JPH10161274A - 写真感光材料用射出成形品 - Google Patents

写真感光材料用射出成形品

Info

Publication number
JPH10161274A
JPH10161274A JP32314996A JP32314996A JPH10161274A JP H10161274 A JPH10161274 A JP H10161274A JP 32314996 A JP32314996 A JP 32314996A JP 32314996 A JP32314996 A JP 32314996A JP H10161274 A JPH10161274 A JP H10161274A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
photographic
acid
weight
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32314996A
Other languages
English (en)
Inventor
Mutsuo Akao
睦男 赤尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP32314996A priority Critical patent/JPH10161274A/ja
Priority to US08/982,516 priority patent/US6013723A/en
Publication of JPH10161274A publication Critical patent/JPH10161274A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐油性、耐有機溶剤性、耐熱性、無味・無臭
・無毒、耐吸湿性、寸法安定性、表面硬度及び耐破壊性
等の各種特性を兼ね備えた写真感光材料用射出成形品を
提供する。 【解決手段】 シングルサイト触媒を用いて重合製造し
た分子量分布が1.1〜5の熱可塑性樹脂30重量%以
上と、滑剤及び酸化防止剤を少なくとも含む熱可塑性樹
脂組成物を用いて射出成形している。シングルサイト触
媒を用いて重合製造した熱可塑性樹脂を用いるので物理
強度やブロッキング防止性に優れる。滑剤及び酸化防止
剤を含むことで滑性及び酸化防止性を向上することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、写真感光材料に用
いるのに最適な写真感光材料用射出成形品に関し、更に
詳しくは、写真感光材料用射出成形品として必要な相反
する特性、例えば耐油性、耐有機溶剤性、耐熱性、無味
・無臭・無毒、耐吸湿性、寸法安定性、表面硬度及び耐
破壊性等の各種特性を兼ね備えた写真感光材料用射出成
形品に関する。特に写真感光材料の包装に用いる射出成
形品として安価で写真性が良好で且つ遮光性物質の分散
性や寸法安定性が優れるので最適の樹脂と言われ、使用
されてきた従来のポリスチレン樹脂に代替可能なシング
ルサイト触媒を用いて重合した熱可塑性樹脂を用いた安
価で写真性に悪影響を及ぼすことがない各種特性が優れ
た写真感光材料用射出成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】スチレンモノマーのみを重合した一般用
ポリスチレン樹脂(以後、GPPS樹脂と表示する)で
あるホモポリスチレン樹脂は、成形品の寸法安定性が良
く、無味・無臭・無毒であり、透明容器に大量に作られ
ている。しかし、油類及び有機溶剤の一部に侵されやす
い、耐候性・耐熱性が不十分、帯電しやすい、耐破壊強
度が劣る等のために、写真感光材料用射出成形品として
完全遮光性が必須とされるカーボンブラック等の遮光性
物質を含む遮光性の射出成形品では、ブタジエンゴム等
の合成ゴム等をスチレンモノマーにグラフト共重合した
ゴム含有ポリスチレン樹脂(一般にハイインパクトポリ
スチレン樹脂又は耐衝撃性ポリスチレン樹脂と呼ばれて
いる。以後、HIPSと表示する。)を使用している
(特開平1−312538号公報)。
【0003】HIPS樹脂には合成ゴムが含有されてい
る。こうした合成ゴム等のゴム状物質は写真感光材料の
写真性に悪影響(カブリや増減)を及ぼすために、ゴム
状物質の含有量を1〜12%に限定して用いている(特
開平6−31348号公報)。
【0004】ところで、射出成形品の寸法安定性はそれ
ほど必要としないが、防湿性、透明性、剛性、外観、成
形サイクル、衝撃強度の全てが優れていることを必要と
する写真フイルムパトローネ用容器本体には、ポリプロ
ピレン系樹脂が用いられていた(特開平2−38939
号公報)。このポリプロピレン系樹脂では、高いメルト
インデックス(16〜80g/10分)のプロピレン樹
脂の含有率を70重量%以上にして用いている。
【0005】また、前述の容器本体と同様に射出成形品
の寸法安定性はそれほど必要としないが、防湿性、適当
な剛性、成形サイクル、衝撃強度、容器本体との嵌合密
封性の全てが優れていることを必須とする写真フイルム
パトローネ用容器キャップには、高メルトインデックス
(7〜40g/10分)の高圧法分岐状低密度ポリエチ
レン樹脂(以後、LDPE樹脂と表示する)が用いられ
てきた(特開平6−29953号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た樹脂組成物を用い、同一キャビティーで同一コア寸法
の10個以上の多数個取りの金型を用いて高サイクルで
射出成形すると、金型の位置によって射出成形品の寸法
が異なってしまうことが判明した。この結果、容器本体
との嵌合密封性が不良になり、防湿性が悪化し、嵌合強
度が小さくなるため、手から落下したり、物流工程中に
重量物で圧縮されたりすると簡単に容器キャップがはず
れてしまい、防湿性が確保できないだけでなく、写真フ
イルムの写真性や写真フイルムパトローネの保護もでき
なくなるという問題が生じてしまう。また、この問題を
解決するために、成形サイクルを長くし、冷却を完全に
行ってから金型から取り出すようにするのは、大幅に生
産性がダウンするため問題外であった。
【0007】本発明は、以上の問題点を解決し、安価で
写真感光材料の写真性に悪影響を与えない、写真感光材
料用射出成形品として必要な種々の特性を全て確保可能
な、写真感光材料用射出成形品を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、シング
ルサイト触媒を用いて重合製造した分子量分布が1.1
〜5の熱可塑性樹脂30重量%以上と、滑剤と、酸化防
止剤とを少なくとも含む熱可塑性樹脂組成物を用いて射
出成形した写真感光材料用射出成形品によって達成され
る。
【0009】本発明の写真感光材料用射出成形品の30
重量%以上はシングルサイト触媒を用いて重合製造した
分子量分布が1.5〜5の熱可塑性樹脂で形成されてい
る。
【0010】本発明の熱可塑性樹脂組成物に用いられる
熱可塑性樹脂と言うのは、ポリスチレン樹脂、耐衝撃性
ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合
