JPH10168498A - エアゾール組成物 - Google Patents

エアゾール組成物

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JPH10168498A
JPH10168498A JP32832296A JP32832296A JPH10168498A JP H10168498 A JPH10168498 A JP H10168498A JP 32832296 A JP32832296 A JP 32832296A JP 32832296 A JP32832296 A JP 32832296A JP H10168498 A JPH10168498 A JP H10168498A
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weight
alcohol
aerosol
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Kazuhisa Karaki
和久 唐木
Michio Shirai
道雄 白井
Kaori Koo
香織 小尾
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エアゾールとしても、高品質で洗浄でき、乾
燥性に優れたものとする。 【解決手段】 2−メチルペンタンを44重量%以上含
む炭素数6の脂肪族飽和炭化水素66〜90重量%及び
エチルアルコールを85重量%以上含む炭化数1〜3の
低級アルコール10〜34重量%からなる洗浄組成物
と、炭酸ガス又は窒素ガスからなる圧縮ガスを用いた噴
射剤とからなるエアゾール組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学ガラスやプラ
スチック成形品、金属加工部品を洗浄する際に、優れた
脱脂性、乾燥性を示す洗浄組成物を携帯に適した形態と
するためのエアゾール組成物に関する。
【0002】
【従来技術】工業洗浄においては、不燃性で毒性が少な
く、化学的、熱的に非常に安定なクロロフルオロカーボ
ン、特に1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフ
ルオロカーボン(CFC−113)が蒸気洗浄や手拭き
洗浄等の種々の洗浄に広く用いられている。また、手拭
き洗浄に於いては、優れた乾燥性の他に汚れの除去性が
要求される場合があり、この場合には、CFC−113
とエタノールとの共沸混合溶剤あるいは特開平1- 31
8094号公報に記載されるようにCFC−113とイ
ソプロピルアルコール及びメチルエチルケトン等の有機
溶剤との混合溶剤が使用されている。
【0003】さらに、より高い汚れの除去性や乾燥性が
要求される場合には、アセトン、低級アルコールやエタ
ノール・ジエチルエーテル混合溶剤等の乾燥性の良好な
有機溶剤による手拭き洗浄が行われている。一方、特開
平2−289693号公報には、代替フロンや代替フロ
ンと各種有機溶剤との共沸混合溶剤を洗浄に用いること
が記載されている。
【0004】さらに、特開平7−331290号公報で
は、圧縮ガスや液化天然ガスを噴射剤として使用するエ
アゾール形態の洗浄液が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、CFC
−113等の特定フロンは、オゾン層を破壊し、環境汚
染を引き起こすところから使用量が低減されており、現
状では洗浄への適用が出来なくなっている。また、代替
フロン及び代替フロンと有機溶剤との混合溶剤もオゾン
層への影響が全く皆無であるわけではなく、将来的に使
用が停止されるところから好ましくない。アセトン、低
級アルコールやエタノール・ジエチルエーテル混合溶剤
等は揮発性が大きく、取り扱いにくいものとなってい
る。
【0006】また、工業的に広く使用されるエタノー
ル、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類で
は、蒸発潜熱が高く、沸点が低い割には、乾燥性が悪く
乾燥表面を迅速に得ることが困難である。
【0007】さらに、これらの洗浄剤をエアゾール組成
物とした場合には、使用する噴射剤の物性によって洗浄
の仕上がり性能が左右される。LPG,DMEに代表さ
れる液化ガスはエアゾール噴射時に液状のLPG,DM
Eが気化して噴出する。この噴出の際にLPG,DME
が気化熱を奪うため、噴出された洗浄剤の温度が下が
る。又、この噴出の際に空気中の水分を結露させ、結露
