JPH10166868A - ガラス用ウェザストリップ - Google Patents

ガラス用ウェザストリップ

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JPH10166868A
JPH10166868A JP8328840A JP32884096A JPH10166868A JP H10166868 A JPH10166868 A JP H10166868A JP 8328840 A JP8328840 A JP 8328840A JP 32884096 A JP32884096 A JP 32884096A JP H10166868 A JPH10166868 A JP H10166868A
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urethane
glass
resin
lubricant
weather strip
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剛 内藤
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宏 横井
Makoto Seki
真琴 瀬木
Taisuke Tsuji
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 型成形部のガラス摺動面において、所定値以
下の摩擦係数を長期間維持することができる1コート、
低温硬化形のウレタン系滑性塗膜を有するガラス用ウェ
ザストリップを提供すること。 【解決手段】 押出部12、14に型成形部22が型成
形接続されてなり、ガラス接触部にウレタン滑性層が形
成されてなるエチレンプロピレン系ゴム製のガラス用ウ
ェザストリップ。型成形部22におけるウレタン滑性層
36が、ベースポリマーが、分子量1万〜9万のポリエ
ステルポリオールをポリオール成分とし、100℃以下
で硬化可能で、プライマー含有の1コートタイプの塗料
で形成され、鉛筆硬さで、B以上H未満の範囲に調整さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押出部に型成形部が型
成形接続されてなり、ガラスが摺動等して接触するガラ
ス接触部にウレタン系ウレタン滑性層が形成されてなる
エチレンプロピレン系ゴム(EPR)製のガラス用ウェ
ザストリップに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車ドア等に装着されるガラス用ウェ
ザストリップの一例を、図1に示す。
【0003】押出物を所定長に裁断したルーフサイド側
ガラスラン部12、前下ピラー側ガラスラン部14、後
ピラー側ガラスラン部16、及び、インナー部18、ア
ウター部20がそれぞれ、前型成形部・後型成形部2
2、24及び分岐型成形部26で型成形接続されたもの
である(各型成形部は斜線部で示されている。)。ここ
で、ルーフサイド側ガラスラン部12、前下ピラー側ガ
ラスラン部14、後ピラー側ガラスラン部16は、それ
ぞれ、内側に対向して摺動リップ28、29を備え、溝
底摺動部30を備えたチャンネル断面を備えた構成であ
る(図2・3参照)。また、インナー部18及びアウタ
ー部20は、取り付け部32から分岐した摺動リップ3
4を備えた断面を有している(図3参照)。
【0004】従来、上記押出部の摺動リップ28、2
9、及び溝底摺動部30の各ガラス摺動面には、通常、
ウレタン樹脂系のウレタン滑性層36を形成していた
(図2・3参照)。
【0005】各ウレタン滑性層36の形成は、通常、プ
ライマーコート後、ウレタン樹脂コートを行う、いわゆ
る、2コートタイプのウレタン塗料を使用し、更に、表
面硬度を及び密着性を確保するために、押出物(基体)
の加硫工程で加熱硬化(例えば、180℃×5分)させ
ていた。ウレタン塗膜自体(極性材料)はEPR基体
(非極性材料)とは直接的接着困難で、プライマー層を
必要とするためである。
【0006】そして、型成形部のガラス接触面には、ウ
レタン滑性層は形成していないことが多かった。特に、
型成形部の溝底部の滑性処理は、摺動リップを拡開して
行う必要があり、面倒であるとともに、ガラス摺動距離
が短いため、その必然性も小さかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、昨今のガラス
