JPH1016590A - 操作装置及び車両用動力伝達装置の切換え操作装置 - Google Patents

操作装置及び車両用動力伝達装置の切換え操作装置

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JPH1016590A
JPH1016590A JP8176885A JP17688596A JPH1016590A JP H1016590 A JPH1016590 A JP H1016590A JP 8176885 A JP8176885 A JP 8176885A JP 17688596 A JP17688596 A JP 17688596A JP H1016590 A JPH1016590 A JP H1016590A
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shaft
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貴久 丹羽
Yoshihiro Ikushima
嘉大 生島
Yuichi Nochida
祐一 後田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で且つコンパクトな操作装置及び
この操作装置を使用した車両用動力伝達装置の切換え操
作装置を提供する。 【解決手段】 4WD用トランスファ装置の切換え操作
装置であるシフトアクチュエータ60は、往復直線運動
するメインシフトレール210、このメインシフトレー
ク210に対して平行にして配置され、シフトフォーク
58,84をそれぞれ有したサブシフトレール212,
214と、メインシフトレーク210と各サブシフトレ
ールとの間を接続するラック・ピニオン機構とを備えて
おり、ラック・ピニオン機構のピニオンは、メインシフ
トレール210の平坦面241,243と協働して、そ
の回転を阻止する欠歯部をそれぞれ有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、単一の駆動源に
より複数の従動操作部材を独立して作動可能とした操作
装置及び車両用動力伝達装置、特に、4輪駆動型車両の
トランスファ装置に好適した切換え操作装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】この種の4輪駆動用トランスファ
装置に適用される切換え操作装置としては、例えば特公
平8-14309号公報に開示されている。この公知の切換え
操作装置は、モータにより駆動される単一のドラム部材
を備えており、このドラム部材の外周面には第1及び第
2カム溝がそれぞれ形成されている。一方、ドラム部材
の両側にはその軸線と平行にして第1及び第2シフトロ
ッドが往復動自在に配置されており、これらシフトロッ
ドには、トランスファ装置の駆動モードを切換える第1
及び第2シフトフォークにとともに、ドラム部材の対応
するカム溝に嵌合するピン状のカムフォロアがそれぞれ
取り付けられている。
【0003】上述した切換え操作装置によれば、ドラム
部材の回転に伴い、その第1及び第2カム溝及びカムフ
ォロアによって第1及び第2シフトロッド、即ち、第1
及び第2シフトフォークが関連してシフトされ、これに
より、トランスファ装置の駆動モードの切換えが可能と
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】公知の切換え操作装置
は、ドラム部材の回転を第1及び第2シフトロッド(第
1及び第2シフトフォーク)のシフト動作に変換するカ
ム機構を採用しているため、そのカム機構、つまり、ド
ラム部材の第1及び第2カム溝の形状が複雑になり、ま
た、その加工も容易ではない。
【0005】また、カム機構の採用により、ドラム部材
の軸線上を避けて第1及び第2シフトロッドを互いに平
行に配置せざるを得ず、その装置全体が大形化すること
になる。この発明は、簡単な構造で且つコンパクトな操
作装置及びこの操作装置を使用した車両用動力伝達装置
の切換え操作装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、この発明に
よって達成され、請求項1の操作装置は、直線的に往復
動可能な単一の駆動部材と、駆動部材が第1移動範囲内
で往復動するとき、駆動部材に係合して駆動される第1
従動操作部材と、駆動部材が第2移動範囲内で移動する
とき、駆動部材に係合して駆動される第2従動操作部材
とを備えている。
【0007】上述した請求項1の操作装置によれば、駆
動部材の往復直線運動が第1及び第2従動操作部材に独
立して伝達される。請求項2の操作装置は、往復直線運
動可能にして設けられ、少なくとも1つの駆動ラック部
を有する単一の駆動部材と、駆動部材が第1移動範囲内
で往復動するとき、駆動ラック部と噛み合って回転され
る第1ピニオンと、駆動部材が第2移動範囲内で移動す
るとき、駆動ラック部と噛み合って回転される第2ピニ
オンと、駆動部材との間に前記第1ピニオンを挟み且つ
駆動部材と平行にして往復動自在に支持され、第1ピニ
オンと噛み合う従動ラック部を有した第1従動操作部材
と、駆動部材との間に第2ピニオンを挟み且つ駆動部材
と平行にして往復動自在に支持され、第2ピニオンと噛
み合う従動ラック部を有した第2従動操作部材とを備え
ている。
【0008】請求項2の操作装置によれば、駆動部材往
復直線運動は、ラック・ピニオン機構を介して第1及び
第2従動操作部材の独立した往復直線運動に変換され
る。請求項3の操作装置は、請求項2の操作装置に第1
及び第2ストッパ手段が付加されており、第1ストッパ
手段は、駆動部材が第2移動範囲を往復動するとき、第
1ピニオンの回転を阻止し、第2ストッパ手段は、駆動
部材が第1移動範囲を往復動するとき、第2ピニオンの
回転を阻止する。
【0009】請求項3の操作装置によれば、駆動部材が
第1又は第2移動範囲内で往復動するとき、第2又は第
1ピニオンはその回転が阻止され、第2又は第1従動操
作部材が不所望にして往復動することはない。また、好
ましくは、各ストッパ手段は、ピニオンに形成された欠
歯部と、駆動部材にラック部に連なって形成され、前記
ピニオンの歯先を当接させて前記ピニオンの回転を阻止
する平坦面とからなっている。即ち、駆動部材の往復動
により、第1及び第2ピニオンの欠歯部が駆動部材の対
応する平坦面に対向したとき、その回転が阻止される。
【0010】請求項4の車両用動力伝達装置の切換え操
作装置は、請求項1又は2に記載の操作装置を使用し、
操作装置の駆動部材を往復動させる駆動手段と、第1及
び第2従動操作部材のそれぞれと連動して、動力伝達装
置の駆動モードを切り換える第1及び第2切換え部材と
を備えている。請求項4の切換え操作装置によれば、駆
動部材の往復直線運動が第1及び第2従動操作部材を介
して第1及び第2切換え部材の独立した往復直線運動に
伝達される。
【0011】
【発明の実施の形態】図1及び図2を参照すると、フロ
ントエンジン後輪駆動(FR)タイプの4輪駆動の車両
が概要的に示されている。この車両はエンジン2を備え
ており、エンジン2は変速機4を介して4WD用のトラ
ンスファ装置6、つまり、その入力軸8に接続されてい
る。トランスファ装置6の詳細は後述するが、トランス
ファ装置6は入力軸8の駆動力が伝達される後輪側出力
軸10及び前輪側のトランスファスプロケット12を有
しており、後輪側出力軸10はリアプロペラシャフトを
介して後輪デファレンシャル装置(後輪デフ)14に接
続されている。後輪デフ14からは左右一対の後車軸が
延び、これら後車軸に左右の後輪RWがそれぞれ接続さ
れている。一方、トランスファスプロケット12からは
フロントプロペラシャフト16が延びており、フロント
プロペラシャフト16は前輪デファレンシャル装置(前
輪デフ)18に接続されている。前輪デフ18からは左
右一対の前車軸が延び、これら前車軸に左右の前輪FW
がそれぞれ接続されている。
【0012】図1でみて、右前車軸はその途中にて分割
され、分割端のそれぞれにクラッチギヤ20,22が取
り付けられている。図1に示す状態では、クラッチギヤ
