JPH10168118A - 環状オレフィン系重合用触媒及びそれを用いた重合体の製造方法 - Google Patents

環状オレフィン系重合用触媒及びそれを用いた重合体の製造方法

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JPH10168118A
JPH10168118A JP33086896A JP33086896A JPH10168118A JP H10168118 A JPH10168118 A JP H10168118A JP 33086896 A JP33086896 A JP 33086896A JP 33086896 A JP33086896 A JP 33086896A JP H10168118 A JPH10168118 A JP H10168118A
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JP
Japan
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cyclic olefin
general formula
transition metal
compound
group
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JP33086896A
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Kenji Takasaki
研二 高崎
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F32/00Homopolymers and copolymers of cyclic compounds having no unsaturated aliphatic radicals in a side chain, and having one or more carbon-to-carbon double bonds in a carbocyclic ring system

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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子量の環状オレフィン系重合体を、高活
性で得ることができる触媒、及び、環状オレフィン系重
合体の製造方法の提供。 【解決手段】 (A)有機遷移金属化合物、及び、
(B)有機アルミニウムオキシ化合物からなる環状オレ
フィン系重合用触媒であって、該(A)有機遷移金属化
合物が下記一般式で表されることを特徴とする前記触
媒。 【化1】M(H2 O)n x y z (I) [ここで、Aは、窒素、酸素、リンからなる群より選ば
れた少なくとも1種を含むキレート性の2座配位子を示
し、Bは、σ結合性の配位子を示し、Cは、ルイス塩基
性の配位子を示す。xは0〜2の整数を、y及びzはそ
れぞれ0〜4の整数を示し、x=2の時はy=z=0、
x=1の時はy+z=2を、x=0の時はy+z=4を
満足する値をとる。nは、1ないし2の整数を、Mは周
期律表VIII族の遷移金属を示す。]及び、この触媒に、
ノルボルネン等の環状オレフィンを接触させて環状オレ
フィン系重合体を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の有機遷移金
属化合物と特定の有機アルミニウムオキシ化合物とを組
み合わせてなる触媒、及びそれを用いて環状オレフィン
を重合させることにより耐熱性に優れた環状オレフィン
重合体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノルボルネンに代表される環状オレフィ
ン類は、各種の重合法によって重合され、付加構造を有
する環状オレフィン系重合体を与えることが知られてい
る。中でも、第IV族遷移金属化合物及びアルミニウムオ
キシ化合物としてアルモキサンからなる触媒系での重合
は、W.Kaminskyらが最初である(Catal
ytic Olefin Polymerizatio
n edited T.Keii and K.Sog
a Kodansha 1990)。しかし、単独重合
系では、満足のいく活性、分子量を得ているとは言い難
い。
【0003】上記問題点に対し、さらなる高分子量化を
目的として、特開平4−63807号公報には、周期律
表第VIII族の遷移金属化合物とメチルアルミノキサンか
らなる触媒を用いた環状オレフィンの重合法が開示され
ているが、活性については、満足のいく値が得られてい
なかった。上記の先行技術は、いずれも高分子量の環状
オレフィンを高活性に得る触媒系とは言い難く、解決す
べき多くの課題を有しているものと思われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、環状オ
レフィンの単独重合体を高活性、高分子量化し得る触媒
系及び方法について検討した結果、新規な触媒系を見い
だし、初期の目的を達成し本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】発明者らは、鋭意研究を
重ねた結果、特定の有機遷移金属化合物と特定の有機ア
ルミニウムオキシ化合物とを組み合わせた触媒系を用い
て、一般式(IV)で表わされる環状オレフィンの重合を
