調整され
る。本発明に於ける希釈液は、測定される体液によっ
て、適宜選択されるものであるが、血液の場合には、次
のような希釈液が例示される。本願発明は、希釈体液の
定量供給を行うべく、希釈液と保持体液を一連の加圧摺
動構成により実現することにより繁雑な作業を回避する
ことを可能とする。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、微量血液を定量的に採
取する血液微量定量部と、当該微量血液を増量する血液
増量手段、及び当該血液を注入、滴下、流入等をして、
拡散展開する展開部、血球分離する血球分離部、及び試
薬部より構成される一体的にチップ化された血液検査手
段より構成される。更に当該試薬部を光学的に測定する
測定手段、前記測定手段で得られた情報を処理し必要な
データを取り出す情報処理手段を付加する。
【0017】血液微量定量部は、マイクロキャピラリー
方式などによって、一定量の血液を採取する部位であ
る。また、血液増量部は、血液に緩衝・展開液を加え血
漿の展開速度と範囲を高める部位である。次の血液展開
部は、血球分離機能を有する多孔性物質で構成され、ろ
過された血漿の展開を促進し試薬部に導く部位である。
続いて試薬部は、血液展開部からほぼ等位置に一部が接
して、単数もしくは複数配され、血液の特定成分と反応
し発色もしくは発光ないし蛍光する部位である。さらに
測定手段は、試薬部の発色もしくは発光ないし蛍光を測
定して、血液の特定成分を定量する部位である。最後に
情報処理部は、測定データの記録、経時変化等の表示、
診断などを行う部位である。
【0018】検査手段は、支持体の上に、血球分離部と
隣接してあるいは一体的に血液展開部が配された構造を
有する。血球分離部から、ほぼ等位置にかつ平面的に独
立した複数の試薬部が、一部を接して血球分離部から延
展して配される。このように複数の試薬部を平面的に配
置することにより、1つの血液検査手段で複数の特定成
分を定量することが可能である。また、血液に緩衝・展
開液を加えることによって、微量の血液から特定成分を
定量することが可能である。
【0019】本発明に於ける血液検査手段を構成する支
持体は、水不透過性の支持体であり、例えば、ポリスチ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、セルロースエステル(セルロースジアセテ
ート、セルローストリアセテート、セルロースアセテー
トプロピオネートなど)、ビスフェノールAのポリカー
ボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリ乳酸などの
フィルムやガラス板、石英板など、厚さ50μm〜2m
mまでの公知の水不透過性支持体を用いることができ
る。
【0020】血液検査手段における血液展開部は、血球
分離機能を有しており、繊維質または非繊維質からな
り、親水性表面を有する多孔性物質を用いることが望ま
しい。繊維質の多孔性物質としては、例えば、親水化処
理された織物、ガラス繊維、セルロース繊維、紙などを
挙げることができる。また、非繊維質の多孔性物質とし
ては、セルロースエステル類、例えば、セルロースアセ
テート、セルロースアセテート/ブチレート、酢酸セル
ロースからなるブラッシュポリマー(一般名メンブラン
フィルター)、6―ナイロン、6,6−ナイロン等のポ
リアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン等の微多孔性
物質、ポリマー小粒子、ガラス粒子、けい藻土等が親水
性又は非吸収性ポリマーで結合された連続空隙を有する
多孔性物質などを挙げることができる。
【0021】上記多孔性物質の多孔性の程度は、表面の
親水性の程度、多孔性の状態、孔の形状、孔の分布の仕
方などによって異なるので一概には決められないが、非
繊維質の多孔性物質の場合には、その平均孔径は0.1
〜100μmの範囲、好ましくは0.5〜50μmの範
囲であり、繊維質の多孔性物質の場合には、綿番手で表
示して10〜100番手双糸、好ましくは20〜80番
手双糸の範囲の綿糸製のビロードのような平織物の有す
る空隙に相当する範囲である。
【0022】上記多孔性物質はフィルム状であることが
望ましい。フィルム状でない場合は、多孔性を形成する
ような塗剤、例えば、酢酸セルロースのアセトン−ジク
ロロエタン(1:1)混合溶剤溶液や、シリカゲルや微
