JPH06184357A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH06184357A
JPH06184357A JP21118393A JP21118393A JPH06184357A JP H06184357 A JPH06184357 A JP H06184357A JP 21118393 A JP21118393 A JP 21118393A JP 21118393 A JP21118393 A JP 21118393A JP H06184357 A JPH06184357 A JP H06184357A
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JP
Japan
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resin
resin composition
component
weight
phosphoric acid
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Withdrawn
Application number
JP21118393A
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English (en)
Inventor
Junko Kakegawa
純子 掛川
Shigeki Takayama
茂樹 高山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂または
ポリカーボネート系樹脂と、特定の末端置換構造を有す
る(B)一般式(I)、 【化1】 (式中、Qはハイドロキノン、レゾルシノール、ビフェ
ニルに対応する2価の残基を表す。Q1、Q2、Q3、
Q4は、独立に炭素数が1から6のアルキル基を表す。
Q3が複数あるときにはそれらは互いに異なっていても
同じでもよい。nは1以上の整数を表し、m1、m2、
m3、m4は、独立に1から3の整数を表す。)で表さ
れるリン酸エステル化合物からなる樹脂組成物。 【効果】 従来の難燃性樹脂組成物に比べ、難燃剤の変
性、揮発、しみ出しがなく、且つ長期の使用、リサイク
ル使用、ひいては過酷な条件下にも初期特性を維持する
優れた難燃性の非ハロゲン熱可塑性樹脂組成物を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂またはポリカーボネート系樹脂に特定のリン酸
エステル化合物を配合することにより得られる、難燃性
に優れた樹脂組成物に関する。本発明で用いられるリン
酸エステル化合物は成形加工時に発煙の原因とならず、
揮発することもなく、また成形品表面へブリードしな
い。この樹脂組成物の成形品は変色、ふくれがなく、吸
水により電気的特性等が悪化することもない。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂は一般に軽く、耐水性、耐薬品
性、電気絶縁性、機械的諸性質が優れ、成形加工が容易
であるため、建築材料、電気機器用材料、自動車用材
料、繊維材料などとして広範囲に使用されている。しか
し、合成樹脂は金属材料及び無機材料に比べて燃焼し易
いという欠点がある。このため合成樹脂を難燃化するた
めの方法が多数提案されている。これら従来の難燃化方
法のうち、ハロゲン化合物、リン化合物、無機水和物等
を合成樹脂に配合する方法が最も広く行われている。特
に有機リン酸エステル化合物、例えばトリフェニルホス
フェート、クレジルジフェニルホスフェート、トリクレ
ジルホスフェート等は工業的に広く用いられている。し
かし、従来使用されているこのような難燃剤は成形加工
の際に発煙の原因となったり、揮発したり、成形品表面
にブリードする等の欠点があった。
【0003】上記の欠点を解決するために難燃剤として
分子量の大きい有機リン酸エステル化合物の実用化が試
みられている。例えば、欧州特許公開公報7460号公
報にはトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスフェート
化合物、欧州特許公開公報129824、12982
5、135726号公報、英国特許公開公報20430
83号公報にはレゾルシノール・ビスジフェニルホスフ
ェート化合物等、米国特許4683255号公報にはト
リビフェニルホスフェート化合物が開示されている。し
かしながら、これらのリン酸エステル化合物は樹脂の難
燃化のために多量に添加されなけるばならない。また、
我々の知見によれば、これらリン酸エステル化合物を用
いることにより難燃化された樹脂組成物は成形時に金型
を腐食させたり、成形加工の際や成形品が長期間使用さ
