JPH10168682A - 紡機用自動機への空ボビン補給方法及び装置 - Google Patents

紡機用自動機への空ボビン補給方法及び装置

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JPH10168682A
JPH10168682A JP33365896A JP33365896A JPH10168682A JP H10168682 A JPH10168682 A JP H10168682A JP 33365896 A JP33365896 A JP 33365896A JP 33365896 A JP33365896 A JP 33365896A JP H10168682 A JPH10168682 A JP H10168682A
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JP
Japan
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bobbin
empty
doffing
machine
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Application number
JP33365896A
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English (en)
Inventor
Akio Narumi
明夫 成実
Toshiki Hasegawa
敏紀 長谷川
Toshio Morishita
寿男 森下
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H67/00Replacing or removing cores, receptacles, or completed packages at paying-out, winding, or depositing stations
    • B65H67/04Arrangements for removing completed take-up packages and or replacing by cores, formers, or empty receptacles at winding or depositing stations; Transferring material between adjacent full and empty take-up elements
    • B65H67/0405Arrangements for removing completed take-up packages or for loading an empty core
    • B65H67/0417Arrangements for removing completed take-up packages or for loading an empty core for loading an empty core
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B65CONVEYING; PACKING; STORING; HANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL
    • B65HHANDLING THIN OR FILAMENTARY MATERIAL, e.g. SHEETS, WEBS, CABLES
    • B65H2701/00Handled material; Storage means
    • B65H2701/30Handled filamentary material
    • B65H2701/31Textiles threads or artificial strands of filaments

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  • Replacing, Conveying, And Pick-Finding For Filamentary Materials (AREA)
  • Spinning Or Twisting Of Yarns (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 紡機の巻取ユニットと対応する位置で停止し
て玉揚げ及び空ボビンの装着作業を行う自動機にボビン
マガジンを装備せずに、かつボビン装着作業に支障を来
さないように空ボビンを補給する。 【解決手段】 玉揚機4はボビンキャッチャ18に空ボビ
ンBを把持した状態で玉揚げ作業を必要とする巻取ユニ
ット5と対応する位置まで移動して停止し、空ボビン要
求信号を出力するとともに玉揚げ作業を開始する。空ボ
ビン要求信号に基づいて空ボビン貯留・供給装置から空
ボビンBが空ボビン搬送コンベア10上に供給され、玉揚
機4と対応する所定位置まで搬送されると、規制手段に
より移動が規制された状態となる。その状態で、空ボビ
ンBは空ボビン取り込み装置35の把持装置40で把持され
て玉揚機4内に取り込まれ、玉揚げ後のクレードル6へ
の空ボビン装着作業が完了して待機位置に復帰したボビ
ンキャッチャ18に受け渡される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は巻取ユニットが多数
列状に配置されたオープンエンド精紡機、結束紡績機、
ワインダ等の紡機に沿って配設されたレールに沿って移
動し、巻取ユニットと対応する位置で停止して巻取ユニ
ットへのボビンの装着作業等を行うとともに、巻取ユニ
ット列に沿って延設された空ボビン搬送装置を介して空
ボビンの補給を受ける紡機用自動機への空ボビン補給方
法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】糸を綾振りしながらパッケージに巻取る
巻取ユニットを備えたオープンエンド精紡機、結束紡績
機、あるいはワインダ等の紡機においては、省力化のた
め各種作業の自動化が行われている。そして、満管時に
おける満ボビン(パッケージ)の搬出及び空ボビンの供
給の自動化も行われている。一般にこの種の紡機におい
ては、巻取ユニットに対する空ボビンあるいは種糸ボビ
ン(以下、単にボビンという)の供給は、満ボビンを巻
取ユニットから玉揚げする自動機(玉揚機)により行わ
れる。
【0003】玉揚機による巻取ユニットに対するボビン
の供給方法として、紡機機台に沿って架設されたレール
に沿って移動する玉揚機が複数のボビンをストックして
おき、満ボビンの玉揚げ後にストックしておいたボビン
を当該巻取装置に供給する方法がある(例えば、特公昭
60−47371号公報、特開昭59−69364号公
報)。しかし、この方法では玉揚機にストックされたボ
ビンがなくなると、ボビン補給箇所まで移動してボビン
の補充を行う必要があり、その間、玉揚げ及びボビンの
供給ができなくなり、作業効率が悪いという問題があ
る。又、ボビンを多数ストックすればボビン補給箇所で
の補充回数は少なくなるが、玉揚機が大型化するという
問題がある。
【0004】この問題を解消するものとして、特開平3
−213529号公報には、空ボビンストッカーから排
出される空ボビンを搬送するコンベアを、多数併設され
た紡績ユニットに沿って設け、オートドッファ(玉揚装
置)を装備した作業台車(自動機)が玉揚げ要求信号の
あった紡績ユニットに停止してボビン交換を行う間に、
空ボビンをコンベアから作業台車のボビンマガジン取り
入れる空ボビン供給装置が開示されている。即ち、空ボ
ビン補給箇所まで移動して空ボビンの補充を行う必要が
ない。
【0005】この装置では、オートドッファはコンベア
上を搬送されて来る空ボビンを受け止める受け止め位置
と、受け止めた空ボビンをボビンマガジン内に払い落と
す払い落とし位置とに往復回動されるボビンキャッチャ
ーを備えている。また、ボビンマガジンから押し出され
る空ボビンをチャック(把持)してクレードルへ受け渡
すチャッカーが、ボビンマガジンの前端(出口)と対向
する位置と、クレードルへの受渡し位置との間で往復回
動可能に配設されている。
【0006】そして、コンベア上を搬送されてきた空ボ
ビンが受け止め位置に配置されたボビンキャッチャーに
当接すると、ボビンキャッチャーがモータの駆動によっ
て揺動し、コンベア上から空ボビンをボビンマガジンに
払い落とす。それと同時に、ボビンマガジンの前端に位
置してすでに前もって空ボビンをチャックしているチャ
ッカーが回動して、パッケージが玉揚げされた後のクレ
ードルに空ボビンが供給される。チャッカーが元の位置
に戻ると、ボビンプッシャーが回動されて、ボビンマガ
ジンの先頭の空ボビンをチャッカーに押し込む。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−21352
9号公報に開示された装置では、コンベアから払い落と
された空ボビンはチャッカーと対応する位置までボビン
マガジン内を移動する必要がある。しかし、テーパボビ