結晶セルロース、80〜120メッシュのガラスビーズ
を少量のデンプンのり水溶液やゼラチン溶液に分散させ
た塗剤を、支持体に塗布乾燥し、乾燥過程で多孔性物質
が形成される方法などを取ることも可能である。
【0023】血液検査手段における血球分離機能を有す
る血液展開部の厚さは、5〜500μm、好ましくは1
0〜250μmであることが望ましい。血液展開部の厚
さがこれより薄くなると、血液のろ過・分離を十分に行
うことが困難になり好ましくない。また、血液展開部の
厚さがこれより厚くなると、血漿が血液展開部に保持さ
れてしまい、多くの血液量が必要となり好ましくない。
【0024】血球分離機能を有する血液展開部には、血
漿の展開を促進するために、ノニオン、アニオン、カチ
オンもしくは両性の界面活性剤を含ませることが可能で
ある。また、展開性をコントロールする目的で、親水性
ポリマー等の展開制御剤を含ませることもできる。更
に、試薬部での検出反応を促進するための、あるいは干
渉、妨害反応を低減、阻止するための各種試薬、もしく
は試薬の一部を含ませることが可能である。
【0025】試薬部は、血液展開部でろ過された血漿中
の特定成分と反応して、ほぼ同一の吸光度スペクトルを
有する発色を呈するか、もしくはほぼ同一の発光スペク
トルを有する又はほぼ同一の蛍光スペクトルを有するよ
うに、異なる血液検査用の試薬部がグループ化されてい
る。特定成分としては、例えば、グルコース、尿素窒
素、クレアチニン、尿酸、総コレステロール、高密度リ
ポタンパク質(HDL)コレステロール、トリグリセリ
ド、総ビリルビン、カルシウム、無機リン、総タンパク
質、アルブミン、アンモニア、ヘモグロビン等の化学物
質、及び、γ―グルタミルトランスペプチダーゼ(γ―
GPT)、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナー
ゼ(GOT)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナ
ーゼ(GPT)、クレアチンフォスフォキナーゼ、乳酸
脱水素酵素(LDH)、アルカリフォスファターゼ(A
LP)、アミラーゼ、ロイシンアミノペプチダーゼ等の
酵素などを挙げることができる。試薬部においては、こ
れらの特定成分と試薬が反応し、血漿中の成分量に応
じ、ほぼ同一の吸光度スペクトルを有する発色を呈する
か、もしくはほぼ同一の発光スペクトル又はほぼ同一の
蛍光スペクトルを有するように光を発するため、これを
測光することにより、血漿中の成分を定量することがで
きる。
【0026】上記の特定成分を定量するための試薬とし
ては、前述のウエットケミストリーで公知の試薬を用い
ることができる。この試薬のには、グルコースオキシダ
ーゼ、ウリカーゼ、コレステロールエステラーゼ、コレ
ステロールオキシダーゼ、グルコース―6―リン酸脱水
素酵素、ペルオキシダーゼ、ジアホラーゼ等の酵素が含
まれていてもよい。また、測定感度を向上させる目的
で、ウエットケミストリーで用いられている試薬の濃度
を高めることも可能である。さらに、ウエットケミスト
リーでは、キノン色素やキレート、ジホルマザン等の生
成によって、可視領域に発色を呈する反応が主に用いら
れているが、ルミノール、ビス(2,4,6―トリクロ
ロフェニル)オキザレート(TCPO)などを用いて化
学発光を生じさせる方法を用いることも可能である。
【0027】上記の試薬を保持するための担体として、
公知の親水性担体、例えば、ゼラチン、アルブミン、コ
ラーゲン、寒天、アガロース、デキストラン等の天然高
分子化合物、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリ
ドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸等の合成高
分子化合物などを用いることができる。
【0028】前述の試薬を、公知の親水性担体に混合
し、これを支持体のしかるべき場所に塗布後、乾燥させ
ることにより試薬部を得ることができる。試薬は一般に
溶液として調整され、この場合の添加量は、親水性担体
100重量部に対し、0.1〜1,000重量部である
ことが望ましい。また、本発明において、得られる試薬
部の物性を良好にするために、必要に応じて相溶化剤、
界面活性剤を添加してもよい。これらの添加量は、親水
性担体100重量部に対し、20重量部以下、好ましく
は10重量部以下であることが望ましい。
