JPH10170099A - 吸収式ヒートポンプ装置 - Google Patents

吸収式ヒートポンプ装置

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JPH10170099A
JPH10170099A JP32730996A JP32730996A JPH10170099A JP H10170099 A JPH10170099 A JP H10170099A JP 32730996 A JP32730996 A JP 32730996A JP 32730996 A JP32730996 A JP 32730996A JP H10170099 A JPH10170099 A JP H10170099A
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JP
Japan
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refrigerant
heat transfer
transfer tube
heat
evaporator
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JP32730996A
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Inventor
Tadao Abe
忠夫 阿部
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Sanyo Electric Co Ltd
Original Assignee
Sanyo Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収式ヒートポンプ装置において、伝熱管内
に吐出される冷媒の気化率を高めることを解決課題とす
る。 【解決手段】 吸収液から冷媒を気化分離する精溜器
と、気化冷媒を凝縮して液化する凝縮器と、凝縮器から
供給される液化冷媒と熱媒体との熱交換により液化冷媒
を気化させる蒸発器と、気化した冷媒と前記精溜器から
供給される吸収液とを反応させることにより、前記吸収
液中に冷媒を吸収させる吸収器とを備え、前記蒸発器
が、鉛直方向に沿って配設された伝熱管18の内壁へ向
けて冷媒を吐出する冷媒吐出孔53aが形成された冷媒
吐出ノズル53を備え、前記冷媒吐出孔が、伝熱管の上
端部から所定距離下方にずれた位置に設けられていると
ともに、伝熱管の内壁に対して約5mm以下の距離で対
向させられていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷暖房機や給湯器
等に用いられる吸収式ヒートポンプ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本願出願人は、この種の吸収式ヒートポ
ンプ装置を特願平7−292756号において提案し
た。
【0003】図7において、符号1は、前記提案に係わ
る吸収式ヒートポンプ装置を示すもので、熱交換用の冷
媒Aを吸収した吸収液Dを加熱して、この吸収液Dから
前記冷媒Aを気化させて分離する精溜器2と、前記分離
された気化冷媒Aを凝縮して液化する凝縮器3と、この
凝縮器3から排出される液化冷媒Aが内部に供給される
とともに、外面に接触させられる外気等の熱媒体Cから
蒸発潜熱を奪って前記液化冷媒Aを気化させる蒸発器4
と、この蒸発器4から供給される気化冷媒Aと、前記精
溜器2から供給される吸収液Bとを反応させることによ
り前記吸収液B中に冷媒Aを吸収させるとともに、この
冷媒Aを吸収した吸収液Dを前記精溜器2へ循環させる
吸収器5とを備えた概略構成となっている。
【0004】前記精溜器2は、鉛直方向に沿って設けら
れた筒状の精溜塔6と、この精溜塔6の下方に連設さ
れ、前記冷媒Aを吸収した吸収液B(以下、冷媒Aを吸