摺動抵抗の低減の要請から、型成形部の溝底部や摺動リ
ツプも滑性処理する要請が強くなってきている。
【0008】この場合、押出部に使用するウレタン塗料
をそのまま型成形部にも使用することが考えられる。と
ころが、2コートタイプの塗料では、手間が増大して望
ましくないともに、180℃もの高温で硬化させる必要
があり、型成形部が熱変形するおそれがある。
【0009】そこで、低温で硬化可能なものとして、シ
リコーン系でプライマー含有の1コートタイプの市販の
塗料を使用することが考えられる。しかし、上記のもの
では、所定値以下の摩擦係数を長期間維持することが困
難、即ち、耐摩耗性が十分でないことが分かった。特
に、基材がソリッドゴムの場合顕著であった。
【0010】本発明は、上記にかんがみて、型成形部の
ガラス摺動面において、所定値以下の摩擦係数を長期間
維持することができる1コート、低温硬化形のウレタン
滑性層を有するガラス用ウェザストリップを提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意開発に努力をする過程で、ウレ
タン滑性層の表面硬度を所定範囲に調製すれば、耐摩耗
性が向上することを見出し、下記構成のガラス用ウェザ
ストリップに想到した。
【0012】押出部に型成形部が型成形接続されてな
り、ガラス接触部にウレタン滑性層が形成されてなるエ
チレンプロピレン系ゴム製のガラス用ウェザストリップ
であって、型成形部におけるウレタン滑性層が、ベース
ポリマーが、分子量1万〜9万のポリエステルポリオー
ルをポリオール成分とし、100℃以下で硬化可能で、
プライマー含有の1コートタイプの塗料で形成され、塗
膜硬さが、鉛筆硬さで、B以上H未満の範囲に調製され
てなることを特徴とする。
【0013】ここで、ウレタン滑性層は、前記ウレタン
滑性層を形成するウレタン系樹脂と熱融着可能な極性樹
脂材料を樹脂製滑剤として含有させることが、更には、
該樹脂系滑剤の設定粒径が、ウレタン滑性層の塗膜厚よ
り、5〜25μm大きいことが、より望ましい。
【0014】
【手段の詳細な説明】次に、上記手段の各構成について
詳細な説明をおこなう。配合割り合いは、特に断らない
限り、重量単位とする。
【0015】(1) 本発明のガラス用ウェザストリップ
は、押出部12、14、16等に型成形部22、24が
型成形接続されてなり、ガラス摺動部28、29、34
等にウレタン滑性層36が形成されてなるエチレンプロ
ピレン系ゴム製のものであることを前提的要件とする。
【0016】ここで、エチレンプロピレン系ゴムには、
エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレン
プロピレン非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、更
には、プロピレンの一部を他のα−オレフィンで置換し
た共重合体ゴムを含む。また加硫系は、過酸化物加硫
系、硫黄加硫系を問わない。
【0017】また、押出部におけるウレタン滑性層とし
ては、従来と同様に、2コートタイプのものが塗布され
ている。
【0018】(2) 上記において、型成形部におけるウレ
タン滑性層が、ベースポリマーが、分子量1万〜9万、
望ましくは、3万〜5万のポリエステルポリールをポリ
オール成分とし、100℃以下で硬化可能で、プライマ
ー含有の1コートタイプの塗料で形成され、鉛筆硬さ
で、B以上H未満の、望ましくは、HB〜Fの範囲に調
整されてなることを特徴的要件とする。
【0019】ここでポリエステルポリオールの分子量
が、1万未満では、100℃以下での十分な硬化をさせ
難く、また、9万を越えると、塗膜硬度で、鉛筆硬度B
以上ものを得難くなる。
【0020】また、ポリエステルポリオールは、グリコ
オールとジカルボン酸を略当量づつ反応させて調製す
る。このとき、グリコールとジカルボン酸の炭素数を適
宜選択することにより、塗膜物性(強度)の調整が可能
となる。このとき、通常、塗膜の樹脂物性が下記範囲内
にあるようにすることが望ましい。即ち、押出部と型成
形部との硬度差に加えて、剛性及び強度の差が小さい
程、滑らかなガラス摺動が可能となり望ましい。
【0021】引張強度(JIS K 6301) …24.5〜4
4.1MPa(250〜450kgf/cm2 ) 100%モジュラス(M100%)(JIS K 6301) …
9.8〜29.4MPa(100〜300kgf/cm2 ) なお、上記の値は、押出部に塗布されているコートタイ