ンを使用した場合、コンベア上から払い落とされた空ボ
ビンの自由落下距離が長いと、空ボビンの姿勢が移動に
支障を来す状態になる。従って、複数の空ボビンがボビ
ンマガジンの入口近くまで充填された状態とする必要が
ある。ボビンマガジンに複数の空ボビンを収容すると、
その分、作業台車の移動のための動力消費が多くなる。
また、ボビンマガジン内に空ボビンが詰まったときの除
去作業が面倒になる。
【0008】この問題を解消するため、ボビンマガジン
内の移動距離を短くすることが考えられるが、紡績ユニ
ット側のクレードルの位置を変更することは難しいた
め、チャッカーのアームの長さや取り付け位置を変える
ことで対処することになる。しかし、他の駆動機構と関
係でアームの回動スペースの確保が難しく、糸継ぎ装置
や種糸巻付け装置を作業台車に装備した場合、配設箇所
の確保が難しくなる。
【0009】本発明は前記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的はオープンエンド精紡機、結束紡
績機、ワインダ等の紡機の巻取ユニット列に沿って移動
し、巻取ユニットと対応する位置で停止して玉揚げ及び
空ボビンの装着作業を行う自動機にボビンマガジンを装
備せずにかつ、ボビン装着作業に支障を来さないように
空ボビンを補給できる紡機用自動機への空ボビン補給方
法及び装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、紡機に沿って延設された
レールに沿って移動し、巻取ユニットと対応する位置で
停止して玉揚げ及びボビンの装着作業を行うとともに、
巻取ユニット列に沿って延設された空ボビン搬送装置を
介して空ボビンが補給され、かつ前記空ボビン搬送装置
上の空ボビンを把持手段により把持して自動機内に取り
込んで巻取ユニットのクレードルへのボビン受渡し手段
に受け渡す空ボビン取り込み手段と、前記空ボビン搬送
装置により搬送されて来る空ボビンを前記把持手段によ
る把持可能な所定位置に規制する規制手段とを備えた紡
機用自動機への空ボビン補給方法であって、自動機は前
記ボビン受渡し手段に空ボビンを把持した状態で待機
し、玉揚げ要求信号に基づいて玉揚げ作業を必要とする
巻取ユニットと対応する位置まで移動して停止した後、
空ボビン要求信号を出力するとともに玉揚げ作業を開始
し、前記空ボビン搬送装置により搬送されて来た空ボビ
ンの移動を前記規制手段で規制した状態で前記把持手段
により把持して自動機内に取り込み、玉揚げ後のクレー
ドルへの空ボビン装着作業が完了して待機位置に復帰し
たボビン受渡し手段に空ボビンを受け渡すようにした。
【0011】空ボビンとは巻取ユニットのクレードルか
ら玉揚げされたボビンに代えて、新たにクレードルに装
着されるボビンであって、完全な空ボビンだけでなく種
糸が巻かれたボビンをも含む。
【0012】請求項2に記載の発明は、紡機に沿って延
設されたレールに沿って移動し、巻取ユニットと対応す
る位置で停止して玉揚げ及びボビンの装着作業を行うと
ともに、巻取ユニット列に沿って延設された空ボビン搬
送装置を介して空ボビンが補給され、かつ前記空ボビン
搬送装置上の空ボビンを把持手段により把持して自動機
内に取り込んで巻取ユニットのクレードルへのボビン受
渡し手段に受け渡す空ボビン取り込み手段と、前記空ボ
ビン搬送装置により搬送されて来る空ボビンを前記把持
手段による把持可能な所定位置に規制する規制手段とを
備えた紡機用自動機への空ボビン補給装置であって、紡
機機台側に装備されるとともに、自動機からの空ボビン
要求信号に基づいて前記空ボビン搬送装置に空ボビンを
供給する空ボビン供給装置と、前記自動機に装備され、
空ボビン要求信号を出力するとともに、空ボビン搬送装
置で搬送されて来る空ボビンを前記把持手段で把持して
自動機内に取り込み、巻取ユニットのクレードルへの空
ボビン装着作業完了後の前記ボビン受渡し手段に受け渡
すように、前記規制手段の駆動装置及び前記空ボビン取
り込み手段の駆動装置を制御する制御手段とを備えた。
【0013】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記規制手段は前記空ボビン搬送装置
により搬送される空ボビンの端部と係合して該空ボビン
を自動機内に取り込むための所定位置に位置決めする作
用位置と、空ボビン搬送装置上の空ボビンと係合不能な
待機位置とに配置可能な2個の規制部材と、前記両規制
部材を作用位置と待機位置とにそれぞれ独立に移動させ
る駆動手段とを備え、前記制御手段は2個の規制部材の
一方を先ず作用位置に配置し、空ボビン搬送装置で搬送
されて来る空ボビンが当該規制部材と係合した状態で他
方の規制部材を作用位置に配置するように前記駆動手段
を制御する。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項2又は請
求項3に記載の発明において、前記空ボビン搬送装置は
前記制御手段の空ボビン要求信号に基づいて駆動が開始
され、空ボビンが前記規制手段による規制を受ける状態
になったことを検知する検知手段の検知信号に基づいて
停止される。
【0015】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、前記空ボビン要求信号が出力されてか
らの経過時間を計測する計測手段を設け、予め設定され
た所定時間経過しても空ボビンが規制手段による規制を
受ける状態になったことの検知信号が前記検知手段から
出力されない場合、異常報知手段を作動させる。
【0016】請求項1に記載の発明においては、自動機
はボビン受渡し手段に空ボビンを把持した状態で待機
し、玉揚げ要求信号に基づいて玉揚げ作業を必要とする
巻取ユニットと対応する位置まで移動して停止する。そ
して、空ボビン要求信号を出力するとともに玉揚げ作業
を開始する。空ボビン要求信号に基づいて空ボビン供給
装置から空ボビンが空ボビン搬送装置上に供給され、空
ボビンの搬送が開始される。空ボビンは自動機と対応す
る所定位置まで搬送されると、自動機に装備された規制
手段により移動が規制された状態となり、その状態で自
動機に装備された空ボビン取り込み手段の把持手段によ
り把持されて自動機内に取り込まれる。そして、玉揚げ
後のクレードルへの空ボビン装着作業が完了して待機位
置に復帰したボビン受渡し手段に、前記把持手段により
取り込まれた空ボビンが受け渡される。
【0017】請求項2に記載の発明では、自動機はボビ
ン受渡し手段に空ボビンを保持した状態で玉揚げ作業を
必要とする巻取ユニットと対応する位置まで、紡機に沿
って延設されたレールに沿って移動する。自動機が巻取
ユニットと対応する位置で停止すると、制御手段から空
ボビン要求信号が出力されるとともに、玉揚げ作業が開
始される。空ボビン要求信号が出力された後、規制手段
の駆動装置が制御手段の指令により駆動され、規制手段
が空ボビン搬送装置上を搬送されて来る空ボビンを、空
ボビン取り込み手段の把持手段による把持可能な所定位
置に規制する状態となる。次に空ボビン取り込み手段の
駆動装置が制御手段の指令により駆動され、空ボビン搬
送装置上の空ボビンが把持手段に把持される。そして、
ボビン受渡し手段が巻取ユニットのクレードルへの空ボ
ビン装着作業を終了して元の位置に復帰すると、空ボビ
ンが自動機内に取り込まれるとともに、ボビン受渡し手
段に受け渡される。
【0018】請求項3に記載の発明では、請求項2に記
載の発明において、前記規制手段は2個の規制部材を備
えている。空ボビンの位置決めを行う場合、空ボビンの
搬送方向の下流側にある一方の規制部材が先ず作用位置
に配置され、空ボビン搬送装置により搬送される空ボビ
ンの端部が規制部材と係合して位置決めされる。次に他
方の位置決め部材が作用位置に配置されて、空ボビンは
その両端において2個の規制部材により挟持された状態
で位置決めされる。従って、テーパボビンを使用する場
合であっても位置決め状態が一定となり、把持手段によ
る把持ミスが生じ難くなる。
【0019】請求項4に記載の発明は、請求項2又は請
求項3に記載の発明において、前記空ボビン搬送装置は
前記制御手段の空ボビン要求信号に基づいて駆動が開始
される。そして、空ボビンが前記規制手段による規制を
受ける状態になったことを検知する検知手段の検知信号
に基づいて停止される。従って、空ボビンが規制手段に
より移動が規制された状態で、空ボビン搬送装置が無駄
な搬送エネルギーを使用することが回避される。
【0020】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の発明において、前記空ボビン要求信号が出力されてか
らの経過時間が計測手段によって計測される。そして、
予め設定された所定時間経過しても空ボビンが規制手段
による規制を受ける状態になった検知信号が検知手段か
ら出力されない場合、異常報知手段が作動される。従っ
て、作業者に異常事態の発生が早期に報知される。
【0021】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明をオープンエンド精
紡機の玉揚機(自動機)に適用した第1の実施の形態を
図1〜図7に従って説明する。
