JP2007177107A - 絶縁回復方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】絶縁物の汚損により絶縁が低下した場合において、迅速に絶縁を回復させる絶縁回復方法を提供する。
【解決手段】作業者は、被対象物に対して洗浄剤を吹付ける(ステップST1)。洗浄剤の吹付圧を高めることにより、汚損物をより効果的に分離させて洗浄できる。同時に、作業者は、付着した汚損物を分離させるように、表面をブラッシングする(ステップST2)。その後、所定の時間に亘る洗浄剤の吹付けが完了すると、作業者は、残留する洗浄剤を拭取る(ステップST3)。残留する洗浄剤には、絶縁物から分離された汚損物が含有されており、ウェスで拭取ることにより、汚損物の除去がより有効に行なえ、さらに効果的な絶縁回復を実現できる。
【選択図】図3

Description

この発明は電気機器における絶縁回復方法に関し、特に絶縁物の汚損により絶縁が低下した場合の絶縁回復方法に関するものである。
多くの電気機器では、外部からの電力供給や外部との電気信号の授受を行なうために、ケーブルが用いられる。このようなケーブルと電気機器とを接続したり、ケーブル同士を接続したりする場合には、作業の簡素化などの観点から、端子台が用いられることが多い。
端子台は、ネジ孔を複数形成された導体板が、絶縁物を介して所定の間隔で配置されたものである。そして、複数のケーブルが、各々のケーブルの端に装着された、所定の大きさの孔を有する接続端子を介して、導体板にネジ留めされることで、電気機器または他のケーブルと電気的に接続される。このような端子台を用いることで、電気機器の据付けが迅速となり、また、ケーブルの損傷時などにおける復旧(交換)作業が迅速に行なえるという長所がある。
一般的に、端子台は、作業上や安全上の観点から機器の下部に配置されており、粉塵やダストなどが堆積しやすい。粉塵やダストなどの堆積により、端子台を構成する導体板間の絶縁物の表面に漏れ電流が生じ、隣接する導体板間、すなわち隣接するケーブル間の絶縁が低下するという問題が生じる。また、同様の理由により、導体板と端子台の固定部材との間、すなわちケーブル対地間の絶縁が低下するという問題も生じる。このような現象は、「トラッキング現象」とも称される。
また、台風などの到来時における高潮や河川の氾濫などにより、電気機器の設置場所に海水や河川の水などが浸入することもある。このような場合においては、電気機器の下部に配置されることの多い端子台は、浸水してしまう。一旦浸水すると、たとえ十分に乾燥したとしても、海水や河川の水などに含まれる導電性の汚損物が付着し、粉塵やダストの堆積と同様にケーブル間の絶縁やケーブル対地間の絶縁が低下するという問題が生じる。
そのため、従来においては、粉塵やダストなどの堆積は、ブラッシングやエアーブローなどの清掃作業により除去する一方、海水や河川の水などによる浸水時には、水または水蒸気による洗浄が行なわれていた。
近年においては、たとえば、特開2003−176500号公報(特許文献1)に開示されるように、より高い洗浄力と乾燥性をもつアルコール水溶液を含む洗浄剤が提案されている。特許文献1に開示される洗浄剤によれば、洗浄された電気機器などにおける腐食の発生を抑制し、また乾燥時間を短縮できる効果がある。
特開2003−176500号公報
上述した電気機器の中には、一般家庭や工場などに電力を供給する送配電設備も含まれ、このような送配電設備に用いられる電気機器に対しては、一刻も早い復旧が求められる。
しかしながら、従来の水または水蒸気による洗浄においては、長い乾燥時間を要するといった問題があった。また、上述の特許文献1に開示される洗浄剤を用いた場合には、たとえ従来に比較して乾燥時間を短縮できるとはいえ、洗浄剤を吹き飛ばすための液切り工程および完全に乾燥するための乾燥工程が必要であり、現地での迅速な復旧を実現するためには不十分であった。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、絶縁物の汚損により絶縁が低下した場合において、迅速に絶縁を回復させる絶縁回復方法を提供することである。