体樹脂、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重
合体樹脂、プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂、
高密度ポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共
重合体樹脂、ポリエチレンテレフタート樹脂、ポリブチ
レンテレフタート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂等がある。こうした熱可塑性樹脂に、後
述する各種添加剤を含ませればよい。
【0011】本発明で“シングルサイト触媒”と言うの
は、従来の活性点の性質が不均一な“マルチサイト触
媒”とは異なる活性点が均一な触媒のことを言い、略同
一分子量(分子量分布、組成分布が狭い)の熱可塑性樹
脂を製造するのに最適な触媒を言う。特に共重合体樹脂
の場合は本発明の“シングルサイト触媒”を用いて製造
すると、どの分子量成分にも均等にコモノマーが挿入さ
れ、分子量分布、組成分布の小さい(狭い)熱可塑性樹
脂となり、物理強度の大きい、透明性やブロッキング防
止性が優れたものとなる。特に透明性を必要とする写真
感光材料用射出成形品の用途には、エチレン−α−オレ
フィン(炭素数が3〜20)ランダム共重合体樹脂が好
ましい。
【0012】シングルサイト触媒の代表的なものは、1
980年にドイツ Hamburg大学のKaminsky教授により高
活性なポリエチレン樹脂重合触媒として発見された触媒
であり、化1に示すように二塩化ジルコノセンに代表さ
れるメタロセン化合物と、メチルアルミノキサンに代表
される助触媒から成る触媒系であり、一般に有機溶媒に
は可溶であり、単一種の触媒活性点を持つ触媒である。
【0013】
【化1】
【0014】本発明では、分子量分布が1.1〜5.0
である熱可塑性樹脂を安価に製造可能なシングルサイト
触媒を用いて重合したものであれば、化1に限定される
ものではない。例えば、現在までに公知になっている各
種のシングルサイト触媒や今後開発されるシングルサイ
ト触媒も、写真感光材料の写真性に悪影響を与えること
なく、且つ写真感光材料用射出成形品として必要な特性
を確保できる熱可塑性樹脂を重合製造可能であれば使用
可能であることは言うまでもない。代表例は特開昭58
−19309号公報、特開昭59−95299号公報、
特開昭60−35006号公報、特開昭60−3500
7号公報、特開昭60−35008号公報等に開示され
ている。
【0015】本発明で特に好ましい代表的な内容を以下
に開示するが、本発明はこれらに限定されないことは言
うまでもない。好ましいシングルサイト触媒を構成する
金属メタロセン系遷移金属化合物としてては、ジルコニ
ウム、ハフニウム、チタニウム、バナジウムに、シクロ
ペンタジェニル基、インデル基、テトラヒドロインデル
基、フルオニル基及びこれらの置換基が1〜2結合して
いるか、あるいは、これらのうちの2つの基が共有結合
で架橋したものが結合しており、他に水素原子、酸素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アラルキル基、アルコ
キシ基、シクロアルキル基、アリール基、カルボニル
基、シリル基、ルイス塩基、ケイ素原子を含む置換基、
不飽和炭化水素等の配位子を有するものが挙げられる。
【0016】また、オレフィンの重合法において新しい
高活性重合触媒として遷移金属化合物及びアルミノオキ
サンからなる触媒が特開昭58−19309号公報、特
開昭59−95292号公報、特開昭60−35005
号公報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−
35007号公報、特開昭60−35008号公報など
に提案されている。これらの先行技術のなかで、特開昭
58−19309号公報、特開昭60−35005号公
報、特開昭60−35006号公報、特開昭60−35
007号公報、特開昭60−35008号公報には、前
記触媒系がエチレンとα−オレフィンの共重合に適用で
きることが記載されているが、これらにはいずれにも分
子量分布及び組成分布の狭い低結晶性エチレン・α−オ
レフィンの共重合に適用できることが記載されている
が、これらにはいずれにも分子量分布及び組成分布の狭
い低結晶エチレン・α−オレフィン共重合体を製造する
方法に関しては何も示されていない。
【0017】本発明で分子量分布とは、ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー法(以後、GPC法と表示す
る)で測定した重量平均分子量(以後Mw(AV)と表示す
る)と数平均分子量(以後Mn(AV)と表示する)の比で
Mw(AV)/Mn(AV)のことを言う。測定は具体的には、
ウォーターズ社製150−C(カラム;東ソー社製GM
H−XLHT 8mmφ×30m×3本、溶媒;1,
2,4−トリクロロベンゼン、温度;135°C、流
量;10ml/分)を用いて行った。GPC法によりM
(AV)やMn(AV)を測定し、Mw(AV)/Mn(AV)を算出
した値を分子量分布と言う。
【0018】本発明では、優れた射出成形性、射出成形
品の寸法安定性、物理強度、外観、重合適性、コスト等
を確保する点から熱可塑性樹脂の分子量分布(Mw(AV)
/Mn(AV))が1.1〜5、好ましくは1.2〜4.
5、特に好ましくは1.3〜4.0、最も好ましくは
1.5〜3.5のものを厳選して使用している。本発明
では、上記優れた写真感光材料用射出成形品としての特
性を確保するために、このシングルサイト触媒を用いて
重合した分子量分布を限定した熱可塑性樹脂を写真感光
材料用射出成形品中に30重量%以上、好ましくは40
重量%以上、特に好ましくは50〜99.9重量%、最
も好ましくは60〜99.9重量%含有している。遮光
性物質を含有させて完全遮光性を確保することを必須と
するような用途(例えば写真フイルム用スプール、アド
バンストフォトシステム(新写真システムとも言う。以
後APSと表示)等に用いる樹脂製写真フイルムパトロ
ーネ、レンズ付きフイルムユニット、インスタントフイ
ルムユニット、シートフイルムパック、カメラ、シート
フイルムホルダー等の着色射出成形品)の場合、このシ
ングルサイト触媒を用いて重合製造した分子量分布を限
定した熱可塑性樹脂の写真感光材料用射出成形品中の含
有量は30重量%以上、好ましくは40重量%以上、特
に好ましくは50〜99.5重量%、最も好ましくは6
0〜99重量%である。
【0019】本発明のシングルサイト触媒を用いて重合
製造した好ましい熱可塑性樹脂の代表例としては、エチ
レン−α−オレフィン共重合体樹脂、ホモポリエチレン
樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン−α−オレ
フィン共重合体樹脂(代表例としてはプロピレン−エチ
レンランダム共重合体樹脂、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体樹脂)、シンジオタクチックポリスチレン
