JPH1016196A - インキ供給量設定方法および装置 - Google Patents

インキ供給量設定方法および装置

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JPH1016196A
JPH1016196A JP8186962A JP18696296A JPH1016196A JP H1016196 A JPH1016196 A JP H1016196A JP 8186962 A JP8186962 A JP 8186962A JP 18696296 A JP18696296 A JP 18696296A JP H1016196 A JPH1016196 A JP H1016196A
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JP
Japan
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ink
adjustment key
area ratio
film thickness
image area
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JP8186962A
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English (en)
Inventor
Asahito Tomita
朝仁 富田
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1016196A publication Critical patent/JPH1016196A/ja
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】インキ供給量を印刷機の状態を考慮に入れ高精
度に印刷開始前に自動設定するインキ供給量設定方法お
よび装置を提供する。 【解決手段】まず、印刷開始前にインキ装置の2つの状
態においてインキ練りローラのインキ膜厚を測定し、そ
の測定データに基づき刷版絵柄面積率Dxをインキ対応
領域ごとに演算する。さらに、そのDxと刷版絵柄面積
率計による刷版絵柄面積率Ex、および実績値であるイ
ンキ調節キー開度Isxと絵柄面積率Dsxと刷版絵柄
面積率Esxから下記数1によりインキ調節キー対応領
域のインキ調節キー開度Ixを演算する。 【数1】Ix=Isx×(Ex+(Ex−Dx))/
(Esx+(Esx−Dsx)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷機のインキ装
置において、インキ壺から供給するインキ量を調節する
インキ調節キーの開度を設定する技術分野に属する。特
に、インキ調節キーの開度を印刷開始前に設定する場合
に、刷版絵柄面積率の測定データだけでなく、インキ装
置ごとに異なる固有の特性や調整状態をふまえて設定を
行うインキ供給量設定方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷機においては刷版の絵柄
面積率に応じたインキ供給量の調節が各色の印刷ユニッ
トに対し印刷開始前に行われる。その場合、版胴に巻き
付けられ装着された状態において、刷版の版胴周方向の
絵柄面積率の版胴軸方向の分布に応じた適正なインキ供
給量を与えるようにする。そのため、インキ壺において
インキ出しローラの軸方向に複数配列して設けられたイ
ンキ調節キーの開度を調節することが行われる。
【0003】このインキ調節キーの開度の調節は、従来
は印刷機の熟練したオペレータが版胴装着前の刷版の版
面を目測して、または校正印刷物を目測して絵柄面積率
の分布を把握し、経験に基づいて手動で行っていた。し
かし、インキ供給量の適正な条件が設定されるまでに印
刷される不正な色再現を有する印刷物(不良品)を少な
くする目的で、この作業を自動化するインキプリセット
システムが開発されている。そのインキプリセットシス
テムによれば、刷版絵柄面積率測定装置において各イン
キ調節キー領域ごとに刷版絵柄面積率が測定され、イン
キ調節キーを自動調節する機構のインキ装置を有する印
刷機においてインキ供給量が印刷開始前にその測定デー
タに基づいて自動設定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のインキ
プリセットシステムにおいては刷版絵柄面積率について
は考慮するが、インキローラの材質やローラ間のニップ
状態、使用するインキ、インキ調節キーの原点調整状