した水滴が被洗浄物表面に付着するため、水シミ等を発
生させる可能性がある。
【0008】本発明はこのような従来の問題点を考慮し
てなされたものであり、洗浄に使用する洗浄剤組成物を
携帯に適した形態とすると共に、乾燥性に優れ、しか
も、高品質に洗浄できるエアゾール組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1の発明は、2−メチルペンタンを44重量%以
上含む炭素数6の脂肪族飽和炭化水素66〜90重量%
と及びエチルアルコールを85重量%以上含む炭素数1
〜3の低級アルコール10〜34重量%からなる洗浄剤
組成物と、圧縮ガスを用いた噴射剤とからなることを特
徴とする。
【0010】本発明者が検討の結果、2−メチルペンタ
ン、3- メチルペンタン、n−ヘキサンのうちの1種以
上からなる脂肪族飽和炭化水素と、メチルアルコール、
エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロ
ピルアルコールのうちの一種以上からなる低級アルコー
ルとの混合系は、ある範囲の組成で共沸および共沸様状
態を示す組成物を形成することが判明した。一般に共沸
特性を示す複数の化合物が混合した共沸混合系では見か
け上、安定した一つの沸点を有しており、単一化合物の
ような挙動を示す。又、共沸混合系の沸点は、共沸混合
系を構成する複数の化合物のそれぞれの沸点より、上昇
あるいは下降することが知られている。さらに共沸混合
系では気液平衡状態において気相と液相の組成成分比が
同一となることが知られている。ここで、共沸様状態と
は2種類以上の化合物の混合系において、常圧(1.0
1kPa)においての共沸時の沸点に対して、その沸点
範囲が5℃以下で、単一化合物に近似した挙動を示す状
態である。
【0011】請求項1の発明では、2−メチルペンタン
を44重量%以上含む炭素数6の脂肪族飽和炭化水素が
66〜90重量%、エチルアルコールを85重量%以上
含む炭素数1〜3の低級アルコールが10〜34重量%
の組成比の時に、常圧下での沸点が52〜55.5℃の
範囲となり、表1に示した炭素数6の脂肪族飽和炭化水
素および炭素数1〜3の低級アルコールの各構成成分の
沸点と比較しても十分に低いものとなる。
【0012】
【表1】
【0013】溶剤系の洗浄剤組成物の場合、沸点を比較
することにより乾燥速度を比較することが可能であり、
一般的には、沸点が低いほど乾燥速度が速い。したがっ
て請求項1の洗浄剤組成物は、その構成成分より優れた
乾燥性を有している。
【0014】請求項1の発明では、この洗浄剤組成物を
噴射剤としての圧縮ガスを添加してエアゾール化する。
このエアゾール組成物は被洗浄物に対して噴射させた場
合、あるいはワイピングクロス等に噴出させて被洗浄物
を拭き取った際にも、共沸様組成のために一定の割合で
乾燥する。このため、一成分が被洗浄物の上に残ること
はない。
【0015】請求項2の発明は、n−ヘキサン、メチル
アルコール、イソプロピルアルコール又はノルマルプロ
ピルアルコールの合計の含有率を洗浄剤組成物全体の1
0重量%未満とすることにより、安全性を確保するもの
である。
【0016】洗浄剤組成物の構成成分のうち、n−ヘキ
サン、メチルアルコール、イソプロピルアルコールは、
日本の労働安全衛生法有機溶剤中毒予防規則において第
2種有機溶剤に指定されている。また、メチルアルコー
ルは毒劇物としても指定されている。n−ヘキサン、メ
チルアルコール、イソプロピルアルコールおよびノルマ
ルプロピルアルコールの許容濃度は、それぞれ50,1
00,400および200ppmであり、その他の構成
部分の許容濃度に比較して低く、安全性を考慮した場
合、これらの成分の合計の含有量を制限することが望ま
しいことによる。
【0017】請求項3の発明は、炭酸ガス、窒素ガスあ
るいはこれらの混合から選ばれる圧縮ガスを噴射剤とし
て使用するものであり、これにより噴射時の結露を抑え
ることができる。エアゾール噴射時には洗浄剤組成物の
原液の一部が飛散して、気化する。この際に気化熱を奪
うため、原液の液温および周辺空気の温度を同時に低下
させる。このため空気中の飽和水蒸気量の変化を伴い、
空気中の水分を結露させる。このことは、洗浄剤組成物
の原液ばかりでなく噴射剤として使用する物質による影
響も大きい。例えば、LPG,DMEに代表される液化
ガスは、エアゾール容器中では加圧されているため液体
状態で存在している。ところが、これがエアゾール噴射
時に洗浄剤組成物の原液に同伴して、エアゾール容器外