実施した時、高活性、高分子量化が可能であることを見
いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、(A)有機遷移金属化合
物、及び、(B)有機アルミニウムオキシ化合物からな
る環状オレフィン系重合用触媒であって、前記(A)有
機遷移金属化合物が下記一般式(I)で表されることを
特徴とする前記触媒、
【0007】
【化4】M(H2 O)n x y z (I)
【0008】[ここで、Aは、窒素、酸素、リンからな
る群より選ばれた少なくとも1種を含むキレート性の2
座配位子を示し、Bは、σ結合性の配位子を示し、C
は、ルイス塩基性の配位子を示す。xは0〜2の整数
を、y及びzはそれぞれ0〜4の整数を示し、x=2の
時はy=z=0、x=1の時はy+z=2を、x=0の
時はy+z=4を満足する値をとる。nは、1ないし2
の整数を、Mは周期律表VIII族の遷移金属を示す。]、
及び、上記触媒に、下記一般式(IV)で表わされる環状
オレフィンを接触させて環状オレフィン系重合体を製造
することを特徴とする、環状オレフィン系重合体の製造
方法を提供するものである。
【0009】
【化5】
【0010】[式中、R3 〜R14は、それぞれ独立し
て、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基またはハロ
ゲン原子、酸素原子あるいは窒素原子を含む置換基を示
す。R11とR13またはR14とは、またはR12とR13また
はR14とは、互いに連結して環を形成していてもよい。
Kは0または1以上の整数である。]
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の触媒に使用される、
(A)有機遷移金属化合物は、下記一般式(I)で示さ
れる化合物であり、本発明はかかる有機遷移金属化合物
を使用することによって初めて高活性を可能とするもの
である。
【0012】
【化6】M(H2 O)n x y z (I)
【0013】Aは、窒素、酸素、リンからなる群より選
ばれた少なくとも1種を含むキレート性の2座配位子を
示し、例えば2,2’−ビピリジン基、フェナントロリ
ン基、アセチルアセトナート基、置換アセチルアセトナ
ート基、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エチル
基、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロピル基
等を挙げることが出来る。
【0014】Bは、σ結合性の配位子を示し、例えば水
素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、
アルコキシ基、アシル基、炭素数6〜20のアリール
基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜20の
アルコキシカルボニル基が挙げられる。ハロゲン原子と
しては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子
が挙げられ、好ましくは、塩素原子、臭素原子である。
炭素数1〜10のアルキル基、アルコキシ基、アシル
基、炭素数6〜20までのアリール基、炭素数7〜20
のアラルキル基、炭素数1〜20のアルコキシカルボニ
ル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ
基、ブトキシ基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリ
ル基、フェニル基、ベンジル基、メトキシカルボニル
基、エトキシカルボニル基等を挙げることができる。
【0015】Cは、ルイス塩基性の配位子であり、例え
ば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒド
ロフラン等のエーテル類、テトラヒドロチオフェン等の
チオエーテル類、エチルベンゾエート等のエステル類、
アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、トリ
メチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、
ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、等のアミン類、
トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフ
ェニルホスフィン等のホスフィン類が挙げられ、好まし
くは、ホスフィン類である。
【0016】xは0〜2の整数を、y及びzはそれぞれ
0〜4の整数を示し、x=2の時はy=z=0、x=1
の時はy+z=2を満足する値をとり、x=0の時はy
+z=4を満足する値をとる。nは、1ないし2の整数
を示し、好ましくはnは2である。Mは周期律表VIII族
の遷移金属を示し、好ましくはニッケル、パラジウムで
あり、特に好ましくはニッケルである。
【0017】A、B、及びCはそれぞれの種類の中にお
いて、互いに同じであっても異なっていてもよい。上記
本発明の触媒に用いる、有機遷移金属化合物の好適な例
としては、以下の化合物が挙げられる。
【0018】1.x=2、y=z=0を満足する化合物
の内、特に好ましいXとしては、アセチルアセトナー
