JPH10170294A - 経路探索装置 - Google Patents

経路探索装置

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JPH10170294A
JPH10170294A JP32873896A JP32873896A JPH10170294A JP H10170294 A JPH10170294 A JP H10170294A JP 32873896 A JP32873896 A JP 32873896A JP 32873896 A JP32873896 A JP 32873896A JP H10170294 A JPH10170294 A JP H10170294A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経路探索の開始点および終了点において複数
の道路(リンク)を選択し、経路探索が不可能となる確
率を低減させる経路探索装置を提供すること。 【解決手段】 経路探索において、経路探索の開始点と
なるべき開始点リンク(道路)と、経路探索の終了点と
なるべき終了点リンク(道路)をそれぞれ複数選択し、
複数の開始点リンクと終了点リンクとの間の経路を探索
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車載用ナビゲーシ
ョン装置などに応用される、出発地から目的地までの経
路を探索する経路探索装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両位置周辺の道路地図を表示する機能
や、マップマッチングを行って車両位置を正確に検出す
る機能や、出発地から目的地までの推奨ルートを演算す
る機能等を兼ね備えた車載用ナビゲーション装置が知ら
れている。この車載用ナビゲーション装置では、道路地
図表示用のデータ、マップマッチング用のデータおよび
ルート探索用のデータを1枚のCD−ROMに格納して
いる。
【0003】このうち、出発地(自車位置)から目的地
までの推奨ルートを演算するときは、道路地図表示用デ
ータを使用して出発地近辺における経路(ルート)探索
の開始点を設定し、また、同様に目的地近辺における経
路探索の終了点を設定し、次にルート探索用データを使
用して設定された開始点と終了点の間の経路探索を行っ
ている。このとき、経路探索の開始点や終了点を設定す
る場合には、最も近傍の道路(道路の最小単位をリンク
と呼ぶ)を開始点あるいは終了点として選択し経路探索
を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この道路(リ
ンク)が例えば一方通行道路などの通行規制があり、出
発地から目的地方面に進むことができない場合や、出発
地方面から目的地への進入ができない場合などは、経路
探索ができなくなり経路探索不可という結果が出力され
ていた。
【0005】本発明の目的は、経路探索の開始点および
終了点において複数の道路(リンク)を選択し、経路探
索が不可能となる確率を低減させる経路探索装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の経路探索装置
は、地図上の道路の最小単位をリンクとして、リンクの
位置情報およびリンク間の接続情報を格納する格納手段
と、地図上の出発地を指示する出発地指示手段と、地図
上の目的地を指示する目的地指示手段と、出発地指示手
段により指示された出発地とリンクの位置情報とに基づ
いて経路探索の開始点となるべき開始点リンクを選択
し、目的地指示手段により指示された目的地とリンクの
位置情報とに基づいて経路探索の終了点となるべき終了
点リンクを選択し、リンク間の接続情報に基づいて開始
点リンクと終了点リンクとの間の経路を探索する制御手
段とを備えた経路探索装置に適用する。そして、制御手
段が、開始点リンクおよび終了点リンクをそれぞれ複数
選択することにより上記目的を達成する。請求項2記載
の経路探索装置は、制御手段が、出発地を基準に所定の
範囲内に存在するリンクから複数の開始点リンクを選択
し、目的地を基準に所定の範囲内に存在するリンクから
複数の終了点リンクを選択するようにしたものである。
請求項3記載の経路探索装置は、制御手段が、出発地か
らリンクまでの距離を演算し、距離の小さい順に複数の
開始点リンクを選択し、目的地からリンクまでの距離を
演算し、距離の小さい順に複数の終了点リンクを選択す
るようにしたものである。請求項4記載の経路探索装置
において、地図上の経由地を1以上指示する経由地指示
手段をさらに備え、制御手段は、出発地と経由地の間の
経路を探索するときは、出発地を経路探索の開始点の対
象とし経由地を経路探索の終了点の対象として経路探索
を行い、経由地と目的地の間の経路を探索するときは、
経由地を経路探索の開始点の対象とし目的地を経路探索
の終了点の対象として経路探索を行い、経由地間の経路
を探索するときは、先の経由地を経路探索の開始点の対
象とし後の経由地を経路探索の終了点の対象として経路
探索を行うようにしたものである。請求項5記載の経路
探索装置は、リンク間の接続情報に各リンクの通行規制
情報が含めるようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による経路探索装
置を車載用ナビゲーション装置に応用した場合の一実施
の形態のブロック図である。図1において、1は車両の
現在地を検出する現在地検出装置であり、例えば車両の
進行方位を検出する方位センサや車速を検出する車速セ
ンサやGPS(Global Positioning System)衛星から
のGPS信号を検出するGPSセンサ等から成る。
