JP2007163140A - タンパク質検査体、及びその製造方法、並びにタンパク質検査体を用いたタンパク質検出装置 - Google Patents

タンパク質検査体、及びその製造方法、並びにタンパク質検査体を用いたタンパク質検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】一回の操作で複数のタンパク質の検出を同時に行える、安価で失活することのないタンパク質検査体を及びその製造方法を提供する。
【解決手段】タンパク質を鋳型として分子インプリントされてなるタンパク質認識構造体が、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材に、複数配置されてなるタンパク質検査体であって、前記基材は、複数の区画領域に区画化されており、その各々の区画領域毎に、特定種類のタンパク質を認識するタンパク質認識構造体が配置されていることを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、タンパク質を検出するタンパク質検査体、及びその製造方法、並びにタンパク質検査体を用いたタンパク質検出装置に関する。
近年、日本国内では、花粉症患者や食品アレルギー患者が急速に増加している。特に、食品アレルギーに関しては、今や日本国全人口の10%近くが、何らかの食品に対してアレルギーを持っていると言われており、さらに増加する傾向にある。食品アレルギーは、場合によっては呼吸困難、血圧低下、意識消失などのアナフィラキシーショックを引き起こすこともあり、対応が遅れると死に至る危険性がある。このようなことから、食品アレルギーに関して、食生活での安全性が強く求められるようになってきている。
このような状況の中、アレルギー原因物質(アレルゲン)を含む食品に起因する健康危害の防止を目的に、食品衛生法施行規則が改正され、2002年4月から、食品メーカーに対して、アレルゲンを含む食品には、その含有量の多寡に関わらず、加工製造時に使用されたものは全て表示することが義務づけられた。この表示義務のあるアレルギー物質としては、アレルギー発症例数の多さやその症状の重篤度から、特に5品目の特定原材料(卵・乳・小麦・そば・落花生)が指定されている。
アレルゲンの検出方法としては、従来、イムノアッセイ(免疫学的測定法)が用いられていた。この方法は、アレルゲン(抗原)等のタンパク質と、前記タンパク質と特異的に結合する物質(抗体)とが特異的に結合することにより、さまざまな物質の混合物から特定のタンパク質を特異的に識別する方法であり、イムノアッセイは食品中にアレルゲンタンパク質が含まれるか否かの判定において広く利用されている。
イムノアッセイ(免疫学的測定法)を用いて簡便に分析をおこなう手法として、イムノクロマトグラフ法が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
特開平11−326325号公報
上記特許文献1にかかる技術は、一方はクロマト展開可能な基材に固定されており、他方は着色微粒子と結合してクロマト展開前方に溶解可能な形で基材に保持されている2種類の抗体対を含んでなる免疫検査体において、検出部がクロマト展開後方に沿って分離された複数の検出帯で形成されていることを特徴としている。
この技術によると、複数の検出帯を有するので、抗原を有する液をクロマト展開し、ラベル化抗原(着色微粒子が結合した抗体と抗原とが結合したもの)と基材に固定された抗体とが結合することによって呈色した検出帯の位置から、被検液中に溶解した抗原の量を知ることができるとされる。
この技術では、免疫学的測定法を利用しているが、この方法では、ラットやマウス等の生体に特定のタンパク質(抗原)を注入し、生体内で抗原に対する抗体を形成させた後、その抗体を分離・抽出・精製する必要がある。よって、抗体の作成に長時間を要するという問題がある。
また、生体を用いて抗体を生成させなければならないため、生体(ラット、マウス等)の飼育・管理が煩雑でコストがかかる。さらに、このようにして得られた抗体は、熱や酸あるいはアルカリによって変性しやすく、また長時間の保存により失活して、認識能力を失ってしまうおそれがある。
このため、特定のタンパク質を抗体と同程度以上に特異的に認識でき、且つ製造が簡単で保存性の良いタンパク質検査体の開発が望まれている。
本発明は従来技術に存在する上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、タンパク質を鋳型とし分子インプリント法により合成されたタンパク質認識構造体(インプリントポリマー)を用いることで、従来のように抗体を用いることのないタンパク質検査体及びそのような前記タンパク質検査体を簡便に作製できる製造方法、並びにそのようなタンパク質検査体を用いたタンパク質検出装置を提供することである。
上記課題を解決するための、タンパク質検査体にかかる第1の発明は、タンパク質を鋳型として分子インプリントされてなるタンパク質認識構造体が、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材に、複数配置されてなるタンパク質検査体であって、前記基材は、複数の区画領域に区画化されており、その各々の区画領域毎に、特定種類のタンパク質を認識するタンパク質認識構造体が配置されていることを特徴とする。