【0029】本発明において、前述の試薬を含まない公
知の親水性担体を、支持体のしかるべき場所に塗布後、
乾燥させ、これに試薬を含浸させることで試薬部を得る
ことも可能である。この場合の試薬溶液の添加量は、親
水性担体100重量部に対し、0.1〜1,000重量
部であることが望ましい。
【0030】試薬部の厚さは、5〜500μm、好まし
くは10〜250μmであることが望ましい。試薬部の
厚さがこれより薄くなると、試薬部での発色量あるいは
発光量が減少して測定感度の低下を招くため好ましくな
い。また、試薬部の厚さがこれより厚くなると、十分か
つ均質な発色あるいは発光、蛍光を生じさせるために多
くの血液量が必要となり好ましくない。
【0031】本発明の血液検査手段において、試薬部の
数は1個以上であればいくつであっても問題はない。た
だし、より多くの検査項目を、より低コストで行うため
には、試薬部の数は5個以上であることが好ましい。
【0032】本発明の血液検査システムは、主に穿刺針
等を用いて採血した、微量の血液中の特定成分を定量す
ることを目的としたものである。この際、採血量は、1
〜200μm程度の少量である。血液に緩衝・展開液を
加えるものの、血漿を試薬部全体に十分行き渡らせるた
めには、血液検査チップは小さいことが望ましい。具体
的には、1辺の長さが0.5〜5.0cmであることが
望ましい。
【0033】本発明の血液検査システムの実施例の動作
例を図1のフローチャートに基づいて説明する。本実施
例では、試薬部の動作説明に関し、発色について記載さ
れているが、発光ないし蛍光に置き換えてもよい。11
は、必要十分な血液原液の定量を行う工程を示す。具体
的には、微小キャビラリーにおける毛細管現象を利用す
る。定量体積は、キャピラリーの内径面積と内径高さの
積で決定されるものであるが、特に毛管現象を利用せ
ず、マイクロピペット、注射器の使用も可能である。1
2は、上記11で定量された血液原液に、一定量の増量
液を加え、混合液を生成する工程を示す。血液原液と増
量液の体積割合は、同時測定項目数や試薬の感度にも依
存するが、一般には、数倍〜数百倍である。構成成分に
関しては、明細書に示した成分のうち、単数及び複数が
適切に組み合わせられて適用される。13は、混合液を
血液検査手段上の血液展開部へ、適用する工程を示す。
当該工程で示す血液展開部は、血液を注入、滴下、流入
等の形による適用を行う主に凹状に形成された適用部位
と、上記12の増量血液から血球成分を除去し、十分量
の血漿を与える機能を有する分離部を含むものである。
当該分離部は、一般には、クロマトグラフィーに使用さ
れる材料が望ましい。また、血液展開材料は、単数ない
し複数の試薬部に、その一部を接触させることにより、
血漿を送達する。14は、上記13で生成された血漿
が、試薬部に発色反応を生じさせる工程である。15
は、上記14の発色が、光源基準光に対する光量変化か
ら検出される工程である。16は、上記15の発色度変
化による光量変化から、試薬反応の進行状況を経時的に
評価する工程を示す。17は、上記16の評価時刻にお
ける光量を計測する工程である。18は、上記17の光
量を、予め作成された検量線に基づき、血液成分濃度値
に変換する工程である。19は、上記18の血液成分濃
度を経時的に記録保存する工程である。20は、上記1
9の経時的な血液成分濃度から有用な診断情報を出力す
るソフトウエアが適用される工程である。21は、上記
19、20の経時的な血液成分濃度変化と有用な診断情
報を、都合良く表示通達する工程である。22は、下記
のようなグループ化基準により生成する試薬組み合わせ
を構成する工程である。
【0034】試薬部のグループ化についてより詳述す
る。 試薬部 試薬部は1つの血液検査チップ上に複数種類設置され
る。設置される試薬は、以下に示す基準によりグループ
化される。 役割:各試薬部は、血球展開部と一部を接触することに
より、分離された血漿を受け取り、定量的に反応する。
当該グループ化によれば、測定部における光学部品の単
純化および低コスト化を期待できる点で有効である。 位置:血液検査チップ上の試薬部は、複数設置される。
その設置位置は、血液展開部からほぼ等位置に延展した
箇所である。 発色式試薬のグループ化基準:複数試薬のグループ化基
準は、2段階ある。 第1段:試薬反応における最終生成物としての色素が同
一であること。 第2段:試薬反応における最終生成物としての色素が同
