JPH1017018A

JPH1017018A - 把手付き複合容器

Info

Publication number: JPH1017018A
Application number: JP17100296A
Authority: JP
Inventors: Takekuni Seki; 関　　武邦; Hiroto Kashima; 浩人鹿島; Keiko Nakamura; 圭子中村; Akitaka Iwasaki; 晃孝岩崎; Hideo Fukushima; 英夫福島; Hiroshi Kawasaki; 浩志河崎; Masayoshi Suzuta; 昌由鈴田
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1996-07-01
Filing date: 1996-07-01
Publication date: 1998-01-20

Abstract

(57)【要約】【課題】プラスチック製内装容器と、紙を主体とする外
装材からなる複合容器に関するもので、手で持てて、特
に片手で持てて、落とさないようにしたものである。【解決手段】外装材に切り起こし可能な把手片からなる
把手部を設けたものであり、使用時に把手にすることが
できる把手付き複合容器である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック製内
装容器と、紙を主体とする外装材からなる複合容器に関
するもので、外装材に把手を設けた把手付き複合容器に
係わる。

【０００２】

【従来の技術】飲料、調味料、化粧品、液体洗剤、化学
薬品、医薬品等の内容物を収納する容器として、プラス
チック製ボトルが使用されている。飲食物，医薬品，化
粧品等の内容物を収容するプラスチック製容器は、内容
物を使用し終わり、容器が不要になると、廃棄される。
しかしながら、プラスチック製容器は、廃棄処理場へ運
搬するには、潰れにくいので嵩張る、埋め立て廃棄地に
放置されても分解せず、燃焼処理すると高熱を発生して
焼却炉を痛める等の廃棄処理問題がある。そのため、プ
ラスチック製容器を、廃棄処理の容易な紙製に変えるこ
とが試みられたが、紙製の容器ではプラスチック製の容
器に比べ耐久性、衝撃強度等が弱く、また容器の形状も
制約される等のことがあり、用途が限定される。そこ
で、できるだけプラスチックの量を減らし、潰しやすく
する為に、薄肉プラスチック製の内装容器を使用し、容
器の強度低下を補強するため、内装容器の外側に、外装
材としての剛性を有する、必要であればガスバリヤ性を
有する、紙を含む積層材を成形した外装材を使用した複
合容器が提案されている。複合容器は、成形された外装
材を内装容器の成形金型内に載置し、内装容器の成形と
同時に一体化して製造される。さらに、内装容器を外装
材との嵌合により固定したり、内装容器と外装材とを接
着材で接着させることが行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来の
複合容器においては、複合容器の形、大きさ、重さ（内
装容器内に内容物を充填した時も含めて）などによっ
て、手でつかみにくい、場合によってはつかめても落と
してしまうことがあり、この点については考慮されてな
かった。本発明は、以上の課題を鑑み、手で持てて、特
に片手で持てて、落とさないようにする為に、外装材に
把手部を設け、使用時に把手にすることができる複合容
器を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明に於い上記課題を
達成するために、まず請求項１においては、プラスチッ
ク製内装容器と、紙を主体とするシートから形成された
外装材とからなる複合容器において、外装材に切り起こ
し可能な把手片からなる把手部を設けたことを特徴とし
た把手付き複合容器である。

【０００５】また、請求項２においては、前記外装材の
把手部における把手片はミシン目線から形成されている
ことを特徴とした請求項１記載の把手付き複合容器であ
る。

【０００６】また、請求項３においては、前記外装材の
把手部における把手片の周縁の一部に、きっかけ部を設
けたことを特徴とした請求項１及び２記載の把手付き複
合容器である。

【０００７】さらにまた、請求項４においては、前記外
装材の把手部の把手片に補強材を貼りつけたことを特徴
とした請求項１、２及び３記載の把手付き複合容器であ
る。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態につき説
明する。外装材は、紙を主体とするシートから形成され
るが、紙単体でも良く、紙とプラスチックフィルムや金
属箔などを組み合わせた積層シートでも良い。外装材に
した時、内装容器を保持、補強できるような剛性を有
し、加工しやすいシートが選ばれる。このシートを、切
断、折り曲げ、接着等の加工を施して、外装材が形成さ
れるが、その形状は、箱状、筒状、筒状からさらに加工
して使用時の重量を考慮して筒の下端部を閉鎖するフラ
ップにした状態のものや筒の上端部を内方に折り曲げた
状態のものなどである。