れている間に難燃剤が変性したり、あるいは成形品が変
色やふくれを起こしたり、吸水等により成形品の電気的
特性、難燃特性が悪化するため、最近の厳しい要求特性
を満足するものではないことが判った。このように、従
来は十分な難燃性と製品としての要求性能を同時に満足
する樹脂組成物を提供することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は難燃剤の変
性、揮発、しみ出し等の問題がなく、且つ長期間の使
用、リサイクル使用、さらに過酷な条件下にも初期特性
を維持する難燃性に優れた非ハロゲン熱可塑性樹脂組成
物を提供する。本発明は、優れた特性の樹脂組成物を提
供するだけでなく、近年環境への影響、安全性の観点か
ら市場要求の高まっているハロゲンを含まない難燃剤に
よる樹脂の難燃化を達成することにより、地球環境問題
の技術的な解決に寄与することができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に至っ
た。すなわち、本発明は(A)ポリフェニレンエーテル
系樹脂またはポリカーボネート系樹脂と(B)一般式
(I)、
【0006】
【化3】
【0007】(式中、Qはハイドロキノン、レゾルシノ
ール、ビフェニルに対応する2価の残基を表す。Q1、
Q2、Q3、Q4は、独立に炭素数が1から6のアルキ
ル基を表す。Q3が複数あるときにはそれらは互いに異
なっていても同じでもよい。nは1以上の整数を表し、
m1、m2、m3、m4は、独立に1から3の整数を表
す。)で、表されるリン酸エステル化合物からなる樹脂
組成物を提供する。
【0008】本発明の(A)成分は、ポリフェニレンエ
ーテル樹脂またはポリカーボネート樹脂あるいはこれら
を主体とする樹脂組成物である。(A)成分として使用
されるポリフェニレンエーテル樹脂とは、一般式(II
I−1)及び/又は(III−2)で表される繰り返し
単位を有する単独重合体あるいは共重合体である。
【0009】
【化4】
【0010】(ここで、R1、R2、R3、R4、R
5、R6は独立に炭素1〜4のアルキル基、アリール
基、水素を表す。但し、R5、R6は同時に水素ではな
い。) ポリフェニレンエーテル樹脂の単独重合体の代表例とし
ては、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)
エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フ
ェニレン)エーテル、ポリ(2,6−ジエチル−1,4
−フェニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−n−
プロピル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2,
6−ジ−n−プロピル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、ポリ(2−メチル−6−n−ブチル−1,4−フェ
ニレン)エーテル、ポリ(2−エチル−6−イソプロピ
ル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル
−6−ヒドロキシエチル−1,4−フェニレン)エーテ
ル、等が挙げられる。
【0011】この中で、ポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレン)エーテルが特に好ましい。ここでポリ
フェニレンエーテル共重合体とは、フェニレンエーテル
構造を主単量単位とする共重合体である。その例として
は、2,6−ジメチルフェノールと2,3,6−トリメ
チルフェノールとの共重合体、2,6−ジメチルフェノ
ールとo−クレゾールとの共重合体あるいは2,6−ジ
メチルフェノールと2,3,6−トリメチルフェノール
及びo−クレゾールとの共重合体等がある。
【0012】(A)成分として使用されるポリカーボネ
ート樹脂とは、一般式(IV)で表される繰り返し単位
を有する重合体である。
【0013】
【化5】
【0014】(ここで、Zは単なる結合を示すかあるい
は炭素数1〜8のアルキレン、炭素数2〜8のアルキリ
デン、炭素数5〜15のシクロアルキレン、SO2 、S
O、O、COまたは式(IV−1)で表される基を表
す。Xは水素、または1〜8個の炭素原子を有するアル
キル基を表す。a及びbは独立に0〜4の整数を示
す。)
【0015】
【化6】
【0016】ポリカーボネート樹脂は、例えば溶剤法、
すなわち塩化メチレン等の溶剤中で公知の酸受容体、分
子量調節剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのよう
なカーボネート前駆体との反応または二価フェノールと
ジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体と
のエステル交換反応によって製造することができる。こ
こで用いることのできる二価フェノールとしては、2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔通称ビ
スフェノールA〕、ハイドロキノン、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ア
ルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エーテル等がある。これらは単独あるいは組
み合わせて用いることができる。この中で、ビスフェノ
ールA、ビスフェノールAと他の二価フェノールの混合
物が好ましく、ビスフェノールAが最も好ましい。ま
た、これら二価フェノールの代わりに、二価フェノール
のホモポリマーまたは2種以上のコポリマーもしくはホ
モポリマーとコポリマーの混合物を用いてもよい。
【0017】また、本発明で用いるポリカーボネート樹
脂は多官能性芳香族化合物を二価フェノール及び、また
はカーボネート前駆体と反応させて得られる熱可塑性ラ
ンダム分岐ポリカーボネートであってもよい。また、
(A)成分としてポリフェニレンエーテル樹脂またはポ
リカーボネート樹脂とポリスチレン系樹脂との組成物を
使用することができる。
【0018】ポリスチレン系樹脂とは、ビニル芳香族重
合体、ゴム変性ビニル芳香族重合体を指す。ビニル芳香
族重合体としては、スチレンのほか、o−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,4
−ジメチルスチレン、エチルスチレン、p−tert−
ブチルスチレンなどの核アルキル置換スチレン、α−メ
チルスチレン、α−メチル−p−メチルスチレンなどの
α−アルキル置換スチレン等の重合体、及びこれら1種
以上と他のビニル化合物の少なくとも1種以上との共重
合体、これら2種以上の共重合体が挙げられる。ビニル
芳香族化合物と共重合可能な化合物としては、メチルメ
タクリレート、エチルメタクリレートなどのメタクリル
酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル
などの不飽和ニトリル化合物類、無水マレイン酸等の酸
無水物などが挙げられる。これらの重合体の中で特に好
ましい重合体は、ポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体(AS樹脂)である。
【0019】また、ゴム変性ビニル芳香族重合体に用い
るゴムとしては、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、ポリイソプレン、ブタジエン−イソプレン
共重合体、天然ゴム、エチレン−プロピレン共重合体な
どを挙げることができる。特に、ポリブタジエン、スチ
レン−ブタジエン共重合体が好ましく、ゴム変性芳香族
重合体としては、ゴム変性ポリスチレン(HIPS)、
ゴム変性スチレン−アクリロニトリル共重合体(ABS
樹脂)が好ましい。
【0020】(A)成分として使用されるポリフェニレ
ンエーテル樹脂またはポリカーボネート樹脂は、ポリス
チレン系樹脂以外の樹脂を混合して用いることもでき
る。混合して用いることのできる樹脂としては、ポリエ
チレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、6
−ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、
12−ナイロンなどのポリアミド樹脂、熱可塑性エラス
トマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテ
レフタレート、アクリル樹脂、フェノール樹脂、フェノ
ールノボラックなどが挙げられるが、これに限定されな
い。
【0021】次に、本発明で用いる(B)成分のリン酸
エステル化合物について説明する。(B)成分として使
用されるリン酸エステル化合物は、一般式(I)、
【0022】
【化7】
【0023】(式中、Qはハイドロキノン、レゾルシノ
ール、ビフェニルに対応する2価の残基を表す。Q1、
Q2、Q3、Q4は、独立に炭素数が1から6のアルキ
ル基を表す。Q3が複数あるときにはそれらは互いに異
なっていても同じでもよい。nは1以上の整数を表し、
m1、m2、m3、m4は、独立に1から3の整数を表
す。)で、表される。
【0024】一般式(I)におけるQ1、Q2、Q3、
Q4のうち少なくとも一つがメチル基であることが好ま
しく、すべてメチル基である場合がさらに好ましい。一
般式(I)におけるnは1以上の整数であってその数に
