JP2018132423A - イムノクロマトグラフィー装置、イムノクロマトグラフィー装置を用いた試料液中の被検出物の有無の検出方法、イムノクロマトグラフィー装置の製造方法、及びキット - Google Patents

イムノクロマトグラフィー装置、イムノクロマトグラフィー装置を用いた試料液中の被検出物の有無の検出方法、イムノクロマトグラフィー装置の製造方法、及びキット Download PDF

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陽一 熊田
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Abstract

【課題】捕捉物質を固相化担体へ首尾よく固相化した新規イムノクロマトグラフィー装置を実現する。【解決手段】試料中の被検出物の有無を検出するためのイムノクロマトグラフィー装置であって、前記試料を面方向に展開するための固相化担体(9)を備え、前記固相化担体(9)には、前記被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質(5)が、二本鎖ポリヌクレオチドを介して固相化された検出領域が設けられており、前記二本鎖ポリヌクレオチドは、第1の一本鎖ポリヌクレオチド(1)の一部と第2の一本鎖ポリヌクレオチド(4)の少なくとも一部とが相補的に結合することによって形成されており、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチド(1)は前記固相化担体(9)と結合しており、前記第2の一本鎖ポリヌクレオチド(4)は前記第1の捕捉物質(5)と結合している。【選択図】図2

Description

本発明は、イムノクロマトグラフィー装置、当該イムノクロマトグラフィー装置を用いた試料液中の被検出物の有無の検出方法、イムノクロマトグラフィー装置の製造方法、及びキットに関する。
イムノクロマトグラフィー装置においては、試料中の被検出物を捕捉するための物質(捕捉物質)として抗原や抗体等のタンパク質が使用されている。捕捉物質は、通常、最適化された組成をもつ緩衝液と共に固相化担体の検出領域に直接塗布され、固相化担体と静電的または疎水的な力によって物理的に結合して固相化される。捕捉物質を固相化担体に直接塗布して固相化する方法では、固相化担体に対する捕捉物質の結合量や結合状態の制御が困難である。
一方で、タンパク質を担体へと固相化する方法としては、塗布によって固相化する方法以外の方法が検討されている。
特許文献1には、タンパク質を樹脂製の担体上に固定化するために、タンパク質溶液をスポットした担体に波長280nmの成分を含む紫外線を照射する方法が開示されている。
また、特許文献2には、一本鎖核酸同士のハイブリダイゼーションを利用して、一本鎖核酸を付加したタンパク質を一本鎖核酸に結合した担体に固定化する方法が開示されている。
ところで、プローブハイブリダイゼーションは、ポリヌクレオチドプローブを担体に固定したポリヌクレオチド固定化担体を用いて、標的核酸を上記オリゴヌクレオチドプローブとハイブリダイズさせて検出する方法である。
特許文献4には、固相上に固定したオリゴヌクレオチドプローブをイムノクロマトグラフィー装置に適用して、試料中の標的核酸を両末端それぞれに一本鎖領域を有する二本鎖核酸として増幅した増幅断片をクロマトグラフィー担体上で展開することにより、クロマトグラフィー担体にてポリヌクレオチドプローブと増幅断片とをハイブリダイズさせて検出する方法が開示されている。特許文献4では、ポリヌクレオチドプローブを担体上に塗布することによってポリヌクレオチドを担体に固定化している。
また、特許文献1には、核酸を樹脂製の担体上に固定化するために、核酸溶液をスポットした担体に波長280nmの成分を含む紫外線を照射すること、及び核酸の5'末端あるいは3'末端にチミジン等、紫外線によって反応活性基を有するオリゴヌクレオチドの重合体を有してもよいことが記載されている。
また、特許文献3には、3'または5'末端の一方または両方に、不飽和結合を有する化合物を含むポリマーが結合した核酸が記載されており、担体と核酸との接触中または接触後に電磁波を照射することによって核酸を担体に固定化することができることが開示されている。
特開2003−294751号公報(2003年10月15日公開) 特開2006−132980号公報(2006年 5月25日公開) 特開2001−281246号公報(2001年10月10日公開) 特開2015−156872号公報(2015年 9月 3日公開)
しかしながら、上述したように、物理吸着によって捕捉物質を固相化担体に直接固相化させた従来のイムノクロマトグラフィー装置は、捕捉物質を固相化担体に直接塗布して固相化するため、固相化担体に対する捕捉物質の結合量や結合状態の制御が困難であるという課題を有している。
そこで、本発明の一態様は、捕捉物質を固相化担体へ首尾よく固相化した新規のイムノクロマトグラフィー装置およびその利用を実現することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、ポリヌクレオチドを介して、捕捉物質をイムノクロマトグラフィー装置の固相化担体に首尾よく固相化することができることを見出した。さらに、ポリヌクレオチドを介して捕捉物質を固相化したイムノクロマトグラフィー装置は、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置と比較して被検出物をより高感度に検出することができることを見出した。さらに、驚くべきことに、イムノクロマトグラフィー装置の固相化担体にポリヌクレオチドを介して捕捉物質を固相化することによって、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置と比較して少量の捕捉物質で被検出物を検出することができることを見出した。
すなわち、上記の課題を解決するために、本発明は以下のとおりである。
[1]試料中の被検出物の有無を検出するためのイムノクロマトグラフィー装置であって、前記試料を面方向に展開するための固相化担体を備え、前記固相化担体には、前記被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質が、二本鎖ポリヌクレオチドを介して固相化された検出領域が設けられており、前記二本鎖ポリヌクレオチドは、第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部とが相補的に結合することによって形成されており、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドは前記固相化担体と結合しており、前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドは前記第1の捕捉物質と結合している、イムノクロマトグラフィー装置。
[2]前記検出領域よりも展開方向上流側に、標識体領域がさらに設けられており、前記標識体領域には、前記被検出物を捕捉し得て且つ標識担体で標識された第2の捕捉物質が保持されている、[1]に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
[3]前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドは、固相化担体との結合に寄与している結合領域を含み、前記結合領域は、2つ以上のピリミジン塩基が連続して重合しているポリピリミジン領域である、[1]または[2]に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
[4]前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの前記ポリピリミジン領域と固相化担体とは、紫外線を照射することによって結合されている、[3]に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
[5]前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの前記ポリピリミジン領域は、少なくとも一部がピリミジン二量体を形成している、[3]または[4]に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
[6]前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドの末端には官能基が付加されており、前記第1の捕捉物質は、前記官能基と直接結合することによって前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドと化学的に結合しているか、または前記第1の捕捉物質は、リンカーを介して前記官能基と結合することによって前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドと化学的に結合している、[1]〜[5]のいずれか1つに記載のイムノクロマトグラフィー装置。
[7]前記固相化担体は、ニトロセルロースメンブレン、親水性ポリスルホンメンブレン、ポリエーテルスルホンメンブレン、親水性ポリプロピレンメンブレンまたは親水性ポリビニリデンジフルオライドメンブレンである、[1]〜[6]のいずれか1つに記載のイムノクロマトグラフィー装置。
[8]前記標識担体は、着色粒子、蛍光粒子、酵素、金属コロイド、シリカ粒子及びセルロース粒子からなる群より選択される1種以上である、[2]に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
[9]前記ポリピリミジン領域の配列は、4個以上、30個以下のピリミジン塩基が連続する配列からなる、[3]に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
[10]前記ポリピリミジン領域は、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの末端に存在しており、前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドは、前記ポリピリミジン領域が存在している前記末端と同一の末端側に、前記第1の捕捉物質が結合されている、[3]に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
[11][1]〜[10]のいずれか1つに記載のイムノクロマトグラフィー装置を用いて試料中の被検出物の有無を検出する方法であって、前記被検出物を捕捉し得て且つ標識担体で標識された第2の捕捉物質と、前記試料とを反応させる反応工程と、反応工程後の反応物を、前記イムノクロマトグラフィー装置の前記検出領域と接触させる接触工程と、接触工程後に、前記検出領域における前記標識担体の有無を検出する検出工程と、を含む、検出方法。
[12]試料中の被検出物の有無を検出するためのイムノクロマトグラフィー装置の製造方法であって、前記イムノクロマトグラフィー装置は、前記試料を面方向に展開するための固相化担体を備え、前記固相化担体には、前記被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質が、二本鎖ポリヌクレオチドを介して固相化された検出領域が設けられており、前記二本鎖ポリヌクレオチドは、第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部とが相補的に結合することによって形成されており、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドは前記固相化担体と結合しており、前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドは前記第1の捕捉物質と結合しており、前記固相化担体に、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドを結合させて、前記固相化担体にポリヌクレオチド固定化領域を形成する工程と、前記第1の捕捉物質と結合している前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部を、前記ポリヌクレオチド固定化領域における前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と相補的に結合させることによって、前記固相化担体に検出領域を形成する工程と、を含む、イムノクロマトグラフィー装置の製造方法。