20,22はカップリングスリーブ24により相互に連
結されている。つまり、カップリングスリーブ24はそ
の内周面にクラッチギヤ20,24と噛み合い可能な内
歯が形成され、その内歯がクラッチギヤ20,24の双
方と噛み合っている。この場合、分割された右前車軸は
一体にして回転することができる。
【0013】カップリングスリーブ24は車体側の図示
しない支持部材に対し、右前車軸の軸線方向に摺動自在
に支持されている。カップリングスリーブ24のフォー
ク溝にはシフトフォーク26のフォーク先端が嵌合され
ており、シフトフォーク26の基端はバキュームアクチ
ュエータ28の出力ロッド30に連結されている。バキ
ュームアクチュエータ28はそのハウジング内を負圧室
32と大気室とに区画するダイヤフラムを備えており、
このダイヤフラムに出力ロッド30が接続されている。
負圧室32には、図示しない電磁切換えバルブにより大
気又は負圧が選択的に供給可能となっており、また、負
圧室32には復帰ばね34が収容されている。負圧室3
2に大気が供給されているとき、復帰ばね34はダイヤ
フラムを介して出力ロッド30を一方向に付勢してお
り、カップリングスリーブ24を通常のロック位置、つ
まり、クラッチギヤ20,24を相互に連結する位置に
位置付けている。これに対し、負圧室32に負圧が供給
されると、この負圧は復帰ばね34の付勢力に抗してダ
イヤフラムを引き付け、出力ロッド30を図1でみて左
側に押し出す。従って、カップリングスリーブ24はロ
ック位置からフリー位置にシフトされ、クラッチギヤ2
0,22間の接続が断たれる結果、左前輪FWは前輪デ
フ18から分離される。なお、バキュームアクチュエー
タ28の負圧室にはエンジン2の吸気系から前述した電
磁切換えバルブを介して供給される。 トランスファ装置:トランスファ装置6は、変速機4の
出力軸に接続された入力軸8と、この入力軸8と同軸上
に位置した中間軸36とを備えている。入力軸8及び中
間軸36はトランスファ装置6のトランスファケース側
に互いに独立して回転自在に支持されている。入力軸8
と中間軸36との間には副変速機構38が配置されてい
る。詳しくは、副変速機構38は一対のクラッチギヤ4
0,42を有しており、これらクラッチギヤ40,42
は入力軸8及び中間軸36の互いに対向する端部にそれ
ぞれ取り付けられている。クラッチギヤ40,42は入
力軸8及び中間軸36と一体に回転する。また、中間軸
36はクラッチギヤ44を回転自在に支持しており、ク
ラッチギヤ44にはローギヤ46が同軸且つ一体にして
備えられている。ローギヤ46はカウンタギヤ48に噛
み合っており、カウンタギヤ48はカウンタシャフト5
0の一端に取り付けられている。カウンタシャフト50
は入力軸8及び中間軸36と並列にして配置され、トラ
ンスファケース側に回転自在に支持されている。カウン
タシャフト50の他端は、一対のギヤ52,54を介し
て入力軸8に接続されている。従って、入力軸8の回転
は、一対のギヤ52,54、カウンタシャフト50及び
カウンタギヤ48を介してローギヤ46に伝達される。
また、ギヤ52の歯数は、ギヤ54の歯数より少なく、
ローギヤ46の歯数はカウンタギヤ48の歯数よりも多
く設定されている。つまり、カウンタシャフト50は入
力軸8の回転より増速されて回転し、ローギヤ46はカ
ウンタシャフト50の回転より減速して回転される。
【0014】クラッチギヤ40,42,44の外側に
は、前述したカップリングスリーブ24と同様な構成の
カップリングスリーブ56(第1切換え部材)が配置さ
れており、カップリングスリーブ56は、入力軸8及び
中間軸36に沿って摺動自在に支持されている。図1に
示す状態では、カップリングスリーブ56はクラッチギ
ヤ40,42に噛み合い、これらクラッチギヤ40,4
2を相互に連結した位置(ハイギヤ位置)に位置付けら
れている。この場合、入力軸8はクラッチギヤ40,4
2を介して中間軸36に接続され、入力軸8の回転は中
間軸36に直接的に伝達される。これに対し、カップリ
ングスリーブ56がハイギヤ位置から図1でみてクラッ
チギヤ44側にシフトされると、カップリングスリーブ
56はクラッチギヤ42,44を相互に連結する位置
(ローギヤ位置)に位置付けられる。つまり、ローギヤ
位置のカップリングスリーブ56は、クラッチギヤ4
0,42間の接続を断つ一方、クラッチギヤ42,44
に噛み合い、これらクラッチギヤ42,44間を相互に
接続する。この場合、入力軸8の回転は、カウンタシャ
フト50側からカウンタギヤ48、ローギヤ46、クラ
ッチギヤ44,カップリングスリーブ56およびクラッ
チギヤ42を介して中間軸36に減速して伝達される。
【0015】カップリングスリーブ56にもシフトフォ
ーク58が係合されており、このシフトフォーク58は
電動型のシフトアクチュエータ60により往復動可能と
なっている。シフトアクチュエータ60に関しては後述
する。中間軸36は、遊星歯車型のセンタデファレンシ
ャル装置(センタデフ)62を介して後輪側出力軸10
に接続されている。詳しくは、センタデフ62はリング
ギヤからなるデフケース64と、このデフケース64に
複数の遊星ギヤ66を介して噛み合うサンギヤ68と、
遊星ギヤ66を回転自在に支持するキャリア70とを備
えており、このキャリア70には中間軸36の他端が同
軸にして連結され、そして、デフケース64から後輪側
出力軸10が同軸にして延びている。センタデフ62の
サンギヤ68は、インナスリーブ軸72の一端に取り付
けられており、このインナスリーブ軸72は中間軸36
上に回転自在に支持されている。センタデフ62は、中
間軸36からの回転入力つまり駆動力を前輪FWへの出
力部材であるインナスリーブ軸72及び後輪RWへの出
力部材であるデフケース64にそれぞれ伝達することか
でき、この場合、センタデフ62のギヤ比は、駆動力配
分を前輪FW側が30%、後輪RW側が70%となるよ
うに設定されている。
【0016】センタデフ62のインナスリーブ軸72は
入力軸8に向けて延び、その他端にクラッチギヤ74が
取り付けられている。更に、インナスリーブ軸72上に
はアウタスリーブ軸76が回転自在に支持されており、
アウタスリーブ軸76はセンタデフ62側からインナス
リーブ軸72のクラッチギヤ74に向けて延びている。
クラッチギヤ74側に位置したアウタスリーブ軸76の
端部にはクラッチギヤ78が取り付けられており、ま
た、中間軸36にはクラッチギヤ78との間に、インナ
スリーブ軸72のクラッチギヤ74を挟むようにしてク
ラッチギヤ80が取り付けられている。
【0017】クラッチギヤ74,78,80の外側に
は、カップリングスリーブ82(第2切換え部材)が配
置されており、カップリングスリーブ82は中間軸36
の軸線方向に摺動自在にして支持されている。カップリ
ングスリーブ82はその内周面に周溝を有し、その内歯
は2つの部分に分離されている。図1に示す状態にある
とき、カップリングスリーブ82はクラッチギヤ74,
78に噛み合い、これらクラッチギヤ74,78を互い
に連結した位置(フルタイム4WD位置)に位置付けら
れている。このとき、クラッチギヤ80はカップリング
スリーブ82の周溝内に位置しており、これらクラッチ
ギヤ80とカップリングスリーブ82との間の噛み合い
は解除されている。カップリングスリーブ82がフルタ
イム4WD位置からクラッチギヤ80側にシフトしてク
ラッチギヤ74,80に噛み合う位置(2WD)位置に
位置付けられると、これらクラッチギヤ74,80を互
いに連結する一方、クラッチギヤ74,78間の連結を
断つ。これに対し、カップリングスリーブ82がフルタ
イム4WD位置から逆方向にシフトしてクラッチギヤ7
4,78,80の全てに同時に噛み合う位置(直結4W
D位置)に位置付けられると、これらを相互に連結す
る。カップリングスリーブ82もまたシフトフォーク8
4に係合されており、このシフトフォーク84は後述す
るシフトアクチュエータ60により往復動される。
【0018】前述したアウタスリーブ軸76には前輪F
W側への出力スプロケット85が取り付けられており、
出力スプロケット85と前述したトランスファスプロケ
ット12との間に駆動チェーン86が掛け回されてい
