JP3784905B2 - 4輪駆動車のトランスファ装置 - Google Patents

4輪駆動車のトランスファ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、前輪及び後輪が共に駆動される4輪駆動車のトランスファ装置に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
この種のトランスファ装置は例えば特公平8-25402号公報に開示されており、この公知のトランスファ装置はトランスミッションからの動力を前輪及び後輪に配分して伝達する差動装置と、前輪出力軸と後輪出力軸との間の差動を制限するビスカスカップリングとを備えている。また、公知のトランスファ装置はその駆動モードが切換え機構を介してフルタイム4輪駆動、2輪駆動及び直結4輪駆動の何れかに切換え可能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述したトランスファ装置は、ビスカスカップリングが前輪出力軸と後輪出力軸との間に配置されているため、2輪駆動時、前後の車輪間に回転速度差が生じたときのみ、ビスカスカップリングを介して前輪に駆動力が伝達される。それ故、前後の車輪間に回転速度差が発生していない状態にて、車両の緊急回避操作が行われても、前輪に駆動力を伝達することができず、走行安定性を十分に確保できない。
【0004】
そこで、前後の車輪間に回転速度差が発生していない状態において車両の緊急回避操作を可能にすべく、駆動力配分手段である差動装置に油圧クラッチ手段を設けてこれを適宜接続制御することが考えられている。
しかしながら、このように油圧クラッチ手段を設けると、油圧クラッチ手段へ油圧供給を行う高圧仕様のオイルポンプが必要となり、これによりトランスファ装置が大型化する虞がある。また、油圧クラッチ手段の信頼性を高めるべく、オイルポンプからは常に安定した油圧を供給することが望まれる。
【0005】
本発明は上述した事情に基づきなされたもので、その目的とするところは、油圧クラッチ手段を有する駆動力配分手段を備えたトランスファ装置において、トランスファ装置の大型化なくコンパクトにオイルポンプを備え、且つオイルポンプから常に安定して油圧クラッチ手段に油圧を供給可能な4輪駆動車のトランスファ装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明では、エンジンからの動力が伝達される駆動軸と、該駆動軸に設けられたドライブギヤと、該ドライブギアに噛合する第1ギヤを一端に有するとともに前記第1ギヤとギヤ比の異なる第2ギヤを他端に有し、前記駆動軸と平行にしてトランスファケースに回転自在に支持されたカウンタ軸部材と、前記駆動軸の軸線上に前記駆動軸とは別に配設される伝達軸と、前記第2ギヤと噛合して前記伝達軸上に回転自在に支持された変速ギヤと、前記ドライブギヤと前記伝達軸の前記駆動軸側の一端に設けられた伝達ギヤとを連結可能な第1連結手段と、前記変速ギヤと前記伝達ギヤとを連結可能な第2連結手段とを有する副変速機構と、前記伝達軸上に前記伝達ギヤから離間して設けられ、オイルポンプから供給される作動油の油圧によって作動され前記副変速機構からの駆動力を前後輪に配分制御可能な油圧クラッチ手段を有する駆動力配分手段と、を備え、前記オイルポンプが、前記カウンタ軸部材の軸線上に前記他端よりも前記駆動力配分手段側に位置するよう設けられ、前記カウンタ軸部材の回転により駆動されることを特徴としている。
【0007】
従って、駆動力配分手段の油圧クラッチ手段に油圧を供給するオイルポンプは、カウンタ軸部材の軸線上にカウンタ軸部材の他端に近接して駆動力配分手段側に位置するよう設けられているため、カウンタ軸部材と駆動力配分手段との間の空間に良好に収納されており、またオイルポンプからの油圧を油圧クラッチへ供給する油圧回路がコンパクトに構成され、トランスファ装置がすっきりとコンパクトに構成される。また、オイルポンプは駆動力配分手段よりも駆動源に近いカウンタ軸部材の回転により駆動されるため、駆動力配分手段によって前後輪への駆動力配分が変動してもその影響を受けず、オイルポンプから供給される油圧は常に安定したものに維持される。
【0008】
なお、ここに、副変速機構の第1連結手段と第2連結手段とは同一部材で構成されるのが好ましい。
さらに、オイルポンプから供給される油を副変速機構または駆動力配分手段へ潤滑油として供給してもよく、このようなオイルポンプの共用化により一層トランスファ装置のコンパクト化が図れる。
【0009】
また、請求項2の発明では、前記駆動力配分手段は、前記伝達軸上に回転自在に支持されて前輪及び後輪のいずれか一方に駆動力を伝達する駆動ギヤと、該駆動ギヤと前記伝達軸とを連結可能な油圧クラッチ手段と、前記駆動ギヤと前記伝達軸とを連結可能な第3連結手段とを有し、前記駆動ギヤまたは前記第3連結手段は、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴としている。
【0010】
従って、上記構成を有する駆動力配分手段の駆動ギヤまたは第3連結手段は、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう伝達軸側に配設されており、トランスファ装置が極めてコンパクトに構成される。
なお、ここに、駆動ギヤは第3連結手段と油圧クラッチ手段との間に設けられるのが好ましい。
【0011】
さらに、油圧クラッチ手段をオイルポンプと干渉しない位置に配設することにより、油圧クラッチ手段を径方向へ拡張でき、油圧クラッチ手段の軸方向での縮小が可能とされ、より一層トランスファ装置のコンパクト化が図れる。
また、請求項3の発明では、前記駆動力配分手段は、前後輪に前記駆動力を配分する差動装置と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた油圧クラッチ手段と、前記差動装置の一方の出力要素と連結するとともに前記伝達軸上に回転自在に支持され、前輪及び後輪のいずれか一方へ駆動力を伝達する駆動ギヤとを有し、前記駆動ギヤは、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴としている。
【0012】
従って、上記構成を有する駆動力配分手段の駆動ギヤは、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう伝達軸側に配設されており、トランスファ装置がやはり極めてコンパクトに構成される。
なお、ここに、差動装置は油圧クラッチ手段よりも後方に設けられるのがよい。
【0013】
さらに、上記請求項2の場合と同様に、油圧クラッチ手段はオイルポンプと干渉しないように径方向に拡張されて設けられるのがよい。
また、請求項4の発明では、前記駆動力配分手段は、前後輪に前記駆動力を配分する差動装置と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた油圧クラッチ手段と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた第4連結手段と、前記差動装置の一方の出力要素と連結するとともに前記伝達軸上に回転自在に支持され、前輪及び後輪のいずれか一方へ駆動力を伝達する駆動ギヤとを有し、前記駆動ギヤまたは前記第4連結手段は、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴としている。
【0014】
従って、上記構成を有する駆動力配分手段の駆動ギヤまたは第4連結手段は、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう伝達軸側に配設されており、トランスファ装置がやはり極めてコンパクトに構成される。
なお、ここに、駆動ギヤは第4連結手段と油圧クラッチ手段との間に設けられるのがよい。
【0015】
さらに、上記請求項2の場合と同様に、油圧クラッチ手段はオイルポンプと干渉しないように径方向に拡張されて設けられるのがよい。
また、請求項5の発明では、前記駆動力配分手段は、前後輪に前記駆動力を配分する差動装置と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた油圧クラッチ手段と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた第5連結手段と、前記伝達軸上に回転自在に支持されて前輪及び後輪のいずれか一方へ駆動力を伝達する駆動ギヤと、前記差動装置の一方の出力要素と前記駆動ギヤとを連結可能な第6連結手段とを有し、前記駆動ギヤ、前記第5連結手段及び前記第6連結手段の少なくともいずれか一つは、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴としている。
【0016】
従って、上記構成を有する駆動力配分手段の駆動ギヤ、第5連結手段及び第6連結手段の少なくともいずれか一つは、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう伝達軸側に配設されており、トランスファ装置がやはり極めてコンパクトに構成される。
【0017】
なお、ここに、第5連結手段と第6連結手段とは同一部材で構成されるのがよく、また、駆動ギヤは第5連結手段及び第6連結手段と油圧クラッチ手段との間に設けられるのがよい。