[13]前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドは、固相化担体との結合に寄与している結合領域を含み、前記結合領域は、2つ以上のピリミジン塩基が連続する塩基配列からなるポリピリミジン領域であり、前記ポリヌクレオチド固定化領域を形成する工程では、前記固相化担体に前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドを接触させた後に紫外線を照射することによって、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドを前記固相化担体に結合させる、[12]に記載のイムノクロマトグラフィー装置の製造方法。
[14]試料を面方向に展開するための固相化担体と、前記固相化担体に結合している第1の一本鎖ポリヌクレオチドと、第1の捕捉物質と結合させるための第2の一本鎖ポリヌクレオチドと、を備え、前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部は、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と相補的に結合するものである、試料中の被検出物の有無を、前記被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質を用いて検出するためのイムノクロマトグラフィー装置を製造するためのキット。
本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置及び本発明の一態様に係る試料中の被検出物の有無を検出する方法によれば、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置と比較して、被検出物をより高感度に検出することができるという効果を奏する。また、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置と比較して、少量の捕捉物質で被検出物を検出することができるという効果を奏する。
また、本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置の製造方法及び本発明の一態様に係るキットによれば、上述した効果を奏するイムノクロマトグラフィー装置を製造することができる。
第1の一本鎖ポリヌクレオチドがメンブレンに固相化された状態の一例を示す図である。 本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置において、第1の捕捉物質が、二本鎖ポリヌクレオチドを介してメンブレンに固相化された状態の一例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置の概略の構成を示す図である。 ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法により固相化担体に固定化した抗体の抗原検出能を示す図である。 本発明の実施例に係るポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置の抗原検出範囲を示す図である。 本発明の実施例に係るポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置における、抗原検出能に必要な抗体濃度を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではなく、記述した範囲内で種々の変形を加えた態様で実施できるものである。尚、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。
〔1.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置〕
本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置は、試料中の被検出物の有無を検出するためのイムノクロマトグラフィー装置であって、前記試料を面方向に展開するための固相化担体を備え、前記固相化担体には、前記被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質が、二本鎖ポリヌクレオチドを介して固相化された検出領域が設けられており、前記二本鎖ポリヌクレオチドは、第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部とが相補的に結合することによって形成されており、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドは前記固相化担体と結合しており、前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドは前記第1の捕捉物質と結合している。
本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置は、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置と比較して、被検出物をより高感度に検出することができるという効果を奏する。また、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置と比較して、少量の捕捉物質で被検出物を検出することができるという効果を奏する。
(1.イムノクロマトグラフィー装置)
本発明の一実施形態に係るイムノクロマトグラフィー装置100の概略の構成を図3に示す。図3の(A)はイムノクロマトグラフィー装置100をサンプルパッド12側から見た場合の上面図であり、図3の(B)は(A)におけるA−A’線矢視断面図である。
イムノクロマトグラフィー装置100は、バッキングシート14、メンブレン(固相化担体)9、標識体領域10、サンプルパッド12、及び吸収帯13を備えている。図3の(B)に示すように、バッキングシート14上にメンブレン9、吸収帯13、標識体領域10、サンプルパッド12がそれぞれ積層されている。そして、サンプルパッド12の一方の端部と標識体領域10の一方の端部、標識体領域10の他方の端部とメンブレン9の一方の端部、メンブレン9の他方の端部と吸収帯13の一方の端部、がそれぞれ重ね合わされており、これにより、サンプルパッド12、標識体領域10、メンブレン9および吸収帯13の順に、連続したラテラルフローの流路が形成されている。
イムノクロマトグラフィー装置100において、試料をサンプルパッド12に滴下すると、試料中の液体成分は、毛細管作用によって、サンプルパッド12、標識体領域10、メンブレン9及び吸収帯13の一連の接続により形成された多孔性流路を、メンブレン9の面方向にこの順に通過する。このため、本明細書では、イムノクロマトグラフィー装置100における試料の展開方向を基準として、サンプルパッド12側の領域を上流領域といい、吸収帯13側の領域を下流領域という。例えば、イムノクロマトグラフィー装置100において、サンプルパッド12および標識体領域10は、検出領域11よりも上流側に配されているという。
イムノクロマトグラフィー装置100においては、サンプルパッド12、標識体領域10、メンブレン9及び吸収帯13の全てが試料中の液体成分の移動領域となるが、各構成部材の材質や形態によっては、試料中の液体成分が構成部材の内部を浸透せずに構成部材と構成部材との界面を通行する場合もあり得る。よって、本明細書で規定する「液体成分の移動領域」は、構成部材の内部であっても構成部材と構成部材との界面であってよい。イムノクロマトグラフィー装置100を構成している各部材の詳細については後述する。
(検出領域11)
メンブレン9の一部の領域には、被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質が、二本鎖ポリヌクレオチドを介して固相化された検出領域11が設けられている。
図2に、第1の捕捉物質5が、二本鎖ポリヌクレオチドを介してメンブレン9に固相化された状態の一例を示す。
図2に示すように、二本鎖ポリヌクレオチドは、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1の一部と第2の一本鎖ポリヌクレオチド4の少なくとも一部とが相補的に結合することによって形成されている。第2の一本鎖ポリヌクレオチド4は、その全体が第1の一本鎖ポリヌクレオチド1の一部と相補的に結合することによって二本鎖ポリヌクレオチドを形成していてもよい。
第1の一本鎖ポリヌクレオチド1は少なくとも一部がメンブレン9と結合しており、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4は一部が第1の捕捉物質5と直接的または間接的に結合している。このため、第1の捕捉物質5は、二本鎖ポリヌクレオチドを介してメンブレン9の所望の位置に固相化される。
第1の捕捉物質5のメンブレン9への固相化の方法としては、まず、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1をメンブレン9へと固相化し、その後、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1と第2の一本鎖ポリヌクレオチド4とをハイブリダイゼーションによって相補的に結合させることによって二本鎖ポリヌクレオチドを形成させて、第1の捕捉物質5をメンブレン9へと固相化することができる。これによって、メンブレン9への第1の捕捉物質5の結合量および結合状態の制御が可能となり、その結果、第1の捕捉物質5の使用量を大幅に削減することが可能である。第1の一本鎖ポリヌクレオチド1と第2の一本鎖ポリヌクレオチド4とをハイブリダイゼーションさせる条件としては特に限定されない。
尚、メンブレン9に設けられる検出領域11の数及び標識体領域10(後述する)に含まれる標識抗体の種類は1種類に限られるものではなく、複数の被検出物に対応する検出領域11および標識抗体を用いることで、2種類以上の被検出物を同一のイムノクロマトグラフィー装置にて測定することができる。例えば、図3の(A)に示したように、検出領域11aおよび11bの2種類の検出領域を設けることができる。
(第1の一本鎖ポリヌクレオチド1)
図1に、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1が、メンブレン9に固相化された状態の一例を示す。図1に示すように、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1は、メンブレン9との結合に寄与しているポリピリミジン領域(結合領域)2を有している。また、図2に示すように、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1は、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4と相補的に結合するための領域(相補結合領域)を有している。
第1の一本鎖ポリヌクレオチド1を構成するヌクレオチドとしては特に限定されず、任意のデオキシリボヌクレオチドであってもよく、任意のリボヌクレオチドであってもよい。また、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1を構成するヌクレオチドは、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドが化学修飾(例えば、メチル化等)を受けたものであってもよい。
(a)相補結合領域
相補結合領域の塩基配列は、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4と核酸の塩基の対合によるハイブリダイゼーションを生じさせ得る塩基配列であればよい。したがって、相補結合領域の塩基配列は特に限定されるものではなく、天然由来のポリヌクレオチドが有している塩基配列であってもよいし、人工的に設計された塩基配列であってもよい。