樹脂である。特に好ましい熱可塑性樹脂は、ホモポリエ
チレン樹脂とエチレン−α−共重合体樹脂と、結晶性の
シンジオタクチックポリスチレン樹脂と結晶性のシンジ
オタクチックポリプロピレン樹脂とアイソタクチックポ
リプロピレン樹脂である。
【0020】市販品の代表例を以下に記載するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。ポリエチレン樹
脂(ほとんどがエチレン−α−オレフィン共重合体樹脂
=略号L−LDDE樹脂)の代表例として、高圧イオン
重合法のものとしては、エクソン社の「EXACT」、
三菱化学の「カーネル」、東ソーの「Catauthe
ne」等があり、溶液重合法のものとしては、ダウケミ
カル社の「AFFINITY」と「ENGAGE」等が
ある。気相重合法のものとしては三井石油化学の「スー
パーポリエチレン」等がある。本発明では、上記の熱可
塑性樹脂の中でシングルサイト触媒を用いて重合製造し
た熱可塑性樹脂のうち、GPC法で測定した分子量分布
(重量平均分子量Mw(AV)/数平均分子量Mv(AV))が
1.1〜5.0の熱可塑性樹脂を厳選し、しかも含有量
が30重量%以上と限定し、さらにまた、滑剤及び酸化
防止剤を少なくとも含むことを限定した熱可塑性樹脂組
成物を用いて射出成形することにより写真性が良好で物
理特性が優れた写真感光材料用射出成形品としている。
【0021】本発明の写真感光材料用射出成形品中に
は、本発明に必須のシングルサイト触媒を用いて重合し
た分子量分布が1.1〜5.0の熱可塑性樹脂の他に、
使用目的に応じて各種の熱可塑性樹脂を含有することが
できる。
【0022】例えば、GPPS樹脂、HIPS樹脂、高
圧法により製造された長鎖分岐を有するホモポリエチレ
ン樹脂(以後LDPEと表示する)、従来の重合触媒を
用いて重合した高密度ホモポリエチレン樹脂(以後HD
PE樹脂と表示する)、中密度ホモポリエチレン樹脂
(以後MDPE樹脂と表示する)、ホモポリプロピレン
樹脂やプロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂(以後
まとめて単にPP樹脂と表示する)等の各種エチレン共
重合体樹脂、各種熱可塑性エラストマー、各種酸変性熱
可塑性樹脂、各種ポリアミド樹脂(各種ナイロン樹脂と
も言う、以後まとめて端にPA樹脂と表示する)、ポリ
エチレン−テレフタレート樹脂(以後PET樹脂と表示
する)、ポリエチレン・ナフタレート樹脂(以後PEN
樹脂と表示する)、アクリルニトリル・ブタジエン・ス
チレン三元共重合体樹脂(以後ABS樹脂と表示す
る)、ポリカーボネート樹脂(以後PC樹脂と表示す
る)である。
【0023】また、本発明では、安価で、写真感光材料
の写真性に悪影響を及ぼすことがなく、且つ本発明のシ
ングルサイト触媒を用いて重合製造した分子量分布が
1.1〜5の熱可塑性樹脂と併用した時に相容性が優
れ、遮光性物質の分散性や射出成形性や滑剤添加効果を
発揮する点で、各種のポリオレフィン樹脂と各種熱可塑
性エラストマー及び各種の相溶化樹脂が特に好ましい。
【0024】本発明に特に好ましい各種ポリオレフィン
樹脂と各種熱可塑性エラストマー及び各種相溶化樹脂の
具体的な代表例を以下に示す。ポリオレフィン樹脂に
は、その代表例として、高密度ホモポリエチレン樹脂、
中密度ホモポリエチレン樹脂、低密度ホモポリエチレン
樹脂、ホモポリプロピレン樹脂、プロピレン・α−オレ
フィン共重合体樹脂、各種エチレン共重合体樹脂等があ
る。
【0025】各種のエチレン共重合体樹脂の代表例を示
す。 (1)エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EV
A」という)樹脂 (2)エチレン−プロピレン共重合体樹脂 (3)エチレン−1−ブテン共重合体樹脂 (4)エチレン−ブタジエン共重合体樹脂 (5)エチレン−塩化ビニル共重合体樹脂 (6)エチレン−メタクリル酸メチル共重合体(以下、
「EMMA」という)樹脂 (7)エチレン−アクリル酸メチル共重合体(以下、
「EMA」という)樹脂 (8)エチレン−アクリル酸エチル共重合体(以下、
「EEA」という)樹脂 (9)エチレン−アクリロニトリル共重合体樹脂 (10)エチレン−アクリル酸共重合体(以下、「EA
A」という)樹脂 (11)アイオノマー樹脂(エチレンと不飽和酸との共
重合物を亜鉛等の金属で架橋した樹脂) (12)エチレン−α−オレフィン共重合体(以下、
「L−LDPE」という)樹脂 (13)エチレン−プロピレン−ブテン−1三元共合体
樹脂等
【0026】L−LDPE樹脂の詳細について以下に示
す。L−LDPE(LinearLow Densit
y Polyethylene)樹脂は、第3のポリエ
チレン樹脂と称され、中・低密度、高密度、両ポリエチ
レン樹脂の利点を併せもつ省エネルギー、省資源という
時代に合致する低コスト、高強度の樹脂である。この樹
脂はエチレンと炭素数が3〜20、好ましくは3〜13
個、より好ましくは4〜10個、特に好ましくは5〜9
個のα−オレフィンを共重合させたコポリマーで線状の
直鎖に短分岐をもった構造のポリエチレン系樹脂であ
る。物理強度やコストの点で好ましいα−オレフィンと
してはブテン−1、ペンテン−1、オクテン−1、ヘキ
セン−1,4−メチル−ペンテン−1、ヘプテン−1,
3−メチル−ペンテン−1、4,4−ジメチル−ペンテ
ン−1、ヘプセン−1、ノネン−1、ウンデセン−1、
ドデセン−1、デセン−1等が用いられる。本発明で、
好ましいのは、α−オレフィンがブテン−1,ヘキセン
−1,4−メチルペンテン−1,オクテン−1であり、
これらのα−オレフィンの含有量が0.1〜15モル%
のL−LDPE樹脂であり、最も好ましいのは、α−オ
レフィンがブテン−1であり、ブテン−1含有量が1〜
8モル%のL−LDPE樹脂である。
【0027】従来の触媒で重合製造した市販のL−LD
PE樹脂の具体例を以下に示す。エチレン・ブテン−1
共合体樹脂:GレジンとNUC−FLX(UCC社)、
ダウレックス(ダウケミカル社)、スクレアー(デュポ
ンカナダ社)、マーレックス(フィリップス社)、スタ
ミレックス(DSM社)、エクセレンVL(住友化
学)、ネオゼックス(三井石油化学)、ユカロン−LL
(三菱油化)、日石リニレックス(日本石油化学)、N
UCポリエチレン−LL(日本ユニカー)、ニポロンム
(東ソー)、ショーレックスリニア(昭和電工)、宇部
ポリエチレンL(宇部興産)、出光ポリエチレンL(出
光石油化学)等、エチレン・ヘキセン−1共合体樹脂:
TUFLIN(UCC社)、TUFTHENE(日本ユ
ニカー)等、エチレン・4メチルペンテン−1共合体樹
脂:ウルトゼックス(三井石油化学)等、エチレン・オ
クテン−1共合体樹脂:スタミレックス(DSM社)、
ダウレックス(ダウケミカル社)、スクレアー(デュポ
ンカナダ社)、MORETEC(出光石油化学)等。
【0028】物理的強度向上と射出成形性のバランスの
点から特に好ましいのは、MFR(ASTM D−12
38−88のE条件、温度190°C、試験荷重2.1
6kgfで測定)が2〜80g/10分、好ましくは5
〜50g/10分、密度(JIS K−6760で測