一でないが、その吸収スペクトルにおいて、血液検査精
度の確保に十分な吸光度を持つこと。
【0035】第1段に関する一実施例:和光純薬製、用
手法用血液検査試薬を用いて血液検査チップを試作した
ところ、GOT,GPT,尿酸用試薬反応で生成する同一色素の
吸光度スペクトルは、555nmに臨床検査上必要な吸光
度を有した。この場合、1つの血液検査チップ上に3種
類の血液検査項目用試薬部が設定できた。
【0036】第2段に関する一実施例:和光純薬製、用
手法用血液検査試薬を用いて血液検査チップを試作した
ところ、GOT,GPT,尿酸用試薬反応で生成する同一色素の
吸光度スペクトルは、555nmに臨床検査上必要な吸光
度を有した。次に、 グルコース、アルカリフォスファ
ターゼ用試薬反応で生成する同一色素の吸光度スペクト
ルは、500nmに最大吸光度を有するが、臨床検査上必
要な吸光度は555nmにおいても得られた。次に、総コ
レステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド
用試薬反応で生成する同一色素の吸光度スペクトルは、
600nmに最大吸光度を有するが、臨床検査上必要な吸
光度は555nmにおいても得られた。この場合、1つの
血液検査チップ上に9種類の血液検査項目用試薬部が設
定できた。 発光式試薬のグループ化基準:ルシフェリン-ルシフェ
ラーゼ系発光反応が利用された試薬を適用することによ
り、例えば、甲状腺刺激ホルモン、ヒト繊毛性腺刺激ホ
ルモン、17-αヒドロキシプゲステロン等の1グルー
プ化が可能である。 蛍光式試薬のグループ化基準:一般には、同一の蛍光色
素を含む抗原抗体反応が利用された試薬を適用すること
により、異なる検査対象成分を複数に1グループ化でき
る。
【0037】更に具体的な測定部に関する実施例を図2
に示し説明する。50は、血液検査チップ上の試薬部で
ある、より具体的には図6〜図9に示す。51は、光源
装置を示す。本発明においては、具体的には、LED, タ
ングステンハロゲンランプ等の白熱電球、レーザー、水
銀ランプ等の放電管を示す。試薬部における光学特性に
よっては、バンドパスフィルター等による光源波長の限
定が好適である。52は、受光装置を示す。本発明にお
いては、具体的には、フォトダイオード、フォトトラン
ジスター、光電子増倍管、モノクロCCD, カラーCCD等を
示す。試薬部における光学特性によっては、バンドパス
フィルター等による波長の限定が好適である。図2で
は、試薬部を上面から光を照射する態様を示すが、支持
体が光透過性であれば、下部方向から光を照射してもよ
い。53は、信号増幅部であり、受光器から出力された
アナログ電気信号を、下記54のA/D変換部に好敵な電
圧まで増幅する。具体的には、オペアンプ等が使用でき
る。更にフイルタを備える場合もある。54は、A/D変
換部であり、入力される光電変換された反射光を示すア
ナログ信号をデジタル電気信号に変換するためのもので
ある。55は、演算部であり、マイクロコンピュータ、
汎用のパーソナルコンピュータで構成され、上記信号増
幅部53から出力される電圧信号を、下記57〜58に
含まれる計算式やデータと演算することにより、試薬反
応が十分に終了した時刻を算出し、同時刻におけるA/D
変換部からの出力信号を、下記57に含まれる検量線か
ら血液成分濃度に変換する。56は、検量線データ測定
手段であり、A/D変換部54から得られる出力値と血液
検査濃度の相関を示すデータを算出するための手段であ
る。57-基準データ1格納手段であり、各試薬反応に
おける終了に要する時間を示すデータを予め格納する。
58-基準データ2格納手段であり、各試薬反応におけ
る終了を示す反応変化率データを予め格納するためのも
のである。
【0038】次に動作を説明する。光源装置51から出
力した光は、試薬部50上に照射される。当該照射部
は、血球分離部、血液を注入する適用部に近い部分が、
試薬部に浸透する時間が早いので好ましい。試薬部50
に到達し、反射した反射光は、受光装置52に入射す
る。受光装置52に入射した反射光は、光電変換され、
アナログ電気信号として信号増幅部53へ出力される。
信号増幅部53は、このアナログ信号をろ波、増幅し、
A/D変換部54でサンプリングされ、デジタル信号に
変換される。このデジタル信号は、演算部55におい
て、基準データ1格納手段57の反応終了時間データと
