JPH1016223A - インクジェット記録装置並びに該装置に用いる記録ヘッド及びその製造方法 - Google Patents

インクジェット記録装置並びに該装置に用いる記録ヘッド及びその製造方法

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JPH1016223A
JPH1016223A JP17003796A JP17003796A JPH1016223A JP H1016223 A JPH1016223 A JP H1016223A JP 17003796 A JP17003796 A JP 17003796A JP 17003796 A JP17003796 A JP 17003796A JP H1016223 A JPH1016223 A JP H1016223A
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JP
Japan
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recording
recording head
ink
liquid
heating
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Application number
JP17003796A
Other languages
English (en)
Inventor
Shige Sato
樹 佐藤
Tadao Iwaki
岩城  忠雄
Naoki Kawada
直樹 川和田
Satoshi Ohama
聡 大浜
Koji Kawaguchi
幸治 川口
Seiji Kuwabara
誠治 桑原
Hiroshi Okano
宏 岡野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Instruments Inc
Original Assignee
Seiko Instruments Inc
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来のインクジェット記録装置にあっては、
インク滴を被記録媒体に吐出、付着させ記録を行う記録
ヘッドの1本のノズルがひとつの記録ドットと対応して
いるため、記録の解像度はノズルの形成密度により制約
を受けると言う問題点があった。 【解決手段】 環状に形成された発熱体、または環状に
配置された複数個の発熱体を有する記録ヘッドにより、
気泡を環状に成長させインクを吐出できるため、ノズル
の不要なインクジェット用記録ヘッドを可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を被記録
媒体に吐出、付着させ記録を行うインクジェット記録方
式を用いたインクジェット記録装置並びに該装置に用い
る記録ヘッド及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置において
は、種々の記録液吐出方式による記録ヘッド、例えば圧
電素子を用いてインク等の記録液に機械的振動又は変位
を与える方式による記録ヘッドや記録液を加熱して発泡
させその圧力を利用する方式による記録ヘッドを有し、
それらの記録ヘッドによりインクの小滴を発生および飛
翔させ、それらの一部若しくは全部を紙等の被記録媒体
上に付着させて記録を行うものであったが、いずれの記
録ヘッドにおいても記録液を吐出するための吐出口に通
ずるノズルを形成し、1本のノズルによりひとつの記録
ドットが対応していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
記録装置にあっては、インク滴を被記録媒体に吐出、付
着させ記録を行う記録ヘッドの1本のノズルがひとつの
記録ドットと対応しているため、記録の解像度はノズル
の形成密度により制約を受けると言う問題点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために、記録信号に応じて記録液を吐出し、被
記録媒体上に像を記録するインクジェット記録装置にお
いて、環状に形成された記録液を加熱し沸騰させるため
の発熱体を有する記録ヘッドを具備する構成とした。ま
た、上記課題を解決するために本発明の他の構成とし
て、記録信号に応じて記録液を吐出し、被記録媒体上に
像を記録するインクジェット記録装置において、環状に
配置された記録液を加熱し沸騰させるための複数個の発
熱体を有する記録ヘッドを具備する構成とした。
【0005】このように、記録液を加熱し沸騰させるた
めの発熱体を環状に形成するか、または複数の発熱体を
環状に配置することにより、ノズルが不要なインクジェ
ット記録ヘッドを実現する事ができる。
【0006】
【発明の実際の形態】本発明のインクジェット記録装置