この構成によると、従来と異なり、抗体ではなく分子インプリントされてなるタンパク質認識構造体を用いているので、製造が簡便・安価で保存性の良いタンパク質検査体を作製することができる。さらに、基材は、複数の区画領域に区画化されており、その各々の区画領域毎に、特定種類のタンパク質をそれぞれ認識することができるタンパク質認識構造体(インプリントポリマー)が配置されており、サンプル中に特定種類のタンパク質が含まれているかどうかを、タンパク質を含む溶液を滴下するという簡単な操作で特定種類のタンパク質を分離することができ、これを検出装置に組み込むことにより、特定種類のタンパク質を検出できる。
上記特定種類のタンパク質とは、種類が特定された単一のタンパク質、及び種類が特定された複数のタンパク質の双方を含む概念である。
上記課題を解決するための、タンパク質検査体にかかる第2の発明は、上記第1の発明において、前記タンパク質検査体は、前記基材の各々の区画領域毎に、異なる種類のタンパク質を認識する異なるタンパク質認識構造体が配置されていることを特徴とする。
この構成によると、サンプル溶液中に含まれる複数のタンパク質の存在を、一回の操作で分離し特定することができる。
ここで、上記異なるタンパク質認識構造体の意味を説明する。例えば、タンパク質Aを認識するタンパク質認識構造体と、タンパク質Bを認識するタンパク質認識構造体は異なるタンパク質認識構造体である。また、タンパク質Aとタンパク質Bとを認識するタンパク質認識構造体と、タンパク質Cとタンパク質Dとを認識するタンパク質認識構造体は異なるタンパク質認識構造体である。さらに、タンパク質Aとタンパク質Bとを認識するタンパク質認識構造体と、タンパク質Aとタンパク質Cとを認識するタンパク質認識構造体も異なるタンパク質認識構造体であるとして取り扱うものとする。
上記課題を解決するための、タンパク質検査体にかかる第3の発明は、特定種類の食品原材料に含まれる複数のタンパク質からなるタンパク質群を鋳型として分子インプリントされてなるタンパク質認識構造体が、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材に、複数配置されてなるタンパク質検査体であって、前記基材は、複数の区画領域に区画化されており、その各々の区画領域毎に、異なる種類の食品原材料に含まれるタンパク質群を認識するタンパク質認識構造体が配置されていることを特徴とする。
この構成によると、サンプル溶液中に含まれる食品原材料の有無を、一回の操作で分離特定することができる。
上記第1〜第3の発明の構成において、前記タンパク質認識構造体は、前記基材の表面及び/または内部に形成されている構成とすることができる。
この構成によると、基材とタンパク質認識構造体との結合をより強固なものとすることができる。また、基材中をサンプル溶液が通過することにより、自動的にサンプル溶液中のタンパク質とタンパク質認識構造体との認識反応が行われるので、タンパク質の分離感度を高めることができる。
上記第1〜第3の発明の構成において、前記基材は円盤状であり、前記複数の区画領域は、前記基材の中心から円の外方向に向かって放射状に区画化され、当該区画化された複数の区画領域内に前記タンパク質認識構造体が同心円状に配置された構成とすることができる。
この構成によると、円の中心にサンプル溶液を滴下することで、サンプル溶液は基材内を同心円状に移動し、基材のそれぞれの区画領域に配置されているタンパク質認識構造体と同時に接触する。よって、一回のサンプル滴下で、複数のタンパク質の分離をより容易にできるので、検査時間を短縮でき、操作をより簡易化できる。
上記構成において、前記複数の区画領域は、前記基材の中心近傍を除き、円の外方向に向かって放射状に形成された溝で区画化されている構成とすることができる。
この構成によると、異なる種類のタンパク質を認識するタンパク質認識構造体同士が交じり合うのを防止できる。よってタンパク質の分離精度が向上する。
上記構成において、前記基材は、その一部を切り欠いてなる位置合わせ部を有する構成とすることができる。
この構成によると、切り欠き部を、タンパク質検査体を後述する検出装置に設置する位置合わせに利用することができ、検出装置への設置に際しての位置合わせがより容易となる。
上記第1の発明において、前記特定種類のタンパク質が、アレルゲンタンパク質であるとすることができる。
上記第3の発明において、前記食品原材料が、卵、牛乳、小麦、そば、落花生からなる群より選択されたいずれか一種の食品原材料であるとすることができる。
上記課題を解決するための、タンパク質検査体の製造方法にかかる本発明は、機能性モノマーと、架橋剤と、鋳型である特定種類のタンパク質と、を含むプレポリマー溶液を、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材上に配置し、重合させる重合工程と、前記重合工程により重合されたポリマー体に、前記特定種類のタンパク質を溶解することのできる溶液を接触させ、前記ポリマー体から前記タンパク質を除去しタンパク質認識構造体を作製する鋳型除去工程と、を備えることを特徴とする。