態、インキと湿し水の乳化状態等の個々の印刷機で異な
る状態については考慮されていない。このため、刷版絵
柄面積率の測定データに基づいてインキ供給量を設定し
ても印刷を開始してからインキ調節キーの開度調節が頻
繁に必要となり、適正な印刷物が印刷されるようになる
までに大量の色調不良印刷物を印刷してしまう場合があ
った。また、特開平7−314648号には、印刷開始
と同時にインキ膜厚測定装置によりインキ練りローラの
幅方向におけるインキ膜厚を測定し、インキ膜厚の増減
率を算出し、それに基づいてインキ調節キーの開度を自
動的に調節する方法が開示されている。しかし、この方
法も印刷しながらインキ調節キーの開度を調節するもの
であり、調節が完了するまでに大量の色調不良印刷物を
印刷してしまう場合があった。
【0005】そこで本発明の目的は、オフセット印刷機
におけるインキ装置のインキ供給量(インキ調節キーの
開度)を、印刷機の状態を考慮に入れ高精度に印刷開始
前に自動設定することにより、印刷開始時点での色調不
良印刷物の発生を極めて少なくするインキ供給量設定方
法および装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のインキ供給量設定方法および装置は、ま
ず、印刷開始前のインキ練りローラのインキ膜厚をイン
キ調節キー対応領域ごとに測定し第1インキ膜厚値Ax
を得る。次に、インキ着けローラと版胴またはインキ着
けローラと版胴とブランケット胴を接触させニップ状態
とし、インキ供給装置のインキ供給を止めた状態で印刷
機を空転させ、インキ練りローラのインキ膜厚をインキ
調節キー対応領域ごとに測定し第2インキ膜厚値Bxを
得る。そして、前記第1インキ膜厚値Axと前記第2イ
ンキ膜厚値Bxから刷版絵柄面積率Dxをインキ対応領
域ごとに演算する。この演算には下記の数5に示す演算
式を用いることができる。
【数5】Dx = ((Ax − Bx) / Bx)
× (R / P) ただし、(R / P)は定数 さらに、前記演算した刷版絵柄面積率Dx、刷版絵柄面
積率計または画像データ処理装置により得られるインキ
調節キー対応領域の刷版絵柄面積率Ex、および実績値
としてのインキ調節キー開度Isxと実績値としての演
算した刷版絵柄面積率Dsxと実績値としての刷版絵柄
面積率計または画像データ処理装置により得られるイン
キ調節キー対応領域の刷版絵柄面積率Esxからインキ
調節キー対応領域のインキ調節キー開度Ixを演算す
る。この演算には下記の数6に示す演算式を用いること
ができる。
【数6】Ix = Isx × (Ex + (Ex
− Dx)) / (Esx + (Esx − Ds
x)) 最後に、インキ調節キー開度Ixをインキ壺の対応する
インキ調節キーの開度として設定する。
【0007】
【発明の実施の態様】次に、発明の実施の態様により説
明を行う。図1は本発明を実施する装置の構成の要点と
インキ装置を示す図である。図1において1はインキ膜
厚測定装置の検出ヘッド、2はインキ膜厚測定装置の本
体、3はインキ調節キー開度算出装置、4はインキ調節
キー開度設定装置、5はインキ調節キー、6はインキ練
りローラ、7は版胴、8はインキ着けローラ、9はイン
キ出しローラ、10はインキ移しローラ、11、12は
ブランケット胴、13は印刷用紙(ウェブ)、14は刷
版絵柄面積率計の測定データ入力装置である。また、図
2はインキ練りローラ6のインキ調節キー対応領域を示
す図である。図2においてa,b,c,d,・・・が個
々のインキ調節キーに対応する領域を示している。
【0008】図1において、インキ壺を構成するインキ
出しローラ9は少しずつ回転を行って開度設定されたイ
ンキ調節キー5の隙間からインキを導き出す。インキ移
しローラ10はインキ出しローラ9とインキ練りローラ
の間を往復移動し、インキ出しローラ9上に形成された
インキ被膜に間歇的に接触し、インキをインキ練りロー
ラへ転移させる。インキ練りローラは一群の複数のロー
ラからなり、それらのローラによって練られることによ
りチキソトロピーの流動特性を有するインキの流動性が
整えられる。それらの内の一本のインキ練りローラ6上
のインキ被膜の膜厚がインキ膜厚測定装置の検出ヘッド
1によって検出される。インキ着けローラ8はインキ練
りローラ6上のインキを転移させ版胴7の版面の画線部
にインキ被膜を形成する。画線部のインキ被膜はブラン
ケット胴11に転移し、さらに印刷用紙13に転移し印
刷が行われる。
【0009】インキ調節キー5はインキ出しローラ9の
軸方向と平行方向に複数配列して設けられている。その
