JPH10164A - 合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製断熱蓋 - Google Patents

合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製断熱蓋

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JPH10164A
JPH10164A JP9053719A JP5371997A JPH10164A JP H10164 A JPH10164 A JP H10164A JP 9053719 A JP9053719 A JP 9053719A JP 5371997 A JP5371997 A JP 5371997A JP H10164 A JPH10164 A JP H10164A
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孝文 藤井
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秀史 蒲地
Kensuke Furuyama
憲輔 古山
Atsuhiko Tanaka
篤彦 田中
Masashi Yamada
雅司 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メッキ膜の形成を不要とし、断熱性能が高く
耐久性に優れ、製作が容易で、安価で、さらに合成樹脂
の回収が容易にできる合成樹脂製断熱容器および合成樹
脂製断熱蓋を提供する。 【解決手段】 合成樹脂製の内容器2を合成樹脂製の外
容器3内に隙間5を隔てて収容し一体に形成されてなる
二重壁容器の隙間5内に、二重壁構造をなし、両壁間に
空気より熱伝導率が低い低熱伝導率ガスを封入してなる
合成樹脂製の断熱層体11Aを保持させた合成樹脂製断
熱容器1Aと、合成樹脂製の上面壁52と合成樹脂製の
下面壁53を隙間55を隔てて配して一体に形成されて
なる二重壁蓋の前記隙間内に、二重壁構造をなし、両壁
間に前記低熱伝導率ガスを封入してなる合成樹脂製の蓋
用断熱層体61を保持させた合成樹脂製断熱蓋51。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、二重壁構造の断熱
容器および蓋の両壁間の空間部に、空気より熱伝導率が
低い低熱伝導率ガスを封入した二重壁断熱体を保持させ
た合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製断熱蓋に関し、詳し
くは保温食器、クーラーボックス、ランチジャー等の保
温保冷を目的とした合成樹脂製断熱容器と合成樹脂製断
熱蓋に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から提案されている合成樹脂製断熱
容器として、内容器と外容器とを合成樹脂材料で成形
し、内容器を外容器内に空間部を隔てて収容し、この空
間部にキセノン、クリプトン、アルゴンのうちの少なく
とも1種のガスを封入した断熱容器が知られている。こ
のような合成樹脂製断熱容器は、ガスバリア性を高める
ために、内容器の外面や外容器の内面にメッキ膜を形成
していた。
【0003】このようなメッキ膜の形成において、メッ
キ膜を直接形成可能な樹脂の場合は、内容器の内面や外
容器の外面、及び内外容器の接合面にメッキを付着させ
ないようにマスキングを行う必要がある。このようなマ
スキングはその形成位置等に高い精度が要求されること
から、マスキング費用が多大になるとともに、マスキン
グ後の電気メッキ等の費用も高価となる。またマスキン
グの形成では、マスキング塗料の未着部や剥がれた場所
にメッキ膜が付着して外観不良となるほか、マスキング
塗料の安全面での管理や樹脂への密着性を維持するため
の管理が必要であり、コスト面や設計の自由度および耐
久性に影響を与えていた。
【0004】メッキ膜を直接形成することができない樹
脂の場合は、メッキ膜を形成するためABS塗料等の塗
布による前処理工程が必要であり、コストアップの要因
になっていた。また、メッキ膜の密着性を高めるため
に、使用可能な樹脂が限定されてしまい、合成樹脂の剛
性や耐アルカリ性等の機能を一部犠牲にする不都合があ
った。また、メッキ膜を形成することにより製造時、廃
棄時のリサイクルの際に合成樹脂の回収ができず、コス
トアップの要因となっていた。さらに、断熱容器を形成
する際、ガスバリア性の高い合成樹脂材料を用いた場
合、一般にそれらの樹脂の多くは吸湿性が高く、吸湿す
ると本来のガスバリア性が劣化し、必要な性能が得られ
ないなどの問題があった。また、樹脂の種類によって
は、元々機械的強度が不十分だったり、吸湿性の高い合
成樹脂は吸湿することによって機械的強度が劣化する等
の不都合があった。加えて、前記構成の従来の断熱容器
において、内容器と外容器の材料に汎用樹脂のポリプロ
ピレンを用いると、ポリプロピレンは100℃前後の強
度が低下するため、断熱容器に熱湯を保持させ保温させ
るなど高温環境下に置いたときに断熱容器の外観に膨れ
を生じる場合がある。これを解決するためには、肉厚を
増したり、溶着強度が低く比重の高い高耐熱グレードの
ポリプロピレンを混合する必要があり、その場合、製品
重量が増したり、成形性が劣るなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記不都合
に鑑みてなされたもので、メッキ膜の形成を不要とし、
断熱性能が高く、耐久性に優れ、製作が容易で、安価
で、さらに合成樹脂の回収が容易にできる合成樹脂製断
熱容器および合成樹脂製断熱蓋を提供するものである。
さらに本発明は、耐熱性が高く、内容器と外容器あるい
は上面壁と下面壁を形成するための材料の選択の幅が広
い断熱容器および断熱蓋を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の合成樹脂製断熱
容器は、合成樹脂製の内容器を合成樹脂製の外容器内に
隙間を隔てて収容し一体に形成されてなる二重壁容器の
前記隙間内に、二重壁構造をなし、両壁間に空気より熱
伝導率が低い低熱伝導率ガスを封入してなる合成樹脂製
の断熱層体を保持してなることを特徴とする。また、前
記断熱層体が、前記内容器の外面に沿う形状の内壁体
と、前記外容器の内面に沿う形状の外壁体とを有し、該
内壁体を該外壁体内に空間層を隔てて収容し、該空間層
に前記低熱伝導率ガスを封入し、該内壁体の端部と該外
壁体の端部を連結してなる構成としてよい。また、前記
断熱層体が、前記両壁間に前記低熱伝導率ガスを封入密
封して得た一体成形の二重壁断熱体である構成としても
よい。さらに、前記断熱層体が、気体透過率がO2
2,CO2に関して1g /m2/24hr/atm以下
の合成樹脂、内容器と外容器に用いた合成樹脂よりも耐
熱性が高い合成樹脂、内容器と外容器に用いた合成樹脂
よりも100℃における曲げ強度が高い合成樹脂、ある
いは内容器と外容器に用いた合成樹脂よりも100℃に
おける耐クリープ性の高い合成樹脂を用いて形成しても
よい。本発明の合成樹脂製断熱蓋は、合成樹脂製の上面
壁と合成樹脂製の下面壁を隙間を隔てて配して一体に形
成されてなる二重壁蓋の前記隙間内に、二重壁構造をな
し、両壁間に前記低熱伝導率ガスを封入してなる合成樹
脂製の蓋用断熱層体を保持してなることを特徴とする。
また、前記蓋用断熱層体が、前記上面壁の下面に沿う形
状の上壁材と、前記下面壁の上面に沿う形状の下壁材と
を有し、該上壁材を該下壁材上に空間層を隔てて配し、
該空間層に前記低熱伝導率ガスを封入し、該上壁材の端
部と該下壁材の端部を連結してなる構成としてよい。ま
た、前記蓋用断熱層体が、前記両壁間に前記低伝熱導率
ガスを封入密封して得た一体成形の蓋用二重壁断熱体で
ある構成としてもよい。さらに、前記蓋用断熱層体が、
気体透過率がO2,N2,CO2に関して1g /m2/2
4hr/atm以下の合成樹脂、上面壁と下面壁に用い
た合成樹脂よりも耐熱性が高い合成樹脂、上面壁と下面
壁に用いた合成樹脂よりも100℃における曲げ強度が
高い合成樹脂、あるいは上面壁と下面壁に用いた合成樹
脂よりも100℃における耐クリープ性の高い合成樹脂
を用いて形成してもよい。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の合成樹脂製断熱容器にお
いては、好ましくは吸湿率が低く機械的強度の高い合成
樹脂製の内容器と外容器の隙間に、好ましくは高ガスバ
リア性の合成樹脂を用いた容器構造の二重壁体で、両壁
間の空間層に低熱伝導率ガスを封入した断熱層体を配す
ることにより、内容器と外容器へのメッキ膜の形成が不
要となり、かつ内容器と外容器により断熱層体が保護さ
れているので、断熱層体のガスバリア性が劣化すること
なく耐久性に優れたものとなる。さらに断熱層体の耐熱
性、100℃での曲げ強度、耐クリープ性を高めれば、
断熱容器にお湯を保持するなど高温環境下に置いても断
熱層体の変形が起こらず、かつ断熱層体により内容器を
支えることができるので、内容器と外容器に必ずしも耐
熱性、100℃での曲げ強度、耐クリープ性の高い材料
を用いなくても外観の膨れを防止することができる。同
様にして本発明の合成樹脂製断熱容器においては、好ま
しくは吸湿率が低く機械的強度の高い合成樹脂製の上面
壁と下面壁の隙間に、好ましくは高ガスバリア性の合成
樹脂を用いた容器構造の二重壁体で、両壁間の空間層に
低熱伝導率ガスを封入した蓋用断熱層体を配することに
より、上面壁と下面壁へのメッキ膜の形成が不要とな
り、かつ上面壁と下面壁により蓋用断熱層体が保護され
ているので、蓋用断熱層体のガスバリア性が劣化するこ
となく、耐久性に優れたものとなる。さらに蓋用断熱層
体の耐熱性、100℃での曲げ強度、耐クリープ性を高
めれば、お湯などを保持した断熱容器にこの断熱蓋をか
ぶせるなど高温下に置いても蓋用断熱層体の変形が起こ
らず、かつ蓋用断熱層体により下面壁を支えることがで
きるので、上面壁と下面壁に必ずしも耐熱性、100℃
での曲げ強度、耐クリープ性の高い材料を用いなくても
外観の膨れを防止することができる。
【0008】図1〜図3は本発明の合成樹脂製断熱容器
と合成樹脂製断熱蓋の第1の実施形態を示すものであ
り、この図において、丼状または椀状をなした合成樹脂
製断熱容器(以下、断熱容器という)1Aに合成樹脂製
断熱蓋(以下、蓋という)51が被せられている。ま
ず、断熱容器1Aについて説明する。この断熱容器1A
は、内容器2と外容器3とで形成される隙間5に、二重
壁体で、両壁間の空間層14に低熱伝導率ガスを封入し
た断熱層体11Aを保持してなっている。断熱層体11
Aは、内容器2の外面に沿う形状の内壁体12と、外容
器3の内面に沿う形状の外壁体13からなるものであ
り、これら内壁体12と外壁体13はそれぞれ射出成形
により成形される。外壁体13の底部には、低熱伝導率
ガスを封入する開孔部13bが穿設される。この開孔部
は内壁体12と外壁体13のどちらに形成してもよい
が、内壁体12底部か、外壁体13底部に形成するのが
好ましく、この例示においては外壁体13底部に形成す