この発明によれば、絶縁物を介して互いに絶縁された複数の通電部を含む電気機器において、絶縁物が汚損された場合の絶縁回復方法である。そして、この発明に係る絶縁回復方法は、絶縁物に付着した汚損物を洗浄剤の吹付けにより洗浄するステップを含み、洗浄剤は、55〜65質量%のイソヘキサンと、5〜10質量%のエタノールと、1〜5質量%のn−ヘキサンと、1〜5質量%のアセトンとを含む。
好ましくは、洗浄するステップは、汚損物を絶縁物から分離させるように、絶縁物をブラッシングするステップを含む。
また、好ましくは、洗浄ステップが完了した後、残留する洗浄剤を拭取るステップをさらに含む。
この発明によれば、洗浄剤が油性汚損物質およびイオン性汚損物質に対する洗浄効果を発揮するとともに、高い乾燥性を有する。よって、絶縁物の汚損により絶縁が低下した場合において、迅速に絶縁を回復させる絶縁回復方法を実現できる。
この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、本発明に係る絶縁回復方法の適用対象の一例である端子台1の外観図である。
図1を参照して、端子台1は、一例として、3相分(a相、b相、c相)のケーブルを接続できるように3対の端子口を備える。そして、端子台1は、それぞれの相に対応する導体板2a,2b,2cと、それぞれ導体板2a,2b,2cに設けられたネジ孔に螺合される締付けネジ4.1a,4.2a、締付けネジ4.1b,4.2b、および締付けネジ4.1c,4.2cとを含む。
たとえば、a相に相当する2つのケーブルを接続する場合には、各々のケーブルの一端に装着された所定の大きさの孔を有する接続端子(図示しない)を、導体板2aと締付けネジ4.1aとの間、ならびに、導体板2aと締付けネジ4.2aとの間に挟んで締付ける。すると、2つのケーブルは、導体板2aを介して電気的に接続される。他の相についても同様である。なお、接続端子は、ケーブルに対する装着方法に応じて、圧着端子や圧縮端子などと称される。
さらに、端子台1は、導体板2a,2b,2cを支持する絶縁架台6と、それぞれ導体板2a,2b,2cの両側に配置される絶縁隔壁8とをさらに備える。この絶縁架台6が導体板2a,2b,2cの相互間における絶縁を実現するとともに、絶縁隔壁8が粉塵やダストの蓄積による絶縁の低下や短絡を防止する。
図1に示すように、一般的な端子台においては、複数対の端子口が連続的に連結配置されて構成されるので、絶縁隔壁8で互いに仕切られていても、その絶対的な距離間隔は短い。そのため、海水や河川の水などによる浸水によって、導体板および絶縁隔壁の表面に導電性の汚損物が付着すると、その表面を漏れ電流が流れるようになる。
そこで、本発明に係る絶縁回復方法においては、洗浄効果および乾燥性の高い洗浄剤を端子台1に吹付けて、導体板2a,2b,2c、絶縁架台6および絶縁隔壁8の表面に付着した汚損物を洗浄する。
本発明に係る絶縁回復方法において用いる洗浄剤は、55〜65質量%のイソヘキサンと、5〜10質量%のエタノールと、1〜5質量%のn−ヘキサンと、1〜5質量%のアセトンとを含む。さらに、残余成分には、噴射剤として、液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)、ブタン、二酸化炭素などを含む。
この洗浄剤においては、主としてイソヘキサンが油性汚損物質に対する洗浄効果を発揮するとともに、主としてエタノールがイオン性汚損物質に対する洗浄効果を発揮する。なお、アセトンは、主としてイソヘキサンとエタノールとを乳化させる。
図2は、本発明に係る絶縁回復方法の処理フローを示す図である。
図3は、本発明に係る絶縁回復方法の処理の概要を示す図である。
図2および図3を参照して、作業者は、端子台1などの被処理物に対して、洗浄剤を吹付ける(ステップST1)。なお、洗浄剤は、噴射剤を含んでスプレー缶30などに充填されることが望ましく、その吹付圧を高めることにより、汚損物をより効果的に分離させて洗浄できる。同時に、作業者は、付着した汚損物を分離させるように、表面をブラッシングする(ステップST2)。すなわち、作業者は、絶縁架台6、絶縁隔壁8、締付けネジ4.1a,4.2a,4.1b,4.2b,4.1c,4.2cの周囲などをブラシ32によりブラッシングして、表面に付着している汚損物の分離を促進させる。
その後、所定の時間に亘る洗浄剤の吹付けが完了すると、作業者は、残留する洗浄剤を拭取る(ステップST3)。残留する洗浄剤には、絶縁物から分離された汚損物が含有されており、ウェス34などで拭取ることにより、汚損物の除去がより有効に行なえ、さらに効果的な絶縁回復を実現できる。
