JPH10167110A - 車体の前部フレーム構造 - Google Patents

車体の前部フレーム構造

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JPH10167110A
JPH10167110A JP8333261A JP33326196A JPH10167110A JP H10167110 A JPH10167110 A JP H10167110A JP 8333261 A JP8333261 A JP 8333261A JP 33326196 A JP33326196 A JP 33326196A JP H10167110 A JPH10167110 A JP H10167110A
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    • B62DMOTOR VEHICLES; TRAILERS
    • B62D21/00Understructures, i.e. chassis frame on which a vehicle body may be mounted
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車体重量をそれほど増加させずにエクステン
ションフレームの理想的な変形モードが得られ、エクス
テンションフレームの結合作業が容易で、部品点数の低
減を図ることができる車体の前部フレーム構造を提供す
る。 【解決手段】 エクステンションフレーム9が、縦方向
で結合する断面下向きコ字形のエクステンションフレー
ムアッパ7と断面上向きコ字形のエクステンションフレ
ームロア8とから形成されており、エクステンションフ
レーム9の上面部13はエクステンションフレームアッ
パ7だけにより形成され、該上面部13が従来のように
フランジを継ぎ合わせた構造とならないため、上面部1
3の強度が構造的に高まり、車両前面衝突時において理
想的な変形モードを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車体の前部フレー
ム構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の車体の前部フレーム構造は、例え
ば、特開平6−278646号にて知られているよう
に、車体前後方向に沿って配されたサイドフレームの前
下がり状態の前端部に、車体前方へ延びるエクステンシ
ョンフレームを結合した構造が知られている。このエク
ステンションフレームは上面部が略水平に形成されてお
り、前下がり状態のサイドフレーム前端部に対しては、
上方へ曲折した状態となっている。従って、車両前面衝
突にはエクステンションフレームが前側から順に変形し
ながら最終的にV形に座屈変形して衝突時の衝撃エネル
ギーを十分に吸収するようになっている。また、この座
屈変形時におけるエネルギー吸収量を高めるために、エ
クステンションフレームは、互いに向かい合う断面コ字
形をしたエクステンションフレームアウタとエクステン
ションフレームインナとを横方向で結合した閉断面形状
を呈している。
【0003】更に、このエクステンションフレームアウ
タ及びエクステンションフレームインナは共にサイドフ
レームの外側に接合されており、且つサイドフレームの
前端部には車幅方向に沿うファーストクロスメンバの両
端部も結合されている。そして、エクステンションフレ
ームの上面部には、該エクステンションフレームの結合
強度を高めるために、エクステンションフレームからフ
ァーストクロスメンバ及びサイドフレームに跨がる形状
のガセットが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、車両衝突時において理想的
な変形モード(効率的で且つ十分な衝撃エネルギー吸収
が行える変形モード)を得るには、エクステンションフ
レームの上面部の強度を上げることが効果的であるが、
エクステンションフレームがエクステンションフレーム
アウタとエクステンションフレームインナとを横方向で
結合した閉断面形状であり、エクステンションフレーム
の上面部が、それぞれのフランジを継ぎ合わせた構造と
なるため、強度の面で不利となっている。このような従
来構造のエクステンションフレームの上面部の強度を高
めるには、結局、エクステンションフレーム全体の板厚