る場合について説明する。
【0009】内壁体12と外壁体13に用いる樹脂とし
ては、ガスバリア性に優れる合成樹脂材料(以下、高ガ
スバリア性合成樹脂という)、具体的には気体透過率
(ASTM Z 1434−58)が、O2,N2,CO2
に関して1g/m2/24hr/atm以下の合成樹脂
材料であるポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロ
ニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂のいずれか1種が用いられる。ポリビニルアルコール
系樹脂には、ポリビニルアルコールとエチレンとの共重
合体あるいはエチレンとの共重合体けん化物としての酢
酸ビニルエステルが含まれる。ポリアクリロニトリル系
樹脂にはアクリロニトリルを50%以上含む基ポリマ−
を主成分とする樹脂が含まれる。ポリアミド系樹脂には
ポリアミドとポリプロピレンもしくはABSとの混合樹
脂が含まれる。ポリエステル系樹脂には、ポリエステル
とポリカ−ボネ−トとの混合樹脂が含まれる。これらの
樹脂はガスバリア性に優れるので、これらの樹脂で内壁
体12と外壁体13を形成すると、メッキ膜を形成して
ガスバリア性を付与することが不要となり、メッキ膜形
成に係るさまざまな工程を省略することができ、断熱層
体11Aを安価に製造することができる。さらに、内壁
体12と外壁体13に用いる樹脂としては、高ガスバリ
ア性に加えて、内容器と外容器に用いた樹脂よりも、耐
熱性が高く、100℃における曲げ強度、耐クリープ性
の高い合成樹脂材料を用いればより好ましく、具体的に
は、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアル
コール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ナイロン
系樹脂、ポリエステル系樹脂;ポリプロピレンとポリエ
ステル、ポリプロピレンとナイロン、ポリプロピレンと
アクリロニトリル、ポリプロピレンとエチレンビニルア
ルコール、ポリプロピレンとポリビニルアルコール等の
アロイ樹脂;あるいはポリカーボネートとポリエステ
ル、ポリカーボネートとナイロン、ポリカーボネートと
アクリロニトリル、ポリカーボネートとエチレンビニル
アルコール等のアロイ樹脂;あるいは液晶ポリエステ
ル、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリエ
チレンナフタレート、およびエチレンビニルアルコール
からなる群から選ばれた少なくとも2種以上の樹脂から
なるアロイ樹脂が好ましく用いられる。特にこれらの樹
脂のうち、耐熱性に関して、荷重たわみ温度(ASTM
D−648)が荷重0.8MPaにおいて120℃以
上、好ましくは140℃以上であるものを用いることが
好ましく、100℃における曲げ強さが20MPa以
上、好ましくは30MPa以上であるものを用いること
が好ましい。内壁体12と外壁体13にこれらの樹脂を
用いれば、耐熱性が高く100℃近くの温度において、
曲げ強度、耐クリープ性などの機械的強度に優れる断熱
層体11Aとすることができ、断熱容器1Aにお湯を保
持させるなど高温環境下に置いたときに断熱層体11A
が変形することがなく、断熱層体11Aが膨れて断熱容
器1Aの外観が膨れることを防止できる。
【0010】これらの樹脂で成形された内壁体12と外
壁体13は、それぞれの端部12a、13aで振動溶着
法、スピン溶着法、熱板溶着法等の加熱溶着法により互
いに接合される。これらの溶着法によれば、内壁体端部
12aと外壁体端部13aの面同士の溶着が行われ、こ
れら内外壁体の端部12a、13aの接合部を気密に保
つことができ、接合強度も大きなものとなる。内外壁体
12、13の接合によって得られた二重壁体の空間層1
4には、開孔部13bから低熱伝導率ガスが封入され、
次いでこの開孔部13bが封止板16により接着剤を用
いて封止されて空間層14に断熱層が形成され、断熱層
体11Aが得られる。封止板16による封止に用いる接
着剤としては、シアノアクリレート系あるいはアセトニ
トリル系の接着剤が用いられる。この接着剤は固化後の
気密性が高く、かつ瞬間的に強力な接着力が得られるの
で、断熱層体11Aの空間層14に充填された低熱伝導
率ガスの確実な封止が可能となる。
【0011】断熱層体11Aの空間層14に封入される
低熱伝導率ガスとしては、キセノン、クリプトン、アル
ゴンのうち少なくとも1種のガスを用いることが好まし
い。これらのガスの熱伝導度はキセノン(熱伝導率κ=
0.52×10-2W・m-1・K-1;0℃)、クリプトン
(κ=0.87×10-2W・m-1・K-1;0℃)、アル
ゴン(κ=1.63×10-2W・m-1・K-1;0℃)
で、空気の熱伝導率(κ=2.41×10-2W・m-1
-1;0℃)よりも小さく、これらのガスは、単独で、
あるいは2種以上の混合ガスとして常温で大気圧程度、
またはそれ以下の封入圧力、即ち80〜100kPaで
封入される。これらのガスは不活性であり、環境保全上
好適である。また封入圧力がこの範囲であると、空間層
14に形成されたガス充填層15の断熱性能が良好であ
るとともに、ガス充填層15と外部との圧力差が小さい
ために、断熱層体11Aに、圧力差による外圧が加わっ
て凹みや膨らみを生じることがほとんどない。したがっ
て、断熱層体を平面壁構造等様々な構造にすることも可
能である。
【0012】またこれらのガスは、一般に空気に含まれ
る酸素や窒素に比べて分子径が大きいので、上記高ガス
バリア性樹脂における低熱伝導率ガスの透過率はO2
2の値より小さいものとなる。さらにこの断熱層体1
1Aは合成樹脂製の内外容器2、3の隙間5に保持され
る。したがって、断熱層であるガス充填層15内に低熱
伝導率ガスを封入した断熱層体11Aを隙間5内に挿入
することにより、断熱容器1Aの断熱性能を長期にわた
って維持することが可能となり、ガスバリア性を付与す
るためのメッキ膜の形成が不要となる。また、低熱伝導
率ガスとしては二酸化炭素(κ=1.45×10-2W・
-1・K-1;0℃)を用いてもよい。二酸化炭素は不活
性であり、分子径も酸素や窒素に比べて大きいので、環
境保全上の問題もなく、かつ断熱層体の壁面を通過しに
くい。またこれらのガスは非常に軽いので、空間層14
にウレタン、発泡スチロール、パーライト等の断熱材を
充填する場合に比べて、断熱層体11Aを軽くすること
ができ、軽い断熱容器1Aを得ることができる。
【0013】また、断熱層体11Aの内壁体12の外面
と外壁体13の内面の少なくとも一方、好ましくは内壁
体12の外面に金属からなる輻射防止材18を形成する
のが好ましい。この輻射防止材18としては、アルミニ
ウム箔、銅箔、銀箔等の金属箔や金属蒸着テープから選
ばれた1種が用いられる。この輻射防止材18を断熱層
体11Aに形成することにより、断熱容器1Aに内容物
を入れたとき、輻射伝熱による伝熱ロスを小さくするこ
とができる。金属からなる輻射防止材を内壁体12の外
面と外壁体13の内面の両方に形成する場合は、輻射伝
熱による伝熱ロスをさらに小さくすることができるが、
内壁体12の外面に形成した輻射防止材と外壁体13の
内面に形成した輻射防止材とは、輻射防止材の端部にお
いても他の部位においても接触させないように形成する
ことが好ましい。これによりこれら輻射防止材どうしの
熱伝導による伝熱ロスを少なくすることができる。
【0014】断熱層体11Aのガス充填層15の厚み
は、好ましくは1〜10mmの範囲に設定される。この
厚みが10mmより大きいと、内部の低熱伝導率ガスの
対流が生じ易く、ガス充填層15の厚さ方向の伝熱量が
大きくなって断熱効率が悪化することになり、かつガス
充填層15が厚くなり、内容器2と外容器3の隙間5に
断熱層体11Aを保持させて断熱容器1Aを形成した状
態での、断熱容器1Aの外容積に対する収容容積の割
合、すなわち有効容積率が悪くなる。また、この厚さが
1mmより小さいと内壁体12と外壁体13との接触あ
るいは内壁体12の外面に形成する輻射防止材と外壁体
13の接触を避けて断熱層体11Aを形成するのが難し
くなり、製造に手間がかかり、製造コストの上昇を招い
てしまう。上記のように、空間層14に低熱伝導率ガス
を封入することにより、ガス充填層15を形成すると良
好な断熱性能が得られる。
【0015】断熱層体11Aを内容器2と外容器3の隙
間5に保持させる際に、内容器2の外面あるいは断熱層
体11Aの内壁体12の内面、および/または、外容器
3の内面あるいは断熱層体11Aの外壁体13の外面に
は、金属からなる輻射防止材を形成してもよい。この場
合、例えば内容器2の外面に金属からなる輻射防止材を
形成する場合には、輻射防止材と断熱層体11Aを接触
させずに形成させるとさらによい。また、内容器2の外
面と外容器3の内面に輻射防止材を形成する場合には、
輻射防止材どうしの接触を避けるように、また、輻射防
止材と断熱層体11Aとの接触を避けるように形成する
とよい。この輻射防止材は、内壁体12の外面や外壁体
13の内面に形成する輻射防止材と同種のものを用い
る。
【0016】このように輻射防止材を、内壁体12の外
面や外壁体13の内面のみ、または、断熱層体11Aと
内容器2の間、あるいは断熱層体11Aと外容器3の間
のみに設けることができるが、同時に形成することによ
り多層断熱構造にすることができるため、輻射伝熱によ
る伝熱ロスを少なくすることができる。また、例えば内
容器2の外面に金属からなる輻射防止材を形成する場合
に、輻射防止材と断熱層体11Aを接触させずに形成さ
せると、断熱層体11Aへの輻射伝熱や伝導伝熱による
断熱層体11Aの温度上昇を低減できるため、断熱性能
をさらに向上させることができる。また、これらの輻射
防止材は両面テープ等を用いて容易に着脱できるように
形成するのが好ましい。あるいは、内壁体12と外壁体
13を輻射熱の透過率の高い透明な材料で成形して透明
な断熱層体11Aとし、この断熱層体11Aの内壁体1
2の内面(内容器側の面)または外壁体13の外面(外
容器側の面)に、同様の輻射防止材を設けることもでき
る(図示せず)。
【0017】このように構成された断熱容器1Aでは、
断熱層体11Aや内容器2、外容器3にガスバリア性を
付与するためのメッキ膜を形成することがないので、断
熱容器1Aの製造コストを下げることができるととも
に、断熱層体11Aや内容器2、外容器3に用いた樹脂
を回収することが容易となる。また、輻射防止材に用い
た金属箔の回収も容易となり、資源リサイクルに好都合
となる。
【0018】内容器2と外容器3は、吸湿率が低くかつ
機械的強度が高い合成樹脂材料、具体的には透湿度が、
JIS Z 0208に準じ、温度40℃、相対湿度90
%の条件下で50g/m2/24hr以下であり、曲げ
弾性率(ASTM D790)が10000kg/cm2
以上および/またはアイゾッド衝撃強度(ノッチあり)
(AST M D256)が5kg・cm/cm以上の合
成樹脂材料であるポリプロピレン系樹脂、ABS系樹
脂、ポリスチレン、AS、ポリエチレン、塩化ビニル、