現時刻の差がゼロになった時刻を試薬部の光学的計測時
刻とする。あるいは基準データ2格納手段58の信号変
化率データと、現時刻における信号変化率の差がゼロに
なった時刻を試薬部の光学的計測時刻とする。この後
に、検量線データ56の検量線に基づき、目的とする血
液成分の濃度データが出力される。当該データは、医療
用、家庭用に作られたデイスプレイ等に映し出されるも
のであるが、インターネット、電波等の伝達媒体を通じ
て個人情報として、患者の家から医療機関へ伝達される
場合もある。
【0039】次に本発明の血液定量部及び血液検査手段
の具体的実施例につき図3〜図6を参照して詳細に説明
する。図3は、血液等の体液(以下血液とする)を定量
採取する為の器具の一例を示す。101は、毛管部であ
り、中空の管状体によって形成され、その部材は、例え
ば アクリル、スチロール等の樹脂よりなり、 皮膚
から浸出した体液をその毛管現象により、中空部に保持
する為のものである。当該中空部の体積は、採取する血
液量を決定するものであり特に限定する必要はないが、
具体的には、長さLは、0.1〜10mm 内径Sは、
0.1〜5mmが例示され、更に緩衝・展開液との混合
後、試薬部への良好な展開を可能とする範囲としては、
長さLは、3〜6mm内径Sは、0.5〜1mmが示さ
れる。102は、支持部であり、樹脂 等で形成される
が、毛管部101を手で持ちやすいように、支持するも
のであって、持ちやすい形状であれば構造、材質等につ
いて特に限定されない。図4は、採取した血液と、緩衝
・展開液との混合のための器具の一例を示すものであ
る。図3で示した定量採取器具を挿入した状態を示して
いる。103は、挿入部であり、底部に毛管部101を
挿入するための孔部104が設けられている。挿入部1
03は、定量採取器具が挿入された際、係止関係、圧接
関係等を有しこれを保持固定し、容易に抜けないような
構造を有する。毛管部101が孔部104を介して突出
した部分には、混合槽105が形成されている。 10
6は、緩衝・展開液槽であり、上述した緩衝・展開液を
充填する。107は、放出口であり、緩衝・展開液層1
06内の緩衝・展開液を外部へ放出する為の部分であ
る。108は、栓止体であり、用時以外、放出口107
を当接して栓止し、且つ外部に解除片109まで延びた
構成を有する。。110は、抽出口であり、混合槽10
5と接続し、外部へ血液と緩衝・展開液との混合液を抽
出するための部分である。更に図4で示す混合器には、
血液と緩衝・展開液との混合を促すための、上下左右に
振動させる振動手段を加えても良い。当然当該混合器を
手動にて振動させても良いものである。図4で示す混合
器は、手持ち型であり、持ちやすいように軽量で小型に
作られることが好ましいが、これはあくまで一例であ
り、その他の構成でも血液と緩衝・展開液との混合液が
形成されれば、限定されない。
【0040】次に図3,4の動作を図5を参照して説明
する。図3で示す定量具の毛管部101を皮膚Hの損傷
部Kから浸出した血液B上に毛管部101を挿入する。
毛管部101は、毛管現象により、その中空部へ、血液
を吸い上げる。次に、この図3で示す採取定量具を挿入
部103に挿入する(図5(a))。把持片109を引
き、栓止体108を外部へ抜き取り、放出口107を開
き、緩衝・展開液を混合槽105へ放出させる。混合槽
105に充填された緩衝・展開液は、毛管部101と接
触し、この接触により毛管部101内に保持された血液
を解放させ、緩衝・展開液と定量血液とが混合する。こ
の際、混合を促進させるために、当該混合器を超音波振
動、モータによる振動等により振動させる(112)
(図5(b))。十分に混合した後、試験体119の適
用部114に注入する為、当該混合器を斜めにし、抽出
口110から混合液を抽出させる。
【0041】試験体119の一部を図5(c)に示す。
114は、適用部であり、混合液を所定量充填可能な容
積を有するものであって、その一側面に分離部116が
配置され、更に試薬部117が隣接配置されている。1
18は、支持基板であり、好ましくは透光性部材で構成
されている。当該試験体119の全体構成を図6に示
す。当該試験体119は、一つの試薬部を配置した構成
を示すものである。図6について説明する。図6(a)
は、混合液113を適用部114に適用充填した状態を
示す。図6(b)は、正面図である。適用部114は、
支持基板上118に実質凹部として形成されたものであ
