JP3300577B2 - ゴム配合物、ゴム成形体及び該ゴム成形体の製造方法 - Google Patents

ゴム配合物、ゴム成形体及び該ゴム成形体の製造方法

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JP3300577B2
JP3300577B2 JP23149295A JP23149295A JP3300577B2 JP 3300577 B2 JP3300577 B2 JP 3300577B2 JP 23149295 A JP23149295 A JP 23149295A JP 23149295 A JP23149295 A JP 23149295A JP 3300577 B2 JP3300577 B2 JP 3300577B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ゴム配合物、ゴ
ム成形体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、有用なゴムとしての
3元共重合体型あるいは共重合体型のエチレンプロピレ
ンゴム(以下、単にEPRという。)は、耐候性や耐オ
ゾン性に優れることから、多用途に用いられてきてい
る。一方、かかるEPRの欠点として、耐磨耗性や潤滑
性に劣ることが挙げられる。そこで、かかる特性が特に
必要とされる用途においては、EPRの表面にポリウレ
タン塗料等をコーティングし塗膜を形成して表面改質が
行われていた。
【0003】しかし、EPRは、主鎖中に不飽和結合や
極性基を含まないため、ポリウレタン塗膜との密着性が
悪い。そこで、従来、両者の密着性を高めるために、ポ
リウレタン塗料とEPRとの間にプライマー(接着剤)
を塗布したり、あるいは、コーティング予定部位に中間
的にジエン系ゴム又は、ポリウレタン塗膜と密着性のあ
るEPR/ジエン系ゴムのブレンド材を被覆した後、ポ
リウレタン塗膜をコーティングしたりすることが行われ
ていた。さらには、EPRに極性を付与すべく種々の添
加材を配合することも行われていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のいずれの方法も、工程の複雑化、コストアップ、ある
いはEPRの基本特性を著しく損なう等の問題があっ
た。そこで、本発明の目的は、簡易に、表面に密着性良
くポリウレタン塗膜を形成することのできるゴム配合物
を提供することを目的とする。また、本発明は、簡易
に、密着性良くポリウレタン塗膜が形成されたゴム成形
体を提供することを目的とする。さらに、本発明は、簡
易に、密着性良く塗膜が形成されたゴム成形体を製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために本発明者らは、以下の発明を完成した。すなわ
ち、請求項1に記載の発明は、表面にポリウレタン塗膜
を形成するゴム成形体を得るためのゴム配合物であっ
て、
【化5】 〔式中、R1 は、二重結合を含み、加硫性を有する環状
炭化水素基、R2 は、水酸基を1個以上有する脂肪族炭
化水素基,nは1以上の整数を表す〕で表されるポリエ
ステルポリオールを含有するゴム配合物である。請求項
2記載の発明は、以下の式
【化6】 〔式中、R1 は、二重結合を含み、加硫性を有する環状
炭化水素基、R2 は、水酸基を1個以上有する脂肪族炭
化水素基,nは1以上の整数を表す〕で表されるポリエ
ステルポリオールを含有するゴム配合物である。請求項
3記載の発明は、エチレンプロピレンゴムを得る成分、
3元共重合体型のエチレンプロピレンジエンゴムを得る
成分、あるいは、3元共重合体型のエチレンプロピレン
ジエンゴムとスチレンブタジエンゴムのポリマーブレン
ドを得る成分を含有する請求項1又は2記載のゴム配合
物である。請求項4記載の発明は、前記ポリエステルポ
リオール、前記ゴム配合物におけるゴム成分100重
量部に対して2〜30重量部含有する請求項1又は2に
記載のゴム配合物である。請求項5記載の発明は、前記