る。更に、アウタスリーブ軸76とセンタデフ62のデ
フケース64との間には、油圧多板クラッチ88が配置
されており、油圧多板クラッチ88は油圧ポンプを内蔵
した電磁制御型のバルブボディ90に液圧的に接続され
ている。油圧多板クラッチ88はバルブボディ90から
供給される油圧、即ち、クラッチ圧の大きさに応じてア
ウタスリーブ軸76とデフケース64との間の接続を断
続するとともに、デフケース64からアウタスリーブ軸
76へのトルク伝達を可変することができる。また、バ
ルブボディ90は、前述したカウンタシャフト50の回
転により油圧を発生するオイルポンプ92からの油圧を
油圧多板クラッチ88に供給する。なお、バルブボディ
90の詳細に関しては後述する。
【0019】バルブボディ90、バキュームアクチュエ
ータ28のための電磁切換えバルブ及びシフトアクチュ
エータ60は、電子コントロールユニット(ECU)9
4からの制御信号を受けて、それらの作動が制御される
ものとなっており、その制御のため、図2に示されてい
るようにECU94には各種のセンサやスイッチ、ま
た、インジケータなどが電気的に接続されている。詳し
くは、センサには、車体の前後加速度(前後G)を検出
する前後Gセンサ96、エンジン2におけるスロットル
バルブの開度を検出するスロットル開度センサ98、ス
テアリングハンドルのハンドル角を検出するハンドル角
センサ100、車速を検出する車速センサ102及び回
転速度センサ104,106,108等がある。
【0020】回転速度センサ104は右前輪FW近傍の
右前車軸に取り付けた検出用ギヤ110の回転数から前
輪FWの回転速度を検出し、回転速度センサ106はト
ランスファスプロケット12の回転数からトランスファ
装置6の出力回転速度を検出し、そして、回転速度セン
サ108は副変速機構38のカウンタギヤ48の回転数
からトランスファ装置6への入力回転速度を検出するも
のとなっている。
【0021】ECU94に接続されるスイッチとして
は、ブレーキペダルに設けられたブレーキスイッチ11
2、シフトアクチュエータ60の作動状態を検出するト
ランスファ(T/F)ポジションスイッチ114、駆動モー
ド切換えスイッチ115などがある。駆動モード切換え
スイッチ115は、車室のインストルメントパネルに配
置された手動型のロータリスイッチであり、2WDを示
す2H位置、オートモードを示すAUTO位置、ハイ直結4W
Dを示す4HLc位置及びロー直結4WDを示す4LLc位置の
4つの切換え位置を有し、その切換え位置に対応した信
号をEUC94に出力する。更に、図1に示されている
ようにインストルメントパネルには駆動モード切換えス
イッチ115の近傍に4WDインジケータ116が組み
込まれており、4WDインジケータ116は駆動モード
切換えスイッチ115により選択された切換え位置に対
応したトランスファ装置6の駆動モードを表示可能とな
っている。なお、駆動モード切換えスイッチ115がAU
TO位置に切換えられている場合にあってはその時点にて
自動切換えにより選択された駆動モードが表示される。
【0022】トランスファポジションスイッチ114に
関してはシフトアクチュエータ60とともに後述する。
更に、ECU94にはエンジン2の出力トルク情報もま
た供給されており、この出力トルク情報は、エンジン2
の回転速度、スロットル開度及び燃料の供給量等に基づ
いて算出されている。 車速センサ:以下、前述した車速センサ102に関し、
図3を参照しながら詳述する。
【0023】トランスファ装置6の後輪側出力軸10に
はリアプロペラシャフト端部のスリーブヨーク118が
接続されているが、このスリーブヨーク118は後輪側
出力軸10にスプライン係合される一方、トランスファ
装置6のハウジングには滑り軸受を介して支持されてい
る。それ故、車両の加減速に伴い、後車軸が前後動して
も、その前後動は後輪側出力軸10に対し、スリーブヨ
ーク118が摺動することで吸収される。
【0024】後輪側出力軸10の外側には同心にしてリ
ング部材120が配置されており、リング部材120は
後輪側出力軸10のスプライン部よりもセンタデフ62
側に位置付けられている。リング部材120はセンタデ
フ62側の端部が後輪側出力軸10に固定され、後輪側
出力軸10と一体的に回転する。リング部材120と後
輪側出力軸10との間には環状の空間が確保されてお
り、この空間は、スリーブヨーク118の進入を許容す
ることができる。従って、後輪側出力軸10に対してス
リーブヨーク118がリング部材120側に摺動して
も、リング部材120に干渉することはない。
【0025】リング部材120の外周面には、車速セン
サ102を駆動するねじ歯車122が形成されており、
このねじ歯車122に車速センサ102のねじ歯車12
4が噛み合っている。車速センサ102は、ねじ歯車1
24に同軸にして取り付けられたリング多極マグネット
(図示しない)を有し、このリング多極マグネットの回
転を磁気抵抗素子により検出して、後輪側出力軸10の
回転速度に比例したパルス信号をECU94に出力する
ものとなっている。
【0026】上述した車速センサ102によれば、その
駆動用のねじ歯車122がリング部材120に形成され
ているので、後輪側出力軸10上におけるスリーブヨー
ク118の摺動範囲内に車速センサ102を配置するこ
とができる。この結果、後輪側出力軸10の長さ、即
ち、トランスファ装置6の全体を長さを短縮することが
可能となる。 バルブボディ:次に、前述したバルブボディ90に関
し、図4〜図6を参照しながら詳細に説明する。
【0027】バルブボディ90は油圧ポンプ92を内蔵
しており、油圧ポンプ92は内接型のギヤポンプからな
っている。油圧ポンプ92のポンプ軸は前述したように
トランスファ装置6のカウンタシャフト50に連結され
ており、カウンタシャフト50の回転を受けて油圧ポン
プ92は駆動される。従って、油圧ポンプ92はカウン
タシャフト50の回転方向、つまり、車両の前進又は後
進により、その回転方向が正転又は逆転することにな
る。この実施例の場合、車両の前進時には、油圧ポンプ
92は正転され、これに対し、車両の後進時、油圧ポン
プ92は逆転される。
【0028】このように車両の前進又は後進によって回
転方向が異なるため、油圧ポンプ92はその吐出口及び
吸い込み口が回転方向により互いに入れ替わる一対の入
出ポート126,128を有している。具体的には、車
両の前進時、油圧ポンプ92の一方の入出ポート126
が吐出口、他方の入出ポート128が吸い込み口とな
り、これに対し、車両の後進時には逆に入出ポート12
6が吸い込み口、入出ポート128が吐出口となる。
【0029】油圧ポンプ92の一対の入出ポート12
6,128はポンプ制御バルブ130に接続されてお
り、ポンプ制御バルブ130は5ポート3位置のスプー
ルバルブからなっている。詳しくは、ポンプ制御バルブ
130はその弁スプール131の軸線方向に離間した一
対の入出ポート132,134と、これら入出ポート1
32,134の両側にそれぞれ位置した一対の供給ポー
ト136,138と、入出ポート132,134の中央
に位置した1個の出口ポート140とを有しており、一
対の入出ポート132,134が油圧ポンプ92の入出
ポート126,128にそれぞれ接続されている。一対
の供給ポート136,138は一対の分岐供給通路14
2にそれぞれ接続されており、これら分岐供給通路14
2は1本の給排通路144から分岐されている。供給通
路144は圧液のリザーバに接続されており、その途中
にはオイルフィルタ146が介挿されている。
【0030】ポンプ制御バルブ130の弁スプール13
1は、3個のランド148,150,152を有してお
り、その両端は一対の復帰ばね153,155により付
勢されている。油圧ポンプ92が駆動されていないと
き、弁スプール131は一対の復帰ばねの付勢力を受け
て、図4に示すように中立位置に位置付けれられてい
る。この中立位置では、弁スプール131のランド部1
48,150,152は一対の供給ポート136,13
8及び出口ポート140をそれぞれ閉じており、これに
対し、一対の入出ポート132,134は開かれてい