定)が0.890〜0.985g/cm3 好ましくは
0.900〜0.980g/10分、そしてα−オレフ
ィンの炭素数が3〜12個のL−LDPE樹脂である。
【0029】酸変性ポリオレフィン樹脂の詳細について
以下に示す。本発明のシングルサイト触媒を用いて重合
製造した分子量分布が1.1〜5の熱可塑性樹脂との相
容性が優れ、リサイクル適性、遮光性物質の分散性も良
好にする樹脂であり、ポリオレフィン樹脂と不飽和カル
ボン酸類とをグラフト変成した変性ポリオレフィン樹脂
をいい、例えばグラフト変性ポリエチレン樹脂、グラフ
ト変性ポリプロピレン樹脂、グラフト変性エチレン共重
合体樹脂(EVA樹脂、EEA樹脂、L−LDPE樹
脂、EMA樹脂等)等がある。
【0030】不飽和カルボン酸類は、その誘導体を含め
て総称するもので、代表例をあげるとアクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、テト
ラヒドロフタル酸、メサコン酸、アンゲリカ酸、シトラ
コン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸、
(エンドシス−ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−5−エ
ン−2,3−ジカルボン酸)、無水マレイン酸、無水シ
トラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、メタ
クリル酸ブチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル
酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モ
ノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマ
ル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、
イタコン酸ジエチルエステル、アクリル酸アミド、メタ
クリルアミド、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジア
ミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸
−N,N−ジエチルアミド、マレイン酸−N−モノブチ
ルアミド、マレイン酸−N,N−ジブチルアミド、フマ
ル酸ものアミド、フマル酸ジアミド、スマル酸−N−モ
ノエチルアミド、フマル酸−N,N−ジエチルアミド、
フマル酸−N−モノブチルアミド、フマル酸−N,N−
ジエチルアミド、フマル酸−N−ものブチルアミド、フ
マル酸−N,N−ジブチルアミド、マレイミド、マレイ
ン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マタクリル酸カ
リウム、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸亜鉛、アル
リル酸マグネシウム、アクリル酸カルシウム、メタクリ
ル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カ
リウム、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミ
ド、塩化マレニル、グリシジンマレエート、マレイン酸
ジプロピル、アコニチン酸無水物、ソルビン酸等をあげ
ることができ、相互の混合使用も可能である。なかでも
アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、ナジック酸
が好ましく、無水マレイン酸が特に好ましい。
【0031】変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カ
ルボン酸類をグラフト変成させる方法は特に限定されな
い。例えは、溶融状態で反応させる特公昭43−274
21合公報等に開示の方法や、溶液状態で反応させる特
公昭44−15422号公報等に開示の方法や、スラリ
ー状態で反応させる特公昭43−18144号公報等に
開示の方法や、気相状態で反応させる特公昭50−77
493号公報等に開示の方法等がある。これらの方法の
中で押出機を用いる溶融混練法が操作上簡便で、かつ安
価な方法なので好ましい。不飽和カルボン酸類の使用量
は、接着強度確保のためポリオレフィン樹脂ベースポリ
マー(各種ポリエチレン樹脂、各種ポリプロピレン樹
脂、各種ポリオレフィン共重合体樹脂、ポリブテン−1
樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1等のα−オレフィ
ン共重合体樹脂及びその共重合体樹脂)100重量部に
対して0.01〜20重量部、好ましくは0.2〜5重
量部である。
【0032】ポリオレフィン樹脂と不飽和カルボン酸類
との反応を促進するために有機過酸化物等が用いられ
る。有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパ−オ
キサイド、ラウロイルパ−オキサイド、アゾビスイソブ
チロニトリル、ジクミルパ−オキサイド、α,α’ビス
(t−ブチルパ−オキシジイソプロピル)ベンゼン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ−オキ
シ)ヘキシン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブ
チルパ−オキシ)ヘキシン、ジ−t−ブチルパ−オキサ
イド、クメンヒドロパ−オキサイド、t−ブチル−ハイ
ドロパ−オキサイド、ジクミルパ−オキサイド、t−ブ
チルパ−オキシラウレート、t−ブチルパ−オキシベン
ゾエート、1,3ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロ
ピル)ベンゼン、キュメンハイドロパ−オキサイド、ジ
−t−ブチル−ジパ−オキシフタレート、t−ブちるパ
−オキシマレイン酸、イソプロピルパ−カーボネート等
の有機過酸化物、アソビスイソブチロニトリル等のアゾ
化合物、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物等があ
る。これらは1種または2種以上の組合せで使用しても
よい。特に好ましいのは、分解温度が170°C〜20
0°Cの間にあるジ−t−ブチルパーオキサイド、ジー
クミルパーオキサイド、2,5ージメチルー2,5ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル
−2,5ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン、1,3
−ビス(t−ブチルパ−オキシイソプロピル)ベンゼン
である。これらの過酸化物の添加量は特に限定されない
が、ポリオレフィン樹脂100重量部に対して0.00
5〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部である。
【0033】市販の酸変性ポリオレフィン樹脂の代表例