収した状態の吸収液Bを、作動液Dと称する)を加熱す
るための加熱部としてのバーナ7を備えた再生器8と、
前記精溜塔6の略中間部に設けられ、この精溜塔6内に
前記作動液Dを散布する作動液散布ノズル9と、この作
動液散布ノズル9と前記再生器8との間に介装された不
織布等の充填材10と、前記精溜塔6の上端部近傍に設
けられ、前記バーナ7の加熱によって作動液Dから気化
分離された冷媒Aが、この精溜塔6の上部へ至った際
に、この冷媒Aを冷却して凝縮させる補助凝縮器11が
設けられている。
【0005】前記凝縮器3は、前記精溜塔6と略平行に
設けられており、前記補助凝縮器11の下流側の端部に
ダクト12によって連通させられた貯留ボックス13
と、その下方に間隔をおいて設けられた冷媒タンク14
と、これらの貯留ボックス13と冷媒タンク14とを連
通させる複数の連通管15と、これらの連通管15を取
り囲んで設けられるとともに、前記貯留ボックス13と
冷媒タンク14との間に冷却水流路16を形成する外装
体17とによって構成されている。
【0006】そして、この凝縮器3は、前記補助凝縮器
11を経て貯留ボックス13へ流入する冷媒Aを、前記
各連通管15を通して冷媒タンク14へ導き、これらの
連通管15を通過させる間において、これらの連通管1
5を介して前記冷却水流路16を流れる後述する冷却水
Eによって冷却することにより、前記冷媒Aを凝縮し液
化するようになっている。
【0007】前記蒸発器4は、鉛直方向に沿って配設さ
れた複数の伝熱管18と、これらの伝熱管18の上端を
相互に連通状態で接続する上部ヘッダ19と、前記各伝
熱管18の下端を相互に連通状態で接続する下部ヘッダ
20と、前記伝熱管18の長さ方向に沿って間隔をおい
て設けられ、かつ、これらの伝熱管18が貫通状態で固
定された多数の伝熱フィン21とによって構成され、さ
らに、前記各伝熱管18の上端部が、冷媒供給管22を
介して前記冷媒タンク14へ連通させられているととも
に、前記上部ヘッダ19が連通管23を介して前記吸収
器5の上端部に連通させられ、さらに、前記下部ヘッダ
20が、前記吸収器5の下端に設けられている作動液タ
ンク24へ連通管25を介して連通させられている。
【0008】また、前記冷媒供給管22の下流側の端部
と前記蒸発器4の各伝熱管18の上端部との間には、前
記冷媒供給管22から供給される液化冷媒Aを、前記各
伝熱管18へ分配供給するとともに、その内面に沿って
滴下させるための冷媒滴下手段26が設けられている。
【0009】この冷媒滴下手段26は、図8および図9
に示すように、前記各伝熱管18の上端部に沿って配設
された冷媒供給ヘッダ27と、この冷媒供給ヘッダ27
にその長さ方向に間隔をおいて設けられ、前記各伝熱管
18の内部へ突出して設けられた冷媒供給ノズル28
と、前記各伝熱管18の上端内部に設けられ、前記冷媒
供給ノズル28から供給される液化冷媒Aを、前記各伝
熱管18の内壁面に沿うようにして滴下させるガイド部
材29とによって構成されている。
【0010】詳述すれば、前記各伝熱管18の上端部に
は、図9に示すように、大径部18aが形成されてお
り、この大径部18aの開口端部を覆うようにして、前
記上部ヘッダ19が気密に接続されているとともに、こ
の上部ヘッダ19の前記伝熱管18の小径部18bに対
向させられる位置には、伝熱管18と上部ヘッダ19と
の連通をなす貫通孔19aが形成され、この貫通孔19
aと前記伝熱管18の小径部18bとを連通させるよう
にして略同一径の環状の前記ガイド部材29が装着され
ている。
【0011】このガイド部材29は、その上端部におい
て、前記上部ヘッダ19に気密に接続されているととも
に、その下端部において、前記伝熱管18の小径部18
b内に嵌合させられており、したがって、前記伝熱管1
8に形成されている大径部18aによって、前記ガイド
部材29と上部ヘッダ19との間に液化冷媒Aの溜まり
部18cが形成され、この溜まり部18c内に、前記伝