さらに、上記請求項2の場合と同様に、油圧クラッチ手段はオイルポンプと干渉しないように径方向に拡張されて設けられるのがよい。
【0018】
また、請求項6の発明では、前記駆動力配分手段は、前後輪に前記駆動力を配分する差動装置と、前記差動装置の前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの一方の出力要素と前記伝達軸とを連結可能に設けられた第7連結手段と、前記伝達軸上に回転自在に支持されて前輪及び後輪のいずれか一方へ駆動力を伝達する駆動ギヤと、前記駆動ギヤと前記一方の出力要素とを連結可能な第8連結手段と、前記駆動ギヤと前記差動装置の入力要素及び他方の出力要素のいずれか一方とを連結可能に設けられた油圧クラッチ手段とを有し、前記駆動ギヤ、前記第7連結手段及び前記第8連結手段の少なくともいずれか一つは、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴としている。
【0019】
従って、上記構成を有する駆動力配分手段の駆動ギヤ、第7連結手段及び第8連結手段の少なくともいずれか一つは、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう伝達軸側に配設されており、トランスファ装置がやはり極めてコンパクトに構成される。
【0020】
なお、ここに、第7連結手段と第8連結手段とは同一部材で構成されるのがよく、また、駆動ギヤは第7連結手段及び第8連結手段と油圧クラッチ手段との間に設けられるのがよい。
さらに、上記請求項2の場合と同様に、油圧クラッチ手段はオイルポンプと干渉しないように径方向に拡張されて設けられるのがよい。
【0021】
また、請求項7の発明では、前記差動装置は、遊星歯車機構からなることを特徴としている。
従って、トランスファ装置が軸方向で縮小され、よりコンパクトなものとされる。
また、請求項8の発明では、前記カウンタ軸部材は、前記駆動軸よりも回転速度が大であることを特徴としている。
【0022】
従って、カウンタ軸部材に接続されたオイルポンプは比較的高速で回転することになり、小型のオイルポンプであっても油圧クラッチ手段を作動させるのに充分な油圧が発生する。
【0023】
【発明の実施の形態】
先ず、実施例1について説明する。
図1を参照すると、フロントエンジン後輪駆動(FR)タイプの4輪駆動の車両が概要的に示され、図2を参照すると、その制御ブロック図が示されており、以下これらの図を参照して本発明の適用される4輪駆動車両の駆動系について説明する。
【0024】
図1に示すように、この車両はエンジン2を備えており、エンジン2は変速機4を介して4WD用のトランスファ装置6、つまり、その入力軸8に接続されている。トランスファ装置6の詳細は後述するが、トランスファ装置6は入力軸8の駆動力が伝達される後輪側出力軸10及び前輪側のトランスファスプロケット12を有しており、後輪側出力軸10はリアプロペラシャフトを介して後輪デファレンシャル装置(後輪デフ)14に接続されている。後輪デフ14からは左右一対の後車軸が延び、これら後車軸に左右の後輪RWがそれぞれ接続されている。一方、トランスファスプロケット12からはフロントプロペラシャフト16が延びており、フロントプロペラシャフト16は前輪デファレンシャル装置(前輪デフ)18に接続されている。前輪デフ18からは左右一対の前車軸が延び、これら前車軸に左右の前輪FWがそれぞれ接続されている。
【0025】
図1でみて、右前車軸はその途中にて分割され、分割端のそれぞれにクラッチギヤ20,22が取り付けられている。図1に示す状態では、クラッチギヤ20,22はカップリングスリーブ24により相互に連結されている。つまり、カップリングスリーブ24はその内周面にクラッチギヤ20,22と噛み合い可能な内歯が形成され、その内歯がクラッチギヤ20,22の双方と噛み合っている。この場合、分割された右前車軸は一体にして回転することができる。
【0026】
カップリングスリーブ24は車体側の図示しない支持部材に対し、右前車軸の軸線方向に摺動自在に支持されている。カップリングスリーブ24のフォーク溝にはシフトフォーク26のフォーク先端が嵌合されており、シフトフォーク26の基端はバキュームアクチュエータ28の出力ロッド30に連結されている。バキュームアクチュエータ28はそのハウジング内を負圧室32と大気室とに区画するダイヤフラムを備えており、このダイヤフラムに出力ロッド30が接続されている。負圧室32には、図示しない電磁切換えバルブにより大気又は負圧が選択的に供給可能となっており、また、負圧室32には復帰ばね34が収容されている。負圧室32に大気が供給されているとき、復帰ばね34はダイヤフラムを介して出力ロッド30を一方向に付勢しており、カップリングスリーブ24を通常のロック位置、つまり、クラッチギヤ20,22を相互に連結する位置に位置付けている。これに対し、負圧室32に負圧が供給されると、この負圧は復帰ばね34の付勢力に抗してダイヤフラムを引き付け、出力ロッド30を図1でみて左側に押し出す。従って、カップリングスリーブ24はロック位置からフリー位置にシフトされ、クラッチギヤ20,22間の接続が断たれる結果、右前輪FWは前輪デフ18から分離される。なお、バキュームアクチュエータ28の負圧室には、負圧がエンジン2の吸気系から前述した電磁切換えバルブを介して供給される。
【0027】
次にトランスファ装置について説明する。
図3を参照するとトランスファ装置の実際の構造が断面で示されており、以下この図3をも参照して本発明に係るトランスファ装置を説明する。
トランスファ装置6は、変速機4の出力軸に接続された入力軸(駆動軸)8と、この入力軸8と同軸上に位置した中間軸(伝達軸)36とを備えている。入力軸8及び中間軸36はトランスファ装置6のトランスファケース側に互いに独立して回転自在に支持されている。入力軸8と中間軸36との間には副変速機構38が配置されている。詳しくは、副変速機構38は一対のクラッチギヤ(ドライブギヤ)40及びクラッチギヤ(伝達ギヤ)42を有しており、これらクラッチギヤ40,42は入力軸8及び中間軸36の互いに対向する端部にそれぞれ取り付けられている。クラッチギヤ40,42は入力軸8及び中間軸36と一体に回転する。また、中間軸36はクラッチギヤ44を回転自在に支持しており、クラッチギヤ44にはローギヤ(変速ギヤ)46が同軸且つ一体にして備えられている。ローギヤ46はカウンタギヤ(第2ギヤ)48に噛み合っており、カウンタギヤ48はカウンタシャフト(カウンタ軸部材)50の一端に取り付けられている。カウンタシャフト50は入力軸8及び中間軸36と並列にして配置され、トランスファケース側に回転自在に支持されている。カウンタシャフト50の他端は、一対のギヤ(第1ギヤ)52及びギヤ(ドライブギヤ)54を介して入力軸8に接続されている。従って、入力軸8の回転は、一対のギヤ52,54、カウンタシャフト50及びカウンタギヤ48を介してローギヤ46に伝達される。この際、ローギヤ46の歯数はカウンタギヤ48の歯数よりも多く設定されているため、ローギヤ46はカウンタシャフト50の回転より減速して回転される。故に、入力軸8の回転は、ギヤ52、カウンタシャフト50、カウンタギヤ48を介して減速して中間軸36側に伝達可能とされている。なお、ギヤ52の歯数はギヤ54の歯数よりも少なく設定されるのがよく、つまり入力軸8とカウンタシャフト50間で回転速度が増速されるのがよい。
【0028】
クラッチギヤ40,42,44の外側には、前述したカップリングスリーブ24と同様に構成されたカップリングスリーブ(第1連結手段及び第2連結手段)56が配置されており、カップリングスリーブ56は、入力軸8及び中間軸36に沿って摺動自在に支持されている。図1及び図3に示す状態では、カップリングスリーブ56はクラッチギヤ40,42に噛み合い、これらクラッチギヤ40,42を相互に連結した位置(ハイギヤ位置)としている。この場合、入力軸8はクラッチギヤ40,42を介して中間軸36に接続され、入力軸8の回転は中間軸36に直接的に伝達される。これに対し、カップリングスリーブ56がハイギヤ位置から図1でみてクラッチギヤ44側にシフトされると、カップリングスリーブ56はクラッチギヤ42,44を相互に連結する位置(ローギヤ位置)に位置付けられる。つまり、カップリングスリーブ56は、ローギヤ位置ではクラッチギヤ40,42間の接続を断つ一方、クラッチギヤ42,44に噛み合い、これらクラッチギヤ42,44間を相互に接続する。この場合、入力軸8の回転は、上述したように、カウンタシャフト50側からカウンタギヤ48、ローギヤ46、クラッチギヤ44,カップリングスリーブ56およびクラッチギヤ42を介して中間軸36に減速して伝達される。
【0029】
カップリングスリーブ56にはシフトフォーク58が係合されており、このシフトフォーク58は電動型のシフトアクチュエータ60により往復動可能となっている。シフトアクチュエータ60に関しては後述する。
なお、ここでは、カップリングスリーブ56にクラッチギヤ40,42を相互に連結する第1連結手段とクラッチギヤ42,44を相互に連結する第2連結手段の二つの機能を持たせるようにしたが、カップリングスリーブ56を分割し、第1連結手段と第2連結手段とをそれぞれ個別に備えるようにしてもよい。
【0030】
以下、駆動力配分手段について説明する。