この構成によると、タンパク質認識構造体(インプリントポリマー)の形成と同時に、タンパク質認識構造体を基材上に配置できるので、生産性に優れる。
上記構成において、前記特定種類のタンパク質が、特定種類の食品原材料に含まれる複数のタンパク質群である構成とすることができる。
上記構成において、前記重合工程が、機能性モノマーと、架橋剤と、鋳型である特定種類のタンパク質と、を含むプレポリマー溶液を、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材上に配置し、基材内に前記プレポリマー溶液を浸透させた後にプレポリマーを重合させる工程である構成とすることができる。
この構成によると、タンパク質認識構造体が基材内部及び表面に形成され、基材とタンパク質認識構造体との結合をより強固なものとすることができる。また、基材にサンプル溶液を滴下するだけで、サンプル溶液が毛細管現象により移動し、基材内部に形成されたタンパク質認識構造体と確実に接触し反応するので、分離精度が向上する。
上記構成において、前記基材は円盤状であり、当該基材の中心近傍を除き、外方向に向かって放射状に形成された複数の溝を有し、前記溝の2つで区画化された領域を区画領域として、それぞれの区画領域にそれぞれ異なる種類のタンパク質を含むプレポリマー溶液を配置し、プレポリマー溶液がしみこんだ後に、前記重合工程と、これに続く前記鋳型除去工程を行う構成とすることができる。
この構成によると、各区画領域の間に溝が存在するので、異なる種類のタンパク質を含むプレポリマー溶液同士が交じり合うことがない。また、基材を円盤状とすることで、基材の中心にサンプル溶液を滴下することによって、複数のタンパク質を同時に分離特定することができる。
上記課題を解決するための、タンパク質検出装置にかかる第1の発明は、タンパク質検査体を設置する設置部と、前記設置部に設置された第1ないし第3いずれかの発明にかかるタンパク質検査体と、前記タンパク質検査体の各区画領域にタンパク質が存在するか否かを検出する検出器と、を備えることを特徴とする。
上記構成において、前記タンパク質検出装置は、前記タンパク質検査体が有する区画領域数に対応する数の検出器を備え、それぞれの区画領域におけるタンパク質の存否を同時並行的に検出する構成とすることができる。
この構成によると、タンパク質検査体が有する区画領域数に対応する数の検出器を備えるため、タンパク質検査体に含まれる複数のタンパク質認識体に対して同時並行的に検出を行うことができ、検出時間をより短縮できる。
上記課題を解決するための、タンパク質検出装置にかかる第2の発明は、タンパク質検査体を回転運動させる回転手段を備えた設置部と、前記設置部に設置された円盤状の基材を有するタンパク質検査体と、前記タンパク質検査体の各区画領域にタンパク質が存在するか否かを検出する検出器と、を備えたタンパク質検出装置であって、前記回転手段でタンパク質検査体を回転させることにより、タンパク質検査体のそれぞれの区画領域内におけるタンパク質の存否を順次検出することを特徴とする。
この構成によると、回転により順次区画領域と検出器との位置合わせを行うことができる。よって、効率よくタンパク質を検出できる。
上記課題を解決するための、タンパク質検出装置にかかる第3の発明は、タンパク質検査体を位置合わせする突起部を有する設置部と、前記設置部の突起部に切り欠き部を嵌合して位置合わせして設置された、切り欠き部を有するタンパク質検査体と、前記タンパク質検査体の各区画領域にタンパク質が存在するか否かを検出する検出器とを備えることを特徴とする。
この構成によると、タンパク質認識構造体が配置された区画領域上に簡便且つ正確に検出器を配置させることができるので、装置の使い勝手性が向上するとともに、検出精度も向上する。
上記第1〜第3の発明において、前記検出器は、光学的検出手段を有する構成とすることができる。
タンパク質の検出方法にはさまざまな種類があるが、光学的検出手段を用いることがもっとも簡易であり、光学的検出手段を用いることにより、装置を簡素化できる。
本発明によると、複数のタンパク質又はタンパク質群を含む溶液から、特定種類のタンパク質を簡便且つ精度よく分離し、特定することのできる、操作が簡易なタンパク質検査体を実現できる。また、使い勝手性がよく、検出精度に優れたタンパク質検出装置を提供することができるという顕著な効果が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
実施の形態1では、タンパク質検査体及びその製造方法について説明する。
図1に示すように、本実施の形態1にかかるタンパク質検査体は、方形平板上の基材1上に、異なる種類のタンパク質を認識するタンパク質認識構造体ごとに4つのタンパク質認識構造体区画領域4a〜4dが形成され、隣り合う区画領域間には、基材の一部が切り欠かれた溝2が形成されている。この各区画領域には、それぞれ異なる種類のタンパク質を認識するタンパク質認識構造体5a〜5dが配置されている。