熱管の大径部18aの側壁を貫通して設けられた前記冷
媒供給ノズル28の先端部が位置させられている。
【0012】また、前記ガイド部材29の下端部には、
その軸方向に沿いかつ下端面へ向けて開口されるガイド
溝30が、前記ガイド部材29の下端面から所定深さ
に、かつ、周方向に間隔をおいて多数形成されており、
これらのガイド溝30を介して前記溜まり部18cが前
記伝熱管18の内部へ連通させられている。
【0013】一方、前記吸収器5は、前記蒸発器4の上
部ヘッダ19に連設されている連通管23が接続された
吸収液滴下手段31と、この吸収液滴下手段31の下方
に間隔をおいて配設され、前記気化冷媒Aとの反応によ
りこの冷媒Aの吸収を行った吸収液Bすなわち作動液D
が貯留される前記作動液タンク24と、これらの吸収液
滴下手段31と作動液タンク24とを連通する複数の連
通管32と、これらの連通管32を取り囲んで設けられ
るとともに、前記吸収液滴下手段31と作動液タンク2
4との間に冷却水流路33を形成する外装体34とによ
って構成されており、その内部圧力を減圧することによ
り、前記伝熱管18において気化した冷媒Aを吸引する
ようになっている。
【0014】また、前記吸収液滴下手段31は、その上
部に、前記再生器8において濃縮された吸収液Bを供給
する吸収液供給管35が接続され、また、内部には、こ
の内部を上下方向に2分割するようにして配設された分
散板36が装着され、この分散板36よりも下方となる
位置に前記連通管23が接続されており、この連通管2
3によって、前記蒸発器4から気化した冷媒Aが送り込
まれるようになっている。
【0015】さらに、前記作動液タンク24は、作動液
戻し管37を介して前記作動液散布ノズル9へ連通させ
られており、この作動液戻し管37の途中には、前記作
動液タンク24に貯留されている作動液を前記作動液散
布ノズル9へ送り込むための作動液循環ポンプ38が設
けられている。
【0016】前記吸収器5の外装体34の上端部と凝縮
器3の外装体17の下端部との間には連通管39が設け
られて両者の連通がなされているとともに、前記凝縮器
3の外装体17の上端部と前記補助凝縮器11との間に
連通管40が設けられて両者の連通がなされ、さらに、
前記補助凝縮器11と前記吸収器5の外装体34の下端
部との間には連通管41が設けられてこれらの連通がな
されており、これらの外装体34、連通管39、外装体
17、連通管40、補助凝縮器11、および、連通管4
1によって冷却水循環用の閉回路が形成され、前記連通
管41の途中には、暖房用の室内機42と、前記冷却水
Eの循環をなす冷却水循環ポンプ43が設けられてい
る。
【0017】また、図7中符号44は、前記冷媒供給管
22の途中に設けられて液化冷媒Aの供給を行う冷媒循
環ポンプを示し、符号45は、前記吸収液供給管35と
作動液戻し管37とが挿通させられるとともに、これら
の間で熱交換を行わせるための熱交換器を示し、さら
に、符号46は、前記蒸発器4に対して外部の熱媒体C
としての外気を送り込む送風ファンを示す。
【0018】このように構成された先の提案に係わる吸
収式ヒートポンプ装置1では、冷媒タンク14から冷媒
循環ポンプ44によって送り込まれる液化冷媒Aが、蒸
発器4の上部に設けられている冷媒滴下手段26へ供給
される。
【0019】そして、この冷媒滴下手段26において
は、その冷媒供給ヘッダー27および各冷媒供給ノズル
28によって液化冷媒Aを溜まり部18cへ分配供給
し、この溜まり部18cに供給された液化冷媒Aが、各
ガイド溝30を介して伝熱管18の内壁面に滴下される
ことにより、前記液化冷媒Aが伝熱管18の内壁面に沿
って流下させられるとともに、前記伝熱フィン21およ
び伝熱管18の表面に熱媒体Cとしての外気が接触させ
られることにより、この外気Cと前記伝熱管18の内壁
面を流下する液化冷媒Aとの熱交換が行なわれ、この液
化冷媒Aが前記外気Cから気化潜熱を奪って気化すると
ともに、この気化冷媒Aが各伝熱管18内を上方へ移動