中間軸36は、遊星歯車機構からなるセンタデファレンシャル装置(センタデフ:差動装置)62を介して後輪側出力軸10に接続されている。詳しくは、センタデフ62はリングギヤからなるデフケース(後輪側出力要素)64と、このデフケース64に複数の遊星ギヤ66を介して噛み合うサンギヤ68と、遊星ギヤ66を回転自在に支持するキャリア(入力要素)70とを備えており、このキャリア70には中間軸36の他端が同軸にして連結されている。そして、デフケース64から後輪側出力軸10が同軸にして延びている。センタデフ62のサンギヤ68は、インナスリーブ軸(前輪側出力要素)72の一端に取り付けられており、このインナスリーブ軸72は中間軸36上に回転自在に支持されている。センタデフ62は、中間軸36からの回転入力つまり駆動力を前輪FWへの出力部材であるインナスリーブ軸72及び後輪RWへの出力部材であるデフケース64にそれぞれ伝達することかでき、この場合、センタデフ62のギヤ比は、駆動力配分を前輪FW側が30%、後輪RW側が70%となるように設定されている。
【0031】
センタデフ62のインナスリーブ軸72は入力軸8に向けて延び、その他端にはクラッチギヤ74が取り付けられている。さらに、インナスリーブ軸72上にはアウタスリーブ軸76が回転自在に支持されており、アウタスリーブ軸76はセンタデフ62側からインナスリーブ軸72のクラッチギヤ74に向けて延びている。クラッチギヤ74側に位置したアウタスリーブ軸76の端部にはクラッチギヤ78が形成されており、また、中間軸36にはクラッチギヤ78との間にインナスリーブ軸72のクラッチギヤ74を挟むようにしてクラッチギヤ80が取り付けられている。
【0032】
クラッチギヤ74,78,80の外側には、カップリングスリーブ82(請求項6の第7連結手段及び第8連結手段)が配置されており、カップリングスリーブ82は中間軸36の軸線方向に摺動自在にして支持されている。カップリングスリーブ82はその内周面に周溝を有し、故にその内歯は図1に示すように2つの部分82a,82bに分離されている。
【0033】
図1及び図3に示す状態にあるとき、カップリングスリーブ82はクラッチギヤ74,78に噛み合い、これらクラッチギヤ74,78を互いに連結した位置(フルタイム4WD位置)に位置付けている。このとき、クラッチギヤ80はカップリングスリーブ82の上記周溝内に位置しており、これらクラッチギヤ80とカップリングスリーブ82との間の噛み合いは解除されている。カップリングスリーブ82がフルタイム4WD位置からクラッチギヤ80側にシフトしてクラッチギヤ74,80に噛み合う位置(2WD位置)に位置付けられると、これらクラッチギヤ74,80を互いに連結する一方、クラッチギヤ74,78間の連結を断つ。これに対し、カップリングスリーブ82がフルタイム4WD位置から逆方向にシフトしてクラッチギヤ74,78,80の全てに同時に噛み合う位置(直結4WD位置)に位置付けられると、これら全てを相互に連結する。カップリングスリーブ82もまたシフトフォーク84に係合されており、このシフトフォーク84もシフトアクチュエータ60により往復動される。
【0034】
前述したアウタスリーブ軸76には前輪FW側へ駆動力を伝達する出力スプロケット(駆動ギヤ)85が取り付けられており、出力スプロケット85と前述したトランスファスプロケット12との間に駆動チェーン86が掛け回されている。
さらに、アウタスリーブ軸76とセンタデフ62のデフケース64との間には、油圧多板クラッチ(クラッチ手段)88が配設されており、油圧多板クラッチ88は後述の調圧通路190を介して電磁制御型のバルブボディ90に液圧的に接続されている。故に、油圧多板クラッチ88はバルブボディ90から供給される油圧、即ち、クラッチ圧の大きさに応じてアウタスリーブ軸76とデフケース64との間の接続を断続するとともに、デフケース64からアウタスリーブ軸76へのトルク伝達を可変することが可能とされている。バルブボディ90には、前述したカウンタシャフト50の端部に接続されてカウンタシャフト50の回転により油圧を発生するオイルポンプ92が後述の管路127,129を介して液圧的に接続されており(図3中に図示)、これにより、バルブボディ90を介して油圧が油圧多板クラッチ88に供給可能とされている。
【0035】
ここでシフトアクチュエータ60について説明する。
図1に示すように、シフトアクチュエータ60はモータユニット202を備えており、モータユニット202はユニットケース内に正逆回転可能な電動モータ204を有している。シフトアクチュエータ60の電動モータ204は、図2に示すように、電子コントロールユニット(ECU)94に電気的に接続され、ECU94からの制御信号を受けて、その駆動及び回転方向が制御される。電動モータ204の出力軸にはピニオン206が取り付けられており、ピニオン206はラック208に噛み合わされている。ラック208は、前述したトランスファ装置6の軸線と平行に延び、ユニットケースに摺動自在に支持されている。
【0036】
また、ラック208は、モータユニット202のユニットケースから突出してメインシフトレール210に一体に連結されている。そして、メインシフトレール210の近傍には、メインシフトレール210と平行にして一対のサブシフトレール212,214が配置されている。これらサブシフトレール212,214は互いに同軸上に位置し且つ所定の間隔を存して離間されている。一方のサブシフトレール212には前述したシフトフォーク58が取り付けられており、他方のサブシフトレール214にはシフトフォーク84が取り付けられている。なお、メインシフトレール210及び一対のサブシフトレール212,214は、トランスファ装置6のトランスファケース内にて、複数のレール受け(図示せず)に摺動自在に支持されている。
【0037】
メインシフトレール210とサブシフトレール212,214間には、それぞれピニオン232,234が配置されており、これらピニオン232,234は上記レール受けに設けた軸受部(図示せず)に回転自在に支持されている。
サブシフトレール212にはラック部236が形成されており、このラック部236はピニオン232に常時噛み合っている。また、サブシフトレール214にも同様にラック部238が形成されており、このラック部238もまたピニオン234に常時噛み合っている。一方、メインシフトレール210には、ピニオン232,234とそれぞれ協働するようにして一対のラック部240,242がメインシフトレール210の軸線方向に離間して形成されている。なお、これらラック部240,242は、これらの間にもラック歯を形成した一つの連続ラック部であってもよい。
【0038】
図1の状態(フルタイム4WD位置)にあるとき、メインシフトレール210のラック部240はピニオン232とは噛み合っておらず、図1でみてピニオン232の下側に位置付けられている。一方、ラック部242は図1でみてその中央部にてピニオン234と噛み合っている。
ところで、図1及び図3に示すように、オイルポンプ92は、カウンタシャフト50の端部に、カウンタシャフト50と油圧多板クラッチ88との間であって且つ中間軸36とフロントプロペラシャフト16との間、つまり、ここでは中間軸36を取り巻くカップリングスリーブ82とフロントプロペラシャフト16との間に存在する空間を埋めるよう配置されている。これにより、オイルポンプ92が外観的にトランスファケースから外側に突出することがなく、トランスファ装置6はすっきりとコンパクトな形状とされている。
【0039】
図4を参照するとバルブボディ90及びオイルポンプ92の構成が示されており、同図に基づきバルブボディ90及びオイルポンプ92についてより詳しく説明する。
同図に示すように、オイルポンプ92は内接型のギヤポンプからなっており、このオイルポンプ92のポンプ軸は前述したようにトランスファ装置6のカウンタシャフト50に連結されている。故に、オイルポンプ92はカウンタシャフト50の回転を受けて駆動されるようにされている。従って、オイルポンプ92はカウンタシャフト50の回転方向、つまり、車両の前進又は後進により、その回転方向が正転又は逆転することになる。この実施例の場合、車両の前進時には、オイルポンプ92は正転され、これに対し、車両の後進時、オイルポンプ92は逆転される。
【0040】
このように車両の前進又は後進によって回転方向が異なるため、オイルポンプ92はその吐出口及び吸い込み口が回転方向により互いに入れ替わる一対の入出ポート126,128を有している。具体的には、車両の前進時、オイルポンプ92の一方の入出ポート126が吐出口、他方の入出ポート128が吸い込み口となり、これに対し、車両の後進時には逆に入出ポート126が吸い込み口、入出ポート128が吐出口となる。
【0041】
オイルポンプ92の一対の入出ポート126,128はポンプ制御バルブ130に接続されており、ポンプ制御バルブ130は5ポート3位置のスプールバルブからなっている。詳しくは、ポンプ制御バルブ130はその弁スプール131の軸線方向に離間した一対の入出ポート132,134と、これら入出ポート132,134の両側にそれぞれ位置した一対の供給ポート136,138と、入出ポート132,134の中央に位置した1個の出口ポート140とを有しており、一対の入出ポート132,134がオイルポンプ92の入出ポート126,128にそれぞれ管路127,129を介して接続されている。一対の供給ポート136,138は一対の分岐供給通路142にそれぞれ接続されており、これら分岐供給通路142は1本の給排通路144から分岐されている。供給通路144は圧液のリザーバに接続されており、その途中にはオイルフィルタ146が介挿されている。