天然由来のポリヌクレオチドが有している塩基配列としては、特定の遺伝子に関連したDNAまたはRNAとハイブリダイゼーション可能な塩基配列が挙げられる。また、人工的に設計された塩基配列としては、人工的に決定され且つハイブリダイゼーションに適したプローブ配列等が挙げられる。人工的に設計された塩基配列としては、たとえば、特許文献1に記載されているような特異的なハイブリダイゼーションが可能なプローブ配列が挙げられる。相補結合領域は、典型的には、試料等から抽出されたDNAまたはPCR法により増幅されたDNAや、DNAタグ鎖を備える物質等をハイブリダイゼーションにより捕捉可能に構成されている。
相補結合領域を構成するヌクレオチドの数は、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4とハイブリダイゼーションを生じさせることができる限りは特に限定されないが、5個以上、典型的には10個以上、好ましくは20個程度である。また、相補結合領域を構成するヌクレオチドの数の上限は、特に限定しないが、300個以下であることが好ましく、より好ましくは200個以下である。相補結合領域を構成するヌクレオチドの数が5個以上であることにより、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1と第2の一本鎖ポリヌクレオチド4とを相補的に結合させることができる。
(b)ポリピリミジン領域2
ポリピリミジン領域2は、2つ以上のピリミジン塩基が連続して重合している領域である。2つ以上のピリミジン塩基が連続して重合していることにより、ポリピリミジン領域2は、紫外線等の電磁波照射によってメンブレン9への結合能が発揮される。この理由は、理論的には必ずしも明らかではないが、紫外線等の電磁波照射によるポリピリミジン領域2におけるピリミジン二量体の形成に関連していることが考えられる。
「ピリミジン塩基」としては、チミン、シトシン、ウラシル、5−メチルシトシンが挙げられる。ポリピリミジン領域を構成するピリミジン塩基としては、好ましくはチミンである。チミンは、UV照射によりチミンダイマー(二量体)を形成し、DNA損傷の原因になることが一般的に知られている。UV照射を受けたDNAの構造上に欠損が生じ、チミンダイマー(二量体)が生じると共に、その過程でラジカルが発生する。生じたラジカルが付着しているメンブレンの官能基と反応することで、メンブレンの種類や表面構造を問わず、共有結合的に固定化されるものと考えられる。このメカニズムに基づけば、ピリミジン二量体を形成し得る「ピリミジン塩基」であれば、チミン以外の「ピリミジン塩基」であってもチミンと同様に固相体との相互作用によって固定化されると考えられる。
ポリピリミジン領域2は、2つ以上のピリミジン塩基が連続して重合していればよく、連続するピリミジン塩基は、同一であっても異種であってもよい。メンブレン9に対する固定化能やポリピリミジン領域2形成するためのコスト等を考慮すると、2つ以上の同一のピリミジン塩基が連続して重合していることが好ましい。ポリピリミジン領域2は、同一のピリミジン塩基が2つ以上連続して重合する領域を複数有していてもよい。つまり、ポリピリミジン領域2が、ピリミジン塩基としてチミンを2つ以上連続して重合する領域を有している場合に、チミン以外の同一のピリミジン塩基が2つ以上連続して重合する領域をさらに有していてもよい。
ポリピリミジン領域2を構成するピリミジン塩基の数は、2個以上であればよいが、好ましくは4個以上、より好ましくは5個以上、さらに好ましくは10個以上である。ピリミジン塩基の数が2個以上であれば、電磁波照射によってピリミジン二量体を形成することができる。ポリピリミジン領域2を構成するピリミジン塩基の数は、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1のメンブレン9に対する固定化能に大きく寄与しており、ピリミジン塩基の数が多いほど、固定化能が強く発揮されると考えられる。ポリピリミジン領域2を構成するピリミジン塩基の数の上限は、特に限定しないが、30個以下であることが好ましく、より好ましくは20個以下である。ピリミジン塩基の数が30個以下であることにより、非特異的な抗体の吸着を防ぐことができ、偽陽性となることを防ぐことができる。例えば、ピリミジン塩基の数が30個以下であることにより、ポリAを有しているmRNAがポリピリミジン領域に結合してそこに何らかのタンパク質が吸着し、そのタンパク質にさらに抗体が非特異的に吸着する等して偽陽性となることを防ぐことができる。
ポリピリミジン領域2は、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1の末端に備えることが好ましい。第1の一本鎖ポリヌクレオチド1の末端であれば、5’末端または3’末端のどちらでも可能である。また、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1は、ポリピリミジン領域2を2つ以上備えていてもよい。
(c)第1の一本鎖ポリヌクレオチド1の固定化
第1の一本鎖ポリヌクレオチド1は、適宜パターン化された形態で、メンブレン9に固定化(固相化)される。メンブレン9上に供給した(接触させた)第1の一本鎖ポリヌクレオチド1に対して電磁波を照射することによって、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1をメンブレン9に固定化することができる。
尚、メンブレン9に対する第1の一本鎖ポリヌクレオチド1の固定化のパターンは特に限定されず、目的に応じて各種形態を採ることができる。メンブレン9の形態によっても異なるが、例えば、平板状のメンブレン9に固定化する場合には、アレイ状、ストライプ状等の形態にて固定化することができる。第1の一本鎖ポリヌクレオチド1が固定化されたメンブレン9上の位置情報を取得できるようなパターンで固定化されていることが好ましい。イムノクロマトグラフィー装置100においては、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1は、ストライプ状に固定化されることがより好ましい。
第1の一本鎖ポリヌクレオチド1をメンブレン9上に所定のパターンで供給する方法としては、特に限定されないが、例えば、後述する実施例に示したように、インクジェット方式の公知のスポッターを用いて、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1を含む溶液を、メンブレン9の所定の位置にスポットする方法を挙げることができる。
また、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1に対して照射する電磁波の種類は、特に限定されないが、紫外線であることが好ましい。紫外線は、波長が220nm〜380nmであることが好ましい。ピリミジンが光を吸収したエネルギーによりラジカルが発生し、2量体形成が起こる。ピリミジン基の吸収スペクトルは220nm〜300nmに吸収のピークがあるので、上記範囲の波長の紫外線を第1の一本鎖ポリヌクレオチド1に対して照射することによって、他の塩基への紫外線の影響を抑えながらピリミジンを効率よく励起させることができる。
また、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1に対して照射する電磁波の強さは、例えば、紫外線を照射する場合は、10〜5000mJ/cmであることが好ましく、100〜2000mJ/cmであることがさらに好ましい。第1の一本鎖ポリヌクレオチド1に対して照射する紫外線の強さが10mJ/cm以上であれば、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1をメンブレン9に対して十分に固定化することができる。また、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1に対して照射する紫外線の強さが5000mJ/cm以下であれば、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1をメンブレン9に対して効率よく固定化することができる。特に、照射量が2000mJ/cm付近で、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1をメンブレン9に対する結合量が最大に達し、2000mJ/cmを超えると結合量にほとんど変化がなくなることを本願発明者等は見出している。
また、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1に対する紫外線の照射時間は、使用機器の波長に対し、照射時間と照射距離を適宜変更して必要照射量を得るように設定すればよい。
第1の一本鎖ポリヌクレオチド1のポリピリミジン領域2とメンブレン9とは、紫外線を照射することによって結合されていることが好ましい。これによって、ポリピリミジン領域2とメンブレン9とが強固に結合するので、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1をメンブレン9に強固に固定化することができる。
尚、詳述したように、UV照射を受けた第1の一本鎖ポリヌクレオチド1のポリピリミジン領域2にはピリミジン二量体が生じるが、その過程でラジカルも発生する。生じたラジカルが付着しているメンブレン9の官能基とも反応することで、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1のポリピリミジン領域2は、メンブレン9と共有結合的に固定化されるものと考えられる。しかし、UV照射によるポリピリミジン領域2とメンブレン9との反応は、メンブレンの種類や表面構造を問わない反応であると考えられるため、メンブレン9とポリピリミジン領域2との結合をその構造または特性により直接特定することは困難であり、およそ実際的でない。
第1の一本鎖ポリヌクレオチド1が、ポリピリミジン領域2を有している場合、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1のポリピリミジン領域2は、電磁波照射によって少なくとも一部がピリミジン二量体を形成していることが好ましい。ポリピリミジン領域2に対する電磁波照射によって形成したピリミジン二量体とメンブレン9表面との相互作用によって、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1がメンブレン9に固定化されるものと考えられる。したがって、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1は、ポリピリミジン領域2を介して相補結合領域がメンブレン9に固定化されているともいえる。ピリミジン二量体(例えば、シクロブタン型ピリミジンダイマー)を特異的に認識し得る抗体が市販されているので、このような特異的抗体を用いた免疫化学的手法を用いることで、ポリピリミジン領域2にピリミジン二量体が形成されていることを確認することができる。
第1の一本鎖ポリヌクレオチド1が固定化された領域(ポリヌクレオチド固定化領域15aおよび15b)は、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4がハイブリダイゼーションされた後には、検出領域11aおよび11bと称される。
(第2の一本鎖ポリヌクレオチド4)
図2に示すように、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4は第1の捕捉物質5と直接的または間接的に結合させることができる。図2では、第1の捕捉物質5が有している官能基8と、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4の末端に付加された官能基6とが、リンカー7を介して結合している。
第1の一本鎖ポリヌクレオチド1と同様に、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4を構成するヌクレオチドとしては特に限定されず、任意のデオキシリボヌクレオチドであってもよく、任意のリボヌクレオチドであってもよい。また、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4を構成するヌクレオチドは、リボヌクレオチドまたはデオキシリボヌクレオチドが化学修飾(例えば、メチル化等)を受けたものであってもよい。但し、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1がDNAである場合は、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4もDNAであることが好ましく、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1がRNAである場合は、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4もRNAであることが好ましい。