ポリアミドイミド等のうちのいずれか1種の材料で射出
成形により形成される。
【0019】ポリプロピレン系樹脂には、ポリプロピレ
ンとポリエチレンもしくはポリブチレンとの共重合体お
よびポリプロピレンとポリエステルとの混合樹脂が含ま
れる。ABS系樹脂にはABSとポリエステルとの混合
樹脂およびABSとポリカーボネートの混合樹脂が含ま
れる。特にこの断熱容器1Aでは、内外壁体12、13
の空間層14に低熱伝導率ガスを封入後、接着剤を用い
て開孔部13bを封止板16で封止するが、接着剤を用
いるのはこの部位だけで、内外容器2、3には接着剤を
用いる必要がない。このため、従来は用いることができ
なかった難接着性材料、例えばポリプロピレン系樹脂を
用いることができるようになり、耐薬品性(有機溶剤、
漂白剤、洗剤などの薬品に接しても変化を生ずることが
ない性質)に優れた断熱容器1Aを得ることができる
上、接着封止部が外観面に出ないためにデザインを損な
うことがない。また接着剤の耐熱老化、耐熱水などの耐
久性の問題や外的衝撃に対する問題が軽減される。
【0020】これらの樹脂は低吸湿性で機械的強度も高
い。したがって、断熱層体11Aを内外容器2、3の隙
間5に保持させて内容器端部2aと外容器端部3aとを
振動溶着法、スピン溶着法、熱板溶着法等の加熱溶着法
により結合して断熱容器1Aを形成する際は、上記樹脂
で内容器2および外容器3を成形することによって、断
熱層体11Aに、吸湿により機械的強度が劣化したり、
もともと機械的強度に劣るがガスバリア性に優れる樹脂
を用いても断熱層体11Aを吸湿させず、かつその機械
的強度を補うことができる。このため、断熱層体11A
のガスバリア性を長期に互って維持することができ、ま
た断熱層体11Aに用いる高ガスバリア性樹脂の選択幅
を広めることができる。特に、上述のごとく、内壁体1
2と外壁体13に、耐熱性が高く100℃近くの温度に
おいて、曲げ強度および/または耐クリープ性などの機
械的強度に優れる合成樹脂材料を用いた場合において
は、内容器2と外容器3にポリプロピレンなどの汎用樹
脂を好ましく用いることができる。
【0021】次に第1の実施形態の蓋51について図1
を用いて説明する。断熱容器1Aの開口部4にはつまみ
52bが形成された蓋51が被せられる。この蓋51は
合成樹脂で形成され、上面壁52と下面壁53とで形成
される隙間55に、低熱伝導率ガスを封入して形成した
ガス充填層65を有する蓋用断熱層体61を保持してな
っている。
【0022】蓋用断熱層体61は上面壁52の下面に沿
う形状の上壁材62と、下面壁53の上面に沿う形状の
下壁材63とからなるものであり、これら上壁材62と
下壁材63はそれぞれ射出成形により成形される。上壁
材62の上部には、低熱伝導率ガスを封入する開孔部6
3bが穿設される。この開孔部は上壁材62と下壁材6
3のどちらに形成してもよいが、上壁材62の上部か下
壁材63上部に形成するのが好ましく、ここでは上壁材
62の上部に形成する場合について説明する。上壁材6
2と下壁材63に用いる樹脂としては、高ガスバリア性
合成樹脂材料であるポリビニルアルコール系樹脂、ポリ
アクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエス
テル系樹脂のいずれか1種が用いられる。これらの樹脂
はガスバリア性に優れるので、メッキ膜を形成してガス
バリア性を付与することが不要となり、メッキ膜形成に
係るさまざまな工程を省略することができ、蓋用断熱層
体61を安価に製造することができる。さらに、上壁材
62と下壁材63に用いる樹脂としては、ガスバリア性
に優れかつ耐熱性が高く100℃近くの温度において、
曲げ強度、耐クリープ性などの機械的強度に優れる合成
樹脂材料を用いればより好ましく、具体的には、ポリビ
ニルアルコール系樹脂、エチレンビニルアルコール系樹
脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポ
リエステル系樹脂;ポリプロピレンとポリエステル、ポ
リプロピレンとナイロン、ポリプロピレンとアクリロニ
トリル、ポリプロピレンとエチレンビニルアルコール、
ポリプロピレンとポリビニルアルコール等のアロイ樹
脂;あるいはポリカーボネートとポリエステル、ポリカ
ーボネートとナイロン、ポリカーボネートとアクリロニ
トリル、ポリカーボネートとエチレンビニルアルコール
等のアロイ樹脂;あるいは液晶ポリエステル、ポリエチ
レンナフタレート、ポリエチレンテレフタレートなどの
ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリエチレンナフタ
レート、およびエチレンビニルアルコールからなる群か
ら選ばれた、少なくとも2種以上の樹脂からなるアロイ
樹脂が好ましく用いられる。上壁材62と下壁材63に
これらの樹脂を用いれば、耐熱性が高く100℃近くの
温度において、曲げ強度、耐クリープ性などの機械的強
度に優れる蓋用断熱層体61とすることができ、断熱蓋
51をお湯を保持した断熱容器にかぶせるなど高温下に
置いたときに蓋用断熱層体61が変形することがなく、
蓋用断熱層体61が膨れて断熱蓋51の外観が膨れるこ
とを防止できる。
【0023】これらの樹脂で成形された上壁材62と下
壁材63は、それぞれの端部62a、63aで振動溶着
法、スピン溶着法、熱板溶着法等の加熱溶着法により接
合される。これらの溶着法によれば、上壁材端部62a
と下壁材端部63aの面どうしの溶着を行うことがで
き、上下壁材の端部62a、63aの接合部を気密に保
つことができ、接合強度も大きなものとなる。上下壁材
62、63の接合によって得られた蓋用二重壁体の両壁
間の空間層64には、開孔部63bから低熱伝導率ガス
が封入され、封入後、開孔部63bが封止板66により
シアノアクリレート系あるいはアセトニトリル系の接着
剤を用いて封止され、空間層64を断熱層であるガス充
填層65とした蓋用断熱層体61が得られる。
【0024】蓋用断熱層体61の空間層64に封入され
る低熱伝導率ガスとしては、好ましくは、キセノン、ク
リプトン、アルゴンのうち少なくとも1種のガスが用い
られ、常温で大気圧程度、またはそれ以下の封入圧力で
封入される。なおこの低熱伝導率ガスとしては二酸化炭
素を用いてもよい。また、ガス充填層65の厚みは、好
ましくは1〜10mmの範囲に設定される。この厚みが
10mmより大きいと、内部の低熱伝導率ガスの対流が
生じ易く、ガス充填層65の厚さ方向の伝熱量が大きく
なって断熱効率が悪化することになる。また、この厚さ
が1mmより小さいと上壁材62と下壁材63との接触
を避けて蓋用断熱層体61を形成するのが難しくなり、
製造に手間がかかり、製造コストの上昇を招いてしま
う。空間層64に低熱伝導率ガスを封入することによ
り、ガス充填層65の厚みを薄く形成しても良好な断熱
性が得られるので、この厚みを1〜10mmの範囲に設
定することが可能となる。
【0025】また、下壁材63の上面と上壁材62の下
面の少なくとも一方、好ましくは下壁材63の上面に金
属からなる輻射防止材67を形成するのが好ましい。こ
の輻射防止材67としては、アルミニウム箔、銅箔、銀
箔等の金属箔や金属蒸着テープ等から選ばれた1種が用
いられる。この輻射防止材67を蓋用断熱層体61に形
成することにより、蓋51を装着した断熱容器1Aに内
容物を入れたとき、蓋51からの輻射伝熱による伝熱ロ
スを小さくすることができる。金属からなる輻射防止材
を下壁材63の上面と上壁材62の下面の両方に形成す
る場合は、輻射伝熱による伝熱ロスをさらに小さくする
ことができるが、下壁材63の上面に形成した輻射防止
材と上壁材62の下面に形成した輻射防止材とは、輻射
防止材の端部においても他の部位においても接触させな
いように形成することが好ましい。これによりこれら輻
射防止材どうしの熱伝導による伝熱ロスを少なくするこ
とができる。
【0026】蓋用断熱層体61を上面壁52と下面壁5
3の隙間55に保持させる際に、下面壁53の上面ある
いは蓋用断熱層体61の下壁材63の下面、および/ま
たは、上面壁52の下面あるいは蓋用断熱層体61の上
壁材62の上面には、金属からなる輻射防止材を形成し
てもよい。この場合、上記箇所のうち複数箇所に、互い
に接触しないように輻射防止材を形成する場合には伝熱
ロスをより低減できる。また、上面壁52下面または下
面壁53上面に輻射防止材を形成するときには、この輻
射防止材を蓋用断熱層体61と接触させずに形成すると
さらによい。この輻射防止材は、上壁材62の下面や下
壁材63の上面に形成する輻射防止材と同種のものを用
いる。このように上面壁52の下面や下面壁53の上面
に金属からなる輻射防止材を形成することにより、蓋用
断熱層体61のみに金属からなる輻射防止材を形成する
場合に比べて、輻射伝熱による伝熱ロスをさらに少なく
することができる。また、これら輻射防止材は両面テー
プ等を用いて容易に着脱できるよう形成するのが好まし
い。あるいは、上壁材62と下壁材63を輻射熱の透過
率の高い透明な材料で成形して透明な蓋用断熱層体61
とし、この蓋用断熱層体61の上壁材12の上面(上面
壁側の面)または下壁材63の下面(下面壁側の面)
に、同様の輻射防止材を設けることもできる(図示せ
ず)。
【0027】このように蓋51では、上面壁52、下面
壁53にガスバリア性を付与するためのメッキ膜を形成
することがないので、蓋51の製造コストを下げること
ができるとともに、蓋用断熱層体61や上面壁52、下
面壁53に用いた樹脂や、輻射防止材に用いた金属箔の
回収も容易となり、資源リサイクルに好都合となる。
【0028】上面壁52と下面壁53は吸湿率が低くか
つ機械的強度が高い合成樹脂材料であるポリプロピレン
系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン、AS、ポリエチ
レン、塩化ビニル、ポリアミドイミド等のうちのいずれ
か1種で射出成形により形成される。これらの樹脂は低
吸湿性で、機械的強度に優れるので、蓋51に強度を付
与すると共に、蓋用断熱層体61の形成に用いた高ガス
バリア性樹脂を吸湿させず、そのガスバリア性を長期に
亘って維持することができる。特に、上述のごとく、上
壁材62と下壁材63に、耐熱性が高く100℃近くの
温度において、曲げ強度および/または耐クリープ性な
どの機械的強度に優れる合成樹脂材料を用いた場合にお
いては、上面壁52と下面壁53にポリプロピレンなど
の汎用樹脂を好ましく用いることができる。また、蓋5
1を断熱容器1Aに装着したとき、蓋51の周壁部54
の外面は、断熱容器1Aの開口周壁部2bと面接触する
ように成形され、この接触部からの熱伝導を遮断し、断
熱容器1Aに入れた内容物の保温効果を高めるようにな
っている。このように形成された蓋51を断熱容器1A
の開口部4に被せることにより、断熱容器1Aに入れた
内容物を長時間保温することができる。
【0029】このように上記第1の実施形態の断熱容器
と蓋では、断熱層体に封入された低熱伝導率ガスを、合
成樹脂壁で二重に密封するので、断熱容器および蓋のガ
スバリア性を長期にわたって維持することができるた