ト、置換アセチルアセトナートであり、例えば、ニッケ
ルビス(アセチルアセトナート)・ジヒドレート、ニッ
ケルビス(ヘキサフルオロアセチルアセトナート)・ジ
ヒドレート、ニッケルビス(トリフルオロアセチルアセ
トナート)・ジヒドレート、ニッケルビス(ジフェニル
アセチルアセトナート)・ジヒドレート、等が挙げられ
る。
【0019】2.x=1、y+z=2を満足する化合物
では、特に好ましくはx=y=z=1又は、x=1、y
=2の化合物であり、例えば、ニッケル(2,2′−ビ
ピリジル)(ジエチル)・ジヒドレート、ニッケル
(2,2′−ビピリジル)(エチル)(ブロミド)・ジ
ヒドレート、ニッケル(2,2′−ビピリジル)(フェ
ニル)(クロリド)・ジヒドレート、ニッケル(アセチ
ルアセトナート)(メチル)(トリメチルホスフィン)
・ジヒドレート、ニッケル(アセチルアセトナート)
(メチル)(トリフェニルホスフィン)・ジヒドレー
ト、ニッケル(アセチルアセトナート)(エチル)(ト
リフェニルホスフィン)・ジヒドレート、ニッケル(ア
セチルアセトナート)(ベンジル)(トリフェニルホス
フィン)・ジヒドレート、ニッケル(アセチルアセトナ
ート)(フェニル)(トリフェニルホスフィン)・ジヒ
ドレート、ニッケル(アセチルアセトナート)(アセチ
ル)(トリメチルホスフィン)・ジヒドレート、ニッケ
ル(アセチルアセトナート)(アセチル)(トリフェニ
ルホスフィン)・ジヒドレート、ニッケル(アセチルア
セトナート)(プロピオニル)(トリフェニル)・ジヒ
ドレート、ニッケル(アセチルアセトナート)(ベンゾ
イル)(トリエチル)・ジヒドレート、ニッケル(1,
2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン)(ジエチ
ル)・ジヒドレート、ニッケル(1,2−ビス(ジフェ
ニルホスフィノ)エタン)(ジクロリド)・ジヒドレー
ト、ニッケル(1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)
プロパン)(ジクロリド)・ジヒドレート、等が挙げら
れる。
【0020】3.x=0、y+z=4を満足する化合物
の内、好ましくはy=z=2であり、例えば、ニッケル
(ビス(トリフェニルホスフィン))(ジブロミド)・
ジヒドレート、ニッケル(ビス(トリフェニルホスフィ
ン))(ジクロリド)・ジヒドレート、ニッケル(ビス
(トリシクロヘキシルホスフィン))(クロロ)(ヒド
リド)・ジヒドレート、ニッケル(ビス(トリメチルホ
スフィン))(ジメチル)・ジヒドレート、等が挙げら
れる。
【0021】本発明の重合触媒として、有機遷移金属化
合物と組合されて使用される有機アルミニウムオキシ化
合物としては、次の一般式(II)で表される構成単位か
らなる化合物、又は一般式(II)、(III) で表される構
成単位を両方有する化合物が用いられる。好ましくは
、一般式(II)、(III) で表される構成単位を両方有
する化合物である。
【0022】
【化7】
【0023】上記一般式(II)、(III) で示される有機
アルミニウムオキシ化合物中、R2は、炭素数2〜10
の炭化水素残基であり、好ましくは炭素数2〜6の脂肪
族化合物残基、脂環式化合物残基である。具体的には、
エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノル
マルブチル基、セカンダリーブチル基、イソブチル基、
ターシャリ−ブチル基、ノルマルペンチル基、イソペン
チル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、シクロ
ヘキシル基である。
【0024】また、有機アルミニウムオキシ化合物とし
て、一般式(II)、(III) で表される構成単位を両方有
する化合物を用いる場合は、上記式(II)で表わされる
構成単位をa個および上記式(III) で表わされる構成単
位をb個有してなり、そのb/(a+b)の値が0.1
0〜0.70の範囲を満足する値をとるのが好ましい。
b/(a+b)の値がこの範囲より小さいと、充分な活
性が得にくい傾向があり、また大きすぎても、充分な活
性、分子量が得られにくい傾向がある。
【0025】また、a+bは一般的には2〜100、好
ましくは4〜50、さらに好ましくは8〜20である。
それぞれの置換基の定量(aあるいはb値)は、13C−
NMRまたは 1H−NMR測定や、水と反応させて発生
する加水分解生成物をガスクロマトグラフを用いて分析
する方法等により知ることが出来る。有機アルミニウム
オキシ化合物の重合度あるいは分子量は、例えばベンゼ
ンの凝固点降下法により知ることが出来る。
【0026】本発明の触媒に使用する前記した有機アル
ミニウムオキシ化合物は、公知の様々な条件下に調製す
ることが出来る。 (イ)トリメチルアルミニウムと他のトリアルキルアル
ミニウムを混合し、トルエン、ベンゼン、エーテル等の
適当な有機溶剤を用いて直接水と反応させる方法、
(ロ)トリメチルアルミニウムと他のトリアルキルアル
ミニウムを混合し、結晶水を有する塩水和物、例えば硫
酸銅、硫酸アルミニウム水和物、と加熱反応させる方
法、(ハ)シリカゲルなどに水分を含浸させ、トリメチ
ルアルミニウムで処理した後に、他のアルミで追加処理
する方法、もしくはその逆の方法、(ニ)メチルアルミ
ニウムオキシ化合物と他のアルキルアルミニウムオキシ
化合物を公知の方法で合成し、これら2成分を所定量混