また、図2に示すように、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4は、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1と相補的に結合するための領域(相補結合領域)を有している。
(a)相補結合領域
相補結合領域の塩基配列は、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1と核酸の塩基の対合によるハイブリダイゼーションを生じさせる塩基配列であればよい。相補結合領域については、「第1の一本鎖ポリヌクレオチド1」の項で説明したとおりであるので説明は省略する。
第2の一本鎖ポリヌクレオチド4は、少なくとも一部が第1の一本鎖ポリヌクレオチド1とハイブリダイゼーション可能な構成となっていればよい。従って、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4の全体が相補結合領域であってもよく、一部が相補結合領域であってもよい。第2の一本鎖ポリヌクレオチド4の一部が相補結合領域である場合とは、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4が、相補結合領域以外の任意の配列を含んでいる場合が意図される。但し、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4の一部が相補結合領域である場合、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4は、ポリピリミジン領域を有しない。第2の一本鎖ポリヌクレオチド4は、相補結合領域のみを有していることが好ましい。
(b)官能基6
官能基6は、第1の捕捉物質5が有している官能基8と直接的または間接的に結合可能なものであれば、その種類は特に限定されない。官能基6としては、例えば、チオール基、アミノ基、カルボキシル基、ジアゾ基、アルデヒド基、マレイミド基、アルキン基等を挙げることができる。
官能基6は、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4の末端であれば、5’末端または3’末端のどちらに付加されていてもよい。第1の一本鎖ポリヌクレオチド1のポリピリミジン領域2が設けられている末端と、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4の官能基6が付加されている末端は、同一であることが好ましい。つまり、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1の3’末端にポリピリミジン領域2が設けられている場合は、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4においても3’末端に官能基6が付加されていることが好ましい。これにより、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4は、第1の一本鎖ポリヌクレオチド1のポリピリミジン領域が存在している末端と同一の末端側に、第1の捕捉物質5を結合することができる。
第2の一本鎖ポリヌクレオチド4の末端に官能基6を付加する方法としては、例えば、3’あるいは5’ヒドロキシ基を利用して末端修飾する方法、修飾塩基をポリヌクレオチドに挿入する方法、チミジン誘導体によるT塩基の置換等の方法を用いることができる。
(c)第2の一本鎖ポリヌクレオチド4と第1の捕捉物質5との結合
第1の捕捉物質5は、被検出物を捕捉し得るタンパク質である。第1の捕捉物質5は、官能基6と直接的または間接的に結合可能な官能基8を有している。官能基8は、第1の捕捉物質5の表面に存在していればよく、必ずしも、第1の捕捉物質5のタンパク質の末端に存在していなくてもよい。
官能基8は、第1の捕捉物質5の表面に天然に存在する官能基であり得る。つまり、第1の捕捉物質5がLys(リシン)またはArg(アルギニン)を有している場合は、これらのアミノ酸が有しているアミノ基を官能基8として利用することができる。また、第1の捕捉物質5のタンパク質がGlu(グルタミン酸)、Asp(アスパラギン酸)を有している場合は、これらのアミノ酸が有しているカルボキシル基を官能基8として利用することができる。また、第1の捕捉物質5のタンパク質がCys(システイン)を有している場合は、Cysが有しているチオール基を官能基8として利用することができる。また、第1の捕捉物質5に糖鎖や脂質が付加されている場合には、それらの官能基も官能基8となり得る。
官能基8の種類は特に限定されず、官能基6の種類または官能基6との結合様式(直接的か間接的か)によって適宜選択することができる。例えば、官能基6と官能基8とが直接的に結合する場合は、官能基6がチオール基である場合は、官能基8としてはチオール基を好適に選択することができる。また、例えば、図2に示したように、官能基6と官能基8とがリンカー7を介して間接的に結合する場合は、官能基6がチオール基であり、リンカー7がSMCC(succinimidyl 4-(N-maleimidomethyl)cyclohexane-1-carboxylate)[CAS No.64987-85-5]である場合は、官能基8としてはアミノ基を好適に選択することができる。
リンカー7は、官能基6と官能基8とを間接的に結合させることができるものであれば、SMCC以外の物質であってもよい。例えば、EMCS(N -(6-Maleimidocaproyloxy)succinimide)[CAS No. 55750-63-5]、SPDP(N -Succinimidyl 3-(2-pyridyldithio)propionate)[CAS No. 68181-17-9]、GMBS(N -(4-Maleimidobutyryloxy)succinimide)[CAS No. 80307-12-6]、KMUS(N -(11-Maleimidoundecanoyloxy)succinimide)[CAS No. 87981-04-2]等をリンカー7として採用することも可能である。
官能基8を有している第1の捕捉物質5と、官能基6が付加された第2の一本鎖ポリヌクレオチド4とを結合させる方法としては、例えば、第1の捕捉物質5の官能基8とリンカー7とを予め結合させる。その後、第1の捕捉物質5の官能基8とリンカー7との複合体に、第2の一本鎖ポリヌクレオチド4を混合し、リンカー7の官能基8が結合している末端とは反対側の末端に第2の一本鎖ポリヌクレオチド4の官能基6を結合させる方法を挙げることができる。または、官能基8を有している第1の捕捉物質5と、官能基6が付加された第2の一本鎖ポリヌクレオチド4とを混合して、官能基6および官能基8同士を直接結合させることも可能である。尚、官能基6と官能基8、官能基6とリンカー7、および官能基8とリンカー7は全て、化学的に結合している。
(第1の捕捉物質5)
第1の捕捉物質5は、被検出物を捕捉し得るタンパク質である。ここで、「被検出物を捕捉し得る」とは、「検出物と特異的に結合する」または「被検出物を特異的に認識する」とも言い換え可能である。
第1の捕捉物質5としては、被検出物が抗原である場合には、その抗原に特異的に結合し得る抗体であり得る。被検出物である抗原を認識できるものであれば、第1の捕捉物質5は、抗体に限定されず、抗原を特異的に認識可能なペプチドアプタマーまたはペプチドであってもよい。
また、被検出物が抗体である場合には、第1の捕捉物質5としては、その抗体の特異的な抗原であってもよく、またはその抗体に特異的に結合し得る抗体であってもよい。
本明細書において、第1の捕捉物質5としての「抗体」は、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、またはFabフラグメントやFab発現ライブラリーによって生成されるフラグメント等のように抗原結合性を有する上記抗体の一部が包含される。
また、第1の捕捉物質5としての「抗原」は、被検出物である抗体の抗原であれば、タンパク質に限定されない。例えば、「抗原」としては、ヒトを含む生体内に存在するあらゆるタンパク質、多糖類、脂質等が挙げられる。
後述する実施例に示すように、本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置は、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置と比較して、少量の捕捉物質で被検出物を検出することができるという効果を奏する。従って、メンブレン9に固相化される第1の捕捉物質5の量は、0.1μg以上であることが好ましい。メンブレン9に固相化される第1の捕捉物質5の量の上限は、特に限定しないが、2μg以下であることが好ましい。メンブレン9に固相化される第1の捕捉物質5の量が0.1μg以上であれば、被検出物を検出することが可能である。このように、本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置によれば、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置と比較して、少量の捕捉物質で被検出物を検出することができる。
(メンブレン9)
メンブレン9は、被検出物を捕捉するための第1の捕捉物質5を固相化する性能を有する部材であり、且つ液体成分が面方向に展開(通行)することを妨げない性能を有する。好ましくは、メンブレン9は、毛細管作用を有する多孔性薄膜であり、試料に含まれている液体成分及びそれに分散した成分を、吸収して展開させることにより輸送可能な材料である。
メンブレン9を構成している材料は特に限定されるものではなく、例えば、ニトロセルロース、親水性ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、親水性ポリプロピレンメンブレン、親水性ポリビニリデンジフルオライド(polyvinylidene fluoride;PVDF)等が挙げられる。このうちニトロセルロースを用いて薄膜としたものがメンブレン9としてより好ましい。
(標識体領域10)
標識体領域10には、被検出物を捕捉し得て且つ標識担体で標識された第2の捕捉物質(図示しない)が保持されている。標識体領域10は多孔性基材を有している。多孔性基材の材質は、一般的に用いられているガラス繊維や不織布等を用いることができる。
(a)第2の捕捉物質
第2の捕捉物質は、被検出物を捕捉し得る物質であれば特に限定されない。被検出物を捕捉し得る物質については、上記「第1の捕捉物質」において説明したとおりであるので説明は省略する。
尚、第2の捕捉物質がモノクローナル抗体である場合、第1の捕捉物質とは異なるエピトープを認識するモノクローナル抗体を採用することが好ましい。
(b)標識担体
第2の捕捉物質を標識担体で標識する方法としては、第2の捕捉物質と標識担体とを混合して反応させる方法を挙げることができる。
標識担体は、第2の捕捉物質が被検出物と複合体を形成した後に、何らかの手段で検出可能なものが意図される。このような標識担体としては、例えば、アルカリフォスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ等の酵素;金コロイド等の金属コロイド;シリカ粒子;セルロース粒子;及び着色ラテックス粒子等を使用することができる。また、標識担体として蛍光粒子を使用することも可能である。これらは、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。標識担体は、着色粒子、蛍光粒子、酵素、金属コロイド、シリカ粒子及びセルロース粒子からなる群より選択される1種以上であり得る。
標識担体として金属コロイド粒子または着色ラテックス粒子等の着色粒子を用いる場合には、これらの標識担体が凝集することによって着色が生じる。このため、この着色を目視または光測定装置により測定することによって標識担体を検出可能である。また、標識担体として酵素を用いる場合には、標識担体を検出するステップの途中で基質を添加する操作及び酵素と基質との反応を停止させる操作が必要であるが、これに対して、標識担体として金属コロイド粒子または着色ラテックス粒子を用いる場合には、標識担体を検出するステップの途中でそのような煩雑な操作を必要としない。また、標識担体として蛍光粒子を用いる場合は、励起光を照射して蛍光粒子を発光させる必要があるが、発光した光が微弱で目視での検出が困難な場合には専用の装置が必要となる。以上のことから、標識担体の検出の簡便性を考慮すると、標識担体として金属コロイド粒子または着色ラテックス粒子等の着色粒子を用いることが好ましい。