る。中央のランド148とランド150との環状室15
4は弁スプール131の内部通路を通じて、その右端側
のばね室158に連通しており、また、ランド148と
ランド152との間の環状室156もまた弁スプール1
31の内部通路を通じて、その左端側のばね室160に
連通されている。
【0031】今、油圧ポンプ92が正転方向に駆動され
ると、油圧ポンプ92は入出ポート128が吸い込み
口、入出ポート126が吐出口となり、この際、ポンプ
制御バルブ130においては、一方の環状室156及び
ばね室160内の圧液が吸い出され、これに対し、他方
の環状室154及びばね室158は油圧ポンプ92から
吐出された圧液の供給を受けることになる。従って、弁
スプール131の両端に作用する圧力に差が発生し、弁
スプール131は復帰ばね155の付勢力に抗し、図5
に示すように中立位置から左方の第1切換え位置に移動
される。この第1切換え位置では、弁スプール131の
ランド148,152は出口ポート140及び供給ポー
ト136をそれぞれ開き、これに対し、ランド150は
供給ポート138を閉じた状態に維持する。なお、入出
ポート132,134は常時開いた状態に維持される。
このように第1切換え位置では、供給ポート136と入
出ポート128とが環状室154を介して連通すると同
時に、入出ポート132と出口ポート140とが環状室
156を介して連通するので、油圧ポンプ92はリザー
バ側からポンプ制御バルブ130を介して圧液の供給を
受けることができ、そして、加圧した圧液をポンプ制御
バルブ130の出口ポート140から連続して吐出する
ことができる。油圧ポンプ92の吐出量はその回転速
度、つまり、トランスファ装置6のカウンタシャフト5
0の回転速度が上昇するに連れて増加する。
【0032】一方、油圧ポンプ92が逆転方向に回転さ
れると、ポンプ制御バルブ130においては、その弁ス
プール131が復帰ばね153の付勢力に抗し、図6に
示すように中立位置から右方の第2切換え位置に移動さ
れ、この第2切換え位置では第1切換え位置での場合と
は逆に、供給ポート138と入出ポート132との間が
連通し、出口ポート140と入出ポート134との間が
接続される。従って、この場合にも、油圧ポンプ92は
リザーバ側からポンプ制御バルブ130を介して圧液の
供給を受け、加圧した圧液をポンプ制御バルブ130の
出口ポート140から連続して吐出することができる。
【0033】ポンプ制御バルブ130の出口ポート14
0は吐出通路163を介して流量制御バルブ165に接
続されており、流量制御バルブ165は3つのポートを
有したスプールバルブからなっている。流量制御バルブ
165はその弁スプール167の軸線方向でみて、中央
の入口ポート169と、入口ポート169の両側に位置
したそれぞれ出口ポート171及び戻りポート173を
有し、入口ポート169に吐出通路163が接続されて
いる。戻りポート173は戻り通路175を介して供給
通路144に接続されている。
【0034】流量制御バルブ165の弁スプール167
はその一端、即ち、図4でみてその左端に復帰ばね17
7の付勢力を受け、休止位置まで右方に移動して位置付
けられている。休止位置にあるとき、弁スプール167
は、出口ポート171を挟むようにして配置されたラン
ド162,164と、ランド164との間で入口ポート
169を挟み且つ戻りポート173を閉じるランド16
6、戻りポート173の右側に位置したランド179と
を有している。ランド162,164間の環状室、ラン
ド164,166間の環状室及びランド166,179
との間の環状室は弁スプール167の内部通路を通じて
相互に接続されており、その内部通路は弁スプール16
7の両端にも開口している。ランド162は、他のラン
ド164,166,179に比べて僅かに小径で、その
受圧面積が小さくなっている。
【0035】流量制御バルブ165の入口ポート169
にポンプ制御バルブ130から吐出通路163を通じて
圧液が供給されると、この圧液は入口ポート169から
弁スプール167の内部通路を通じて出口ポート171
に導かれる。ここで、油圧ポンプ92からの吐出量が増
加すると、入口ポート169への圧液の流入量に対して
出口ポート171からの圧液の流出量が弁スプール16
7の内部通路により大きく絞られるので、入口ポート1
69での圧力に比べて出口ポート171での圧力が下が
り、また、ランド162の受圧面積がランド164の受
圧面積よりも小さいことから、弁スプール167は休止
位置から図4でみて左方に復帰ばね177の付勢力に抗
して移動される。この結果、戻りポート173が弁スプ
ール167のランド166によって開かれ、入口ポート
171に流入する圧液の一部は弁スプール167の内部
通路を通じて戻りポート173に逃がされ、この結果、
その出口ポート171からの圧液の流出量が調整され
る。
【0036】なお、吐出通路163からはリリーフ通路
168が分岐されており、このリリーフ通路168はオ
イルフィルタ146よりも下流側にて供給通路144に
接続されている。リリーフ通路168には逆止弁からな
るリリーフバルブ170が介挿されており、このリリー
フバルブ170は、吐出通路163内の圧力が所定のリ
リーフ圧以上になったときに開かれる。
【0037】流量制御バルブ165の出口ポート171
は調量通路172を介して電磁作動型の圧力制御バルブ
174に接続されており、圧力制御バルブ174はスプ
ールバルブ176と、スプールバルブ176を駆動する
電磁ソレノイド178から構成されている。スプールバ
ルブ176は弁スプール192の軸線方向でみて、中央
に位置し且つ調量通路172が接続された入口ポート1
80と、この入口ポート180の両側に位置した一対の
戻りポート182,184と、戻りポート182と入口
ポート180との間に位置した出口ポート186と、入
口ポート180と戻りポート184との間に位置した出
口ポート188との5つのポートを有している。一対の
戻りポート182,184は分岐通路を介して戻り通路
189に接続されており、この戻り通路189はリザー
バ側に接続されている。一方の出口ポート186はトラ
ンスファ装置6内の潤滑油供給系に接続されており、他
方の出口ポート188は調圧通路190を通じて前述し
た油圧多板クラッチ88(図1参照)に接続されてい
る。
【0038】スプールバルブ176の弁スプール192
は図4でみて、その右端部に復帰ばね193の付勢力を
受けて、休止位置まで左方に移動されている。この休止
位置にて、弁スプール192の左端は電磁ソレノイド1
78のロッド194に当接されている。休止位置にある
とき、弁スプール192は一方の出口ポート186を開
くランド196と、他方の出口ポート188と協働する
段付きランド198とを有しており、入口ポート180
は、ランド196と段付きランド198との間の環状室
195を介して一方の出口ポート186に連通してい
る。段付きランド198は、入口ポート180側に位置
した大径ランド部197及び復帰ばね193側に位置し
た小径ランド部199からなっており、大径ランド部1
97は出口ポート188と環状室195との間の連通を
断ち、これに対して、小径ランド部199は出口ポート
188と戻りポート184との間を互いに連通させてい
る。従って、弁スプール192が休止位置にあるとき、
油圧多板クラッチ88内の圧液は低圧側のリザーバに向
けて逃がされ、油圧多板クラッチ88は解放された状態
にある。
【0039】電磁ソレノイド178は前述したECU9
4(図2参照)に電気的に接続されており、ECU94
からの制御信号を受けて通電されるようになっている。
電磁ソレノイド178に通電されると、そのロッド19
4が弁スプール192に向けて押し出され、これによ
り、弁スプール192は復帰ばね193の付勢力に抗
し、図示の休止位置から図4でみて右方に変位される。
この変位により、一方の出口ポート186がランド19
6によって閉じられ、この後、他方の出口ポート188
に関しては、段付きランド198の大径ランド部197
により出口ポート188と環状室195との間、即ち、
出口ポート188と入口ポート180との間が連通され