合し、加熱反応させる方法、(ホ)テトラアルキルジア
ルミノキサンとトリアルキルアルミニウムを混合加熱し
た後、水を加える方法等がある。
【0027】上記有機アルミニウムオキシ化合物の調製
に用いるアルキルアルミニウムの具体例としては、トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム等を挙げることが出来、テトラア
ルキルジアルミノキサンの具体例としては、テトラエチ
ルジアルミノキサン、テトラノルマルプロピルジアルア
ルミノキサン、テトライソプロピルジアルミノキサン、
テトラノルマルブチルジアルミノキサン、テトライソブ
チルジアルミノキサン、テトラノルマルヘキシルジアル
ミノキサン等を挙げることが出来る。
【0028】本発明の第2の発明においては、前記した
(A)有機遷移金属化合物と(B)有機アルミニウムオ
キシ化合物を成分とする触媒の存在下で、下記一般式
(IV)で表わされる環状オレフィンを重合する。
【0029】
【化8】
【0030】[式中、R3 〜R14は、それぞれ独立し
て、水素原子、炭素数1〜20の炭化水素基またはハロ
ゲン原子、酸素原子あるいは窒素原子を含む置換基を示
す。R11とR13またはR14とは、またはR12とR13また
はR14とは、互いに連結して環を形成していてもよい。
Kは0または1以上の整数である。]
【0031】一般式(IV)で表わされる環状オレフィン
としては、例えば、ノルボルネン、1,4,5,8−ジ
メタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタ
ヒドロナフタレン等の多環環状オレフィンあるいは、5
−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボ
ルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−フェニ
ル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネ
ン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−
2−ノルボルネン、5−クロロ−2−ノルボルネン、5
−フルオロ−2−ノルボルネン、5−クロロメチル−2
−ノルボルネン、5−メトキシ−2−ノルボルネン、7
−メチル−2−ノルボルネン、5−イソブチル−2−ノ
ルボルネン、5,6−ジメチル−2−ノルボルネン、
5,5−ジクロロ−2−ノルボルネン、5,5,6−ト
リメチル−2−ノルボルネン、5,5,6−トリフルオ
ロ−6−トリフルオロメチルノルボルネン、2−メチル
−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,
5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2,3−ジメ
チル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン等の置換多
環環状オレフィンがある。
【0032】これらの中でも特に好ましいのは多環環状
オレフィン、中でもノルボルネンである。本発明の重合
体の製造方法において、上記の環状オレフィンを単独で
重合させてもよいが共重合させてもよく、共重合させる
場合の共重合可能なモノマーとしては例えば、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル1−ブテン、
1−ペンテン、4−メチル1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン等を挙げることができ
る。
【0033】本発明における重合方法については特に制
限はなく、慣用の重合形式、例えば、スラリー重合法、
気相重合法、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法等の
いずれの方法を用いてもよく、スラリー重合法、溶液重
合法及び塊状重合法が好適である。また、バッチ法でも
連続法でも良い。
【0034】重合条件に関しては、重合温度は通常−7
8〜150℃、好ましくは−30〜80℃の範囲であ
る。本発明の触媒の構成成分である、有機遷移金属化合
物(I)、並びに、有機アルミニウムオキシ化合物(I
I)及び(III) は、モノマーの存在あるいは非存在を問
わず、それぞれ別々に重合系に添加しても良いし、重合
系に添加する前に各触媒成分を接触処理して用いてもか
まわない。各触媒成分を接触処理する場合、各触媒成分
の接触順序については、特に制限はなく、任意の順序で
接触させることが出来る。上記のように各触媒成分を接
触処理するには、不活性溶媒中で、不活性ガス雰囲気
下、各成分を接触させる。
【0035】本発明の触媒の構成成分である、有機遷移
金属化合物(I)、有機アルミニウムオキシ化合物(I
I)及び(III) の使用量は任意である。一般には溶液重
合系の場合、有機遷移金属化合物の使用量は、10-7
102 ミリモル/リットル、さらには10-4〜10ミリ
モル/リットルの範囲が好ましい。アルミニウムオキシ
化合物の場合Al/遷移金属のモル比は通常10〜10
0,000、さらに100〜10,000の範囲が好ま
しい。モノマーとして使用する環状オレフィンの使用量
は、原料モノマー(IV)/上記遷移金属化合物(I)
(モル比)が1〜106 が好ましく、より好ましくは1