を増す必要があり、車体重量の増加を招くことになる。
【0005】また、エクステンションフレームアウタ及
びエクステンションフレームインナをサイドフレームの
外側へ単に結合するだけの構造で、両者間にエクステン
ションフレームアウタ及びエクステンションフレームイ
ンナの車幅方向位置及び向きを決める基準が存在しない
ため、それらの結合作業が困難になっている。
【0006】更に、エクステンションフレームの結合強
度を高めるために、エクステンションフレームからファ
ーストクロスメンバ及びサイドフレームに跨がる形状の
ガセットを設ける必要があるため、その分、部品点数の
増加を招いている。
【0007】この発明はこのような従来の技術に着目し
てなされたものであり、車体重量をそれほど増加させず
にエクステンションフレームの理想的な変形モードが得
られ、エクステンションフレームの結合作業が容易で、
部品点数の低減を図ることができる車体の前部フレーム
構造を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
車体前後方向に沿って配されたサイドフレームの前下が
り状態の前端部に、上面部が略水平な閉断面形状で且つ
前方へ延びた状態のエクステンションフレームを結合し
た車体の前部フレーム構造において、前記エクステンシ
ョンフレームが、縦方向で互いに向かい合うフランジ同
士を重合させた、断面下向きコ字形のエクステンション
フレームアッパと、断面上向きコ字形のエクステンショ
ンフレームロアとから形成されている。
【0009】請求項1記載の発明によれば、エクステン
ションフレームが、縦方向で結合する断面下向きコ字形
のエクステンションフレームアッパと断面上向きコ字形
のエクステンションフレームロアとから形成されてお
り、エクステンションフレームの上面部はエクステンシ
ョンフレームアッパだけにより形成され、該上面部が従
来のようにフランジを継ぎ合わせた構造とならないた
め、上面部の強度が構造的に高まり、車両前面衝突時に
おいて理想的な変形モードを得ることができる。
【0010】請求項2記載の発明は、エクステンション
フレームアッパの板厚をエクステンションフレームロア
よりも大きく形成したものである。
【0011】請求項2記載の発明によれば、エクステン
ションフレームアッパのみの板厚を増すことにより、エ
クステンションフレームの上面部の強度を高めることが
できるため、車体重量の軽減を図ることができる。
【0012】請求項3記載の発明は、エクステンション
フレームアッパの後端部がサイドフレームの外側に結合
され、エクステンションフレームロアの後端部がサイド
フレームの内側に結合されている。
【0013】請求項3記載の発明によれば、サイドフレ
ームがエクステンションフレームアッパの後端部とエク
ステンションフレームロアの後端部により、車幅方向で
挟持される構造のため、エクステンションフレームをサ
イドフレームに結合するだけで、該エクステンションフ
レームの車幅方向位置及び向きが決まる。従って、エク
ステンションフレームの結合作業が容易となる。また、
エクステンションフレームアッパ及びエクステンション
フレームロアの各フランジに寸法誤差が生じても、互い
に重合させる幅を調整することにより、その誤差を容易
に吸収することができる。従って、この点においてもエ
クステンションフレームの結合作業が容易になる。
【0014】請求項4記載の発明は、サイドフレームの
前端部に車幅方向に沿うファーストクロスメンバの両端
部が結合されており、且つエクステンションフレームア
ッパの後端部を後方へ延長した状態でサイドフレームの
上面部に結合すると共に、該後端部をファーストクロス
メンバにも結合したものである。
【0015】請求項4記載の発明によれば、エクステン
ションフレームアッパの後端部を後方に延長してサイド
フレームの上面部に結合するため、エクステンションフ
レームアッパとサイドフレームとの結合強度が向上す
る。また、この延長した後端部をファーストクロスメン
バにも結合しているため、従来の「ガセット」のような
補強部品が不要となり、部品点数の低減を図ることがで
きる。
【0016】請求項5記載の発明は、エクステンション
フレームロアの下面部を前上がり形状の傾斜面にして、
エクステンションフレームを先細り形状にしたものであ
る。
【0017】請求項5記載の発明によれば、エクステン
ションフレームロアの下面部に前上がり形状の傾斜面を