上述のような処理フローに従い、被処理物である端子台1の絶縁を回復させることができる。
なお、洗浄剤の吹付けにあたっては、吹付け後の洗浄剤が流れ落ちるように、被処理物における被吹付面を傾斜させることで、残留する洗浄剤を少なくでき、より効果的である。
以下、本発明に係る洗浄剤の効果について検証した結果を説明する。
図4は、本発明に係る洗浄剤の効果を検証するための検証装置10の概略構成図である。
図4を参照して、検証装置10を用いて、本発明に係る絶縁回復方法による絶縁回復効果と、従来の水洗浄による絶縁回復方法による絶縁回復効果の検証実験を行なった。検証装置10は、互いに同一の模擬電気回路12.1および12.2からなる。模擬電気回路12.1,12.2は、それぞれ被処理端子台16.1,16.2と、測定用端子台18.1,18.2と、ケーブル14.1,14.2と、支持レール15および17と、短絡ケーブル19とからなる。
被処理端子台16.1,16.2は、支持レール15に担持されて、検証装置10の下部に配置され、海水で満たされた水槽22に所定の時間だけ浸漬された後、それぞれの絶縁回復処理が行なわれる端子台である。一方、それぞれケーブル14.1,14.2を介して接続された測定用端子台18.1,18.2は、被処理端子台16.1,16.2における抵抗値を測定するための端子台である。すなわち、被処理端子台16.1,16.2における抵抗値は、それぞれ測定用端子台18.1,18.2と接続される絶縁抵抗計20を用いて測定される。また、測定用端子台18.1,18.2は、支持レール17に担持されて、検証装置10の上部に配置される。
支持レール15および17は、導電性を有する材質で形成されており、互いに短絡ケーブル19を介して電気的に接続される。さらに、短絡ケーブル19は、接地電位GNDと電気的に接続されるので、支持レール15および17の電位は、接地電位GNDとみなすことができる。
絶縁抵抗計20は、メガーとも称され、対地と端子との間または端子間に所定の直流電圧を印加し、その際に生じる電流値から絶縁抵抗値を算出する装置である。具体的には、対地間抵抗値を測定する場合には、絶縁抵抗計20の測定用ケーブルの一方を対象とする端子と圧接し、他方の測定用ケーブルを支持レール17と圧接した後に直流電圧を印加する。また、相間抵抗値を測定する場合には、絶縁抵抗計20のそれぞれの測定用ケーブルを対象となる各端子と圧接した後に直流電圧を印加する。なお、この発明の実施の形態においては、対地間または端子間に印加する直流電圧は500Vとした。
検証方法としては、検証装置10を下降させて、その下部に配置された水槽22内に被処理端子台16.1および16.2を所定の時間だけ浸漬させる。検証装置10全体を下降させることで、被処理端子台16.1および16.2の浸漬時間、すなわち汚損条件を同一にできる。所定の時間の浸漬後、被処理端子台16.1および16.2に対して、それぞれ、本発明に係る絶縁回復方法と従来の絶縁回復方法とを実行する。なお、浸漬時間については、1時間および5分の2通りとした。
図5は、浸漬時間を1時間とした場合の処理後の絶縁回復特性を示す図である。
図5(a)は、対地間抵抗値(各相の端子と対地との間の抵抗値の平均)である。
図5(b)は、相間抵抗値(a−b相間、b−c相間、c−a相間における抵抗値の平均)である。
図5(a)を参照して、本発明に係る絶縁回復方法に従い処理した被処理端子台16.1は、処理後1時間において、抵抗値は約500MΩまで回復しており、その後も高抵抗値を維持する。約500MΩまで回復すれば、通電(たとえば440V)は可能であり、十分な絶縁回復が行なわれたと判断できる。
一方、従来の絶縁回復方法に従い処理した被処理端子台16.2は、処理後3.5時間においても抵抗値が1MΩ未満であり、通電は不可能である。すなわち、絶縁回復が行なわれていないと判断できる。そして、被処理端子台16.2は、処理後7.5時間後において、その抵抗値が100MΩを超えることができた。
上述のように、抵抗値が100MΩを超過する時間を基準とすると、本発明に係る絶縁回復方法は、従来の絶縁回復方法に比較して、7.5倍以上の早さで絶縁回復を実現できる。
