JPH10168273A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents

難燃性樹脂組成物

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JPH10168273A
JPH10168273A JP33373596A JP33373596A JPH10168273A JP H10168273 A JPH10168273 A JP H10168273A JP 33373596 A JP33373596 A JP 33373596A JP 33373596 A JP33373596 A JP 33373596A JP H10168273 A JPH10168273 A JP H10168273A
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compound
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JP33373596A
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English (en)
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Mitsuteru Rokuta
充輝 六田
Keiichi Nakachi
敬一 中地
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金型汚染等の問題のない縮合リン化合物を用
い、かつ、高い衝撃強度を維持した、新しい、ポリスチ
レン系樹脂とポリカーボネート系樹脂よりなる難燃性樹
脂組成物を得る。 【解決手段】 (A)ポリスチレン系樹脂、(B)ポリ
カーボネート系樹脂及び(C)レゾルシン構造及び 2,6
−ジアルキルフェニレンエーテル構造を有する縮合リン
化合物からなる樹脂組成物であって、(C)縮合リン化
合物中においてリンの含有量が9wt%以上である難燃性
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(A)ポリスチレ
ン系樹脂、(B)ポリカーボネート系樹脂、(C)レゾ
ルシン構造及び 2,6−ジアルキルフェニレンエーテル構
造を有する縮合リン化合物からなる樹脂組成物、又はこ
れにさらに(D)エポキシ変性ブロック共重合体及び/
又は(E)ポリフェニレンエーテル系樹脂を加えた樹脂
組成物であり、有害なハロゲン系化合物を含まず、高度
な難燃性能を有し、かつ、高い衝撃強度を有する、新規
な難燃性樹脂組成物である。
【0002】
【従来の技術】従来からポリスチレン系樹脂とポリカー
ボネート系樹脂とからなる樹脂組成物については様々な
検討がなされてきたが、その実際の主たる用途は電気製
品関連のものであり、電気取締法により難燃性の付与が
必要であった。このためハロゲン系化合物と三酸化アン
チモンとを組み合わせた難燃剤又は更にリン系化合物を
組み合わせた難燃剤の添加が検討されてきた。しかし、
ハロゲン系化合物の使用は、揮発性ハロゲン化合物の発
生による成形金型の汚染や、燃焼時に強力な毒性を有す
るダイオキシンの発生など数多くの問題があり、近年の
環境問題への関心もあいまって、これらハロゲン化合物
を使用しない難燃性樹脂の開発が待たれていた。
【0003】こうした技術的流れから、ハロゲン系化合
物のかわりにリン化合物を用いて樹脂に難燃性を付与す
る試みがなされるようになった。主なものにトリフェニ
ルフォスフェート(TPP)等の芳香族リン酸エステ
ル、又は縮合により高分子量化したリン系オリゴマー等
を挙げることができるが、前者のようなモノマー状のも
のは一般に揮発しやすく、射出成形時に金型を汚染して
しまうという問題点があり、一方で後者のようなオリゴ
マー状のものは樹脂に添加すると著しくその衝撃強度を
低下させてしまうという問題点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、かか
る問題を克服し、金型汚染等の問題のない縮合リン化合
物を用い、かつ、高い衝撃強度を維持した、新しい、ポ
リスチレン系樹脂とポリカーボネート系樹脂よりなる難
燃性樹脂組成物を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らがかかる課題
について鋭意検討した結果、驚くべきことに、ポリスチ
レン系樹脂とポリカーボネート系樹脂とからなる樹脂組
成物に、さらに特定構造を有する縮合リン化合物を添加
することで金型汚染のない難燃性樹脂組成物を得られ、
さらにエポキシ変性ブロック共重合体及び/又はポリフ
ェニレンエーテル系樹脂を添加することによって、高い
衝撃強度を有した、ノンハロゲン系の難燃性樹脂組成物