って、その大きさは、本図では、試薬部が一つであるた
め小さくて済むものであって、試薬部の性質、血球分離
部116の性質大きさ等で異なるが例えば10〜500
μl位の体積が例示されるものである。
【0042】次に複数の試薬部を配置した構成を図7、
8、9に示し説明する。図7において、図7(a)は、
正面図、図7(b)(c)は、(a)のX−Y方向で切
断した断面図である。119は、試薬部であり、中心部
に適用部120が配置されている。試薬部119は、中
心から等距離に位置するものの他、試薬対象によって
は、あるいは展開部材料における展開方向の異方性によ
っては、異なる距離で配置されている。適用部120
は、図7(b)で示すように単に凹部で形成される他、
図7(c)で示すように血球分離部122が充填配置さ
れていても良い。この場合、混合液の適用が123の方
向からされる際、血球分離部120への浸透が迅速であ
るような、空隙率の大きい多孔質材が好ましい。
【0043】図8は、中心に凹状の適用部120を設
け、試薬部119と適用部120の間に血球分離路12
4を配置したものである。図8(a)は、正面図、
(b)は、(a)のX’−Y’で切断した際の断面図で
ある。
【0044】図9は、試薬部を4つ透光性部材より成る
基板127状に円周上に配置し、その上に、何れの試薬
部にも重なるように凹状の適用部125を乗せたもので
ある。適用部125と各試薬部と重なった面には、それ
ぞれ導通路126が穿設されている。導通路126は、
中空状の他、血球分離材が充填されている場合もある。
図9(a)は、正面図、(b)は、(a)における
X’’−Y’’で切断した際の断面図である。図6にお
いて、試薬部119における測定は、上面からの光の照
射による反射HUによりえられる光のスペクトル分析が
例示される。又、基板121が透光性部材であれば、上
面又は底面から光を照射し、その光の透過(図9のS
U)又は反射HGにより得られる光の測定が可能とな
る。更に図9によれば、混合液の試薬部への透過を重力
が補助的に作用する為、よりスピードアップされた測定
状態を形成できる。
【0045】図10は、本発明の一実施例を示す図であ
る。211は、円筒状の外側筐体であり、図中上方向が
開口し、底部に4つの中空管218を一つにまとめたユ
ニット217が着脱自在に設けられ、上側開口部には、
希釈液214が貯留したリザーバ212が上下に摺動可
能な形状で配置される。外側筐体211中、制御孔21
6が穿設されている。制御孔216の位置は、穿刺手段
215の長さによって、適宜調整される。底面から見た
ずを図10(b)で示す。図10(a)は、図10
(b)のaで示す方向で切断した断面図である。リザー
バ212は、その底部が、穿刺可能な膜213により形
成されており、外側筐体211の内側には、針状の穿刺
手段215が配置されている。穿刺手段215は、膜2
13に対し刺通し、希釈液を刺通部から外へ浸出させる
程度の形状を備えるものであればよく、針状の他刃物状
であってもよい。220は、接続ユニットであり、中央
に希釈液と体液との混合液を一時的に貯留する貯留部2
21と、当該貯留部221に連通して、混合液を滴下す
るために滴下部222が形成されている。
【0046】次に動作を図11を参照して詳細に説明す
る。定量ユニット217を外し、血液浸出部Bに接触さ
せる。(図11(a)) 定量ユニット217を構成する各中空管218は、毛管
現象により一斉に血液を吸引する。外側筐体211に定
量ユニット217を取り付ける (図11(b)) 更に接続ユニット220を装着した状態で、リザーバ2
12を下方向へ摺動させる。リザーバ212の摺動によ
り、膜213と定量ユニット217の空間が、加圧され
るが、制御孔216から加圧分が逃げていき、スムーズ
に落下する。膜213が、穿刺手段215に接触刺通状
態となると、制御孔216が、リザーバ212により塞
がれ、加圧空間が形成されると共に、破れた膜213か
ら希釈液214が漏れだし、定量ユニットに保持された
血液と接触混合される。(図11(c)) 更に、リザーバ212の下方向への摺動により、加圧空
間が形成され、混合液が、各中空管218の中空部介し
て、貯留部221に一時的に混合液が押し出されて貯留
する。更に、リザーバ212の下方向への摺動により、
図2(d)で示すように、混合液Xが、滴下部222か