め、断熱性能を高く維持することができる。また、断熱
層体に高ガスバリア性樹脂を用い、内外容器あるいは上
下面壁に低吸湿性かつ高機械的強度の樹脂を用いること
により、吸湿することにより機械的強度やガスバリア性
が低減しがちな断熱層体の高ガスバリア性樹脂を吸湿さ
せずかつ保護することができ、その断熱性能を長期に亘
って維持することができる。さらに、上述のごとく、断
熱層体あるいは蓋用断熱層体に、耐熱性が高く100℃
近くの温度において、曲げ強度および/または耐クリー
プ性などの機械的強度に優れる合成樹脂材料を用いた場
合においては、内外容器あるいは上下面壁にポリプロピ
レンなどの汎用樹脂を好ましく用いることができる。
【0030】また、メッキ膜が形成されないので、製造
コストを低減できるとともに、断熱容器あるいは蓋の形
成に用いた合成樹脂や、輻射伝熱の低減に用いた金属箔
の回収が容易であり、資源リサイクルに好都合である。
また、断熱層体の断熱層に低熱伝導率ガスを封入するこ
とより、断熱層の厚みを薄く形成することができ、結果
として断熱容器および蓋を薄く形成することができる。
【0031】図4ないし図7は本発明の断熱容器と蓋の
第2の実施形態を示すものである。図4および図5に例
示する断熱容器1Bは、内容器2と外容器3とで形成さ
れる隙間5に、低熱伝導率ガスを空間層14に封入した
断熱層体11Bを保持してなっている。断熱層体11B
は内壁体12と外壁体23からなり、これら内壁体12
と外壁体23はそれぞれ射出成形により成形される。こ
の断熱層体11Bと第1の実施形態で用いた断熱層体1
1Aとの異なるところは、断熱層体11Bには、低熱伝
導率ガスを封入するための開孔部が形成されていないと
ころである。
【0032】断熱層体11Bの空間層14に封入される
低熱伝導率ガスとしては、キセノン、クリプトン、アル
ゴンのうち少なくとも1種のガスが用いられ、これらの
ガスを単独で、あるいは2種以上の混合ガスとして、常
温で大気圧程度の封入圧力で封入することが好ましい。
また、低熱伝導率ガスとして、二酸化炭素を用いること
も可能である。低熱伝導率ガスの充填により形成された
ガス充填層65の厚みは、好ましくは1〜10mmの範
囲に設定される。上記のように空間層14に低熱伝導率
ガスを封入することにより、ガス充填層15の厚みを上
記範囲に設定することが可能となる。
【0033】内壁体12と外壁体23に用いる樹脂とし
ては、高ガスバリア性合成樹脂材料であるポリビニルア
ルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれか1種が用い
られる。これらの樹脂はガスバリア性に優れるので、メ
ッキ膜を形成してガスバリア性を付与することが不要と
なる。さらに、内壁体12と外壁体23に用いる樹脂と
しては、第1の実施形態の断熱容器1Aと同様に、ガス
バリア性に優れかつ耐熱性が高く100℃近くの温度に
おいて、曲げ強度および/または耐クリープ性などの機
械的強度に優れる合成樹脂材料を用いれば、耐熱性が高
く100℃近くの温度において、曲げ強度、耐クリープ
性などの機械的強度に優れる断熱層体11Aとすること
ができ、断熱容器1Aを高温下に置いたときに断熱層体
11Aが変形することがなく、断熱層体11Aが膨れて
断熱容器1Aの外観が膨れることを防止できる。内容器
2の外面あるいは断熱層体11Bの内壁体12の内面、
および/または、外容器3の内面あるいは断熱層体11
Bの外壁体23の外面には、アルミニウム箔、銅箔、銀
箔、金属蒸着テープ等から選ばれた1種の金属からなる
輻射防止材18が形成される。この場合、上記箇所のう
ち複数箇所に、互いに接触しないように輻射防止材を形
成することによって伝熱ロスをより低減できる。また、
内容器2外面または外容器3内面に輻射防止材を形成す
るときには、この輻射防止材を断熱層体11Bと接触さ
せずに形成するとさらによい。あるいは、内壁体12と
外壁体23を輻射熱の透過率の高い透明な材料で成形し
て透明な断熱層体11Bとし、この断熱層体11Bの内
壁体12の内面(内容器側の面)または外壁体23の外
面(外容器側の面)に、同様の輻射防止材を設けること
もできる(図示せず)。
【0034】上記のような断熱層体11Bを製造する際
には、図6に示すように、開口部にフランジ状の内壁体
端部12aを有する内壁体12と、内壁体端部12aを
支持する突起23bを端部に有する外壁体23を作製
し、内壁体12を外壁体23内に配する。このとき、内
壁体12が端部12aで突起23bにより支えられるの
で、外壁体端部23aと内壁体端部12aとの間に間隙
23cが形成される。次いでこれら内外壁体を、以下に
示すように振動溶着機(図示せず)を用いて振動溶着法
で接合する。
【0035】まず、内外壁体12、23を振動溶着機の
上下の治具(下治具は外壁体の外面をほぼ全面にわたっ
て支えることができ、上治具は内壁体の内面をほぼ全面
にわたって押さえることができるようになっている。)
で形成される密閉空間に収容する。次に、内壁体12と
外壁体23を収容した密閉空間内を真空排気した後、こ
の密閉空間内に低熱伝導率ガスを導入し、上記内外壁体
端部間の間隙23cを通して内外壁体間に該ガスを導入
する。続いて、内壁体12と外壁体23とに上下の治具
を介して約100Hzの振動を加える。これによって内
外壁体の接触部分となる突起23bは溶融し、上記内外
壁体端部間の間隙23cが閉止されるとともに、内外壁
体の端部どうしが互いに溶着して気密に結合し、断熱層
体11Bを得ることができる。次に、この断熱層体11
Bを内容器2と外容器3とで形成される隙間5に収容
し、内容器端部2aと外容器端部3aとを振動溶着法、
スピン溶着法、熱板溶着法等の加熱溶着法で結合し、断
熱容器1Bが得られる。
【0036】次に、第2の実施形態の蓋71Aについて
説明する。この蓋71Aにはつまみ72bが形成されて
いる。この実施形態の蓋71Aを構成する蓋用断熱層体
81Aが第1の実施形態で用いた蓋用断熱層体61と異
なるところは、蓋用断熱層体81Aには、低熱伝導率ガ
スを封入するための開孔部が形成されていないところで
ある。蓋用断熱層体81Aを構成する上壁材82と下壁
材83に用いる樹脂としては、高ガスバリア性合成樹脂
材料であるポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロ
ニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂のいずれか1種が用いられる。これらの樹脂はガスバ
リア性に優れるので、メッキ膜を形成してガスバリア性
を付与することが不要となる。さらに、上壁材82と下
壁材83に用いる樹脂としては、第1の実施形態の断熱
蓋51と同様に、ガスバリア性に優れかつ耐熱性が高く
100℃近くの温度において、曲げ強度および/または
耐クリープ性などの機械的強度に優れる合成樹脂材料を
用いれば、耐熱性が高く100℃近くの温度において、
曲げ強度、耐クリープ性などの機械的強度に優れる蓋用
断熱層体81Aとすることができ、断熱蓋71Aを高温
下に置いたときに蓋用断熱層体81Aが変形することが
なく、蓋用断熱層体81Aが膨れて断熱蓋71Aの外観
が膨れることを防止できる。上壁材82と下壁材83と
で形成される空間層84には、低熱伝導率ガスが封入さ
れ、それぞれの端部82a、83aが振動溶着法で互い
に加熱溶着され、蓋用断熱層体81Aが得られる。
【0037】蓋用断熱層体81Aの空間層84に封入さ
れる低熱伝導率ガスとしては、キセノン、クリプトン、
アルゴンのうち少なくとも1種のガスが用いられ、これ
らのガスを単独で、あるいは2種以上の混合ガスとし
て、常温で大気圧程度の封入圧力で封入することが好ま
しい。また、低熱伝導率ガスとして、二酸化炭素を用い
ることも可能である。また、空間層84に低熱伝導率ガ
スを充填して形成されたガス充填層85の厚みは、好ま
しくは1〜10mmの範囲に設定される。上記のよう
に、空間層84に低熱伝導率ガスを封入することによ
り、ガス充填層85の厚みを上記範囲に設定することが
可能となる。
【0038】また、蓋用断熱層体81Aを形成する際、
上壁材82の下面と下壁材83の上面の少なくとも一
方、好ましくは下壁材83の上面には、アルミニウム
箔、銅箔、銀箔、金属蒸着テープ等から選ばれた1種の
金属からなる輻射防止材86を形成するのが好ましい。
蓋用断熱層体81Aを上面壁72と下面壁73の隙間7
5に保持させる際に、下面壁73の上面あるいは蓋用断
熱層体81Aの下壁材83の下面、および/または、上
面壁72の下面あるいは蓋用断熱層体81Aの上壁材8
2の上面には、金属からなる輻射防止材を形成してもよ
い。この場合、上記箇所のうち複数箇所に、互いに接触
しないように輻射防止材を形成することによって伝熱ロ
スをより低減できる。また、上面壁72下面または下面
壁73上面に輻射防止材を形成するときには、この輻射
防止材を蓋用断熱層体81Aと接触させずに形成すると
さらによい。あるいは、上壁材82と下壁材83を輻射
熱の透過率の高い透明な材料で成形して透明な蓋用断熱
層体81Aとし、この蓋用断熱層体81Aの上壁材82
の上面(上面壁側の面)または下壁材83の下面(下面
壁側の面)に、同様の輻射防止材を設けることもできる
(図示せず)。また、蓋用断熱層体81Aは、上下壁材
端部82a、83aが蓋71Aの周壁部74の内面に支
持されるので、がたつくことはない。
【0039】上面壁72と下面壁73は、吸湿率が低く
かつ機械的強度が高い合成樹脂材料であるポリプロピレ
ン系樹脂、ABS系樹脂、ポリスチレン、AS、ポリエ
チレン、塩化ビニル、ポリアミドイミド等のうちのいず
れか1種の材料で射出成形により形成される。これらの
機械的強度が高い樹脂で形成した上下面壁72、73間
の隙間75内に蓋用断熱層体81Aを保持させて、上下
面壁端部72a、73aを振動溶着法やスピン溶着法、
熱板溶着法等の加熱溶着法で互いに結合させることによ
り、蓋71Aを得ることができる。この蓋71Aでは、
蓋用断熱層体81Aの形成に用いた高ガスバリア性樹脂
のガスバリア性を長期に亘って維持することができる。
特に、上述のごとく、上壁材82と下壁材83に、耐熱
性が高く100℃近くの温度において、曲げ強度および
/または耐クリープ性などの機械的強度に優れる合成樹
脂材料を用いた場合においては、上面壁72と下面壁7
3にポリプロピレンなどの汎用樹脂を好ましく用いるこ
とができる。
【0040】上記のような蓋用断熱層体81Aを製造す
る際には、図7に示すように、上壁材82と、上壁材8
2を支持する突起83bを端部に有する下壁材83を作
製し、下壁材83上に上壁材82を配する。このとき、
上壁材82はその端部で突起83bにより支えられるの
で、上壁材端部82aと下壁材端部83aとの間に間隙
83cが形成される。次いでこれら上下壁材を、以下に
示すように振動溶着機(図示せず)を用いて振動溶着法
で接合する。まず、上下壁材82、83を振動溶着機の
上下の治具(下治具は下壁材の下面をほぼ全面にわたっ
て支えることができ、上治具は上壁材の上面をほぼ全面
にわたって押さえることができるようになっている。)