プのウレタン滑性塗膜の塗膜物性と略等しく、例えば、
引張強度:44.1MPa(450kgf/cm2 )、M10
0%:34.3MPa(350kgf/cm2 )である。
【0022】なお、イソシアナート成分としては、芳香
族系及び脂肪族系を問わないが、耐候性の見地から、ヘ
キサメチレンジイソシアナート(HMDI)、ヘキサヒ
ドロメタキリシレンジイソシアナート(HXDI)、ジ
シクロヘキサンメタン4,4′ジイソシアナート(HM
DI)等の脂肪族系のものが望ましい。
【0023】プライマーとしては、通常、EPDMまた
はEPMにカルボキシル基、水酸基、アミノ基等のイソ
シアネートと反応可能な官能基を導入したものを使用で
きる。ウレタン樹脂100部に対するプライマー成分の
添加量は、5〜50部、望ましくは、10〜30部とす
る。
【0024】鉛筆硬さで、塗膜硬度がB未満では、所定
の耐摩耗性を得難く、H以上の硬度が得難い。ちなみ
に、押出部の2コートタイプのウレタン滑性層の硬度
は、通常、略Hである。
【0025】上記範囲の硬度を得るには、ウレタン滑性
層を形成するウレタン系樹脂と熱融着可能な極性樹脂材
料を樹脂製滑剤の一部として含有させることが望まし
い。当該樹脂製滑剤としては、6ナイロン、66ナイロ
ン、ポリカーボネート等を挙げることができる。この樹
脂製滑剤の添加量は、ウレタン樹脂100部に対して、
2〜20部、望ましくは、5〜15部とする。
【0026】なお、その他、樹脂系滑剤としてフッ素樹
脂、また、二硫化モリブデン等の固体滑剤、更には、シ
リコーンオイル(例えば10万cSt)等の液体滑剤を
適宜配合することもできる。
【0027】滑剤の配合量は、合計量で、ウレタン樹脂
100部に対して、100部未満、望ましくは、20〜
80部とする。
【0028】上記において、極性樹脂材料からなる樹脂
系滑剤の設定粒径が、ウレタン滑性層の塗膜厚より、5
〜25μm大きいことをが望ましい。その理由は、下記
の如くであると推定される。なお、ウレタン滑性層の塗
膜厚は、通常、5〜20μmである。
【0029】極性樹脂材料の耐摩耗性向上の理由は、下
記の如くであると推定される。
【0030】初期においては、大きな樹脂系滑剤38の
存在により、表面にウレタン塗膜40が存在していたガ
ラスとの接触面積が小さくなり、低い摩擦係数を達成で
きる(図4)。
【0031】ウレタン塗膜40が摩耗してが樹脂系滑剤
38が露出した時点においては、耐摩耗性の良好な樹脂
系滑剤(特に、ポリアミド)38上を、ガラスが滑り、
塗膜40の耐摩耗性向上に寄与する(図4)。
【0032】更に、樹脂系滑剤38が摩耗してきても、
塗膜40であるウレタン樹脂と滑剤38である極性樹脂
とが強固に接着しているため、樹脂製滑剤38が耐摩耗
性の大部を担い、塗膜自体の摩耗量が小さくなる。
【0033】上記塗膜の形成は、通常、上記ウレタン成
分(ポリエステルポリオール及びイソシアナート)、滑
剤成分の他に、分散剤、カーボンブラック、触媒等を塗
布直前に溶剤存在下で混ぜ合わせ、溶剤で適宜粘度に調
整して塗料を調製する。該塗料を、刷毛等により型成形
部の所要部位に塗布する。そして、その後、100℃以
下の温度で、例えば、80℃×5分の条件で乾燥・硬化
させる。
【0034】
【発明の作用・効果】本発明のガラス用ウェザストリッ
プは、上記の如く、型成形部におけるウレタン滑性層
が、ベースポリマーが、分子量1万〜9万のポリエステ
ルポリールをポリオール成分とし、100℃以下で硬化
可能で、プライマー含有の1コートタイプの塗料で形成
され、鉛筆硬さで、B以上H未満の範囲に調整されてな
る構成により下記の作用効果を奏するものである。
【0035】表面硬度が、押出部のそれと近く、滑り抵
抗(摩擦係数)にほとんど差がないため、滑り抵抗差が
大きいことに基づく、摩耗が促進されない。
【0036】また、シリコーン系プライマー含有の1コ
ートタイプの塗料を塗布したものと比べて、押出部と型
成形部との硬度差が大きいこと(基材がソリッドゴムで
ある場合に顕著)に基づく、摩耗の促進、さらには、塗
膜の剥れ等の減少が促進されない。
【0037】更に、ウレタン樹脂と熱融着可能な極性樹
脂を滑剤として含有させた場合は、耐摩耗性の大部を、
ウレタン塗膜自体より、通常、耐摩耗性に優れ、かつ摩
擦係数の小さな該極性樹脂が担うため、ウレタン滑性層
の耐摩耗性、即ち、耐久性が向上する。
【0038】また、極性樹脂の径を大きくした場合は、
上記傾向はより確実となり、更に、滑性塗膜の耐久性が