に噴射すると、瞬時に気化する。このときに発生する気
化熱はかなり大きく、この気化熱は洗浄剤組成物の原液
の温度を更に低下させるのに十分な熱量となっている。
【0018】これに対して、炭酸ガスや窒素ガスの圧縮
ガスは圧力変化に起因した温度変化が液化ガスに比べて
小さく、噴射による洗浄剤組成物の温度低下を小さくす
ることができる。又、炭酸ガス、窒素ガスは不活性のた
め、引火することがない。
【0019】炭酸ガス、窒素ガスの洗浄剤組成物に対す
る割合は、洗浄剤組成物に対する溶解特性が異なるため
に同一には規定できないが、炭酸ガスは洗浄剤組成物に
対し、3.5〜5重量%、窒素ガスは0.5〜0.8重
量%が好ましい。この組成以下の場合は、洗浄剤組成物
を全て噴射させる事が困難となる。また、この組成以上
では、圧力が高くなり、急激な噴射となって洗浄剤組成
物が無駄に消費され、好ましくない。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)炭素数6の脂肪族飽和炭化水素とし
て、2−メチルペンタン60.1重量%、3−メチルペ
ンタン36.2重量%、n−ヘキサン3.7重量%で構
成される混合物を用い、炭素数1〜3の低級アルコール
として、エチルアルコール85.5重量%、イソプロピ
ルアルコール4.9重量%、n−プロピルアルコール
9.6重量%で構成される混合物を用いた。これらの炭
化水素混合物及び低級アルコール混合物の組成比を変化
させたもの(表2では、低級アルコール混合物の組成比
を0,10,15,20,30,100%とした。)を
各々200g調製して混合組成物とし、これらについて
常圧下での単蒸留を行い、初期蒸留における沸点、初期
蒸留組成物組成比(以下、気相組成比という)、および
初期蒸留組成物を得たときの蒸留容器内の混合組成物組
成比(以下、液相組成比という)を求めた。結果を表2
に示す。ここで初期蒸留組成物は、蒸留液が留出を開始
してから沸点の上昇が安定した時点で採取された蒸留組
成物を指している。
【0021】
【表2】
【0022】表2に示すように、エチルアルコール8
5.5重量%、イソプロピルアルコール4.9重量%、
n−プロピルアルコール9.6重量%で構成される低級
アルコール混合物の液相組成比が9.6〜31.8重量
%の範囲(これは、エチルアルコール8.5〜27.2
重量%、イソプロピルアルコール0.4〜1.6重量
%、n−プロピルアルコール0.9〜3.1重量%に相
当する。)であり、且つ、2−メチルペンタン60.1
重量%、3−メチルペンタン36.2重量%、n−へキ
サン3.7重量%で構成される炭化水素混合物の液相組
成比が90.4〜68.2重量%の範囲(これは、2−
メチルペンタン54.3〜40重量%、3−メチルペン
タン32.7〜24.7重量%、n−ヘキサン3.3〜
2.5重量%に相当する。)では、沸点が55.0〜5
5.5℃となり、炭化水素混合物のみの沸点62.0℃
および低級アルコール混合物のみの沸点78.5℃より
も著しく沸点が降下しており、近似的に共沸状態となっ
ていることが確認された。このように沸点が低下するこ
とにより、洗浄剤組成物としては非常に優れた乾燥性を
有している。
【0023】また、表2の結果を基に低級アルコール混
合物の液相組成比をX軸(横軸)に、低級アルコール混
合物の気相組成比をY軸(縦軸)にプロットし、炭化水
素混合物と低級アルコールの混合物の混合系における気
液平衡特性図(X−Y線図)を作成し、共沸組成を求め
た。これを図1に示す。共沸状態においては、液相の組
成比と気相の組成比が同一となることから、X−Y線図
と関数Y=Xの交点が共沸組成となる。図1のX−Y線
図より共沸組成を求めたところ、低級アルコール混合物
の組成が16.1重量%、炭化水素混合物の組成が8
3.9重量%となった。したがって、共沸組成は2−メ
チルペンタン50.4重量%、3−メチルペンタン3
0.4重量%、n−ヘキサン3.1重量%、エチルアル
コール13.7重量%、イソプロピルアルコール0.8
重量%、n−プロピルアルコール1.6重量%であるこ
とが判明した。
【0024】次に、上述した共沸組成の洗浄剤組成物を
100g調製し、常圧下で単蒸留を行なって経時的に蒸
留液およびそのときの残留液(液相)を採取し、その組
成変化を求めた。組成比の決定は、ガスクロマトグラフ
により検量線を用いて行なった。ガスクロマトグラフ測
定条件は、ガスクロマトグラフ本体として(株)島津製
作所製、商品名「GC−14B」、カラムとして、ヒュ
ーレットパッカード社製、商品名「DB−1(内径0.