【0008】2は装置全体を制御する制御回路であり、
マイクロプロセッサおよびその周辺回路から成る。3は
車両の目的地等を入力する入力装置、4は現在地検出装
置1によって検出された車両位置情報等を格納するDR
AM、5は表示装置6に表示するための画像データを格
納する画像メモリであり、画像メモリ5に格納された画
像データは適宜読み出されて表示装置6に表示される。
7は制御回路2が演算した推奨ルート上のノード情報や
リンク情報等を格納するSRAMである。
【0009】8は、道路地図表示、経路探索(ルート探
索)およびマップマッチング等を行うための種々のデー
タを格納する地図データベース装置であり、例えばCD
−ROM装置や磁気記録装置等で構成される。地図デー
タベース装置8には、道路形状や道路種別に関する情報
などから成る地図表示用データと、道路形状とは直接関
係しない分岐点情報や交差点情報などから成るルート探
索用データとが格納されている。地図表示用データは主
に表示装置6に道路地図を表示する際に用いられ、ルー
ト探索用データは主に推奨経路(推奨ルート)を演算す
る際に用いられる。
【0010】9は、地図データベース装置8と制御回路
2の間に設けられたバッファーメモリである。制御回路
2が地図データベース装置8からデータを読みだそうと
する時は、そのデータはいったん地図データベース装置
8からバッファーメモリ9にストアされてからそのバッ
ファーメモリ9の内容が読み出される。従って、CD−
ROMや磁気ディスクのある領域のデータをアクセスす
るときに、そのデータがすでにバッファーメモリ9上に
存在するときは、CD−ROMや磁気ディスクにアクセ
スせずバッファーメモリ9からデータが読み取られるた
め、アクセス時間の短縮が図れる。なお、バッファーメ
モリ9にデータが読み出されるときは、所定の容量単位
で読み出されるため、本来読み出そうとする領域を超え
た範囲までバッファーメモリ9に読み出される可能性が
ある。従って、前に読み出したデータに引き続くデータ
を読み出す時は、すでにバッファーメモリ9上に存在す
る確率が高く、これからもアクセス時間の短縮が図れ
る。バッファーメモリの動作については、コンピュータ
システム等において公知な内容であるのでこれ以上の説
明は省略する。なお、このバッファーメモリ9は地図デ
ータベース装置8に内蔵されているようにしてもよい。
【0011】次に、地図データベース装置8に格納され
ている地図表示用データとルート探索用データのデータ
構成について詳述する。
【0012】[1]地図表示用データ (1)リンク列データの概要 本実施の形態の地図表示用データは、道路地図を所定範
囲ごとに区分けしたメッシュ領域ごとにデータを管理し
ており、メッシュ領域内に存在する各道路をそれぞれ別
々のリンク列とする。例えば、図2に示すように、1つ
のメッシュ領域内で2本の道路D1,D2が交差してい
る場合には、各道路をそれぞれ別々のリンク列1,2で
表すものとし、リンク列1はリンク11,12で構成さ
れ、リンク列2はリンク21〜23で構成されるものと
する。この場合、リンク列1の各リンク、リンク列2の
各リンクは同一種別の道路である。リンクは道路を表す
最小単位であり、図2では交差点間を一つのリンクの単
位とし、各リンクに固有の番号(以下、リンク番号と呼
ぶ)をつけて区別する。図2の交差点、すなわち各リン
クの接続点をノードN0〜N4で表している。ノードは
各リンクの始点と終点でもあり、後述するように、ノー
ド間をさらに細かく区分する補間点を設ける場合もあ
る。
【0013】地図表示用データは、縮尺率の異なる複数
のデータを有する。本実施の形態では、各縮尺率のデー
タをレベルn(nは例えば1〜4)のデータと呼ぶ。レ
ベル1が最も詳細な道路地図であり、レベルが上がるほ
ど小縮尺率で広域な道路地図となる。さらに、本実施の
形態では、後述するように、各レベルにおいて同一のリ
ンクには同一(固有)のリンク番号を付して管理し、異
なるレベル間でのデータの対応づけを容易にしている。
リンク番号については後述する。
【0014】(2)リンク列データのデータ構成 図2の道路について説明すると、地図表示用データは、
図3に示すとおり、リンク列1,2〜nに関する各種情
報を記述したリンク列データをリンク列ごとに設けて構
成され、各リンク列のデータはリンク列情報とノードリ
ンク情報とを有し、リンク列情報は図3にも示す通りの
次のデータから構成される。 リンク列サイズ 要素点数 リンク属性 道路名称オフセット 路線番号
【0015】またノードリンク情報は図3にも示す通り
の次のデータから構成される。 属性1+X座標 属性2+Y座標 同一ノードオフセット 誘導オフセット リンク番号 高さ情報
【0016】(3)リンク列情報について 図3において、リンク列サイズはリンク列データの収容
サイズであり、この収容サイズにより次のリンク列デー
タをすぐにアクセスすることができる。要素点数はノー
ド点数と補間点数の合計を表すデータ、リンク属性は国
道、県道、高速道路などの道路の種別を表すデータ、路
線番号は国道や県道の番号である。道路名称オフセット
はこの実施の形態では関係がないので説明を省略する。
補間点は後述する。
【0017】(4)ノードリンク情報について 図4は図2に示すリンク列1および2の詳細を示す。例
えば、図4の太線で示すリンク列2のノードリンク情報
は図5のようになる。図示のように、リンク列2のデー
タは、リンク列上のノードN1,N02,N3(図4の
黒丸)に関するノード情報と補間点(図4の白丸)に関
する補間点情報とを含む。ノード情報は、ノードの位置
座標X,Yと、ノードに接続されるリンクの属性と、リ
ンク番号とを有し、補間点情報は補間点の位置座標X,