【0022】図1に示すように、オープンエンド精紡機
の機台1にはその長手方向に沿った両側に多数の紡績ユ
ニット2がそれぞれ1列に配設されている。機台1の周
囲には、走行レール3がU字状に配設され、これには自
動機としての玉揚機4が懸垂状態で支承されている。玉
揚機4は機台1側に配設された制御装置C1から指令さ
れた紡績ユニット2と対応する位置まで走行レール3上
を移動し、該紡績ユニット2と対応する位置で停止す
る。そして、満ボビン(パッケージ)Fを玉揚げすると
ともに、空ボビンBを紡績ユニット2に装備され、巻取
ローラ5aを備えた巻取ユニット5のクレードル(ボビ
ンホルダ)6(図2に図示)に装着する作業を行うよう
になっている。以下、単に玉揚げ作業という。
【0023】機台1の中央寄りには機台1の長手方向に
沿って満ボビン搬出用のコンベア7が配設されており、
機台1の第1端部(図1における右端側)上方には満ボ
ビン搬送コンベア8がコンベア7と直交する方向に延び
るように配設されている。また、コンベア7の第1端部
には満ボビンFをコンベア7から受取り、その向きを9
0°変更してコンベア7より上方の満ボビン搬送コンベ
ア8に受渡す受渡装置9が配設されている。
【0024】図1及び図2に示すように、機台1の両側
上方(図2では片側のみ図示)には、空ボビン搬送装置
としての空ボビン搬送コンベア10が紡績ユニット列即
ち巻取ユニット列に沿ってそれぞれ延設されている。図
3に示すように、空ボビン搬送コンベア10のベルト1
0aの上方には、空ボビンBの姿勢が、巻取ユニット列
と平行な状態から変化するのを防止する規制ガイド10
bが機台1の長手方向に沿って延設されている。空ボビ
ン搬送コンベア10は図示しない駆動装置(例えば、モ
ータ)により、空ボビンBを機台1の第1端部側から第
2端部側へ搬送するように駆動される。空ボビン搬送コ
ンベア10の搬送速度は、玉揚げ開始からクレードル6
への空ボビンBの装着作業が終了するまでの時間で、空
ボビンBを空ボビン搬送コンベア10の第1端部から第
2端部まで搬送可能な値となっている。
【0025】機台1の第1端部側には空ボビン貯留・供
給装置11が配設され、空ボビン貯留・供給装置11は
制御装置C1の指令によりボビン受渡機構11aを介し
て、左右の空ボビン搬送コンベア10のうちの一方に空
ボビンBを供給するようになっている。空ボビン貯留・
供給装置11としては、例えば特開平8−170231
号公報に開示されたボビン供給装置と同様な構成のもの
が使用される。空ボビン貯留・供給装置11は玉揚機4
からの空ボビン要求信号に基づいて空ボビン搬送装置に
空ボビンを供給する空ボビン供給装置として機能する。
【0026】図2に示すように、玉揚機4には巻取ユニ
ット5のクレードル6に支承されている満ボビンFをコ
ンベア7上あるいはコンベア7と平行に配設された載置
部12上へ押し出す押出しレバー13が設けられてい
る。押出しレバー13は先端にローラ13aを備えると
ともに、基端が支持された軸14を中心に図2の反時計
方向に回動して満ボビンFを押し出す。載置部12はコ
ンベア7側に向かって下降傾斜するプレート15と、プ
レート15上に押し出された満ボビンFと係合してその
コンベア7側への移動を規制する規制バー16とを備え
ている。規制バー16は図示しない駆動装置によって駆
動され、所定時間毎に満ボビンFのコンベア7側への移
動を許容する位置に回動され、載置部12上の満ボビン
Fがコンベア7上に移動するようになっている。
【0027】玉揚機4には満ボビンFが外れた(玉揚げ
された)クレードル6に空ボビンBを装着する装着アー
ム17が、ローラ13aの上方に配設されている。装着
アーム17は図示しない駆動装置により、図2に実線で
示す待機位置と、鎖線で示すボビン受渡し位置とに回動
配置されるようになっている。装着アーム17の先端に
はボビンキャッチャ18が傾動可能に支持されている。
装着アーム17及びボビンキャッチャ18により、巻取
ユニット5のクレードル6へのボビン受渡し手段が構成
されている。
【0028】図3、図6及び図7に示すように、ボビン
キャッチャ18を構成する支持部材19は装着アーム1
7の先端に相対回動不能に固定された軸20に相対回動
可能に支持されるとともに、軸20に相対回動可能に支
持された筒20aの第1端部に一体回転可能に固定され
ている。支持部材19には固定把持片21aが固定され
るとともに、支軸22が回動可能に取付けられている。
支軸22には可動把持片21b及びレバー23が一体回
動可能に支持され、レバー23の先端にローラ23aが
支持されている。可動把持片21bは支持部材19と可
動把持片21bとの間に掛装されたねじりばね(図示せ
ず)により把持方向に回動付勢されている。
【0029】図6及び図7に示すように、筒20aの第
2端部には軸20に相対回動可能に支持されたレバー2
5が一体回動可能に固定され、レバー25を駆動するリ
ンク装置26が装着アーム17に沿って配設されてい
る。リンク装置26は図示しない駆動装置により回動さ
れる駆動軸27に一体回動可能に固定された第1リンク
26aと、第1端部が第1リンク26aに回動可能に連
結されるとともに第2端部がレバー25に回動可能に連
結された第2リンク26bとから構成されている。そし
て、ボビンキャッチャ18は装着アーム17が待機位置
に配置された状態で、固定把持片21aが後記する空ボ
ビン取り込み装置35から空ボビンBを受け取り易い受
取位置(図6に実線で示す位置)と、固定把持片21a
が受取位置より装着アーム17に近づいた受渡し位置
(空ボビンBをクレードル6に受け渡すときの位置(図
6に鎖線で示す位置))とにリンク装置26及びレバー
25を介して揺動可能となっている。
【0030】図2及び図3に示すように、玉揚機4には
装着アーム17が図2に示す待機位置に配置されたとき
の装着アーム17の先端付近に、ローラ23aと係合し
て可動把持片21bを解放位置に保持する係止片28が
配設されている。係止片28は、アクチュエータ29に
よりローラ23aに係合する係合位置と、ローラ23a
と係合不能な退避位置とに移動可能に構成されている。
アクチュエータ29としてはエアシリンダやソレノイド
が使用され、常には係止片28を係合位置に配置し、ボ
ビンキャッチャ18が待機位置に配置された状態で固定
把持片21a上に空ボビンBが配置された場合に係止片
28を退避位置に配置するように駆動される。
【0031】押出しレバー13の上方で装着アーム17
の前方には空ボビン取り込み手段としての空ボビン取り
込み装置35が配設されている。図4及び図5に示すよ
うに、玉揚機4に設けられたフレーム36に対して回動
軸37が、玉揚機4の走行方向と平行、即ち空ボビン搬
送コンベア10と平行に回動可能に支持されている。回
動軸37は軸受38を介して支持されている。回動軸3
7の中央寄りには支持アーム39が基端において一体回
動可能に固定され、支持アーム39には把持手段として
の把持装置40が支持されている。把持装置40は支持
アーム39の先端側に支持されている。即ち、支持アー
ム39は巻取ユニット列と直交する平面内で回動可能に
設けられている。
【0032】把持装置40を構成する一対の把持片41
は、支持アーム39の側面に片持ち状態で回動軸37と
平行に支持された一対の支持ロッド42に、その基端に
おいて回動可能に取り付けられている。両把持片41は
板ばねで形成されている。両把持片41は空ボビンBの
長さのほぼ半分の幅を有し、その基端側の互いに対向す
る位置に規制凸部43a,43bが突設されている。各
規制凸部43a,43bの側面には掛止ピン44(図3
に図示)が突設され、両掛止ピン44間に把持片41を
互いに近接する方向、即ち把持方向に回動付勢するため
の引っ張りばね45が張設されている。把持装置40は
把持片41が空ボビンBを把持片41のばね力及び引っ
張りばね45の付勢力により消極的に把持するようにな
っている。
【0033】消極的に把持する(消極把持する)とは、
把持部(把持片41)がアクチュエータなどの作用によ
り積極的に開閉作動されて空ボビンBを把持するのでは
なく、把持部(把持片41)が空ボビンBあるいは所定
位置に配置された係合部と係合した状態で空ボビンBに
対して相対移動することにより開閉可能な状態で把持す
ることをいう。
【0034】また、支持アーム39には規制凸部43
a,43bと係合して把持片41の把持方向への回動を
規制するストッパピン46が固定されている。両規制凸
部43a,43bの長さは、把持装置40が空ボビンB
を把持していない状態では両者が当接して両把持片41
の先端の間隔を空ボビンBの外径より若干狭い状態に保
持し、空ボビンBを把持した状態では両者が離間して引
っ張りばね45の付勢力が把持片41に全て作用する長
さに設定されている。
【0035】図5に示すように、フレーム36には駆動
手段としての正逆回転可能なモータ47が固定され、そ
の出力軸47aに駆動歯車48が一体回転可能に固定さ
れている。回動軸37の第1端部側には被動歯車49が
一体回転可能に固定されている。モータ47には減速機
及び電磁ブレーキを内蔵したものが使用されている。モ