【0042】
ポンプ制御バルブ130の弁スプール131は、3個のランド148,150,152を有しており、その両端は一対の復帰ばね153,155により付勢されている。オイルポンプ92が駆動されていないとき、弁スプール131は一対の復帰ばねの付勢力を受けて、図4に示すように中立位置に位置付けれられている。この中立位置では、弁スプール131のランド部148,150,152は一対の供給ポート136,138及び出口ポート140をそれぞれ閉じており、これに対し、一対の入出ポート132,134は開かれている。中央のランド148とランド150との間の環状室154は弁スプール131の内部通路を通じて、その右端側のばね室158に連通しており、また、ランド148とランド152との間の環状室156もまた弁スプール131の内部通路を通じて、その左端側のばね室160に連通されている。
【0043】
今、オイルポンプ92が正転方向に駆動されると、オイルポンプ92は入出ポート128が吸い込み口、入出ポート126が吐出口となり、この際、ポンプ制御バルブ130においては、一方の環状室156及びばね室160内の圧液が吸い出され、これに対し、他方の環状室154及びばね室158はオイルポンプ92から吐出された圧液の供給を受けることになる。従って、弁スプール131の両端に作用する圧力に差が発生し、弁スプール131は復帰ばね155の付勢力に抗し、中立位置から図4でみて左方に移動される。この位置(第1切換え位置という)では、弁スプール131のランド148,152は出口ポート140及び供給ポート136をそれぞれ開き、これに対し、ランド150は供給ポート138を閉じた状態に維持する。なお、入出ポート132,134は常時開いた状態に維持される。このように第1切換え位置では、供給ポート136と入出ポート128とが環状室154を介して連通すると同時に、入出ポート132と出口ポート140とが環状室156を介して連通するので、オイルポンプ92はリザーバ側からポンプ制御バルブ130を介して圧液の供給を行うことができ、そして、加圧した圧液をポンプ制御バルブ130の出口ポート140から連続して吐出することができる。オイルポンプ92の吐出量はその回転速度、つまり、トランスファ装置6のカウンタシャフト50の回転速度が上昇するに連れて増加する。
【0044】
一方、オイルポンプ92が逆転方向に回転されると、ポンプ制御バルブ130においては、その弁スプール131が復帰ばね153の付勢力に抗し、中立位置から図4でみて右方に移動され、この位置(第2切換え位置という)では上記第1切換え位置での場合とは逆に、供給ポート138と入出ポート132との間が連通し、出口ポート140と入出ポート134との間が接続される。従って、この場合にも、オイルポンプ92はリザーバ側からポンプ制御バルブ130を介して圧液の供給を行い、加圧した圧液をポンプ制御バルブ130の出口ポート140から連続して吐出することができる。
【0045】
ポンプ制御バルブ130の出口ポート140は吐出通路163を介して流量制御バルブ165に接続されており、流量制御バルブ165は3つのポートを有したスプールバルブからなっている。流量制御バルブ165はその弁スプール167の軸線方向でみて、中央の入口ポート169と、入口ポート169の両側に位置したそれぞれ出口ポート171及び戻りポート173を有し、入口ポート169に吐出通路163が接続されている。戻りポート173は戻り通路175を介して供給通路144に接続されている。
【0046】
流量制御バルブ165の弁スプール167はその一端、即ち、図4でみてその左端に復帰ばね177の付勢力を受け、休止位置まで右方に移動して位置付けられている。この休止位置にあるとき、弁スプール167は、出口ポート171を挟むようにして配置されたランド162,164と、ランド164との間で入口ポート169を挟み且つ戻りポート173を閉じるランド166、戻りポート173の右側に位置したランド179とを有している。ランド162,164間の環状室、ランド164,166間の環状室及びランド166,179との間の環状室は弁スプール167の内部通路を通じて相互に接続されており、その内部通路は弁スプール167の両端にも開口している。ランド162は、他のランド164,166,179に比べて僅かに小径で、その受圧面積が小さくなっている。
【0047】
流量制御バルブ165の入口ポート169にポンプ制御バルブ130から吐出通路163を通じて圧液が供給されると、この圧液は入口ポート169から弁スプール167の内部通路を通じて出口ポート171に導かれる。ここで、オイルポンプ92からの吐出量が増加すると、入口ポート169への圧液の流入量に対して出口ポート171からの圧液の流出量が弁スプール167の内部通路により大きく絞られるので、入口ポート169での圧力に比べて出口ポート171での圧力が下がり、また、ランド162の受圧面積がランド164の受圧面積よりも小さいことから、弁スプール167は休止位置から図4でみて左方に復帰ばね177の付勢力に抗して移動される。この結果、戻りポート173が弁スプール167のランド166によって開かれ、入口ポート171に流入する圧液の一部は弁スプール167の内部通路を通じて戻りポート173に逃がされ、故に、出口ポート171からの圧液の流出量が調整される。
【0048】
なお、吐出通路163からはリリーフ通路168が分岐されており、このリリーフ通路168はオイルフィルタ146よりも下流側にて供給通路144に接続されている。リリーフ通路168には逆止弁からなるリリーフバルブ170が介挿されており、このリリーフバルブ170は、吐出通路163内の圧力が所定のリリーフ圧以上になったときに開かれる。
【0049】
流量制御バルブ165の出口ポート171は調量通路172を介して電磁作動型の圧力制御バルブ174に接続されており、圧力制御バルブ174はスプールバルブ176と、スプールバルブ176を駆動する電磁ソレノイド178から構成されている。スプールバルブ176は弁スプール192の軸線方向でみて、中央に位置し且つ調量通路172が接続された入口ポート180と、この入口ポート180の両側に位置した一対の戻りポート182,184と、戻りポート182と入口ポート180との間に位置した出口ポート186と、入口ポート180と戻りポート184との間に位置した出口ポート188との5つのポートを有している。一対の戻りポート182,184は分岐通路を介して戻り通路189に接続されており、この戻り通路189はリザーバ側に接続されている。一方の出口ポート186はトランスファ装置6内の潤滑油供給系に接続されており、他方の出口ポート188は調圧通路190を通じて前述した油圧多板クラッチ88(図1及び図3参照)に接続されている。つまり、バルブボディ90は、オイルポンプ92から供給される潤滑油を油圧多板クラッチ88のみならず潤滑油供給系にも供給可能となっており、これによりトランスファ装置6内の各部の潤滑が行われる。
【0050】
なお、スプールバルブ176の弁スプール192は、図4でみてその右端部に復帰ばね193の付勢力を受けて、休止位置まで左方に移動されている。そして、この休止位置にて、弁スプール192の左端は電磁ソレノイド178のロッド194に当接されている。
弁スプール192は一方の出口ポート186を開くランド196と、他方の出口ポート188と協働する段付きランド198とを有しており、休止位置にあるときには、入口ポート180は、ランド196と段付きランド198との間の環状室195を介して一方の出口ポート186に連通している。段付きランド198は、入口ポート180側に位置した大径ランド部197及び復帰ばね193側に位置した小径ランド部199からなっており、大径ランド部197は出口ポート188と環状室195との間の連通を断ち、これに対して、小径ランド部199は出口ポート188と戻りポート184との間を互いに連通させている。従って、弁スプール192が休止位置にあるとき、油圧多板クラッチ88内の圧液は低圧側のリザーバに向けて逃がされ、油圧多板クラッチ88は解放された状態にある。
【0051】
電磁ソレノイド178はECU94に電気的に接続されており、ECU94からの制御信号を受けて通電されるようになっている。電磁ソレノイド178に通電されると、そのロッド194が弁スプール192に向けて押し出され、これにより、弁スプール192は復帰ばね193の付勢力に抗し、図示の休止位置から図4でみて右方に変位される。この変位により、一方の出口ポート186がランド196によって閉じられ、この後、他方の出口ポート188に関しては、段付きランド198の大径ランド部197により出口ポート188と環状室195との間、即ち、出口ポート188と入口ポート180との間が連通される。また、段付きランド198の小径ランド部199は弁スプール192の変位と同時に出口ポート188と戻りポート184との間の接続を遮断した状態にある。この結果、圧力制御バルブ174の入口ポート180から環状室195内に供給された圧液は、出口ポート188から調圧通路190を介して油圧多板クラッチ88に供給され、油圧多板クラッチ88内の圧力、つまり、そのクラッチ圧が立ち上げられる。
【0052】