Yを有する。これらの位置座標が後述する推奨ルート表
示用の形状データあるいはマップマッチング用の形状デ
ータとして用いられる。図4の太線のリンク列2は、ノ
ードN1とN02の間のリンク番号21のリンクと、ノ
ードN02とN3との間のリンク番号22のリンクと、
ノードN3に接続されたリンク番号23のリンクとを有
する。図5からわかるように、ノードN02のノード情
報はリンク番号21のリンクとリンク番号22のリンク
とで共有している。これらノード情報および補間点情報
は、リンクの接続順にデータ配置されている。このた
め、リンク列データを先頭アドレスから順に読み出すこ
とで、リンク列全体の道路形状や道路種別等を検出でき
る。
【0018】(5)属性1 ノードのX座標とともに格納される属性1はリンク列デ
ータを逆方向に読み出すためのオフセット情報などに利
用できる。図6に示すように11ビットから15ビット
が利用できるが詳細については省略する。
【0019】(6)属性2 ノードのY座標とともに格納される属性2は交通規制情
報、道路幅情報、車線数情報を含む。リンク列データを
構成するノードリンク情報の各データのデータ長は16
ビット(2バイト=1ワード)である。属性2+Y座標
を表すデータの下位11ビットには、図7(a)に示す
ように、下位11ビットにY位置座標を格納し、上位5
ビットに交通規制情報、道路幅情報および車線数情報が
格納される。上位5ビットのビットの組み合わせによっ
て図7(b)の〜のいずれかの情報が選択される。
【0020】(7)レベル間の固有のリンク番号につい
て リンク番号は図3に示す通りノードの属性1+X座標、
属性2+Y座標と次のノードの属性1+X座標、属性2
+Y座標との間に各リンクごとに格納される。この実施
の形態では、最上位レベルのリンクに付与されたリンク
番号を下位レベルの対応するリンクのリンク番号とす
る。すなわち、最上位レベルの一つのリンクに付与され
たリンク番号と同一のリンク番号が、固有のリンク番号
として、下位レベルで対応するリンクのリンク番号とさ
れる。
【0021】リンク番号を図8を一例としてさらに説明
する。最上位レベル4のリンク列1をリンク番号1の1
本のリンクから成るものとしたとき、レベル3では、上
位レベル4のリンク番号1のリンクは共通するリンク番
号1の2本のリンクで構成されている。レベル2ではリ
ンク番号1の3本のリンクで構成され、レベル1ではリ
ンク番号1の4本のリンクで構成される。
【0022】このように、上位レベルのリンクに対応す
る下位レベルのリンクのリンク番号として、上位レベル
と同一のリンク番号を使用することにより、異なるレベ
ル間での同一のリンク列の対応づけ、あるいは地図表示
用データと経路探索データとの間での同一リンク列の対
応づけが容易となり、処理時間の短縮化が図れる。な
お、図3における同一ノードオフセット、誘導オフセッ
ト、高さ情報については説明を省略する。
【0023】[2]ルート探索用データ ルート探索用データは縮尺率の異なる複数の道路地図表
示用データに対応する複数のデータを有し、各縮尺率の
データをレベルmのデータと呼ぶ。本実施の形態ではレ
ベル2とレベル4のデータが準備されている。また、上
述したとおり各レベルにおいて同一のリンクは同一のリ
ンク番号で管理され、異なるレベル間でのデータの対応
づけと道路地図表示用データとのデータの対応づけを容
易にしている。
【0024】図9はルート探索用データのデータ構成を
示す図である。ルート探索用データには、図示のよう
に、道路を表現する最小単位であるリンクの接続点(ノ
ード)ごとに、他のノードとの接続関係を示すノード情
報が格納されている。各ノード情報はそれぞれ、自ノー
ド情報と隣接ノード情報とからなり、自ノード情報の中
にはノードの位置座標が格納されている。一方、隣接ノ
ード情報には、図示のように、隣接ノード番号と、自ノ
ードから隣接ノードに至るまでのリンクのリンク番号
と、そのリンクのリンクコストと、そのリンクの交通規
制情報とが格納されている。また、各ノード情報は、リ
ンクの接続順に格納されており、格納される順番によっ
て自ノードのノード番号を把握できるようにしている。
このため、自ノード情報として自ノードのノード番号を
格納しなくても自ノードのノード番号を把握でき、メモ
リ容量を削減できる。
【0025】[3]推奨ルートデータ 図10は、経路探索データに基づいて探索された出発地
から目的地までの推奨ルートを表わす推奨ルートデータ
のデータ構成の概要を示す図である。推奨ルートデータ
には、推奨ルート上のノード情報とリンク情報とがメッ
シュ領域単位で分類して格納されている。なお、メッシ
ュ領域とは、道路地図を所定範囲ごとに区分けしたとき
の区分けされた各領域をいう。
【0026】図10に示すように、推奨ルートデータ
は、メッシュコード、ノード数、ノード情報、リンク種
別数、リンク情報、フェリー情報およびトンネル情報で
構成される。このうち、メッシュコードの記憶領域に
は、メッシュ領域を識別する番号が格納され、ノード数
の記憶領域には、メッシュ領域内に存在するノード数が
格納され、ノード情報の記憶領域には、図11(a)に
詳細を示すように、メッシュ領域内の各ノードのノード
番号、位置座標、距離コスト等が格納される。また、リ
ンク種別数の記憶領域には、メッシュ領域内に存在する
リンクの種別数が格納され、リンク情報の記憶領域に
は、図11(b)に詳細を示すように、メッシュ領域内
の各リンクのリンク種別、リンク数、リンク番号等が格
納される。図11は同一メッシュコードで示される領域
内にリンク列1からリンク列2に至るまでのデータがあ
る場合を示す。
【0027】なお、上述したように、推奨ルートデータ
はレベルごとに作成され、本実施の形態の場合には、推