基材はタンパク質を含むサンプル溶液を毛細管現象により浸透、展開させるのに適した材料から選ばれる。そのような材料として、ろ紙、セルロース膜、グラスフィルター、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維などの吸水性材料が挙げられる。
基材1には、4つの区画領域4a〜4dが設けられており、それぞれの区画領域には、異なる1種類のアレルゲンタンパク質(スギ花粉・ヒノキ花粉・ブタクサ花粉・カモガヤ花粉)をそれぞれ鋳型として、分子インプリントされてなるタンパク質認識構造体(インプリントポリマー)が配置されている(5a〜5d)。
(タンパク質認識構造体の製造方法)
次に、タンパク質認識構造体の製造方法について説明する。
分子インプリント法では、鋳型としてのタンパク質と相互作用し且つ重合可能な機能性モノマー、および架橋性モノマーである架橋剤を、鋳型であるタンパク質の存在下で重合させ、タンパク質を取り除いて、タンパク質の形状及びタンパク質に相補的な特異的結合部位(カルボキシル基やアミノ基等)を残すことによって、タンパク質認識構造体(インプリントポリマー)を得る。
タンパク質認識構造体は、単にタンパク質の形だけをとったものではなく、タンパク質表面に存在するカルボキシル基、アミノ基などの官能基の位置情報も含む。これにより、タンパク質表面の官能基と、タンパク質認識構造体中の官能基との間で、水素結合・イオン結合・疎水結合などによる相互作用を含む認識作用が行われるので、タンパク質分子の特異的な認識が可能となる。
(重合工程)
重合は、重合溶媒(重合反応を行う際に使用する溶媒)に機能性モノマーと鋳型としてのアレルゲンタンパク質とを混合し、タンパク質−機能性モノマー複合体を形成した後、架橋剤を加えてプレポリマー溶液となし、このプレポリマー溶液を基材1に形成された区画領域4a〜4dの異なる位置5a〜5dに滴下して配置し、重合を行う。
重合は、熱重合、または紫外線照射による光重合等を用いることができる。これらは単独で用いてもよいし、組み合わせてもよい。このときの重合温度は、タンパク質が熱変性しない温度が好ましく、具体的には4℃〜40℃であることが好ましい。
重合時間に制限はない。目視により溶液がゲル化していれば重合完了と判断できる。一般的には0.5〜48時間で重合が完了する。
(鋳型除去工程)
この後、プレポリマー溶液が重合されてなるポリマー体から鋳型であるタンパク質を除去する。その方法として、ポリマー体に、タンパク質に溶解性を示す溶液を接触させればよい。そのような溶液として、酸またはアルカリを添加し重合時の溶媒のpHと異なるpHにした溶液や、塩化ナトリウムや硫酸アンモニウムなどの塩を加えて塩濃度を高くした溶液を挙げることができる。
(タンパク質の分離)
アレルゲンタンパク質を含むサンプル溶液を、サンプル溶液滴下部7に滴下する。基材1はサンプル溶液を毛細管現象により移動可能な材料からなるため、サンプル溶液は基材1内を移動し、各区画領域4a〜4dに設けられたタンパク質認識構造体5a〜5dと認識反応する。これにより、特定種類のタンパク質は、タンパク質認識構造体と反応して各区画領域に捕捉され、タンパク質の分離が行われる。
ここで、タンパク質認識構造体(インプリントポリマー)を重合により製造する場合、重合溶媒は、系内で不活性な溶媒であれば良い。例えば、クロロホルム、トルエン、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、各種アルコール等の有機溶媒、または水系溶媒を用いることができる。しかし、アレルゲンタンパク質は有機溶媒に触れると変性する可能性があるので、重合溶媒は水系溶媒であることが好ましい。
また、タンパク質は溶媒のpHに依存して表面電荷が変化し、これによりタンパク質表面の官能基の位置情報が変化するので、溶媒のpHは一定に保つことが好ましい。このため、重合溶媒は、水系の緩衝液がより好ましい。そのような緩衝液として、酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス塩酸緩衝液、HEPES(2-[4-(2-Hydroxyethyl)-1-piperazinyl]ethanesulfonic acid)などのグッズの緩衝液等を用いることができる。
機能性モノマーとしては、タンパク質と相互作用可能な結合基を持ち、かつ重合可能なビニル基を持つ化合物を用いることが好ましい。例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
架橋剤として、分子中に重合可能なビニル基を少なくとも2個持つ化合物を用いることが好ましい。例えば、エチレングリコールジメチルアクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
タンパク質認識構造体の重合には、重合開始剤を加えても良い。重合開始剤としては、例えば、過硫酸アンモニウムや過硫酸カリウム等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重合開始剤を用いることができる。
また、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンなどの重合促進剤を加えてもよい。
(実施の形態2)