し、この伝熱管18の上端に設けられている上部ヘッダ
19によって集合させられた後に前記吸収器5へ送り込
まれる。
【0020】この吸収器5へ送り込まれた気化冷媒A
は、再生器8から送り込まれる吸収液Bと接触させられ
ることによってこの吸収液B中に吸収されて作動液Dと
なされ、さらに、この作動液Dが、作動液循環ポンプ3
8によって作動液散布ノズル9へ送り込まれて精溜塔6
内に散布されるとともに、精溜塔6の下部に設けられて
いるバーナ7によって加熱されて前記冷媒Aが気化され
ることにより、前記作動液Dが吸収液Bと冷媒Aとに分
離される。
【0021】このように、冷媒Aは、補助凝縮器11お
よび凝縮器3を通過させられる間において冷却水Eとの
熱交換を行ない、また、吸収器5を通過させられる間に
おいて、外気から吸収した熱を前記冷却水Eへ与える。
【0022】したがって、冷却水Eが吸収器5、凝縮器
3、および、補助凝縮器11へと循環させられる間に徐
々に加熱された後に、前記室内機42へ送り込まれて暖
房に供される。
【0023】このような吸収式ヒートポンプ装置1にお
いては、外気Cの熱エネルギを吸収して冷却水Eの加熱
の補助を行なうことにより、前記バーナ7の発熱量に対
する室内機42からの放熱量を1.3倍以上に高めるこ
とが可能となる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記吸収器
5においては、その内部圧力を下げることによって前記
伝熱管18内の気化冷媒Aを伝熱管18の上端から吸引
するようにしており、また、前記伝熱管18内の圧力
は、前記冷媒Aの気化によって上昇する傾向にあること
から、前記伝熱管18の内部には、その下端部から上端
部を経て吸収器5へ向かう気流が形成されている。
【0025】ここで、蒸発器4においては、液化冷媒A
を伝熱管18の上端からその内壁面へ滴下させる構成と
しているが、前記冷媒Aの気化量が多い場合、伝熱管1
8内の圧力上昇が大きく、前記気流の速度が加速される
ことから、各伝熱管18の上部に滴下された冷媒Aが、
前記気流によって気化前に吸収器5へ送り込まれてしま
い、蒸発器4での熱交換効率が低下してしまうことが想
定され、その改善が必要である。
【0026】本発明は、このような先の提案における要
望に鑑みてなされたもので、吸収式ヒートポンプ装置に
おいて、伝熱管内に吐出される冷媒の気化率を高めるこ
とを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の吸収式ヒートポンプ装置は、前述した目的を達成する
ために、熱交換用の冷媒を吸収した吸収液を加熱して、
この吸収液から前記冷媒を気化させて分離する加熱部を
備えた精溜器と、前記分離された気化冷媒を凝縮して液
化する凝縮器と、この凝縮器から排出される液化冷媒が
内部に供給されるとともに、外面に接触させられる熱媒
体との熱交換により前記冷媒を気化させる蒸発器と、こ
の蒸発器から供給される気化冷媒と前記精溜器から供給
される吸収液とを反応させることにより、前記吸収液中
に冷媒を吸収させるとともにこの冷媒を吸収した吸収液
を前記精溜器へ循環させる吸収器とを備え、前記蒸発器
が、鉛直方向に沿って配設された伝熱管と、この伝熱管
の内壁へ向けて前記液化冷媒を吐出する冷媒吐出孔が形
成された冷媒吐出ノズルを備え、前記冷媒吐出孔が、前
記伝熱管の上端部から所定距離下方にずれた位置に設け
られているとともに、前記伝熱管の内壁に対して約5m
m以下の距離で対向させられていることを特徴としてい
る。
【0028】また、本発明の請求項2に記載の吸収式ヒ
ートポンプ装置は、請求項1において、前記冷媒吐出孔
が複数設けられているとことを特徴としている。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図1ないし図6に基づき説明する。
【0030】なお、以下の説明中、図7ないし図9と共