設けて、エクステンションフレームを先細り形状にした
ため、エクステンションフレームの前端から後方向に向
かって徐々に断面積が拡大する形状となっている。従っ
て、車両の前面衝突時にエクステンションフレームが座
屈変形すると、座屈が後方に及ぶに従って、変形断面積
は徐々に増加するため、入力荷重の大きさに応じた効率
的なエネルギー吸収がなされる。
【0018】また、エクステンションフレームの下面部
が前上がり形状の傾斜面となっているため、平地から登
坂路への走行を開始するに際しての、登坂路と平地路と
の為す角度であるアプローチアングルを大きく確保でき
る。
【0019】請求項6記載の発明は、エクステンション
フレームに、複数のビード部が前後方向に沿って所定間
隔ごとに形成されている。
【0020】請求項6記載の発明によれば、エクステン
ションフレームに、複数のビード部が前後方向に沿って
所定の間隔ごとに形成されているため、変形する断面積
が徐々に増加するように、エクステンションフレームが
前側から順に変形するのを促進する。
【0021】請求項7記載の発明は、ファーストクロス
メンバが閉断面形状で、エクステンションフレームロア
の車幅方向中央側のフランジにおける最後部に形成した
曲折部を、前記ファーストクロスメンバの前面部に結合
したものである。
【0022】請求項7記載の発明によれば、エクステン
ションフレームロアの車幅方向中央側のフランジの後端
部が、閉断面形状をしたファーストクロスメンバの前面
部に結合されているため、エクステンションフレームの
結合強度が更に向上する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図1〜図3に基づいて説明する。尚、図中、Aが前方
で、Bが後方である。
【0024】車体には左右両側に前後方向に沿うサイド
フレーム1が配されている(尚、図は左側だけを代表し
て図示している)。このサイドフレーム1は、共に断面
コ字形のサイドフレームアウタ2とサイドフレームイン
ナ3とを接合して閉断面形状に形成されていると共に、
前端部が下方に位置する前下り状態となっている。
【0025】前記サイドフレームアウタ2はサイドフレ
ームインナ3よりも長尺であって、サイドフレーム1の
前端部は実質的にサイドフレームアウタ2だけで形成さ
れている。そして、このサイドフレームアウタ2の前端
部に、車幅方向中央側へ延びるファーストクロスメンバ
4が接合されている。
【0026】このファーストクロスメンバ4は、断面前
向きコ字形のファーストクロスメンバ本体5と、その前
側を塞ぐ「前面部」としてのクロージングプレート6と
から形成された閉断面形状を呈している。このファース
トクロスメンバ4の両端部は上方へ若干膨出した形状を
しており、該ファーストクロスメンバ4の両端部がサイ
ドフレームアウタ2の上下面部に結合されている。
【0027】サイドフレーム1の前端部に、エクステン
ションフレームアッパ7とエクステンションフレームロ
ア8とから成る閉断面形状のエクステンションフレーム
9が結合されている。エクステンションフレームロア8
は前記サイドフレーム1と略同様の板厚であるが、エク
ステンションフレームアッパ7はそれよりも大きな板厚
で形成されている。
【0028】エクステンションフレームアッパ7は、断
面下向きコ字形状で、若干短い幅のフランジ7aが下向
きに形成されている。エクステンションフレームロア8
は断面上向きコ字形状で、長い幅のフランジ8aが上向
きに形成されている。そして、エクステンションフレー
ムアッパ7とエクステンションフレームロア8のフラン
ジ7a、8a同士が、フランジ8aを内側にした状態で
重合されている。
【0029】エクステンションフレームアッパ7の後端
部10は後方へ延びた状態で、その最後端だけがサイド
フレーム1の上面部に接合されていると共に、ファース
トクロスメンバ4の上面部にも結合されている。エクス
テンションフレームアッパ7の後端部10におけるフラ
ンジ7aはサイドフレーム1の外側に接合されている。
【0030】エクステンションフレームロア8の後端
は、サイドフレーム1の内側に接合されている。すなわ
ち、エクステンションフレーム9の後端の底面部に相当
する部分は、サイドフレームアウタ2の対応する部分の
上に載せられた状態で接合されている。また、エクステ
ンションフレームロア8の車幅方向外側のフランジ8a
は、サイドフレームアウタ2の内側に入り込んだ状態で