〜105 である。また、重合体の分子量を調節する方法
としては、各触媒成分の種類や使用量、重合温度、重合
時間の選択、さらには水素存在下での重合による方法等
が挙げられる。
【0036】重合溶媒を用いる場合には、該溶媒とし
て、例えば塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン等の
ハロゲン化炭化水素、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロ
ヘキサン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、ガソリン、灯油、軽油等の
石油留分、またこれらの混合溶媒などが挙げられる。こ
れらの中でも脂肪族炭化水素及び芳香族炭化水素が好ま
しく、特には、ヘプタン及びトルエンが好ましい。
【0037】本発明によって、ノルボルネン重合体が高
活性に生成される理由は十分解明されていないが、本発
明の特定の有機遷移金属と特定のアルミニウムオキシ化
合物を組み合わせた触媒系による高活性化は、本重合系
を(1)活性種形反応、(2)生長反応、及び、(3)
連鎖停止反応に区分した場合、以下の如く解釈すること
が出来る。なお、すなわち、本発明の特定の有機遷移金
属と特定のアルミニウムオキシ化合物から形成される活
性種は、(2)生長反応及び/又は(3)連鎖停止反応
において、生長反応速度の加速効果及び/又は有機遷移
金属部位に結合する生長ポリマー鎖の連鎖停止速度の抑
制効果に寄与していると考えられる。なお本発明は、こ
の理論によって何ら拘束されることは無い。
【0038】
【実施例】下記の実施例及び比較例は、本発明をより具
体的に示すものであるが、本発明は下記に限定されるも
のではない。尚、実施例中の重量平均分子量(Mw)及
び数平均分子量(Mn)は、ゲル・パーミエーション・
クロマトグラフィー(GPC)により、o−ジクロロベ
ンゼンを溶媒とし、ポリプロピレン換算で算出した。
【0039】〔I〕有機アルミニウムオキシ化合物の製
造 <参考例1>メチルイソブチルアルモキサン(A)の製
造 充分に窒素置換した攪拌機及び還流コンデンサー付きの
1リットルフラスコに、脱水および脱酸素したトルエン
100ミリリットルを導入した。次いで、2本の滴下ロ
ートの一方に、トリメチルアルミニウム0.72グラム
(10ミリモル)およびトリイソブチルアルミニウム
1.08グラム(5.5ミリモル)をトルエン50ミリ
リットルに希釈したものを、他の一方に飽和水含有のト
ルエンを、それぞれ導入し、この混合アルミニウム溶液
および飽和水含有トルエンを、30℃の条件下で、Al
およびH2 Oが等モルになる条件を維持しながら3時間
かけて反応系にフィードした。フィード終了後、50℃
に昇温し、2時間反応操作を行った。反応終了後、溶媒
を減圧留去して1.3グラムの白色固体(メチルイソブ
チルアルモキサン(A))を得た。この白色固体の13
−NMRを測定した結果、イソブチル基含有率は0.4
1であった。
【0040】<参考例2>メチルイソブチルアルモキサ
ン(B)の製造 参考例1において、反応に用いたトリイソブチルアルミ
ニウムの量を2.94グラム(5.5ミリモル)に変更
した以外は参考例1と同様な操作を行って、2.0グラ
ムの白色固体(メチルイソブチルアルモキサン(B))
を得た。この白色固体の13C−NMRを測定した結果、
イソブチル基含有率は0.65であった。
【0041】〔II〕ノルボルネン重合 実施例1 充分に窒素置換された500ミリリットルのフラスコ
に、トルエン170ml、ノルボルネンのトルエン溶液
(濃度0.68グラム/ミリリットル)15ミリリット
ル(106ミリモル)を加えた後、フラスコ内温度を5
0℃になるまで昇温した。フラスコ内温度が安定した後
に、参考例1で合成したメチルイソブチルアルモキサン
(A)25ミリモル(1.60ミリモル/ミリリットル
のトルエン溶液)を導入し、15分間攪拌した。次に触
媒としてニッケルビスアセチルアセトナート2水和物の
トルエン溶液(濃度1.59ミリグラム/ミリリット
ル)をジルコニウム原子換算で0.025ミリモル加
え、内温50℃で2時間反応を行った。
【0042】反応終了後、重合溶液を、塩酸を0.1規
定濃度で含むアセトン:メタノール=1:2の混合溶液
1リットルに注ぎ、30分間攪拌の後、濾過した。得ら
れた白色固体を、中性になるまでメタノールで洗浄し、
減圧乾燥した。重合体の収量は6.4gであり、重合活
性は2200g/g−Ni・hrであった。GPCによ
る分子量測定の結果、Mnは75100、Mw/Mnは
1.95であった。13C−NMRから、重合体は環状構
造を保持したままであることがわかった。
【0043】実施例2 実施例1において、重合温度を70℃とした以外は、全
く同様な条件で重合操作を行って白色固体を得た。重合
体の収量は6.6gであり、重合活性は2250g/g
−Ni・hrであった。GPCによる分子量測定の結
果、Mnは62500、Mw/Mnは1.80であっ
た。
【0044】実施例3 実施例1において、メチルイソブチルアルモキサン
(A)の代わりにメチルイソブチルアルモキサン(B)
を用いたこと以外は、全く同様な条件で重合操作を行っ
て白色固体を得た。収量は3.0gであり、重合活性は
1040g/g−Ni・hrであった。GPCによる分
子量測定の結果、Mnは43100、Mw/Mnは1.