では、環状に形成された記録液を加熱し沸騰させるため
の発熱体を有する記録ヘッド、または環状に配置された
記録液を加熱し沸騰させるための複数個の発熱体を有す
る記録ヘッドを具備する。
【0007】記録ヘッドは、記録液を加熱し沸騰させる
ための発熱体と、発熱体に電流を供給する電極を有して
おり、液溜めを形成するための壁、または記録液供給口
と開放端との間に記録液の表面張力によって記録液によ
る液溜めが設けられる。発熱体に電極を通して電流が流
れる事により発熱体が発熱し、その熱によって発熱体の
周囲の記録液は膜沸騰現象をおこす。このとき膜沸騰現
象により発生する気泡は、環状に形成された発熱体、ま
たは環状に配置された複数の発熱体によって環状に成長
するため、この環状に成長する気泡の中心部分の記録液
が吐出する。
【0008】上記のように、本発明においては、ノズル
構造の形成やノズルオリフィスの形成が不要でありなが
ら、記録液の吐出を可能とする記録ヘッドを実現した。
このため、発熱体は環状に形成されるか、または複数の
発熱体を環状に配置する。
【0009】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、これ
らの実施例は本発明を更に具体的に説明するものであ
り、実施の態様がこれに限定されるものではない。 (実施例1)図1は本発明を用いたインクジェットプリ
ンタの構成を示し、図2は図1を補足するための、本発
明を用いたインクジェットプリンタの側面から見た構成
図である。図3および図4(a)、(b)は本実施例の
インクジェットプリンタに用いる本発明の記録ヘッドの
構成を示す断面図及び平面図である。図5(a)〜
(d)は本実施例の記録ヘッドの製造方法を示す図であ
る。図6乃至図8は、本実施例の記録ヘッドの駆動回路
に関する説明図である。
【0010】図1において、101はモータ等によって
回転するプラテンローラーであり、102はそのプラテ
ンローラー101に巻き付けられた被記録媒体103を
保持する被記録媒体押さえチャック、104はキャリア
であり、軸105,106上に担持されている。107
は駆動ベルトであり、プーリー108,109の間に張
架されており、前記キャリア104はクランプ手段11
0により駆動ベルト107にクランプされている。11
2は記録ヘッドであり、キャリア104上に搭載されて
いる。111はインク供給管であり一端が記録ヘッド1
12に接続されており、記録ヘッド112にインクを供
給する。インク供給管の他端には図示しないインクタン
クが接続されている。
【0011】以上の構成からなる本発明を用いたプリン
ターの動作について説明する。被記録媒体103は被記
録媒体押さえチャック102によってプラテンローラー
101に巻き付けられているものとする。キャリア10
4は記録開始前にはプラテンローラーの一端(図1にお
ける右端)の位置に停止している。次に記録が開始され
ると、プーリー108が図1において反時計回りに回転
し、駆動ベルト107を図1において反時計回り方向に
回転させる。したがって、キャリア104は軸105,
106上を図1において左向きの方向に主走査移動す
る。
【0012】このとき記録ヘッド112に記録信号が入
力すると、記録ヘッド112からインク液粒子が吐出さ
れ、このインク液粒子が被記録媒体103に付着するこ
とによりインクジェット記録が行われる。キャリア10
4がプラテンローラー101の他端(図1における左
端)に達すると、プーリー108は一端停止し、次に逆
方向に高速に回転し、駆動ベルト107は図1において
時計回り方向に高速に回転するため、キャリア104は
軸105,106上を図1において右向きの方向に高速
に復帰移動をする。この復帰移動の際には記録ヘッド1
12には噴射信号が入力されないようになっており、イ
ンクジェット記録は行われない。
【0013】プラテンローラー101は、キャリア10
4がこの復帰移動をしている間に図2における矢印方向
(反時計回り方向)に副走査回転する。キャリア104
が再び図1における右端の位置に達すると、プーリー1
08は一端停止し、次に図1において反時計回り方向の
回転を開始する。
【0014】このように、キャリア104の往復移動に
よる主走査と、プラテンローラー101の回転による副
走査が繰り返されることにより、被記録媒体103上に
インクジェット記録が行われる。ここで図3及び図4
(a)(b)は本実施例のインクジェットプリンタに用
いる記録ヘッドの概略を示す断面図及び平面図であり、
基板201上に電極、環状に形成された発熱抵抗体によ
るヒータ202が構成されており、またインク室203
と壁206により、一定の高さのインクによる液溜めを
形成している。インクはインク供給口204から供給さ
れる。
【0015】本実施例では、インクによる液溜めの高さ
を10μmから200μmとし、その間の高さで良好な