向上するが、粒子径が40μmを超えると、外観上凹凸
が目立ちやすい。
【0039】
【実施例】
(1) 本発明の効果を確認するために、表示の各ウレタン
滑性塗膜形成用の、塗料を使用してEPDM基材上に塗
布(1コートまたは2コート)して、表示の条件で乾燥
硬化させた。各塗膜について、膜厚、動摩擦係数、及
び、塗膜硬さ(鉛筆硬度;但し、鉄板上塗膜について測
定)を測定するとともに、耐摩耗性試験を下記方法で行
った。なお、各ウレタン樹脂自体の仕様強度物性も参考
のために付記する。
【0040】<耐摩耗性試験>摩耗試験機(染色堅牢度
試験用用摩擦試験機;JIS L 0823)を用いて、下記条件
で行い、表面処理層が摩耗して、基材が露出するまでの
往復摩耗回数を求めた。
【0041】ガラス摩耗子:幅20mm(下端R10m
m)、厚さ4mm(下端R2mm) 摩耗荷重:3kg、往復距離:140mm、往復スピー
ド:60往復/min . (2) 試験結果を示す表1から、本実施例においては、硬
度が2Bの比較例に比して格段に優れた耐摩耗性を示す
とともに、2コートの従来例の場合と、ほとんど変わら
ない耐摩耗性を示すことが分かる。
【0042】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するガラス用ウェザストリップの
一例を示す概略斜視図
【図2】図1のA部における型成形部を示す斜視図
【図3】図2のB部における型成形部を示す斜視図
【図4】ウレタン塗膜の摩耗の経過状態を示す説明図
【符号の説明】
12 ルーフサイド側ガラスラン部(押出部) 14 前下ピラー側ガラスラン部(押出部) 16 後ピラー側ガラスラン部(押出部) 18 インナー部(押出部) 20 アウター部(押出部) 22 前型成形部 24 後型成形部 26 分岐型成形部 28、29、34 摺動リップ部 30 溝底摺動部 36 ウレタン滑性層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年12月18日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ガラス用ウェザストリップ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押出部に型成形部が型
成形接続されてなり、ガラスが摺動等して接触するガラ
ス接触部にウレタン系樹脂からなるウレタン滑性層が形
成されてなるエチレンプロピレン系ゴム(EPR)製の
ガラス用ウェザストリップに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車ドア等に装着されるガラス用ウェ
ザストリップの一例を、図1に示す。
【0003】押出物を所定長に裁断したルーフサイド側
ガラスラン部12、前下ピラー側ガラスラン部14、後
ピラー側ガラスラン部16、及び、インナー部18、ア
ウター部20がそれぞれ、前型成形部・後型成形部2
2、24及び分岐型成形部26で型成形接続されたもの
である(各型成形部は斜線部で示されている。)。ここ
で、ルーフサイド側ガラスラン部12、前下ピラー側ガ
ラスラン部14、後ピラー側ガラスラン部16は、それ
ぞれ、内側に対向して摺動リップ28、29を備え、溝
底摺動部30を備えたチャンネル断面を備えた構成であ
る(図2・3参照)。また、インナー部18及びアウタ
ー部20は、取り付け部32から分岐した摺動リップ3
4を備えた断面を有している(図3参照)。
【0004】従来、上記押出部の摺動リップ28、2
9、及び溝底摺動部30の各ガラス摺動面には、通常、
ウレタン樹脂からなるウレタン滑性層36を形成して
いた(図2・3参照)。
【0005】各ウレタン滑性層36の形成は、通常、プ
ライマーコート後、ウレタン樹脂コートを行う、いわゆ
る、2コートタイプのウレタン塗料を使用し、更に、表
面硬度及び密着性を確保するために、押出物(基体)の
加硫工程で加熱硬化(例えば、180℃×5分)させて
いた。これは、ウレタン塗料自体(極性材料)EPR
基体(非極性材料)と直接的接着困難であり接着
のためにプライマー層を必要とするためである。
【0006】そして、型成形部のガラス接触には、ウ
レタン滑性層は形成していないことが多かった。特に、
型成形部の溝底部の滑性処理は、摺動リップを拡開して
行う必要があり、面倒であるとともに、ガラス摺動距離