る。また、段付きランド198の小径ランド部199は
弁スプール192の変位と同時に出口ポート188と戻
りポート184との間の接続を遮断した状態にある。こ
の結果、圧力制御バルブ174の入口ポート180から
環状室195内に供給された圧液は、出口ポート188
から調圧通路190を介して油圧多板クラッチ88に供
給され、油圧多板クラッチ88内の圧力、つまり、その
クラッチ圧が立ち上げられる。
【0040】油圧多板クラッチ88のクラッチ圧が所定
圧以上に達すると、段付きランド198における大径ラ
ンド部197と小径ランド部199との受圧面積差に基
づき、弁スプール192は電磁ソレノイド178のロッ
ド194を押し戻しながら休止位置に向けて変位する。
この変位により、出口ポート188が段付きランド19
8の大径ランド部197によって閉じられた後、出口ポ
ート186はランド196によって開かれる。この結
果、油圧多板クラッチ88内のクラッチ圧は保持され、
入口ポート180から環状室195を介して出口ポート
186が接続されることにより、圧液は出口ポート18
6から潤滑油供給系に供給される。
【0041】上述したように油圧多板クラッチ88内に
て立ち上げられるクラッチ圧は、弁スプール192に対
する電磁ソレノイド178のロッド194の押圧力によ
って決定されるので、ECU94は電磁ソレノイド17
8への通電量を制御することにより、油圧多板クラッチ
88のクラッチ圧を制御でき、この結果、油圧多板クラ
ッチ88のトルク伝達力を任意に可変することができ
る。
【0042】上述した油圧ポンプ92、ポンプ制御バル
ブ130、流量制御パルプ165、圧力制御バルブ17
4及び通路の全ては、バルブボディ90内に組み込まれ
ており、これにより、バルブボディ90の小形化が図ら
れている。また、油圧ポンプ92は、トランスファ装置
6のカウンタシャフト50より駆動されるので、車速の
上昇に伴い、その回転速度も増速される結果、油圧ポン
プ92に小さな容量のものを使用でき、このことからも
バルブボディ90の小形化に大きく貢献する。 シフトアクチュエータ:次に、前述したシフトアクチュ
エータ60に関し、図7を参照しながら詳細に説明す
る。
【0043】シフトアクチュエータ60はモータユニッ
ト202を備えており、モータユニット202は図示し
ないユニットケース内に正逆回転可能な電動モータ20
4を有している。電動モータ204はECU94に電気
的に接続され、ECU94からの制御信号を受けて、そ
の駆動及び回転方向が制御される。電動モータ204の
出力軸にはピニオン206が取り付けられており、ピニ
オン206は駆動ラック208に噛み合わされている。
駆動ラック208は、前述したトランスファ装置6の軸
線と平行に延び、ユニットケースに摺動自在に支持され
ている。
【0044】駆動ラック208は、モータユニット20
2のユニットケースから突出し、その突出端にはメイン
シフトレール210(駆動部材)が接続されている。即
ち、メインシフトレール210は駆動ラック208と同
軸上に位置付けられ、駆動ラック208から一体的に延
びている。メインシフトレール210の近傍には、メイ
ンシフトレール210と平行にして一対のサブシフトレ
ール212,214が配置されており、これらサブシフ
トレール212,214は互いに同軸上に位置し且つ所
定の間隔を存して離間されている。一方のサブシフトレ
ール212には前述したシフトフォーク58が取り付け
られており、他方のサブシフトレール214にはシフト
フォーク84が取り付けられている。
【0045】メインシフトレール210及び一対のサブ
シフトレール212,214は、トランスファ装置6の
トランスファケース内にて、複数のレール受けに摺動自
在にして支持されている。これらレール受けはトランス
ファケース自体又はそのケース内の固定部材に設けら
れ、より詳しくは、トランスファ装置6の軸線方向に離
間したフロント及びリアレール受け216,218と、
これらの間に位置したセンタレール受け220とからな
っている。フロントレール受け216には支持穴222
が形成されており、この支持穴222に一方のサブシフ
トレール212の一端部が摺動自在に支持されている。
センタレール受け220及びリアレール受け218に
は、支持穴222と同軸にして貫通孔224及び支持穴
226がそれぞれ形成されており、その貫通孔224に
サブシフトレール212(請求項2における第2従動操
作部材)の他端部が摺動自在に支持されている。また、
貫通孔224には他方のサブシフトレール214(請求
項2における第1従動操作部材)の一端部が摺動自在に
支持されており、その他端部はリアレール受け218の
支持穴226に摺動自在に支持されている。更に、セン
タレール受け220には貫通孔224と平行にして別の
貫通孔228が形成され、また、リアレール受け218
には支持穴226と平行にして貫通孔230が形成され
ている。メインシフトレール210の一端部はセンタレ
ール受け220の貫通孔228内をフロントレール受け
216側に貫通して延び、この貫通孔228に摺動自在
に支持されている。メインシフトレール210の他端部
はリアレール受け218の貫通孔230内にて摺動自在
にして支持され、貫通孔230内にて前述した駆動ラッ
ク208に接続されている。即ち、駆動ラック208も
またその先端が貫通孔230内に挿入されている。
【0046】センタレール受け220の両側には一対の
ピニオン232,234が配置されており、これらピニ
オン232,234はセンタレール受け220に設けた
軸受部(図示しない)に回転自在に支持されている。一
方のピニオン232(請求項1における第2従動操作部
材及び請求項2における第2ピニオン)は、サブシフト
レール212とメインシフトレール210との間に位置
付けられており、他方のピニオン234(請求項1にお
ける第1従動操作部材及び請求項1における第1ピニオ
ン)はサブシフトレール214とメインシフトレール2
10との間に位置付けられている。また、図7から明か
なように一対のピニオン232,234はその歯の一部
が欠けており、その外周に欠歯部を有している。
【0047】サブシフトレール212にはラック部23
6(従動ラック部)が形成されており、このラック部2
36はピニオン232に常時噛み合っている。また、サ
ブシフトレール214にもラック部238(従動ラック
部)が形成されており、このラック部238もまたピニ
オン234に常時噛み合っている。一方、メインシフト
レール210には、ピニオン232,234とそれぞれ
協働する一対のラック部240,242(駆動ラック
部)がメインシフトレール210の軸線方向に離間して
形成されている。なお、これらラック部240,242
は、これらの間にもラック歯を形成した1個のラック部
からなっていてもよい。
【0048】図7の状態にあるとき、メインシフトレー
ル210のラック部240はピニオン232とは噛み合
っておらず、図7でみてピニオン232の右側に位置付
けられている。このとき、ピニオン232の欠歯部はメ
インシフトレール210上に位置付けられ、その欠歯部
の両端を規定する歯がそれぞれメインシフトレール21
0に当接した状態にある。即ち、メインシフトレール2
10において、ラック部240の左側に連なる部分は平
坦なストッパ面241として形成されており、このスト
ッパ面241はピニオン232の欠歯部の両端を規定す
る歯と当接するに好適した位置に形成されている。従っ
て、ピニオン232はメインシフトレール210のスト
ッパ面241により、その回転が阻止されている(第2
ストッパ手段)。
【0049】一方、メインシフトレール210のラック
部242はその右側の終端部にてピニオン234と噛み
合っており、このとき、ピニオン234の欠歯部はその
噛み合い位置から反時計方向に隣接して位置付けられて
いる。また、ラック部242の右側に連なる部分もま
た、前述したストッパ面241と同様なストッパ面24
3として形成されている(第1ストッパ手段)。
【0050】上述したシフトアクチュエータ60におい
ては、一対のサブシフトレール212,214がセンタ
レール受け220の共通の貫通孔224に支持されてい