ータ47はその正逆回転により、両歯車48,49を介
して回動軸37を正逆回動させて、把持装置40を空ボ
ビン搬送コンベア10上に載置された空ボビンBを把持
可能な作用位置と、玉揚機4内の取り外し位置(待機位
置)とに配置させるように支持アーム39を往復回動さ
せる。玉揚機4内の取り外し位置とは図3に鎖線で示す
ように、空ボビン受取位置に配置されたボビンキャッチ
ャ18の近傍において、両把持片41の先端が上方に向
かって延びる状態に配置される位置である。
【0036】回動軸37の第2端部には支持アーム39
の位置を検出する位置検出手段を構成するレバー50が
一体回動可能に固定され、その先端には被検知部50a
が設けられている。フレーム36には把持装置40が作
用位置に配置された時に被検知部50aを検知する第1
のセンサ51と、把持装置40が前記取り外し位置(待
機位置)に配置された時に被検知部50aを検知する第
2のセンサ52とが回動軸37を中心としてほぼ180
°位相がずれた位置に固定されている。両センサ51,
52には近接スイッチが使用されている。
【0037】把持装置40が前記作用位置と取り外し位
置との間を移動する際の移動軌跡上には、把持装置40
が作用位置から取り外し位置側へ移動する際に、把持装
置40に把持された空ボビンBと係合して、空ボビンB
を把持装置40から取り外す一対の取り外し部材53が
配設されている。両取り外し部材53は把持装置40に
把持された空ボビンBの両端の外周面と係合可能な位置
に、互いに平行にかつ玉揚機4の前側(図3の左側)か
ら後側に向かって下降傾斜するように配設されている。
把持装置40は玉揚機4が巻取ユニット5に対する作業
位置で停止した状態において、作用位置に配置された際
に空ボビンBをその長手方向のほぼ中央部で把持可能な
位置に配設されている。
【0038】両取り外し部材53は把持装置40から取
り外された後の空ボビンBを所定位置(受取位置に待機
するボビンキャッチャ18へ受け渡す位置)まで案内す
るガイド部材を兼ねるように、L字状のブラケットで形
成されている。取り外し部材53の側壁53aには雄ね
じが形成された複数本の支持ピン54が水平に突設さ
れ、筒状のスペーサ55及びフレーム36を貫通した支
持ピン54の先端に螺着されるナット56を介してフレ
ーム36に締め付け固定されている。底壁53bの後側
(図3の右側)及び側壁53aが空ボビンBを所定位置
まで案内する前記ガイド部材を構成する。側壁53a
は、底壁53bの前側との係合により把持装置40から
取り外された空ボビンBが所定位置へ移動する際に横方
向へずれるのを規制して、ボビンキャッチャ18が空ボ
ビンBの所定位置を把持可能に案内するようになってい
る。
【0039】回動軸37には把持装置40を挟んだ両側
に規制部材としての第1及び第2の位置決めレバー5
7,58が、相対回動可能に支持されている。両位置決
めレバー57,58は空ボビンBの長さとほぼ同じ(若
干大きい)間隔をおいて配設されている。両位置決めレ
バー57,58は回動軸37に相対回動可能に支持され
た歯車59,60に一体回動可能に固定されている。フ
レーム36にはロータリソレノイド61,62が回動軸
37の上方に固定され、その出力軸に歯車59,60と
噛合する歯車63,64が一体回動可能に固定されてい
る。位置決めレバー57,58はロータリソレノイド6
1,62の励消磁により歯車63,59及び歯車64,
60を介して、図3及び図5に鎖線で示す回動軸37の
上方に延びる待機位置と、実線で示す水平に延びる作用
位置とに回動配置されるようになっている。各位置決め
レバー57,58、ロータリソレノイド61,62及び
両者を作動連結する歯車列(歯車63,59、歯車6
4,60)が、空ボビン搬送コンベア10により搬送さ
れて来る空ボビンBを把持装置40による把持可能な所
定位置に規制する規制手段を構成する。
【0040】位置決めレバー57,58はロータリソレ
ノイド61,62の消磁状態において、待機位置に保持
されるようになっている。この実施の形態ではロータリ
ソレノイド61,62の出力軸の回動量を歯車63,5
9及び歯車64,60を介して増大して、位置決めレバ
ー57,58をほぼ90°の範囲で回動させるようにな
っている。
【0041】各位置決めレバー57,58には、作用位
置に配置された位置決めレバー57,58と係合状態に
ある空ボビンBを検知可能な検知手段としてのボビン検
知センサ65,66(図4に図示)が取り付けられてい
る。ボビン検知センサ65,66は位置決めレバー5
7,58の基端寄りに取り付けられている。ボビン検知
センサ65,66には、例えば反射式の光電スイッチが
使用されている。
【0042】モータ47及びロータリソレノイド61,
62は、玉揚機4に設けられた制御手段としての制御装
置C2(図1に図示)からの指令信号により作動が制御
される。制御装置C2は第1及び第2のセンサ51,5
2及び両ボビン検知センサ65,66の検知信号に基づ
いて制御を行う。制御装置C2は空ボビンBの搬送方向
の下流側にある一方の位置決めレバーを先ず作用位置に
配置し、当該位置決めレバーによって空ボビンの移動が
規制された状態で、他方の位置決めレバーを作用位置に
配置するように両ロータリソレノイド61,62を制御
する。
【0043】制御装置C2は機台1側の制御装置C1と
の間で信号の授受可能に構成され、制御装置C1からの
指令により玉揚げ等の作業を必要とする紡績ユニット2
へ向かって移動を開始するようになっている。また、制
御装置C2は制御装置C1に空ボビン要求信号及び空ボ
ビンBが位置決めレバー57,58による規制を受ける
状態になったことの検知信号を送信するようになってい
る。制御装置C1は制御装置C2からの空ボビン要求信
号に基づいて空ボビン搬送コンベア10の駆動を開始さ
せ、前記検知信号に基づいて該コンベア10の駆動を停
止させるように制御する。
【0044】図4は空ボビン取り込み装置35の把持装
置40が作用位置に配置され、位置決めレバー57,5
8が規制位置に配置された状態の一部省略平面図であ
り、図5はその状態における一部省略一部破断正面図で
ある。なお、図5には位置決めレバー57,58が待機
位置に配置された状態を鎖線で示している。
【0045】なお、玉揚機4はクレードル6に空ボビン
Bを装着した後、玉揚機4に装備された種糸パッケージ
の種糸の糸端をクレードル6のボビン保持部に掛止させ
て空ボビンBに所定量巻き付ける作用をなす公知の種糸
巻付け装置(図示せず)を備えている。
【0046】玉揚機4は紡績ユニット2に装備された玉
揚げ要求表示ランプ(図示せず)の点灯の有無を検出す
るセンサ(図示せず)を備え、機台1側の制御装置C1
の指令により所定方向への走行中に、玉揚げ要求表示ラ
ンプが点灯している紡績ユニット2と対応する位置で停
止して、玉揚げ作業及び玉揚げ時の糸継ぎ作業を行うよ
うになっている。
【0047】次に前記のように構成された装置の作用を
説明する。紡績ユニット2は紡出部から紡出される糸を
トラバースガイド(いずれも図示せず)で綾振りしなが
ら巻取ローラ5aの作用によりボビンに巻き取る。満管
になると原料スライバのフィードが停止されるととも
に、当該紡績ユニット2のクレードル6が上動されて満
ボビン(満パッケージ)Fが巻取ローラ5aから所定間
隔離れた位置に配置されて玉揚げ要求表示ランプが点灯
される。機台1側の制御装置C1は満管になった紡績ユ
ニット2を記憶し、紡績ユニット2からの玉揚げ要求信
号に基づいて、待機中の玉揚機4の制御装置C2に玉揚
げ指令信号を出力する。玉揚げ指令信号は玉揚機4の走
行方向及び玉揚げを必要とする紡績ユニット2が機台1
のいずれの側にあるかを指令する。
【0048】玉揚機4は制御装置C1からの指令によ
り、作業を必要とする紡績ユニット2の存在する方向へ
走行レール3に沿って移動し、玉揚げ要求表示ランプが
点灯している紡績ユニット2と対応する位置で停止して
所定の作業を行う。玉揚機4が待機位置に停止している
状態では、ボビンキャッチャ18は図2に実線で示す待
機位置に配置され、空ボビンBが両把持片21a,21
bに把持された状態にある。また、把持装置40も図2
に実線で示す待機位置に配置されている。
【0049】玉揚機4が作業を必要とする紡績ユニット
2と対応する位置で停止すると、制御装置C2は制御装
置C1に空ボビン要求信号及び作業を行う紡績ユニット
2の機台1に対する位置(機台1の左右どちら側である
かの別)を出力する。制御装置C2からの空ボビン要求
信号を入力した制御装置C1は、作業を行う紡績ユニッ
ト2と対応する側の空ボビン搬送コンベア10への空ボ
ビン供給指令を空ボビン貯留・供給装置11に出力す
る。また、玉揚機4が停止している側の空ボビン搬送コ
ンベア10を駆動する。そして、空ボビン貯留・供給装
置11から玉揚機4が待機している側の空ボビン搬送コ
ンベア10上に空ボビンBが供給され、空ボビンBが機
台1の第2端部側に向かって搬送される。
【0050】制御装置C2は、空ボビン供給信号を出力
した後、機台1の第1端部と対応する側と反対側のロー
タリソレノイド61,62に励磁指令を出力する。即