図3では、標識体領域10を備えたイムノクロマトグラフィー装置100を例示したが、本発明の他の実施形態においては、イムノクロマトグラフィー装置は標識体領域10を備えていなくてもよい。この場合は、試料と第2の捕捉物質とを予め混合して反応させておき、反応物をイムノクロマトグラフィー装置に供することによって、標識体領域10を備えたイムノクロマトグラフィー装置100を用いた場合と同様の効果が得られる。
(サンプルパッド12)
サンプルパッド12は、試料を供給するための部材であり、吸水性を持つ多孔性材料から成る。サンプルパッド12には、一般的に用いられるセルロース、ガラス繊維、不織布等を用いることができる。多量の試料を免疫測定に用いるために、サンプルパッド12は、厚さ0.3mm〜1mm程度のパッド状であることが好ましい。尚、サンプルパッド12と前述の標識体領域10は、あくまで機能的な区別であって、必ずしも個別の材料である必要はない。すなわち、サンプルパッド12として設置した材料の一部領域が標識体領域10の機能を兼ねることも可能である。
(吸収帯13)
吸収帯13は、メンブレン9に供給されて検出領域11で反応に関与しなかった成分を吸収するための部材である。吸収帯13は、一般的な天然高分子化合物、合成高分子化合物等からなる保水性の高いろ紙、スポンジ等を用いることができるが、試料の展開を促進するためには、吸水性が高いものであることが好ましい。
(バッキングシート14)
バッキングシート14は、前述の全ての部材、すなわちメンブレン9、サンプルパッド12、標識体領域10、吸収帯13等が、部分的な重なりをもって貼付・固定されるための部材である。バッキングシート14は、これらの部材が最適な間隔で配置・固定されるのであれば、必ずしも必要ではない。しかし、製造上あるいは使用上の利便性から、一般的にはバッキングシート14を備えていることが好ましい。
(その他の構成)
イムノクロマトグラフィー装置100には、さらに対照表示領域(部材)(図示しない)が設けられていてもよい。対照表示領域は、メンブレン9上の一領域として設けられてもよく、メンブレン9とは別の部材として設けられてもよい。
対照表示領域(部材)は、イムノクロマトグラフィー試験が正確に実施されたことを示す部位である。例えば、対照表示領域(部材)は、メンブレン9の検出領域11の下流に設けられており、試料中の液体成分が検出領域11を通過し、対照表示領域に到達したときに着色等によりシグナルを発する。これにより、試料中の液体成分が検出領域11を通過したことを確認することができる。
対照表示領域には、標識担体で標識されている第2の捕捉物質を捕捉し得る第3の捕捉物質を固相化しておいてもよいし、試料が対照表示領域に到達したときに色が変化するpHインジケーター等の試薬を固相化しておいてもよい。例えば、第2の捕捉物質がマウスモノクローナル抗体の場合は、第3の捕捉物質としては、抗マウスIgG抗体を用いることができる。
また、イムノクロマトグラフィー装置100は、5mm前後の幅の短冊状の試験片とすることができる。イムノクロマトグラフィー装置100は、この短冊状の試験片をプラスチック製のハウジング(図示しない)に格納したものであってもよい。
(2.試料)
本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置の多孔性流路を、試料中の液体成分が浸透して展開すればよいので、試料は、イムノクロマトグラフィー装置の多孔性流路を浸透して展開可能な量の液体成分を含有しているものであればよい。従って、試料は液体状であってもよく、ゲル状であってもよい。本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置に供される試料は、検体そのものまたは検体の調製物であり得る。
また、試料は、被検出物を含んでいないものであってもよい。尚、「被検出物を含んでいない」とは、被検出物を全く含んでいないか、または、本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置では検出できる量よりも少ない量の被検出物を含んでいる場合をいう。
(3.被検出物)
本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置において、検出対象となる被検出質は、イムノアッセイ、すなわち抗原−抗体反応を利用したアッセイで検出し得る、抗原または抗体である。
「抗原」としては、特異的抗体が取得できるものであれば、いかなる物質であってもよい。例えば、「抗原」としては、ヒトを含む生体内に存在するあらゆるタンパク質、多糖類、脂質等が挙げられる。また、これらの物質を含有している原生動物、真菌、細菌、マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア、ウイルス等も被検出物となり得る。
〔2.本発明の一態様に係る検出方法〕
本発明の一態様に係る検出方法は、上述したイムノクロマトグラフィー装置を用いて試料中の被検出物の有無を検出する方法である。これにより、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置を用いる方法と比較して、被検出物を高感度に検出することができるという効果を奏する。
本発明の一態様に係る検出方法は、被検出物を捕捉し得て且つ標識担体で標識された第2の捕捉物質と、試料とを反応させる反応工程と、反応工程後の反応物を、前記イムノクロマトグラフィー装置の検出領域と接触させる接触工程と、接触工程後に、前記検出領域における前記標識担体の有無を検出する検出工程と、を含む構成である。
本発明の一態様に係る検出方法に使用するイムノクロマトグラフィー装置の構成については、上記「1.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置」の項で説明したとおりである。
本発明の一態様に係る検出方法が含んでいる各工程について以下に説明する。
(反応工程)
反応工程では、被検出物を捕捉し得て且つ標識担体で標識された第2の捕捉物質と、試料とを反応させる。「第2の捕捉物質」および「試料」については、上記「1.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置」の項で説明したとおりである。
試料と第2の捕捉物質とを反応させる方法については、特に限定されず、例えば、試料と第2の捕捉物質とを混合することによって反応させることが可能である。
図3に示すイムノクロマトグラフィー装置100を検出方法に使用する場合は、反応工程は、標識体領域10において行われる。「標識体領域10」については、上記「1.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置」の項で説明したとおりである。
一方で、標識体領域10を備えていないイムノクロマトグラフィー装置を検出方法に使用する場合は、試料をイムノクロマトグラフィー装置に供する前に、予め第2の捕捉物質と混合して反応させておき、反応物をイムノクロマトグラフィー装置に供することも可能である。
反応工程によって、例えば、試料中に抗原(被検出物)が存在する場合において、抗原と標識抗体(第2の捕捉物質)との特異的反応により抗原−抗体複合体を形成させることができる。
(接触工程)
接触工程は、反応工程後の反応物を、イムノクロマトグラフィー装置100の検出領域11と接触させる工程である。
反応工程後の反応物中に抗原−抗体複合体が存在する場合は、検出領域11に固定化された捕捉抗体(第1の捕捉物質)によって抗原が特異的に捕捉される。その結果、検出領域11には、抗原(被検出物)を介した捕捉抗体(第1の捕捉物質)と標識抗体(第2の捕捉物質)とによってサンドイッチされた複合体が形成される。
(検出工程)
検出工程では、接触工程後に、検出領域11における標識担体の有無を検出する。接触工程によって検出領域11に形成された複合体は、標識抗体(第2の捕捉物質)の標識担体の存在を指標として検出することができる。
例えば、標識担体が金属コロイド粒子や着色ラテックス粒子等の着色粒子である場合は、抗原(被検出物)が存在する場合には、検出領域11に複合物が形成されることによって着色粒子が集積する。その結果、検出領域11が色を呈するので、この色を目視または光測定装置により検出することにより、抗原(被検出物)を検出することができる。
本発明の一実施形態に係る検出方法として、標識抗体(第2の捕捉物質)および捕捉抗体(第1の捕捉物質)を用いて試料中の抗原(被検出物)を検出する場合について説明したが、本発明に係る検出方法はこれに限定されない。本発明に係る検出方法によって、試料中の任意の抗体を検出することも可能である。この場合、第1の捕捉物質として、被検出物である抗体の抗原をメンブレン9に固相化し、第2の捕捉物質として、被検出物である抗体の抗原を標識したもの(標識抗原)を用いればよい。
〔3.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置の製造方法〕
本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置の製造方法(以下、「本発明の一態様に係る製造方法」と称する。)は、試料中の被検出物の有無を検出するためのイムノクロマトグラフィー装置の製造方法である。
本発明の一態様に係る製造方法は、上記「1.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置」の項で説明したイムノクロマトグラフィー装置を製造するために、固相化担体に、第1の一本鎖ポリヌクレオチドを結合させて、固相化担体にポリヌクレオチド固定化領域を形成する工程(固定化領域形成工程)と、第1の捕捉物質と結合している第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部を、ポリヌクレオチド固定化領域における第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と相補的に結合させることによって、固相化担体に検出領域を形成する工程(検出領域形成工程)を含んでいる。
「固定化領域形成工程」および「検出領域形成工程」については、上記「1.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置」の項で説明したとおりである。
固定化領域形成工程は、第1の一本鎖ポリヌクレオチドがポリピリミジン領域を含んでいる場合は、固相化担体に第1の一本鎖ポリヌクレオチドを接触させた後に紫外線を照射することによって、第1の一本鎖ポリヌクレオチドを固相化担体に結合させる工程であってもよい。紫外線照射によって第1の一本鎖ポリヌクレオチドを固相化担体に結合させる方法についても、上記「1.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置」の項で説明したとおりである。
本発明の一態様に係る製造方法によれば、上述したような、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置を製造することができる。
〔4.本発明の一態様に係るキット〕
本発明の一態様に係るキットは、試料中の被検出物の有無を、前記被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質を用いて検出するためのイムノクロマトグラフィー装置を製造するためのキットである。
本発明の一態様に係るキットは、試料を面方向に展開するための固相化担体と、固相化担体に結合している第1の一本鎖ポリヌクレオチドと、第1の捕捉物質と結合させるための第2の一本鎖ポリヌクレオチドと、を備えている。
「固相化担体」、「第1の一本鎖ポリヌクレオチド」、「第1の捕捉物質」および「第2の一本鎖ポリヌクレオチド」については、上記「1.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置」の項で説明したとおりである。