ポリエステルポリオールは、平均分子量3,000〜8
0,000、水酸基価は、50〜120mgKOH/g
である請求項1又は2に記載のゴム配合物である。請求
項6記載の発明は、前記ポリウレタン塗膜は、無溶剤系
の2液タイプのポリウレタン塗料の付与により形成され
ている請求項1に記載のゴム配合物。請求項7記載の発
明は、前記ゴム配合物は、有機すず系安定剤を含有する
請求項1又は2に記載のゴム配合物である。請求項8記
載の発明は、ゴム成分として、3元共重合体型エチレン
プロピレンジエンゴムを得る成分を含む、請求項7記載
のゴム配合物。請求項9記載の発明は、前記R2によっ
て供給される水酸基は、ポリエステルポリオールの側鎖
に備えられる、請求項1〜8のいずれかに記載のゴム配
合物である。請求項10記載の発明は、ゴム成形体であ
って、このゴム成形体には、式
【化7】 〔式中、R1 は、二重結合を含み、加硫性を有する環状
炭化水素基、R2 は、水酸基を1個以上有する脂肪族炭
化水素基,nは1以上の整数を表す〕で表されるポリエ
ステルポリオールが含まれているゴム成形体である。請
求項11記載の発明は、請求項10記載のゴム成形体で
あって、前記ポリエステルポリオールのR1中の加硫性
基においてゴム成分と結合されている、ゴム成形体であ
る。請求項12記載の発明は、請求項10又は11記載
のゴム成形体であって、表面にポリウレタン塗膜を有
し、ポリエステルポリオールのR1中の加硫性基におい
てゴム成分と結合されている、および/またはポリエス
テルポリオール中のR2の水酸基は、イソシアネート基
と反応して化学結合を形成している、ゴム成形体であ
る。請求項13記載の発明は、請求項1〜請求項9いず
れかに記載のゴム配合物を成形し、この成形体の表面に
ポリウレタン塗膜を付与し、その後、この成形体が加硫
あるいは架橋されることによって製造される、ゴム成形
体である。請求項14記載の発明は、表面にポリウレタ
ン塗膜を形成したゴム成形体の製造方法であって、前記
ゴム成形体をなすゴムには、式
【化8】 〔式中、R1 は、二重結合を含み、加硫性を有する環状
炭化水素基、R2 は、水酸基を1個以上有する脂肪族炭
化水素基、nは1以上の整数を表す〕で表されるポリエ
ステルポリオールが配合されたゴム配合物で、このゴム
配合物を押出し成形してゴム成形体を得、成形されたゴ
成形体の表面にポリウレタン塗料を塗布した後に、こ
の成形体を加熱することにより加硫あるいは架橋させる
とともに前記ポリウレタン塗料を硬化させ、かつ成形体
表面に密着させることを特徴とする表面にポリウレタン
塗膜を形成した成形体の製造方法である。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の発明の実施の形態
について詳細に説明する。本発明は、ゴム配合物の成形
体とその表面へ付与されるポリウレタン塗膜との密着性
を改善するものであり、その手段として、ゴム配合物に
ポリエステルポリオールを含有させようとするものであ
る。本発明におけるゴム配合物は、特に種類を問わない
が、表面にポリウレタン塗料等で塗膜を形成することに
より、耐磨耗性・潤滑性等が改善されるようなゴム成形
体のためのゴム配合物に有用である。ここに、本発明に
有用なゴム配合物としては、具体的には、エチレンプロ
ピレンゴム(EPR)をなすためのゴム配合物(以下、
EPR配合物という。)がある。EPRとは、エチレン
プロピレンゴムの総称であり、このゴムをなすゴム配合
物の成分としては、エチレンプロピレンモノマー(EP
M)、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)
に分類される。EPMは、エチレンとプロピレンとの共
重合体をなすものであり、EPDMは、エチレンとプロ
ピレンと第3成分ジエンモノマー(例えば、エチリデン
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサ
ジエン)との共重合体、すなわち、3元共重合体型のエ