を以下に示す。 (1)日本石油化学KK “Nポリマー” (2)三井石油化学KK “ADMER” (3)昭和電光KK “ER RESI
N” (4)三菱化成工業KK “NOVATEC
−AP” (5)三菱油化KK “MODIC” (6)日本ユニカーKK “NUC−AC
E” (7)宇部興産KK “UBE BON
D” (8)東ソーKK “メルセンM” (9)住友化学工業 “ホルダイン” (10)三井・デュポンケミカルKK“CMPS”等 (11)エクソン社 “デクソン” (12)東亜燃料工業KK “HAシリーズ” (13)三井東圧化学KK “MITSUI
LONPLY”等
【0034】L−LDPE樹脂製造プロセスの特徴の概
略を以下に示す。 1) 気相法 重合に必要なエネルギー量が小さいと発表されている。
品質上はコモノマーに、揮発しやすい単一成分を用いな
ければならないとされており、溶液法に比べ制約を受け
る。最近は、コモノマーの選択、分子量分布のコントロ
ール幅も広くなりつつある模様である。 2) スラリー法 溶媒を用いる液相重合法は、スラリー法と溶液法とに分
けられる。スラリー法は、溶媒を用いるスラリー(異相
系)であるので、反応容器内の溶液は粘度が低いことか
ら、比較的コンパクトな設備で生産することができ、溶
媒の除去が容易であるなどの利点がある。一方、低密度
化については、低分子量低密度ポリマーが溶媒に溶け込
み、溶液が高粘度になったり、ポリマーが膨潤して塊状
化するため、密度が0.930g/cm3 以下のL−L
DPE生産は制限される。 3) 溶液法 溶液法の重合は溶液中で行われる。溶液状態を維持する
ため高温で反応が行われる。品質面では、低密度化の許
容範囲が広く、且つC6 以上のα−オレフィン(4メチ
ルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン
−1等)とエチレンの共重合に最適の製造プロセスであ
る。またα−オレフィン含有量の大きいL−LDPE樹
脂(密度が0.910g/cm3 以下の超低密度L−L
DPE樹脂)の製造プロセスとしても最適である。 4) 改良高圧法 従来の高圧法プロセスをそのまま利用しながらチーグラ
ー系触媒により高温高圧でL−LDPE樹脂を得るもの
でランニングコストは上記(1)〜(3)より高価であ
る。高圧転換法とも呼ばれる。
【0035】各種の熱可塑性エラストマーの代表例を以
下に述べる。熱可塑性エラストマー(以下、TREと表
示)は、大別するとスチレン系(以後SBCと表示)、
エステル系(以後TPEEと表示)、オレフィン系(以
後TPOと表示)、塩化ビニル系(以後TPVCと表
示)、アミド系(以後TPAEと表示)、結晶性1,2
ポリブタジエン系(以後RBと表示)、アイオノマー
系、フッ素系(以後F−TPEと表示)、ウレタン系
(以後TPUと表示)、イソプレン系など各種の化学構
造のものがある。
【0036】市販の代表的なTPEを以下に示す。TP
R(Uniroyal)、TPNor Somel
(E.I.du Pont de Nemours)、
Telcar.Estane(B.F.Goodric
h Chemical)、Vistaflex(Exx
on Chemical)、Visalon(Esso
Chemical)、Pro−fax(Hercule
s)、ET(Allied Chemical)、Re
n flex(Ren Plastics)、Sant
oprene(Monsanto)、Keltan−T
P(Naamloze Vennootschap D
SM)、Uneprene(Internationa
l Synthetic Rubber)、Dutra
l TP(Montedison)、Dutral T
P(Montedison)、エスプレンEPR(また
は住友TPE)(住友化学工業)、ミラストマー(三井
石油化学工業)、JSR−サーモラン(日本合成ゴム)
等。
【0037】代表的な主要TPEの分類と製造メーカー
及び商品名を表1に示す。
【表1】 ※上記分類のうち、オレフィン系及びウレタン系TPE では外国メーカーを除外 した。また、製造会社の欄の( )内は輸入販売会社を示すものである。
【0038】スチレン系熱可塑性エラストマーの詳細に
ついて以下に示す。本発明のシングルサイト触媒を用い
て重合製造した分子量分布が1.1〜5の熱可塑性樹脂
や他の従来の各種熱可塑性樹脂との相容性が優れるだけ
でなく、遮光性物質の分散性が優れるスチレン系熱可塑
性エラストマーを含む遮光性写真感光材料用射出成形品
は、本発明には好ましい。特に遮光性物質を高濃度に含
有するマスターバッチ樹脂ペレット用にスチレン系熱可
塑性エラストマーを用いると分散性、物理強度、外観の
優れた射出成形故障の発生が少ない着色写真感光材料用
射出成形品を得ることができるので好ましい。
【0039】マスターバッチ樹脂ペレットの樹脂組成物
がスチレン系熱可塑性エラストマーを含有する場合、希
釈用樹脂組成物が結晶性樹脂(ポリオレフィン系樹脂、
ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ塩化ビ
ニリデン系樹脂、線状ポリエステル系樹脂等)または非
結晶性樹脂(ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂、メタクリル酸系樹脂、酢酸ビニル系樹脂等)のい
ずれかであっても、あるいは両樹脂の混合したものであ
っても、更にはリサイクル樹脂が混入されても良好に相
溶化した射出成形用着色樹脂組成物となる。
【0040】ここでスチレン系熱可塑性エラストマーと
は、スチレン系モノマー(ハードセグメント)と、スチ
レン系モノマーと共重合しうるモノオレフィンまたはジ
オレフィン等の他のモノマー(ソフトセグメント)との
ランダム、ブロック、グラフト等の共重合体(特に好ま
しくはブルック共重合体)、及びこれらの共重合体の水
素添加物である。ここでスチレン系モノマーとしては例
えば、スチレン、αークロロスチレン、2,4−ジクロ
ロスチレン、p−メトキシスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−フェニルスチレン、p−ジビニルベンゼン、p
−(クロロメトキシ)−スチレン、α−メチルスチレ
ン、o−メチル−α−メチルスチレン、m−メチル−α
−メチルスチレン、p−メチル−α−メチルスチレン、
p−メトキシ−α−メチルスチレン等が挙げられる。こ
れらのなかではスチレンが特に好ましい。ジオレフィン
としては例えばジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサ
ジエン、シクロオクタジエン、メチルノルボルネン等の
非共役ジエン、またはブタジエン、イソプレン等の共役
ジエンが挙げられる。これらのなかではブタジエンが特
に好ましい。
【0041】またモノオレフィンとしては例えばエチレ
ンの他、プロピレン、ブテン−1、ヘキセン−1、3−
メチルブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘプテン
−1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数3以上のα