が得られることを見出した。
【0006】すなわち、本発明は、(A)ポリスチレン
系樹脂、(B)ポリカーボネート系樹脂及び(C)レゾ
ルシン構造及び 2,6−ジアルキルフェニレンエーテル構
造を有する縮合リン化合物(好ましくは下記の一般式
(1)で表される縮合リン化合物)からなる樹脂組成物
であって、(C)縮合リン化合物中においてリンの含有
量が9重量%以上である難燃性樹脂組成物に関する。
【0007】
【化2】
【0008】また、本発明は、さらに、(A)成分と
(B)成分との合計 100重量部に対して、(D)ビニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(a)と、共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(b)とか
らなるブロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和炭
素の二重結合をエポキシ化したエポキシ変性ブロック共
重合体(好ましくはスチレン−ブタジエン−スチレント
リブロック共重合体のブタジエン部をエポキシ化したも
の)を1〜5重量部、及び/又は(E)ポリフェニレン
エーテル系樹脂1〜20重量部を添加してなる上記の難燃
性樹脂組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いられる(A)ポリスチレン系樹脂は、スチ
レン又はその誘導体の重合物の他、他の化合物との共重
合体を含むものである。例えば、ポリスチレン、スチレ
ンとブタジエンとのランダム、グラフト又はブロック共
重合体、スチレンとアクリロニトリルとの共重合体、α
−メチルスチレンの重合体、ビニルベンジルアルコール
の重合体等を挙げることができ、これらの単独の化合物
でも複数の組成物でもどちらでも構わない。尚、(A)
ポリスチレン系樹脂の重量平均分子量は 150,000〜300,
000 が好ましい。
【0010】本発明で用いられる(B)ポリカーボネー
ト系樹脂は、カーボネート結合を有するポリマーであ
り、その製造方法や末端基、分子量等には特に制限はな
い。代表的なものとして、ビスフェノールAを基本骨格
に持つ芳香族ポリカーボネートを挙げることができる。
【0011】本発明で用いられる(C)レゾルシン構造
及び 2,6−ジアルキルフェニレンエーテル構造を有する
縮合リン化合物は、一分子中のリン含有量が9重量%以
上のものであり、且つ上記(A)成分と(B)成分の溶
融混練の際に分解しないものでなければならない。これ
らの中でも下記の一般式(1)で表される芳香族リン化
合物が好ましく、特に下記の一般式(1)においてR1
R8が全てメチル基であるものが好ましい。
【0012】
【化3】
【0013】本発明で用いられる(D)ビニル芳香族化
合物を主体とする重合体ブロック(a)と、共役ジエン
化合物を主体とする重合体ブロック(b)とからなるブ
ロック共重合体の共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重
結合をエポキシ化したエポキシ変性ブロック共重合体
は、かかる構造を有するものであれば特に制限はなく、
また、ブロック共重合体のブロックの構造はジブロック
でもトリブロックでも、又はそれ以上のセグメントから
なるブロック体でも構わない。これらの中でも、スチレ
ン−ブタジエン−スチレンのトリブロック共重合体をエ
ポキシ化したものが好ましく、特にスチレンセグメント
とブタジエンセグメントの重量比がスチレン:ブタジエ
ン=約40:60のもののブタジエンセグメントの二重結合
をエポキシ化したもので、 180℃における溶融粘度が30
00〜5000poise であるものが好ましく用いられる。
【0014】また、エポキシ化の方法は、ブロック共重
合体を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、過酸
類等のエポキシ化剤と反応させることより得られる。エ
ポキシ化に際して使用するエポキシ化剤の量には厳密な
制限がなく、エポキシ化剤の種類、所望されるエポキシ
化度、使用する個々のブロック共重合体によって適宜選
択することができるが、最終的に得られるエポキシ変性
ブロック共重合体(D)のエポキシ当量が 140〜2700で
あるようにエポキシ化剤の量を選択するのが好ましい。
エポキシ当量は、より好ましくは 200〜2000である。こ
こで、エポキシ当量は、式:エポキシ当量=1600/{エ
ポキシ変性ブロック共重合体中のオキシラン酸素濃度
(重量%)}で算出され、オキシラン酸素1モル当たり
のエポキシ変性ブロック共重合体の重量を示す。尚、オ
キシラン酸素濃度は、臭化水素の酢酸溶液を用いて滴定
して求める。エポキシ当量が大きいとオキシラン酸素濃