チレンプロピレンジエンゴムをなすものである。なお、
EPR配合物は、これらの共重合ゴムのうち二種類以上
の共重合ゴム成分を配合していてもよい。
【0007】EPRは、耐候性や耐オゾン性に優れるた
め、EPRのみをゴム成分とするゴム成形体をなすゴム
配合物が好適であり、また、なかでも、3元重合体型の
エチレンプロピレンジエンゴムをなすゴム配合物がより
好ましい。なお、EPR配合物としては、EPRのみを
ゴム成形体のゴム成分とした配合材料のほか、これらの
EPRの物性を損なわない範囲で他のゴム成分、すなわ
ち、天然ゴム(NR)、スチレンブタジエン共重合ゴム
(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR),あるいはブ
チルゴム(IIR)等を配合したポリマーブレンドであ
ってもよい。なかでも、3元共重合体型エチレンプロピ
レンジエンゴムとSBRのポリマーブレンドのゴム成形
体をなすゴム配合物が好ましい。
【0008】このようなゴム配合物には、通常ゴム用配
合剤として使用されるカーボンブラック、炭酸カルシウ
ムなどの補強剤、充填剤、さらには軟化剤、各種の架橋
剤、架橋促進剤等の各種添加剤の他、ポリエステルポリ
オールを配合することができる。
【0009】ここに、ポリエステルポリオールとは、式
【化9】 〔式中、R1 は、二重結合を含み、加硫性を有する環状
炭化水素基、R2 は、水酸基を1個以上有する脂肪族炭
化水素基,nは1以上の整数を表す〕で表現されるもの
であり、R1 は、二重結合を含んでゴム配合物中のゴム
成分と同様に加硫可能な加硫性基であり、加硫可能であ
ることにより、ゴムの加硫あるいは架橋時に、同様に加
硫あるいは架橋され、ゴム成分と結合される。具体的に
は、ノルボルネン系単量体や、この単量体の、アルキ
ル、アルキリデン、芳香族置換誘導体や、この単量体
の、水酸基、エステル基、アミド基等の極性基置換体等
の環状ジエン化合物系の有機官能基、さらには、ノルボ
ルネン系単量体や、この芳香族置換誘導体や、この極性
置換体から誘導され、あるいは変性された環状ジエン化
合物系の有機官能基を挙げることができる。また、ジシ
クロペンタジエンの多量体や、この多量体のアルキル、
アルキリデン、芳香族置換誘導体や、この多量体の水酸
基、エステル基、アミド基等の極性基置換体等の環状ジ
エン化合物系の有機官能基、さらには、ジシクロペンタ
ジエンの多量体や、この芳香族置換誘導体や、この極性
基置換体から誘導され、あるいは変性された環状ジエン
化合物系の有機官能基を挙げることができる。
【0010】R2 は、イソシアネート基と反応性のある
水酸基を有する脂肪族炭化水素基であり、ポリウレタン
塗料のイソシアネート基と反応する。R2 としては、水
酸基を複数個有することが、ポリウレタン塗料との反応
性の点から好ましい。また、イソシアネート基との反応
性の点から、水酸基が、ポリエステルポリオールの主鎖
でなく、側鎖に位置されるような脂肪族炭化水素基が好
ましい。また、R2 は、ゴム成形時におけるゴム成分と
の相溶性を確保するためには、高級脂肪族系の炭化水素
基であることが好ましい。なお、R1 及びR2 とも、一
種類あるいは二種類以上の有機官能基を組み合わせて使
用してもよい。
【0011】ポリエステルポリオールとして、好ましく
は、水酸基価が50〜120mgKOH/gであり、よ
り好ましくは60〜100mgKOH/gである。水酸
基価が50未満であると、塗料との密着性が不十分であ
り、120を越えると、分子量35000以上のポリエ
ステルポリオールが製造上困難であるからである。
【0012】また、平均分子量は、3000以上800
00以下であり、好ましくは、3000以上35000
以下が良い。3000より少なくては、ゴム成形体への
アンカー効果がなくなって密着力が低下し、35000
を越えると、共加硫性を損なう恐れがあるからである。
なお、平均分子量は、浸透圧、光の散乱、拡散係数、沈
降速度、粘性率の測定に基づき、あるいは、超遠心分離