奨ルート上の開始点および終了点付近についてはレベル
2の推奨ルートデータが、開始点と終了点の中間につい
てはレベル4の推奨ルートデータが作成される。
【0028】以下、フローチャートを参照して本実施の
形態の動作を説明するが、この実施の形態では、次のよ
うにして推奨ルートを表示装置6に表示する。レベル4
とレベル2のルート探索用データを使用して推奨ルート
を探索してレベル4と2の推奨ルートデータを作成しさ
らに、レベル4の推奨ルートデータはレベル2の推奨ル
ートデータに変換し、レベル2の推奨ルートデータとレ
ベル2または1の道路地図表示用データに基づいて、表
示装置6に表示されているレベル2またはレベル1の道
路地図上に推奨ルートを重ね合わせて描画して推奨ルー
トをたとえば赤い太い線で表示する。
【0029】図12,図13は制御回路2が行うメイン
処理の概要を示すフローチャートである。図12のステ
ップS1では、現在地検出装置1を用いて車両位置を検
出する。ステップS2では、入力装置3によって入力さ
れた目的地を読み込む。ステップS3では、地図データ
ベース装置8に格納されている地図表示用データに基づ
いて、経路探索の可能な道路上に経路探索の開始点およ
び終了点を設定する。たとえば、車両の開始点は車両の
現在位置(車両位置)、終了点が目的地である。経路探
索の開始点および終了点の設定については、さらに後述
する。
【0030】ステップS4では、レベル2のルート探索
用データを用いて経路探索の開始点付近の経路探索を行
う。そして、開始点付近における推奨ルートの候補を複
数選択する。ステップS5では、レベル2のルート探索
用データを用いて経路探索の終了点付近の経路探索を行
う。そして、終了点付近における推奨ルートの候補を複
数選択する。
【0031】ステップS6では、ステップS4,S5で
選択した推奨ルートの候補の間の経路についてレベル4
のルート探索用データを用いて経路探索を行い、開始点
から終了点までの推奨ルートを演算する。
【0032】このように、開始点および終了点付近と、
開始点および終了点の中間付近とで異なるレベルのルー
ト探索用データを用いる理由は、すべての経路について
レベル2のルート探索用データを用いて経路探索を行う
と、データ量が膨大なために経路探索に要する演算時間
が長くなるからである。ステップS7では、ステップS
6で演算した推奨ルートに関する情報を推奨ルートデー
タとしてSRAM7に記憶する。
【0033】図12のステップS7の処理が終了すると
図13のステップS8に進み、背景地図描画処理を行
い、表示装置6に表示するための推奨ルート周辺の道路
地図に関するデータを画像メモリ5に描画(格納)す
る。ステップS8の処理が終了するとステップS9に進
み、ステップS6で演算した推奨ルートを表示するのに
必要なデータを画像メモリ5に重ねて描画(格納)す
る。ステップS10では、画像メモリ5に格納されてい
るデータを読み出し、表示装置6に推奨ルートおよびそ
の周辺の道路地図を表示する。
【0034】−経路探索の開始点、終了点の設定につい
て− 本実施の形態における経路探索の開始点および終了点の
設定についてさらに詳細に説明をする。図14は、経路
探索の開始点を設定する場合を説明する図である。符号
Sで表されるマークは、現在地検出装置1により検出さ
れた車両位置(出発位置)を示すものである。この車両
位置Sが経路探索の開始点となる。車両位置Sの近傍に
はリンクa、bで表される二つの道路が位置している。
従来の装置ではこのうち最も近傍の例えばリンクaを開
始点として選択し経路探索を行っていた。しかし、この
リンクaが例えば一方通行道路であり、図14の矢印方
向には進むことができない場合は、経路探索を行うとき
リンクaから脱出不可となり経路探索ができないという
結果になっていた。本実施の形態では、車両位置Sを中
心として一定の範囲において開始点の候補となるリンク
を複数選択する。これにより、あるリンクにおいて経路
探索が不可能となっても、他の候補のリンクにおいて経
路探索が可能となる。図14においては、リンクaおよ
びリンクbが開始点の候補として選択され、それぞれに
おいて経路探索が行われる。そして、リンクaにおいて
経路探索が不可能となっても、リンクbを開始点とした
経路探索が成功するので、最終的に経路探索が不可能と
いう結果にはならない。
【0035】図15は、同様に経路探索の終了点を設定
する場合を説明する図である。符号Dで表されるマーク
は、入力装置3により指定された目的地を示すものであ
る。この目的地Dが経路探索の終了点となる。目的地D
においても複数のリンクを終了点の候補として選択する
が、内容は上記と同様であるので説明を省略する。
【0036】図16は、自車位置Sから目的地Dの間に
経由地Vが設定された場合を説明する図である。経由地
Vは、自車位置Sから経由地Dまでの経路探索において
は、自車位置Sが経路探索の開始点となり、経由地Vが
経路探索の終了点となる。次に経由地から目的地までの
経路探索においては、経由地Vが経路探索の開始点とな
り、目的地Dが経路探索終了点となる。図16におい
て、経由地Vは例えば駅のロータリーであり、リンク
a、bは矢印方向の一方通行道路であり、図左方向に自
車位置Sがあり、図右方向に目的地Dが設定されてい
る。経由地Vはロータリーであるので、リンクa、リン
クbは道路としてデータが存在するが、cで示す部分は
道路(リンク)として設定されておらずデータがない。
【0037】この場合に、自車位置Sから経由地Vまで
の経路探索においては、経由地Vが経路探索の終了点と
なり候補となる複数のリンクa、bが選択される。リン
クaを終了点とした場合の経路探索は成功し、リンクb