が短いため、その必然性も小さかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、昨今のガラス
摺動抵抗の低減の要請から、型成形部の溝底部や摺動リ
ツプも滑性処理する要請が強くなってきている。
【0008】この場合、押出部に使用するウレタン塗料
をそのまま型成形部にも使用することが考えられる。と
ころが、2コートタイプの塗料では、手間が増大して望
ましくないともに、180℃もの高温で硬化させる必
要があり、型成形部が熱変形するおそれがある。
【0009】そこで、低温で硬化可能なものとして、シ
リコーン系でプライマー含有の1コートタイプの市販の
塗料を使用することが考えられる。しかし、上記のもの
では、所定値以下の摩擦係数を長期間維持することが困
難、即ち、耐摩耗性が十分でないことが分かった。特
に、基材がソリッドゴムの場合顕著であった。
【0010】本発明は、上記にかんがみて、型成形部の
ガラス接触部において、所定値以下の摩擦係数を長期間
維持することができる1コート、低温硬化形のウレタン
滑性層を有するガラス用ウェザストリップを提供するこ
とを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために、鋭意開発に努力をする過程で、ウレ
タン滑性層の表面硬度を所定範囲に調製すれば、耐摩耗
性が向上することを見出し、下記構成のガラス用ウェザ
ストリップに想到した。
【0012】押出部に型成形部が型成形接続されてな
り、ガラス接触部にウレタン滑性層が形成されてなるエ
チレンプロピレン系ゴム製のガラス用ウェザストリップ
であって、型成形部におけるウレタン滑性層が、ベース
ポリマーが、分子量1万〜9万のポリエステルポリオー
ルをポリオール成分とし、100℃以下で硬化可能で、
プライマー含有の1コートタイプの塗料で形成され、塗
膜硬さが、鉛筆硬度B以上H未満の範囲に調製されてな
ることを特徴とする。
【0013】ここで、ウレタン滑性層は、前記ウレタン
滑性層を形成するウレタン系樹脂と熱融着可能な極性樹
脂材料を樹脂製滑剤として含有させることが、更には、
該樹脂製滑剤の設定粒径が、ウレタン滑性層の塗膜厚よ
り、5〜25μm大きいことが、より望ましい。
【0014】
【手段の詳細な説明】次に、上記手段の各構成について
詳細な説明をおこなう。配合割り合いは、特に断らない
限り、重量単位とする。
【0015】(1)本発明のガラス用ウェザストリップ
は、押出部12、14、16等に型成形部22、24が
型成形接続されてなり、ガラス摺動部28、29、34
等にウレタン滑性層36が形成されてなるエチレンプロ
ピレン系ゴム製のものであることを前提的要件とする。
【0016】ここで、エチレンプロピレン系ゴムには、
エチレンプロピレン共重合体ゴム(EPM)、エチレン
プロピレン非共役ジエン共重合体ゴム(EPDM)、更
には、プロピレンの一部を他のα−オレフィンで置換し
た共重合体ゴムを含む。また加硫系は、過酸化物加硫
系、硫黄加硫系を問わない。
【0017】また、押出部におけるウレタン滑性層とし
ては、従来と同様に、2コートタイプのものが塗布され
ている。
【0018】(2)上記において、型成形部におけるウ
レタン滑性層が、ベースポリマーが、分子量1万〜9
万、望ましくは、3万〜5万のポリエステルポリール
をポリオール成分とし、100℃以下で硬化可能で、プ
ライマー含有の1コートタイプの塗料で形成され、鉛筆
硬度B以上H未満、望ましくは、HB〜Fの範囲に調整
されてなることを特徴的要件とする。
【0019】ここでポリエステルポリオールの分子量
が、1万未満では、100℃以下での十分な硬化をさせ
難く、また、9万を越えると、塗膜硬度で、鉛筆硬度B
以上ものを得難くなる。
【0020】また、ポリエステルポリオールは、グリ
ルとジカルボン酸を当量づつ反応させて調製する。こ
のとき、グリコールとジカルボン酸の炭素数を適宜選択
することにより、塗膜物性(強度)の調整が可能とな
る。このとき、通常、塗膜物性が下記範囲内にあるよう
にすることが望ましい。即ち、押出部と型成形部との硬
度差に加えて、剛性及び強度の差が小さい程、滑らかな
ガラス摺動が可能となり望ましい。
【0021】引張強度(JIS K 6301)…2
4.5〜44.1MPa(250〜450kgf/cm
) 100%モジュラス(M100%)(JIS K 63
01)…9.8〜29.4MPa(100〜300kg
f/cm) なお、上記の値は、押出部に塗布されているコートタ
イプのウレタン滑性の塗膜物性と略等しく、例えば、