結果を得た。図4(a)は、ヒータをドーナツ状に形成
した例であり、図4(b)はコの字型に形成した例であ
るが、この他の形でもヒータを環状に形成する事は可能
である。
【0016】尚、図4(a)、(b)においては概略説
明図のためヒータ202を3個しか記載していないが、
実際にはひとつの基板201上にヒータ202は64組
乃至512組を形成した。また、ヒータ202どうしの
間隔は、本実施例では約140μmとしたが、本発明の
記録ヘッドはノズル構造を必要としないため、さらに密
度を上げることが可能であり、またさらにノズル構造を
必要としないためにヒータ202をジグザグに並べる事
も容易である。
【0017】図5(a)〜(c)は、本実施例で用いた
記録ヘッド112の製造方法を説明した図である。図5
において図3、図4と同一部分については同一符号を付
している。シリコンウェハ上に五酸化タンタルによるカ
バー層を設けた基板201(図5(a))上にスパッタ
リングや蒸着等の方法によってPoly−SiやTaA
l、BHf等の発熱抵抗体からなるヒータ202が着膜
され必要に応じて不純物のドープがなされ、所望の抵抗
値になるように所定の形状にパターニングされる(図5
(b))。
【0018】さらに同様にスパッタリングや蒸着等の方
法、あるいはエッチング等の方法によってアルミ電極2
51が形成される(図5(c))。尚、電極を形成して
からヒータを形成する事も可能である。電極251とヒ
ータ202の形成された基板には、さらに窒化アルミニ
ウム等によるカバー層が形成され、その上にフォトエッ
チング等の方法により壁206が形成され、ガラス板等
の剛性材を接着してインク室203を形成する事によっ
て記録ヘッドの構造ができている(図5(c))。本実
施例では壁206を形成するための光硬化性樹脂として
は、東京応化工業製BMR C−1000を用いてい
る。 図6は本実施例で用いた記録ヘッド112のヒー
タ202をドライブするための回路の説明図であり、図
7は図6の中の発熱抵抗体に通電する電流を制御するた
めの要部回路図である。また、図8は図7の各部の信号
の状態を示すタイミング図である。図6乃至図7ではヒ
ータ202を発熱抵抗体310と言う等価回路に示して
いる。
【0019】図6におけるヘッドドライブ部301にお
いて、ヘッドドライブのための基準パルス303と、こ
の基準パルス303にタイミング的に同期したデータ信
号302を入力し、発熱抵抗体310に流れる電流を制
御している。これらの動作について、図7の要部回路図
と図8のタイミング図を用いて、より具体的な例につい
て説明する。ヘッドドライブ部301の中の制御回路3
04に基準パルス303とデータ信号302が入力して
おり、制御回路304から出力された制御信号305は
スイッチングトランジスタからなるドライバ311のベ
ースに入力され、コレクタに接続された発熱抵抗体31
0に流れるヘッド電流を制御できる。図8において、
A,B,C,D,はそれぞれ1ドットを制御するための
タイミングを示し、それぞれのタイミングは基準パルス
303によって同期されている。データ信号302は、
各制御タイミングにおいて、インクの吐出を行うか否か
を決定する信号であり、図8の例では、A,B,Dの各
タイミングではインク吐出を行うがCのタイミングでは
インク吐出を行わないことを指示している。これらの基
準パルス303とデータ信号302の入力によって、制
御回路304によって制御信号305が作られ、この信
号によってドライバ311がONした時のみ発熱抵抗体
310にヘッド電流が流れる。このように各発熱抵抗体
ごとにインクの吐出を行うか否かを決定し、それぞれの
ドライバが制御される。
【0020】本実施例に用いた記録ヘッドの発熱抵抗体
310の抵抗値は30Ω〜50Ωである。このような記
録ヘッドを用いインクを吐出させるためのヘッド電流、
およびヘッド電流が流れている時間の最適値は、それぞ
れヘッド電流=200mA、ヘッド電流が流れている時
間=7.5μsであった。
【0021】このようなヘッド電流により、ヒータ20
2が発熱し、ヒータ上のインク205は膜沸騰をおこす
が、ヒータが環状に形成されているため、気泡は環状に
成長し、この環状に成長する気泡の中心部分のインクが
一定の方向の力を受けて吐出し、被記録媒体103上に
記録ドットとなって画像を形成できる。
【0022】以上のように、本実施例によってあきらか
なようにインク205を加熱し沸騰させるためのヒータ
202を環状に形成した記録ヘッド112により、ノズ
ル構造の形成やノズルオリフィスの形成が不要でありな
がら、記録液の吐出を可能とする記録ヘッドを実現し
た。
【0023】また、本実施例であきらかなように、上述
のような解像度がノズル構造による制約をうけない構造
をした、製造の容易な記録ヘッドを搭載する事により、