【０００９】プラスチック製内装容器は、内容物を抽出
する開口部をもつものであれば良く、ブロー成形法、延
伸ブロー成形法で加工可能な比較的胴部壁の薄いボトル
状容器、射出成形法で加工可能なカップ状容器等の形態
である。これら内装容器を形成するプラスチック材料
は、上記加工方法を用いて容器を形成させる材料であれ
ば、どのような材料を用いてもかまわない。たとえば、
ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン
テレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、高ニトリル樹
脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビリル共重合
体樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンナフタレート
樹脂、ポリカーボネート樹脂等である。

【００１０】本発明の複合容器は、例えば以下の方法で
製造する。初めに、射出成形法により内装容器の予備成
形体を製造する。次に、外装材をブロー金型内へ装着
し、同時に予備成形体を加熱し、同金型内へ装着して、
延伸ブロー成形を外装材内で行う。この方法で、外装材
内面に内装容器の胴部の外壁が密着され、内装容器の成
形と同時に、外装容器と一体となった複合容器が製造さ
れる。

【００１１】この時に、外装材の内面は、内装容器を延
伸ブローで成型する時の熱と圧力で接着効果を発揮する
材料であることが望ましい。この為に、加熱により接着
可能な内装容器の表面材料と外装材の内面材料とを同じ
材質の材料を選ぶことで、内装容器と外装材とを、内装
容器成形と同時に接着させることも可能である。この場
合接着させない部分には、剥離剤等の接着を阻害する材
料を外装容器の該部分に塗布しておくと良い。または、
内装容器に接する外装材の内側表面には、内装容器と接
着したい部分に接着剤を設けても良い。この場合、外装
材と内装容器とは、強制的に剥離可能な接着強度にして
おくか、あるいは接着剤を溶解可能なものを用いること
により、内装容器と外装材とを分離させ、廃棄処理を容
易にすることができる。

【００１２】外装材に、切り起こし可能な把手片を有す
る把手部を設け、切り起こした時に把手にする。把手片
はミシン目線で形成されるが、切り起こした時の把手片
の根元部にはミシン目線がないものである。通常、把手
部には、左右対称の一対のの把手片を設ける。但し一対
に限定されるものではない。把手片は内装容器と接着さ
せないようにする。逆に、起こしやすくする為に、把手
片の近傍または把手片の近傍根元部を内装容器と接着さ
せるようにすると良い。

【００１３】切り起こした時のきっかけとする為に、ミ
シン目線からなる把手片のミシン目線の周縁の一部に、
切り目線またはミシン目線からなるきっかけ部を設ける
と良い。切り目線又はミシン目線を直線、半円周等の形
状など適宜設ける。

【００１４】外装材の把手が、把手として強度的に不十
分である場合、把手片の裏面もしくは表面に補強シート
を貼り付けると良い。また、把手片の近傍根元部は、接
着剤を用いて、接着を強固なものにしておくと良い。

【００１５】把手片に切り目線又はミシン目線を入れ、
使用後の廃棄時には、把手部の部分から外装材を破りと
り、内装容器と分離させることも可能である。

【００１６】本発明の複合容器を製造するときには、把
手部の把手片を切り起こさず、内容物を充填し、その後
の輸送、保存、小売店での陳列時までその形態を保持す
る。最終的な使用時において初めて、外装材のミシン目
を切り起こし、把手としての機能を発揮させる。収納時
に取手部を折り畳むことも可能である。