より耐熱性、加工性が異なってくる。好ましいnの範囲
は1〜10である。また(B)成分はn量体の混合物で
あってもかまわない。
【0025】本発明の(B)成分のリン酸エステル化合
物は、特例の特定の二官能フェノールを結合基とし、ア
ルキル置換単官能フェノールを構造の末端に有す。特定
の二官能フェノールとはハイドロキノン、レゾルシノー
ル、ビフェニルを示す。アルキル置換単官能フェノール
としては、モノアルキルフェノール、ジアルキルフェノ
ール、トリアルキルフェノールを単独あるいは組み合わ
せて使用できる。この中でクレゾール、ジメチルフェノ
ール(混合キシレノール)、トリメチルフェノールが好
ましい。
【0026】(B)成分のリン酸エステル化合物は2つ
以上のリン酸エステルを特定の二官能フェノールで結合
した構造をしているので、揮発性が大幅に抑制されてい
る。しかも本発明の樹脂組成物は従来のポリフェニルホ
スフェートを用いた樹脂組成物において高温高湿条件で
の暴露試験で発生する成形物の変色やふくれ、あるいは
吸水による絶縁破壊を抑制することができる。単官能フ
ェノールとしてモノアルキルフェノールまたはジアルキ
ルフェノール、トリアルキルフェノールを用いることに
より、本発明の樹脂組成物は、無置換の単官能フェノー
ルによる末端構造を有すリン酸エステル化合物を用いた
場合に比較して、熱安定性、耐加水分解性が著しく向上
している。このように本発明の(B)成分は特定の二官
能フェノールを結合基とし、アルキル置換単官能フェノ
ールを構造の末端に有するので、この(B)成分を用い
ることにより、加熱雰囲気下で水分と接触した際にも初
期特性を維持する優れた樹脂組成物を得ることができ
る。
【0027】従来の、有機リン酸エステル化合物例えば
レゾルシノール・ポリフェニルホスフェート、ハイドロ
キノン・ポリフェニルホスフェート等は熱安定性に劣
り、リン酸エステル化合物とポリフェニレンエーテル樹
脂との間で反応が起こりゲル化のような問題を起こすた
め、この従来の有機リン酸エステルを用いた樹脂組成物
を高温でロスなく加工することができなかった。また、
リン酸エステル化合物の分解によって生成するリン酸の
ような酸性成分がポリカーボネート樹脂の分解を促進
し、分子量、物性を低下させるため実用性、長期安定性
に欠けるという問題があった。更には、リン酸エステル
化合物の分解によって生成する酸性成分によって、成形
加工機械の金属部分や、樹脂組成物が使用される際に接
触する製品の金属部分を腐食させるという問題もあっ
た。
【0028】本発明の樹脂組成物は耐加水分解性のみな
らず熱安定性にも優れた、本発明の(B)成分のリン酸
エステル化合物とポリフェニレンエーテル系樹脂または
ポリカーボネート系樹脂を組み合わせて得られる。その
結果、本発明の樹脂組成物は成形加工時の発煙、揮発、
成形品の吸水による電気的特性の悪化等の問題がないば
かりでなく、樹脂組成物の分解性が著しく抑制されたた
めに、成形加工機械の金属部分や成形品が接触する金属
部分を腐食させるという問題も解決している。
【0029】(B)成分のリン酸エステル化合物は、特
定の二官能フェノールとアルキル置換単官能フェノール
をオキシ塩化リンと反応させることにより得ることがで
きるが、この製法になんら制約されることはない。ま
た、本発明では上記(B)成分のリン酸エステル化合物
と併用して、(C)成分一般式(II)、
【0030】
【化8】
【0031】(ここで、Q5、Q6、Q7、Q8、Q
9、Q10は、独立に水素または炭素数1から9のアル
キル基を表す。n1、n2、n3は、0から3の整数を
表し、n1、n2、n3の合計は3である。)で表され
る1種以上のモノリン酸エステル化合物を用いることが
できる。モノリン酸エステル化合物を一種以上併用する
と、各々単独で使用する場合と比較して難燃性を損なう
ことなく、単にモノリン酸エステル化合物を減量する時
よりも、より効果的に成形加工時の発煙、ブリードを低
減することができる。一般的に(B)は室温付近で液状
の物質であるが、(C)成分を併せて用いることで取扱
いが容易となり、より安価な樹脂組成物を得ることがで
きる。(C)成分のモノリン酸エステル化合物として
は、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェ
ート、クレジルジフェニルホスフェート、トリキシレニ
ルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、
トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロ
ピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピル
フェニルフェニルホスフェート、トリ(トリメチルフェ