安価で高性能のインクジェット記録装置を実現した。
尚、本実施例においては単色での画像記録を例に本発明
を説明したが、カラー記録においても複数の本発明の記
録ヘッドを用いることにより、同様に本発明の効果が得
られる事は言うまでも無い。
【0024】(実施例2)図9(a)〜(c)は本実施
例のインクジェットプリンタに用いる記録ヘッドの構成
を示す平面図であり、複数のヒータ202が環状に配置
されている。図9(a)は矩形のヒータ202(a)〜
(d)を環状に配置した例であり、図9(b)は円形の
ヒータ202(e)〜(h)を環状に配置した例であ
る。また、図9(c)は三角形のヒータ202(i)〜
(l)を環状に配置した例であるが、各ヒータの形状は
これら以外の形状でも可能であり、また、配置するヒー
タ個数も4個に限定される事は無い。本発明は、発熱抵
抗体が形成されていない部分を取り囲むように発熱抵抗
体が形成・配置されていればその形状は何でも良い。ま
た発熱抵抗体が閉じた形状であっても、一部で切れた形
状であっても良いし、また、小片の発熱抵抗体を環状に
配置しても良い。
【0025】尚、図9(a)〜(c)においては概略図
のためヒータ202を3組しか記載していないが、実際
にはひとつの基板201上にヒータ202は64組乃至
512組を形成した。また、各ヒータ202の組どうし
の間隔は、本実施例では約140μmとしたが、本発明
の記録ヘッドはノズル構造を必要としないため、さらに
密度を上げることが可能であり、またさらにノズル構造
を必要としないためにヒータ202をジグザグに並べる
事も容易である。
【0026】本実施例において、インクジェットプリン
タの構成は実施例1と同様に図1の構成を、また記録ヘ
ッドの駆動に関しては、各ヒータ202の組ごとに実施
例1と同様に図6乃至図8に示した方法を用いた。本実
施例においては、図9(a)〜(c)のいずれのヒータ
配置の記録ヘッドにおいても、インク205を加熱し沸
騰させるためのヒータ202を環状に形成した記録ヘッ
ド112により、ノズル構造の形成やノズルオリフィス
の形成が不要でありながら、記録液の吐出を可能とする
記録ヘッドを実現した。
【0027】また、解像度がノズル構造による制約をう
けない構造をした、製造の容易な記録ヘッドを搭載する
事により、安価で高性能のインクジェット記録装置を可
能とした。 (実施例3)本実施例では、実施例2と同様に配置され
たヒータ202を有する記録ヘッド112を用いて、本
発明のヒータの駆動方式を説明する。
【0028】本実施例において、インクジェットプリン
タの構成は実施例2と同様に図1の構成を用いた。図1
0は図9(a)に示す記録ヘッドのヒータ配置部分だけ
を示す概略図であり、ヒータ202(a)〜(d)は、
一組で使用される。
【0029】図11は1画素のインクを吐出させるため
の、各ヒータ202(a)〜(d)に通電されるヘッド
電流のタイミングを示したものである。尚、各ヒータを
駆動させるための方法は図6乃至図7に示した駆動方法
と同様とした。まずヒータ202(d)にヘッド電流が
通電され、ヒータ上のインク205が発熱し膜沸騰をお
こす。ここで、若干の時間的なディレイを持ってヒータ
202(b)およびヒータ202(c)にヘッド電流が
通電され、ヒータ上のインク205が発熱し膜沸騰をお
こす。さらに若干の時間的なディレイを持ってヒータ2
02(a)にヘッド電流が通電され、ヒータ上のインク
205が発熱し膜沸騰をおこすため、各膜沸騰の気泡は
順次環状に成長し、この環状に成長する気泡の中心部分
のインクが各気泡成長のディレイのため、安定した方向
の力を受けて吐出し、被記録媒体103上に記録ドット
となって画像を形成できる。
【0030】本実施例においては、ノズル構造の形成や
ノズルオリフィスの形成が不要でありながら、安定した
方向に記録液の吐出を可能とする記録ヘッドを実現し
た。また、解像度がノズル構造による制約をうけない構
造をした、製造の容易な記録ヘッドを搭載する事によ
り、安価で高性能のインクジェット記録装置を可能とし
た。
【0031】(実施例4)図12及び図13は本実施例
のインクジェットプリンタに用いる本発明の記録ヘッド
構成を示す断面図及び平面図である。尚、図1乃至図2
に示すインクジェット記録装置、および図6乃至図8に
示す駆動回路は実施例1と同様に使用した。
【0032】図1に示すインクジェット記録装置は、実
施例1と同様な動作により記録ヘッド112からインク
液粒子が吐出され、このインク液粒子が被記録媒体10
3に付着することによりインクジェット記録が行われ
る。ここで図12、図13は本実施例のインクジェット
プリンタに用いる記録ヘッドの構成を示す断面図、平面
図であり、基板201上に電極、発熱抵抗体によるヒー
タ202が形成されている。またインク205はインク
自身の表面張力によってインク室203と基板201の
一端との間に液面を形成している。