法やゲル浸透クロマトグラフィー法等により求めること
ができる。
【0013】かかるポリエステルポリオールをゴム配合
物に配合する場合には、ゴム成分100重量部に対して
2〜30重量部配合するのが好ましい。添加するポリエ
ステルポリオールが2重量部未満では、塗膜密着力が不
足し、30重量部を越えるとロール加工性が悪くなるか
らである。また、より好ましくは、下限が5重量部以上
であり、また、上限は10重量部以下である。
【0014】本発明のゴム配合物によって得られるゴム
成形体に形成されることのあるポリウレタン塗膜は、硬
化塗膜中にウレタン結合を有する塗膜をいう。このよう
なポリウレタン塗膜を形成するポリウレタン塗料の種類
としては、ポリエーテルポリオールもしくはポリエステ
ルポリオールを用いたポリウレタン塗料、アクリルポリ
オールを用いたアクリルウレタン塗料を用いることがで
きる。また、塗料の形態としては、溶剤型、無溶剤型、
水系、ホットメルト系等の1液、あるいは2液反応タイ
プを挙げることができる。本発明の塗膜を形成するもの
としては、無溶剤系の2液反応タイプが好ましい。溶剤
を含まないため、作業環境上好ましいからである。
【0015】また、本発明のゴム配合物には、成形体表
面とポリウレタン塗膜の密着性を高めるために、有機す
ず系安定剤を配合することができる。ここに、有機すず
系安定剤とは、4価のすず(Sn)の有機化合物であ
り、式
【化10】Xm SnY4-m 〔式中、mは1、2、3又は4であり、Xはアルキル
基、Yはカルボニル基、ハロゲン原子、又はアルキルチ
オ基を表す〕で表されるものを挙げることができる。
【0016】有機すず系安定剤は、イソシアネート基の
反応性を高めて水酸基との反応を促進することにより、
架橋を促進する触媒である。したがって、ゴム配合物中
に含めることにより、ポリウレタン塗膜における硬化を
促進するとともに、ポリウレタン塗料中のイソシアネー
ト基とポリエステルポリオール中のR2 の水酸基との反
応を促進し、結果的に、ゴム成形体とポリウレタン塗膜
の密着性を向上させることができる。、前記式において
Xは、ブチル基や、n−オクチル基が好ましい。このよ
うな有機すず系安定剤としては、ジ−n−オクチルスズ
ジラウレート、n−ブチルスズトリクロライドやトリエ
チルスズイソプロピルメルカプチド等を挙げることがで
きる。また、本発明の有機すず系安定剤としては、ジメ
チルスズスルフィド等のジアルキルスズスルフィドや、
同様に、ジ−n−ブチルスズオキシド等のジアルキルス
ズオキシドを挙げることもできる。
【0017】ゴム成形体とポリウレタン塗料との極性の
差が大きく濡れ性が悪い場合に、有機すず系安定剤をゴ
ム配合物に添加しておくと、濡れ性が改善され、ゴム成
形体界面でのゴム成形体とポリウレタン塗料との十分な
分子間相互作用が発揮され、イソシアネート基と水酸基
との反応が十分に進行する。特に、ゴム配合物が3元共
重合体型エチレンプロピレンジエンゴムをなすものであ
り、これに対して無溶剤系のポリウレタン塗料を用いる
場合には、有機すず系安定剤のゴム配合物への添加が有
用である。
【0018】また、有機すず系安定剤のゴム配合物への
配合量は、ゴム成分100重量部に対して、0.2〜1
0重量部が好ましい。0.2重量部より少ないと、塗膜
密着力向上に効果なく、10重量部を越えては、加硫速
度が遅くなり、ゴム成形体の引張強度が低下するからで
ある。
【0019】このように配合したゴム配合物の成形体表
面にポリウレタン塗膜を形成するには、まず、均一に混
練されたゴム配合物を所定の形状に成形し、その表面に
ポリウレタン塗料を付与する。ゴム成分とポリエステル
ポリオールや有機すず系安定剤等の、他の添加材等は、
通常のゴム混練法、例えば、バンバリーミキサー、2本
ロールなどを用いて混合することができる。得られたゴ
ム配合物は、周知の方法、例えば圧縮成形、押出成形、
射出成形などにより、成形する。
【0020】ポリウレタン塗料は、流し塗り、刷毛塗