接合されている。エクステンションフレームロア8の車
幅方向中央側のフランジ8aの最後部には車幅方向中央
側への曲折部11が形成されており、該曲折部11がフ
ァーストクロスメンバ4のクロージングプレート6に接
合されている。
【0031】エクステンションフレームアッパ7の下側
には、前側から後端部10にかけて、所定幅のレインフ
ォース12が接合されている。このレインフォース12
の前側部分は断面ハット形状で、その両側端がエクステ
ンションフレームロア8の内面に接合されている。レイ
ンフォース12の後側部分は断面逆ハット形状で、エク
ステンションフレームアッパ7の後端部10の下面に接
合されている。このレインフォース12は、その前側部
分で、エクステンションフレームロア8のフランジ8a
の内側への倒れを防止すると共に、エクステンションフ
レームロア8とエクステンションフレームアッパ7との
結合強度を高めている。尚、このレインフォース12は
本実施例では設けたが、必須部品ではないため、省略し
ても構わない。
【0032】エクステンションフレーム9はその上面部
13が略水平で、前下がり状態のサイドフレーム1の前
端部に対しては上側へ曲折した状態になっている。ま
た、エクステンションフレーム9の下面部14には前上
がり形状の傾斜面となっており、エクステンションフレ
ーム9を先細り形状にしている。そして、このエクステ
ンションフレーム9の先端はエンドプレート15にて塞
がれており、この先端に図示せぬブラケットを介してバ
ンパが取付けられる。
【0033】エクステンションフレーム9を先細り形状
にしたため、エクステンションフレーム9の前端から後
方向に向かって徐々に断面積が大きくなると共に、エク
ステンションフレーム9の下面部14が前上がり形状の
傾斜面となっているため、平地から登坂路への走行を開
始するに際しての、登坂路と平地路との為す角度である
アプローチアングルを大きく確保できる。
【0034】更に、エクステンションフレームアッパ7
には、先端から3つのビード部16が所定の間隔ごとに
形成されている。エクステンションフレームロア8にも
前記ビード部16に対応するものを含む4つのビード部
17が所定間隔ごとに形成されている。
【0035】次に、エクステンションフレーム9のサイ
ドフレーム1に対する結合方法を説明する。エクステン
ションフレーム9は、予めエクステンションフレームア
ッパ7とエクステンションフレームロア8のフランジ7
a、8a同士を所定幅で重合させることにより形成して
おく。このフランジ7a、8a同士を重合させる幅は、
部品としてのエクステンションフレームアッパ7及びエ
クステンションフレームロア8を製造した時点で、サイ
ドフレーム1等の寸法に予め対応させて設定しておく。
従って、フランジ7a、8aの長さに部品寸法誤差があ
っても、それらを互いに重合させる程度を調整すること
で、その寸法誤差を是正することができる。
【0036】フランジ7a、8a同士を重合させて形成
したエクステンションフレーム9は、斜め上方からサイ
ドフレーム1の前端部に結合する。エクステンションフ
レームアッパ7の後端部10はサイドフレーム1の上面
部に当接させ、エクステンションフレームロア8の後端
部はサイドフレーム1内に挿入させる。この時、前述の
如く、エクステンションフレームアッパ7とエクステン
ションフレームロア8との重合度合いは正確に調整され
ているため、エクステンションフレームアッパ7の後端
部10をサイドフレーム1の上面部に当接させた状態
で、エクステンションフレームロア8の後端部はサイド
フレーム1の前端部に対して内側から確実に密着した状
態となる。
【0037】また、エクステンションフレーム9をサイ
ドフレーム1にセットした段階で、サイドフレーム1の
車幅方向外側の縦壁が、エクステンションフレームアッ
パ7のフランジ7aと、エクステンションフレームロア
8のフランジ8aにより、車幅方向で挟持された状態と
なる(図3参照)。従って、エクステンションフレーム
9をサイドフレーム1にセットした段階で、エクステン
ションフレーム9のサイドフレーム1に対する車幅方向
での位置と向きを決めることができる。
【0038】このように、位置決めがなされた状態のエ
クステンションフレーム9をサイドフレーム1に対して
結合(溶接)する。すなわち、エクステンションフレー
ム9をサイドフレーム1に対して結合すると共に、エク