るので、その支持構造が簡単なものとなっている。 トランスファポジションセンサ:前述したトランスファ
ポジションスイッチ114は、4つのスイッチ244,
246,248,250から構成されており、これらス
イッチはセンタレール受け220に配置されている。詳
しくは、センタレール受け220にはメインシフトレー
ル210側に位置して一対の装着孔が形成されており、
これら装着孔はメインシフトレール210の軸線方向に
離間し、その内端は貫通孔228に臨んでいる。各装着
孔にはスイッチ244,246がそれぞれ装着されてお
り、これらスイッチ244,246はその装着孔の内端
にボール252を有している。一方、メインシフトレー
ル210にはスイッチ244,246のボール252と
協働する2個の穴254a,254bが形成されてお
り、これら穴254もまたメインシフトレール210の
軸線方向に所定の間隔を存して離間している。図7の状
態では、スイッチ244はそのボール252が穴254
aから抜け出し、メインシフトレール210によってリ
フトされた状態にあり、スイッチ244はオフ信号をE
CU94に出力している。一方、スイッチ246はその
ボール252が穴254bに落ち込み、オン信号をEC
U94に出力している。
【0051】残りのスイッチ248,250は前述した
スイッチ244,246と同様な構成を有しているが、
これらスイッチ248,250はサブシフトレール21
2,214側にそれぞれ配置され、センタレール受け2
20と一体的な部材に取り付けられている。即ち、図7
の状態では、スイッチ248はそのボール252がサブ
シフトレール214の穴254から抜け出し、オフ信号
をECU94に出力しており、これに対し、スイッチ2
50はそのボール252がサブシフトレール212の穴
254に落ち込み、オン信号をECU94に出力してい
る。
【0052】上述したスイッチ244〜250はセンタ
レール受け220に全て取り付けられているので、セン
タレール受け220をスイッチユニットとして構成する
ことが可能となる。 トランスファ装置の駆動モード:次に、トランスファ装
置6の駆動モードに関し、その駆動モード毎に以下に説
明する。 フルタイム4WD:図7の状態にあるとき、サブシフト
レール212のシフトフォーク58は、副変速機構38
のカップリングスリーブ56をハイ位置に位置付けてお
り、一方、サブシフトレール214のシフトフォーク8
4はトランスファ装置6のカップリングスリーブ82を
フルタイム4WD位置に位置付けている。従って、図8
に示されているようにカップリングスリーブ56はクラ
ッチギヤ40,42を相互に連結しており、トランスフ
ァ装置6の入力軸8は中間軸36に直接的に接続されて
いる。一方、カップリングスリーブ82はクラッチギヤ
74,78を相互に連結しており、これにより、インナ
スリーブ軸72及びアウタスリーブ軸76は一体的に回
転される。
【0053】従って、この場合、中間軸36の駆動力は
センタデフ62からデフケース64を介して後輪側出力
軸10に伝達され、そして、後輪側出力軸10からリア
プロペラシャフト及び後輪デフ14を介して左右の後輪
RWに伝達されることにより、これら後輪RWが回転さ
れる。一方、中間軸36の駆動力は、センタデフ62か
らインナスリーブ軸72にも伝達されているので、この
インナスリーブ軸72からアウタスリーブ軸76を介し
て出力スプロケット85にも伝達され、これにより、出
力スプロケット85もまた回転される。この結果、出力
スプロケット85の回転力は駆動チェーン86及びトラ
ンスファスプロケット12を介してフロントプロペラシ
ャフト16に伝達され、そして、フロントプロペラシャ
フト16から前輪デフ18を介して左右の前輪FWに伝
達される結果、これら前輪FWもまた回転され、車両は
4輪駆動で走行する。このとき、図8から明かなように
ECU94は、バキュームアクチュエータ28を介して
スリーブ24をロック位置に位置付けており、左右の前
車軸は前輪デフ18を介して相互に接続された状態にあ
る。
【0054】センタデフ62は、前輪FW及び後輪RW
への駆動力配分、つまり、前後駆動力配分を3:7に設
定しているので、急な登り坂を発進する際、車両の荷重
が後輪側に移動しても、この場合、後輪RWの駆動力は
大きく、車両の発進を良好に行うことができる。また、
旋回中、車両が加速されている状況にあっては、そのス
テアリング特性がニュートラルステアとなり、車両の旋
回性もまた向上する。
【0055】前述したようにECU94は、油圧多板ク
ラッチ88のクラッチ圧を制御することができるので、
油圧多板クラッチ88内のクラッチ圧を立ち上げ、油圧
多板クラッチ88を係合させれば、センタデフ62の差
動を制限することができる。また、ECU94は油圧多
板クラッチ88のクラッチ圧、つまり、トルク伝達力を
任意に可変することができるので、前後輪の駆動力配分
を3:7から5:5までの範囲で任意に制御することが
でき、車両の走行状態に応じてセンタデフ62の差動を
制限し、最適な駆動力配分を選択することができる。な
お、センタデフ62の差動制限制御の一例は例えば特開
昭62-261538号公報及び特開昭62-279137号公報に開示さ
れている。 ハイ直結4WD:シフトアクチュエータ60が図7の状
態にあって、モータユニット202の電動モータ204
がECU94からの指令信号を受けて一方向(図7でみ
て反時計方向)に回転されると、ピニオン206及び駆
動ラック208を介してメインシフトレール210が図
7中左方に摺動され、シフトアクチュエータ60は図9
に示す状態に移行する。つまり、メインシフトレール2
10の摺動により、その一方のラック部240はピニオ
ン232の直前位置まで達し、そして、他方のラック部
242はピニオン234を図7でみて時計方向に回転さ
せてピニオン234から抜け出す。このときのピニオン
234の回転により、サブシフトレール214はメイン
シフトレール210とは逆方向に摺動され、この結果、
シフトフォーク84はトランスファ装置6のカップリン
グスリーブ82をフルタイム4WD位置から直結4WD
位置にシフトさせる。ピニオン234の回転はその欠歯
部がメインシフトレール210のストッパ面243と対
向した時点で停止される。なお、このとき、ピニオン2
32はその回転がメインシフトレール210のストッパ
面241により阻止された状態にあるので、サブシフト
レール212が摺動されることはない。
【0056】上述したメインシフトレール210及びサ
ブシフトレール214の摺動に伴い、図9から明らかな
ようにスイッチ246はそのボール252がメインシフ
トレール210の穴254bから抜け出し、オフ信号を
ECU94に出力し、また、スイッチ248はそのボー
ル252がサブシフトレール214の穴254に落ち込
み、オン信号をECU94に出力する。この場合、EC
U94は、スイッチ248の出力がオフからオンに切り
替わった時点で、電動モータ204の回転を停止させ
る。
【0057】トランスファ装置6のカップリングスリー
ブ82が直結4WD位置にあると、図10から明らかな
ようにカップリングスリーブ82はクラッチギヤ74,
78に加えて、中間軸36のクラッチギヤ80もまた相
互に連結する。それ故、中間軸36とインナスリーブ7
2が直接接続されてセンタデフ62がロック状態とな
り、また、中間軸36がアウタスリーブ軸76に直接接
続される結果、前輪FW側の駆動系と後輪RW側の駆動
系とが機械的に連結されて、前後輪にはその分担荷重に
等しい駆動力(約5:5)が伝達される。 ロー直結4WD:シフトアクチュエータ60が図9の状
態にあって、モータユニット202の電動モータ204
が一方向(図7でみて反時計方向)に更に回転される
と、メインシフトレール210は図11に示されている
ように左方に更に摺動される。それ故、メインシフトレ
ール210のラック部240はピニオン232に噛み合
いながら移動し、ピニオン232は時計方向に回転され
る。この回転に伴い、サブシフトレール212はメイン
シフトレール210とは反対側に摺動し、この結果、サ
ブシフトレール212のシフトフォーク58は、副変速
機構38のカップリングスリーブ56をハイギヤ位置か