ニル)ホスフェート、トリ(t−ブチルフェニル)ホス
フェート等が挙げられる。この中でトリフェニルホスフ
ェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニ
ルホスフェートが好ましい。
【0032】本発明の樹脂組成物に用いる(A)成分の
ポリフェニレンエーテル系樹脂またはポリカーボネート
系樹脂と(B)成分のリン酸エステル化合物の配合割合
は発明の効果が十分に発揮できる限り、特に限定される
ものではないが、(B)成分の配合割合が少な過ぎると
難燃性が不十分であり、多すぎると樹脂の耐熱性などが
損なわれる。(A)成分100重量部に対して、好まし
くは(B)成分1〜200重量部、さらに好ましくは1
〜100重量部である。また(B)成分のリン酸エステ
ル化合物と(C)成分のモノリン酸エステル化合物の配
合割合は発明の効果を損なわない範囲で特に制限される
ものではないが、好ましくは(B)成分のリン酸エステ
ル化合物と(C)成分のモノリン酸エステル化合物の合
計に対して、(B)成分のリン酸エステル化合物が10
0〜30重量%、(C)成分のモノリン酸エステル化合
物が0〜70重量%である。
【0033】本発明の組成物は、一般的に知られている
押出機、加熱ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等
の混練機を用いて混練製造することができる。本発明の
樹脂組成物に本発明の効果を損なわない範囲で他の添加
剤、例えば可塑剤、他の難燃剤、酸化防止剤及び紫外線
吸収剤のような安定剤あるいは染顔量を含有させること
ができるのはもちろん、この他にもガラス繊維、炭素繊
維、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、タルク、雲
母、木粉、スレート粉、繊維質アスベスト等の充填剤も
添加することができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、本発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例に用いたリン酸エステル化合物を表1に示した。
【0035】
【実施例1】クロロホルム中30℃で測定した極限粘度
〔η〕が0.52であるポリ(2,6−ジメチル−1,
4−フェニレン)エーテル(以下PPEという。)10
0重量部とリン酸エステルA18重量部とをシリンダー
温度320℃に設定した二軸押出機にて溶融混練しペレ
ットを得た。このペレットを300℃にて射出成形し、
試験片を得た。この試験片を用いて評価を行った。結果
を表2に示した。
【0036】難燃性の評価はUL−94に規定された試
験方法に準じ、8分の1インチ成形片を用いて行い、ラ
ンク付けをした。組成物の加水分解性は高温高湿暴露試
験後の試験片の難燃性及び外観変化によって評価した。
高温高湿暴露試験は試験片を120℃、2気圧飽和水蒸
気下で96時間暴露することにより行った。
【0037】組成物の揮発性の評価は射出成形機のノズ
ル部における発煙量を目視で観察した。
【0038】
【実施例2、比較例1〜4】実施例1におけるリン酸エ
ステルAを表2に示すリン酸エステルに代える以外は実
施例1と同様に行い、試験片を得て、評価を行った。結
果を表2に示す。
【0039】
【実施例3】実施例1で用いたPPEを68重量部と耐
衝撃性ポリスチレン樹脂〔旭化成工業(株)製:旭化成
ポリスチレン492〕24重量部、ポリスチレン樹脂
〔旭化成工業(株)製:旭化成ポリスチレン685〕8
重量部、及びリン酸エステルA14重量部、オクタデシ
ル−3−(3−5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート0.3重量部を混合し、シリン
ダー温度300℃に設定した二軸押出機にて溶融混練し
ペレットを得た。このペレットを280℃にて射出成形
し、試験片を得た。この試験片を用いて評価を行った。
結果を表3に示した。
【0040】高温高湿暴露試験は試験片を120℃、2
気圧飽和水蒸気下で198時間暴露することにより行っ
た。
【0041】
【実施例4】実施例3におけるリン酸エステルAを10
重量部に変え、(C)成分リン酸エステルD4重量部を
加えて、他は実施例3と同様に行い、試験片を得て、評
価を行った。結果を表3に示した。
【0042】
【比較例4〜6】実施例3におけるリン酸エステルAを
表3に示すリン酸エステルに代えるか又は配合しない
で、その他は実施例3と同様に行い、試験片を得て、評
価を行った。結果を表3に示した。
【0043】
【実施例5】 ABS樹脂の製造 平均粒子径0.30μmであるブタジエンラテックス4
50重量部に、脱イオン水100重量部、ロジン酸カリ