本発明の一態様に係るキットによれば、上述したような、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置を製造することができる。
本発明の一態様に係るキットは、特定の「第1の捕捉物質」及び特定の「第2の捕捉物質」の両方、または特定の「第2の捕捉物質」を含むことによって、特定の被検出物の有無を検出するためのイムノクロマトグラフィー装置を製造するためのキットとしてもよい。「固相化担体」は、「第2の捕捉物質」を保持するための「標識体領域」を、標識体領域が固相化された検出領域よりも展開方向上流側に備えていてもよい。「第1の捕捉物質」、「第2の捕捉物質」及び「標識体領域」については、上記「1.本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置」の項で説明したとおりである。
本発明の一態様に係るキットは、他の試薬及び器具を含んでもよい。例えば、固相化担体、第1の一本鎖ポリヌクレオチド、第2の一本鎖ポリヌクレオチドを安定的に保持するための試薬、バッファー等を含んでもよいし、第1の一本鎖ポリヌクレオチド、第2の一本鎖ポリヌクレオチドを固相化担体、第1の捕捉物質に結合させるための試薬を含んでもよい。また、本発明の一態様に係るキットは、複数の異なる試薬を、適切な容量及び/又は形態で混合していてもよいし、それぞれ別の容器により提供してもよい。
また、本発明の一態様に係るキットには、イムノクロマトグラフィー装置を製造するための手順及び/又はイムノクロマトグラフィー装置を用いて被検出物を検出するための手順等を記載した指示書を含んでもよい。紙またはその他の媒体に書かれていても印刷されていてもよく、あるいは磁気テープ、コンピューター読み取り可能なディスク又はCD−ROM等のような電子媒体に付されてもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
[試験例1]
ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法によって、ニトロセルロースメンブレン及び親水性PVDFメンブレンにそれぞれ固相化した抗B型インフルエンザウイルスNP抗体について、B型インフルエンザウイルスNP抗原の検出感度を確認した。尚、説明の便宜上、「B型インフルエンザウイルス」を「FulB」と省略し、「B型インフルエンザウイルスNP」を「NP(FulB)」または「NP」と省略する場合がある。また、上記「NP」とは、インフルエンザウイルスのエンベロープ内部にあるNPタンパク質と称される核タンパク質のことをいう。
<1.物理吸着法による抗体固相化メンブレンの作製(比較例1)>
(1−1.固相用抗NP(FulB)抗体の調製)
精製抗NP(FulB)モノクローナル抗体を、固相液(10mM Tris−HCl(pH7.5))に透析し、透析後に0.22μmろ過を行い、ろ液を固相液で希釈して固相用抗NP(FulB)抗体を調製した。
(1−2.物理吸着による抗NP(FulB)抗体の固相化)
上記(1−1)で調製した固相用抗NP(FulB)抗体を、1000、100、10または1μg/mlとなるようにPBSで希釈した。希釈液を2μlずつニトロセルロースメンブレン及び親水性PVDFメンブレンにそれぞれスポットした後に、メンブレンを風乾した。続いて2%BSA−TBST中にメンブレンを浸し、振とうしながら室温(27℃)1時間反応させた。これによって、物理吸着法によって抗NP(FulB)抗体を固相化したニトロセルロースメンブレン(比較例1)及び親水性PVDFメンブレン(比較例2)を得た。尚、ニトロセルロースメンブレンは、Millipore社製、Cat No. HFDK11004を使用し、親水性PVDFメンブレンは、Millipore社製、Cat No. HVLP0950を使用した。
<2.ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法による抗体固相化メンブレンの作製(参考例1及び2)>
(2−1.ポリヌクレオチド固定化メンブレンの作製)
以下に示す塩基配列からなるポリヌクレオチド(SIGMA-Aldrich社製)をプローブ(第1の一本鎖ポリヌクレオチド)として、2×SSC(Saline Sodium Citrate Buffer)で25μMの濃度となるように希釈してプローブ溶液を調製した。
・配列番号1:5’- GCAGATTCATTGGTCAGAGAACATTTTTTTTTTTTTTTTTTTT -3’
プローブ溶液を、2μlずつニトロセルロースメンブレン及び親水性PVDFメンブレンにそれぞれスポットした。スポット後に、CSV社のUV照射装置(BLX-312 UV Cross linker)を用いて200〜500mJ/cm程度の紫外線光(波長312nm)を照射することによって、プローブをメンブレンに固定化した。具体的には、350mJ/cm相当のエネルギー量で2回照射した。尚、ニトロセルロースメンブレン及び親水性PVDFメンブレンは、それぞれ、比較例1及び2のニトロセルロースメンブレン及び親水性PVDFメンブレンの作製に使用したものと同じものを用いた。
(2−2.相補ポリヌクレオチド結合用抗NP(FulB)抗体のSMCC修飾)
架橋剤であるSMCCをDMFで溶解したSMCC溶液と、精製抗NP(FulB)モノクローナル抗体をPBS−EDTAで溶解した抗体溶液とを、SMCC:抗体=5.5:1(モル比)で混合して25℃で1時間反応させた。Hi Trap Desaltingカラム(GE Healthcare社製)を用いてゲルろ過クロマトグラフィーを行い、反応液中から未反応SMCCを除去することによって、SMCC修飾した相補ポリヌクレオチド結合用抗NP(FulB)抗体(以下、「SMCC修飾抗NP(FulB)抗体」と称する。)を調製した。尚、精製抗NP(FulB)モノクローナル抗体は、比較例1及び2のニトロセルロースメンブレン及び親水性PVDFメンブレンの作製に使用したものと同じものを用いた。
(2−3.チオール基導入相補ポリオヌクレオチドの還元)
以下に示す塩基配列からなる乾燥状態のチオール基導入相補ポリヌクレオチド(SIGMA-Aldrich社製)を4×SSCで100μMに調製し、0.1M DTT−Trisと混合して37℃で1時間反応させて、チオール基の−S−S−結合を切断した。尚、チオール基は、チオール基導入相補ポリヌクレオチドの3’末端に導入されている。
平衡化したNAP5カラム(GE Healthcare社製)を用いて反応液中のBuffer成分及び保護基の除去を行った後に、PBS−EDTAを用いて還元したチオール基導入相補ポリヌクレオチドをカラムから溶出した。
・配列番号2:5’- TGTTCTCTGACCAATGAATCTGC -3’(3’末端にチオール基導入)
(2−4.抗NP(FulB)抗体と相補ポリヌクレオチドとの結合)
上記(2−2)で作製したSMCC修飾抗NP(FulB)抗体と、上記(2−3)で作製したチオール基導入相補ポリヌクレオチドとを、モル比1:1で混合し、25℃で30分間反応させた。
反応液は、Ultra-0.5 Centrifugal Filter Devices(Merk Millipore社製)を用いて遠心操作(15000×g、10分間)を4回繰り返して限外ろ過を行い、未反応のチオール基導入相補ポリヌクレオチドを除去して、チオール基導入相補ポリヌクレオチドとSMCC修飾抗NP(FulB)抗体との複合体を得た。この複合体においては、抗NP(FulB)抗体と相補ポリヌクレオチドとは、相補ポリヌクレオチドの3’末端に導入されたチオール基とSMCC修飾抗NP(FulB)抗体のSMCCに含まれるマレイミド基とが化学的に結合することによって結合されている。尚、この複合体を、以下、「相補ポリヌクレオチド結合抗NP(FulB)抗体」と称する。
(2−5.メンブレン固定ポリヌクレオチドと相補ポリヌクレオチド結合抗NP(FulB)抗体とのハイブリダイゼーション)
上記(2−1)で作製したニトロセルロースメンブレン及び親水性PVDFメンブレンを、それぞれPBS−Tween80で洗浄した。また、上記(2−4)で調製した相補ポリヌクレオチド結合抗NP(FulB)抗体をPBS−Tween80で1000、100、10または1μg/mlに希釈して希釈液を調製した。
各メンブレンのポリヌクレオチド固定化位置に、各希釈液を2μlずつスポットし、メンブレンを風乾した。1%PBS−Tween80中にメンブレンを浸し、振とうしながら室温で1時間反応させた。これによって、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法によって抗NP(FulB)抗体を固相化したニトロセルロースメンブレン(参考例1)及び親水性PVDFメンブレン(参考例2)を得た。
<3.NP(FulB)抗原の検出>
(3−1.NP(FulB)抗原のメンブレンへの結合)
NP(FulB)抗原を、0.2%BSA−TBSTで1、0.1、0.01または0μg/mLとなるよう希釈した。各希釈液に上記<1>及び上記<2>で作製したメンブレン(比較例1〜2及び参考例1〜2)をそれぞれ浸し、振とうしながら室温で1時間反応させた後に、TBSTでメンブレンをそれぞれ洗浄した。
(3−2.ビオチン化抗NP(FulB)抗体の調製)
固相化に使用した「精製抗NP(FulB)モノクローナル抗体」とは異なるエピトープを認識する抗NP(FulB)モノクローナル抗体をPBS−EDTAに4℃で一晩透析し、遠心分離機で凝集体を除いて回収した(20000×g、5分間)。
透析後の抗NP(FulB)モノクローナル抗体と、ビオチン化試薬(ビオチンアミドカプロン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)/DMFとを、モル比1:100となるよう混合し、37℃で1時間反応させた。反応液をPBS−EDTAで透析(4℃で16時間以上)を2度繰り返し、未反応のビオチン化試薬を取り除いて、ビオチン化した抗NP(FulB)モノクローナル抗体(以下、「ビオチン化抗NP(FulB)抗体」と称する。)を得た。
(3−3.ビオチン化抗NP(FulB)抗体のメンブレンへの結合)
上記(3−2)で調製したビオチン化抗NP(FulB)抗体を、0.2%BSA−TBSTで1μg/mlの濃度になるように希釈して希釈液を調製した。各希釈液に、上記(3−1)で得られたメンブレンをそれぞれ浸して、振とうしながら室温で1時間反応させた後に、TBSTでメンブレンをそれぞれ洗浄した。
(3−4.NP(FulB)抗原の検出)
上記(3−3)で得られた各メンブレンに、0.2%BSA−TBSTで5000倍に希釈したAlkaline phosphatase標識ストレプトアビジン(SIGMA製)をそれぞれ添加し、振とうしながら室温で1時間反応させた後に、TBSTでメンブレンをそれぞれ洗浄した。洗浄後の各メンブレンに、発色用BCIP/NBT溶液(SIGMA製)をそれぞれ添加して25℃で10分間発色反応させ、風乾した。
<4.結果>
結果を図4及び表1に示した。図4は、物理吸着法またはポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法により固相化担体に固定化した抗体の抗原検出能を示す図である。図4中、(A)は固相化担体としてニトロセルロースメンブレンを使用した場合の結果を示し、左図は物理吸着法による比較例1の結果を示し、右図はポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法による参考例1の結果を示し、(B)は固相化担体として親水性PVDFメンブレンを使用した場合の結果を示し、左図は物理吸着法による比較例2の結果を示し、右図はポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法による参考例2の結果を示している。
図4の(A)の左図及び表1に示すように、物理吸着法によりニトロセルロースメンブレンに抗NP(FulB)抗体を固定化した比較例1では、NP(FulB)抗原の濃度が0.01μg/mLの場合に、抗体濃度100μg/mLで僅かに発色を認めた。これに対して、図4の(A)の右図及び表1に示すように、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法によりニトロセルロースメンブレンに抗NP(FulB)抗体を固定化した参考例1では、NP(FulB)抗原の濃度が0.01μg/mLの場合に、抗体濃度1μg/mlであっても発色を認めた。これらの結果から、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法により固相化担体に固定化した抗体は、物理吸着法により固相化担体に固定化した抗体と比較して、抗原に対する高い結合活性を有することを確認した。