−オレフィンが挙げられる。これらのなかではエチレ
ン、プロピレンが特に好ましい。ブロック共重合体の構
造としてはソフトセグメントの両端にハードセグメント
が結合するいわゆるABA型、両ブロックの繰り返し構
造を有するマルチブロック型、両ブロックが放射状に結
合したラジアルブロック型がある。使用温度領域におい
てはポリスチレンブロックがガラス状態のドメインを形
成してセグメント中に数十nmの大きさで分散し、ソフ
トセグメントを拘束することによって物理的架橋点を形
成する。
【0042】かかるスチレン系熱可塑性エラストマーは
上記の適当なモノマーを周知の適当な方法、例えはアニ
オンリビング重合法や、バッチ塊状重合法、連続塊状重
合法、懸濁重合法、連続溶液重合法、乳化重合法等のラ
ジカル重合法によって共重合することにより得ることが
できる。かかる重合方法のなかではアニオンリビング重
合が特に好ましく、ジエン系ポリマーのミクロ構造を規
制するため開始剤には有機リチウム化合物が一般的に用
いられる。また重合法には両成分を逐次的に重合する方
法(逐次重合法)と逐次重合の後カップリング反応で分
子を結合する方法があり、ラジアルブロック型は多官能
カップリング剤を用いる後者の方法で製造される。スチ
レン系モノマーと共重合しうるモノオレフィンまたはジ
オレフィン等の該他のモノマーの、スチレン系モノマー
中の含有量は1〜12重量%、好ましくは1.5〜10
重量%、特に好ましくは2〜8重量%の任意の量であ
る。スチレン系モノマーと共重合しうるモノオレフィン
またはジオレフィン等の該他のモノマーの、スチレン系
モノマー中の含有量が1〜12重量%であれば、例えば
0°C以下の条件化で用いられることの多い写真フイル
ム用スプール,写真フイルム用パトローネ、インスタン
トフイルムユニット、カメラボディー、写真フイルム用
カートリッジ、写真フイルム用マガジン、レンズ付き写
真フイルムユニット等が落下時の強度不足を防止でき、
また耐摩耗性に優れ、更に感光材料を3か月以上の長期
間密封状態で保存される場合でも、経時でカブリが増加
したり部分的に感度が上昇したりすることを防止するこ
とができる。
【0043】かかるスチレン系熱可塑性エラストマーの
具体例としては例えばスチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体樹脂及びその水素添加物であるスチレ
ン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体樹
脂、スチレン−ブタジエン共重合体樹脂及びその水素添
加物であるスチレン−エチレン−ブチレンブロック共重
合体樹脂、スチレン−イソプレン共重合体樹脂及びその
水素添加物であるスチレン−エチレン−プロピレンブロ
ック共重合体樹脂、スチレン−イソプレン−スチレンブ
ロック共重合体樹脂及びその水素添加物であるスチレン
−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合体樹
脂等である。かかるスチレン系熱可塑性エラストマーの
なかでスチレン−ブタジエン共重合体樹脂及びその水素
添加物が特に好ましい。
【0044】代表的なスチレン系熱可塑性エラストマー
の商品名と製造会社名を以下に示す。Kraton(ま
たはCaliflex TR)、Kraton G(ま
たはElexar)(Shell Chemical) 、Solpre
ne T(Phillips Petroleum)、Europrene
SOL T(ANIC) 、Solprene T(Petroc
hi)、タフプレン(旭化成)、ソルプレン T、アサプ
レン T(日本エラストマー)、クリアレン(電気化
学)、JSR、SBR(日本合成ゴム)等。
【0045】また上記スチレン系熱可塑性エラストマー
の代わりに、あるいはスチレン系熱可塑性エラストマー
とともに、上記スチレン系熱可塑性エラストマーを変性
させたものを用いてもよい。スチレン系熱可塑性エラス
トマーを変性させるにはどのような方法を用いてもよい
が、例えば不飽和カルボン酸またはその誘導体を変性剤
として変性させることができる。不飽和カルボン酸、例
えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、エンド
ービシクロ〔2.2.1〕−5−ヘプテン−2,3−ジ
カルボン酸(エンディック酸)、フマル酸、テトラヒド
ロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、
イソクロトン酸等の不飽和モノあるいはジカルボン酸、
またはその誘導体、例えば酸、ハライド、アミド、イミ
ド、無水物、エステル等が挙げられる。誘導体の具体例
としては、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン
酸、エンディック酸無水物、アクリル酸メチル、メタク
リル酸メチル、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメチ
ル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。これら変性剤
は単独で、あるいは2種以上併用することもできる。上
記変性剤としての不飽和カルボン酸またはその誘導体の
含有量はスチレン系熱可塑性エラストマーの種類によっ
ても異なり一概には言えないが、一般にはスチレン系熱
可塑性エラストマーに対して略0.1〜15重量%程
度、好ましくは略0.1〜10重量%の任意の量であ
る。変性スチレン系熱可塑性エラストマーは、上記の原
料スチレン系熱可塑性エラストマーと不飽和カルボン酸
またはその誘導体を溶液法または溶液混練法等の既知の
変性法を利用して共重合することにより得ることができ
る。
【0046】以下に各種の相溶化剤の代表例を示す。相
溶化剤とは、同種でも特性の異なる熱可塑性樹脂、リサ
イクル熱撮影可塑性樹脂とバージン熱可塑性樹脂、遮光
性樹脂を高濃度に配合したマスターバッチ熱可塑性樹脂
と希釈用熱過疎性樹脂又はこれらを組み合わせた樹脂の
ように、単一の熱可塑性樹脂にはない新しい性質、性能
を発現しようとする際、相溶化を達成できる物質であ
る。相溶化剤の配合量は、2〜45重量%が好ましく、
3.5〜40重量%がより好ましく、5〜35重量%が
最も好ましい。配合量が2重量%未満であると、物理強
度の向上、外観の向上及び相容性の向上を効果的に達成
することができない。また、配合量が50重量%を越え
ると、写真感光材料に悪影響を及ぼす恐れがあり、ま
た、高価であるためコストが高くなり、経済的に実用化
困難になるものである。
【0047】相溶化剤には、非反応型相溶化剤と反応型
相溶化剤とがある。相溶化剤の具体的な代表例を以下に
示す。 〔非反応型相溶化剤の代表例〕 スチレン・エチレン・ブタジエンブロック共重合体樹脂 ポリエチレン・ポリスチレングラフト共重合体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートグラフト共重
合体樹脂 ポリエチレン・ポリメチルメタクリレートブロック共重