ち、紡績ユニット2の位置が機台1の左側(図1の下
側)の場合は第1の位置決めレバー57用のロータリソ
レノイド61に励磁指令を出力し、紡績ユニット2の位
置が機台1の右側(図1の上側)の場合は第2の位置決
めレバー58用のロータリソレノイド62に励磁指令を
出力する。ここでは紡績ユニット2の位置が機台1の右
側の場合について説明する。また、制御装置C2の指令
により玉揚げ作業が開始される。
【0051】制御装置C2の指令によりロータリソレノ
イド62が励磁されると、歯車64,60を介して第2
の位置決めレバー58が作用位置に配置される。そし
て、空ボビン搬送コンベア10により機台1の第2端部
側に向かって搬送されて来た空ボビンBは、第2の位置
決めレバー58と係合してその移動が規制され、玉揚機
4と対応する位置に保持される。空ボビンBが第2の位
置決めレバー58と係合する状態になると、第2のボビ
ン検知センサ66からオン(ON)信号が出力され、制
御装置C2はその信号を入力すると第1のロータリソレ
ノイド61に励磁指令を出力する。そして、第1のロー
タリソレノイド61が励磁され、歯車63,59を介し
て第1の位置決めレバー57が作用位置に配置されて空
ボビンBは両位置決めレバー57,58により長手方向
への移動が規制された状態となる。また、第1のボビン
検知センサ65からオン(ON)信号が出力される。
【0052】制御装置C2は両ボビン検知センサ65,
66からオン信号を入力すると、制御装置C1に空ボビ
ンBが規制手段による規制を受ける状態になったことの
検知信号を出力するとともに、モータ47に正転駆動信
号を出力する。制御装置C1は該検知信号を入力する
と、空ボビン搬送コンベア10の駆動を停止させる。一
方、モータ47の正転駆動により、歯車48,49を介
して回動軸37とともに支持アーム39が図3の反時計
方向に回動される。回動軸37とともにレバー50が回
動され、第1のセンサ51が被検知部50aを検知して
オン信号を出力すると、制御装置C2はモータ47に停
止指令を出力する。従って、支持アーム39は把持装置
40が図3に鎖線で示す取り外し位置(待機位置)から
実線で示す作用位置へ移動配置された時点で停止され
る。
【0053】把持装置40は待機位置から作用位置への
移動途中で両把持片41の先端が空ボビンBと係合する
状態となり、その状態からさらに作用位置側へ移動する
ことにより両把持片41の先端が空ボビンBに押し付け
られ、引っ張りばね45の付勢力に抗して把持片41の
間隔が開く。そして、作用位置に配置された状態では、
図3に実線で示すように両把持片41に空ボビンBが把
持された状態となる。
【0054】玉揚機4は作業位置に停止して前記空ボビ
ン要求信号を出力した後、玉揚げ作業を行う。即ち、押
出しレバー13が図2に示す状態から軸14を中心に反
時計方向に回動され、ほぼ90°回動されたときに、ク
レードル6が満ボビンFを解放するため、その基端を中
心にして先端が紙面とほぼ垂直方向へ若干移動するよう
に回動される。そして、満ボビンFがクレードル6から
離脱して、押出しレバー13の作用によりコンベア7上
へ移載される。その後、押出しレバー13は元の位置に
復帰する。
【0055】押出しレバー13が元の位置に復帰する
と、ボビンキャッチャ18が両把持片21a,21bに
より空ボビンBを把持するとともに受渡し位置に配置さ
れた状態で、装着アーム17が図2に実線で示す待機位
置(原位置)から時計方向に回動され、空ボビンBがク
レードル6のボビン装着部と対応する鎖線で示す位置ま
で回動される。その後、クレードル6がボビン把持状態
に復帰され、空ボビンBがクレードル6に把持される。
次に装着アーム17が反時計方向に回動されて原位置に
復帰する。装着アーム17が反時計方向に回動すると
き、可動把持片21bがねじりばねの付勢力に抗して解
放側に回動され、空ボビンBから離脱する。
【0056】ボビンキャッチャ18が待機位置に復帰す
るとリンク装置26が作動されてボビンキャッチャ18
は受取位置に回動配置される。係止片28は空ボビンB
を把持したボビンキャッチャ18がクレードル6に向か
って回動を開始した後、係合位置に配置されるとともに
その位置に保持されているため、ボビンキャッチャ18
が待機位置に復帰して受取位置に配置されると、ローラ
23aが係止片28と係合して可動把持片21bは開放
位置に保持される。そして、待機位置に復帰したボビン
キャッチャ18上に空ボビンBが載置されていない状態
が検知されると、制御装置C2はモータ47に逆転指令
を出力するとともに、両ロータリソレノイド61,62
に消磁指令を出力する。その結果、支持アーム39が図
3に実線で示す作用位置から鎖線で示す取り外し位置
(待機位置)へ向かって回動されるとともに、両位置決
めレバー57,58も実線で示す作用位置から鎖線で示
す待機位置へ向かって回動される。
【0057】支持アーム39及び位置決めレバー57,
58は同じ回動速度で回動され、位置決めレバー57,
58がほぼ90°回動されて待機位置で停止した後、支
持アーム39は更に回動を続ける。支持アーム39が作
用位置からほぼ120°回動された時点で空ボビンBが
取り外し部材53の底壁53bと係合を開始して把持装
置40と一体に移動するのが規制される。そして、支持
アーム39が更に回動を継続すると、把持片41が引っ
張りばね45の付勢力に抗して開放側に回動され、空ボ
ビンBが把持装置40から取り外される。取り外された
空ボビンBは横方向への移動が側壁53aに規制された
状態で底壁53b上を転動して、ボビンキャッチャ18
の固定把持片21a上に移動する。
【0058】固定把持片21a上に空ボビンBが配置さ
れると、図示しないセンサによりそれが検知され、その
検知信号によりアクチュエータ29が作動されて係止片
28が退避位置に配置され、可動把持片21bが把持位
置に配置される。その後、リンク装置26が作動されて
ボビンキャッチャ18が下方へ回動されて受渡し位置に
配置される。また、把持装置40が待機位置まで移動し
た時点でレバー50の被検知部50aが第2のセンサ5
2に検知され、その検知信号に基づいてモータ47が停
止され、空ボビンBの取り込みが完了し、次の玉揚げ準
備作業が完了する。制御装置C2は必要な作業が全て完
了すると、制御装置C1に移動可能になったこと、即ち
別の紡績ユニット2での作業可能な状態になったことの
指示信号を出力する。そして、玉揚機4は機台1側の制
御装置C1から次の指令があるまでその位置で待機し、
制御装置C1から玉揚げを必要とする紡績ユニット2へ
の走行指令があると、その指令に従って走行を開始す
る。
【0059】この実施の形態は以下の効果を有する。 (イ) 自動機(玉揚機4)に空ボビンBを収容するボ
ビンマガジンを装備せず、空ボビンBをボビンキャッチ
ャ18に保持した状態で、玉揚げ作業を必要とする紡績
ユニット2(巻取ユニット5)と対応する位置で停止
し、保持した空ボビンBを巻取ユニット5のクレードル
6に装着する。従って、玉揚機4にボビンマガジン及び
複数の空ボビンBを搭載しないため、玉揚機4の移動の
ための動力消費が少なくなり、ボビンマガジンに空ボビ
ンが詰まる等の不具合が確実に無くなる。また、玉揚げ
作業を必要とする紡績ユニット2と対応する位置で停止
すると直ちに作業を開始でき、次の作業位置に移動可能
になるまでの時間が短縮される。
【0060】(ロ) 玉揚機4の玉揚げ作業中に次の玉
揚げ作業に使用する空ボビンBを空ボビン搬送コンベア
10から取り込むため、玉揚機4が紡績ユニット2と対
応する位置に停止した後、機台1側の制御装置C1に空
ボビン要求信号を出力しても、空ボビンBのクレードル
6への装着が遅れる虞がない。
【0061】(ハ) 空ボビン搬送コンベア10上の空
ボビンBが所定位置に規制(位置決め)された状態で把
持装置40で把持して玉揚機4内に取り込むため、空ボ
ビンをコンベア上からボビンマガジン内に払い落とす従
来装置と異なり、空ボビンBの姿勢が安定した状態でボ
ビンキャッチ18へ受け渡すことができる。従って、ボ
ビンキャッチ18への受け渡しミスが少なくなる。ボビ
ンとしてストレートボビンではなく、テーパーボビンを
使用する場合に効果が大きくなる。
【0062】(ニ) 空ボビン搬送コンベア10上の空
ボビンBが両位置決めレバー57,58により位置決め
された状態で把持装置40が空ボビンBを把持するた
め、空ボビンBを所定の把持位置でより確実に把持でき
る。
【0063】(ホ) 空ボビン搬送コンベア10上の空
ボビンBを把持する把持装置40が空ボビンBを消極把
持する構成で、把持装置40からの空ボビンBの取り外
しが所定位置に配設された取り外し部材53との係合に
より行われる。従って、把持解放をアクチュエータで積
極的に行う構成に比較して、把持片の開閉制御のタイミ
ングを決めるセンサ等が不要で構成及び制御が簡単にな
るとともに、把持装置40及び取り外し部材53の配設
位置の自由度が大きくなる。
【0064】(ヘ) 把持装置40が作用位置(把持位
置)から取り外し位置まで移動される際に、空ボビンB
が側壁53aと対応する位置まで両位置決めレバー5
7,58が同期して回動されるため、空ボビンBはその