油圧多板クラッチ88のクラッチ圧が所定圧以上に達すると、段付きランド198における大径ランド部197と小径ランド部199との受圧面積差に基づき、弁スプール192は電磁ソレノイド178のロッド194を押し戻しながら休止位置に向けて変位する。この変位により、出口ポート188が段付きランド198の大径ランド部197によって閉じられた後、出口ポート186はランド196によって開かれる。この結果、油圧多板クラッチ88内のクラッチ圧は保持され、入口ポート180から環状室195を介して出口ポート186が接続されることにより、圧液は出口ポート186から潤滑油供給系に供給される。
【0053】
上述したように油圧多板クラッチ88内にて立ち上げられるクラッチ圧は、弁スプール192に対する電磁ソレノイド178のロッド194の押圧力によって決定されるので、ECU94は電磁ソレノイド178への通電量を制御することにより、油圧多板クラッチ88のクラッチ圧を制御でき、この結果、油圧多板クラッチ88のトルク伝達力を任意に可変することができる。
【0054】
なお、上述したポンプ制御バルブ130、流量制御パルプ165、圧力制御バルブ174及び通路の全ては、バルブボディ90内に組み込まれており、故にバルブボディ90の小型化が図られている。
また、オイルポンプ92は、クラッチギヤ74,78,80間の連結が可能なカップリングスリーブ82の外径方向に中間軸36と垂直な方向において重合するように設置されているので、トランスファ装置6が軸方向においてコンパクトに構成される。
【0055】
さらに、オイルポンプ92は、トランスファ装置6のカウンタシャフト50より駆動されるので、車速の上昇に伴いその回転速度も増速される結果、オイルポンプ92に小さな容量の小型のものを使用できる。従って、上述したように、オイルポンプ92を上記カップリングスリーブ82とフロントプロペラシャフト16との間の空間に極めて良好に収納することができる。
【0056】
また、油圧多板クラッチ88は、中間軸36に垂直な方向においてオイルポンプ92と重合しない位置に設けられているので、外径方向への拡張が可能となり、よって油圧多板クラッチ88の軸方向での縮小化が図られる。
なお、当該実施例1では、このようにオイルポンプ92そのものが比較的小さなものとされているが、これに限られず、オイルポンプ92は上記中間軸36とフロントプロペラシャフト16との間の空間に良好に収納可能であれば容量が大きく大型のものであってもよい。つまり、オイルポンプ92は出力スプロケット85とトランスファスプロケット12との間に位置してもよく、この場合には、オイルポンプ92は、出力スプロケット85とトランスファスプロケット12間に掛け回された駆動チェーン86と干渉しないよう、環状である駆動チェーン86の内側空間を埋めるように配設されるのがよい。これにより、大型のオイルポンプ92を用いる場合であっても、トランスファ装置6の外形が不用意に大きくなることがなく、トランスファ装置6はすっきりとコンパクトなものとされる。
【0057】
ところで、図2に示すように、ECU94の入力側には、各種のセンサ、スイッチやインジケータ等が電気的に接続されている。センサとしては、車体の前後加速度(前後G)を検出する前後Gセンサ96、エンジン2におけるスロットルバルブの開度を検出するスロットル開度センサ98、ステアリングハンドルのハンドル角を検出するハンドル角センサ100、車速を検出する車速センサ102及び回転速度センサ104,106,108等がある。
【0058】
一方、ECU94の出力側には、上記バルブボディ90、バキュームアクチュエータ28のための電磁切換えバルブ及びシフトアクチュエータ60等の装置が接続されており、これらの装置は、当該ECU94により上記各種センサ等からの信号に応じて作動制御される。
ここで車速センサ102について簡単に説明すると、図1及び図3に示すように、後輪側出力軸10の外側には同心にして且つ外周面にねじ歯車122の形成されたリング部材120が設けられており、車速センサ102は、この後輪側出力軸10と一体的に回転するリング部材120の回転速度を検出するようになっている。詳しくは、車速センサ102には、ねじ歯車124の形成された検出軸とこの検出軸に同軸にして同期回転可能なリング多極マグネット(図示せず)とがさらに設けられており、車速センサ102は、上記ねじ歯車122とねじ歯車124との噛み合いによって検出軸と同期回転するリング多極マグネットの回転を磁気抵抗素子によって検出し、この検出信号をECU94に出力することで車速を検出可能となっている。
【0059】
また、回転速度センサ104は、右前輪FW近傍の右前車軸に取り付けた検出用ギヤ110の回転数から前輪FWの回転速度を検出するものであり、回転速度センサ106はトランスファスプロケット12の回転数からトランスファ装置6の出力回転速度を検出するものであり、回転速度センサ108は副変速機構38のカウンタギヤ48の回転数からトランスファ装置6への入力回転速度を検出するものである(図1参照)。
【0060】
ECU94に接続されるスイッチとしては、ブレーキペダルに設けられたブレーキスイッチ112、シフトアクチュエータ60の作動状態を検出するトランスファポジションスイッチ(T/Fポジションスイッチ)114(図1参照)、駆動モード切換えスイッチ115などがある。駆動モード切換えスイッチ115は、車室のインストルメントパネルに配置された手動型のロータリスイッチであり、2WDを示す2H位置、オートモードを示すAUTO位置、フルタイム4WDを示す4H位置、ハイ直結4WDを示す4HLc位置及びロー直結4WDを示す4LLc位置の5つの切換え位置を有し、その切換え位置に対応した信号をEUC94に出力する。さらに、図2に示されるようにインストルメントパネルには駆動モード切換えスイッチ115の近傍に4WDインジケータ116が組み込まれており、4WDインジケータ116は駆動モード切換えスイッチ115により選択された切換え位置に対応したトランスファ装置6の駆動モードを表示可能となっている。なお、駆動モード切換えスイッチ115がAUTO位置に切換えられている場合にあってはその時点にて自動切換えにより選択された駆動モードが表示される。
【0061】
さらに、ECU94にはエンジン2の出力情報も供給されており、このエンジン出力情報は、エンジン2の回転速度、スロットル開度及び燃料の供給量等に基づき算出されるものである。
以下、このように構成されたトランスファ装置6の作動について簡単に説明する。
【0062】
駆動モード切換えスイッチ115が2H位置とされているときには、シフトアクチュエータ60の電動モータ204の作動によりシフトフォーク58及びシフトフォーク84が入力軸8側に移動し、カップリングスリーブ56がクラッチギヤ40,42を相互に連結する位置(ハイギヤ位置)とされ、カップリングスリーブ82がクラッチギヤ74,80を相互に連結する位置(2WD位置)とされる。これにより、入力軸8からの駆動力が直接後輪側出力軸10、リアプロペラシャフトを経て左右一対の後輪RWにのみ伝達される。また、この2WD状態では、バキュームアクチュエータ28の作動によりシフトフォーク26がクラッチギヤ20,22の連結を解除するようにカップリングスリーブ24を作動させることになり、これにより、左右一対の前輪FWは従輪として互いに独立に自由に回転可能となる。
【0063】
駆動モード切換えスイッチ115が4H位置とされると、電動モータ204の作動によりシフトフォーク84のみが後輪側出力軸10側に移動し、カップリングスリーブ56がハイギヤ位置に保持されたままに、カップリングスリーブ82がクラッチギヤ74,78を相互に連結する位置(フルタイム4WD位置)とされる。これにより、入力軸8からの駆動力が後輪側出力軸10のみならず、センタデフ62、出力スプロケット85、駆動チェーン86を介してトランスファスプロケット12にも伝達される。また、同時にバキュームアクチュエータ28の作動によりシフトフォーク26がクラッチギヤ20,22を相互に連結するようにカップリングスリーブ24を作動させることになり、これにより、駆動力が前後輪に適正に分配される所謂フルタイム4WD状態が実現される。
【0064】
駆動モード切換えスイッチ115が4HLc位置とされると、電動モータ204の作動によりシフトフォーク84のみがさらに後輪側出力軸10側に移動し、カップリングスリーブ56がやはりハイギヤ位置に保持されたままに、カップリングスリーブ82がクラッチギヤ74,78,80の全てを相互に連結する直結4WD位置とされる(ハイ直結4WD位置)。これにより、入力軸8からの駆動力がセンタデフ62による差動なく後輪側出力軸10とトランスファスプロケット12とに等配分(略5:5)されて伝達され、所謂ハイ直結4WD状態が実現される。なお、このとき、クラッチギヤ20,22はカップリングスリーブ24によって相互に連結された状態に保持される。
【0065】
駆動モード切換えスイッチ115が4LLc位置とされると、電動モータ204の作動によりシフトフォーク58のみが後輪側出力軸10側に移動し、カップリングスリーブ82が直結4WD位置に保持されたままに、カップリングスリーブ56がクラッチギヤ42,44を相互に連結する位置(ローギヤ位置)とされる(ロー直結4WD位置)。これにより、入力軸8の回転がカウンタシャフト50を介して中間軸36に減速して伝達される一方、その駆動力が、増加され且つセンタデフ62による差動なく後輪側出力軸10とトランスファスプロケット12とに等配分(略5:5)されて伝達され、所謂ロー直結4WD状態が実現される。このとき、クラッチギヤ20,22は上記同様にカップリングスリーブ24によって相互に連結された状態に保持される。なお、当該副変速機構38のカップリングスリーブ56は、車両が停止状態にある場合においてのみシフト可能とされている。