引張強度:44.1MPa(450kgf/cm)、
M100%:34.3MPa(350kgf/cm
である。
【0022】なお、イソシアナート成分としては、芳香
族系及び脂肪族系を問わないが、耐候性の見地から、ヘ
キサメチレンジイソシアナート(HMDI)、ヘキサヒ
ドロメタキリシレンジイソシアナート(HXDI)、ジ
シクロヘキサンメタン4,4′ジイソシアナート(HM
DI)等の脂肪族系のものが望ましい。
【0023】プライマーとしては、通常、EPDMまた
はEPMにカルボキシル基、水酸基、アミノ基等のイソ
シアネートと反応可能な官能基を導入したものを使用で
きる。ウレタン樹脂100部に対するプライマー成分の
添加量は、5〜50部、望ましくは、10〜30部とす
る。
【0024】塗膜硬度が、鉛筆硬度B未満では、所定の
耐摩耗性を得難く、また、ウレタン塗料だけでは、H以
上の硬度が得難い。ちなみに、押出部の2コートタイプ
のウレタン滑性層の硬度は、通常、略Hである。
【0025】上記範囲の硬度を得るには、ウレタン滑性
層を形成するウレタン系樹脂と熱融着可能な極性樹脂材
樹脂製滑剤をその一部として含有させることが望ま
しい。当該樹脂製滑剤としては、6ナイロン、66ナイ
ロン、ポリカーボネート等を挙げることができる。この
樹脂製滑剤の添加量は、ウレタン樹脂100部に対し
て、2〜20部、望ましくは、5〜15部とする。
【0026】なお、その他、樹脂製滑剤としてフッ素樹
脂、また、二硫化モリブデン等の固体滑剤、更には、シ
リコーンオイル(例えば10万cSt)等の液体滑剤を
適宜配合することもできる。
【0027】滑剤の配合量は、合計量で、ウレタン樹脂
100部に対して、100部未満、望ましくは、20〜
80部とする。
【0028】上記において、極性樹脂材料からなる樹脂
滑剤の設定粒径が、ウレタン滑性層の塗膜厚より、5
〜25μm大きいことが望ましい。その理由は、下記の
如くであると推定される。なお、ウレタン滑性層の塗膜
厚は、通常、5〜20μmである。
【0029】ウレタン滑性層の耐摩耗性向上の理由は、
下記の如くであると推定される。
【0030】初期においては、粒径が大きな樹脂滑剤
38の存在により、表面にウレタン塗膜40が存在して
おり、ガラスとの接触面積が小さくなり、低い摩擦係数
を達成できる(図4)。
【0031】ウレタン塗膜40が摩耗して樹滑剤3
8が露出した時点においては、耐摩耗性の良好な樹脂
滑剤(特に、ポリアミド)38上を、ガラスが滑り、塗
膜40の耐摩耗性向上に寄与する(図4)。
【0032】更に、樹脂滑剤38が摩耗してきても、
塗膜40であるウレタン塗料と滑剤38である極性樹脂
とが強固に接着しているため、樹脂製滑剤38が耐摩耗
性の大部を担い、塗膜40自体の摩耗量が小さくな
る。
【0033】上記塗膜の形成は、通常、上記ウレタン成
分(ポリエステルポリオール及びイソシアナート)、滑
剤成分の他に、分散剤、カーボンブラック、触媒等を塗
布直前に溶剤存在下で混ぜ合わせ、溶剤で適宜粘度に調
整して塗料を調製する。該塗料を、刷毛等により型成形
部の所要部位に塗布する。そして、その後、100℃以
下の温度で、例えば、80℃×5分の条件で乾燥・硬化
させる。
【0034】
【発明の作用・効果】本発明のガラス用ウェザストリッ
プは、上記の如く、型成形部におけるウレタン滑性層
が、ベースポリマーが、分子量1万〜9万のポリエステ
ルポリールをポリオール成分とし、100℃以下で硬
化可能で、プライマー含有の1コートタイプの塗料で形
成され、鉛筆硬度B以上H未満の範囲に調整されてなる
構成により下記の作用効果を奏するものである。
【0035】表面硬度が、押出部のそれと近く、滑り抵
抗(摩擦係数)にほとんど差がないため、滑り抵抗差が
小さいことに基づ、摩耗が促進されない。
【0036】また、シリコーン系プライマー含有の1コ
ートタイプの塗料を塗布したものと比べて、押出部と型
成形部との硬度差が小さいことに基づ、摩耗の促進、
さらには、塗膜の剥れ等の増大が促進されない。
【0037】更に、ウレタン樹脂と熱融着可能な極性
樹脂材料を樹脂製滑剤として含有させた場合は、耐摩耗
性の大部を、ウレタン塗自体より、通常、耐摩耗性
に優れ、かつ摩擦係数の小さな該樹脂製滑剤が担うた
め、ウレタン滑性層の耐摩耗性、即ち、耐久性が向上す
る。
【0038】また、極性樹脂材料設定粒径を大きくし
た場合は、上記傾向はより確実となり、更に、ウレタン
滑性の耐久性が向上するが、粒子径が40μmを超え