長手方向への移動が規制された状態で確実に一対の取り
外し部材53間と対応する位置に移動され、取り外し部
材53による取り外しが確実に行われる。
【0065】(ト) 搬送コンベア10の搬送速度が比
較的速いので、玉揚機4が作業位置に到達後に空ボビン
要求信号を出力しても、玉揚機4の作業完了迄に余裕が
ある状態で空ボビンBが玉揚機4と対応する所定位置に
到達する。従って、玉揚機4が作業位置に到達後に空ボ
ビン要求信号を出力することにより、空ボビン搬送コン
ベア10で搬送されて来る空ボビンBが玉揚機4の所定
位置への到達前に所定位置を通過する事態を回避でき
る。
【0066】(チ) 空ボビンBの取り込みは玉揚機4
の作業が完了するまでに行えばよい。玉揚機4に種糸巻
付け装置や糸継ぎ装置が装備されている場合は、それら
の作業が終了する迄に取り込みを行えばよいため、玉揚
機4が作業位置に到着してから空ボビンBを取り込むま
での時間に十分余裕ができ、空ボビン搬送コンベア10
の搬送速度を遅くできる。従って、空ボビンBの移動を
規制する位置決めレバー57,58に空ボビンBが衝突
するときの衝撃が小さくなり、位置決めレバー57,5
8が変形する虞がなくなる。
【0067】(リ) 空ボビン搬送コンベア10は、制
御装置C2の空ボビン要求信号に基づいて駆動が開始さ
れ、空ボビンBが位置決めレバー57,58による規制
を受ける状態になったことの検知信号に基づいて停止さ
れる。即ち、空ボビンBの搬送が不要な状態では空ボビ
ン搬送コンベア10が駆動されず、無駄な動力消費がな
くなる。また、移動が規制された状態で空ボビン搬送コ
ンベア10の駆動が継続されると、空ボビンB及びコン
ベアの磨耗が生じ易くなるが、この実施の形態ではその
ような不都合が生じない。また、空ボビンとして種糸ボ
ビンを使用した場合、空ボビンBとコンベアとの間で摺
動が生じると種糸が傷み、糸継ぎ成功率が悪くなるが、
この実施の形態ではそのような事態が生じない。
【0068】(ヌ) 把持装置40から取り外された空
ボビンBはガイド部材としての側壁53aによりその長
手方向の移動が規制された状態で所定位置(ボビンキャ
ッチャ18)まで案内されるので、ボビンキャッチャ1
8による空ボビンBの把持位置が所定位置に位置決めさ
れた状態となる。その結果、クレードル6への空ボビン
Bの受渡しが円滑に行われる。
【0069】(ル) 把持装置40はその長手方向のほ
ぼ中央部で空ボビンBを把持するため、把持片41の数
が一対で支持アーム39も1本で済み構造が簡単とな
る。また、把持装置40の往復動を許容し、かつ空ボビ
ンBの取り外しを行う取り外し部材53のフレーム36
に対する固定も容易となる。
【0070】(ヲ) 把持装置40の把持片41が板ば
ねで形成されているため、引っ張りばね45の付勢力と
の共同作用により空ボビンBの把持解放が円滑に行われ
る。 (ワ) ロータリソレノイド61,62の出力軸の回動
量を歯車59,60,63,64を介して増大して位置
決めレバー57,58を回動する構成のため、ロータリ
ソレノイド61,62で直接回動させる構成に比較して
ロータリソレノイド61,62として小型のものを使用
できるとともに、歯車の歯数比の設定により位置決めレ
バー57,58の回動量を所望の値に容易に調整でき
る。
【0071】(カ) 装着アーム17に対してボビンキ
ャッチャ18が上下方向に揺動可能で、上側のボビン受
取位置と、下側の受渡し位置とに配置可能なため、装着
アーム17が回動する際、ボビンキャッチャ18の移動
軌跡の半径が小さくなり、ボビンキャッチャ18と空ボ
ビン取り込み装置35との干渉を回避し易くなる。
【0072】(ヨ) 玉揚機4の作業位置が機台1の左
右いずれであるかを制御装置C1が判断して制御装置C
2に指令し、制御装置C2はその指令に基づいてロータ
リソレノイド61,62の動作順序を決定するため、玉
揚機4の停止位置に対応していずれのロータリソレノイ
ド61,62を駆動するかの制御が容易となる。
【0073】(第2の実施の形態)次に第2の実施の形
態を図8及び図9に従って説明する。この実施の形態で
は規制手段が、把持手段としても機能する点と、空ボビ
ン搬送コンベア10上から取り入れた空ボビンBを取り
外し部材53を使用せずにボビンキャッチャ18に直接
受け渡す点とが前記実施の形態と大きく異なっている。
前記実施の形態と同一部分は同一符号を付して詳しい説
明を省略する。
【0074】図8に示すように、フレーム36間には玉
揚機4の走行方向と平行、即ち空ボビン搬送コンベア1
0と平行に支軸70が支持されている。支軸70には規
制手段を構成する規制部材及び把持手段としての第1及
び第2の位置決めレバー57,58が、空ボビンBの長
さとほぼ同じ(若干大きい)間隔をおいて相対回動可能
に支持されている。両位置決めレバー57,58は支軸
70に相対回動可能に支持された歯車59,60に一体
回動可能に固定されている。第1及び第2の位置決めレ
バー57,58は板ばねで形成されるとともに、その先
端に係止部57a,58aが互いに対向するように突設
されている。両係止部57a,58aはその突出量が小
さく形成され、位置決めレバー57,58が僅かに外側
へ変位することにより空ボビンBを解放可能となってい
る。位置決めレバー57,58は空ボビンBを両係止部
57a,58aと対応する位置において把持し、両位置
決めレバー57,58が同期して受渡し位置まで回動さ
れることにより空ボビンBを待機位置において受取位置
に配置されたボビンキャッチャ18の固定把持片21a
上に配置するようになっている。
【0075】フレーム36には第1の駆動手段としてロ
ータリソレノイド61に代えて正逆回転可能な第1のモ
ータ71が固定され、その出力軸に歯車59と噛合する
駆動歯車72が一体回転可能に固定されている。フレー
ム36には第2の駆動手段としてロータリソレノイド6
2に代えて正逆回転可能な第2のモータ73が固定さ
れ、その出力軸に歯車60と噛合する駆動歯車74が一
体回転可能に固定されている。両モータ71,73には
減速機及び電磁ブレーキを内蔵したものが使用されてい
る。両モータ71,73は制御装置C2の指令により、
各位置決めレバー57,58を空ボビン搬送コンベア1
0上の空ボビンBを把持可能な作用位置(図9に実線で
示す位置)と、ボビンキャッチャ18への受渡し位置
と、両位置の中間の待機位置とに配置するように駆動さ
れる。
【0076】位置決めレバー57,58には位置決めレ
バー57,58が作用位置に配置された状態において、
空ボビン搬送コンベア10により玉揚機4と対応する位
置に搬送された空ボビンBを検知可能なボビン検知セン
サ65,66が取り付けられている。ボビン検知センサ
65,66は位置決めレバー57,58の内側先端寄り
に取り付けられている。また、各位置決めレバー57,
58には被検知部57b,58bが設けられている。被
検知部57b,58bは各位置決めレバー57,58の
外側基端に設けられている。
【0077】フレーム36には各位置決めレバー57,
58が作用位置に配置された時に被検知部57b,58
bをそれぞれ検知するセンサ75,76と、受渡し位置
に配置された時に被検知部57b,58bをそれぞれ検
知するセンサ77,78と、待機位置に配置された時に
被検知部57b,58bをそれぞれ検知するセンサ7
9,80とがそれぞれ所定位置に固定されている。各セ
ンサ75〜80には近接スイッチが使用されている。
【0078】フレーム36には各位置決めレバー57,
58が待機位置から作用位置に配置される時に、各位置
決めレバー57,58にそれぞれ吸引力を及ぼすことが
可能な所定位置に電磁石81,82が取り付けられてい
る。また、各位置決めレバー57,58が受渡し位置か
ら待機位置に配置される時に、各位置決めレバー57,
58にそれぞれ吸引力を及ぼすことが可能な所定位置に
電磁石83,84が取り付けられている。
【0079】この実施の形態では、玉揚機4が待機位置
に停止している状態では、ボビンキャッチャ18は図9
に示す待機位置に配置され、固定把持片21aと可動把
持片21bで空ボビンBが把持された状態にある。ま
た、両位置決めレバー57,58は図9に鎖線で示すほ
ぼ真っ直ぐ上方に延びた待機位置に配置されている。
【0080】前記の実施の形態と同様に玉揚機4は制御
装置C1の指令により走行を開始し、玉揚げ作業を必要
とする紡績ユニット2と対応する位置で停止する。そし
て、制御装置C2は作業位置で停止すると制御装置C1
に空ボビン要求信号を出力するとともに、第1のモータ
71を正転駆動して玉揚機4の停止位置(機台1の左側
と仮定)に対応した一方の位置決めレバー57を作用位
置に配置させる。そして、空ボビン搬送コンベア10に
より搬送中の空ボビンBが第1の位置決めレバー57と
係合してその移動が規制された後、第2の位置決めレバ
ー58が第2のモータ73の正転駆動により作用位置に
配置される。第2の位置決めレバー58の待機位置から
作用位置への回動途中で電磁石82が励磁され、電磁石
82の吸引力により第2の位置決めレバー58は外側へ
湾曲する。そして、第2の位置決めレバー58の回動が