ステンションフレームアッパ7の後端部10をファース
トクロスメンバ4の上面部に結合し、エクステンション
フレームロア8の車幅方向中央側のフランジ8aの曲折
部11をファーストクロスメンバ4のクロージングプレ
ート6に対して結合する。エクステンションフレームア
ッパ7の後端部10を介してファーストクロスメンバ4
にも結合されるため、該エクステンションフレーム9の
結合強度が高まる。更に、エクステンションフレーム
9、サイドフレーム1、ファーストクロスメンバ4の三
者を結合するために、従来のような「ガセット」を要し
ないため、部品点数の低減を図ることができる。
【0039】次に、車両の前面衝突時におけるエクステ
ンションフレーム9の変形モードの説明をする。
【0040】エクステンションフレーム9がエクステン
ションフレームアッパ7とエクステンションフレームロ
ア8とから成り、エクステンションフレーム9の上面部
13がエクステンションフレームアッパ7だけにより形
成された状態で、該上面部13が従来のようにフランジ
を継ぎ合わせた構造となっていないため、エクステンシ
ョンフレーム9の上面部13の強度が構造的に高まり、
車両の前面衝突時において、理想的な変形モードを得る
ことができる。
【0041】しかも、エクステンションフレームアッパ
7の板厚を上げるだけで、エクステンションフレーム9
の上面部13の強度を上げることができ、エクステンシ
ョンフレームロア8の板厚は特別に上げる必要がないた
め、車体重量の大幅な増加もない。
【0042】また、エクステンションフレーム9が先細
り形状で、エクステンションフレーム9の前端から後方
向に向かって徐々に断面積が大きくなる形状のため、車
両の前面衝突時にエクステンションフレーム9が座屈変
形すると、座屈が後方に及ぶに従って、変形断面積は徐
々に増加し、入力荷重の大きさに応じた効率的なエネル
ギー吸収がなされる。
【0043】更に、エクステンションフレーム9に、複
数のビード部16、17が形成されているため、変形す
る断面積が徐々に増加するように、エクステンションフ
レーム9が前側から順に変形するのを促進する。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、エクステ
ンションフレームが、縦方向で結合する断面下向きコ字
形のエクステンションフレームアッパと断面上向きコ字
形のエクステンションフレームロアとから形成されてお
り、エクステンションフレームの上面部はエクステンシ
ョンフレームアッパだけにより形成され、該上面部が従
来のようにフランジを継ぎ合わせた構造とならないた
め、上面部の強度が構造的に高まり、車両前面衝突時に
おいて理想的な変形モードを得ることができる。
【0045】請求項2記載の発明によれば、エクステン
ションフレームアッパのみの板厚を増すことにより、エ
クステンションフレームの上面部の強度を高めることが
できるため、車体重量の軽減を図ることができる。
【0046】請求項3記載の発明によれば、サイドフレ
ームがエクステンションフレームアッパの後端部とエク
ステンションフレームロアの後端部により、車幅方向で
挟持される構造のため、エクステンションフレームをサ
イドフレームに結合するだけで、該エクステンションフ
レームの車幅方向位置及び向きが決まる。従って、エク
ステンションフレームの結合作業が容易となる。また、
エクステンションフレームアッパ及びエクステンション
フレームロアの各フランジに寸法誤差が生じても、互い
に重合させる幅を調整することにより、その誤差を容易
に吸収することができる。従って、この点においてもエ
クステンションフレームの結合作業が容易になる。
【0047】請求項4記載の発明によれば、エクステン
ションフレームアッパの後端部を後方に延長してサイド
フレームの上面部に結合するため、エクステンションフ
レームアッパとサイドフレームとの結合強度が向上す
る。また、この延長した後端部をファーストクロスメン
バにも結合しているため、従来の「ガセット」のような
補強部品が不要となり、部品点数の低減を図ることがで
きる。
【0048】請求項5記載の発明によれば、エクステン
ションフレームロアの下面部に前上がり形状の傾斜面を
設けて、エクステンションフレームを先細り形状にした
ため、エクステンションフレームの前端から後方向に向
かって徐々に断面積が拡大する形状となっている。従っ
て、車両の前面衝突時にエクステンションフレームが座