合体樹脂 エチレン・プロピレン・ジエン共重合体樹脂 エチレン・プロピレン共重合体樹脂 ポリスチレン・低密度ホモポリエチレングラフト共重合
体樹脂 ポリスチレン・高密度ホモポリエチレングラフト共重合
体樹脂 水添スチレン・ブタジエン共重合体樹脂 スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン共重合体樹
脂 スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂 塩素化ポリエチレン樹脂 ポリプロピレン・ポリアミドグラフト共重合体樹脂 ポリプロピレン・エチレン・プロピレン・ジエン共重合
体樹脂 ポリスチレン・ポリアクリル酸エチルグラフト共重合体
樹脂 ポリスチレン・ポリブタジエングラフト共重合体樹脂 ポリスチレン・ポリメチルメタクリレートブロック共重
合体樹脂等
【0048】〔反応型相溶化剤の代表例〕 無水マレイン酸化エチレン・プロピレン共重合体樹脂 無水マレイン酸化スチレングラフト共重合体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・ブタジエン・スチレン共重
合体樹脂 無水マレイン酸化スチレン・エチレン・ブタジエン・ス
チレン共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・スチレングラフ
ト共重合体樹脂 エチレン・グリシジルメタクリレート・メチルメタクリ
レートグラフト共重合体樹脂 無水マレイン酸グラフトポリプロピレン共重合体樹脂等
【0049】内外の市販相溶化剤の代表例を示す。 Kroton G(組成:水添SBS、水添SEBS及
びマレイン化物、Shell) Royaltuf(組成:EPDM・スチレングラフト
共重合体樹脂、マレイン化EPDM、EPDM・アクリ
ロニトリル共重合体樹脂、Uniroyal) Modiper(モディパー)(組成:各種2種の樹脂
のブロック又はグラフト共重合体樹脂、日本油脂) Paraloid(組成:マレイン化EPDM、コア・
シェルタイプのブロック共重合体樹脂、Rohm an
d Haas) Reseda(レゼダ)(組成:スチレン・メチルメタ
クリレートグラフト共重合体樹脂、東亜合成) ボンドファースト(組成:エチレン・メタクリル酸グリ
ニジル共重合体樹脂、住友化学) EXXelor(組成:マレイン化EPDM、EXXo
n Chem) タフテック(組成:SBS、SEBSとそのマレイン化
物、旭化成) Bennet(組成:EVA・EPDM・ポリオレフィ
ングラフト共重合体樹脂、High Tech Pla
stics) Dylark(組成:スチレン・無水マレイン酸共重合
体樹脂、ARCO) レクスパール(組成:エチレン・メタクリル酸グリシジ
ル共重合体樹脂、日本石油化学) VMX(組成:EVA50部にスチレン50部を含浸重
合、三菱油化) (SBS/スチレン・ブタジエン・スチレン共重合体樹
脂の略号 SEBS/スチレン・エチレン・ブタジエン・スチレン
共重合体樹脂の略号 EPDM/エチレンプロピレン・ジエン共重合体樹脂の
略号 EVA/エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂の略号) (以上)
【0050】本発明に用いられるシングルサイト触媒を
用いて重合製造した分子量分布が1・1〜5の熱可塑性
樹脂のメルトフローレート(測定条件は樹脂の種類によ
り異なっており、本発明では表2のとおりである。)
は、ショートショット発生防止、ウェルドライン発生防
止、外観向上、成形サイクル短縮、射出成形品の寸法安
定性確保の点から3〜100g/10分、好ましくは5
〜80g/10分、特に好ましくは10〜60g/10
分、最も好ましくは15〜50g/10分である。
【0051】特に熱容量がポリスチレン樹脂の2倍前後
と大きいポリオレフィン樹脂の場合は分子量分布が小さ
いことも重なり、上記優れた性能を確保する為にAST
MD−1238のE条件で測定したMFRが大きな熱可
塑性樹脂を用いることが好ましく、MFRは好ましくは
10〜80g/10分、特に好ましくは15〜70g/
10分、最も好ましくは20〜60g/10分である。
【0052】
【表2】
【0053】ホモポリエチレン樹脂及びエチレン−α−
オレフィン共重合体樹脂もしくはこれらのいずれか一方
の樹脂の場合は、柔軟性、容器本体との嵌合密封性を必
須とする写真フイルムパトローネ用容器キャップに用い
る場合の密度は0.85〜0.940g/cm3 、好ま
しくは0.89〜0.935g/cm3 、特に好ましく
は0.90〜0.930g/cm3 、最も好ましくは
0.91〜0.928g/cm3 である。また、パーキ
ンエルマー社製DSCを用い、室温より10°C/10
分の昇温速度で200°Cまで加熱後、その温度で2分
間保持し、次に10°C/分の降温速度で40°Cまで
冷却後、その温度で2分間保持し、引続き10°C/分
の昇温速度で200°C迄加熱した時観察される単独あ
るいは複数の吸熱ピークの内、最も吸熱量の大きなピー
クのピーク位置を与える温度(以後融点と表示する)が
90°C以上、好ましくは100°C以上、特に好まし
くは105°以上、最も好ましくは110°C以上であ
る。然し、剛度や耐熱性、耐摩耗性、耐油性、耐溶剤性
を必要とする用途の場合(例えば写真フイルムパトロー
ネ用容器本体、樹脂製写真フイルム用パトローネ等の密
度は0.941〜0.985g/cm3 、好ましくは
0.945〜0.980g/cm3 、特に好ましくは
0.950〜0.975g/cm3 、最も好ましくは
0.955〜0.970g/cm3 である。前記のDS
Cにより測定した融点は耐熱性の点から110°C以
上、好ましくは115°C以上、特に好ましくは120
°C以上、最も好ましくは125°C以上である。
【0054】本発明に必須の構成要件の1つである滑剤
について説明する。市販の代表的滑剤名とその製造メー
カー名を以下に記載する。 1.脂肪酸アミド系滑剤; 〔飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 (1)べヘニン酸アミド系滑剤;ダイヤミットKN(日
本化成)等 (2)ステアリン酸アミド系滑剤;アーマイドHT(ラ
イオン油脂)、アルフローS−10(日本油脂)、脂肪
酸アマイドS(花王)、ダイヤミット200 (日本化
成)、ダイヤミッドAP−1(日本化成)、アマイドS
・アマイドT(日東化学)、ニュートロン−2(日本精
化)等 〔ヒドロキシステアリン酸アミド系滑剤〕 (1)パルチミン酸アミド系滑剤;ニュートロンS−1
8(日本精化)、アマイドP(日東化学)等 (2)ラウリン酸アミド系滑剤;アーマイドC(ライオ
ン・アクゾ)、ダイヤミッド(日本化成)等
【0055】〔不飽和脂肪酸アミド系滑剤〕 (1)エルカ酸アミド系滑剤;アルフローP−10(日
本油脂)、ニュートロン−S(日本精化)、LUBRO
L(I・C・I)、ダイヤミッドL−200 (日本化成)
等 (2)オレイン酸アミド系滑剤;アーモスリップCP
(ライオン・アクゾ) 、ニュートロン(日本精化)、
ニュートロンE−18(日本精化)、アマイドO(日東
化学)、ダイヤミッドO−200 ・ダイヤミッドG−200