図2に示すように、本実施の形態2にかかるタンパク質検査体は、円盤状の基材1上に、異なる種類のタンパク質を認識するタンパク質認識構造体ごとに5つのタンパク質認識構造体区画領域4a〜4eが形成され、各区画領域は、円の中心近傍領域6を除いて、基材の一部が切り欠かれた溝2により区画化されている。また、後述するタンパク質検出装置に設置するための位置合わせに用いる切り欠き部3が、タンパク質認識構造体区画領域4a〜4e及び中心近傍領域6以外の部分に形成されている。
(タンパク質認識構造体の製造方法)
本実施の形態では、タンパク質認識構造体(インプリントポリマー)を、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材上に設置する方法として、プレポリマー溶液が基材内に十分にしみこんだ後に重合する方法を採用する。この方法を採用すると、基材内にプレポリマーが入りこんだ状態で架橋重合され、ポリマーネットワークが形成されるので、基材にタンパク質認識構造体(インプリントポリマー)が強固に固定化される。また、基材中をサンプル溶液が通過すると、確実にサンプル溶液中のタンパク質とタンパク質認識構造体とが認識反応するので、タンパク質の分離・特定性能を高めることができる。
また、タンパク質認識構造体の合成と、タンパク質認識構造体の基材への配置・固定化を同時に行うことができるので、従来の抗体を用いたタンパク質検査体のように、抗体作製と抗体固定化を別々に行う必要が無い。よって、タンパク質検査体の作製時間を大幅に短縮できる。
基材内でポリマー重合を行うためには、ポリマー重合に必要な機能性モノマー、架橋剤、鋳型となるタンパク質などを混合したプレポリマー溶液を、基材1に添加した後、重合させればよい。このとき、一枚の基材で複数のタンパク質を検出できるようにするため、異なる種類のタンパク質を含むプレポリマー溶液を、一枚の基材の異なる区画領域内の位置5a〜5eにそれぞれ滴下し、十分にしみこませた後に重合させる。
なお、基材は溶液吸水性であるので、添加したプレポリマー溶液が基材中を浸透・展開していき、隣の区画領域に添加した、異なる鋳型を持つプレポリマー溶液と混ざる可能性がある。この現象を防止するため、隣り合う区画領域間に基材に溝2を形成し、プレポリマー溶液が隣の区画領域に展開していかないようにすることが好ましい。この溝2は、基材表面に形成された構成であってもよいが、プレポリマー溶液が隣の区画領域に展開することを確実に防止するため、基材1を切り欠いて完全に各区画領域を分離する構成を採用することがより好ましい。このとき、隣り合う区画領域間には溝2を形成するが、サンプル溶液が展開により各区画領域に達するように、それぞれの区画領域4a〜4eと中心近傍領域6との間には溝を形成しないようにする。
本実施の形態2では、円形平板状(円盤状)の基材1を用いたが、この形状に限定されるものではなく、サンプル液の展開を妨げる形状でなければよい。例えば、上記実施の形態1で用いた四角形であってもよく、その他の多角形、楕円形、不定形であってもよい。
しかしながら、円形の基材を用いて、タンパク質認識構造体を同心円状に配置し、円の中心にサンプル溶液を滴下すると、滴下点から同心円状に展開していったサンプル溶液が異なるタンパク質認識構造体と同時に反応するため、効率が高まる。よって、基材1の形状は円盤状であることが好ましい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、特定食品原材料に含まれるタンパク質群を鋳型として用いたタンパク質検査体及びその製造方法について説明する。なお、タンパク質検査体の形状等は、全て上記実施の形態2と同様であるので、その説明を省略する。
(タンパク質認識構造体の製造方法)
本実施の形態では、例えば一種の食品原材料に含まれる複数のタンパク質を1つのタンパク質群として、1つの鋳型として用いる。まず、食品原材料をすりつぶし、緩衝液と混合、攪拌し、しばらく静置した後、ろ過することにより、食品原材料に含まれる複数種のタンパク質をろ液中に抽出する。このろ液と機能性モノマー、架橋剤と混合してプレポリマー溶液となす。この後の重合、鋳型除去は上記実施の形態2と同様である。
(実施の形態4)
次に検出装置について説明する。
図3に示すように、本実施の形態にかかる検出装置は、タンパク質検査体の設置部13と、上記実施の形態2で作製したタンパク質検査体12と、前記タンパク質検査体の区画領域の数(5つ)に対応する5つの検出器11とを備えている。
検出器11は、タンパク質検査体12中の複数の区画領域のタンパク質認識構造体配置部10を検出可能な位置に配置されている。本実施の形態では、検出器は光学的検出手段を有しており、タンパク質認識構造体配置部10の光学的変化を検出する。そのような光学的検出手段として、フォトダイオードアレイやCCDカメラを挙げることができる。
このような検出装置では、検出器11で検出可能な位置にタンパク質認識構造体配置部10を配置する必要がある。このために、タンパク質検査体には、図2に示すように、基材1の一部が切り取られ、切り欠き部3が形成されている。そして、検出装置には、図4に示すように、切り欠き部と合致する位置に、タンパク質検査体設置部23上に突起部24が形成されている。そして、タンパク質検査体22の切り欠き部と、突起部24に合わせるように設置すれば、検出器11とタンパク質認識構造体配置部10との位置合わせが容易にできる。