り、ローラ塗り、浸漬塗り、スプレー塗り等の公知の方
法を用いて、成形後加硫等前のゴム配合物の成形体表面
に付与することができる。なお、本発明においては、加
硫等前のゴム配合物の成形体表面への塗布量は、膜厚が
20〜100μmの範囲が好適である。20μm未満で
は、潤滑性能が低下し、100μmを越えるとコストメ
リットが低下するからである。
【0021】ポリウレタン塗膜の形成は、表面に塗料が
付与されたこのゴム配合物の成形体を加硫あるいは架橋
することによって行う。加硫あるいは架橋は、所定時
間、所定の温度でゴム配合物の成形体を加熱することに
より行う。この加硫等により、ゴム配合物の成形体で
は、配合物中の成分は加硫あるいは架橋され、ゴム成形
体を形成する。一方、かかる加熱によりゴム配合物に含
まれるポリエステルポリオール中の水酸基(R2の水酸
基)とポリウレタン塗料中のイソシアネート基が反応
し、化学結合(ウレタン結合)を形成する。また、ポリ
エステルポリオールの加硫性基(R1)においては、ゴ
ム成分と3次元架橋構造を形成し、ポリエステルポリオ
ールは、ゴム成形体の内部及び表面に強固に結合された
状態で存在する。すなわち、ポリエステルポリオールの
1において加硫され、ポリエステルポリオールのR2
水酸基においてウレタン結合を形成する。この結果、ポ
リウレタン塗膜は、ポリエステルポリオールの加硫時の
2つの化学反応を介して、ゴム成形体表面に密着される
ことになる。また、成形体表面の形状に倣って一体性よ
く接着されることになる。
【0022】このように、本発明においては、ゴム配合
物の成形後であって加硫前に、ゴム配合物の成形体表面
に塗料を付与して、その後の加硫あるいは架橋における
加熱により、ゴム成形体の形成と、塗膜の硬化と、塗膜
の成形体表面への密着とを同時に達成することができ
る。したがって、ポリウレタン塗料等の密着のためのプ
ライマーの導入等の工程を排除することができて、生産
工程の簡略化・短縮化が図られ、生産性が向上する。す
なわち、プライマーの付与等なくして、簡易に密着性の
良いポリウレタン塗膜がコーティングされたゴム成形体
を得ることができる。ゴム配合物中にポリウレタン塗膜
と密着性を発揮する材料を配合してなるため、成形体表
面において、均一にポリウレタン塗膜との密着性が発揮
され、成形体表面の形状に倣ってポリウレタン塗膜が均
一に密着される。さらに、凹凸部分や複雑形状な部分に
も、密着性よく塗膜が形成される。
【0023】ポリウレタン塗膜がコーティングされたゴ
ム成形体は、表面に潤滑性のある表層部分を有してお
り、車両等のガラスランやウエザーストリップさらに
は、建築目地材等、表面に潤滑性、耐磨耗性や意匠性等
を要求される部材に広く適用することができる。
【0024】
【発明の効果】本発明のゴム配合物によれば、ポリエス
テルポリオールが配合されているため、得られるゴム成
形体は、成形体表面でポリウレタン塗膜との密着性を発
揮しうる。
【0025】本発明のゴム成形体によれば、ゴム配合物
中に含まれるポリエステルポリオールにより、プライマ
ーの付与等なくポリウレタン塗膜がコーティングされて
なるため、簡易にしかも、ポリウレタン塗膜が均一にか
つ強固に表面に密着された成形体となっている。したが
って、確実に成形体表面に耐磨耗性や潤滑性を付与でき
るとともに、剥離や磨耗に抗してポリウレタン塗膜を維
持することができる。
【0026】本発明のゴム成形体の製造方法によれば、
ゴム配合物に、加硫あるいは架橋の際の加熱時にポリウ
レタン塗料と密着性を発揮するポリエステルポリオール
を配合してなるため、簡易かつ均一にゴム成形体表面に
ポリウレタン塗膜との十分な密着性を付与できるととも
に、加硫あるいは架橋工程の加熱により、ゴム成形体の
形成と同時に、ポリウレタン塗膜の硬化とゴム成形体の
表面への密着が同時に行われて、生産効率を向上させる
ことができる。
【0027】
【実施例】以下に、本発明を具現化した実施例につき説
明する。 (実施例1〜6)以下の実施例では、表1に従い、EP