複数配列しているインキ調節キーの各々の開度設定によ
りインキ出しローラ9の軸方向と平行方向に隙間の分布
を形成することができる。したがって、インキ出しロー
ラ9の軸方向にインキの導出量(インキ供給量)の分布
を制御することができる。インキ調節キー5によってイ
ンキ出しローラ9上に形成されたインキ被膜の分布は複
数のインキ練りローラによって練られる間に広がり軸方
向と平行方向の分布が平均化され縮小する傾向はある。
しかし、インキが絶え間無く供給され消費される印刷中
であれば、その傾向はそれほど大きなものではなく、イ
ンキ練りローラ6上のインキ被膜の厚さはインキ調節キ
ーの各々の開度設定を反映している。図2に示すよう
に、軸方向と平行方向に移動し走査を行うインキ膜厚測
定装置の検出ヘッド1によって、個々のインキ調節キー
に対応する領域a,b,c,d・・・のインキの導出量
の分布を時系列で測定することができる。
【0010】さて、上述の構成において、本発明のイン
キ供給量設定方法およびその方法が適用される装置にお
ける複数あるインキ調節キーの各々の開度設定過程につ
いて説明する。まず、第1の過程は、印刷開始前のイン
キ練りローラのインキ膜厚をインキ調節キー対応領域ご
とに測定し第1インキ膜厚値Axを得る。印刷前にイン
キ移しローラ10の動作を止めて、かつ、インキ着けロ
ーラ8を版胴7と接触させない状態にして印刷機を空転
させる。インキ練りローラ6上のインキ被膜の厚さが安
定するまで空転を続け、安定した段階でインキ膜厚測定
装置(検出ヘッド1と本体2)によりインキ練りローラ
のインキ調節キー対応領域a,b,c,d・・・におけ
るインキ被膜の厚さAa,Ab,Ac,Ad,・・・を
測定する。図3は第1の過程で得られたインキ練りロー
ラ6のインキ膜厚分布と次に説明する第2の過程で得ら
れるインキ練りローラ6のインキ膜厚分布の一例を示す
図である。ここにおけるインキ練りローラのインキは、
前回品目の終了時に残っているものをそのまま利用すれ
ばよく、インキ練りローラ上にインキがない場合には適
量(インキ練りローラ上のインキ被膜厚さで数μm)を
供給すればよい。品目切替時にブランケット洗浄などの
印刷機空転を利用して、インキ膜厚を安定させてもよ
い。
【0011】次に、第2の過程は、インキ着けローラと
版胴またはインキ着けローラと版胴とブランケット胴を
接触させニップ状態とし、インキ供給装置のインキ供給
を止めた状態で印刷機を空転させ、インキ練りローラの
インキ膜厚をインキ調節キー対応領域ごとに測定し第2
インキ膜厚値Bxを得る。第1の過程が完了し、かつ、
版胴7にセットされている印刷版およびブランケットに
インキが付着していないことによって成り立つ。通常の
品目切替後はこの状態にある。この状態において、イン
キ着けローラ8と版胴7またはインキ着けローラ8と版
胴7とブランケット胴を接触させニップ状態とする。さ
らにインキ移しローラ10の動作を止めた状態で印刷機
を空転させ、インキ練りローラ6上のインキ膜厚が安定
するまで空転を続ける。そして安定した段階でインキ膜
厚測定装置によりインキ練りローラのインキ調節キー対
応領域a,b,c,d,・・・におけるインキ被膜厚さ
Ba,Bb,Bc,Bd,・・・を測定する。図3には
第1の過程で得られたインキ練りローラ6のインキ膜厚
分布とともに第2の過程で得られるインキ練りローラ6
のインキ膜厚分布の一例が示されている。
【0012】次に、第3の過程は、前記第1インキ膜厚
値Axと前記第2インキ膜厚値Bxから刷版絵柄面積率
Dxを下記数7によりインキ対応領域ごとに演算する。
この演算はインキ調節キー開度算出装置3により行われ
る。インキ調節キー開度算出装置3はパーソナルコンピ
ュータのような演算機能を有する装置を用いることがで
きる。
【数7】Dx = ((Ax − Bx) / Bx)
× (R / P) ただし、 x ; a,b,c,d,・・・ (R / P); 定数 なお、上記の数7は演算式の一例であり通常はこの演算
式で十分な精度を得ることができる。さらに高精度な演
算式を必要とする場合は、インキ練りローラの揺動や各
部位における正確な転移率を考慮した演算式とすること
ができる。
【0013】図4は第3の過程で得られた刷版絵柄面積
率Dxと刷版絵柄面積率計または画像データ処理装置に
より得られる刷版絵柄面積率Exの一例を示す図であ
る。第3の過程で得られた刷版絵柄面積率Dxはインキ
装置上でインキ練りローラ6のインキ被膜厚を測定して
得たデータから導かれる。一方、次の数8で用いられる
もう1つの刷版絵柄面積率Exは、刷版絵柄面積率計に