で形成される密閉空間に収容する。次に、上壁材82と
下壁材83を収容した密閉空間内を真空排気した後、こ
の密閉空間内に、低熱伝導率ガスを導入し、上下壁材間
の間隙83cを通して該ガスを上下壁材間に導入する。
続いて、上壁材82と下壁材83とに上下の治具を介し
て約100Hzの振動を加える。これによって上下壁材
の接触部分となる突起83bは溶融し、上記上下壁材間
の間隙83cが閉止されるとともに、上下壁材の端部同
士が互いに溶着して気密に結合する。
【0041】このように上記第2の実施形態の断熱容器
と蓋では、先の第1の実施形態に示したように、断熱容
器および蓋のガスバリア性を長期にわたって維持するこ
とができるため、その断熱性能を高くかつ長く維持する
ことができる。またメッキ膜が形成されないので、製造
コストを低減できるとともに、合成樹脂や、金属箔の回
収が容易である。また容器または蓋の厚みを薄く形成す
ることができる。さらに、上述のごとく、断熱層体ある
いは蓋用断熱層体に、耐熱性が高く100℃近くの温度
において、曲げ強度および/または耐クリープ性などの
機械的強度に優れる合成樹脂材料を用いた場合において
は、内外容器あるいは上下面壁にポリプロピレンなどの
汎用樹脂を好ましく用いることができる。さらにこの実
施形態の断熱容器と蓋では、第1の実施形態の断熱容器
と蓋で示したような開孔部および封止板が不要である。
よって開孔部を封止板で封止する工程が不要となり、製
造が容易であると共に、製造コスト面で有利となる。
【0042】また、上記断熱容器および蓋の製造方法で
は、外壁体23および下壁材83に突起を形成したの
で、内壁体端部12aと外壁体端部23aとの間、およ
び上壁材端部82aと下壁材端部83aとの間に間隙が
形成され、真空排気後に低熱伝導率ガスを内外壁体間お
よび上下壁体間に導入するのが容易となる。
【0043】図8〜図10は本発明の断熱容器と蓋の第
3の実施形態を示すものである。断熱容器1Cは、内容
器2と外容器3とで形成される隙間5に、低熱伝導率ガ
スを空間層14に封入した断熱層体11Cを保持してな
っている。断熱層体11Cを形成する二重壁断熱体は、
この二重壁断熱体の外壁33底部に開孔部33aを有す
るように、ブロー成形により一体成形される。このよう
に一体成形で二重壁体を形成することにより、第1、第
2の実施形態で示したような内壁体12と外壁体13、
23を振動溶着やスピン溶着、熱板溶着等の加熱溶着で
結合する工程を省略することができ、製造コストを下げ
ることができる。なお、開孔部は上記二重壁断熱体の内
壁32に設けてもよい。
【0044】断熱層体11Cの形成に用いる樹脂として
は、第1、2の実施形態で用いた高ガスバリア性合成樹
脂材料であるポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリ
ロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂のうちいずれか1種を用いる。さらに、断熱層体1
1Cに用いる樹脂として、第1、2の実施形態の断熱容
器と同様に、ガスバリア性に優れかつ耐熱性が高く10
0℃近くの温度において、曲げ強度および/または耐ク
リープ性などの機械的強度に優れる合成樹脂材料を用い
れば、断熱容器1Cにお湯を保持させるなど高温下に置
いたときに断熱層体11Cが変形することがなく、断熱
層体11Cが膨れて断熱容器1Cの外観が膨れることを
防止できる。
【0045】図8〜図10は本発明の断熱容器と蓋の第
3の実施形態を示すものである。断熱容器1Cは、内容
器2と外容器3とで形成される隙間5に、低熱伝導率ガ
スを空間層14に封入した断熱層体11Cを保持してな
っている。断熱層体11Cを形成する二重壁断熱体は、
この二重壁断熱体の外壁33底部に開孔部33aを有す
るように、ブロー成形により一体成形される。このよう
に一体成形で二重壁体を形成することにより、第1、第
2の実施形態で示したような内壁体12と外壁体13、
23を振動溶着やスピン溶着、熱板溶着等の加熱溶着で
結合する工程を省略することができ、製造コストを下げ
ることができる。なお、開孔部は上記二重壁断熱体の内
壁32に設けてもよい。
【0046】断熱層体11Cの形成に用いる樹脂として
は、第1、2の実施形態で用いた高ガスバリア性合成樹
脂材料であるポリビニルアルコール系樹脂、ポリアクリ
ロニトリル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系
樹脂のうちいずれか1種を用いる。さらに、断熱層体1
1Cに用いる樹脂として、第1、2の実施形態の断熱容
器と同様に、ガスバリア性に優れかつ耐熱性が高く10
0℃近くの温度において、曲げ強度および/または耐ク
リープ性などの機械的強度に優れる合成樹脂材料を用い
れば、断熱容器1Cにお湯を保持させるなど高温下に置
いたときに断熱層体11Cが変形することがなく、断熱
層体11Cが膨れて断熱容器1Cの外観が膨れることを
防止できる。空間層14には、低熱伝導率ガス、好まし
くはキセノン、クリプトン、アルゴンのうち少なくとも
1種のガスが、単独で、あるいは2種以上の混合ガスと
して、常温で大気圧程度の封入圧力で封入される。封入
後、開孔部33aは封止板16で塞がれ、この封止板1
6はシアノアクリレート系の接着剤で接着される。また
低熱伝導率ガスとして、二酸化炭素を用いることも可能
である。断熱層体11Cのガス充填層15の厚みは、1
〜10mmの範囲に設定される。
【0047】断熱層体11Cを内容器2と外容器3の隙
間5に保持させる際には、内容器2の外面あるいは断熱
層体11Cの内壁32の内面、および/または、外容器
3の内面あるいは断熱層体11Cの外壁33の外面に
は、金属からなる輻射防止材を形成するとよく、好まし
くは内容器2の外面に、アルミニウム箔、銅箔、銀箔、
金属蒸着テープから選ばれた1種の、金属からなる輻射
防止材34が形成される。これにより断熱容器1Cを形
成し内容物を入れた際に、輻射伝熱による伝熱ロスを低
減することができる。この場合、上記箇所のうち複数箇
所に、互いに接触しないように輻射防止材を形成するこ
とによって伝熱ロスをより低減できる。また、内容器2
外面または外容器3内面に輻射防止材を形成するときに
は、この輻射防止材を断熱層体11Cと接触させずに形
成するとさらによい。あるいは、断熱層体11Cを輻射
熱の透過率の高い透明な材料で成形し、この断熱層体1
1Cの内壁の内面(内容器側の面)または外壁の外面
(外容器側の面)に、同様の輻射防止材を設けることも
できる(図示せず)。内容器2と外容器3の形成に用い
る樹脂の種類は、第1と第2の実施形態と同じである。
また第1と第2の実施形態と同じように、断熱層体11
Cは内外容器2、3の隙間5内に保持されてなってい
る。
【0048】次に、第3の実施形態で用いた帽子状の蓋
71Bについて図8を用いて説明する。この蓋71Bは
合成樹脂で形成され、上面壁72と下面壁73とで形成
される隙間75に、低熱伝導率ガスをガス充填層85に
封入した帽子状の蓋用断熱層体81Bを保持してなって
いる。また蓋71Bにはつまみ72bが形成されてい
る。蓋用断熱層体81Bを形成する蓋用二重壁断熱体
は、この蓋用二重壁断熱体の上壁92の上部に開孔部9
2aを有するように、ブロー成形により一体成形され
る。このように一体成形で蓋用二重壁体を形成すること
により、第1、2の実施形態で示したような上壁材6
2、82と下壁材63、83を振動溶着やスピン溶着、
熱板溶着等の加熱溶着で互いに結合する工程を省略する
ことができ、製造コストを下げることができる。なお、
開孔部は上記蓋用二重壁断熱体の下壁93に形成しても
よい。
【0049】この蓋用断熱層体81Bの形成に用いる樹
脂としては、第1、第2の実施形態で用いたポリビニル
アルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリ
アミド系樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれか1種が用
いられる。さらに、蓋用断熱層体81Bに用いる樹脂と
して、第1、2の実施形態の断熱蓋と同様に、ガスバリ
ア性に優れかつ耐熱性が高く100℃近くの温度におい
て、曲げ強度および/または耐クリープ性などの機械的
強度に優れる合成樹脂材料を用いれば、断熱蓋71Bを
お湯を保持させた断熱容器にかぶせるなど高温下に置い
たときに蓋用断熱層体81Bが変形することがなく、蓋
用断熱層体81Bが膨れて断熱蓋71Bの外観が膨れる
ことを防止できる。空間層84には、開孔部92aを通
して低熱伝導率ガス、好ましくはキセノン、クリプト
ン、アルゴンのうち少なくとも1種のガスが、単独で、
あるいは2種以上の混合ガスとして、常温で大気圧程度
の封入圧力で封入される。この際、開孔部92aは、封
止板87で塞がれ、この封止板87はシアノアクリレー
ト系の接着剤で固定される。また、低熱伝導率ガスとし
て、二酸化炭素を用いることも可能である。ガス充填層
85の厚みは、好ましくは1〜10mmの範囲に設定さ
れる。上記のように、低熱伝導率ガスを封入することに
より、蓋用断熱層体81Bのガス充填層85の厚みを1
〜10mmの範囲に設定することが可能となる。
【0050】蓋用断熱層体81Bを上面壁72と下面壁
73の隙間75に保持させる際に、下面壁73の上面あ
るいは蓋用断熱層体81Bの下壁93の下面、および/
または、上面壁72の下面あるいは蓋用断熱層体81B
の上壁92の上面には、金属からなる輻射防止材を形成
するとよく、好ましくは下面壁73の上面に、アルミニ
ウム箔、銅箔、銀箔、金属蒸着テープから選ばれた1種
の金属からなる輻射防止材94が形成される。これによ
り、蓋71Bを断熱容器に装着した際、蓋71Bからの
輻射伝熱による伝熱ロスを低減することができる。この
場合、上記箇所のうち複数箇所に、互いに接触しないよ
うに輻射防止材を形成することによって伝熱ロスをより
低減できる。また、上面壁72下面または下面壁73上
面に輻射防止材を形成するときには、この輻射防止材を
蓋用断熱層体81Bと接触させずに形成するとさらによ
い。あるいは、蓋用断熱層体81Bを輻射熱の透過率の
高い透明な材料で成形し、この蓋用断熱層体81Bの内
壁の内面(内容器側の面)または外壁の外面(外容器側
の面)に、同様の輻射防止材を設けることもできる(図
示せず)。上面壁72と下面壁73の形成に用いる樹脂
の種類は、第1、第2の実施形態と同じである。また第
1、第2の実施形態と同じように、蓋用断熱層体81B
が上下面壁72、73の隙間75内に保持され、上下面
壁端部72a、73aが振動溶着法、スピン溶着法、熱
板溶着法等の加熱溶着法により互いに結合されて蓋71
Bが形成される。
【0051】このように上記第3の実施形態の断熱容器
と蓋では、先の第1、第2の実施形態に示したように、
断熱容器および蓋のガスバリア性を長期にわたって維持
できるため、断熱性能を高くかつ長く維持することがで
きる。また、メッキ膜が形成されないので、製造コスト
を低減できるとともに、合成樹脂や、金属箔の回収が容
易である。また断熱層の厚みを薄く形成することができ