屈変形すると、座屈が後方に及ぶに従って、変形断面積
は徐々に増加するため、入力荷重の大きさに応じた効率
的なエネルギー吸収がなされる。
【0049】また、エクステンションフレームの下面部
が前上がり形状の傾斜面となっているため、平地から登
坂路への走行を開始するに際しての、登坂路と平地路と
の為す角度であるアプローチアングルを大きく確保でき
る。
【0050】請求項6記載の発明によれば、エクステン
ションフレームに、複数のビード部が前後方向に沿って
所定の間隔ごとに形成されているため、変形する断面積
が徐々に増加するように、エクステンションフレームが
前側から順に変形するのを促進する。
【0051】請求項7記載の発明によれば、エクステン
ションフレームロアの車幅方向中央側のフランジの後端
部が、閉断面形状をしたファーストクロスメンバの前面
部に結合されているため、エクステンションフレームの
結合強度が更に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る車体の前部フレー
ム構造を示す斜視図。
【図2】前部フレーム構造を示す側面図。
【図3】図1中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図4】図1中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 サイドフレーム 4 ファーストクロスメンバ 6 クロージングプレート(前面部) 7 エクステンションフレームアッパ 8 エクステンションフレームロア 7a、8a フランジ 9 エクステンションフレーム 11 曲折部 10 後端部 13 上面部 14 下面部 16、17 ビード部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体前後方向に沿って配されたサイドフ
    レームの前下がり状態の前端部に、上面部が略水平な閉
    断面形状で且つ前方へ延びた状態のエクステンションフ
    レームを結合した車体の前部フレーム構造において、 前記エクステンションフレームが、縦方向で互いに向か
    い合うフランジ同士を重合させた、断面下向きコ字形の
    エクステンションフレームアッパと、断面上向きコ字形
    のエクステンションフレームロアとから形成されている
    ことを特徴とする車体の前部フレーム構造。
  2. 【請求項2】 エクステンションフレームアッパの板厚
    をエクステンションフレームロアよりも大きく形成した
    請求項1記載の車体の前部フレーム構造。
  3. 【請求項3】 エクステンションフレームアッパの後端
    部がサイドフレームの外側に結合され、エクステンショ
    ンフレームロアの後端部がサイドフレームの内側に結合
    されている請求項1又は請求項2記載の前部フレーム構
    造。
  4. 【請求項4】 サイドフレームの前端部に車幅方向に沿
    うファーストクロスメンバの両端部が結合されており、
    且つエクステンションフレームアッパの後端部を後方へ
    延長した状態でサイドフレームの上面部に結合すると共
    に、該後端部をファーストクロスメンバにも結合した請
    求項1〜3のいずれか1項に記載の車体の前部フレーム
    構造。
  5. 【請求項5】 エクステンションフレームロアの下面部
    を前上がり形状の傾斜面にして、エクステンションフレ
    ームを先細り形状にした請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の車体の前部フレーム構造。
  6. 【請求項6】 エクステンションフレームに、複数のビ
    ード部が前後方向に沿って所定間隔ごとに形成されてい
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載の車体の前部フレ
    ーム構造。
  7. 【請求項7】 ファーストクロスメンバが閉断面形状
    で、エクステンションフレームロアの車幅方向中央側の
    フランジにおける最後部に形成した曲折部を、前記ファ
    ーストクロスメンバの前面部に結合した請求項1〜6の
    いずれか1項に記載の車体の前部フレーム構造。
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