度が低くなり、逆にエポキシ当量が小さいとオキシラン
酸素濃度が高くなる。エポキシ当量が 140より小さい
と、重合体の弾性的な性質が発現しにくくなり好ましく
なく、また2700より大きいとエポキシ化したことによる
特異的な物性が発現しにくくなり好ましくない。
【0015】本発明で用いられる(E)ポリフェニレン
エーテル系樹脂は、下記の一般式(2)で表される結合
単位からなる単独重合体及び/又は共重合体である。
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R1〜R4は、水素、炭化水素、又は
置換炭化水素基であり、互いに同一でも異なっていても
良く、nは1以上の整数を表す)。
【0018】(E)ポリフェニレンエーテル系樹脂の具
体的な例としては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4 −フェニ
レンエーテル)、ポリ(2,6−ジエチル−1,4 −フェニレ
ンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4 −
フェニレンエーテル)、 2,6−ジメチルフェノールと
2,3,6−トリメチルフェノールとの共重合体等を挙げる
ことができ、これらの中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)が好ましい。また、(E)ポリ
フェニレンエーテル系樹脂の還元粘度(ηSP)は0.3〜
0.7 dl/gが好ましい。
【0019】上記(A)〜(E)成分の配合比について
以下に述べる。 (A)ポリスチレン系樹脂は(B)ポリカーボネート系
樹脂と比べると流動性に優れ、一方、(B)ポリカーボ
ネート系樹脂は(A)ポリスチレン系樹脂に比べ高い難
燃性と耐熱性、耐衝撃性に優れる。従って、これら
(A)成分と(B)成分を配合することによってそれぞ
れの欠点をそれぞれの長所で補い、バランスのとれた材
料を得ることができる。よって、その配合比は目的によ
って異なり、特に制限はないが、それぞれの特徴を発現
させるという意味においては概ね(A)ポリスチレン系
樹脂と(B)ポリカーボネート系樹脂との配合比は
(A)/(B)=15/85〜80/20の範囲内であることが
好ましく、特に高度な難燃性能を要求される場合は
(A)/(B)=50/50〜15/85の範囲であることが好
ましい。
【0020】(C)レゾルシン構造及び 2,6−ジアルキ
ルフェニレンエーテル構造を有する縮合リン化合物は、
上記(A)成分と(B)成分からなる組成物に難燃性を
付与するものであり、その配合量は(A)成分と(B)
成分の配合比、又は目的とする難燃性のレベルによって
異なるが、例えばUL-94 の規格において1/16インチ厚
みでV−0相当の難燃性のレベルを目標とする場合、
(A)成分と(B)成分との合計 100重量部に対し10〜
50重量部を添加する。
【0021】(D)エポキシ変性ブロック共重合体及び
(E)ポリフェニレンエーテル系樹脂は上記(A)〜
(C)成分よりなる組成物の衝撃強度をはじめとする諸
物性の改善の目的で配合されるものである。これらは単
独で配合してもよいし、又は併用して用いても構わな
い。
【0022】(D)成分は、上記(A)成分と(B)成
分の合計 100重量部に対して1〜5重量部、好ましくは
3〜5重量部配合する。5重量部を超えると組成物全体
が燃焼しやすくなり、(B)成分及び(C)成分の配合
による難燃効果が充分に発揮されなくなる。逆に1重量
部より少ないと添加効果が小さく、衝撃強度の改善の程
度が現実的なものではなくなってしまう。尚、(D)成
分はその極性ならびに界面張力により(A)〜(C)成
分からなる組成物のモルフォロジーを改善することで諸
物性を改善させる効果を発現するものであるので、最適
配合量は、(D)成分自身のエポキシ化度、(A)成分
と(B)成分の比率によっていくらか異なる。
【0023】(E)成分の配合量は、(A)成分と
(B)成分の合計 100重量部に対し1〜20重量部、好ま
しくは(A)ポリスチレン系樹脂に対して約20重量%程
度の添加が好ましい。本発明の組成物は、(E)成分の
添加により耐熱性、難燃性、面衝撃強度等の物性が改善
されるが、上記組成量を超えて添加する場合、前述した
ような(A)ポリスチレン系樹脂の良好な流動性が損な
われてしまい、組成物全体としての意義が薄らいでしま
う。
【0024】さらに、本発明の組成物には、その目的に
応じ、他の熱可塑性樹脂を補助的に少量添加することも
可能である。ここで用いられる熱可塑性樹脂としては、
高温において安定な熱可塑性樹脂であれば、いずれのも
のでもよい。
【0025】また、本発明の組成物には、一般に熱可塑
性樹脂に添加される公知の物質、すなわち熱硬化性樹
脂、熱や光に対する安定剤、滴下防止剤、滑剤、ガラス