を終了点とした経路探索はリンクbの一方通行の方向に
より経路探索不可という結果になる。一方、経由地Vか
ら目的地Dへの経路探索においては、経由地Vが経路探
索の開始点となり、同様に開始点の候補のリンクa、b
が選択される。そして、リンクaを開始点とした場合の
経路探索は経路探索不可という結果になるが、リンクb
を開始点とした経路探索が成功する。本実施の形態で
は、自車位置Sから経由地Vを経由して目的地Dまでの
経路探索において、上記のように経由地Vで道路が途切
れる結果になるが、全体として経路探索不可とするより
は、それぞれの経路探索を出力するようにしている。
【0038】図17は、上記に説明をした経路探索の開
始点あるいは終了点において、複数のリンクを選択して
格納テーブルに格納する複数リンク選択処理のフローチ
ャートを示す図である。
【0039】ステップS101では、設定位置(自車位
置あるいは出発位置、経由地、目的地)を基準に検索範
囲を決める。検索範囲についてはプログラムにより所定
の範囲が設定される。例えば、最詳細縮尺地図の表示で
画面に表示可能な範囲を検索範囲としたり、現在表示中
の画面の範囲を検索範囲としたり、あるいは操作者が入
力装置1を操作することにより設定した範囲を検索範囲
とすることができる。この範囲は、特定の条件により可
変とすることもできる。例えば、都心部などのノードの
多いエリアでは検索範囲を縮小し、山間部などのノード
の少ないエリアでは検索範囲を拡大するなど、周辺のノ
ード密度に応じて可変とすることができる。ステップS
102では、検索範囲にあるリンクを一つ選択し、設定
位置から選択されたリンク(Ld)までの距離値(d)
を演算する。距離値(d)は、地図表示データに基づい
て、設定位置からそのリンク(Ld)に垂線を下ろした
場合のその垂線の距離である。垂線が下ろせない場合
は、設定値に近い方に位置するノードまでの距離を距離
値(d)とする。リンク内の補間点までを考慮する場合
は、ノードを補間点に置き換えて同様な考え方で演算を
する。
【0040】ステップS103では、格納テーブルに所
定の数のリンクが格納されているかどうか判定する。こ
こでいう所定の数が、経路探索の開始点、経由点あるい
は終了点のそれぞれの地点における複数のリンクの候補
の数となる。この数については、プログラムにおいて予
め定めておくが、操作者によって任意に変更できるよう
にしてもよい。所定の数が格納されている場合は、ステ
ップS104に進み、格納テーブル中にすでに格納され
ているリンクの中から最大距離値(D)を有するリンク
(LD)を取得する。後述するステップS107でテー
ブルは距離値をパラメータにより小さい順にソートされ
ているので、再後尾に位置するリンクを取得すればよ
い。ステップS105では、選択されたリンク(Ld)
の距離値(d)と、格納テーブル中の最大距離値(D)
を有するリンク(LD)のその距離値(D)と比較す
る。選択されたリンク(Ld)の距離値(d)の方が、
格納テーブル中最大距離値を有するリンク(LD)の距
離値(D)より小さい場合は、ステップS106に進
み、格納テーブルにおいてリンクLdをリンクLDと入
れ替える。次にステップS107でテーブル内を距離値
をパラメータとしてソートし、ステップS108に進
む。ステップS108では、検索範囲内の全てのリンク
の検証が終了したかどうかを判定し、終了していると判
定された場合はこの処理を終了し、終了していないと判
定された場合は、ステップS102に戻りを処理を繰り
返す。
【0041】前述のステップS103で、格納テーブル
に所定の数のリンクが格納されていないと判定された場
合は、ステップS109に進み無条件に選択されたリン
クLdをテーブルに格納しステップS107に進む。
【0042】以上の処理により、出発地(車両位置)、
経由地、目的地において、経路探索の開始点および終了
点の候補となるリンクが、所定の数がテーブルに格納さ
れるまでは随時テーブルに格納されて行き、所定の数が
テーブルに格納された後は、テーブル内の最大の距離値
のリンクより小さい距離値のリンクがあれば置き換えら
れて、距離値の小さい順に複数のリンクが選択されテー
ブルに格納される。そして、選択された複数の開始点の
それぞれにおいて、前述した図12のステップS4で経
路探索が行われる。同様に選択された複数の終了点のそ
れぞれにおいて、ステップS5で経路探索が行われる。
次に、ステップS6で、ステップS4とステップS5で
探索されたすべての推奨ルート間において、レベル4の
ルート探索データを用いた経路探索が行われる。なお、
ステップS4とステップS5で探索された推奨ルートに
重み付けをし、所定の数の推奨ルート間においてレベル
4のルート探索データを用いた経路探索を行うようにし
てもよい。例えば、開始点側であれば終了点の方向を優
先的に採用し、各経路に与えられた重みづけ(距離コス
トなどの累計値等)の低いものから上位25本を採用す
ることなどが考えられる。終了点側も同様である。な
お、ステップS4を実行するために読み込まれたレベル
2のルート探索データに経路探索の開始点および終了点
両方が含まれる場合は、レベル2のルート探索データで
経路探索が完結するため、ステップS6のレベル4のル
ート探索データを使用した経路探索は実行されない。ま
た、ステップS4とステップS5で探索された推奨ルー
ト間のノード数が少ないと予測される場合は、ステップ
S6でもレベル2のルート探索データを用いた経路探索
が行われる。
【0043】以上により、経路探索の開始点あるいは終
了点として選択されたリンクに一方通行やその他の通行
規制があり経路探索が不可能となっても、次の候補のリ
ンクが選択されて経路探索が行われる。従って、最終的
に経路探索が不可能となる確率が低減される。