る。さらに、断熱層体あるいは蓋用断熱層体に、耐熱性
が高く100℃近くの温度において、曲げ強度および/
または耐クリープ性などの機械的強度に優れる合成樹脂
材料を用いた場合においては、内外容器あるいは上下面
壁にポリプロピレンなどの汎用樹脂を好ましく用いるこ
とができる。さらにこの実施形態の断熱容器と蓋では、
断熱層体を構成する二重壁体を一体成形で形成するの
で、第1、第2の実施形態で示したような内壁体と外壁
体、あるいは上壁材と下壁材を振動溶着法やスピン溶着
法、熱板溶着法等の加熱溶着法で互いに結合する工程を
省略することができ、製造が容易であると共に製造コス
トを下げることができる。
【0052】図11、12は本発明の断熱容器と蓋の第
4の実施形態を示すものである。断熱容器1Dは、内容
器2と外容器3とで形成される隙間5に、低熱伝導率ガ
スを空間層14に封入した断熱層体11Dを保持してな
っている。断熱層体11Dは、第3の実施形態に示した
ような開孔部33aを有さない。この断熱層体11D
は、断熱層体11Dの内壁42形成用の雄型の金型と外
壁43形成用の雌型の金型(図示せず)を用意し、これ
らの成形金型内に、高ガスバリア性合成樹脂であるポリ
ビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれか
1種からなる溶融合成樹脂をチューブ状に押し出してパ
リソンを形成し、このパリソン中に低熱伝導率ガスを吹
き込み、吹き込んだ状態で上記雄型と雌型の金型間に挟
んで密封して冷却して形成され、内壁42、外壁43、
ガス充填層15からなる二重壁構造の二重壁断熱体であ
る断熱層体11Dとされる。この断熱層体11Dは、口
元開口部44が内容器2の開口周壁部2bの一部と接し
ているので、がたつくことはない。
【0053】ブローガスとしての低熱伝導率ガスは、好
ましくはキセノン、クリプトン、アルゴンのうち少なく
とも1種のガスが、単独で、あるいは2種以上の混合ガ
スとして用いられる。またブローガスとして、二酸化炭
素を用いることも可能である。このように一体成形で断
熱層体11Dを形成することにより、第1の実施形態や
第2の実施形態に示したような内外壁体12、13、2
3を振動溶着法、スピン溶着法、熱板溶着法等の加熱溶
着で結合する工程を省略することができる。また、第1
の実施形態や第3の実施形態に示したような開孔部13
b、33aを有さないので、低熱伝導率ガスを封入後、
開孔部を封止板で封止する工程を省略することができ、
製造が容易となると共に製造コストを下げることができ
る。
【0054】断熱層体11Dの形成に用いる樹脂として
は、第1〜第3の実施形態で用いたポリビニルアルコー
ル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれか1種が用いられ
る。断熱層体11Dの断熱層15の厚みは、好ましくは
1〜10mmの範囲に設定される。さらに、断熱層体1
1Dに用いる樹脂として、第1〜第3の実施形態の断熱
容器と同様に、ガスバリア性に優れかつ耐熱性が高く1
00℃近くの温度において、曲げ強度および/または耐
クリープ性などの機械的強度に優れる合成樹脂材料を用
いれば、断熱容器1Dにお湯を保持させるなど高温下に
置いたときに断熱層体11Dが変形することがなく、断
熱層体11Dが膨れて断熱容器1Dの外観が膨れること
を防止できる。また、断熱層体11Dを内容器2と外容
器3の隙間5に保持させる際に、内容器2の外面あるい
は断熱層体11Dの内壁42の内面、および/または、
外容器3の内面あるいは断熱層体11Dの外壁43の外
面には、金属からなる輻射防止材を形成するとよく、好
ましくは内容器2の外面に、アルミニウム箔、銅箔、銀
箔、金属蒸着テープから選ばれた1種の金属からなる輻
射防止材34が形成される。この場合、上記箇所のうち
複数箇所に、互いに接触しないように輻射防止材を形成
することによって伝熱ロスをより低減できる。また、内
容器2外面または外容器3内面に輻射防止材を形成する
ときには、この輻射防止材を断熱層体11Dと接触させ
ずに形成するとさらによい。あるいは、断熱層体11D
を輻射熱の透過率の高い透明な材料で成形し、この断熱
層体11Dの内壁の内面(内容器側の面)または外壁の
外面(外容器側の面)に、同様の輻射防止材を設けるこ
ともできる(図示せず)。また、内容器2と外容器3
は、第1〜第3の実施形態で用いた樹脂と同じ樹脂を用
いて成形される。また第1〜第3の実施形態と同じよう
に、断熱層体11Dは内外容器2、3の隙間5内に保持
され、内外容器端部2a、3aが振動溶着法、スピン溶
着法、熱板溶着法等の加熱溶着法により結合されて断熱
容器1Dが形成される。
【0055】次に、第4の実施形態で用いた帽子状の蓋
71Cについて図11を用いて説明する。この蓋71C
は合成樹脂で形成され、上面壁72と下面壁73とで形
成される隙間75に、低熱伝導率ガスをガス充填層85
に封入した帽子状の蓋用断熱層体81Cを保持してなっ
ている。蓋71Cには、つまみ72bが形成されてい
る。蓋用断熱層体81Cは、第3の実施形態のような開
孔部を有さない。この蓋用断熱層体81Cは、蓋用断熱
層体81Cの下壁103形成用の雄型の金型と上壁10
2形成用雌型の金型(図示せず)を用意し、これらの成
形金型内に、高ガスバリア性合成樹脂材料であるポリビ
ニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、
ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂のいずれか1種
からなる溶融合成樹脂をチューブ状に押し出してパリソ
ンを形成し、このパリソン中に低熱伝導率ガスを吹き込
み、吹き込んだ状態で雄型と雌型の金型間に挟んで密封
して冷却して形成され、下壁103、上壁102、ガス
充填層85からなる二重壁構造の蓋用二重壁断熱体であ
る蓋用断熱層体81Cとされる。さらに、蓋用断熱層体
81Cに用いる樹脂として、第1〜第3の実施形態の断
熱蓋と同様に、ガスバリア性に優れかつ耐熱性が高く1
00℃近くの温度において、曲げ強度および/または耐
クリープ性などの機械的強度に優れる合成樹脂材料を用
いれば、断熱蓋71Cをお湯を保持した断熱容器にかぶ
せるなど高温下に置いたときに蓋用断熱層体81Cが変
形することがなく、蓋用断熱層体81Cが膨れて断熱蓋
71Cの外観が膨れることを防止できる。ブローガスと
しての低熱伝導率ガスには、好ましくはキセノン、クリ
プトン、アルゴンのうち少なくとも1種のガスが、単独
で、あるいは2種以上の混合ガスとして用いられる。ま
たブローガスとして、二酸化炭素を用いることも可能で
ある。
【0056】このように一体成形で蓋用断熱層体81C
を形成することにより、第1の実施形態や第2の実施形
態に示したような上下壁材を振動溶着法、スピン溶着
法、熱板溶着法等の加熱溶着で結合する工程を省略する
ことができる。また、蓋用断熱層体81Cは、第1の実
施形態や第3の実施形態に示したような開孔部63b、
92aを有さないので、開孔部、封止板が不要であり、
低熱伝導率ガスを封入して開孔部を封止板で封止する工
程を省略することができ、製造コストを下げることがで
きる。
【0057】また、蓋用断熱層体81Cの両壁間のガス
充填層85の厚みは、好ましくは1〜10mmの範囲に
設定される。蓋用断熱層体81Cを上面壁72と下面壁
73の隙間75に保持させる際に、下面壁73の上面あ
るいは蓋用断熱層体81Cの下壁103の下面、および
/または、上面壁72の下面あるいは蓋用断熱層体81
Cの上壁102の上面には、金属からなる輻射防止材を
形成するとよく、好ましくは下面壁73の上面に、アル
ミニウム箔、銅箔、銀箔、金属蒸着テープから選ばれた
1種の金属からなる輻射防止材94が形成される。この
場合、上記箇所のうち複数箇所に、互いに接触しないよ
うに輻射防止材を形成することによって伝熱ロスをより
低減できる。また、上面壁72下面または下面壁73上
面に輻射防止材を形成するときには、この輻射防止材を
蓋用断熱層体81Cと接触させずに形成するとさらによ
い。あるいは、蓋用断熱層体81Cを輻射熱の透過率の
高い透明な材料で成形し、この蓋用断熱層体81Cの内
壁の内面(内容器側の面)または外壁の外面(外容器側
の面)に、同様の輻射防止材を設けることもできる(図
示せず)。また、上面壁72と下面壁73は、第1〜第
3の実施形態の上下面壁で用いた樹脂と同じ樹脂を用い
て成形される。また第1〜第3の実施形態と同じよう
に、蓋用断熱層体81Cは上下面壁72、73の隙間7
5内に保持され、上下面壁端部72a、73aが振動溶
着等により接合されて蓋71Cが形成される。
【0058】このように上記第4の実施形態の断熱容器
と蓋では、先の第1の実施形態に示したように、断熱容
器および蓋のガスバリア性を長期にわたって維持できる
ため、断熱性能を高くかつ長く維持することができる。
また、メッキ膜が形成されないので、製造コストを低減
できるとともに、合成樹脂や、金属箔の回収が容易であ
る。また断熱層の厚みを薄く形成することができる。さ
らに、断熱層体あるいは蓋用断熱層体に、耐熱性が高く
100℃近くの温度において、曲げ強度および/または
耐クリープ性などの機械的強度に優れる合成樹脂材料を
用いた場合においては、内外容器あるいは上下面壁にポ
リプロピレンなどの汎用樹脂を好ましく用いることがで
きる。さらにこの実施形態の断熱容器と蓋では、断熱層
体を構成する二重壁体を一体成形で形成するので、内壁
体と外壁体、あるいは上壁材と下壁材を振動溶着やスピ
ン溶着、熱板溶着等の加熱溶着で互いに結合する工程を
省略することができる。また、低熱伝導率ガスをブロー
ガスとして直接吹き込むので、開孔部を封止板で封止す
る工程が不要となる。よって製造が容易であると共に、
製造コスト面で有利となる。
【0059】
【実施例】
(第1の実施例)第1の実施例を図1〜図3を用いて説
明する。まず、断熱容器1Aを製作するにあたり、内壁
体12と外壁体13を、ポリビニルアルコール系樹脂と
して、EVOH(商品名エバール:(株)クラレ製)を
用いて射出成形によりその肉厚が1mmになるように、
また内外壁体12、13をその端部で結合した際に空間
層14の厚みが4mmになるように成形した。また成形
の際、外壁体13の底部には開孔部13bを形成した。
そして内壁体12の外面には、この外面を覆ってアルミ
ニウム箔を両面テープにより接着した。その後、内外壁
体端部12a、13aを振動溶着法により互いに接合
し、二重壁体を得た。この二重壁体をガス置換封入封止
装置(図示せず)に倒置して載置し、この二重壁体の空
間層14の空気を真空引きした後、空間層14にクリプ
トンガスを、封入圧力を大気圧程度として封入した。そ
してその直後に、開孔部13bにシアノアクリレート系
の接着剤を垂らして封止し、およびその周囲に同接着剤
を塗布して、封止板16で開孔部13bを封止して断熱
層体11Aを得た。
【0060】一方、内容器2と外容器3は、ポリプロピ
レン樹脂で射出成形によりその肉厚が1.5〜2.0m
mになるように、また断熱層体11Aを押入する隙間5
の厚みが約6mmになるように成形した。その後、断熱