53mm,長さ30m)」、検出器として、FIDを用
い、注入口温度210℃、検出器温度230℃とし、カ
ラム温度は初期40℃(維持時間2.5分)、昇温速度
を10℃/分、最終到達温度200℃で行なった。結果
を表3および表4に示す。表3において、横欄は蒸留液
のサンプリングタイミングを示し、縦欄は各構成成分の
組成比の分析結果および低級アルコールと炭化水素のそ
れぞれの合計の組成比を重量%単位で示してある。表4
において、横欄は蒸留残留液(液相)のサンプリングの
タイミングを示し、縦欄は各構成成分の組成比の分析結
果および低級アルコールと炭化水素のそれぞれの合計の
組成比を重量%単位で示してある。
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】これらの結果から蒸留液の組成変化は、表
3に示すように、蒸留終了まで0.4重量%の幅であ
り、各蒸留液採取時の蒸留残留液(液相)の組成変化
は、表4に示すように、蒸留終了までで4.7重量%の
幅であり、組成安定性が非常に高いことが確認された。
【0028】(実施の形態2)炭素数6の飽和炭化水素
として、2−メチルペンタン97.3重量%、n−ヘキ
サン2.7重量%で構成される炭化水素混合物を炭素数
1〜3の低級アルコールとして、エチルアルコール10
0重量%のみで構成される低級アルコール混合物を用い
た。これらの炭化水素混合物および低級アルコール混合
物の組成比を変化させたもの(表5では、低級アルコー
ル混合物の組成比を0,10,15,20,30,10
0%で行なった。)を各々200g調製して混合組成物
とし、これらについて常圧下において単蒸留を行い、初
期蒸留における沸点、気相組成比、液相組成比を求め
た。結果を表5に示す。
【0029】
【表5】
【0030】表5に示すように、エチルアルコール10
0重量%で構成される低級アルコール混合物の液相組成
比が9.6〜34.0重量%の範囲では沸点が53.4
〜54.0℃となり、炭化水素混合物のみの沸点62.
0℃および低級アルコール混合物のみの沸点78.5℃
よりも著しく沸点が降下しており、近似的に共沸状態と
なっていることが確認された。
【0031】表5の結果を基に、低級アルコール混合物
の液相組成比をX軸(横軸)に、低級アルコール混合物
の気相組成比をY軸(縦軸)にプロットし、炭化水素混
合物と低級アルコール混合物の混合系における気液平衡
図(X−Y線図)を作成し、共沸組成を求めた。これを
図2に示す。図2のX−Y線図より共沸組成を求めたと
ころ、低級アルコール混合物の組成が16.6重量%、
炭化水素混合物の組成が83.4重量%となった。した
がって、共沸組成は、2−メチルペンタン81.2重量
%、n−ヘキサン2.2重量%、エチルアルコール1
6.6重量%であることが判明した。
【0032】(実施の形態3)実施の形態1と同様の炭
化水素混合物および低級アルコール混合物を洗浄剤組成
物として、エアゾール組成物を作製した。エアゾール噴
射剤としてはLPG、圧縮炭酸ガス、圧縮窒素ガスをそ
れぞれ使用した。洗浄剤組成物に対する噴射剤の割合
は、LPG15重量%、圧縮炭酸ガス4重量%、圧縮窒
素ガス0.6重量%とした。エアゾール容器として容量
220mlの容器を使用した。このときの20℃におけ
る内部圧力はLPGが1.5kg/cm2 、炭酸ガスが
5kg/cm2 、窒素ガスが5kg/cm2 であった。
【0033】上記エアゾールを熱電対に噴射させ、噴射
液温を比較した。噴射液温が低いことは、エアゾール噴
射時に周囲の空気を冷却するため、飽和水蒸気量の変化
に伴い、空気中の水分を結露させる。この結露によっ
て、物品を洗浄した際に、物品上に水シミを作り出す原
因となるため、噴射液温低下が少ない噴射剤の選択をす
ることが好ましい。噴射液温比較の結果を表6に示す。
LPGはエアゾール缶内では加圧されているため液体状
態で存在するが、エアゾール缶の系外に噴出した際は、
気化して噴出する。測定液温は炭酸ガス、窒素ガスと比
較して4℃程度低い値となっており、気化熱が奪われて
いることが判る。これに対し、炭酸ガス、窒素ガスはほ
ぼ同程度の温度で噴射される。いずれの噴射温度も外気
温に比べて低くなっているが、これは、噴射した洗浄剤
組成物の乾燥性が優れるため、熱電対上での蒸発による
温度低下である。
【0034】表6からエアゾール噴射剤として、炭酸ガ
ス、窒素ガスを使用することにより洗浄剤組成物の結露
を抑えることができる。
【0035】
【表6】
【0036】(実施の形態4)実施例1と同様の炭化水
素混合物および低級アルコール混合物を用いて、炭化水
素混合物および低級アルコール混合物の組成比を変化さ
せたもの(表7に示すように、低級アルコール混合物の
組成比を5,10,15,20,30,40重量%とし