ると、外観上凹凸が目立ちやすい。
【0039】
【実施例】 (1)本発明の効果を確認するために、表示の各ウレタ
ン滑性塗膜形成用の、塗料を使用してEPDM基材上に
塗布(1コートまたは2コート)して、表示の条件で乾
燥硬化させた。各塗膜について、膜厚、動摩擦係数、及
び、塗膜硬さ(鉛筆硬度;但し、鉄板上塗膜について測
定)を測定するとともに、耐摩耗性試験を下記方法で行
った。なお、各ウレタン塗料自体の仕様強度物性も参考
のために付記する。
【0040】<耐摩耗性試験>摩耗試験機(染色堅牢度
試験用摩擦試験機;JIS L 0823)を用いて、
下記条件で行い、表面処理層が摩耗して、基材が露出す
るまでの往復摩耗回数を求めた。
【0041】ガラス摩耗子:幅20mm(下端R10m
m)、厚さ4mm(下端R2mm) 摩耗荷重:3kg、往復距離:140mm、往復スピー
ド:60往復/mi. (2)試験結果を示す表1から、本実施例においては、
硬度が2Bの比較例に比して格段に優れた耐摩耗性を示
すとともに、2コートの従来例の場合と、ほとんど変わ
らない耐摩耗性を示すことが分かる。
【0042】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用するガラス用ウェザストリップの
一例を示す概略斜視図
【図2】図1のA部における型成形部を示す斜視図
【図3】図2のB部における型成形部を示す斜視図
【図4】ウレタン滑性層の摩耗の経過状態を示す説明図
【符号の説明】 12 ルーフサイド側ガラスラン部(押出部) 14 前下ピラー側ガラスラン部(押出部) 16 後ピラー側ガラスラン部(押出部) 18 インナー部(押出部) 20 アウター部(押出部) 22 前型成形部 24 後型成形部 26 分岐型成形部 28、29、34 摺動リップ部 30 溝底摺動部 36 ウレタン滑性層
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 横井 宏 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 瀬木 真琴 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内 (72)発明者 辻 泰典 愛知県刈谷市一里山町金山100番地 トヨ タ車体株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出部に型成形部が型成形接続されてな
    り、ガラス接触部にウレタン滑性層が形成されてなるエ
    チレンプロピレン系ゴム製のガラス用ウェザストリップ
    であって、 型成形部におけるウレタン滑性層が、ベースポリマー
    が、分子量1万〜9万のポリエステルポリオールをポリ
    オール成分とし、100℃以下で硬化可能で、プライマ
    ー含有の1コートタイプの塗料で形成され、鉛筆硬さ
    で、B以上H未満の範囲に調整されてなることを特徴と
    するガラス用ウェザストリップ。
  2. 【請求項2】 前記ウレタン滑性層が、ウレタン系樹脂
    と熱融着可能な極性樹脂材料を樹脂製滑剤として含有す
    ることを特徴とする請求項1記載のガラス用ウェザスト
    リップ。
  3. 【請求項3】 前記樹脂製滑剤が設定粒径が、前記ウレ
    タン滑性層の塗膜厚より、5〜25μm大きいことを特
    徴とする請求項2記載のガラス用ウェザストリップ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6730360B2 (en) * 2001-04-05 2004-05-04 Robert Bosch Gmbh Lubricant varnish coating component, lubricant varnish and methods for coating elastomers such as windshield wiper blades
JP2007021943A (ja) * 2005-07-19 2007-02-01 Nakanishi Metal Works Co Ltd 密封材の製造方法
JP2011173547A (ja) * 2010-02-25 2011-09-08 Toyoda Gosei Co Ltd ウエザストリップの製造方法

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