らローギヤ位置にシフトさせる。このとき、ピニオン2
34はメインシフトレール210のラック部242と噛
み合っておらず、また、その回転はメインシフトレール
210のストッパ面243により阻止された状態にある
から、サブシフトレール214が摺動されることはな
い。この結果、サブシフトレール214のシフトフォー
ク84は、トランスファ装置6のカップリングスリーブ
82を直結4WD位置に保持した状態にある。
【0058】上述したメインシフトレール210及びサ
ブシフトレール212の摺動に伴い、スイッチ246は
そのボール252がはメインシフトレール210の穴2
54aに落ち込み、オン信号をECU94に出力し、ま
た、スイッチ250はそのボール252がサブシフトレ
ール212の穴254から抜け出し、オフ信号をECU
94に出力する。ECU94は、スイッチ246からの
出力がオフからオンに切り替わった時点で、電動モータ
204の回転を停止させる。
【0059】この場合、カップリングスリーブ56は図
12から明らかなように副変速機構38のクラッチギヤ
42,44間を相互に連結しているので、入力軸8の駆
動力はカウンタシャフト50からローギヤ46及びクラ
ッチギヤ44,42を介して中間軸36に伝達されるこ
とになり、中間軸36の回転速度は減速される。なお、
中間軸36から後輪RW側及び前輪FW側への駆動力の
伝達は、前述したハイ直結4WDでの場合と同様であ
る。
【0060】なお、副変速機構38のカップリングスリ
ーブ56は、車両の停止状態でシフトされる。 2WD:シフトアクチュエータ60が図7の状態にあっ
て、モータユニット202の電動モータ204が逆方向
(図7でみて時計方向)に回転されると、メインシフト
レール210は図13から明らかなように右方に摺動さ
れる。この場合、ピニオン234はメインシフトレール
210のラック部242との噛み合いにより反時計方向
に回転され、この回転はサブシフトレール214をメイ
ンシフトレール210とは反対方向に摺動させる。従っ
て、サブシフトレール214のシフトフォーク84はト
ランスファ装置6のカップリングスリーブ82をフルタ
イム4WD位置から中間軸36のクラッチギヤ80とイ
ンナスリーブ軸72のクラッチギヤ74とを相互に連結
する位置(2WD位置)までシフトさせる。この場合、
ピニオン232はメインシフトレール210のラック部
240と噛み合うことはなく、メインシフトレール21
0のストッパ面214によりその回転が阻止された状態
にある。従って、サブシフトレール212は摺動するこ
とはなく、サブシフトレール212のシフトフォーク5
8は副変速機構38のカップリングスリーブ56をハイ
ギヤ位置に保持している。
【0061】上述したメインシフトレール210及びサ
ブシフトレール214の摺動により、スイッチ244は
そのボール252がメインシフトレール210の穴25
4aに落ち込み、オン信号をECU94に出力する一
方、スイッチ246はそのボール252がメインシフト
レール210の穴254bから抜け出し、オフ信号をE
CU94に出力する。ECU94はスイッチ244から
の出力がオフからオンに切り替わった時点で、電動モー
タ204の回転を停止させる。
【0062】この場合、トランスファ装置6のカップリ
ングスリーブ82は、図14から明らかなように中間軸
36のクラッチギヤ80とインナスリーブ軸72のクラ
ッチギヤ74とを相互に連結するので、センタデフ62
はロック状態となり、油圧多板クラッチ88の係合が解
除されていれば、中間軸36の駆動力はセンタデフ62
を介して後輪側出力軸10のみに伝達され、前輪出力ス
プロケット85には中間軸36の駆動力が伝達されるこ
とはない。従って、車両は後輪RWの2輪のみが駆動さ
れる。
【0063】このとき、ECU94はバキュームアクチ
ュエータ32を駆動し、スリーブ24をフリー位置に摺
動させている。従って、前車軸のクラッチギヤ20,2
2間の連結は断たれており、これにより、フロントプロ
ペラシャフト16の回転は停止した状態にある。このよ
うにフロントプロペラシャフト16の回転が停止される
と、燃費の点で優れるばかりでなく、その回転に伴う騒
音を解消することができる。
【0064】車両が2WDで走行中、油圧多板クラッチ
88のクラッチ圧が立ち上げられると、センタデフ62
のデフケース64からアウタスリーブ軸76を介して出
力スプロケット85に駆動力を伝達することができ、そ
の駆動モードを2WDから4WDに直ちに切り換えるこ
とができる。また、油圧多板クラッチ88が完全に係合
されると、前後輪に等しい駆動力を伝達することができ
る。
【0065】2WDでの走行状態からフルタイム4WD
に復帰するには、ECU94は先ず、バキュームアクチ
ュエータ28の駆動を停止し、カップリングスリーブ2
4により前車軸のクラッチギヤ20,22を相互に連結
する。この後、ECU94は、前述した回転速度センサ
106,108からの出力信号に基づき、前輪FW側と
後輪RW側との間の回転、つまり、インナスリーブ軸7
2のクラッチギヤ74とアウタスリーブ軸76のクラッ
チギヤ78との回転を同期させるべく、油圧多板クラッ
チ88のクラッチ圧を制御する。そして、その同期回転
が達成された時点で、ECU94はシフトアクチュエー
タ60を駆動し、トランスファ装置6のカップリングス
リーブ82を2WD位置からクラッチギヤ78側へ摺動
させ、カップリングスリーブ82の内歯82aより一時
的にクラッチギヤ80,74,78を連結させた後、更
にクラッチギヤ78側に摺動させてフルタイム4WD位
置にシフトさせる。
【0066】また、フルタイム4WDの走行状態からハ
イ直結4WDに切り換えるには、油圧多板クラッチ88
にクラッチ圧を与えて完全に係合させ、アウタスリーブ
軸76とデフケース64との回転差動を無くした状態
(デフロック状態)で、カップリングスリーブ82をフ
ルタイム4WD位置からハイ直結4WD位置へシフトさ
せる。つまり、センタデフ62を油圧多板クラッチ88
の結合によりロックさせると、中間軸36のクラッチギ
ヤ80とインナスリーブ軸72のクラッチギヤ74との
回転が同期させるので、カップリングスリーブ82によ
るクラッチギヤ74,80の連結が容易に行える。 シフトアクチュエータの駆動モード検出:前述の説明か
ら明らかなようにECU94は、下記の表1に示される
ようにシフトアクチュエータ60のトランスファポジシ
ョンスイッチ114、即ち、4つのスイッチ244,2
46,248,250からの出力の組合せにより、その
駆動モードを検出することができる。
【0067】
【表1】
【0068】この実施例では、トランスファポジション
スイッチ114は4つの駆動モード位置を検出するため
に4つのスイッチ246〜250を備えているが、表1
から明らかなようにトランスファポジションスイッチ1
14は、その何れか1つのスイッチを省略しても、その
残りのスイッチからの出力の組合せにより、4つの駆動
モード位置を識別することが可能である。
【0069】また、シフトアクチュエータ60は駆動モ
ードの切換えにあたり、各駆動モード毎に対応したメイ
ンシフトレール210の往復動範囲が互いに連続してい
るが、これらの往復動範囲は互いに離間していてもよい
し、その一部がオーバラップしていてもよい。 オートモード走行:前述したインストルメントパネルの
駆動モード切換えスイッチ115がAUTO位置に操作され
ていると、ECU94は、車両の走行状態に応じてシフ
トアクチュエータ60の作動を制御し、トランスファ装
置6の駆動モードをフルタイム4WDをベースとして例
えば自動的に以下のように切換えることができる。 (1) ベース エンジン2のイグニッションキースイッチがオン操作さ
れると、ECU94はシフトアクチュエータ60を図4
の状態とし、駆動モードをフルタイム4WDに設定す
る。 (2) フルタイム4WD→2WD 以下の条件が全て満たされたとき、駆動モードはフルタ
イム4WDから2WDに切換えられる。
【0070】a)車両の低中速走行時、b)路面が平坦
且つアスファルトなど良路、c)ハンドル操作が緩や
か。 (3) 2WD →フルタイム4WD 以下の条件の少なくとも1つが満たされたとき、駆動モ