よる刷版の絵柄面積率を測定することによって、あるい
は、刷版上の絵柄の基データ(原版の画像データ)から
コンピュータ等の画像データ処理装置によるデータ処理
によって得られる。
【0014】次に、第4の過程は、前記演算した刷版絵
柄面積率Dxと刷版絵柄面積率計または画像データ処理
装置により得られるインキ調節キー対応領域の刷版絵柄
面積率Ex、および実績値としてのインキ調節キー開度
Isxと実績値としての演算した刷版絵柄面積率Dsx
と実績値としての刷版絵柄面積率計または画像データ処
理装置により得られるインキ調節キー対応領域の刷版絵
柄面積率Esx、から下記数8によりインキ調節キー対
応領域のインキ調節キー開度Ixを演算する。この演算
はインキ調節キー開度算出装置3により行われる。
【数8】Ix = Isx × (Ex + (Ex
− Dx)) / (Esx + (Esx − Ds
x)) 図5は第4の過程で得られたインキ調節キー対応領域の
インキ調節キーの設定値を示す図である。
【0015】最後に、第5の過程は、インキ調節キー開
度Ixをインキ壺の対応するインキ調節キーの開度とし
て設定する。インキ調節キーの開度の設定はインキ調節
キー開度設定装置4により行われる。こうすることで、
インキキーの原点調整精度がばらついていても最適なイ
ンキ調節キー開度に設定することができる。また、イン
キローラ間のニップ状態やインキと湿し水乳化状態の違
いによるインキング系のインキ転移差を補足するように
インキ調節キーの開度設定を行うことができる。
【0016】ここで、数1(数3,数5,数7と同一の
数式)と数2(数4,数6,数8と同一の数式)の導出
方法について説明を補足する。前述の説明の一部繰返し
になるが、印刷終了後、版胴に次品目の刷版を装着した
“初期状態”において、次ぎの条件(と)の下でイ
ンキ練りローラのインキ膜厚Axを測定する。インキ膜
厚Axのxはインキ調節キーの対応領域a,b,c,d
・・・を示す。 インキ移しローラの動作を止め、インキ練りローラと
版胴を接触しない状態(インキ着けローラ“脱”)で印
刷機を空転させ、インキ練りローラのインキ膜厚を均一
(インキ膜厚計の膜厚値がある値に落ち着いた時)にす
る。 インキ膜厚計でインキ練りローラ上のインキ膜厚をイ
ンキ調節キーに対応した各領域ごとに測定する。インキ
膜厚の測定は、インキ膜厚計で測定可能なインキ練りロ
ーラならばどれでもよい。
【0017】Rを1つのインキ調節キー対応領域におけ
る全インキ練りローラの総表面積として、1つのインキ
調節キー対応領域において、インキ練りローラ上に保有
されているインキ量はAx×Rとなる。図6はインキ装
置の各ローラおよび版胴においてインキ被膜に覆われる
表面を展開して示す図である。図6に示すように、Rは
1つのインキ調節キー対応領域の全インキ練りローラの
表面積の合計である。このRは数1等で用いられている
Rと同一である。
【0018】また、“次の状態”である次ぎの条件(
と)の下でインキ練りローラのインキ膜厚Bxを測定
する。インキ膜厚Bxのxはインキ調節キーの対応領域
a,b,c,d・・・を示す。 インキ移しローラの動作を止め、インキ練りローラと
版胴を接触させたニップ状態(インキ着けローラ
“着”)で印刷機を空転させ、インキ練りローラ上のイ
ンキ膜厚を均一(インキ膜厚計の膜厚値がある値に落ち
着いた時)にする。 インキ膜厚計でインキ練りローラ上のインキ膜厚をイ
ンキ調節キーに対応した各領域ごとに測定する。インキ
膜厚の測定は、インキ膜厚計で測定可能なインキ練りロ
ーラならばどれでもよい。
【0019】Rを1つのインキ調節キー対応領域におけ
る全インキ練りローラの総表面積として、1つのインキ
調節キー対応領域において、インキ練りローラ上に保有
されているインキ量はBx×Rとなる。刷版絵柄上のイ
ンキ膜厚は、図6においてインキ練りローラと刷版の
インキ転移率を50%とすればBxとなる。実際のオフ
セット印刷機のインキ装置におけるインキ転移率はほぼ
50%である。したがって、Pを1つのインキ調節キー
対応領域における刷版の表面積、Dxを1つのインキ調
節キー対応領域における刷版の絵柄面積率とすると、1
つのインキ調節キー対応領域における刷版上のインキ量
はBx×Dx×Pとなる。
【0020】“初期状態”と“次の状態”のそれぞれの
インキ量は等しいから、Ax×R=Bx×R+Bx×D
x×Pが成立する。この数式から直ちに、数1(数3,
数5,数7と同一の数式)のDx=((Ax−Bx)/
Bx)×(R/P)が得られる。
【0021】前述したようにインキ調節キーの開度設定