また、親水性PVDFと比較して、ニトロセルロースに対する抗体の残存活性が高かった。これはポリヌクレオチドの各固相化担体への固定化量の差によるものであるといえる。つまり、親水性PVDFと比較して、ニトロセルロースに対するポリヌクレオチドの固定化量が多くなったため、結果的に、親水性PVDFよりもニトロセルロースの方が固定化された抗体量が多くなり、抗体の残存活性は高くなったと考えられた。
以上の結果から、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法により、本来タンパク質に対して低吸着能を有するため抗体の固相化が困難と考えられる親水性膜(親水性PVDF)や、物理吸着による固相化では固相タンパク質の変性が起こると考えられる疎水性膜(ニトロセルロース膜)上においても抗体を安定的に固定化でき、且つ変性等の構造変化による抗原結合活性の低下を抑制することが可能であり、結果的に、物理吸着法よりもポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法の方が抗原結合活性能を有する固相化抗体量が多くなったため、抗原を高感度に検出できたと考えられた。
[試験例2]
B型インフルエンザウイルスNP抗原の検出を目的に、物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置及びポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置をそれぞれ作製し、B型インフルエンザウイルスNP抗原の検出範囲を比較した。
<1.物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置の作製(比較例3)>
(1−1.標識抗NP(FulB)抗体の作製)
固相化に使用した「精製抗NP(FulB)モノクローナル抗体」とは異なるエピトープを認識する抗NP(FulB)モノクローナル抗体を緩衝液(pH6.0)溶液で透析後、青色ポリスチレンラテックス粒子(JSR社製、Cat No. IMMUTEX K0307B)と混合し、反応させた。次に、EDAC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)を最終濃度0.1%になるように反応液に添加した後、室温で2時間反応させた。洗浄後、5mM Tris,0.04(W/V)%BSA(ウシ血清アルブミン)にラテックス粒子を浮遊し、超音波分散装置でラテックス粒子を分散させて、標識抗NP(FulB)抗体を得た。
(1−2.固相用抗NP(FulB)抗体の調製)
精製抗NP(FulB)モノクローナル抗体を、固相液(10mM Tris−HCl(pH7.5))に透析し、透析後に0.22μmろ過を行い、ろ液を固相液で希釈して固相用抗NP(FulB)抗体を調製した。尚、精製抗NP(FulB)モノクローナル抗体は、試験例1で使用した精製抗NP(FulB)モノクローナル抗体と同じものを用いた。
(1−3.抗体固相化メンブレンの作製)
メンブレンは、幅3cm×長さ10cmのニトロセルロースメンブレンシート(白色)を用いた。その長軸側の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)から8mm離れた位置に上記(1−2)で調製した固相用抗NP(FulB)抗体を、12mm離れた位置に抗マウスIgG抗体を、陽圧噴霧装置(BioDot社製)を用いて線状に塗布して検出領域とした。塗布後、45℃の温風を10分間吹き付けてメンブレンを乾燥した。尚、ニトロセルロースメンブレンは、試験例1で使用したものと同じものを用いた。
(1−4.B型インフルエンザウイルス(FulB)検出用イムノクロマトグラフィー装置の作製)
FulB検出用イムノクロマトグラフィー装置は、図3に示すものと同様の構成のものを用いた。つまり、上記(1−3)で作製した検出領域11を含む抗体固相化メンブレン9と、他部材(バッキングシート14、吸収帯13、サンプルパッド12、及び標識抗体を含まない標識抗体パッド(標識体領域)10)とを貼り合せて、長軸方向に沿って、幅5mmとなるように切断し、図3に示すイムノクロマトグラフィー装置を作製した。
<2.ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置の作製(実施例1)>
(2−1.ポリヌクレオチド固定化メンブレンの作製)
メンブレンは、幅6cm×長さ60cmのニトロセルロースメンブレンシート(白色
)を用いた。尚、ニトロセルロースメンブレンは、比較例3のイムノクロマトグラフィー装置の作製に使用したものと同じものを用いた。
以下に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドをプローブとするプローブ溶液を調製した。
・配列番号1:5'- GCAGATTCATTGGTCAGAGAACATTTTTTTTTTTTTTTTTTTT -3’
プローブ溶液を、特開2003−75305号公報に記載されている吐出ユニット(インクジェット法)を用いた日本ガイシ株式会社GENESHOT(登録商標)スポッターを用いて、メンブレンにスポットした。具体的には、メンブレンの長軸側の一端(この端を上流端、反対側を下流端とする)から8mm離れた位置(第1固定化領域)に、プローブ溶液を線状にスポットした。
プローブは、スポット後に、Spectroline社のUV照射装置(XL-1500 UV Crosslinker)を用いて200〜500mJ/cm程度の紫外線光(波長254nm)を照射することによって、メンブレンに固定化した。
(2−2.標識抗NP(FulB)抗体の作製)
比較例3の上記(1−1)に記載した方法と同じ方法で、標識抗NP(FulB)抗体を作製した。
(2−3.相補ポリヌクレオチド結合用抗NP(FulB)抗体のSMCC修飾)
参考例1及び2の上記(2−2)に記載した方法と同じ方法で、SMCC修飾した相補ポリヌクレオチド結合用抗NP(FulB)抗体(SMCC修飾抗NP(FulB)抗体)を調製した。
(2−4.チオール基導入相補ポリオヌクレオチドの還元)
以下に示す塩基配列からなる乾燥状態のチオール基導入相補ポリヌクレオチド(SIGMA-Aldrich社製)を、参考例1及び2の上記(2−3)に記載した方法と同じ方法で還元した。
・配列番号2:5'- TGTTCTCTGACCAATGAATCTGC -3’(3’末端にチオール基導入)
(2−5.抗NP(FulB)抗体と相補ポリヌクレオチドの結合)
上記(2−3)で作製したSMCC修飾抗NP(FulB)抗体と上記(2−4)で作製したチオール基導入相補ポリヌクレオチドとを、参考例1及び2の上記(2−4)に記載した方法と同じ方法で反応させて、チオール基導入相補ポリヌクレオチドとSMCC修飾抗NP(FulB)抗体との複合体(相補ポリヌクレオチド結合抗NP(FulB)抗体)を得た。
(2−6.B型インフルエンザウイルス(FulB)検出用イムノクロマトグラフィー装置の作製)
FulB検出用イムノクロマトグラフィー装置は、図3に示したメンブレン9として上記(2−1)で作製したポリヌクレオチド固定化メンブレンを使用した以外は、比較例3の上記(1−4)に記載した方法と同じ方法で、図3に示すイムノクロマトグラフィー装置を作製した。尚、ポリヌクレオチド固定化メンブレンでは、ポリヌクレオチド固定化した領域が検出領域11となる。
(2−7.メンブレン固定ポリヌクレオチドと相補ポリヌクレオチド結合抗NP(FulB)抗体とのハイブリダイゼーション)
上記(2−6)で作製したイムノクロマトグラフィー装置のポリヌクレオチド固定化領域に上記(2−5)で作製した相補ポリヌクレオチド結合抗NP(FulB)抗体をスポットしてハイブリダイゼーションさせ、ポリヌクレオチドを介して間接的にメンブレンへ抗体を固相化した。また、尚、スポットした抗体量は、比較例3の上記(1−3)と同程度とした。
<3.NP(FulB)抗原の検出範囲の比較>
(3−1.抗原添加展開液の調製)
下記の通り、抗原添加展開液50μlを調製した。
・NP(FulB)抗原 400〜0.04ng/ml
・抗NP抗体固定化青色ラテックス 2μl
・展開液 48μl
尚、NP(FulB)抗原は、試験例1で使用したものと同じものを用いた。抗NP抗体固定化青色ラテックスは、比較例3の上記(1−1)及び実施例1の上記(2−2)で作製した標識抗NP(FulB)抗体である。
(3−2.NP(FulB)抗原の検出)
上記(3−1)で調製した抗原添加展開液を、実施例1及び比較例3のイムノクロマトグラフィー装置の先端に浸して、抗原添加展開液が装置に吸収し終えた後に、目視による反応箇所のシグナル強度の確認と画像の撮影を行った。
<4.結果>
結果を図5及び表2に示した。図5は、物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置またはポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置の抗原検出範囲を示す図である。図5中、(A)は比較例3の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置の結果を示し、(B)は実施例1のポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置の結果を示している。
図5及び表2に示すように、NP(FulB)抗原量(抗原濃度)を最大400ng/mlから2倍に段階的に希釈し、400、200、100、50、25、5、1、0.2、0.04及び0ng/mlをそれぞれ供試した。その結果、物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置では5ng/mlの抗原量まで検出可能であった。これに対して、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置では、1ng/mlの抗原量まで検出可能であった。尚、物理吸着型及びポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型のイムノクロマトグラフィー装置のどちらについても、0ng/mlの抗原量でのNP(FulB)抗原は検出されなかった。このことから、従来法である物理吸着法と比較して、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法によって、抗体を安定的に、且つ変性等の構造変化による抗原結合活性の低下を抑制することが可能であり、さらにはイムノクロマトグラフィー装置のように展開された抗原を捕捉する、抗体の抗原への親和力についても保持されることが考えられた。
[試験例3]
ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置について、抗B型インフルエンザウイルス抗体の固相濃度を変化させた際のNP(FulB)抗原検出能を評価した。
<1.ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置の作製(実施例2〜5及び比較例4)>
試験例2の「2.ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置の作製(実施例1)」に記載した手順(2−1)〜(2−6)と同じ方法で、相補ポリヌクレオチド結合抗NP(FulB)抗体をハイブリダイゼーションさせていないイムノクロマトグラフィー装置を作製した。
このイムノクロマトグラフィー装置のポリヌクレオチド固定化領域に、試験例2の上記(2−5)と同じ方法で作製した相補ポリヌクレオチド結合抗NP(FulB)抗体(濃度1000μg/mL)を、10倍希釈により4濃度調製したものについてそれぞれスポットしてハイブリダイゼーションさせ、ポリヌクレオチドを介して間接的にメンブレンへ抗体を固相化した。
最大抗体濃度aの抗体、濃度b(最大抗体濃度aの1/10の濃度)の抗体、濃度c(最大抗体濃度aの1/100の濃度)の抗体、または濃度d(最大抗体濃度aの1/1000の濃度)の抗体をスポットして得られたイムノクロマトグラフィー装置を、それぞれ、実施例2〜5のイムノクロマトグラフィー装置とし、抗体をスポットしていないものを比較例4のイムノクロマトグラフィー装置とした。
<2.抗NP(FulB)抗体のNP(FulB)抗原検出能の評価>
(2−1.抗原添加展開液の調製)