継続されると係止部58aが空ボビンBの端部外周面と
係合し、その状態から更に回動が継続されて作用位置ま
で回動されると、電磁石82が消磁されて位置決めレバ
ー58はそのばね作用により係止部58aが空ボビンB
の内側に配置される把持位置に復帰する。
【0081】そして、待機位置に配置されたボビンキャ
ッチャ18がクレードル6に空ボビンBを受け渡して待
機位置に復帰すると、両モータ71,73が同期して逆
転駆動され、両位置決めレバー57,58が受渡し位置
まで回動される。ボビンキャッチャ18が待機位置に復
帰した状態では係止片28が係合位置に配置されている
ため、ローラ23aが係止片28と係合して解放位置に
配置されている。従って、両位置決めレバー57,58
が受渡し位置に移動したとき、空ボビンBは固定把持片
21a上に配置される。そして、空ボビンBが固定把持
片21a上に配置されるとアクチュエータ29が作動さ
れて係止片28が退避位置に配置され、ローラ23aと
係止片28との係合が解除されて可動把持片21bが把
持位置に回動される。
【0082】次に両電磁石83,84が励磁されて両位
置決めレバー57,58はその係止部57a,58aが
空ボビンBからほぼ離脱した状態となるまで外側に湾曲
された状態となる。その状態で両モータ71,73が同
期して正転駆動され、両位置決めレバー57,58が待
機位置まで回動される。空ボビンBが両把持片21a,
21bにより把持されていることと、両位置決めレバー
57,58が電磁石83,84の吸引力により外側に湾
曲した状態で回動されるため、その回動途中で係止部5
7a,58aが容易に空ボビンBから離脱して両位置決
めレバー57,58と空ボビンBとの係合が解除され
る。両位置決めレバー57,58が待機位置に配置され
ると電磁石83,84は消磁される。両位置決めレバー
57,58は係止部57a,58aと空ボビンBとの係
合が解除される位置までは電磁石83,84に吸着され
た状態で回動される。位置決めレバー57,58を電磁
石83,84の作用で外側に湾曲させて、空ボビンBと
の係合を解除し易くしているため、ボビンキャッチャ1
8に空ボビンBが確実に保持されたまま位置決めレバー
57,58が受渡し位置から待機位置へと移動される。
【0083】この実施の形態においては、前記実施の形
態における(イ)〜(ハ)、(ト)、(チ)、(リ)、
(カ)及び(ヨ)の効果を有する他に、次の効果を有す
る。 (タ) 位置決めレバー57,58が把持装置としての
機能をも果たすため、前記実施の形態に比較して空ボビ
ンBの把持がより確実に行われるとともに、構造がより
簡単となる。
【0084】(レ) 位置決めレバー57,58が把持
した空ボビンBをボビンキャッチャ18に直接受け渡す
ため、取り外し部材53やガイド部材が不要となり構造
がより簡単となる。
【0085】(ソ) ボビンキャッチャ18により空ボ
ビンBが所定の位置で把持された状態で、空ボビンBを
消極把持する位置決めレバー57,58が待機位置に移
動することによりボビンキャッチャ18に空ボビンBが
受け渡される。従って、ボビンキャッチャ18の所定位
置に確実に空ボビンBが受け渡され、クレードル6への
空ボビンBの受渡しが円滑に行われる。
【0086】なお、実施の形態は上記に限定されるもの
ではなく、例えば、次のように具体化してもよい。 (1) 制御装置C2にタイマーを設け、空ボビン要求
信号を出力してからの経過時間をカウントし、自動機が
空ボビン貯留・供給装置11から最も遠い作業位置迄に
必要な空ボビン搬送時間より所定時間(Tα)経過して
も空ボビンBが検出されない場合は、異常信号を出力し
て異常報知手段を作動させる構成としてもよい。異常報
知手段としては警報ランプや警報ブザー等がある。異常
報知手段の取り付け位置は機台1側、自動機側のいずれ
でもよい。異常の種類としては、両制御装置C1,C2
間の信号の授受不良、ボビン受渡し機構11aのトラブ
ル、空ボビン搬送コンベア10の故障等を検出できる。
この場合、作業者は異常事態の発生を早期に知ることが
でき、トラブルに素早く対処でき、自動機及び紡機の稼
働率の低下を小さくできる。なお、異常信号出力に伴い
空ボビン搬送コンベア10を停止させるようにしてもよ
い。
【0087】(2) 制御装置C2からの空ボビン要求
信号に基づいて空ボビン搬送コンベア10の駆動を開始
する代わりに、制御装置C1が玉揚機4に玉揚げ指令信
号を出力する際に駆動を開始する構成としてもよい。こ
の場合は空ボビン搬送コンベア10の駆動のために両制
御装置C1,C2間での信号の授受が不要となり、制御
が簡単になる。また、空ボビン搬送コンベア10を機台
1の運転中は常に駆動する構成としてもよい。この場合
は空ボビン搬送コンベア10の制御がより簡単になる。
【0088】(3) 把持装置40により空ボビンBを
把持する際に、一対の位置決めレバー57,58で空ボ
ビンBの長手方向の移動を規制する必要はなく、空ボビ
ン搬送コンベア10による空ボビンBの移動を規制する
側(搬送方向下流側)の位置決めレバーのみを作用位置
に配置してもよい。この場合は、一方のボビン検知セン
サからオン信号が出力されると、制御装置C2から制御
装置C1に空ボビンが位置決めレバーによる規制を受け
る状態になったことの検知信号が出力される。従って、
空ボビンBと空ボビン搬送コンベア10との摺動時間が
短くなり、空ボビンB及びコンベアベルトが磨耗し難く
なる。また、制御も簡単になる。
【0089】(4) 第1の実施の形態のように規制部
材(位置決めレバー57,58)と把持装置40とがそ
れぞれ独立した構成のものにおいて、位置決めレバー5
7,58を待機位置に復帰させる時期は、必ずしも把持
装置40を把持位置から取り外し位置に移動させる時期
と合わせる必要はなく、把持装置40の移動前又は移動
後であってもよい。
【0090】(5) 第1の実施の形態のように規制部
材と把持装置とがそれぞれ独立した構成のものにおい
て、規制部材として待機位置と作用位置とに回動配置さ
れる構成のものに代えて、エアシリンダ等直線的に往復
駆動するアクチュエータにより待機位置と作用位置とに
移動配置される構成としてもよい。この場合、回動によ
り待機位置と作用位置とに配置されるものに比較して、
配設位置の自由度が大きくなる。
【0091】(6) 位置決めレバー57,58を直接
ロータリソレノイド61,62の出力軸に連結して回動
させる構成としてもよい。この場合、歯車が不要になり
構造が簡単となる。
【0092】(7) 把持装置40の構成は第1の実施
の形態に示す構成のものに限らず、例えば板ばねを折り
曲げて支持アームと把持片(把持部)とを一体に形成し
たものを回動軸37に一体回動可能に固定してもよい。
この場合は、把持装置40の構造が簡単で部品点数も少
なくなる。また、第1の実施の形態の把持装置40の把
持片41を板ばねではなく板材で形成してもよい。
【0093】(8) 把持装置40の位置の確認手段と
して回動軸37に固定されたレバー50の被検知部50
aを両センサ51,52で検知する構成に代えて、モー
タ47の回動量を検出するロータリエンコーダを設けて
その出力信号に基づいてモータ47を駆動制御してもよ
い。この場合、センサ51,52の取付け位置を確保す
る必要がなく、組付けが容易となる。
【0094】(9) 第2の実施の形態において、位置
決めレバー57,58の位置を検知するセンサ75〜8
0を設けずに、両モータ71,73にロータリエンコー
ダを取り付け、その出力信号に基づいて各モータ71,
73を駆動制御してもよい。この場合、センサ51,5
2の取付け位置を確保する必要がなく、組付けが容易と
なる。
【0095】(10) 取り外し部材53の側壁を待機
位置に配置されたボビンキャッチャ18の固定把持片2
1aの側方まで延出するように形成する。この場合、把
持装置40から取り外された後の空ボビンBは、固定把
持片21a上に配置されるまでその長手方向への移動が
規制される。その結果、固定把持片21a上の所定位置
に確実に配置され、常に所定位置でボビンキャッチャ1
8に把持されてクレードル6と対応する位置へ配置され
る。
【0096】(11) ボビンキャッチャ18の可動把
持片21bを把持位置と解放位置とに回動配置させる構
成として、アクチュエータ29により作動される係止片
28と、係止片28と係合するローラ23aを備えたレ
バー23に代えて、レバー23をリンク装置26と連動
して作動されるカム・リンク機構を介して回動させる構
成を採用してもよい。
【0097】(12) 玉揚機4が巻取ユニット5に対
する作業位置で停止したときにおける空ボビン搬送コン
ベア10の空ボビン搬送方向を判断する判断手段とし
て、各紡出ユニット2に機台1のいずれの側にあるかを
示す表示部(例えば、ランプ、ドグ)を設けるととも
に、玉揚機4にその表示部を検知する検知手段を設け
る。そして、制御装置C2が前記検知手段の検知信号に
基づいて空ボビン搬送方向を判断するようにする。
【0098】(13) 玉揚機4が機台1の右側と対応
する走行レール3の部分に進入する位置と、機台1の左
側と対応する走行レール3の部分に進入する位置とを通
過するときに対向する機台1側に機台1の左右の別を表