【0066】
駆動モード切換えスイッチ115がAUTO位置とされると、ECU94により、上記前後Gセンサ96等の各種センサからの情報に基づいて電動モータ204が作動制御されることになり、これにより、ロー直結4WD状態を除き、2WD状態、フルタイム4WD状態、ハイ直結4WD状態が適宜切換制御される。
なお、上記各駆動モードにおいてカップリングスリーブ82が2WD位置、フルタイム4WD位置、直結4WD位置のように切換えられる際、バルブボディ90の圧力制御バルブ174がECU94により作動制御され、オイルポンプ92からの油圧によって油圧多板クラッチ88が適宜接続操作される。これにより、センタデフ62の差動が制限されてクラッチギヤ74,78,80の同期が図られることになり、カップリングスリーブ82のクラッチギヤ74,78,80間での掴み換えが容易且つスムースに実現可能とされる。
【0067】
また、ECU94は、上述したように圧力制御バルブ174の作動制御により油圧多板クラッチ88のクラッチ圧、つまりトルク伝達力を任意に可変することができるようにされている。従って、フルタイム4WD状態にあっては、前後輪の駆動力配分を3:7から5:5までの範囲で任意に制御することができ、車両の走行状態に応じてセンタデフ62の差動を制限して最適な駆動力配分を選択することも可能である。
【0068】
以上、詳細に説明したが、本発明の4輪駆動車のトランスファ装置では、図1及び図3に示したように、オイルポンプ92は、カウンタシャフト50の端部に、中間軸36に垂直な方向においてカップリングスリーブ82と重合するようにカップリングスリーブ82の外径方向に配置されている。従って、トランスファ装置6は、軸方向への縮小が可能となり、容積効率よく、すっきりとコンパクトに構成され、車両への搭載性がよい。
【0069】
また、オイルポンプ92は、駆動力配分手段であるセンタデフ62よりも駆動源側であるカウンタシャフト50に直接的に接続されているため、センタデフ62の作用によって前輪FWと後輪RWの駆動力配分が変動した場合であっても、オイルポンプ92の回転速度が変化してしまうようなことがなく、油圧多板クラッチ88に常に安定した油圧を供給することができる。
【0070】
また、上述したように、ローギヤ46の歯数はカウンタギヤ48の歯数よりも多く設定されているため、ローギヤ46、即ち中間軸36はカウンタシャフト50の回転より減速して回転される。つまり、逆にいえば、カウンタシャフト50の回転の方が中間軸36よの回転よりも高速である。故に、このようにオイルポンプ92がカウンタシャフト50に接続されていると、オイルポンプ92は、オイルポンプ92が中間軸36に接続される場合よりも高速で回転することになり、オイルポンプ92の発生する油圧は充分大きなものとなる。従って、油圧多板クラッチ88はレスポンスよくクラッチ圧を発生可能である。
【0071】
さらに、このように配設することにより、オイルポンプ92を油圧多板クラッチ88に近い位置に配置させることができることにもなり、オイルポンプ92から油圧多板クラッチ88までの油圧回路もコンパクトなものにできる。
なお、当該実施例1では、バルブボディ90をオイルポンプ92から離間させて油圧多板クラッチ88に近接した位置としたが、これに限らず、中間軸36とフロントプロペラシャフト16間の空間にさらに余裕があれば、バルブボディ90をオイルポンプ92と極力接近させて略一体とし、オイルポンプ92のみならずバルブボディ90をもこの空間に収納することも可能である。これにより、オイルポンプ92から油圧多板クラッチ88までの油圧回路をさらにすっきりしたものにでき、トランスファ装置6をより一層コンパクトなものにすることができる。
【0072】
また、当該実施例1では、カップリングスリーブ82を中間軸36の垂直な方向においてオイルポンプ92と重合するように配置した構造としたが、出力スプロケット85をカップリングスリーブ82よりも副変速機構38側に配設し、オイルポンプ92と上記垂直な方向において重合するようにしてもよい。しかしながら、カップリングスリーブ82を副変速機構38側に配置した方がトランスファ装置6を簡素且つコンパクトに構成できる。
【0073】
ところで、本発明は、上述した実施例1に制約されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、トランスファ装置を次の実施例2乃至実施例7のように構成してもよい。以下実施例2乃至実施例7を順に説明するが、ここでは、主としてトランスファ装置の構成のうち上記実施例1と異なる駆動力配分手段の部分についてのみ説明する。
【0074】
実施例2では、図5に示すように、トランスファ装置の駆動力配分手段は、上記実施例1のようなセンタデフ62を有さず、2WDとクラッチ連結による4WDの切換えが可能なものとされている。つまり、この実施例2では、中間軸36と中間軸36に回転自在に支持されたスリーブ軸76aとの間に油圧多板クラッチ88が配設されており、スリーブ軸76aの一端に前輪FW側へ駆動力を伝達する出力スプロケット(駆動ギヤ)85aが設けられている。
【0075】
従って、この実施例2のトランスファ装置の場合、油圧多板クラッチ88に油圧が供給されない状態では、後輪RW側にのみ駆動力が伝達されてトランスファ装置は2WD状態となり、油圧多板クラッチ88に油圧が供給されると前輪FW側へも駆動力が伝達されるようにされて徐々に4WD状態とされる。
そして、同図に示すように、オイルポンプ92がカウンタシャフト50と油圧多板クラッチ88との間で油圧多板クラッチ88に近接して良好に配設されている。従って、オイルポンプ92から油圧多板クラッチ88へ油圧を供給する油圧回路をコンパクトに構成でき、当該実施例2においてもトランスファ装置は上記実施例1と同様の効果を奏し、やはりコンパクトなものとされる。
【0076】
また、出力スプロケット85aが中間軸36に垂直な方向においてオイルポンプ92と重合するように中間軸36とオイルポンプ92との間に良好に配設されている。従って、トランスファ装置はさらにコンパクトなものとされる。
実施例3では、図6に示すように、駆動力配分手段は2WDとクラッチ連結による4WDと直結4WDの切換えが可能なものとされている。つまり、ここでは、上記実施例2に対してスリーブ軸76aの他端にクラッチギヤ78aが、またクラッチギヤ78aに隣接して中間軸36にクラッチギヤ80が設けられている。さらに、クラッチギヤ78a,80の外側にクラッチギヤ78a,80間の連結を行うカップリングスリーブ82c(請求項2の第3連結手段)が配置されており、カップリングスリーブ82cは中間軸36の軸線方向に摺動自在に支持されている。
【0077】
従って、この実施例3のトランスファ装置の場合、カップリングスリーブ82cによってクラッチギヤ78a,80間の連結が行われず、且つ、油圧多板クラッチ88に油圧が供給されない状態では、後輪RW側にのみ駆動力が伝達されてトランスファ装置は2WD状態となり、油圧多板クラッチ88に油圧が供給されると前輪FW側へも駆動力が伝達されるようにされて徐々に4WD状態とされ、カップリングスリーブ82cによってクラッチギヤ78a,80間の連結が行われると最終的にトランスファ装置は直結4WD状態とされる。
【0078】
そして、同図に示すように、この実施例3の場合にも、上記実施例2の場合と同様に、オイルポンプ92がカウンタシャフト50と油圧多板クラッチ88との間で油圧多板クラッチ88に近接して良好に配設されているとともに、出力スプロケット(駆動ギヤ)85aが中間軸36に垂直な方向においてオイルポンプ92と重合するように中間軸36とオイルポンプ92との間に良好に配設されている。従って、当該実施例3においてもトランスファ装置は上記実施例2と同様の効果を奏し、やはりコンパクトなものとされる。
【0079】
実施例4では、図7に示すように、駆動力配分手段は上記実施例3の場合と略同様であって、2WDとクラッチ連結による4WDと直結4WDの切換えが可能なものとされている。つまり、ここでは、上記実施例3に対してクラッチギヤ78b,80及びカップリングスリーブ82d(請求項2の第3連結手段)が、出力スプロケット(駆動ギヤ)85bよりも副変速機構38側に、且つ、中間軸36に垂直な方向においてオイルポンプ92と重合するように中間軸36とオイルポンプ92との間に良好に配置されている。故に、この実施例4のトランスファ装置の場合においても、その2WD状態と4WD状態との切換作動は上記実施例3の場合と同様であり、ここではその詳細については説明を省略する。
【0080】
従って、当該実施例4のトランスファ装置においても上記同様の効果を奏することになる。
実施例5では、図8に示すように、トランスファ装置の駆動力配分手段は、上記実施例1と同様にセンタデフ62を有しており、フルタイム4WDとクラッチによる直結4WDとの切換えが可能なものとされている。つまり、この実施例5の場合、センタデフ62のデフケース(後輪側出力要素)64と中間軸36に回転自在に支持されたスリーブ軸72aとの間に油圧多板クラッチ88が配設されており、スリーブ軸(前輪側出力要素)72aの一端に前輪FW側へ駆動力を伝達する出力スプロケット(駆動ギヤ)85cが設けられている。
【0081】