通する部分については同一符号を用いて説明を簡略化す
る。
【0031】図1において符号50は、本実施形態に係
わる吸収式ヒートポンプ装置を示し、この吸収式ヒート
ポンプ装置50は、吸収液B(作動液D)から冷媒を気
化させて分離する加熱部を備えた精溜器2と、前記分離
された気化冷媒Aを凝縮して液化する凝縮器51と、こ
の凝縮器51から排出される液化冷媒Aが内部に供給さ
れるとともに、外面に接触させられる外気Cとの熱交換
により前記液化冷媒Aを気化させる蒸発器52と、この
蒸発器52から供給される気化冷媒Aと前記精溜器2か
ら供給される吸収液Bとを反応させることにより、前記
吸収液B中に冷媒Aを吸収させるとともに、この冷媒A
を吸収した吸収液Bすなわち作動液Dを前記精溜器2へ
循環させる吸収器5とを備え、前記蒸発器52が、鉛直
方向に沿って配設された伝熱管18と、図3に示すよう
に、この伝熱管18の内壁へ向けて前記液化冷媒Aを吐
出する冷媒吐出孔53aが形成された冷媒吐出ノズル5
3を備え、この冷媒吐出孔53aが、前記伝熱管18の
上端部から所定距離下方にずれた位置に設けられている
とともに、前記伝熱管18の内壁に対して約5mm以下
の隙間gで対向させられた概略構成となっている。
【0032】ついで、これらの詳細について説明すれ
ば、本実施形態においては、前記凝縮器51が連通管4
0を介して前記吸収器5の冷却水路33へ連通させられ
ており、この連通管40および前記冷却水路33と室内
機42とを連通する連通管41とともに、冷却水循環系
を構成するようになっている。
【0033】また、前記凝縮器51の下流側には、この
凝縮器51によって凝縮液化された冷媒Aを貯留するた
めの冷媒タンク54が接続されており、この冷媒タンク
54の冷媒流出部に、後述するU字管55を介して前記
冷媒吐出ノズル53が接続されている。
【0034】前記冷媒吐出ノズル53は、前記伝熱管1
8の下部から外方へ突出させられたU字管55の一端部
に連設され、このU字管55の他端部には前記冷媒タン
ク54が連設されおり、この冷媒タンク54に貯留され
ている前記液化冷媒Aが前記U字管55を介して前記冷
媒吐出ノズル53へ、サイフォン現象により供給される
ようになされている。
【0035】また、このU字管55は、前記各伝熱管1
8毎に設けられ、前記冷媒吐出ノズル53が一体形成さ
れるとともに前記伝熱管18の外部へ突出させられた複
数の吐出管55aと、前記伝熱管18の外部において、
前記各吐出管55aを相互に連通させる分配ヘッダ55
bと、この分配ヘッダ55bと前記冷媒タンク54とを
連通させる連通管55cとによって構成され、全体とし
て下方へ向けて湾曲したU字形状となされている。
【0036】そして、図2に示すように、前記冷媒吐出
ノズル53は、前記伝熱管18の上端部より所定距離下
方にずれた位置に(本実施形態においては、前記伝熱管
18の長さ方向の略中間部に)位置させられているとと
もに、前記冷媒タンク54の下端が、前記冷媒吐出ノズ
ル53よりも上方へ位置させられて、その内部に貯留さ
れる液化冷媒Aの液面が前記冷媒吐出ノズル53よりも
常に上方に位置するようになされている。
【0037】さらに、前記冷媒吐出ノズル53の先端部
近傍の側壁には、図3および図4に示すように、前記伝
熱管18の内壁面へ向かって開口する冷媒吐出孔53a
が形成されており、前記冷媒吐出ノズル53の先端部
が、前記伝熱管18の内壁面に対して近接して設けられ
ることにより、前記冷媒吐出孔53aが、前記伝熱管1
8の内壁面との間に所定距離以下の隙間gを空けて対向
させられるようになっている。
【0038】この隙間gは、使用する冷媒Aの粘度や温
度によっても左右されるが、通常の使用範囲では、約5
mm以下に設定される。
【0039】この隙間gを5mm以下に設定するのは、
前記液化冷媒Aが冷媒吐出孔53aから伝熱管18の内
壁面へ向けて吐出させられた際に、この液化冷媒Aを、
前記冷媒吐出ノズル53と前記伝熱管18の内壁面との