【0044】以上の処理ではリンクまでの距離値を基準
にリンクを選択したが、距離値以外のパラメータで選択
したり、あるいは距離値以外のパラメータを加味して選
択するようにしてもよい。例えば、できるだけ大きな道
路(幅員が大きいもの)を優先して選択するようにする
ことなどが考えられる。また、両方向通行不可のリンク
は選択しないようにするなど、距離値に例えば通行規制
情報情報などにより重み付けをして選択をしてもよい。
【0045】−経由地がある場合のルート探索データの
読み出しについて− 次に、出発地と目的地の間に経由地を設定して経路探索
を行う場合のルート探索データの読み出しについて説明
をする。
【0046】図18は、出発地S、目的地Dの間に経由
地Vが1箇所ある場合の、ルート探索データの読み出し
について説明をする図である。ルート探索データは、前
述した通り、本実施の形態ではレベル2とレベル4につ
いて準備されている。レベル4のデータは広域地図デー
タに対応し、レベル2はレベル4より詳細な地図データ
に対応している。図18(a)は、設定された出発地
S、経由地V、目的地Dがレベル4のルート探索データ
上に位置していることを概念的に示している。図18
(b)は、出発地S、経由地V、および目的地Dの近辺
のそれぞれのレベル2のルート探索データを概念的に示
している。点線で囲むR1〜R5については、地図デー
タベース装置8からルート探索データを読み出す範囲に
ついて概念的に示している。
【0047】まず、図21を使用してルート探索データ
の読み出しおよび経路探索処理の一態様を説明する。図
21は、従来の装置におけるルート探索データの読み出
しおよび経路探索処理のフローチャートである。ここで
は、ルート探索データの読み出しおよび経路探索処理の
前後の処理については説明を省略する。
【0048】まず始めに出発地Sから経由地Vまでの経
路探索を行う。経路探索の開始点および終了点の設定に
ついては前述した通りであるので、ここではその説明を
省略する。図21において、ステップS401では、出
発地S近辺のレベル2のルート探索データを読み出す
(R1)。ステップS402で、出発地Sを経路探索の
開始点として開始点付近の経路探索を行い、推奨ルート
の候補を複数選択する。ステップS403で、経由地V
近辺のレベル2のルート探索データを読み出す(R
2)。ステップS404で、経由地Vを経路探索の終了
点として終了点付近の経路探索を行い、推奨ルートの候
補を複数選択する。ステップS405では、出発地Sお
よび経由地Vを含むレベル4のルート探索データを読み
出す(R3)。ステップS406では、上述の複数の推
奨ルートの候補間の経路探索を行い開始点から終了点ま
ですなわち出発地Sから経由地Vまでの推奨ルートを演
算する。
【0049】次に、経由地Vから目的地Dまでの経路探
索を行う。ステップS407では、経由地V近辺のレベ
ル2のルート探索データを読み出す(R2)。ステップ
S408で、経由地Vを経路探索の開始点として開始点
付近の経路探索を行い、推奨ルートの候補を複数選択す
る。ステップS409で、目的地D近辺のレベル2のル
ート探索データを読み出す(R3)。ステップS410
で、目的地Dを経路探索の終了点として終了点付近の経
路探索を行い、推奨ルートの候補を複数選択する。ステ
ップS411では、経由地Vおよび目的地Dを含むレベ
ル4のルート探索データを読み出す(R5)。ステップ
S412では、上述の複数の推奨ルートの候補間の経路
探索を行い開始点から終了点まですなわち経由地Vから
目的地Dまでの推奨ルートを演算する。以上により、目
的地Sから経由地Vを経由して目的地Vまでの推奨ルー
トが導き出される。
【0050】上記のルート探索データの読み出しおよび
経路探索処理の一態様では、地図データベース装置8へ
のアクセス順序は、R1→R2→R4→R2→R3→R
5となる。通常CD−ROMなどにルート探索データが
格納される場合は、レベル単位にまとまって格納されて
いる。地図データベース装置と制御回路の間にはバッフ
ァーメモリ9が備えられているが、レベル2のデータを
アクセスした後レベル4のデータをアクセスし、その後
再びレベル2のデータをアクセスするときは、バッファ
ーメモリ9上では以前のレベル2近辺のデータはレベル
4のデータに置き換えられている確率が高く、バッファ
ーメモリ9でデータにヒットする確率が低下する。従っ
て、再度メカ的な動きを伴うCD−ROM装置あるいは
磁気記録装置へのアクセスが必要となり、読み出し処理
の速度の低下を招く。
【0051】図19は、上記の問題点を改良したフロー
チャートである。図19において、ステップS201で
は、出発地S近辺のレベル2のルート探索データを読み
出す(R1)。ステップS202で、出発地Sを経路探
索の開始点として開始点付近の経路探索を行い、推奨ル
ートの候補を複数選択する。ステップS203で、経由
地V近辺のレベル2のルート探索データを読み出す(R
2)。ステップS204で、経由地Vを経路探索の終了
点として終了点付近の経路探索を行い、推奨ルートの候
補を複数選択する。ステップS205で、目的地D近辺
のレベル2のルート探索データを読み出す(R3)。ス
テップS206で、目的地Dを経路探索の終了点として
終了点付近の経路探索を行い、推奨ルートの候補を複数
選択する。
【0052】次に、ステップS207では、出発地Sお
よび経由地Vを含むレベル4のルート探索データを読み
出す(R4)。ステップS208では、上述の出発地S
近辺および経由地V近辺の複数の推奨ルートの候補間の
経路探索を行い、開始点から終了点まですなわち出発地
Sから経由地Vまでの推奨ルートを演算する。ステップ
S209では、経由地Vおよび目的地Dを含むレベル4