において、印刷機上で求められた刷版絵柄面積率Dx
は、湿し水量やインキ練りローラと版胴のニップ状態に
影響される。湿し水過多や、インキ練りローラと版胴の
ニップが極端に弱いと刷版にインキが転移しにくく、D
xは刷版絵柄面積率計の測定等により得られた刷版絵柄
面積率Exより小さい値となる。本来インキが転移しに
くい場合は、インキ調節キーの開度をより大きくしてイ
ンキを多く出す必要があるが、この場合逆の設定となっ
てしまう。また、湿し水が少なく刷版の非画線部にイン
キが絡み気味の場合には、DxはExよりも大きくなっ
てしまう。さらに、インキ調節キーのゼロ点ずれもある
ので、Dxにだけ基づいてインキ調節キーの開度えお設
定しても適正な開度にはならない。
【0022】そこで、前品目までに印刷機上で得られた
刷版絵柄面積率Dsxと、刷版絵柄面積率計の測定等に
より得られた刷版絵柄面積率Esxと、印刷しながらイ
ンキ調節キーの開度の微調整を行って得られたインキ調
節キーの開度Isxを考慮に入れる。インキ調節キーの
ゼロ点が正確に調整され、理想状態にあるときのインキ
調節キーの開度はEx+(Ex−Dx)のようになる。
インキ調節キーは理想状態ではないため、設定すべき適
正なインキ調節キーの開度はIx=Isx×(Ex+
(Ex−Dx))/(Esx+(Esx−Dsx))と
なる。この適正なインキ調節キーの開度の数式が数2
(数4,数6,数8と同一の数式)である。
【0023】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、オフセッ
ト印刷機におけるインキ装置のインキ供給量(インキ調
節キーの開度)を、印刷機の状態を考慮に入れ高精度に
印刷開始前に自動設定することにより、印刷開始時点で
の色調不良印刷物の発生を極めて少なくするインキ供給
量設定方法および装置が提供される。また、数1(数
3,数5,数7)の演算式を用いる本発明によれば、そ
の具体的に示された演算式により刷版絵柄面積率Dxを
インキ対応領域ごとに適正に演算することができる。ま
た、数2(数4,数6,数8)の演算式を用いる本発明
によれば、その具体的に示された演算式によりインキ調
節キー対応領域のインキ調節キー開度Ixを適正に演算
することができる。また、こうすることで、インキ調節
キーの原点調整精度がばらついていても、最適なインキ
調整キー開度に設定することができる。また、インキロ
ーラ間のニップ状態やインキと湿し水乳化状態の違いに
よるインキング系のインキ転移差を補う形で、インキ調
節キー開度の設定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の構成の要点とインキ装
置を示す図である。
【図2】インキ練りローラ6のインキ調節キー対応領域
を示す図である。
【図3】第1の過程で得られたインキ練りローラ6のイ
ンキ膜厚分布と第2の過程で得られたインキ練りローラ
6のインキ膜厚分布の一例を示す図である。
【図4】第3の過程で得られた刷版絵柄面積率と、刷版
絵柄面積率計または画像データ処理装置により得られる
刷版絵柄面積率の一例を示す図である。
【図5】第4の過程で得られたインキ調節キー対応領域
のインキ調節キー開度の設定値の一例を示す図である。
【図6】インキ装置の各ローラおよび版胴においてイン
キ被膜に覆われる表面を展開して示す図である。
【符号の説明】
1 インキ膜厚測定装置の検出ヘッド 2 インキ膜厚測定装置の本体 3 インキ調節キー開度算出装置 4 インキ調節キー開度設定装置 5 インキ調節キー 6 インキ練りローラ 7 版胴 8 インキ着けローラ 9 インキ出しローラ 10 インキ移しローラ 11、12 ブランケット胴 13 印刷用紙(ウェブ) 14 刷版絵柄面積率計の測定データ入力装置 a,b,c,d,・・・個々のインキ調節キーに対応す
る領域

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷開始前のインキ練りローラのインキ膜
    厚をインキ調節キー対応領域ごとに測定し第1インキ膜
    厚値Axを得る第1測定過程と、 インキ着けローラと版胴またはインキ着けローラと版胴
    とブランケット胴を接触させニップ状態とし、インキ供
    給装置のインキ供給を止めた状態で印刷機を空転させ、
    インキ練りローラのインキ膜厚をインキ調節キー対応領
    域ごとに測定し第2インキ膜厚値Bxを得る第2測定過
    程と、 前記第1インキ膜厚値Axと前記第2インキ膜厚値Bx
    から刷版絵柄面積率Dxをインキ対応領域ごとに演算す