検出方法としては、いわゆるサンドイッチ法を用いることができる。
サンドイッチ法では、まず、標的物質(アレルゲンタンパク質)と、標識物質を付した認識物質(抗体、タンパク質認識構造体等)とを反応させて標的物質−認識物質複合体を形成させる。この複合体を含むサンプル溶液を、図2に示すタンパク質検査体の円の中心に滴下する。
サンプル溶液は、毛細管現象によって基材1中を移動し、タンパク質認識構造体配置部5a〜5e二固定されたタンパク質認識構造体と特異的認識反応により結合する。これにより、標的物質が基材のタンパク質認識構造体領域に固定される。この後、検出器11を用いて標識物質の量を検出することにより、標的物質の存否及び量を測定する。
標識物質としては、色素・蛍光物質・放射性同位体などが挙げられる。また、認識物質に標識物質を付する手法としては、物理的吸着や、抗体表面の官能基に対して化学結合させる手法を用いることができる。
また、認識物質がタンパク質認識構造体の場合は、タンパク質認識構造体作製時に標識物質として色素や蛍光物質を混合した状態で重合してもよい。これにより、標識物質を付する工程を省略することができる。
以下、実施例を用いて本発明を更に説明する。
(実施例1)
本実施例では、卵・牛乳・小麦・そば・落花生に含まれるアレルゲンタンパク質群を認識するタンパク質検査体を作製し、タンパク質の検出に用いた。
図2に示すように、円形のろ紙(アドバンテック製、直径110mm)を基材1とし、ろ紙の中心から放射状に溝2を入れた。また、1cm×1cmの切り欠き部3を設けた。
卵アレルゲンを認識するタンパク質認識構造体(インプリントポリマー)は次のように作製した。
卵を100g取り、すりつぶし、50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)100mlに懸濁した。懸濁溶液をろ過後、ろ液を6ml取り、そこに機能性モノマーとしてアクリル酸7μlを加えよく混合し1時間静置し、卵アレルゲン−機能性モノマー複合体を形成した。
この溶液に、アクリルアミド22mg、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド154mgを加えよく混合し、窒素置換を5分間行った。その後、重合開始剤として5%過硫酸カリウム水溶液100μl、重合促進剤としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン10μlを加えてよく混合し、基材であるろ紙に100μl滴下した。この滴下位置は、ろ紙の端(外周)から2cmの位置に滴下した。
添加後、直ちに36℃の恒温槽に入れ、2時間、熱重合を行った。
この後、重合後のポリマー体を、1mM塩化ナトリウム溶液で3回洗浄し、鋳型であるタンパク質を除去し、タンパク質認識構造体となした。
このようにして作製されたタンパク質認識構造体は、卵に含まれるタンパク質群(卵白アルブミン・リゾチーム・オボムコイド)等を認識することができる。
上記卵と同様にして、牛乳・小麦・そば・落花生についても、同じろ紙上の別の区画領域にインプリントポリマー(タンパク質認識構造体)を合成し、図1に示すタンパク質検査体とした。このタンパク質検査体では、図1の符号4aで示す区画領域に卵、符号4bで示す区画領域に牛乳、符号4cで示す区画領域に小麦、符号4dで示す区画領域にそば、符号4eで示す区画領域に落花生のタンパク質構造体を配置した(5a〜5e)。
このようにして作製されたタンパク質認識構造体は、牛乳に含まれるタンパク質群(カゼイン・ラクトアルブミン・ラクトフェリン)等を、小麦に含まれるタンパク質群(グリアジン・グルテニン・小麦アルブミン)等を、そばに含まれるタンパク質群(そばグロブリン・そばアルブミン)等を、落花生に含まれるタンパク質群(Arah1・Arah2・ピーナッツレクチン)等を、それぞれ認識することができる。
また、上記タンパク質認識構造体は、それぞれの食品原材料に含まれるタンパク質総量のおおむね10%以上含まれるタンパク質の認識・分離が可能である。
標識物質を付した認識物質は次のように作製した。
卵を100g取り、すりつぶし、50mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)100mlに懸濁した。懸濁溶液をろ過後、ろ液を6ml取り、そこに機能性モノマーとしてアクリル酸7μlを加えよく混合し1時間静置し、アレルゲン・機能性モノマー複合体を形成した。その溶液に、アクリルアミド22mg、架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド154mg、赤色色素(アリザリン)100mg、を加えよく混合した。この溶液をセパラブルフラスコに移し、窒素置換を5分間行った。メカニカルスターラーで1分間に120回転の速度で攪拌しながら、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロライド34mgを蒸留水1mlに溶かしたものを加えた。引き続き攪拌をしながら、4℃で紫外線照射を16時間行い重合させた。重合後、得られた赤色タンパク質認識構造体微粒子を、1mM塩化ナトリウム溶液で3回洗浄し、鋳型であるタンパク質を除去した。