Rの一つである3元共重合体型のエチレンプロピレンゴ
ムを形成するため、エチレンプロピレン非共役ジエンモ
ノマー(EPDM)をゴム成分として配合したゴム配合
物(実施例1〜6)を調製するとともに、同様に表1の
配合に従い、比較例1のゴム配合物を調製した。これら
の実施例及び比較例につき、ゴム工業において通常用い
られている方法、すなわち、オープンロール、バンバリ
ーミキサー、あるいはニーダー等の混合機を用いて常温
ないし180℃程度の温度範囲で均一に混合して、ゴム
配合物とした。なお、これらの実施例及び比較例で使用
したEPDMは、出光DSM(株)社製ケルタン450
2であり、ポリエステルポリオールは、日本ゼオン
(株)製DA2101であった。
【0028】こうして調製した実施例1〜6及び比較例
1について以下の項目につき、試験を行い、評価を行っ
た。 〔密着力試験〕図1に示す押し出し機(東洋精機製作所
製D−20−15型)より、押出温度60℃で押し出
し、断面が縦4mm、横幅17mmの帯状のゴムを押し
出し、その表面にウレタン塗料を刷毛塗り塗装した後、
220℃、6分のオーブンにて加硫させる。加硫したサ
ンプルを長さ80mmに切断し、ウレタン塗料塗装面に
瞬間接着剤にて綿布を貼り付け、1日放置する。その
後、サンプルを横幅10mmに切断し、図2に示すよう
に、オートグラフを用いてゴム成形体と綿布を引き剥が
して、密着強度(密着力)を測定した。
【0029】これらの試験結果を表1に併せて示す。各
成分の配合割合は、いずれも重量部で示す。
【表1】
【0030】実施例1においては、ポリエステルポリオ
ールをEPDM100重量部に対して2重量部配合する
ことにより、界面剥離とともに母材の一部砕破が観察さ
れ、比較例1に比して、母材たるゴム成形体との密着強
度が向上したことが確認できた。さらに、実施例2〜5
においては、ポリエステルポリオールの配合割合の増加
に伴って密着強度が増加され、実施例6においては、実
施例5と同程度の密着強度であった。
【0031】(実施例7〜12) 次に、ポリエステルポリオールの配合量をEPDM10
0重量部に対して10重量部で固定して、表2に示す配
合に従って有機すず系安定剤を変量させて有機すず系安
定剤の併用による密着強度の変化につき試験した。使用
した有機すず系安定剤は、三共有機合成株式会社性のSt
ann OMFであった。密着強度しけんは、実施例1〜6と
同様に行った。
【0032】
【表2】
【0033】表2の結果から明らかなように、実施例7
では、有機すず安定剤を0.2重量部添加することによ
り、ポリエステルポリオールを20重量部添加した場合
(実施例5)と同程度の密着強度が得られた。すなわ
ち、実施例7(ポリエステルポリオール10重量部添
加)においては、有機すず安定剤0.2重量部の添加
で、ポリエステルポリオール10重量部増量と同等の効
果があった。また、実施例8〜11において、有機すず
系安定剤は増量されたものの、密着強度は、実施例7と
同程度であった。この結果から、有機すず系安定剤は、
少量の配合で大きく密着強度を高めることができること
がわかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるゴム配合物の押出し工
程、加硫工程を実施する装置を示した図である。
【図2】本発明の実施例においてゴム成形体表面にコー
ティングしたポリウレタン塗膜の密着強度の測定方法を
示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/16 B32B 25/08 C08K 5/10 C09D 175/04

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面にポリウレタン塗膜を形成するゴム成
    形体を得るためのゴム配合物であって 式 【化1】 〔式中、R1 は、二重結合を含み、加硫性を有する環状
    炭化水素基、R2 は、水酸基を1個以上有する脂肪族炭