間に表面張力を利用して保持させるとともに、この表面
張力を最大にして、たとえば、伝熱管18内の上昇気流
が大きい場合には、未気化の冷媒Aが上方へ吸引される
ことを防止し、また、前記上昇気流が小さい場合には、
前記冷媒吐出孔53aから吐出された冷媒Aが冷媒吐出
管53の外面を伝わって落下することを防止するためで
ある。
【0040】この冷媒吐出管53の外面を伝わって落下
する液化冷媒Aは気化することはなく、かつ、外気Cか
ら気化潜熱を奪うこともない。
【0041】また、、図3に示すように、前記伝熱管1
8の内壁面には、微小深さの螺旋溝(ローレット状の凹
凸でもよい)Rが全面に亙って形成されており、この螺
旋溝Rの作用によって、前記液化冷媒Aが伝熱管18の
内壁面に良好に付着させられるとともに、この内壁面に
沿って円滑に広がり、その結果、前記液化冷媒Aの円滑
な気化が行なわれるようになっている。
【0042】一方、前記前記伝熱管18の外周面に装着
された伝熱フィン21は、図2および図3に示すよう
に、伝熱管18の長さ方向に所定間隔を置いて多数設け
られ、これらの各伝熱フィン21は、水平面に対して傾
斜して設けられているとともに、図3に示すように、前
記伝熱管18が挿入されかつその表面に圧接させられる
ボス部21aが形成されている。
【0043】そして、前記伝熱フィン21の傾斜方向
は、図3に示すように、伝熱管18の表面に接触させら
れる外気Cの流れ方向の下流側が下方となるように設定
され、また、前記ボス部21aは、伝熱フィン21と伝
熱管18との伝熱面を形成するとともに、下方に位置す
る伝熱フィン21へ当接させられてこれらの間隔を一定
に保持するようになされている。
【0044】このように伝熱フィン21に傾斜をつける
ことにより、伝熱フィン21の表面が結露した場合、そ
の水滴が伝熱フィン21の傾斜によって下流側へ移動し
て、伝熱フィン21の下端縁から落下除去される。
【0045】さらに、本実施形態においては、図5に示
すように、前記各伝熱フィン21の傾斜方向下方に位置
する端部で、隣接する伝熱管18の間に位置する部分に
は、その端縁から所定深さのスリット56がそれぞれ形
成されている。
【0046】これらのスリット56は、たとえば、深さ
約10mmで幅約4mmに形成されているもので、前記
伝熱フィン21の下方の端縁に対して交差する方向に沿
った端縁56aを形成することにより、これらの交点部
分にエッジを形成し、このエッジによって前記冷媒Aの
水滴Hの表面張力による密着力を破壊するきっかけを作
り、この水滴Hの落下を促進するために設けられたもの
である。
【0047】また、このように伝熱フィン21にスリッ
ト56を形成した場合、この伝熱フィン21の下方の端
縁が、前記伝熱管18毎に独立されていることから、図
6に示すように、前記伝熱フィン21の端縁を、前記ス
リット56間において下方へ突出するように湾曲させる
ことにより、前記伝熱フィン21の表面に付着した水滴
Hを、前記湾曲面によって各スリット56へ向けて滑ら
せるような形状にすることが可能となり、これによって
前記水滴Hの落下がさらに促進される。
【0048】このように構成された本実施形態に係わる
吸収式ヒートポンプ装置50においては、蒸発器52に
おいて液化冷媒Aを気化させて外気から熱を吸収する際
に、この液化冷媒Aが、鉛直に設置された伝熱管18の
長さ方向略中間部の内壁面へ向けて吐出させられること
から、伝熱管18内の気流によって未気化の液滴状の冷
媒Aが伝熱管18の上方すなわち下流側へ向けて搬送さ
れた場合においても、伝熱管18の上方における気化量
が少なく圧力が比較的低いことから、液滴状の冷媒A
は、伝熱管18の上端部に到達する前にその上昇を停止
して伝熱管18の内壁に付着し、その後に降下を開始
し、その降下の途中で、前記伝熱管18の管壁を介した
外気Cとの熱交換によって気化させられる。
【0049】したがって、未気化の冷媒Aが吸収器5へ
送り込まれることが抑制されて、伝熱管18内における