図5(b)を参照して、図5(a)と同様に、本発明に係る絶縁回復方法に従い処理した被処理端子台16.1は、処理後1時間において、抵抗値は約500MΩまで回復しており、その後も高抵抗値を維持する。したがって、処理後1時間で十分な絶縁回復が行なわれたと判断できる。
一方、図5(a)と同様に、従来の絶縁回復方法に従い処理した被処理端子台16.2は、処理後3.5時間においても抵抗値が1MΩ未満である。そして、被処理端子台16.2は、処理後7.5時間後において、その抵抗値が100MΩを超えることができた。
図5(a)と同様に、抵抗値が100MΩを超過する時間を基準とすると、本発明に係る絶縁回復方法は、従来の絶縁回復方法に比較して、7.5倍以上の早さで絶縁回復を実現できる。
図6は、浸漬時間を5分とした場合の処理後の絶縁回復特性を示す図である。
図6(a)は、対地間抵抗値(各相の端子と対地との間の抵抗値の平均)である。
図6(b)は、相間抵抗値(a−b相間、b−c相間、c−a相間における抵抗値の平均)である。
図6(a)を参照して、本発明に係る絶縁回復方法に従い処理した被処理端子台16.1は、処理後1時間において、抵抗値が約500MΩまで回復しており、十分な絶縁回復が行なわれたと判断できる。そして、処理後3.5時間において、その抵抗値は、絶縁抵抗計20で測定できる最大値である1000MΩまで回復している。
一方、従来の絶縁回復方法に従い処理した被処理端子台16.2は、処理後2.5時間においても抵抗値が100MΩ未満である。そして、被処理端子台16.2は、処理後3.5時間後において、その抵抗値が100MΩを超えることができた。
上述のように、抵抗値が100MΩを超過する時間を基準とすると、本発明に係る絶縁回復方法は、従来の絶縁回復方法に比較して、3.5倍以上の早さで絶縁回復を実現できる。
図6(b)を参照して、本発明に係る絶縁回復方法に従い処理した被処理端子台16.1は、処理後1時間において、抵抗値が約1000MΩまで回復しており、その後もその値を維持する。したがって、処理後1時間で十分な絶縁回復が行なわれたと判断できる。
一方、図6(a)と同様に、従来の絶縁回復方法に従い処理した被処理端子台16.2は、処理後2.5時間においても抵抗値が100MΩ未満である。そして、被処理端子台16.2は、処理後3.5時間後において、その抵抗値が100MΩを超えることができた。
図6(a)と同様に、抵抗値が100MΩを超過する時間を基準とすると、本発明に係る絶縁回復方法は、従来の絶縁回復方法に比較して、3.5倍以上の早さで絶縁回復を実現できる。
以上のように、本発明に係る絶縁回復方法は、海水に浸漬された時間に関わらず、1時間以内で十分な絶縁を回復することができる。また、その回復時間は、従来の水洗浄による絶縁回復処理に比較して、大幅に短縮できる。
次に、絶縁回復処理後における湿度による絶縁特性の変化について比較検討を行なった。一般的に、絶縁物の表面に付着した汚損物が湿度により吸湿すると、漏れ電流が増加して絶縁特性が劣化する。すなわち、抵抗値が湿度の影響を受けて変動する場合には、汚損物を十分に洗浄できていないことを意味する。
図7は、浸漬時間を1時間とした場合の処理後における湿度と対地間抵抗値との関係を示す図である。また、図8は、浸漬時間を1時間とした場合の処理後における湿度と相間抵抗値との関係を示す図である。
図7(a)および図8(a)は、本発明に係る絶縁回復方法による場合である。
図7(b)および図8(b)は、従来の絶縁回復方法による場合である。
図7(a)および図8(a)を参照して、本発明に係る絶縁回復方法によれば、中湿度(約40%〜約70%)においては、その抵抗値は約1000MΩを維持する。また、高湿度化(約70%以上)した場合においても、その抵抗値は約数10MΩまで低下するが、実用上において許容される範囲であり、必要な洗浄効果が得られているといえる。
一方、図7(b)および図8(b)を参照して、従来の絶縁回復方法によれば、中湿度(約40%〜約70%)においては、その抵抗値は約1000MΩを維持するものの、高湿度化(約70%以上)した場合においては、その抵抗値は1MΩ未満まで低下しているのがわかる。すなわち、従来の絶縁回復方法によれば、残存する汚損物の量が多く、吸湿領域が生じていると判断できる。したがって、従来の絶縁回復方法によれば、必要な洗浄効果が得られておらず、十分な絶縁回復が行なわれていないと判断できる。