従って、この実施例5のトランスファ装置の場合、油圧多板クラッチ88に油圧が供給されない状態では、センタデフ62によって駆動力が前輪FW側と後輪RW側とに適正に配分されてトランスファ装置はフルタイム4WD状態となり、油圧多板クラッチ88に油圧が供給されると徐々に駆動力配分が等分(略5:5)とされ、最終的にトランスファ装置はクラッチによる直結4WD状態とされる。
【0082】
そして、この実施例5の場合にも、上記実施例2及び実施例3の場合と同様に、オイルポンプ92はカウンタシャフト50と油圧多板クラッチ88との間に配置され、出力スプロケット85cは、中間軸36に垂直な方向においてオイルポンプ92と重合するように中間軸36とオイルポンプ92との間に配置されている。従って、当該実施例5においてもトランスファ装置は上記同様の効果を良好に奏することになる。
【0083】
実施例6では、図9に示すように、トランスファ装置の駆動力配分手段は、上記実施例1及び実施例5と同様にセンタデフ62を有しており、この場合にはフルタイム4WDと直結4WDの切換えが可能なものとされている。つまり、この実施例5の場合には、センタデフ62のデフケース(後輪側出力要素)64と中間軸36に回転自在に支持されたスリーブ軸(前輪側出力要素)72bとの間に油圧多板クラッチ88が配設されており、スリーブ軸72bの一端にクラッチギヤ74aが、またその中間部に前輪FW側へ駆動力を伝達する出力スプロケット(駆動ギヤ)85cが設けられている。さらに、クラッチギヤ74aと中間軸36に設けられたクラッチギヤ80の外側に、クラッチギヤ74aとクラッチギヤ80の連結を行うカップリングスリーブ82e(請求項4の第4連結手段)が配置されており、カップリングスリーブ82eは中間軸36の軸線方向に摺動自在にして支持されている。
【0084】
従って、この実施例6のトランスファ装置の場合、カップリングスリーブ82eによってクラッチギヤ74aとクラッチギヤ80との連結が行われず、且つ、油圧多板クラッチ88に油圧が供給されない状態では、センタデフ62によって駆動力が前輪FW側と後輪RW側とに適正に配分されてトランスファ装置はフルタイム4WD状態となり、油圧多板クラッチ88に油圧が供給されると徐々に駆動力配分が等分(略5:5)とされ、カップリングスリーブ82eによってクラッチギヤ74aとクラッチギヤ80とが連結されると最終的にトランスファ装置は直結4WD状態とされる。
【0085】
そして、同図に示すように、この実施例6の場合にも、上記実施例1の場合と同様に、オイルポンプ92はカウンタシャフト50と油圧多板クラッチ88との間に配設され、カップリングスリーブ82eは、中間軸36に垂直な方向においてオイルポンプ92と重合するように中間軸36とオイルポンプ92との間に配置されている。故に、当該実施例6においてもトランスファ装置は上記同様の効果を奏することになる。
【0086】
実施例7では、図10に示すように、トランスファ装置の駆動力配分手段は、上記実施例1、実施例5、実施例6と同様にセンタデフ62を有しており、この場合には実施例1の場合と同様に2WDとフルタイム4WDと直結4WDとの切換えが可能なものとされている。つまり、この実施例7の場合には、上記実施例5,6の場合と同様、センタデフ62のデフケース(後輪側出力要素)64と中間軸36に回転自在に支持されたスリーブ軸72cとの間に油圧多板クラッチ88が配設されており、スリーブ軸72cの一端にクラッチギヤ74aが設けられている。さらには、スリーブ軸76cがスリーブ軸(前輪側出力要素)72cに回転自在に支持されており、そのスリーブ軸76cの一端にクラッチギヤ78cが設けられ、その他端に前輪FW側へ駆動力を伝達する出力スプロケット(駆動ギヤ)85dが設けられている。そして、クラッチギヤ74a、クラッチギヤ78c及び中間軸36に設けられたクラッチギヤ80の外側に、クラッチギヤ74a,80の連結を行うカップリングスリーブ82f(請求項5の第5連結手段)とクラッチギヤ74a,78cの連結を行うカップリングスリーブ82g(請求項5の第6連結手段)が配置されており、これらカップリングスリーブ82f,82gは中間軸36の軸線方向に摺動自在にして支持されている。
【0087】
従って、この実施例7のトランスファ装置の場合、カップリングスリーブ82fによってクラッチギヤ74aとクラッチギヤ80の連結が行われる一方でカップリングスリーブ82gによるクラッチギヤ74aとクラッチギヤ78cとの連結が行われない状態では、後輪RW側にのみ駆動力が伝達されてトランスファ装置は2WD状態となる。また、カップリングスリーブ82fによるクラッチギヤ74aとクラッチギヤ80との連結が行われず、一方でカップリングスリーブ82gによってクラッチギヤ74aとクラッチギヤ78cとが連結された状態では、トランスファ装置はフルタイム4WD状態となる。そして、この状態で油圧多板クラッチ88に油圧が供給されると、徐々に駆動力配分が等分(略5:5)とされてクラッチによる直結4WD状態が実現され、さらに、カップリングスリーブ82fによってクラッチギヤ74aとクラッチギヤ80とが連結されると最終的にトランスファ装置は直結4WD状態とされる。
【0088】
そして、この実施例7の場合にも、上記実施例1の場合と同様に、オイルポンプ92はカウンタシャフト50と油圧多板クラッチ88との間に配設され、カップリングスリーブ82f,82gは、中間軸36に垂直な方向においてオイルポンプ92と重合するように中間軸36とオイルポンプ92との間に配置されている。従って、当該実施例7においてもトランスファ装置は上記同様の効果を奏することになる。
【0089】
なお、上記実施例7ではカップリングスリーブ82fとカップリングスリーブ82gとを別体としたが、これらを実施例1の場合と同様に一つのカップリングスリーブで構成することも可能である。また一方で、実施例1においてクラッチギヤ74,78,80間の噛み合いを一つのカップリングスリーブ82で行うようにしているが、このカップリングスリーブ82を実施例7の場合のカップリングスリーブ82f,82gのように二つのカップリングスリーブに分割し、これら二つのカップリングスリーブをシフトアクチュエータにより各々独立に摺動させることも可能である。
【0090】
また、上記実施例2、実施例3、実施例5では、オイルポンプ92は出力スプロケット85a或いは出力スプロケット85cとフロントプロペラシャフト16(図示せず)との間の空間を埋めるように配設されるのであるが、実際には、それぞれ図示するように、オイルポンプ92は、出力スプロケット85a或いは出力スプロケット85cとトランスファスプロケット12(図示せず)間に掛け回された環状の駆動チェーン86の内側空間を埋めるように配設されるのがよい。
【0091】
また、上記実施例1乃至実施例7では、駆動チェーン86によって出力スプロケット85からの駆動力を前輪FW側のトランスファスプロケット12に伝達するようにしたが、出力スプロケット85からの駆動力を噛み合いによって直接トランスファスプロケット12に伝達するような構成にしてもよい。この場合、上記実施例2、実施例3、実施例5においては、オイルポンプ92が出力スプロケット85、トランスファスプロケット12と干渉しないよう、オイルポンプ92の駆動軸、即ちカウンタシャフト50の軸線を中間軸36の円周方向において出力スプロケット85の軸線に対して離間させるように配設すればよい。
【0092】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、請求項1の4輪駆動車のトランスファ装置によれば、駆動力配分手段の油圧クラッチ手段に油圧を供給するオイルポンプをカウンタ軸部材の軸線上にカウンタ軸部材の他端よりも駆動力配分手段側に位置するよう設けることで、カウンタ軸部材と駆動力配分手段との間の空間にオイルポンプを良好に収納することができ、また油圧回路をコンパクトに構成することができるので、トランスファ装置をすっきりとコンパクトに構成することができる。
【0093】
また、オイルポンプを駆動源により近いカウンタ軸部材の回転によって駆動させることができるため、駆動力配分手段による前後輪への駆動力配分の変動の影響を受けないようにでき、オイルポンプから供給される油圧を常に安定したものに保持できる。
また、請求項2の4輪駆動車のトランスファ装置によれば、駆動ギヤ及び第3連結手段を有する駆動力配分手段の当該駆動ギヤまたは第3連結手段は、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう配設されているため、このような構成の駆動力配分手段を有するトランスファ装置であっても極めてコンパクトに構成できる。
【0094】
さらに、この場合、オイルポンプを伝達軸に垂直な方向で見て油圧クラッチ手段と重合することなくカウンタ軸部材側に設けることで、油圧クラッチ手段の径方向の寸法を大きくでき、一方軸方向の寸法を小さくでき、トランスファ装置を極力短くできる。
また、請求項3の4輪駆動車のトランスファ装置によれば、駆動ギヤを有する駆動力配分手段の当該駆動ギヤは、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう配設されているため、このような構成の駆動力配分手段を有するトランスファ装置であってもトランスファ装置をやはり極めてコンパクトに構成できる。
【0095】