繊維に代表される無機充填剤、カーボン繊維に代表され
る有機充填剤、染料や顔料等を添加して用いても構わな
い。これらの添加量としては、例えば、リン系安定剤や
ヒンダードフェノール系安定剤の場合は、 (A)〜(C) 成
分の合計 100重量部に対しそれぞれ0.01〜1.0 重量部が
好ましく、通常 0.1〜0.5 重量部添加される。また、滴
下防止剤であるポリテトラフルオロエチレンの場合も、
(A)〜(C) 成分の合計 100重量部に対し0.01〜1.0 重量
部が好ましく、通常 0.1〜0.5 重量部添加される。
【0026】本発明の組成物を得る方法としては、溶媒
キャスト法、溶融混練法など様々な方法を採ることがで
きるが、特に工業的製造という面では溶融混練法が優れ
ている。溶融混練法の具体例としては、押出機による溶
融押出しなどを挙げることができる。この際、上記成分
を全て同時に溶融押出ししても構わないし、又は、樹脂
成分を溶融押出しした後に、再度ポリマー添加剤を溶融
押出しする逐次的な方法や複数ゾーンからなる押出機で
前段で樹脂成分を溶融し、後段でポリマー添加剤を溶融
押出しする方法でも構わない。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。尚、実施例、比較例における測定は、以下の方
法又は測定機を用いて行った。
【0028】(1) 面衝撃強度 デュポン衝撃強度測定器を用い、室温23℃、湿度60%
で、(a) 50gの重りを30cmの高さから落下、 (b) 500g
の重りを50cmの高さから落下、(c) 1kgの重りを40cmの
高さから落下、という条件で、射出成形によって得られ
た平板状の成形物の変形、割れについて評価した。成形
物の厚みについては、1mmについては(a)のみ、2mmと
3mmの厚みのものについては (b)と(c) の条件について
評価を行った。面衝撃強度の評価は、×:破壊、○:破
壊せず、とした。
【0029】(2) 難燃性 UL-94 に準拠した垂直燃焼試験により評価した。試験
片は射出成形により1/16インチ厚みに成形されたものを
用いた。表1中のUL-94 燃焼試験の結果の記述は、1
回目の接炎の結果を左に、2回目の接炎の結果を右に記
し、それらを/で区切って表記している。例えば、2/
3であれば、1回目の接炎における燃焼時間が2秒、2
回目の接炎時間が3秒、という意味になる。
【0030】(3) 金型汚染性 東芝機械株式会社IS1000Eを用い、設定温度 250℃、
金型温度60℃の条件で射出成形を1000ショット行った後
の金型の汚れを目視で観察した。
【0031】次に、実施例、比較例で用いた原料につい
て以下に示す。(原料A-1) ハイインパクトポリスチレ
ン(ダイセル化学工業(株)製ダイセルスチロールR-8
1 、以下R-81 と略す)。ゴム量約 6.5重量%、重量平
均分子量約220,000 。
【0032】(原料B-1) ポリカーボネート(三菱エン
ジニアリングプラスチックス(株)製E-2000 、以下E
-2000 と略す)。分子量約30,000。
【0033】(原料B-2) ポリカーボネート(三菱エン
ジニアリングプラスチックス(株)製E-1000 、以下E
-1000 と略す)。分子量約32,000。
【0034】(原料C-1) レゾルシン構造及び 2,6−ジ
アルキルフェニレンエーテル構造を有する縮合リン化合
物(大八化学工業所(株)製PX-200、以下PX-200と
略す) 化学構造は以下の通りである。
【0035】
【化5】
【0036】(原料C-2) トリフェニルフォスフェート
(大八化学工業所(株)製、以下TPPと略す)。
【0037】(原料C-3) 芳香族縮合リン酸エステル
(大八化学工業所(株)製、CR 733S、以下TPP-2
と略す) GPC分析によると、これはTPPダイマーとTPPオ
リゴマーからなり、重量比でTPPダイマー/TPPオ
リゴマー=65/35であった。
【0038】(原料D-1) エポキシ化SBS(ダイセル
化学工業(株)製エポフレンドAT-000、以下AT-000
と略す) SBSのスチレンセグメントとブタジエンセグメントの
重量比は、スチレン/ブタジエン=40/60、エポキシ当
量= 480〜540g/eq。 180℃における溶融粘度4170pois
e 。
【0039】(原料E-1) ポリフェニレンエーテル(合
成品、以下PPEと略す) 合成方法は以下の通りである。酸素吹き込み口を反応機
底部に有し、内部に冷却用コイル、攪拌羽根を有するス
テンレス製反応器の内部を窒素で充分置換した後、臭化
第2銅27.5g、ジ−n−ブチルアミン 555g、及びトル
エン10リットル、n−ブタノール8リットル、メタノー
ル2リットルの混合溶媒に、 2,6−キシレノール 4.4kg
を溶解して反応機に仕込んだ。攪拌しながら反応機内部