示する表示部を(12)と同様に設けるとともに、玉揚
機4にその表示部を検知する検知手段を設ける。そし
て、制御装置C2が前記検知手段の検知信号に基づいて
空ボビン搬送方向を判断するようにする。この場合、
(12)に比較して表示部の数が少なくなる。
【0099】(14) ボビンとしてストレートボビン
に限らず、コーンボビン(テーパボビン)を使用する場
合に適用してもよい。その場合、把持片41をコーンボ
ビンの形状に対応した形状のものに変更するのが好まし
い。
【0100】(15) 空ボビンとして種糸ボビンを供
給するようにしてもよい。 (16) 自動機として玉揚機に限らず、玉揚げ後の糸
継ぎ作業を行う糸継ぎ機に適用してもよい。
【0101】(17) オープンエンド精紡機に限ら
ず、結束紡績機やワインダ等に適用してもよい。前記実
施の形態から把握できる請求項記載以外の発明につい
て、以下にその効果とともに記載する。
【0102】(1) 請求項1〜請求項4のいずれかに
記載の発明において、把持手段は空ボビンを消極把持す
る構成となっている。この場合、把持解放をアクチュエ
ータで積極的に行う構成に比較して、把持片の開閉制御
のタイミングを決めるセンサ等が不要で構成及び制御が
簡単になる。
【0103】(2) 請求項3に記載の発明において、
規制部材は把持手段の役割を兼ね、両規制部材は板ばね
により形成されかつ対向する面に空ボビンの内側に進入
可能な係止部を備え、支軸に回動可能に支持されるとと
もに各駆動手段により前記作用位置及び待機位置に加え
て、空ボビンを巻取ユニットのクレードルへのボビン受
渡し手段に受け渡す受渡し位置に移動可能に構成されて
いる。この場合、規制部材が把持手段としての機能をも
果たすため、規制部材と把持手段とが独立した構成に比
較して、空ボビンの把持がより確実に行われるととも
に、構造がより簡単となる。
【0104】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜請求項
4に記載の発明によれば、紡機の巻取ユニット列に沿っ
て移動し、巻取ユニットと対応する位置で停止して玉揚
げ及び空ボビンの装着作業を行う自動機がボビンマガジ
ンを装備しなくても、作業位置に到達すると直ちに作業
を開始でき、しかもボビン装着作業に支障を来さないよ
うに空ボビンを補給できる。
【0105】請求項3に記載の発明では、空ボビン搬送
装置上の空ボビンを2個の位置決め部材で位置決めした
状態で把持手段で把持して自動機内に取り込むため、空
ボビンをコンベア上からボビンマガジン内に払い落とす
従来装置と異なり、空ボビンの姿勢が安定した状態でク
レードルへのボビン受渡し手段へ受け渡され、受渡しミ
スが少なくなる。ボビンとしてストレートボビンではな
く、テーパーボビンを使用する場合に効果が大きくな
る。
【0106】請求項4に記載の発明では、空ボビンが規
制手段により移動が規制された状態で、空ボビン搬送装
置が無駄な搬送エネルギーを使用することが回避され
る。請求項5に記載の発明では、作業者は異常事態の発
生を早期に知ることができ、トラブルに素早く対処で
き、自動機及び紡機の稼動率の低下を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態の紡機機台及び玉揚機を示
す概略平面図。
【図2】 玉揚機と空ボビン搬送コンベアとの関係を示
す概略側面図。
【図3】 空ボビン取り込み装置を示す概略側面図。
【図4】 空ボビン取り込み装置の概略平面図。
【図5】 空ボビン取り込み装置の一部省略一部破断正
面図。
【図6】 リンク装置とボビンキャッチャの関係を示す
要部側面図。
【図7】 同じく要部正面図。
【図8】 第2の実施の形態の空ボビン取り込み装置の
正面図。
【図9】 同じく空ボビン取り込み装置の概略側面図。
【符号の説明】
1…機台、3…走行レール、4…自動機としての玉揚
機、5…巻取ユニット、6…クレードル、10…空ボビ
ン搬送装置としての空ボビン搬送コンベア、11…空ボ
ビン供給装置としての空ボビン貯留・供給装置、18…
ボビン受渡し手段を構成するボビンキャッチャー、35
…空ボビン取り込み手段としての空ボビン取り込み装
置、40…把持手段としての把持装置、47…駆動装置
を構成するモータ、57,58…規制部材としての位置
決めレバー、61,62…駆動装置としてのロータリソ
レノイド、65,66…検知手段としてのボビン検知セ
ンサ、B…空ボビン、C2…制御手段としての制御装
置。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紡機に沿って延設されたレールに沿って
    移動し、巻取ユニットと対応する位置で停止して玉揚げ
    及び空ボビンの装着作業を行うとともに、巻取ユニット
    列に沿って延設された空ボビン搬送装置を介して空ボビ
    ンが補給され、かつ前記空ボビン搬送装置上の空ボビン
    を把持手段により把持して自動機内に取り込んで巻取ユ
    ニットのクレードルへのボビン受渡し手段に受け渡す空
    ボビン取り込み手段と、前記空ボビン搬送装置により搬
    送されて来る空ボビンを前記把持手段による把持可能な
    所定位置に規制する規制手段とを備えた紡機用自動機へ
    の空ボビン補給方法であって、 自動機は前記ボビン受渡し手段に空ボビンを把持した状
    態で待機し、玉揚げ要求信号に基づいて玉揚げ作業を必
    要とする巻取ユニットと対応する位置まで移動して停止
    した後、空ボビン要求信号を出力するとともに玉揚げ作
    業を開始し、前記空ボビン搬送装置により搬送されて来
    た空ボビンの移動を前記規制手段で規制した状態で前記
    把持手段により把持して自動機内に取り込み、玉揚げ後
    のクレードルへの空ボビン装着作業が完了して待機位置
    に復帰したボビン受渡し手段に空ボビンを受け渡す紡機
    用自動機への空ボビン補給方法。
  2. 【請求項2】 紡機に沿って延設されたレールに沿って
    移動し、巻取ユニットと対応する位置で停止して玉揚げ
    及び空ボビンの装着作業を行うとともに、巻取ユニット
    列に沿って延設された空ボビン搬送装置を介して空ボビ
    ンが補給され、かつ前記空ボビン搬送装置上の空ボビン
    を把持手段により把持して自動機内に取り込んで巻取ユ
    ニットのクレードルへのボビン受渡し手段に受け渡す空
    ボビン取り込み手段と、前記空ボビン搬送装置により搬
    送されて来る空ボビンを前記把持手段による把持可能な
    所定位置に規制する規制手段とを備えた紡機用自動機へ
    の空ボビン補給装置であって、 紡機機台側に装備されるとともに、自動機からの空ボビ
    ン要求信号に基づいて前記空ボビン搬送装置に空ボビン
    を供給する空ボビン供給装置と、 前記自動機に装備され、空ボビン要求信号を出力すると
    ともに、空ボビン搬送装置で搬送されて来る空ボビンを
    前記把持手段で把持して自動機内に取り込み、巻取ユニ
    ットのクレードルへの空ボビン装着作業完了後の前記ボ
    ビン受渡し手段に受け渡すように、前記規制手段の駆動
    装置及び前記空ボビン取り込み手段の駆動装置を制御す
    る制御手段とを備えた紡機用自動機への空ボビン補給装
    置。
  3. 【請求項3】 前記規制手段は前記空ボビン搬送装置に
    より搬送される空ボビンの端部と係合して該空ボビンを
    自動機内に取り込むための所定位置に位置決めする作用
    位置と、空ボビン搬送装置上の空ボビンと係合不能な待
    機位置とに配置可能な2個の規制部材と、 前記両規制部材を作用位置と待機位置とにそれぞれ独立
    に移動させる駆動手段とを備え、 前記制御手段は2個の規制部材の一方を先ず作用位置に
    配置し、空ボビン搬送装置で搬送されて来る空ボビンが
    当該規制部材と係合した状態で他方の規制部材を作用位
    置に配置するように前記駆動手段を制御する請求項2に
    記載の紡機用自動機への空ボビン補給装置。
  4. 【請求項4】 前記空ボビン搬送装置は前記制御手段の
    空ボビン要求信号に基づいて駆動が開始され、空ボビン
    が前記規制手段による規制を受ける状態になったことを
    検知する検知手段の検知信号に基づいて停止される請求
    項2又は請求項3に記載の紡機用自動機への空ボビン補
    給装置。
  5. 【請求項5】 前記空ボビン要求信号が出力されてから
    の経過時間を計測する計測手段を設け、予め設定された
    所定時間経過しても空ボビンが規制手段による規制を受
    ける状態になったことの検知信号が前記検知手段から出
    力されない場合、異常報知手段を作動させる請求項4に
    記載の紡機用自動機への空ボビン補給装置。
JP33365896A 1996-12-13 1996-12-13 紡機用自動機への空ボビン補給方法及び装置 Pending JPH10168682A (ja)

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