層体11Aを内外容器2、3の隙間5内に保持して、内
外容器端部2a、3aを振動溶着法により互いに接合
し、断熱容器1Aを得た。
【0061】次に、蓋51を製作するにあたり、上壁材
62と下壁材63を、EVOH(商品名エバール:
(株)クラレ製)を用いて射出成形により、その肉厚が
1mmになるように成形した。また成形の際、上壁材6
2の上部には開孔部63bを形成した。そして下壁材6
3の上面には、この上面を覆ってアルミニウム箔を両面
テープにより接着した。その後、上下壁材端部62a、
63aを振動溶着法により互いに接合し、二重壁体を得
た。この二重壁体をガス置換封入封止装置(図示せず)
に載直して放置し、この二重壁体の空間層64の空気を
真空引きした後、空間層64にクリプトンガスを、封入
圧力を大気圧程度として封入した。そしてその直後に、
開孔部63bにシアノアクリレート系の接着剤を垂らし
て封止し、およびその周囲に同接着剤を塗布して、封止
板66で開孔部63bを封止して蓋用断熱層体61を得
た。
【0062】一方、上面壁52と下面壁53は、ポリプ
ロピレン樹脂で射出成形により、その肉厚が1.5〜
2.0mmになるように、また蓋用断熱層体61を挿入
する隙間55を形成するように成形した。その後、蓋用
断熱層体61を上下面壁52、53の隙間55内に保持
して、上下面壁端部52a、53aを振動溶着法により
互いに接合し、蓋51を得た。以上のように製作した断
熱容器1Aと蓋51は、製造コストが小さいうえに長期
にわたって優れた断熱性能および耐久性を示すものとな
った。この断熱容器1Aに95℃のお湯を300cc入
れ、蓋51を被せて20±2℃にコントロ一ルされた部
屋に放置して、1時間後のお湯の温度は72℃であっ
た。これに対し、空間層64に発泡スチロールを充填し
た蓋を用いた場合、1時間後のお湯の温度を72℃とす
るためには、発泡スチロールを充填した蓋の断熱層の厚
みを、蓋51の断熱層65の厚みに比べて厚いものとす
る必要があった。
【0063】(第2の実施例)第2の実施例を図8〜図
10を用いて説明する。まず、断熱容器1Cを製作する
にあたり、開孔部33aを有する二重壁体を、EVOH
(商品名エバール:(株)クラレ製)を用いてブロー成
形により、その肉厚が約1mmになるように、また空間
層14の厚みが4mmになるように成形した。この二重
壁体をガス置換封入封止装置(図示せず)に倒置して載
置し、二重壁体の空間層14の空気を真空引きした後、
空聞層14にクリプトンガスを、封入圧力を大気圧程度
として封入した。そしてその直後に、開孔部33aにシ
アノアクリレート系の接着剤を垂らして封止し、および
その周囲に同接着剤を塗布して、封止板16で開孔部3
3aを封止して断熱層体11Cを得た。
【0064】一方、内容器2と外容器3は、ポリプロピ
レン樹脂で射出成形により、その肉厚が1.5〜2.0
mmになるように、また断熱層体11Cを挿入する隙間
5の厚みが6mmになるように成形した。そして内容器
2の外面には、この外面を覆ってアルミニウム箔を両面
テ一プにより接着して形成した。その後、断熱層体11
Cを内外容器2、3の隙間5に保持して、内外容器端部
2a、3aを振動溶着法により互いに接合し、断熱容器
1Cを得た。
【0065】次に、蓋71Bを製作するにあたり、開孔
部92aを有する蓋用二重壁体を、EVOH(商品名エ
バール:(株)クラレ製)を用いてブロー成形により、
その肉厚が約1mmになるように、また空間層84の厚
みが4mmになるように成形した。この蓋用二重壁体を
ガス置換封入封止装置(図示せず)に正置して載置し、
蓋用二重壁体の空間層84の空気を真空引きした後、空
間層84にクリプトンガスを封入圧力を大気圧程度に封
入した。そしてその直後に、開孔部92aにシアノアク
リレート系の接着剤を垂らして封止し、およびその周囲
に同接着剤を塗布して、封止板87で開孔部92aを封
止して蓋用断熱層体81Bを得た。
【0066】一方、上面壁72と下面壁73は、ポリプ
ロピレン樹脂で射出成形により、その肉厚が1.5〜
2.0mmになるように、また蓋用断熱層体81Bを挿
入する隙間75の厚みが約6mmになるように成形し
た。そして下面壁73の上面には、この上面を覆ってア
ルミニウム箔を両面テープにより接着した。その後、蓋
用断熱層体81Bを上下面壁72、73の隙間75内に
保持して、上下面壁端部72a、73aを振動溶着法に
より互いに接合し、蓋71Bを得た。
【0067】以上のように製作した断熱容器1Cと蓋7
1Bは、製造コストが小さいうえに長期にわたって優れ
た断熱性能および耐久性を示すものとなった。この断熱
容器1Cに95℃のお湯を300cc入れ、蓋71Bを
被せて20±2℃にコントロールされた部屋に放置して
1時間後のお湯の温度は72℃であった。
【0068】(第3の実施例)内壁体12と外壁体1
3、および上壁材62と下壁材63を、ナイロン樹脂で
あるユニチカ製ナノコンポジット(ナイロン型番:M1
030D)を用いて射出成形して断熱層体11Aおよび
蓋用断熱層体61を作製した他は、第1の実施例と同様
に断熱容器1Aおよび蓋51を製作した。この断熱容器
1Aに95℃のお湯を300cc入れ、蓋51を被せて
20±2℃にコントロ一ルされた部屋に放置して、1時
間後のお湯の温度は72℃であり、断熱容器1Aおよび
断熱蓋51の外観の膨れはなかった。
【0069】(第4の実施例)内壁体12と外壁体1
3、および上壁材62と下壁材63を、液晶ポリエステ
ルである住友化学製スミカスーパーを用いて射出成形し
て断熱層体11Aおよび蓋用断熱層体61を作製した他
は、第1の実施例と同様に断熱容器1Aおよび蓋51を
製作した。同様に断熱容器1Aおよび蓋51を製作し
た。この断熱容器1Aに95℃のお湯を300cc入
れ、蓋51を被せて20±2℃にコントロ一ルされた部
屋に放置して、1時間後のお湯の温度は72℃であり、
断熱容器1Aおよび断熱蓋51の外観の膨れはなかっ
た。
【0070】(第5の実施例)内壁体12と外壁体1
3、および上壁材62と下壁材63を、液晶ポリエステ
ルであるユニチカ製ロッドランを用いて射出成形して断
熱層体11Aおよび蓋用断熱層体61を作製した他は、
第1の実施例と同様に断熱容器1Aおよび蓋51を製作
した。この断熱容器1Aに95℃のお湯を300cc入
れ、蓋51を被せて20±2℃にコントロ一ルされた部
屋に放置して、1時間後のお湯の温度は72℃であり、
断熱容器1Aおよび断熱蓋51の外観の膨れはなかっ
た。
【0071】(第6の実施例)断熱層体11Cと蓋用断
熱層体81Bを、ナイロン樹脂であるユニチカ製ナノコ
ンポジット(ナイロン型番:M1030D)を用いてブ
ロー成形した他は、第2の実施例と同様に断熱容器1C
および蓋71Bを製作した。この断熱容器1Aに95℃
のお湯を300cc入れ、蓋51を被せて20±2℃に
コントロ一ルされた部屋に放置して、1時間後のお湯の
温度は72℃であり、断熱容器1Cおよび断熱蓋71B
の外観の膨れはなかった。
【0072】(第7の実施例)断熱層体11Cと蓋用断
熱層体81Bを、液晶ポリエステルである住友化学製ス
ミカスーパーを用いてブロー成形した他は、第2の実施
例と同様に断熱容器1Cおよび蓋71Bを製作した。こ
の断熱容器1Aに95℃のお湯を300cc入れ、蓋5
1を被せて20±2℃にコントロ一ルされた部屋に放置
して、1時間後のお湯の温度は72℃であり、断熱容器
1Cおよび断熱蓋71Bの外観の膨れはなかった。
【0073】(第8の実施例)断熱層体11Cと蓋用断
熱層体81Bを、液晶ポリエステルであるユニチカ製ロ
ッドランを用いてブロー成形した他は、第2の実施例と
同様に断熱容器1Cおよび蓋71Bを製作した。この断
熱容器1Aに95℃のお湯を300cc入れ、蓋51を
被せて20±2℃にコントロ一ルされた部屋に放置し
て、1時間後のお湯の温度は72℃であり、断熱容器1
Cおよび断熱蓋71Bの外観の膨れはなかった。
【0074】(好適な実施態様)本発明の好適な実施態
様としては、以下のものがある。 (1)前記内容器と外容器の隙間に、気体透過率が
2,N2,CO2に関して、1g /m2/24hr/a
tm以下の合成樹脂で形成された断熱層体を配するこ
と。 (2)前記断熱容器の内容器と外容器を、透湿度が温度
40℃、相対湿度90%の条件下で50g/m2/24
hr以下であり、曲げ弾性率が10000kg/cm2
以上および/またはアイゾッド衝撃強度(ノッチあり)
が5kg・cm/cm以上である合成樹脂で形成するこ
と。 (3)前記断熱容器の断熱層体に封入密封する低熱伝導
率ガスを、キセノン、クリプトン、アルゴンからなる群
より選択される少なくとも一種とすること。 (4)前記断熱容器の空間層の厚みを1〜10mmとす
ること。 (5)前記断熱容器の断熱層体の空間層に面する内壁体
外面と外壁体内面との少なくとも一方に金属からなる輻
射防止材を形成すること。 (6)前記内容器外面と前記外容器内面の少なくとも一
方、もしくは前記内容器と前記断熱層体との間隙と、前
記外容器と前記断熱層体との間隙の少なくとも一方に金
属からなる輻射防止材を形成すること。 (7)前記断熱層体を、ポリビニルアルコール系樹脂、
エチレンビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロニトリ
ル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹脂;ポリ
プロピレンとポリエステル、ポリプロピレンとナイロ
ン、ポリプロピレンとアクリロニトリル、ポリプロピレ
ンとエチレンビニルアルコール、ポリプロピレンとポリ
ビニルアルコール等のアロイ樹脂;あるいはポリカーボ
ネートとポリエステル、ポリカーボネートとナイロン、
ポリカーボネートとアクリロニトリル、ポリカーボネー
トとエチレンビニルアルコール等のアロイ樹脂;あるい
は液晶ポリエステル、ポリエチレンナフタレート、ポリ
エチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポ
リアミド、ポリエチレンナフタレート、およびエチレン
ビニルアルコールからなる群から選ばれた少なくとも2
種以上の樹脂からなるアロイ樹脂を用いて形成するこ
と。 (8)前記断熱層体を輻射熱の透過率の高い透明な材料
で成形し、この断熱層体の内壁の内面(内容器側の面)
または外壁の外面(外容器側の面)に、輻射防止材を設
けること。
【0075】(9)前記蓋の上面壁と下面壁との隙間に
気体透過率がO2,N2,CO2に関して1g/m2/24
hr/atm以下の合成樹脂で形成された蓋用断熱層体
を配すること。 (10)前記蓋の上面壁と下面壁を、透湿度が温度40
℃、相対湿度90%の条件下で50g/m2/24hr
以下であり、曲げ弾性率が10000kg/cm2以上
および/またはアイゾッド衝撃強度(ノッチあり)が5
kg・cm/cm以上である合成樹脂で形成すること。 (11)前記蓋の断熱層体に封入密封する低熱伝導率ガ
スを、キセノン、クリプトン、アルゴンからなる群より
選択される少なくとも一種とすること。 (12)前記蓋の空間層の厚みを1〜10mmとするこ