    化水素基,nは1以上の整数を表す〕 で表されるポリエステルポリオールを含有するゴム配合
    物。
  2. 【請求項2】以下の式 【化2】 〔式中、R1 は、二重結合を含み、加硫性を有する環状
    炭化水素基、R2 は、水酸基を1個以上有する脂肪族炭
    化水素基,nは1以上の整数を表す〕 で表されるポリエステルポリオールを含有するゴム配合
    物。
  3. 【請求項3】エチレンプロピレンゴムを得る成分、3元
    共重合体型のエチレンプロピレンジエンゴムを得る成
    分、あるいは、3元共重合体型のエチレンプロピレンジ
    エンゴムとスチレンブタジエンゴムのポリマーブレンド
    を得る成分を含有する請求項1又は2記載のゴム配合
    物。
  4. 【請求項4】前記ポリエステルポリオール、前記ゴム
    配合物におけるゴム成分100重量部に対して2〜30
    重量部含有する請求項1又は2に記載のゴム配合物。
  5. 【請求項5】前記ポリエステルポリオールは、平均分子
    量3,000〜80,000、水酸基価は、50〜12
    0mgKOH/gである請求項1又は2に記載のゴム配
    合物。
  6. 【請求項6】前記ポリウレタン塗膜は、無溶剤系の2液
    タイプのポリウレタン塗料の付与により形成されている
    請求項1に記載のゴム配合物。
  7. 【請求項7】前記ゴム配合物は、有機すず系安定剤を
    有する請求項1又は2に記載のゴム配合物。
  8. 【請求項8】ゴム成分として、3元共重合体型エチレン
    プロピレンジエンゴムを得る成分を含む、請求項7記載
    のゴム配合物。
  9. 【請求項9】前記R2によって供給される水酸基は、ポ
    リエステルポリオールの側鎖に備えられる、請求項1〜
    8のいずれかに記載のゴム配合物。
  10. 【請求項10】ゴム成形体であって、 このゴム成形体には、 式 【化3】 〔式中、R1 は、二重結合を含み、加硫性を有する環状
    炭化水素基、R2 は、水酸基を1個以上有する脂肪族炭
    化水素基,nは1以上の整数を表す〕 で表されるポリエステルポリオールが含まれているゴム
    成形体。
  11. 【請求項11】請求項10記載のゴム成形体であって、
    前記ポリエステルポリオールのR1中の加硫性基におい
    てゴム成分と結合されている、ゴム成形体。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載のゴム成形体で
    あって、 表面にポリウレタン塗膜を有し、 ポリエステルポリオールのR1中の加硫性基においてゴ
    ム成分と結合されている、および/またはポリエステル
    ポリオール中のR2の水酸基は、イソシアネート基と反
    応して化学結合を形成している、ゴム成形体。
  13. 【請求項13】請求項1〜請求項9いずれかに記載のゴ
    ム配合物を成形し、この成形体の表面にポリウレタン塗
    膜を付与し、その後、この成形体が加硫あるいは架橋さ
    れることによって製造される、ゴム成形体。
  14. 【請求項14】表面にポリウレタン塗膜を形成したゴム
    成形体の製造方法であって、 前記ゴム成形体をなすゴムには、 式 【化4】 〔式中、R1 は、二重結合を含み、加硫性を有する環状
    炭化水素基、R2 は、水酸基を1個以上有する脂肪族炭
    化水素基、nは1以上の整数を表す〕 で表されるポリエステルポリオールが配合されたゴム配
    合物で、 このゴム配合物を押出成形してゴム成形体を得、 成形されたゴム成形体の表面にポリウレタン塗料を塗布
    した後に、 この成形体を加熱することにより加硫あるいは架橋させ
    るとともに前記ポリウレタン塗料を硬化させ、かつ成形
    表面に密着させることを特徴とする表面にポリウレタ
    ン塗膜を形成したゴム成形体の製造方法。
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