に酸素を吹き込み続け、内温を30℃に制御しながら、 1
40分間重合を行った。重合終了後、析出したポリマーを
濾別した。これにメタノール・塩酸混合液を添加し、ポ
リマー中の残存触媒を分解した。さらにメタノールを用
いて充分に洗浄した後乾燥し、粉末状のポリマーとして
ポリフェニレンエーテルを得た。DSCによる熱分析の
結果、Tgは 216℃であった。また、還元粘度ηSP=0.56
dl/gであった。
【0040】(原料F-1) ポリテトラフルオロエチレン
(三井デュポンフルオロケミカル(株)製テフロン6
J、以下PTFEと略す)。
【0041】(原料F-2) 安定剤(旭電化(株)製アデ
カスタブPEP-36 、以下PEP-36と略す) 化学構造は以下の通りである。
【0042】
【化6】
【0043】(原料F-3) 安定剤(旭電化(株)製アデ
カスタブAO-20 、以下AO-20 と略す) 化学構造は以下の通りである。
【0044】
【化7】
【0045】実施例1〜4及び比較例1〜4 上記の原料を表1に示す種々の配合比率で溶融混練によ
り配合した。溶融混練は全て東芝機械株式会社製2軸同
方向押出機TEM35Bにより、樹脂温度 250℃の設定温
度で行なった。また、成形は、全て東芝機械株式会社IS
1000E にて、樹脂温度 250℃、金型温度60℃の設定温度
で射出成形した。得られた成形物について各種の測定試
験を行った結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】電気製品を代表として熱可塑性樹脂及び
熱可塑性樹脂組成物に難燃性が求められることは多い。
また、近年、環境問題への配慮からハロゲン化合物を用
いず難燃性を付与することが求められている。しかし、
一般的に熱可塑性樹脂は燃焼しやすく、実用的な物性を
有したまま、ハロゲン化合物を用いずに高度な難燃性を
付与することは困難であった。また、トリフェニルフォ
スフェートに代表される縮合リン酸エステルの添加は、
それ自身の揮発性から金型の汚染等の問題があった。本
発明ではポリスチレン系樹脂とポリカーボネート系樹脂
とを組み合わせることで、物性のバランスのとれた、難
燃化の容易な樹脂組成物を得、これに特定の構造の有機
リン化合物を配合することで金型汚染のない、高度の難
燃性を有する樹脂組成物を得ることを可能にした。さら
に、エポキシ変性されたスチレン系ブロック共重合体及
び/又はポリフェニレンエーテル系樹脂を配合すること
で、面衝撃強度をはじめとする諸物性の改善を可能にし
た。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリスチレン系樹脂、(B)ポリ
    カーボネート系樹脂及び(C)レゾルシン構造及び 2,6
    −ジアルキルフェニレンエーテル構造を有する縮合リン
    化合物からなる樹脂組成物であって、(C)縮合リン化
    合物中においてリンの含有量が9重量%以上である難燃
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (C)レゾルシン構造及び 2,6−ジアル
    キルフェニレンエーテル構造を有する縮合リン化合物が
    下記の一般式(1)で表される化合物である請求項1記
    載の難燃性樹脂組成物。 【化1】
  3. 【請求項3】 (C)レゾルシン構造及び 2,6−ジアル
    キルフェニレンエーテル構造を有する縮合リン化合物の
    一般式(1)において、R1〜R8がすべてメチル基である
    請求項2記載の難燃性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 さらに、(A)成分と(B)成分との合
    計 100重量部に対して、(D)ビニル芳香族化合物を主
    体とする重合体ブロック(a)と、共役ジエン化合物を
    主体とする重合体ブロック(b)とからなるブロック共
    重合体の共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエ
    ポキシ化したエポキシ変性ブロック共重合体を1〜5重
    量部、及び/又は(E)ポリフェニレンエーテル系樹脂
    1〜20重量部を添加してなる請求項1〜3の何れか1項
    に記載の難燃性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (D)エポキシ変性ブロック共重合体
    が、スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重
    合体のブタジエン部をエポキシ化したものである請求項
    4記載の難燃性樹脂組成物。
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