79であった。
【0045】実施例4 実施例1において、メチルイソブチルアルモキサン
(A)の代わりにシェリング社製メチルアルモキサンを
用いたこと以外は、全く同様な条件で重合操作を行って
白色固体を得た。収量は3.2gであり、重合活性は1
070g/g−Ni・hrであった。GPCによる分子
量測定の結果、Mnは93400、Mw/Mnは1.9
3であった。
【0046】比較例1 実施例1において、ニッケルビスアセチルアセトナート
2水和物をニッケルビスアセチルアセトナート無水物
に、メチルイソブチルアルモキサン(A)の代わりにシ
ェリング社製メチルアルモキサンを用いたこと以外は、
全く同様な条件で重合操作を行って白色固体を得た。収
量は2.1gであり、重合活性は720g/g−Ni・
hrであった。GPCによる分子量測定の結果、Mnは
53600、Mw/Mnは1.99であった。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明の触媒によると、高分子量の環状
オレフィン系重合体を、高活性で得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)有機遷移金属化合物、及び、
    (B)有機アルミニウムオキシ化合物からなる環状オレ
    フィン系重合用触媒であって、前記(A)有機遷移金属
    化合物が下記一般式(I)で表されることを特徴とする
    前記触媒。 【化1】M(H2 O)n x y z (I) [ここで、Aは、窒素、酸素、リンからなる群より選ば
    れた少なくとも1種を含むキレート性の2座配位子を示
    し、Bは、σ結合性の配位子を示し、Cは、ルイス塩基
    性の配位子を示す。xは0〜2の整数を、y及びzはそ
    れぞれ0〜4の整数を示し、x=2の時はy=z=0、
    x=1の時はy+z=2を、x=0の時はy+z=4を
    満足する値をとる。nは、1ないし2の整数を、Mは周
    期律表VIII族の遷移金属を示す。]
  2. 【請求項2】 一般式(I)の有機遷移金属化合物が、
    nが2のものである、請求項1記載の触媒。
  3. 【請求項3】 一般式(I)の有機金属化合物が、遷移
    金属Mがニッケルである、請求項1又は2に記載の触
    媒。
  4. 【請求項4】 一般式(I)の有機金属化合物が、x=
    1または2のものである、請求項1〜3のいづれか1項
    に記載の触媒。
  5. 【請求項5】 (B)有機アルミニウムオキシ化合物
    が、下記一般式(II)で表わされる構成単位および下記
    一般式(III)で表わされる構成単位を有する化合物であ
    ることを特徴とする、請求項1〜4のいづれか1項に記
    載の触媒。 【化2】 [式中、R2 は、炭素数2〜10の炭化水素残基であ
    る。]
  6. 【請求項6】 (B)有機アルミニウムオキシ化合物
    が、一般式(II)で表わされる構成単位をa個および一
    般式(III)で表わされる構成単位をb個有してなり、そ
    のb/(a+b)の値が0.10〜0.70の範囲を満
    足する値をとることを特徴とする、請求項5記載の触
    媒。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の触媒に、下記一般式
    (IV)で表わされる環状オレフィンを接触させて環状オ
    レフィン系重合体を製造することを特徴とする、環状オ
    レフィン系重合体の製造方法。 【化3】 [式中、R3 〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、
    炭素数1〜20の炭化水素基またはハロゲン原子、酸素
    原子あるいは窒素原子を含む置換基を示す。R11とR13
    またはR14とは、またはR12とR13またはR14とは、互
    いに連結して環を形成していてもよい。Kは0または1
    以上の整数である。]
JP33086896A 1996-12-11 1996-12-11 環状オレフィン系重合用触媒及びそれを用いた重合体の製造方法 Pending JPH10168118A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2033978A1 (en) 2004-12-15 2009-03-11 Nihon University Method for producing norbornene based addition (co)polymer

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