同様にして、牛乳、小麦、そば、落花生についても、ラベル化物質として赤色色素を含むタンパク質認識構造体微粒子を合成した。
測定は次のように行った。
サンプル溶液として20μM卵白アルブミン溶液を調製し、これに上記認識物質を加え、1時間混合した。この溶液を500μlとり、タンパク質検査体の中心に滴下した。30分放置すると、サンプル溶液が基材内を毛細管現象により移動した。この後、図4に示す検出装置に、図1に示すタンパク質検査体を突起部24に切り欠き部3を嵌合して位置合わせして設置し、各タンパク質認識構造体配置部5a〜5eの赤色の呈色状態を測定した。結果を下記表1に示す。
Figure 2007163140
呈色は、+;呈色した、−;呈色せず、で評価した。卵タンパク質認識構造体配置部のみが赤色を呈色しており、サンプル中に含まれるアレルゲンの有無を検出することができた。
(実施例2)
サンプル溶液として、20μMカゼイン(牛乳タンパク質)、20μMグリアジン(小麦タンパク質)混合溶液を調製し、これに上記認識物質を加え、1時間混合した。この溶液を500μlとり、タンパク質検査体の中心に滴下した。30分放置すると、サンプル溶液が基材内を毛細管現象により移動した。この後、図4に示す検出装置にタンパク質検査体を設置し、各タンパク質認識構造体配置部の赤色の呈色状態を測定した。結果を下記表2に示す。
Figure 2007163140
上記表2から、牛乳タンパク質認識構造体配置部及び小麦タンパク質認識構造体配置部が赤色を呈色しており、サンプル中に含まれる複数種のアレルゲンの有無を検出することができた。
(実施例3)
サンプル溶液として、30μM卵白アルブミン、10μMカゼイン、10μMグリアジン混合溶液を調製し、これに上記認識物質を加え、1時間混合した。この溶液を500μlとり、タンパク質検査体の中心に滴下した。30分放置すると、サンプル溶液が基材内を毛細管現象により移動した。この後、図4に示す検出装置にタンパク質検査体を設置し、各タンパク質認識構造体配置部の赤色の呈色状態を測定した。結果を下記表3に示す。
Figure 2007163140
呈色は、++;呈色強、+;呈色弱、−;呈色せず、で評価した。
上記表3から、卵タンパク質認識構造体配置部が強く赤色に呈色しており、牛乳タンパク質認識構造体配置部及び小麦タンパク質認識構造体配置部が弱く赤色に呈色しており、サンプル中に含まれる複数種のアレルゲンの有無だけではなく、その量をも検出することができた。
なお、上記実施例では、食品アレルゲンタンパク質を用いてアレルゲン検査体を作製したが、本発明は食品アレルゲン以外に、花粉やダニ等の空気中に含まれるアレルゲンタンパク質や、生体内のタンパク質等の検査にも応用できる。また、特定のタンパク質のみを検出するために、単離されたタンパク質結晶を用いて、タンパク質認識構造体を作製し、これをタンパク質検査体に用いてもよい。
以上に説明したように、本発明によると、複数種のタンパク質を同時に検出可能で、且つ失活のおそれのないタンパク質検査体を、安価に提供することができる。よって、産業上の意義は大きい。

実施の形態1にかかるタンパク質検査体を示す模式図である。 実施の形態2にかかるタンパク質検査体を示す模式図である。 実施の形態4にかかる検出装置の検出器部分を示す模式図である。 実施の形態4にかかる検出装置のタンパク質検査体設置部を示す模式図である。
符号の説明
1 基材
2 溝
3 切り欠き部
4 タンパク質認識構造体区画領域
5 タンパク質認識構造体配置部
6 中心近傍領域
7 サンプル溶液滴下部
10 タンパク質認識構造体配置部
11 検出器
12,22 タンパク質検査体
13,23 タンパク質検査体設置部
24 突起部

Claims (18)

  1. タンパク質を鋳型として分子インプリントされてなるタンパク質認識構造体が、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材に、複数配置されてなるタンパク質検査体であって、
    前記基材は、複数の区画領域に区画化されており、その各々の区画領域毎に、特定種類のタンパク質を認識するタンパク質認識構造体が配置されている、
    ことを特徴とするタンパク質検査体。
  2. 請求項1に記載のタンパク質検査体において、
    前記タンパク質検査体は、前記基材の各々の区画領域毎に、異なる種類のタンパク質を認識する異なるタンパク質認識構造体が配置されている、
    ことを特徴とするタンパク質検査体。
  3. 特定種類の食品原材料に含まれる複数のタンパク質からなるタンパク質群を鋳型として分子インプリントされてなるタンパク質認識構造体が、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材に、複数配置されてなるタンパク質検査体であって、
    前記基材は、複数の区画領域に区画化されており、その各々の区画領域毎に、異なる種類の食品原材料に含まれるタンパク質群を認識するタンパク質認識構造体が配置されている、