ら所望の検査ユニットに滴下する。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実際の実験に基づく実施例に
より詳細に説明する。実施例は試薬部の数が4個の検査
チップを用いた血液検査システムの例であるが、本発明
はこれらに限定されるものではない。
【0048】(実施例1) 試薬の調整 1―1.グルコース測定用試薬の調整 60mMリン酸緩衝液(pH7.1)に各成分を溶解し
て、下記の組成のグルコース測定用試薬を調整した。 グルコースオキシダーゼ 90単位/ml ペルオキシダーゼ 6.5単位/m l フェノール 53mmol/ L 4―アミノアンチピリン 5.0mmol/L 1―2.尿酸測定用試薬の調整 50mMリン酸緩衝液(pH6.0)に各成分を溶解し
て、下記の組成の尿酸測定用試薬を調整した。 ウリカーゼ 0.9単位/ml ペルオキシダーゼ 63単位/ml 4―アミノアンチピリン 7.2mmol/L 3―メチル―N―エチル―N―(β―ヒドロキシエチル)―アニリン 56mmol/L 1―3.総コレステロール測定用試薬の調整 150mMトリス緩衝液(pH7.0)に各成分を溶解
して、下記の組成の総コレステロール測定用試薬を調整
した。 コレステロールエステラーゼ 5.6単位/ml コレステロールオキシダーゼ 1.2単位/ml ペルオキシダーゼ 21単位/ml 4―アミノアンチピリン 7.3mmol/L p―クロロフェノール 76mmol/L 1―4.カルシウム測定用試薬の調整 880mMモノエタノールアミン緩衝液(pH11.
0)に各成分を溶解して、下記の組成のカルシウム測定
用試薬を調整した。 o―クレゾールフタレインコンプレクソン 0.7mmol/L 8―キノリノール 69mmol/L
【0049】測定 ヘパリン入り健常者全血に緩衝・展開液を加え血液検査
チップに滴下後、37℃で5分間インキュベートし、そ
れぞれの発色に相当する波長の吸光度を測定した。あら
かじめ作成しておいた各成分濃度と吸光度との間の検量
線からそれぞれの成分濃度を算出したところ、グルコー
ス=105mg/dL、尿酸=5.7mg/dL、総コ
レステロール=165mg/dL、カルシウム=9.0
mg/dLであった。また、同様な操作を10回繰り返
して再現性を調べた結果、CV(%)は、グルコース=
2.5、尿酸=2.0、総コレステロール=5.2、カ
ルシウム=3.2であり、本発明の血液検査システムを
用いた測定法が十分信頼性の高い測定法であることが認
められた。
【0050】(実施例2)ゼラチン100重量部に対
し、前述のグルコース測定用試薬、尿酸測定用試薬、総
コレステロール測定用試薬、カルシウム測定用試薬、ア
ルブミン測定用試薬、及びアルカリ性ホスファターゼ測
定用試薬をそれぞれ50重量部添加して混合した。得ら
れた混合物を、厚さ200μm、1辺の長さ1.0cm
のポリエチレンテレフタレート(PET)無色透明平滑
シートの四隅に円形に塗布し、水分含有量が10%以下
になるまで乾燥させ、その後、実施例1と同様な操作を
行い血液検査チップを得た。さらに、これを用いて、実
施例1と同様な測定を行って、それぞれの成分濃度と再
現性を求めた。その結果、グルコース=105mg/d
L(2.4)、尿酸=5.7mg/dL(1.9)、総
コレステロール=165mg/dL(5.1)、カルシ
ウム=9.0mg/dL(3.1)の値が得られ、本発
明の血液検査システムが血液中の成分の定量に有効であ
ることが示された。なお、( )内の値は繰り返し再現
性、CV(%)の値を示す。
【0051】(実施例3)図6で示す構成において、適
用部114の容量を20μl程度とし、血球分離部11
6をヘマセップ(登録商標)L膜(日本ポール社製)
とし、Lを20mm、Mを10mm(A=30mm)B
を5mm、厚さCを0.2mmと設定し、試薬部117
にはグルコース用発色試薬をゼラチン担体に含有したも
のを配置した。次に血液2μl、生理食塩水とリン酸緩
衝液からなる緩衝・展開液18μlの混合液を図3,4
による器械により生成し、適用部114に注入した。2
0秒後、血球分離部116を通過した混合液は、試薬部
117に浸透し、1分後、分光測定可能な状態となっ
た。反射光測光法により500nmの吸光度を測定記録
し、予め計測された検量線により濃度変換した結果、1
0〜500mg/dlの血中グルコース濃度の測定がで
きた。
【0052】
【発明の効果】本発明は採取した微量の体液に、緩衝・
展開液を加えることにより、微量な体液でも十分な測定