【0033】本実施例では、インク室の高さを10μm
から200μmまで用意した。尚、図13においては図
4(a)と同様の構成のヒータを例に記載しているが、
これらは図4(b)の構成でも同様であり、さらに図9
(a)〜(c)の構成でも同様である。また図13にお
いては説明図のためヒータ202を3個しか記載してい
ないが、実際にはひとつの基板201上にヒータ202
は64組乃至512組を形成した。また、ヒータ202
どうしの間隔は、本実施例では約140μmとしたが、
本発明の記録ヘッドはノズル構造を必要としないため、
さらに密度を上げることが可能であり、またさらにノズ
ル構造を必要としないためにヒータ202をジグザグに
並べる事も容易である。
【0034】本実施例の記録ヘッドの製造方法は、実施
例1に説明した方法と同様の方法を用いているが、本実
施例ではインク液面はインク自体の表面張力によって保
持され、図3乃至図4に示される壁206を必要としな
いため、図5(d)における壁206の製造工程が省略
でき、非常に簡易な工程で記録ヘッドを製造可能であ
る。
【0035】尚、ヘッドのドライブは、実施例1と同様
に図6及び図7に示される回路及び方法で行った。以上
のように、本実施例によってあきらかなようにインク2
05を加熱し沸騰させるためのヒータ202を環状に形
成した記録ヘッド112により、ノズル構造の形成やノ
ズルオリフィスの形成が不要でありながら、記録液の吐
出を可能とする記録ヘッドを実現した。
【0036】また、本実施例であきらかなように、上述
のような解像度がノズル構造による制約をうけない構造
をした、製造の容易な記録ヘッドを搭載する事により、
安価で高性能のインクジェット記録装置を実現した。
尚、本実施例においては単色での画像記録を例に本発明
を説明したが、カラー記録においても複数の本発明の記
録ヘッドを用いることにより、同様に本発明の効果が得
られる事は言うまでも無い。
【0037】さらに、本実施例のインクジェット記録装
置においても、図9(a)〜(c)のようなヒータ配置
の記録ヘッド112を用い、実施例3に記載したような
駆動方法の記録ヘッドの使用も可能であった。さらにま
た、図3及び図12に示した記録ヘッドにおいて、イン
ク液面全体を覆う蓋またはキャップを付け、図6乃至図
8に示したデータ信号がヘッドドライブ部に入力された
ことを検出して、あるいは記録装置の電源がONになっ
たことを検出して、あるいはまた、その他の記録準備状
態を検出して、非記録状態から記録状態になったときに
前記蓋またはキャップをあけるように構成することも可
能である。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。環状に
形成された記録液を加熱し沸騰させるための発熱体を有
する記録ヘッド、または環状に配置された記録液を加熱
し沸騰させるための複数個の発熱体を有する記録ヘッド
により、ノズル構造を持たないために解像度の制約の受
けにくい記録ヘッドを可能とする。
【0039】記録ヘッドは、記録液を加熱し沸騰させる
ための発熱体と、発熱体に電流を供給する電極を有して
おり、液溜めを形成するための壁、または記録液供給口
と開放端との間に記録液の表面張力によって記録液によ
る液溜めが設けられる。発熱体に電極を通して電流が流
れる事により発熱体が発熱し、その熱によって発熱体の
周囲の記録液は膜沸騰現象をおこす。このとき膜沸騰現
象により発生する気泡は、環状に形成された発熱体、ま
たは環状に配置された複数の発熱体によって環状に成長
するため、この環状に成長する気泡の中心部分の記録液
が吐出する。
【0040】このように本発明の記録ヘッドは、ノズル
構造の形成やノズルオリフィスの形成が不要でありなが
ら、記録液の吐出を可能とするため、製造が容易で高解
像度化が可能である。さらに、本発明のインクジェット
記録装置は、このような記録ヘッドを搭載する事によ
り、高解像度の印字出力を安価に提供する事が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェット記録装置の構成図
である。
【図2】本発明によるインクジェット記録装置の側面か
ら見た構成図である。
【図3】本発明による記録ヘッドの一実施例を説明する
ための断面図である。
【図4】図3に示す本発明による記録ヘッドの構成を説
明するための平面図である。
【図5】本発明の記録ヘッドの製造方法を説明するため
の説明図である。
【図6】本発明のインクジェット記録装置に用いる記録
ヘッドの発熱抵抗体を駆動する回路の構成図である。
【図7】本発明のインクジェット記録装置に用いる記録
ヘッドの発熱抵抗体を駆動する回路の要部回路図であ
る。
【図8】本発明のインクジェット記録装置に用いるイン
クジェット記録ヘッドの発熱抵抗体の駆動タイミングを
説明するタイミング図である。