のルート探索データを読み出す(R5)。ステップS2
10では、上述の経由地V近辺および目的地D近辺の複
数の推奨ルートの候補間の経路探索を行い開始点から終
了点まですなわち経由地Vから目的地Dまでの推奨ルー
トを演算する。以上により、目的地Sから経由地Vを経
由して目的地Vまでの推奨ルートが導き出される。
【0053】上記の改良した処理では、地図データベー
ス装置8へのアクセス順序は、R1→R2→R3→R4
→R5となる。ここでは、レベル2のルート探索データ
を先に全て読み出し、次にレベル4のルート探索データ
を読み出しているため、例えばR2でレベル2のデータ
を読み出したときに、R3で読み出すデータもまとまっ
てバッファーメモリ9に読み出されている確率が高く、
次にR3で目的地D近辺のルート探索データを読み出す
ときにバッファーメモリ9上でヒットする確率が高くな
る。また、R4での読み出しとR5での読み出しデータ
には、経由地Vが両方に含まれているため、R4で読み
出した後引き続きR5で読み出すときは、その重複する
データ部分は確実にバッファーメモリ9上でヒットす
る。さらに、この処理のフローでは、経由地Vのデータ
を2度読みする必要がなく、また経由地V近辺の経路探
索も一度で済み、これらにおいても処理時間の短縮が図
れる。なお、経由値が複数設定される場合も同様な考え
方で行う。
【0054】−経路探索処理の見かけ上の処理速度向上
について− 上述の図12のフローチャートの説明では、ステップS
2、ステップS3で目的地等が設定された後引き続き経
路探索の処理に入る説明をしたが、この場合は説明の便
宜上操作者の指示などを省略した説明となっている。し
かし、経路探索を開始するときは、操作者が目的地等を
設定した後、入力装置3を使用して経路探索開始指示を
入力するのが通常であり、その指示によりプログラムは
経路探索を開始する。
【0055】本実施の形態では、この処理において見か
け上処理速度を上げるため次のような処理を行う。図2
0は、経路探索において見かけ上処理速度を上げるため
の経路探索処理のフローチャートを示す。ステップS3
01で、操作者による目的地あるいは経由地の設定処理
が行われる。ここでは、目的地あるいは複数の経由地の
うち一つが設定されると次のステップS302に進む。
すなわち、一つの目的地あるいは経由地の設定ごとにス
テップS301〜S303の処理が繰り返されることに
なる。ステップS302で、操作者により設定された目
的地あるいは経由地について、レベル2のルート探索デ
ータを用いてその近辺の経路探索を開始し、この経路探
索処理の終了を待たずにステップS303に進む。ステ
ップS303で、操作者による設定が全て終了したかど
うかを判定し、まだ全ての地点が設定されていない場合
は、ステップS301に戻り処理を繰り返す。ステップ
S303で全ての地点の設定が終了していると判定され
ると、ステップS304に進み、操作者による経路探索
開始の指示を待つ。この時点では、ステップS302で
開始された経路探索が終了していない場合はその処理が
続行されている。ステップS303とステップS304
はステップを分けて説明をしたが、操作者により経路探
索開始の指示がされると、それにより全ての地点の設定
を終了したものとみなすこともできる。
【0056】ステップS304において、操作者により
経路探索開始の指示が入力装置3を使用して行われる
と、ステップS305に進む。ステップS305では、
現在地検出装置1により自車位置を検出する。ステップ
S306では、レベル2のルート探索データを使用して
自車位置近辺の経路探索を開始する。自車位置近辺の経
路探索は操作者による経路探索開始の指示がなされた後
に開始するようにしたのは、自車位置は時々刻々変化す
るためである。ステップS307では、目的地、経由
地、自車位置近辺の経路探索が全て終了しているかどう
かを判定する。全て終了していると判定されると、ステ
ップS308に進み、目的地、経由地、自車位置近辺の
経路探索された複数の推奨ルート間において、レベル4
のルート探索データを使用して経路探索を行う。なお、
レベル2のルート探索データを使用して目的地近辺の経
路探索された結果内に自車位置が存在している場合など
は、特にレベル4のルート探索データを使用した経路探
索は行われず、レベル2のルート探索データによる経路
探索で完結する。これは、経由地が設定された場合の、
目的地と経由地間、経由地と次の経由地間、経由地と目
的地間においても同様である。
【0057】上記では、現在地検出装置1で検出された
自車位置を出発地としているが、ステップS301にお
いて、目的地や経由地と同様に入力装置3を使用して操
作者が出発地を設定するようにしてもよい。そのとき
は、ステップS302において設定された出発地近辺の
経路探索が行われる。
【0058】このようにして、操作者が目的地等を設定
した後、次に操作者が経路探索の開始を指示するまでの
空いた時間を利用して、経路探索の処理を先行して進め
ているため、実際に操作者が経路探索の指示をしてから
経路探索が終了するまでの時間が短縮される。本処理に
おいて、目的地や経由地のそれぞれの経路探索を開始
し、同時に操作者の操作をモニタするなど並行した処理
をマルチタスクプログラム処理をすることにより実現し
ている。経路探索を先行して処理を開始した後、操作者
が目的地あるいは経由地を変更した場合には、すでに開
始した処理を停止し、処理の結果がすでに出ている場合
にはその結果を廃棄すればよい。なお、経由値が複数設
定される場合も、同様な考え方で行う。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の経路探