また、請求項4の4輪駆動車のトランスファ装置によれば、駆動ギヤ及び第4連結手段を有する駆動力配分手段の当該駆動ギヤまたは第4連結手段は、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう配設されているため、このような構成の駆動力配分手段を有するトランスファ装置であってもトランスファ装置をやはり極めてコンパクトに構成できる。
【0096】
また、請求項5の4輪駆動車のトランスファ装置によれば、駆動ギヤ、第5連結手段及び第6連結手段を有する駆動力配分手段の当該駆動ギヤ、第5連結手段及び第6連結手段の少なくともいずれか一つは、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう配設されているため、このような構成の駆動力配分手段を有するトランスファ装置であってもトランスファ装置をやはり極めてコンパクトに構成できる。
【0097】
また、請求項6の4輪駆動車のトランスファ装置によれば、駆動ギヤ、第7連結手段及び第8連結手段を有する駆動力配分手段の当該駆動ギヤ、第7連結手段及び第8連結手段の少なくともいずれか一つは、油圧クラッチ手段よりも副変速機構側に、伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部がオイルポンプと干渉なく重合するよう配設されているため、このような構成の駆動力配分手段を有するトランスファ装置であってもトランスファ装置をやはり極めてコンパクトに構成できる。
【0098】
また、請求項7の4輪駆動車のトランスファ装置によれば、差動装置に遊星歯車機構を使用することで、トランスファ装置を軸方向で縮小し、よりコンパクトなものにできる。
また、請求項8の4輪駆動車のトランスファ装置によれば、カウンタ軸部材の回転速度を駆動軸よりも大とすることで、カウンタ軸部材に接続されたオイルポンプを比較的高速で回転させることができ、小型のオイルポンプにして充分な油圧を発生させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトランスファ装置が適用される、フロントエンジン後輪駆動(FR)タイプの4輪駆動車両を示す概略構成図であって、実施例1のトランスファ装置を示す図である。
【図2】トランスファ装置の制御ブロック図である。
【図3】図1の実施例1に係るトランスファ装置を示す断面図である。
【図4】オイルポンプとバルブボディの構成を示す詳細図である。
【図5】実施例2のトランスファ装置を示す概略構成図である。
【図6】実施例3のトランスファ装置を示す概略構成図である。
【図7】実施例4のトランスファ装置を示す概略構成図である。
【図8】実施例5のトランスファ装置を示す概略構成図である。
【図9】実施例6のトランスファ装置を示す概略構成図である。
【図10】実施例7のトランスファ装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
6 トランスファ装置
8 入力軸(駆動軸)
16 フロントプロペラシャフト
36 中間軸(伝達軸)
38 副変速機構
40 クラッチギヤ(ドライブギヤ)
42 クラッチギヤ(伝達ギヤ)
44 クラッチギヤ
46 ローギヤ(変速ギヤ)
48 カウンタギヤ(第2ギヤ)
50 カウンタシャフト(カウンタ軸部材)
52 ギヤ(第1ギヤ)
54 ギヤ(ドライブギヤ)
56 カップリングスリーブ(第1連結手段及び第2連結手段)
62 センタデフ(差動装置)
64 デフケース(後輪側出力要素)
70 キャリア(入力要素)
72 インナスリーブ軸(前輪側出力要素)
74 クラッチギヤ
76 アウタスリーブ軸
78 クラッチギヤ
80 クラッチギヤ
82 カップリングスリーブ(第7連結手段及び第8連結手段)
82c カップリンクスリーブ(第3連結手段)
82d カップリングスリーブ(第3連結手段)
82e カップリングスリーブ(第4連結手段)
82f カップリングスリーブ(第5連結手段)
82g カップリングスリーブ(第6連結手段)
85,85a,85b,85c,85d 出力スプロケット(駆動ギヤ)
88 油圧多板クラッチ(クラッチ手段)
90 バルブボディ
92 オイルポンプ
94 電子コントロールユニット(ECU)

Claims (8)

  1. エンジンからの動力が伝達される駆動軸と、該駆動軸に設けられたドライブギヤと、該ドライブギアに噛合する第1ギヤを一端に有するとともに前記第1ギヤとギヤ比の異なる第2ギヤを他端に有し、前記駆動軸と平行にしてトランスファケースに回転自在に支持されたカウンタ軸部材と、前記駆動軸の軸線上に前記駆動軸とは別に配設される伝達軸と、前記第2ギヤと噛合して前記伝達軸上に回転自在に支持された変速ギヤと、前記ドライブギヤと前記伝達軸の前記駆動軸側の一端に設けられた伝達ギヤとを連結可能な第1連結手段と、前記変速ギヤと前記伝達ギヤとを連結可能な第2連結手段とを有する副変速機構と、
    前記伝達軸上に前記伝達ギヤから離間して設けられ、オイルポンプから供給される作動油の油圧によって作動され前記副変速機構からの駆動力を前後輪に配分制御可能な油圧クラッチ手段を有する駆動力配分手段と、を備え、
    前記オイルポンプが、前記カウンタ軸部材の軸線上に前記他端よりも前記駆動力配分手段側に位置するよう設けられ、前記カウンタ軸部材の回転により駆動されることを特徴とする4輪駆動車のトランスファ装置。
  2. 前記駆動力配分手段は、前記伝達軸上に回転自在に支持されて前輪及び後輪のいずれか一方に駆動力を伝達する駆動ギヤと、該駆動ギヤと前記伝達軸とを連結可能な前記油圧クラッチ手段と、前記駆動ギヤと前記伝達軸とを連結可能な第3連結手段とを有し、
    前記駆動ギヤまたは前記第3連結手段は、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴とする、請求項1記載の4輪駆動車のトランスファ装置。
  3. 前記駆動力配分手段は、前後輪に前記駆動力を配分する差動装置と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた前記油圧クラッチ手段と、前記差動装置の一方の出力要素と連結するとともに前記伝達軸上に回転自在に支持され、前輪及び後輪のいずれか一方へ駆動力を伝達する駆動ギヤとを有し、
    前記駆動ギヤは、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴とする、請求項1記載の4輪駆動車のトランスファ装置。
  4. 前記駆動力配分手段は、前後輪に前記駆動力を配分する差動装置と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた油圧クラッチ手段と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた第4連結手段と、前記差動装置の一方の出力要素と連結するとともに前記伝達軸上に回転自在に支持され、前輪及び後輪のいずれか一方へ駆動力を伝達する駆動ギヤとを有し、
    前記駆動ギヤまたは前記第4連結手段は、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴とする、請求項1記載の4輪駆動車のトランスファ装置。
  5. 前記駆動力配分手段は、前後輪に前記駆動力を配分する差動装置と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた油圧クラッチ手段と、前記差動装置の入力要素、前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの2つの要素間を連結可能に設けられた第5連結手段と、前記伝達軸上に回転自在に支持されて前輪及び後輪のいずれか一方へ駆動力を伝達する駆動ギヤと、前記差動装置の一方の出力要素と前記駆動ギヤとを連結可能な第6連結手段とを有し、
    前記駆動ギヤ、前記第5連結手段及び前記第6連結手段の少なくともいずれか一つは、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴とする、請求項1記載の4輪駆動車のトランスファ装置。
  6. 前記駆動力配分手段は、前後輪に前記駆動力を配分する差動装置と、前記差動装置の前輪側出力要素及び後輪側出力要素のうちの一方の出力要素と前記伝達軸とを連結可能に設けられた第7連結手段と、前記伝達軸上に回転自在に支持されて前輪及び後輪のいずれか一方へ駆動力を伝達する駆動ギヤと、前記駆動ギヤと前記一方の出力要素とを連結可能な第8連結手段と、前記駆動ギヤと前記差動装置の入力要素及び他方の出力要素のいずれか一方とを連結可能に設けられた油圧クラッチ手段とを有し、
    前記駆動ギヤ、前記第7連結手段及び前記第8連結手段の少なくともいずれか一つは、前記油圧クラッチ手段よりも前記副変速機構側に、前記伝達軸に垂直な方向で見て少なくとも一部が前記オイルポンプと重合するように配設されていることを特徴とする、請求項1記載の4輪駆動車のトランスファ装置。
  7. 前記差動装置は、遊星歯車機構からなることを特徴とする、請求項3乃至6のいずれか記載の4輪駆動車のトランスファ装置。
  8. 前記カウンタ軸部材は、前記駆動軸よりも回転速度が大であることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか記載の4輪駆動車のトランスファ装置。
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