た。)を各々120g調製して洗浄剤組成物とし、噴射
剤として圧縮炭酸ガスを使用したエアゾール組成物を作
製した。炭酸ガス量は内容量220mlの缶に対し、5
kg/cm2 の内圧になるように調製した。一方、スラ
イドガラスに手脂を付着させ、付着後、常温常圧下で2
4時間放置したもの、スライドガラスを油性マジックイ
ンキおよびトリクロロエチレンを溶媒とした40重量%
の松やに溶液に浸漬して溶媒を揮発させたものを用意
し、これらに対し、組成比を変化させたエアゾール組成
物をワイピング紙(十条キンバリー(社)製、商品名
「キムワイプ」) に噴射させて含浸させ、手拭き洗浄
を行なった。洗浄性評価は、10回未満の手拭き洗浄で
除去できたものを「○」、10回以上の手拭き洗浄で除
去できたものを「△」、10回以上の手拭き洗浄でも除
去しきれない場合を「×」として評価を行なった。結果
を表7に示す。
【0037】
【表7】
【0038】表7に示すように、低級アルコール混合物
の組成比が5重量%の場合、手脂、マジックインキ、松
ヤニのいずれも洗浄除去が困難になる傾向にあり、10
重量%未満の場合にはマジックインキ松ヤニに対しては
除去できない場合が生じている。このように、本実施の
形態では、手脂、マジックインキ、松ヤニに対して、高
い洗浄性を示したエアゾール組成物とすることができ
る。
【0039】(実施の形態5)図3は、以上のエアゾー
ル組成物が充填されるエアゾール缶1を示す。このエア
ゾール缶1は、缶本体2の上部にガスケット部3が取り
付けられている。ガスケット部3は操作部となる稼動ノ
ズル6と、稼動ノズル6を貫通する溶剤透過用の噴出孔
6aと、缶本体2の缶口にパッキン11を介して密着す
る固定枠10と、この固定枠10と稼動ノズル6との間
に設けられたばね9と、噴出孔6aと連通するように垂
下するチューブ7とを有している。チューブ7は缶本体
2内に充填された洗浄剤組成物4に浸積されている。
又、このチューブ7と噴出孔6aとの間には、梃子の原
理で開閉するバルブ8が設けられている。洗浄剤組成物
4の上部には、圧縮ガス12が充填されている。
【0040】上記構造のエアゾール缶1と、通常の横向
きノズルを使用したエアゾール缶を使用して片手にワイ
ピングペーパー12へ洗浄剤組成物を含浸させる実験を
実施した。上記エアゾール缶1の場合には、片手にワイ
ピングペーパー12を持ったままで、指13によって稼
動ノズル6を押すことが出来るため、無駄なく洗浄剤組
成物を含浸させることができた。一方、横向きノズルの
エアゾール缶によってワイピングペーパーに洗浄剤組成
物を含浸させる際にはノズルの噴出部にワイピングペー
パーを固定できないために、下方への洗浄剤組成物の逃
げがあった。
【0041】従って、このエアゾール缶1によれば、片
手動作でエアゾールからワイピングペーパーへの洗浄液
に含浸させることが可能となる。
【0042】
【発明の効果】請求項1のエアゾール組成物では、優れ
た乾燥性及び洗浄能力に加えて非常に安定した洗浄能力
の維持ができ、しかも携帯に適した形態とすることがで
きる。請求項2のエアゾール組成物では、n−ヘキサ
ン、メチルアルコール、イソプロピルアルコール又はノ
ルマルプロピルアルコールの含有量が洗浄剤原液組成物
全体の組成に対して10重量%未満となっているため、
使用上の安全性を確保することができる。請求項3のエ
アゾール組成物では、噴射時の結露を抑えることができ
るため、高品質な洗浄を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の気液平衡特性図である。
【図2】実施の形態2の気液平衡特性図である。
【図3】エアゾール缶の断面図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2−メチルペンタンを44重量%以上含
    む炭素数6の脂肪族飽和炭化水素66〜90重量%及び
    エチルアルコールを85重量%以上含む炭素数1〜3の
    低級アルコール10〜34重量%からなる洗浄剤組成物
    と、圧縮ガスを用いた噴射剤とからなることを特徴とす
    るエアゾール組成物。
  2. 【請求項2】 n−ヘキサン、メチルアルコール、イソ
    プロピルアルコール又はノルマルプロピルアルコールの
    含有率が洗浄剤組成物全体の組成に対して10重量%未
    満であることを特徴とする請求項1記載のエアゾール組
    成物。
  3. 【請求項3】 噴射剤が、炭酸ガス、窒素ガス又はこれ
    らの混合の圧縮ガスであることを特徴とする請求項1記
    載のエアゾール組成物。
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