下記の通り、抗原添加展開液50μlを調製した。
・NP(FulB)抗原 1000、100、10、1ng/ml
・抗NP抗体固定化青色ラテックス 2μl
・展開液 48μl
尚、NP(FulB)抗原は、試験例1及び試験例2で使用したものと同じものを用いた。抗NP抗体固定化青色ラテックスは、実施例1の上記(2−2)と同じ方法で作製した標識抗NP(FulB)抗体である。
(2−2.NP(FulB)抗原の検出)
上記(2−1)で調製した抗原添加展開液を、実施例2〜5及び比較例4のイムノクロマトグラフィー装置の先端に浸して、抗原添加展開液が装置に吸収し終えた後に、目視による反応箇所のシグナル強度の確認と画像の撮影を行った。
<3.結果>
結果を図6及び表3に示した。図6は、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置における、抗原検出能に必要な抗体濃度を示す図である。図6中、(A)〜(D)は、それぞれ、NP(FulB)抗原濃度が1000ng/ml、100ng/ml、10ng/mlまたは1ng/mlである場合の、実施例2〜5及び比較例4のポリヌクレオチドハイブリダイゼーション型イムノクロマトグラフィー装置の結果を示している。
図6の(D)及び表3に示すように、NP(FulB)抗原濃度が1ng/mlである場合は、抗NP(FulB)抗体の固相量に関わらず反応を認めなかった。一方、図6の(A)〜(C)及び表3に示すように、NP(FulB)抗原濃度が1000〜10ng/mlである場合は反応が認められ、図6の(A)〜(C)において、最大抗体濃度aの抗体をスポットした実施例2のイムノクロマトグラフィー装置のシグナル強度と、図6の(A)〜(C)において、最大抗体濃度を1/10に薄めた濃度bの抗体をスポットした実施例3のイムノクロマトグラフィー装置のシグナル強度とは同等であった。尚、図6の(A)〜(D)において、最大抗体濃度aは前記試験例2で作製した実施例1のイムノクロマトグラフィー装置に供試した抗体濃度のおよそ1/2程度である。
ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法を利用して抗体を固相化担体に固相化することで、安定的に抗体を固相化することができ、且つ変性等の構造変化による抗体の抗原結合活性の低下を抑制することが可能であることは試験例1、2及び試験例3の本結果からも推察される。さらに、試験例3では、固相抗体量を1/10量に減少させてもなお抗原結合量に変化が認められなかったことから、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション法により固相化担体へ抗体を結合させたことで、抗体が規則的に固相化担体へと結合するとともに、抗体の抗原結合部位も一定の向きに揃うことによって、より抗原結合活性が高まる可能性が考えられた。つまり、抗体の抗原結合部位の配向が一定の向きに揃うことによって、固相化担体に添加した抗体の量に対して抗原を検出し得る能力(被検出物検出能)を保持している抗体の割合が高くなる結果、より抗原結合活性が高まる可能性が考えられた。
本発明の一態様に係るイムノクロマトグラフィー装置を用いることで、従来の物理吸着型イムノクロマトグラフィー装置と比較して、被検出物をより高感度に検出することができるという効果を奏する。従って、本発明は、イムノクロマトグラフィー法を利用する種々広範な産業において利用可能である。
1 第1の一本鎖ポリヌクレオチド
2 ポリピリミジン領域
4 第2の一本鎖ポリヌクレオチド
5 第1の捕捉物質
6 官能基
7 リンカー
8 官能基
9 メンブレン(固相化担体)
10 標識体領域
11a 検出領域
11b 検出領域
12 サンプルパッド
13 吸収帯
14 バッキングシート
15a ポリヌクレオチド固定化領域
15b ポリヌクレオチド固定化領域
100 イムノクロマトグラフィー装置

Claims (14)

  1. 試料中の被検出物の有無を検出するためのイムノクロマトグラフィー装置であって、
    前記試料を面方向に展開するための固相化担体を備え、
    前記固相化担体には、前記被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質が、二本鎖ポリヌクレオチドを介して固相化された検出領域が設けられており、
    前記二本鎖ポリヌクレオチドは、第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部とが相補的に結合することによって形成されており、
    前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドは前記固相化担体と結合しており、前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドは前記第1の捕捉物質と結合していることを特徴とするイムノクロマトグラフィー装置。
  2. 前記検出領域よりも展開方向上流側に、標識体領域がさらに設けられており、
    前記標識体領域には、前記被検出物を捕捉し得て且つ標識担体で標識された第2の捕捉物質が保持されていることを特徴とする、請求項1に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  3. 前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドは、固相化担体との結合に寄与している結合領域を含み、
    前記結合領域は、2つ以上のピリミジン塩基が連続して重合しているポリピリミジン領域であることを特徴とする、請求項1または2に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  4. 前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの前記ポリピリミジン領域と固相化担体とは、紫外線を照射することによって結合されていることを特徴とする、請求項3に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  5. 前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの前記ポリピリミジン領域は、少なくとも一部がピリミジン二量体を形成していることを特徴とする、請求項3または4に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  6. 前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドの末端には官能基が付加されており、
    前記第1の捕捉物質は、前記官能基と直接結合することによって前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドと化学的に結合しているか、または
    前記第1の捕捉物質は、リンカーを介して前記官能基と結合することによって前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドと化学的に結合していることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  7. 前記固相化担体は、ニトロセルロースメンブレン、親水性ポリスルホンメンブレン、ポリエーテルスルホンメンブレン、親水性ポリプロピレンメンブレンまたは親水性ポリビニリデンジフルオライドメンブレンであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  8. 前記標識担体は、着色粒子、蛍光粒子、酵素、金属コロイド、シリカ粒子及びセルロース粒子からなる群より選択される1種以上であることを特徴とする、請求項2に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  9. 前記ポリピリミジン領域の配列は、4個以上、30個以下のピリミジン塩基が連続する配列からなることを特徴とする、請求項3に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  10. 前記ポリピリミジン領域は、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの末端に存在しており、
    前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドは、前記ポリピリミジン領域が存在している前記末端と同一の末端側に、前記第1の捕捉物質が結合されていることを特徴とする、請求項3に記載のイムノクロマトグラフィー装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のイムノクロマトグラフィー装置を用いて試料中の被検出物の有無を検出する方法であって、
    前記被検出物を捕捉し得て且つ標識担体で標識された第2の捕捉物質と、前記試料とを反応させる反応工程と、
    反応工程後の反応物を、前記イムノクロマトグラフィー装置の前記検出領域と接触させる接触工程と、
    接触工程後に、前記検出領域における前記標識担体の有無を検出する検出工程と、を含むことを特徴とする検出方法。
  12. 試料中の被検出物の有無を検出するためのイムノクロマトグラフィー装置の製造方法であって、
    前記イムノクロマトグラフィー装置は、前記試料を面方向に展開するための固相化担体を備え、前記固相化担体には、前記被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質が、二本鎖ポリヌクレオチドを介して固相化された検出領域が設けられており、前記二本鎖ポリヌクレオチドは、第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部とが相補的に結合することによって形成されており、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドは前記固相化担体と結合しており、前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドは前記第1の捕捉物質と結合しており、
    前記固相化担体に、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドを結合させて、前記固相化担体にポリヌクレオチド固定化領域を形成する工程と、
    前記第1の捕捉物質と結合している前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部を、前記ポリヌクレオチド固定化領域における前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と相補的に結合させることによって、前記固相化担体に検出領域を形成する工程と、を含むことを特徴とするイムノクロマトグラフィー装置の製造方法。
  13. 前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドは、固相化担体との結合に寄与している結合領域を含み、
    前記結合領域は、2つ以上のピリミジン塩基が連続する塩基配列からなるポリピリミジン領域であり、
    前記ポリヌクレオチド固定化領域を形成する工程では、前記固相化担体に前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドを接触させた後に紫外線を照射することによって、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドを前記固相化担体に結合させることを特徴とする、請求項12に記載のイムノクロマトグラフィー装置の製造方法。
  14. 試料を面方向に展開するための固相化担体と、
    前記固相化担体に結合している第1の一本鎖ポリヌクレオチドと、
    第1の捕捉物質と結合させるための第2の一本鎖ポリヌクレオチドと、を備え、
    前記第2の一本鎖ポリヌクレオチドの少なくとも一部は、前記第1の一本鎖ポリヌクレオチドの一部と相補的に結合するものであることを特徴とする、試料中の被検出物の有無を、前記被検出物を捕捉し得る第1の捕捉物質を用いて検出するためのイムノクロマトグラフィー装置を製造するためのキット。
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