ウム1.5重量部を加え、気相部を窒素置換した後、7
0℃に昇温した。
【0044】続いてアクリロニトリル15重量部、スチ
レン40重量部、t−ドデシルメルカプタン0.6重量
部、クメンハイドロパーオキサイド0.1重量部よりな
る単量体混合液と脱イオン水50重量部にナトリウムホ
ルムアルデヒドスルホキシレート0.2重量部、硫酸第
一鉄0.004重量部、エチレンジアミン4酢酸・2N
a塩0.04重量部を溶解させた水溶液を7時間にわた
って添加し、70℃の重合温度で反応を完結させた。
【0045】生成したグラフト共重合体ラテックスを硫
酸で塩析脱水した後、乾燥して粉末状のABS樹脂を得
た。重量平均分子量が25000のポリカーボネート樹
脂50重量部と上記のABS樹脂20重量部と、溶融粘
度(メタ1メチルエチルケトン溶媒を用い10重量%の
ポリマー濃度、25℃での粘度)が9センチポイズ、樹
脂中のアクリロニトリル単位が27重量%、スチレン単
位が73重量%の組成のAS樹脂30重量部、リン酸エ
ステルB15重量部を混合し、シリンダー温度240℃
に設定した二軸押出機にて溶融混練しペレットを得た。
このペレットを250℃にて射出成形し、試験片を得
た。この試験片を用いて難燃性の評価を行った。結果を
表4に示した。
【0046】組成物の加水分解性は熱水浸漬試験後の試
験片の難燃性及び外観変化によって評価した。熱水浸漬
試験は試験片を80℃の温水中に300時間浸漬するこ
とにより行った。
【0047】
【実施例6】実施例5におけるリン酸エステルBを10
重量部に変え、(C)成分リン酸エステルC5重量部を
加え、他は実施例5と同様に行い、試験片を得て、評価
を行った。結果を表4に示した。
【0048】
【比較例7〜9】実施例5におけるリン酸エステルBを
表4に示すリン酸エステルに代えるか又は配合しない
で、その他は実施例5と同様に行い、試験片を得て、評
価を行った。結果を表4に示した。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
【表4】
【0053】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は従来の難燃性樹脂
組成物に比べ成形加工時、使用時に難燃剤の変性、揮
発、しみ出しがなく、成形品の変色、ふくれ、吸水によ
る電気的特性等の悪化のない、長期の使用、リサイクル
使用、ひいては過酷な条件下の使用にも初期の特性を維
持する優れた難燃性の非ハロゲン樹脂組成物を提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 71/12 LQM 9167−4J LQP

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ポリフェニレンエーテル系樹脂ま
    たはポリカーボネート系樹脂および(B)一般式
    (I)、 【化1】 (式中、Qはハイドロキノン、レゾルシノール、ビフェ
    ニルに対応する2価の残基を表す。Q1、Q2、Q3、
    Q4は、独立に炭素数が1から6のアルキル基を表す。
    Q3が複数あるときにはそれらは互いに異なっていても
    同じでもよい。nは1以上の整数を表し、m1、m2、
    m3、m4は、独立に1から3の整数を表す。)で、表
    されるリン酸エステル化合物からなる樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分のポリフェニレンエーテル系
    樹脂がポリフェニレンエーテル樹脂とポリスチレン系樹
    脂よりなる樹脂組成物である請求項1記載の樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 (A)成分のポリカーボネート系樹脂が
    ポリカーボネート樹脂とポリスチレン系樹脂よりなる樹
    脂組成物である請求項1記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分のリン酸エステル化合物にお
    いて、Q1、Q2、Q3、Q4が、メチル基である請求
    項1記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (C)一般式(II)、 【化2】 (式中、Q5、Q6、Q7、Q8、Q9、Q10は、独
    立に水素または炭素数1から9のアルキル基を表す。n
    1、n2、n3は、0から3の整数を表し、n1、n
    2、n3の合計は3である。)で表される1種以上のモ
    ノリン酸エステル化合物を含有する請求項1記載の樹脂
    組成物。
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