索装置では、開始点リンクおよび終了点リンクをそれぞ
れ複数選択するようにしているので、経路探索の開始点
あるいは終了点として選択されたリンクに一方通行やそ
の他の通行規制があり経路探索が不可能となっても、次
の候補のリンクが選択されて経路探索が行われ、最終的
に経路探索が不可能となる確率が低減される。請求項2
記載の経路探索装置では、出発地や目的地を基準に所定
の範囲内に存在するリンクから複数の開始点リンクを選
択しているので、効率よく複数のリンクを選択すること
ができる。請求項3記載の経路探索装置では、出発地や
目的地からリンクまでの距離をパラメータとして、距離
の小さい順に複数のリンクを選択しているので、出発地
や目的地に近いリンクを選択することができる。請求項
4記載の経路探索装置では、経由地指示手段を備えるよ
うにしているので、出発地と目的地の間に経由地が設定
されても同様に経路探索を行うことができる。請求項5
記載の経路探索装置では、リンク間の接続情報に各リン
クの通行規制情報が含めるようにしているので、通行規
制の実体に沿った経路探索を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車載用ナビゲーション装置の一実
施の形態のブロック図である
【図2】メッシュ領域内で2本の道路が交差する例を示
す図
【図3】道路地図表示用データの構成を示す図
【図4】複数のノードおよび補間点を有する道路地図の
例を示す図
【図5】図5の太線道路のリンク列データを示す図
【図6】属性1+X座標データの一例を示す図
【図7】属性2+Y座標データの一例を示す図
【図8】ルート探索データのリンク番号を説明する図
【図9】ルート探索用データのデータ構成を示す図
【図10】推奨ルートデータのデータ構成の概要を示す
【図11】推奨ルートデータのノード情報とリンク情報
のデータ構成の詳細図
【図12】制御回路が行うメイン処理の概要を示すフロ
ーチャート
【図13】図12に続くフローチャート
【図14】経路探索の開始点を設定する場合を説明する
【図15】経路探索の終了点を設定する場合を説明する
【図16】自車位置から目的地の間に経由地が設定され
た場合を説明する図
【図17】複数リンク選択処理を示すフローチャート
【図18】ルート探索データの読み出しについて説明を
する図
【図19】ルート探索データの読み出しおよび経路探索
処理のフローチャート
【図20】経路探索の見かけ上の処理速度を上げる経路
探索処理のフローチャート
【図21】ルート探索データの読み出しおよび経路探索
処理のフローチャート
【符号の説明】
1 現在地検出装置 2 制御回路 3 入力装置 4 DRAM 5 画像メモリ 6 表示装置 7 地図データベース装置 8 SRAM 9 バッファーメモリ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地図上の道路の最小単位をリンクとし
    て、リンクの位置情報およびリンク間の接続情報を格納
    する格納手段と、 地図上の出発地を指示する出発地指示手段と、 地図上の目的地を指示する目的地指示手段と、 前記出発地指示手段により指示された出発地と前記リン
    クの位置情報とに基づいて経路探索の開始点となるべき
    開始点リンクを選択し、前記目的地指示手段により指示
    された目的地と前記リンクの位置情報とに基づいて経路
    探索の終了点となるべき終了点リンクを選択し、前記リ
    ンク間の接続情報に基づいて前記開始点リンクと前記終
    了点リンクとの間の経路を探索する制御手段とを備えた
    経路探索装置において、 前記制御手段は、前記開始点リンクおよび前記終了点リ
    ンクをそれぞれ複数選択することを特徴とする経路探索
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の経路探索装置において、 前記制御手段は、前記出発地を基準に所定の範囲内に存
    在するリンクから前記複数の開始点リンクを選択し、前
    記目的地を基準に所定の範囲内に存在するリンクから前
    記複数の終了点リンクを選択することを特徴とする経路
    探索装置。
  3. 【請求項3】請求項1〜2いずれか1項に記載の経路探
    索装置において、 前記制御手段は、前記出発地からリンクまでの距離を演
    算し、距離の小さい順に複数の開始点リンクを選択し、
    前記目的地からリンクまでの距離を演算し、距離の小さ
    い順に複数の終了点リンクを選択することを特徴とする
    経路探索装置。
  4. 【請求項4】請求項1〜3いずれか1項に記載の経路探
    索装置において、 地図上の経由地を1以上指示する経由地指示手段をさら
    に備え、 前記制御手段は、前記出発地と前記経由地の間の経路を
    探索するときは、前記出発地を経路探索の開始点の対象
    とし前記経由地を経路探索の終了点の対象として経路探
    索を行い、前記経由地と前記目的地の間の経路を探索す
    るときは、前記経由地を経路探索の開始点の対象とし前
    記目的地を経路探索の終了点の対象として経路探索を行
    い、前記経由地間の経路を探索するときは、先の経由地
    を経路探索の開始点の対象とし後の経由地を経路探索の
    終了点の対象として経路探索を行うことを特徴とする経
    路探索装置。
  5. 【請求項5】請求項1〜4いずれか1項に記載の経路探
    索装置において、 前記リンク間の接続情報には、各リンクの通行規制情報
    が含まれることを特徴とする経路探索装置。
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