【００１７】

【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
る。外装材（２０）は、厚さ０．７ｍｍの紙の内外表面
にポリエチレン樹脂層を形成し、更に内面（裏面）に
は、ＥＶＡ系接着剤を塗工量３ｇ／ｍ²に塗布した接着
層を設けた積層シートを使用した。外装材（２０）を作
成する為に、先ずブランクシート（５０）を準備する。
図１に示すように、４面の胴部（１２）と胴部（１２）
に隣接する天蓋部（１３）とのり代部（１１）とからな
り、さらに、胴部（１２）には、把手部（４１）が設け
られ、把手部（４１）内には左右対称図形のミシン目線
（４３）から形どった把手片（４２、４２’）からな
り、把手片（４２、４２’）の一部には、ミシン目線か
らなる半円状のきっかけ部（４４）及び直線状の切り目
線のきっかけ部（４５）を設け、さらに把手片（４２、
４２’）の裏面には把手片（４２、４２’）の形状より
やや小さい厚さ０．７ｍｍの紙からなる補強材（４５）
[ 図１には図示せず、図３に図示］を設けたブランクシ
ート（５０）である。図２に示すように、このブランク
シート（５０）ののり代部（１１）と胴部（１２）の端
とを接着し、さらに天蓋部を内方斜めに折り曲げて外装
材（２０）を作成した。

【００１８】次に、内装容器（３０）として、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂を用い、射出成形により成形予
備体を成形した。予備成形体を赤外線ヒーターで加熱
し、前記外装材（２０）を、金型内に載置し、その中で
延伸ブロー成形し、図３に示すように、外装材（２０）
の内面にプラスチック製内装容器（３０）の胴部外壁が
張り付き、開口部と底部とが露出した、外装材（２０）
と一体になった状態の内容量１０００ｍｌの内装容器
（３０）である複合容器（１０）を成形した。

【００１９】補強材（４５）以外の部分は、外装材（２
０）は、内装容器（３０）と接着されており、補強材
（４５）は紙であるので内装容器（３０）と接着されて
いないので、半円状のきっかけ部（４４）または直線状
の切り目線のきっかけ部（４５）に手の指を挿入して、
把手片（４２、４２’）を切り起こし、立ち上げること
ができ、図３に示すような状態の把手［図３では、片方
だけの把手片を切り起こしているが両方を切り起こすも
のである］が容易に得られた。この複合容器（１０）の
内装容器（３０）に水１０００ｍｌ充填したあと把手を
片手で容易につかめ、落とす心配は全くなかった。

【００２０】

【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き優れた実用上の効果がある。即ち、請求項１お
よび２によれば、・把手形成が容易であり、手で持てて、特に片手で持
て、落とす心配などのものである。・最終使用時に初めて切り起こして把手とすれば良く、
最終使用するまでの間は、把手は、容器本体より突出す
ることなく保持されるので、容器の梱包、運搬、保存な
ど効率よく行え、さらに内容物の充填時にも、ハンドリ
ング良く操作できる。・さらに、把手部より容易に内装容器と外装容器を分離
させ、廃棄時の分別回収や材料のリサイクルが容易とな
り、内装容器、外装容器ともコンパクトに畳むことで減
容化が可能となる。また、請求項３によれば、切り起こ
し操作が容易になる。さらにまた、請求項４によれば、
把手が形がくずれず、丈夫なものにすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す、ブランクシートの平面
図である。

【図２】本発明の実施例を示す、外装材の斜視図であ
る。

【図３】本発明の実施例を示す、複合容器の斜視図であ
る。

【符号の説明】１０ …複合容器２０ …外装材２１ …のり代部２２ …胴部２３ …天蓋部３０ …内装容器４１ …把手部４２ …把手片４２’…把手片４３ …ミシン目線４４ …ミシン目線４５ …補強材５０ …ブランクシート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者岩崎晃孝東京都台東区台東１丁目５番１号凸版印刷株式会社内 (72)発明者福島英夫東京都台東区台東１丁目５番１号凸版印刷株式会社内 (72)発明者河崎浩志東京都台東区台東１丁目５番１号凸版印刷株式会社内 (72)発明者鈴田昌由東京都台東区台東１丁目５番１号凸版印刷株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】プラスチック製内装容器と、紙を主体とす
るシートから形成された外装材とからなる複合容器にお
いて、外装材に切り起こし可能な把手片からなる把手部
を設けたことを特徴とした把手付き複合容器。
【請求項２】前記外装材の把手部における把手片はミシ
ン目線から形成されていることを特徴とした請求項１記
載の把手付き複合容器。
【請求項３】前記外装材の把手部における把手片の周縁
の一部に、きっかけ部を設けたことを特徴とした請求項
１及び２記載の把手付き複合容器。
【請求項４】前記外装材の把手部の把手片に補強材を貼
りつけたことを特徴とした請求項１、２及び３記載の把
手付き複合容器。