冷媒Aの気化量が高められることにより、蒸発器52に
おける熱交換効率が高められる。
【0050】さらに、前記冷媒吐出孔53aが、約5m
m以下の隙間gで伝熱管18の内壁面へ対向させられて
いることにより、冷媒吐出孔53aから吐出させられた
液化冷媒Aが、前記冷媒吐出ノズル53と前記伝熱管1
8の内壁面との間に、最大の表面張力によって保持され
るから、伝熱管18内の上昇気流が大きい場合には、未
気化の冷媒Aが上方へ吸引されることを防止し、また、
前記上昇気流が小さい場合には、前記冷媒吐出孔53a
から吐出された冷媒Aが冷媒吐出管53の外面を伝わっ
て落下することが防止される。
【0051】したがって、この点からも、液化冷媒Aの
気化量が確保されて、蒸発器52における熱交換効率が
高められる。
【0052】そして、蒸発器52の能力が大きくなる
分、凝縮器51の能力が軽減され、従来、凝縮器3と補
助凝縮器11とが必要とされていた凝縮部の機能が、一
つの凝縮器51で済むようになり、装置の簡素化ならび
に小型化が可能となる。
【0053】なお、前述した実施形態において示した各
構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、設計
要求等に基づき種々変更可能である。
【0054】たとえば、前記実施形態においては、冷媒
タンク54を冷媒吐出ノズル53よりも上方に配置し
て、冷媒循環ポンプ44を省略した例について示した
が、従来と同様に、冷媒タンク54を冷媒吐出ノズル5
3よりも下方に位置させるとともに、前記冷媒吐出ノズ
ル53へ冷媒循環ポンプ44によって冷媒Aを供給する
ようにすることも可能である。
【0055】但し、この場合には、冷媒供給ポンプ44
の脈動等により、冷媒Aの供給が不均一になることが想
定されるが、冷媒吐出ノズル53を伝熱管18の上端部
より下方にずらして設けることによる気化量の増加効果
は十分に達成される。
【0056】また、前記冷媒吐出ノズル53の伝熱管1
8に対する設置位置も中間部に限られることなく、伝熱
管18における気流の速度等に基づき上下方向に変更調
整可能であり、この冷媒吐出ノズル53に設けられる冷
媒吐出孔53aを複数設けることも可能である。
【0057】このように、冷媒吐出孔53aを複数設け
ることにより、冷媒Aの吐出量や吐出方向を調整して、
その滴下状態の調整を行なうことが可能となる。
【0058】さらに、伝熱フィン21を傾斜させ、ある
いは、これらの伝熱フィン21にスリット56を設けて
水滴の除去を容易にした構成について示したが、これら
の伝熱フィン21は水平であってもよい。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係わる吸収式ヒートポンプ装置によれば、蒸発器にお
いて液化冷媒を気化させて熱媒体から熱を吸収する際
に、この液化冷媒を、伝熱管の上端部から下方へ離した
位置の内壁面へ向けて吐出させることにより、伝熱管内
の気流によって未気化の液滴状の冷媒が伝熱管の上方へ
向けて飛散された場合においても、液滴状の冷媒が、伝
熱管その上端部に到達する前に上昇を停止して伝熱管の
内壁に付着した後に降下を開始し、その降下の途中で、
前記伝熱管の管壁を介した熱媒体との熱交換によって気
化させられる。
【0060】したがって、未気化の冷媒が吸収器へ送り
込まれることを抑制して、伝熱管内における冷媒の気化
量を高めることにより、蒸発器における熱交換効率を高
めることができる。
【0061】しかも、冷媒吐出孔を、約5mm以下の隙
間で伝熱管18の内壁面へ対向させたことにより、冷媒
吐出孔から吐出させられた液化冷媒を、前記冷媒吐出ノ
ズルと前記伝熱管の内壁面との間に、最大の表面張力に
よって保持し、これによって、伝熱管内の上昇気流が大
きい場合には、前記液化冷媒が上方へ吸引されることを
防止し、また、前記上昇気流が小さい場合には、前記冷
媒吐出孔から吐出された液化冷媒が冷媒吐出ノズルの外