と。 (13)前記蓋用断熱層体の空間層に面する上壁材の下
面と下壁材の上面との少なくとも一方に金属からなる輻
射防止材を形成すること。 (14)前記蓋の上面壁下面と下面壁上面の少なくとも
一方、もしくは上面壁と蓋用断熱層体との間隙と、下面
壁と蓋用断熱層体との間隙の少なくとも一方に、金属か
らなる輻射防止材を形成すること。 (15)前記蓋用断熱層体を、ポリビニルアルコール系
樹脂、エチレンビニルアルコール系樹脂、ポリアクリロ
ニトリル系樹脂、ナイロン系樹脂、ポリエステル系樹
脂、ポリエチレンナフタレート;ポリプロピレンとポリ
エステル、ポリプロピレンとナイロン、ポリプロピレン
とアクリロニトリル、ポリプロピレンとエチレンビニル
アルコール、ポリプロピレンとポリビニルアルコール等
のアロイ樹脂;あるいはポリカーボネートとポリエステ
ル、ポリカーボネートとナイロン、ポリカーボネートと
アクリロニトリル、ポリカーボネートとエチレンビニル
アルコール等のアロイ樹脂;あるいは液晶ポリエステ
ル、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタ
レートなどのポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリエ
チレンナフタレート、およびエチレンビニルアルコール
からなる群から選ばれた少なくとも2種以上の樹脂から
なるアロイ樹脂を用いて形成すること。 (16)前記蓋用断熱層体を輻射熱の透過率の高い透明
な材料で成形し、この蓋用断熱層体の上壁の上面(上面
壁側の面)または下壁の下面(下面壁側の面)に、輻射
防止材を設けること。
【0076】
【発明の効果】以上説明したように本発明の断熱容器で
は、合成樹脂製の内容器を合成樹脂製の外容器内に隙間
を隔てて収容し一体に成形されてなる二重壁容器の前記
隙間内に、低熱伝導率ガスを封入してガス充填層を形成
してなる合成樹脂製の断熱層体を保持してなるので、断
熱層体を内外容器で保護することができ、断熱性能を長
期に亘って維持することができる。また、本発明の断熱
容器は、メッキ膜が形成されないので、断熱容器の製造
コストを低減できるとともに、断熱容器の形成に用いた
合成樹脂や、輻射伝熱の低減に用いた金属箔の回収が容
易であり、資源リサイクルに好都合である。また、断熱
層体の断熱層に低熱伝導率ガスを封入することより、断
熱層の厚みを薄く形成することができ、結果として断熱
容器を薄く形成することができる。さらに断熱層体に耐
熱性、100℃での曲げ強度および/または耐クリープ
性の高い材料を用いて成形することにより、断熱容器に
お湯を保持するなど高温下に置いても断熱層体の変形が
起こらず、かつ断熱層体により内容器を支えることがで
きるので、内容器と外容器にポリプロピレンなどの汎用
樹脂をはじめ、広く熱可塑性成樹脂を用いることがで
き、製造コストを低減化できるとともに、用途に合わせ
た設計の自由度が著しく向上する。
【0077】また、本発明の断熱容器の蓋では、合成樹
脂製の上面壁と合成樹脂製の下面壁を隙間を隔てて配し
て一体に形成されてなる二重壁蓋の前記隙間内に、低熱
伝導率ガスを封入してガス充填層を形成してなる合成樹
脂製の蓋用断熱層体を保持してなるので、蓋用断熱層体
を上下面壁で保護することができ、断熱性能を長期に亘
って維持することができる。また、メッキ膜が形成され
ないので、製造コストを低減できるとともに、この蓋の
形成に用いた合成樹脂や、輻射伝熱の低減に用いた金属
箔の回収が容易であり、資源リサイクルに好都合であ
る。また、蓋用断熱層体の断熱層に低熱伝導率ガスを封
入することより、断熱層の厚みを薄く形成することがで
き、結果としてこの蓋を薄く形成することができる。さ
らに蓋用断熱層体の耐熱性、100℃での曲げ強度およ
び/または耐クリープ性を高めれば、お湯を保持した断
熱容器にこの断熱蓋をかぶせるなど高温下に置いても蓋
用断熱層体の変形が起こらず、かつ蓋用断熱層体により
下面壁を支えることができるので、上面壁と下面壁にポ
リプロピレンなどの汎用樹脂をはじめ、広く熱可塑性成
樹脂を用いることができ、製造コストを低減化できると
ともに、用途に合わせた設計の自由度が著しく向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の合成樹脂製断熱容
器および合成樹脂製断熱蓋を示す断面図である。
【図2】 図1に示す合成樹脂製断熱容器の要部断面図
である。
【図3】 図1に示す合成樹脂製断熱容器の要部断面図
である。
【図4】 本発明の第2の実施形態の合成樹脂製断熱容
器および合成樹脂製断熱蓋を示す断面図である。
【図5】 図4に示す合成樹脂製断熱容器の要部断面図
である。
【図6】 本発明の第2の実施形態での封止前の二重壁
容器を示す側面図である。
【図7】 本発明の第2の実施形態での封止前の二重壁
蓋を示す側面図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態の合成樹脂製断熱容
器および合成樹脂製断熱蓋を示す断面図である。
【図9】 図8に示す合成樹脂製断熱容器の要部断面図
である。
【図10】 図8に示す合成樹脂製断熱容器の要部断面
図である。
【図11】 本発明の第4の実施形態の合成樹脂製断熱
容器および合成樹脂製断熱蓋を示す断面図である。
【図12】 図11に示す合成樹脂製断熱容器の要部断
面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D・・・断熱容器、2・・・内容器、3
・・・外容器、5,55,75・・・隙間、11A,11B,
11C,11D・・・断熱層体 12・・・内壁体、12a・・・内壁体端部 13,23・・・外壁体、13a,23a・・・外壁体端部 14,64,84・・・空間層、15,65,85・・・ガス
充填層 51,71A,71B,71C・・・蓋、52,72・・・上
面壁、53,73・・・下面壁 61,81A,81B,81C・・・蓋用断熱層体 62,82・・・上壁材、62a,82a・・・上壁材端部 63,83・・・下壁材、63a,83a・・・下壁材端部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A47G 19/00 A47G 19/00 D B65D 81/38 B65D 81/38 P F16L 59/02 F16L 59/02 (72)発明者 田中 篤彦 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本酸 素株式会社内 (72)発明者 山田 雅司 東京都港区西新橋1丁目16番7号 日本酸 素株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製の内容器を合成樹脂製の外容
    器内に隙間を隔てて収容し一体に形成されてなる二重壁
    容器の前記隙間内に、二重壁構造をなし、両壁間に空気
    より熱伝導率が低い低熱伝導率ガスを封入してなる合成
    樹脂製の断熱層体を保持してなることを特徴とする合成
    樹脂製断熱容器。
  2. 【請求項2】 前記断熱層体が、前記内容器の外面に沿
    う形状の内壁体と、前記外容器の内面に沿う形状の外壁
    体とを有し、該内壁体を該外壁体内に空間層を隔てて収
    容し、該空間層に前記低熱伝導率ガスを封入し、該内壁
    体の端部と該外壁体の端部を連結してなることを特徴と
    する請求項1記載の合成樹脂製断熱容器。
  3. 【請求項3】 前記断熱層体が、前記両壁間に前記低熱
    伝導率ガスを封入密封して形成された一体成形の二重壁
    断熱体であることを特徴とする請求項1記載の合成樹脂
    製断熱容器。
  4. 【請求項4】 前記断熱層体が、気体透過率がO2
    2,CO2に関して1g /m2/24hr/atm以下
    の合成樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれか1項記載の合成樹脂製断熱容器。
  5. 【請求項5】 前記断熱層体が、内容器と外容器に用い
    た合成樹脂よりも耐熱性が高い合成樹脂を用いて形成さ
    れたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項
    記載の合成樹脂製断熱容器。
  6. 【請求項6】 前記断熱層体が、内容器と外容器に用い
    た合成樹脂よりも100℃における曲げ強度が高い合成
    樹脂を用いて形成されたことを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれか1項記載の合成樹脂製断熱容器。
  7. 【請求項7】 前記断熱層体が、内容器と外容器に用い
    た合成樹脂よりも100℃における耐クリープ性の高い
    合成樹脂を用いて形成されたことを特徴とする請求項1
    ないし6のいずれか1項記載の合成樹脂製断熱容器。
  8. 【請求項8】 合成樹脂製の上面壁と合成樹脂製の下面
    壁を隙間を隔てて配して一体に形成されてなる二重壁蓋
    の前記隙間内に、二重壁構造をなし、両壁間に前記低熱
    伝導率ガスを封入してなる合成樹脂製の蓋用断熱層体を
    保持してなることを特徴とする合成樹脂製断熱蓋。
  9. 【請求項9】 前記蓋用断熱層体が、前記上面壁の下面
    に沿う形状の上壁材と、前記下面壁の上面に沿う形状の
    下壁材とを有し、該上壁材を該下壁材上に空間層を隔て
    て配し、該空間層に前記低熱伝導率ガスを封入し、該上
    壁材の端部と該下壁材の端部を連結してなることを特徴
    とする請求項8記載の合成樹脂製断熱蓋。
  10. 【請求項10】 前記蓋用断熱層体が、前記両壁間に前
    記低伝熱導率ガスを封入密封して形成された一体成形の
    蓋用二重壁断熱体であることを特徴とする請求項8記載
    の合成樹脂製断熱蓋。
  11. 【請求項11】 前記蓋用断熱層体が、気体透過率がO
    2,N2,CO2に関して1g /m2/24hr/atm
    以下の合成樹脂で形成されたことを特徴とする請求項8
    ないし10のいずれか1項記載の合成樹脂製断熱蓋。
  12. 【請求項12】 前記蓋用断熱層体が、上面壁と下面壁
    に用いた合成樹脂よりも耐熱性が高い合成樹脂を用いて
    形成されたことを特徴とする請求項8ないし11のいず
    れか1項記載の合成樹脂製断熱蓋。
  13. 【請求項13】 前記蓋用断熱層体が、上面壁と下面壁
    に用いた合成樹脂よりも100℃における曲げ強度が高
    い合成樹脂を用いて形成されたことを特徴とする請求項
    8ないし12のいずれか1項記載の合成樹脂製断熱蓋。
  14. 【請求項14】 前記蓋用断熱層体が、上面壁と下面壁
    に用いた合成樹脂よりも100℃における耐クリープ性
    の高い合成樹脂を用いて形成されたことを特徴とする請
    求項8ないし13のいずれか1項記載の合成樹脂製断熱
    蓋。
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