【図9】本発明の記録ヘッドの他の実施例の構成を説明
するための平面図である。
【図10】本発明の記録ヘッドのヒータ配置を説明する
ための説明図である
【図11】図10に示す本発明の記録ヘッドの各ヒータ
の駆動を示すタイミング図である
【図12】本発明による記録ヘッドの他の実施例の構成
を説明するための断面図である。
【図13】図12に示す本発明による記録ヘッドの構成
を示す平面図である。
【符号の説明】
101 プラテンローラー 102 被記録媒体押さえチャック 103 被記録媒体 104 キャリア 105,106 軸 107 駆動ベルト 108,109 プーリー 111 インク供給管 112 記録ヘッド 201 基板 202 ヒータ 203 インク室 204 インク供給口 205 インク 251 電極 301 ヘッドドライブ部 302 データ信号 303 基準パルス 304 制御回路 311 ドライバ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大浜 聡 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコー電子工業株式会社内 (72)発明者 川口 幸治 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコー電子工業株式会社内 (72)発明者 桑原 誠治 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコー電子工業株式会社内 (72)発明者 岡野 宏 千葉県千葉市美浜区中瀬1丁目8番地 セ イコー電子工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録信号に応じて記録液を吐出し、被記
    録媒体上に像を記録するインクジェット記録装置におい
    て、記録液を加熱し沸騰させるための環状に形成された
    発熱体を有する記録ヘッドを具備することを特徴とする
    インクジェット記録装置
  2. 【請求項2】 記録信号に応じて記録液を吐出し、被記
    録媒体上に像を記録するインクジェット記録装置におい
    て、記録液を加熱し沸騰させるための環状に配置された
    複数個の発熱体を有する記録ヘッドを具備することを特
    徴とするインクジェット記録装置
  3. 【請求項3】 前記記録ヘッドの前記環状に配置された
    複数の発熱体の少なくとも1つの発熱体を他の発熱体と
    異なったタイミングで駆動する記録ヘッド駆動手段を具
    備する請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 記録液を加熱し沸騰させるための環状に
    形成された発熱体、または、環状に配置された複数の発
    熱体と、該発熱体上に前記記録液による10μmから2
    00μmの高さの液溜めを形成するための壁を有する事
    を特徴とする記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 記録液を加熱し沸騰させるための環状に
    形成された発熱体、または、環状に配置された複数の発
    熱体と、記録液供給口と開放端とから構成され、該記録
    液供給口と該開放端との間に記録液の表面張力によって
    液溜めを形成する事を特徴とする記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 記録信号に応じて記録液を吐出し、被記
    録媒体上に像を記録するインクジェット記録装置におい
    て、請求項4乃至5記載の記録ヘッドを具備することを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 基板上にスパッタまたは蒸着により発熱
    体を形成し、スパッタ、蒸着またはエッチング等により
    電極を形成し、そのあと10μmから200μmの壁を
    形成し、剛性材を用いてインク室を構成する工程を有す
    ることを特徴とする記録ヘッドの製造方法。
JP17003796A 1996-06-28 1996-06-28 インクジェット記録装置並びに該装置に用いる記録ヘッド及びその製造方法 Pending JPH1016223A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004048109A1 (en) * 2002-11-23 2004-06-10 Silverbrook Research Pty Ltd Thermal ink jet printhead with symmetric bubble formation

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