が行え、又複数の試薬部を配置した場合であっても当該
混合液を十分にいきわたらせることができ、血液中の特
定成分を同時に複数定量することが可能となることか
ら、より身近な場所で、体内情報を検出でき、在宅医療
に寄与するものである。又、本発明で示される希釈器に
よれば、簡単な、作業で、定量的な体液希釈液を形成で
き、後段に設けられる検査ユニットへの定量供給を可能
とするなどの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の動作を説明するための図。
【図2】本発明の実施例に於ける血液情報分析を電気的
処理部を説明する為のブロック図。
【図3】本発明の実施例に於ける血液定量器の一例を示
す図。
【図4】本発明の実施例に於ける血液と緩衝・展開液を
混合させるための混合器の一例を示す図。
【図5】図4の動作を説明するための図。
【図6】本発明の実施例に於ける血液検査手段の一例を
示す図。
【図7】本発明の実施例に於ける血液検査手段の一例を
示す図。
【図8】本発明の実施例に於ける血液検査手段の一例を
示す図。
【図9】本発明の実施例に於ける血液検査手段の一例を
示す図。
【図10】本発明に於ける希釈定量器の実施例を示す
図。
【図11】図10の動作を説明する為の図。
【符号の説明】
101 毛管部 102 支持部 103 挿入部 104 孔部 105 混合層 106 緩衝・展開液槽 107 放出口 108 栓止体 109 解除片 110 抽出口 211 外側筐体 212 リザーバ 213 膜 214 希釈液 215 穿刺手段 216 制御孔 217 定量ユニット 218 中空管

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緩衝・展開液を含む体液を、体液検査手
    段上で平面的に展開し、単数ないし複数の体液検査を行
    うことを特徴とする、体液検査システム。
  2. 【請求項2】 採取した体液を微量定量し、これに緩衝
    ・展開液を加えて増量することを特徴とする、請求項1
    記載の体液検査システム。
  3. 【請求項3】 体液検査手段上の体液適用部が、分離機
    能を有することを特徴とする、請求項1記載の体液検査
    システム。
  4. 【請求項4】 独立した複数の試薬部が、体液を拡散展
    開する展開部からほぼ等位置に延展して、一部が接して
    配されていることにより、同時に複数の体液検査が可能
    となることを特徴とする、請求項1記載の体液検査シス
    テム。
  5. 【請求項5】 各体液検査手段ごとに、ほぼ同一の吸光
    度スペクトルを有する発色を呈するか、もしくはほぼ同
    一の発光スペクトルを有するように、異なる体液検査用
    の試薬部をグループ化することを特徴とする、請求項1
    記載の体液検査システム。
  6. 【請求項6】 試薬部において発色式の検出を行う場
    合、測定部に、200〜1100nmの範囲内で、発光
    スペクトル幅が狭いことを特徴とする光源を、単数ない
    し複数設置することを特徴とする、請求項1記載の体液
    検査システム。
  7. 【請求項7】 測定部に、200〜1100nmの範囲
    内で、特定の波長を受光する光検出器を、単数ないし複
    数設置することを特徴とする、請求項1記載の体液検査
    システム。
  8. 【請求項8】予め設定された計算式やデータと観測値
    を、経時的に比較することにより、試薬部に必要十分な
    反応を生じさせることを特徴とする請求項1に記載の体
    液検査システム。
  9. 【請求項9】測定した各種体液検査項目のデータを、各
    患者ごとに保存する記録手段と、経時的な変化を表示す
    る手段、さらには診断手段を有することを特徴とする、
    請求項1に記載の体液検査システム。
  10. 【請求項10】少量の体液を保持する保持部、前記保持
    部に保持された体液を希釈する為の希釈液を貯留する貯
    留部、用時、前記貯留部内の希釈液が外部へ解放され、
    前記保持部内の体液と接触し、混合させ、所望の部位へ
    移動出力させるべく前記希釈液を移動させるための移動
    手段よりなる体液定量器。
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