    ことを特徴とするタンパク質検査体。
  4. 請求項1、2又は3に記載のタンパク質検査体において、
    前記タンパク質認識構造体は、前記基材の表面及び/または内部に形成されている、
    ことを特徴とするタンパク質検査体。
  5. 請求項1、2又は3に記載のタンパク質検査体において、
    前記基材は円盤状であり、
    前記複数の区画領域は、前記基材の中心から円の外方向に向かって放射状に区画化され、当該区画化された複数の区画領域内に前記タンパク質認識構造体が同心円状に配置されている、
    ことを特徴とするタンパク質検査体。
  6. 請求項5に記載のタンパク質検査体において、
    前記複数の区画領域は、前記基材の中心近傍領域を除き、円の外方向に向かって放射状に形成された溝で区画化されている、
    ことを特徴とするタンパク質検査体。
  7. 請求項5に記載のタンパク質検査体において、
    前記基材は、その一部を切り欠いてなる位置合わせ部を有する、
    ことを特徴とするタンパク質検査体。
  8. 請求項1に記載のタンパク質検査体において、
    前記特定種類のタンパク質が、アレルゲンタンパク質である、
    ことを特徴とするタンパク質検査体。
  9. 請求項3に記載のタンパク質検査体において、
    前記食品原材料が、卵、牛乳、小麦、そば、落花生からなる群より選択されたいずれか一種の食品原材料である、
    ことを特徴とするタンパク質検査体。
  10. 機能性モノマーと、架橋剤と、鋳型である特定種類のタンパク質と、を含むプレポリマー溶液を、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材上に配置し、重合させる重合工程と、
    前記重合工程により重合されたポリマー体に、前記タンパク質を溶解することのできる溶液を接触させ、前記ポリマー体から前記特定種類のタンパク質を除去しタンパク質認識構造体を作製する鋳型除去工程と、
    を備えることを特徴とするタンパク質検査体の製造方法。
  11. 請求項10に記載のタンパク質検査体の製造方法において、
    前記特定種類のタンパク質が、特定種類の食品原材料に含まれる複数のタンパク質群である、
    ことを特徴とするタンパク質検査体の製造方法。
  12. 請求項10または11に記載のタンパク質検査体の製造方法において、
    前記重合工程が、機能性モノマーと、架橋剤と、鋳型である特定種類のタンパク質と、を含むプレポリマー溶液を、タンパク質を含む溶液が毛細管現象により移動可能な基材上に配置し、基材内に前記プレポリマー溶液を浸透させた後にプレポリマーを重合させる工程である、
    ことを特徴とするタンパク質検査体の製造方法。
  13. 請求項10又は11に記載のタンパク質検査体の製造方法において、
    前記基材は円盤状であり、当該基材の中心近傍を除き、外方向に向かって放射状に形成された複数の溝を有し、
    前記溝の2つで区画化された領域を区画領域として、それぞれの区画領域にそれぞれ異なる種類のタンパク質を含むプレポリマー溶液を配置し、プレポリマー溶液がしみこんだ後に、前記重合工程と、これに続く前記鋳型除去工程を行う、
    ことを特徴とするタンパク質検査体の製造方法。
  14. タンパク質検査体を設置する設置部と、
    前記設置部に設置された請求項1ないし3いずれかに記載のタンパク質検査体と、
    前記タンパク質検査体の各区画領域にタンパク質が存在するか否かを検出する検出器と、
    を備えたタンパク質検出装置。
  15. 請求項14に記載のタンパク質検出装置において、
    前記タンパク質検出装置は、前記タンパク質検査体が有する区画領域数に対応する数の検出器を備え、それぞれの区画領域におけるタンパク質の存否を同時並行的に検出する、
    ことを特徴とするタンパク質検出装置。
  16. タンパク質検査体を回転運動させる回転手段を備えた設置部と、
    前記設置部に設置された請求項5または6に記載のタンパク質検査体と、
    前記タンパク質検査体の各区画領域にタンパク質が存在するか否かを検出する検出器と、
    を備えたタンパク質検出装置であって、
    前記回転手段でタンパク質検査体を回転させることにより、タンパク質検査体のそれぞれの区画領域内におけるタンパク質の存否を順次検出することを特徴とするタンパク質検出装置。
  17. タンパク質検査体を位置合わせする突起部を有する設置部と、
    前記設置部の突起部に切り欠き部を嵌合して位置合わせし設置された請求項7に記載のタンパク質検査体と、
    前記タンパク質検査体の各区画領域にタンパク質が存在するか否かを検出する検出器と、
    を備えたタンパク質検出装置。
  18. 請求項14ないし17に記載の何れかのタンパク質検出装置において、
    前記検出器が、光学的検出手段を有するものである、
    ことを特徴とするタンパク質検出装置。

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