面を伝わって落下することを防止することができる。
【0062】したがって、この点からも、液化冷媒を確
実に伝熱管の内壁面になじませることにより冷媒の気化
量を確保して、蒸発器における熱交換効率を高めること
ができる。
【0063】また、本発明の請求項2に係わる吸収式ヒ
ートポンプ装置によれば、冷媒吐出孔を複数設けること
により、冷媒の吐出量や吐出方向を調整して、その滴下
状態の調整を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体のシステム構成
図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる蒸発器の概略構成
図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる冷媒吐出ノズル近
傍の構成を示す拡大縦断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる冷媒吐出ノズル近
傍の構成を示す、一部を省略した拡大横断面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係わる蒸発器の外観の一
部を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施形態の変形例を示す蒸発器の概
略構成図である。
【図7】本願出願人の先の提案に係わる吸収式ヒートポ
ンプ装置のシステム構成図である。
【図8】本願出願人の先の提案に係わる吸収式ヒートポ
ンプ装置における蒸発器の概略構成図である。
【図9】本願出願人の先の提案に係わる吸収式ヒートポ
ンプ装置における蒸発器の冷媒吐出部分の詳細図であ
る。
【符号の説明】
2 精溜器 5 吸収器 18 伝熱管 50 吸収式ヒートポンプ装置 51 凝縮器 52 蒸発器 53 冷媒吐出ノズル 53a 冷媒吐出孔 54 冷媒タンク A 冷媒 B 吸収液 C 外気(熱媒体) g 隙間

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換用の冷媒を吸収した吸収液を加熱
    して、この吸収液から前記冷媒を気化させて分離する加
    熱部を備えた精溜器と、前記分離された気化冷媒を凝縮
    して液化する凝縮器と、この凝縮器から排出される液化
    冷媒が内部に供給されるとともに、外面に接触させられ
    る熱媒体との熱交換により前記冷媒を気化させる蒸発器
    と、この蒸発器から排出される気化冷媒と前記精溜器か
    ら供給される吸収液とを反応させることにより、前記吸
    収液中に冷媒を吸収させるとともにこの冷媒を吸収した
    吸収液を前記精溜器へ循環させる吸収器とを備え、前記
    蒸発器が、鉛直方向に沿って配設された伝熱管と、この
    伝熱管の内壁へ向けて前記液化冷媒を吐出する冷媒吐出
    孔が形成された冷媒吐出ノズルを備え、前記冷媒吐出孔
    が、前記伝熱管の上端部から所定距離下方にずれた位置
    に設けられているとともに、前記伝熱管の内壁に対して
    約5mm以下の距離で対向させられていることを特徴と
    する吸収式ヒートポンプ装置。
  2. 【請求項2】 前記冷媒吐出孔が複数設けられていると
    ことを特徴とする請求項1に記載の吸収式ヒートポンプ
    装置。
JP32730996A 1996-12-06 1996-12-06 吸収式ヒートポンプ装置 Withdrawn JPH10170099A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN111412565A (zh) * 2020-03-26 2020-07-14 苏州悟能智能科技有限公司 一种换热器、空调的水循环系统及其控制方法
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