ードは2WDからフルタイム4WDに切換えられる。
【0071】a)車両の高速走行時、b)路面が坂路、
砂地、悪路又は雪路の何れか、c)ハンドル操作が急、
d)車輪のスリップが大。 (4) フルタイム4WD→ハイ直結4WD 車両が低速走行時にあるとき、以下の条件の少なくとも
1つが満たされたとき、駆動モードはフルタイム4WD
からハイ直結4WDに切換えられる。
【0072】a)路面が急坂路又は極悪路、b)車輪の
スリップが連続して大。 (5) ハイ直結4WD→フルタイム4WD 車両が中高速走行に移行したとき、駆動モードはハイ直
結4WDからフルタイム4WDに切換えられる。 マニュアルモード:駆動モード切換えスイッチ115が
AUTO位置から、4HLc位置、4LLc位置又は2H位置の何れか
に操作されている場合、ECU94はシフトアクチュエ
ータ60の作動を制御し、切換えスイッチ115の位置
に応じて駆動モードをハイ直結4WD、ロー直結4WD
又は2WDに切換える。
【0073】上述したようにトランスファ装置6の駆動
モードの切換えは駆動モード切換えスイッチ115の操
作だけで行えることから、その駆動モードの切換えが容
易となる。また、駆動モードがAUTO位置に操作されてい
れば、殆どの走行状態をカバーできるので、車両のイー
ジードライブが可能となる。また、切換えスイッチ11
5の切換え位置に4H位置(フルタイム4WD)が設けら
れていてもよい。
【0074】この発明は、上述した一実施例に制約され
るものではなく種々の変形が可能である。例えば、図1
5に示されているように、油圧多板クラッチ88はセン
タデフ62のデフケース64とインナスリーブ軸72と
の間に配置することも可能である。図15のトランスフ
ァ装置の場合にあっては、その駆動モードがフルタイム
4WDモードにあるとき、油圧多板クラッチ88を係合
させることで、センタデフ62の差動を禁止することが
できる。
【0075】また、図16に示されているように油圧多
板クラッチ88は、入力側部材であるセンタデフ62の
キャリアとアウタスリーブ軸76との間に配置すること
も可能である。一実施例では、クラッチギヤ74,7
8,80間の噛み合い接続を1つのカップリングスリー
ブ82で行うようにしているが、このカップリングスリ
ーブ82を図16に示されているように2つのスリーブ
82c(デフロック切換え用),82d(2駆4駆切換
え用)に分割し、これらをシフトアクチュエータにより
独立して摺動させることも可能である。この場合、シフ
トアクチュエータ60のサブシフトレールが追加される
ことになる。このように複数のカップリングスリーブを
1つのシフトアクチュエータで独立して摺動させること
が可能である。
【0076】また、上述した実施例において、センタデ
フ62に遊星歯車機構を用いた列を挙げたが、ベベルギ
ヤ式のセンタデフを用いてもよい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の操作装
置によれば、駆動部材の往復直線運動がその移動範囲に
応じて、第1又は第2従動操作部材の独立した駆動に単
に伝達される構造であるので、その伝達構造は簡単なも
のとなる。また、第1及び第2従動操作部材を同軸上に
配置することもでき、その全体をコンパクトにすること
ができる。
【0078】請求項2の操作装置によれば、駆動部材か
ら第1又は第2従動操作部材への往復直線運動がラック
・ピニオン機構を介して伝達され、その伝達機構を簡単
に得ることができる。請求項3の操作装置によれば、一
方のピニオンが回転されるとき、他方のピニオンはその
回転が阻止された状態にあるので、他方のピニオン側の
従動操作部材が不所望に往復動することがない。
【0079】また、各ピニオンに欠歯部を設ける一方、
駆動部材にその欠歯部と協働する平坦面を形成するだけ
で、ピニオンの回転を阻止することができ、その回転阻
止制御を機械的に行うことができる。請求項4の車両用
動力伝達装置の切換え操作装置においても、請求項1と
同様な効果を発揮することは明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】4WD用トランスファ装置を含む車両の概略構
成図である。
【図2】図1のトランスファ装置の制御系を示したブロ
ック図である。
【図3】車速センサの取付位置及びその構成を示した図
である。
【図4】油圧多板クラッチに圧液を供給するバルブボデ
ィ内の油圧回路図である。
【図5】ポンプ制御バルブにおける弁スプールの第1切
換え位置を示した図てある。
【図6】図5の弁スプールの第2切換え位置を示した図
である。
【図7】フルタイム4WDをベースとして示したシフト
アクチュエータの縦断面図である。
【図8】フルタイム4WD時でのトランスファ装置を示
した概略図である。
【図9】ハイ直結4WDに切換えられたシフトアクチュ
エータの縦断面図である。
【図10】ハイ直結4WDでのトランスファ装置を示し
た概略図である。
【図11】ロー直結4WDに切換えられたシフトアクチ
ュエータの縦断面図である。
【図12】ロー直結4WDでのトランスファ装置を示し
た概略図である。
【図13】2WDに切換えられたシフトアクチュエータ
の縦断面図である。
【図14】2WDでのトランスファ装置を示した概略図
である。
【図15】変形例のトランスファ装置の一部を示した概
略図である。
【図16】他の変形例のトランスファ装置の一部を示し
た概略図である。
【符号の説明】
58 シフトフォーク(切換え部材) 84 シフトフォーク(切換え部材) 202 モータユニット(駆動手段) 210 メインシフトレール(駆動部材) 212 サブシフトレール(従動操作部材) 214 サブシフトレール(従動操作部材) 232 ピニオン 234 ピニオン 236 ラック部 238 ラック部 240 ラック部 241 平坦面 242 ラック部 243 平坦面
フロントページの続き (72)発明者 後田 祐一 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 往復動直線運動可能な単一の駆動部材
    と、 前記駆動部材が第1移動範囲内で往復動するとき、前記
    駆動部材に係合して駆動される第1従動操作部材と、 前記駆動部材が第2移動範囲内で移動するとき、前記駆
    動部材に係合して駆動される第2従動操作部材とを具備
    したことを特徴とする操作装置。
  2. 【請求項2】 往復直線運動可能にして設けられ、少な
    くとも1つの駆動ラック部を有する単一の駆動部材と、 前記駆動部材が第1移動範囲内で往復動するとき、前記
    駆動ラック部と噛み合って回転される第1ピニオンと、 前記駆動部材が第2移動範囲内で移動するとき、前記駆
    動ラック部と噛み合って回転される第2ピニオンと、 前記駆動部材との間に前記第1ピニオンを挟み且つ前記
    駆動部材と平行にして往復動自在に支持され、前記第1
    ピニオンと噛み合う従動ラック部を有した第1従動操作
    部材と、 前記駆動部材との間に前記第2ピニオンを挟み且つ前記
    駆動部材と平行にして往復動自在に支持され、前記第2
    ピニオンと噛み合う従動ラック部を有した第2従動操作
    部材とを具備したことを特徴とする操作装置。
  3. 【請求項3】 前記駆動部材が前記第2移動範囲を往復
    動するとき、前記第1ピニオンの回転を阻止する第1ス
    トッパ手段と、前記駆動部材が前記第1移動範囲を往復
    動するとき、前記第2ピニオンの回転を阻止する第2ス
    トッパ手段とを更に含むことを特徴とする請求項2に記
    載の操作装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の操作装置の駆動
    部材を往復動させる駆動手段と、 前記第1及び第2従動操作部材のそれぞれと連動して、
    動力伝達装置の駆動モードを切り換える第1及び第2切
    換え部材とを含むことを特徴とする車両用動力伝達装置
    の切換え操作装置。
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