図9は、浸漬時間を5分とした場合の処理後における湿度と対地間抵抗値との関係を示す図である。また、図10は、浸漬時間を5分とした場合の処理後における湿度と相間抵抗値との関係を示す図である。
図9(a)および図10(a)は、本発明に係る絶縁回復方法による場合である。
図9(b)および図10(b)は、従来の絶縁回復方法による場合である。
図9(a)および図10(a)を参照して、本発明に係る絶縁回復方法によれば、上述した図7(a)および図8(a)と同様に、中湿度(約40%〜約70%)においては、その抵抗値は約1000MΩを維持する。また、高湿度化(約70%以上)した場合においても、その抵抗値は約10MΩまで低下するが、実用上において許容される範囲であり、必要な洗浄効果が得られているといえる。
一方、図9(b)および図10(b)を参照して、従来の絶縁回復方法によれば、中湿度(約40%〜約70%)においては、その抵抗値は約1000MΩを維持するものの、高湿度化(約70%以上)した場合においては、その抵抗値は1MΩ未満まで低下しているのがわかる。したがって、従来の絶縁回復方法によれば、必要な洗浄効果が得られておらず、十分な絶縁回復が行なわれていないと判断できる。
以上のように、本発明に係る絶縁回復方法は、処理後における湿度の影響を受けにくく、回復させた絶縁特性を維持することができる。すなわち、汚損物の吸湿による絶縁特性の低下が生じていないことから、汚損物を十分洗浄して、絶縁を回復させていると判断できる。
なお、上述した説明においては、絶縁回復の被処理物を端子台とした場合について説明したが、他の電気機器およびその部品についても適用できることは言うまでもない。
この発明の実施の形態によれば、従来の絶縁回復方法に比較して、格段に迅速な絶縁回復を実現できるとともに、その高い洗浄効果により残留する汚損物を抑制できるため、処理後における汚損物の吸湿に伴う再度の絶縁低下を生じることがない。よって、絶縁物の汚損により絶縁が低下した場合において、迅速に絶縁を回復させる絶縁回復方法を実現できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明に係る絶縁回復方法の適用対象の一例である端子台の外観図である。 本発明に係る絶縁回復方法の処理フローを示す図である。 本発明に係る絶縁回復方法の処理の概要を示す図である。 本発明に係る洗浄剤の効果を検証するための検証装置の概略構成図である。 浸漬時間を1時間とした場合の処理後の絶縁回復特性を示す図である。 浸漬時間を5分とした場合の処理後の絶縁回復特性を示す図である。 浸漬時間を1時間とした場合の処理後における湿度と対地間抵抗値との関係を示す図である。 浸漬時間を1時間とした場合の処理後における湿度と相間抵抗値との関係を示す図である。 浸漬時間を5分とした場合の処理後における湿度と対地間抵抗値との関係を示す図である。 浸漬時間を5分とした場合の処理後における湿度と相間抵抗値との関係を示す図である。
符号の説明
1 端子台、2a,2b,2c 導体板、4.1a,4.2a,4.1b,4.2b,4.1c,4.2c 締付けネジ、6 絶縁架台、8 絶縁隔壁、10 検証装置、12.1,12.2 模擬電気回路、14.1,14.2 ケーブル、15,17 支持レール、16.1,16.2 被処理端子台、18.1,18.2 測定用端子台、19 短絡ケーブル、20 絶縁抵抗計、22 水槽、30 スプレー缶、32 ブラシ、34 ウェス、GND 接地電位。

Claims (3)

  1. 絶縁物を介して互いに絶縁された複数の通電部を含む電気機器において、前記絶縁物が汚損された場合の絶縁回復方法であって、
    前記絶縁物に付着した汚損物を洗浄剤の吹付けにより洗浄するステップを含み、
    前記洗浄剤は、
    55〜65質量%のイソヘキサンと、
    5〜10質量%のエタノールと、
    1〜5質量%のn−ヘキサンと、
    1〜5質量%のアセトンとを含む、絶縁回復方法。
  2. 前記洗浄するステップは、前記汚損物を前記絶縁物から分離させるように、前記絶縁物をブラッシングするステップを含む、請求項1に記載の絶縁回復方法。
  3. 前記洗浄ステップが完了した後、残留する前記洗浄剤を拭取るステップをさらに含む、請求項1または2に記載の絶縁回復方法。
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