    る第1演算過程と、 前記演算した刷版絵柄面積率Dxと刷版絵柄面積率計ま
    たは画像データ処理装置により得られるインキ調節キー
    対応領域の刷版絵柄面積率Ex、および実績値としての
    インキ調節キー開度Isxと実績値としての演算した刷
    版絵柄面積率Dsxと実績値としての刷版絵柄面積率計
    または画像データ処理装置により得られるインキ調節キ
    ー対応領域の刷版絵柄面積率Esx、からインキ調節キ
    ー対応領域のインキ調節キー開度Ixを演算する第2演
    算過程と、 前記演算したインキ調節キー開度Ixをインキ壺の対応
    するインキ調節キーの開度として設定する開度設定過程
    と、 から成ることを特徴とするインキ供給量設定方法。
  2. 【請求項2】前記第1演算過程における演算は下記の数
    1により行われることを特徴とする請求項1記載のイン
    キ供給量設定方法。 【数1】Dx = ((Ax − Bx) / Bx)
    × (R / P) ただし、(R / P)は定数
  3. 【請求項3】前記第2演算過程における演算は下記の数
    2により行われることを特徴とする請求項2または3記
    載のインキ供給量設定方法。 【数2】Ix = Isx × (Ex + (Ex
    − Dx)) / (Esx + (Esx − Ds
    x))
  4. 【請求項4】インキ膜厚測定手段と、演算手段と、開度
    設定手段とを有するインキ供給量設定装置であって、 前記インキ膜厚測定手段は、印刷開始前のインキ練りロ
    ーラのインキ膜厚をインキ調節キー対応領域ごとに測定
    し第1インキ膜厚値Axを出力する、とともに、インキ
    着けローラと版胴またはインキ着けローラと版胴とブラ
    ンケット胴を接触させニップ状態とし、インキ供給装置
    のインキ供給を止めた状態で印刷機を空転させ、インキ
    練りローラのインキ膜厚をインキ調節キー対応領域ごと
    に測定し第2インキ膜厚値Bxを出力し、 前記演算手段は、前記第1インキ膜厚値Axと前記第2
    インキ膜厚値Bxから刷版絵柄面積率Dxをインキ対応
    領域ごとに演算する、とともに、前記演算した刷版絵柄
    面積率Dx、刷版絵柄面積率計または画像データ処理装
    置により得られるインキ調節キー対応領域の刷版絵柄面
    積率Ex、および実績値としてのインキ調節キー開度I
    sxと実績値としての演算した刷版絵柄面積率の実績値
    Dsxと実績値としての刷版絵柄面積率計または画像デ
    ータ処理装置により得られるインキ調節キー対応領域の
    刷版絵柄面積率Esxからインキ調節キー対応領域のイ
    ンキ調節キー開度Ixを演算し、 前記開度設定手段は前記演算したインキ調節キー開度I
    xをインキ壺の対応するインキ調節キーの開度として設
    定することを特徴とするインキ供給量設定装置。
  5. 【請求項5】前記演算手段による刷版絵柄面積率Dxの
    演算は下記の数3により行われることを特徴とするイン
    キ供給量設定装置。 【数3】Dx = ((Ax − Bx) / Bx)
    × (R / P) ただし、(R / P)は定数
  6. 【請求項6】前記演算手段による刷版絵柄面積率Ixの
    演算は下記の数4により行われることを特徴とするイン
    キ供給量設定装置。 【数4】Ix = Isx × (Ex + (Ex
    − Dx)) / (Esx + (Esx − Ds
    x))
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001179943A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Toppan Printing Co Ltd 網点着肉制御装置及びその装置による網点着肉制御方法
JP2013528506A (ja) * 2010-05-28 2013-07-11 任▲徳堅▼ 能動予見式流体薄膜智能モニタリング方法および装置

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JP2001179943A (ja) * 1999-12-24 2001-07-03 Toppan Printing Co Ltd 網点着肉制御装置及びその装置による網点着肉制御方法
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