JPH10168890A - 構造物の水中部周囲の止水方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 橋脚の水中部分を、気中状態で改修作業を行
う際に、その止水作業に多大な費用や時間を要せずに、
確実な止水を行ない得る橋脚の水中部周囲の補修用止水
方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 橋脚１の水中部の外周を囲うように円周
状に敷設したスポンジシール３の上に円筒状にセグメン
ト２を構築して外包体を形成し、スポンジシール３の外
周底部にＰ型シール４を配設し、さらに外包体の外周に
所定の間隔をおいて円筒状の鋼板５を取付けた後、外包
体１０と鋼板５との間に防水シート６を配置し、その上
に粘土７を充填して止水を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、水中構造物、例え
ば河川や海中等に立設されている橋脚の水中部の主とし
て補強作業等に使用される構造物の水中部周囲の止水方
法及び装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、本邦にて発生した大地震による経
験から、河川や海上に立設さている既存の橋脚等の強度
を更に増強することが要請されており、この種既設の橋
脚の外周に鋼板を被覆し、その鋼板と橋脚との間にコン
クリートを充填したり、橋脚に鋼板を巻き付けて橋脚の
強度を増大して橋脚の耐震強度を高めるような補修工事
が盛んに行なわれている。

【０００３】しかしながら、上記のごとく水中に立設さ
れた橋脚の水中部分で橋脚の補修工事を行うためには、
その水中部分の外周の水切りを行なって気中状態とする
必要があり、従来上記のごとき水切りのためには大変大
がかりな締切り工事を要し、完全な水切りを行うために
は多大な費用と時間を要するという問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、構造物、例
えば橋脚の水中部分を気中状態で改修作業を行なう際
に、その止水作業に多大な費用や時間を要せずに、確実
な止水を行ない得る橋脚等の構造物の水中部周囲の補修
用止水方法及び装置を提供する。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、下端にスポン
ジシールを配置したセグメントからなる外包体を、構造
物、例えば橋脚の水中部の外周を囲うように構築の後、
そのスポンジシールの外周底部にＰ型シールを配設し、
さらに外包体の外側に所定の間隔をおいて鋼板を取付
け、外包体と鋼板との間に防水シートを配置し、その上
に粘土を充填して止水を行なう構造物の水中部周囲の止
水方法と、構造物の水中部の外周をに囲うようにセグメ
ントからなる外包体を形成し、その下端にスポンジシー
ルを敷設し、かつそのスポンジシールの外側底部にＰ型
シールを配設すると共に、外包体の外側に所定の間隔を
おいて取付けた鋼板と外包体の間に配置した防水シート
の上に粘土を充填した構造物の水中部周囲の補修用止水
装置からなる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の構
造物、例えば橋脚の水中部周囲の補修用止水方法を適用
した補修用止水装置の一実施形態を説明するが、図１は
その概念を示す要部を破断した斜視図であり、図２は図
１の矢印Ａ部を示す要部拡大縦断面図である。

【０００７】まず、図１に示す水面Ｗの下部の水中にそ
の基礎が立設された橋脚１を耐震補強などの補修または
改修作業を気中状態で行なうため、その橋脚１の水中部
分の周囲を囲うように、複数に分割されたセグメント２
を円筒状に構築して外包体１０を形成するが、その際こ
の円筒状のセグメント２からなる外包体１０の下端には
固定材９を介してスポンジシール３を配置する。

【０００８】このスポンジシール３はスポンジ状ゴムか
らなり、セグメント２により形成した外包体１０の自重
により圧縮された状態になる。次に、このスポンジシー
ル３の外側根元に逆Ｐの字型形状のゴムからなるＰ型シ
ール４を配設し、さらに外包体１０で構築した外側下部
に所定の間隔をおいて円筒状の鋼板５を取付ける。

【０００９】そして、外包体１０と円筒状の鋼板５との
間に帆布シールなどの防水シート６を配置し、外包体１
０と円筒状の鋼板５との間の防水シート６上に粘土７を
充填することにより、粘土７の自重によりフーチング天
端８の凹凸に対して追従できることになり、橋脚１と外
包体１０との間の水を抜くことで、その空間を確実に止
水された気中状態にでき、そこで橋脚１の耐震補強その
他の補修作業ができる。

【００１０】

【発明の効果】以上に説明した本発明の構造物、例えば
橋脚の水中部周囲の補修用止水方法及びその装置によれ
ば、従来必要とした大がかりな止水作業を必要とせず
に、比較的短時間に、かつ容易に橋脚の水中部周囲を、
確実に止水された気中状態の空間に形成し、橋脚の各種
補修作業が経済的に、かつ効率的に行なわれる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の橋脚の水中部周囲の補修用止水方法を
適用した補修用止水装置の一実施形態を説明する要部破
断の斜視図である。

【図２】図１の矢印Ａ部を示す要部拡大の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 橋脚 ２ セグメント ３ スポンジシール ４ Ｐ型シール ５ 鋼板 ６ 防水シート ７ 粘土 １０ 外包体

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 下端にスポンジシールを配置したセグメ
   ントからなる外包体を、構造物の水中部の外周を囲うよ
   う構築の後、そのスポンジシールの外周底部にＰ型シー
   ルを配設し、さらに外包体の外側に所定の間隔をおいて
   鋼板を取付け、外包体と鋼板との間に防水シートを配置
   し、その上に粘土を充填して止水を行なう構造物の水中
   部周囲の止水方法。
2. 【請求項２】 構造物の水中部の外周を囲うようにセグ
   メントからなる外包体を形成し、その下端にスポンジシ
   ールを敷設し、かつそのスポンジシールの外側底部にＰ
   型シールを配設すると共に、外包体の外側に所定の間隔
   をおいて取付けた鋼板と外包体の間に配置した防水シー
   トの上に粘土を充填した構造物の水中部周囲の止水装
   置。