(日本化成)、アルフローE−10(日本油脂)、脂肪
酸アマイドO(花王)等
【0056】〔ビス脂肪酸アミド系滑剤〕 (1)メチレンビスヘベニン酸アミド系滑剤;ダイヤミ
ッドNKビス(日本化成)等 (2)メチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;ダイヤ
ミッド200 ビス(日本化成)、アーモワックス(ライオ
ン・アクゾ)、ビスアマイド(日東化学)等 (3)メチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;ルブロン
O(日本化成)等 (4)エチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;アーモ
スリップEBS(ライオン・アグゾ)等 (5)ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド系滑剤;
アマイド65(川研ファインケミカル)等 (6)ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド系滑剤;ア
マイド60(川研ファインケミカル)等
【0057】2.非イオン界面活性剤系滑剤;エレクト
ロスリッパーTS−2、エレクトロスリッパーTS−3
(花王石鹸)等 3.炭化水素系滑剤;流動パラフィン、天然パラフィ
ン、マイクロワックス、合成パラフィン、ポリエチレン
ワックス(数平均分子量が10,000以下、好ましくは 8,0
00以下、特に 6,000以下が好ましい。)、ポリプロピレ
ンワックス(数平均分子量が10,000以下、好ましくは
8,000以下、特に 6,000以下が好ましい。)、塩素化炭
化水素、フルオロカルボン等
【0058】4.脂肪酸系滑剤;高級脂肪酸(C12以上
が好ましい、具体的にはカプロン酸、ステアリン酸、オ
レイン酸、エルカ酸、パルチミン酸等)、オキシ脂肪酸
等 5.エステル系滑剤;脂肪酸の低級アルコールエステ
ル、脂肪酸の多価アルコールエステル、脂肪酸のポリグ
リコールエステル、脂肪酸の脂肪アルコールエステル等 6.アルコール系滑剤;多価アルコール、ポリグリコー
ル、ポリグリセロール等
【0059】7.脂肪酸金属塩系滑剤(金属石けん);
カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミ
リスチン酸、ステアリン酸、コハク酸、ベヘニン酸、ベ
ヘン酸、リノール酸、ステアリル乳酸、乳酸、フタル
酸、安息香酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノール
酸、ナフテン酸、オレイン酸、エルシン酸、バルミチン
酸、モンタン酸、エルカ酸等の炭素数が6〜50個、好ま
しくは10〜40個、特に好ましくは10〜30個の脂肪酸とL
i、Na、Mg、Ca、Sr、Ba、Zn、Cd、A
l、Sn、Pb、Cd等の金属との化合物が挙げられ、
好ましいものはステアリン酸マグネシウム、バルチミン
酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸マグネシ
ウム等である。
【0060】8.モンタン酸エステル部分鹸化物; 9.シリコーン系滑剤;各種グレードのジメチルポリシ
ロキサン及びその変性物(信越シリコーン、東レシリコ
ーン)、特に各種シリコーンオイルが樹脂流動性向上、
滑性向上等の効果を発揮させるだけでなく、遮光性物質
と併用すると遮光性物質の分散性向上、樹脂組成物を白
濁させヘイズ(ASTM D−1003)を大きくさせる結
果、着色力向上、遮光性向上等予想外の効果を発揮する
ので好ましい。
【0061】上記シリコーンオイルは、常温(25°C)に
おける粘度が50〜100,000 センチストークス、 1,000〜
60,000センチストークスの範囲のものが好ましく、更に
好ましくは 5,000〜30,000センチストークスの高粘度の
ものがよい。50センチストークス未満では写真性に悪影
響を及ぼしたり、ブリードアウトが激しく実用化困難で
あり、 100,000センチストークスを越えると製造が非常
に困難になり効果になると共に粘度が高すぎて取扱いが
困難であり実用化不可である。
【0062】シリコーン及びシリコーン変性物の具体例
としては、ポリメチルフェニルシロキサン、オレフィン
変性シリコーン、アミド変性シリコーン、ポリジメチル
シロキサン、アミノ変性シリコーン、カルボキシル変性
シリコーン、α−メチルスチレン変性シリコーン、ポリ
エチレングリコールやポリプロピレングリコールで変成
したポリエーテル変性シリコーン、オレフィン/ポリエ
ーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アミ
ノ変性シリコーン、アルコール変性シリコーン等変性さ
れたシロキサン結合を含有したシリコーンオイルであ
る。
【0063】該シリコーンオイル中、写真感光材料の写
真性に悪影響を与えることが少なく、滑性効果の大き
い、特に写真感光材料用射出成形品に適用した場合に好
ましいものはオレフィン変性シリコーン、アミド変性シ
リコーン、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性
シリコーン、オレフィン/ポリエーテル変性シリコーン
である。該シリコーンオイルは、加熱状態での成形材
料、例えば樹脂フイルムの摩擦係数を改良し、自動包装
機による熱板シール中に生じる摺動抵抗を低下させ、皺
の発生を防止することにより、美しい外観と高度な密封
性と被包装体にたるみがない密着性とを有する性能を保
持した樹脂フイルムを得ることが出来る。又摺動による
光沢の低下を防止して、美しいシール部を得ることが出
来る。シリコーンオイルを併用した場合の本発明では、
摺動ヒートシールをする場合、高温摩擦係数を1.4以
下にすることが出来る。
【0064】また、射出成形品からなる写真感光材料用
包装材料では、遮光性を向上できるので遮光能力アップ
の結果、遮光性物質添加量を削減することが可能になり
物理強度向上と射出成形性向上と外観向上等多くの特性
を向上できる。
【0065】シリコーンオイル添加の効果は、以下の通
りである。 (1)繊維状充填材、非繊維状遮光性物質、顔料と併用
するだけでこれらの表面を被覆して分散性を向上させ
る。 (2)樹脂の分散性を向上し、スクリューのモーター不
可を小さくし、メルトフラクチャー発生を防止する。 (3)ブリードアウトして白粉状になる脂肪酸アミド等
の滑剤を添加しなくとも滑性を十分確保できる。 (4)加熱状態での射出成形品の摩擦係数を小さくし、
写真フイルムによる摩耗を少なくし、巻き上げトルクを
小さくする。 (5)遮光性物質と併用すると、熱可塑性樹脂を白濁さ
せ、ヘイズを大きくする結果、着色力を向上させ遮光能
力を20%以上向上でき、物性を低下させる遮光性物質
の添加量を20%以上減量しても遮光性を確保できる。
結晶の核となって結晶を成長させ、透明性や耐衝撃性、
剛性、硬度、寸法安定性などを向上させる優れた働きを
する造核剤を用いることが好ましい。
【0066】滑剤の添加量は種類によって異なり、本発
明の写真感光材料用射出成形品の写真性を良好に維持す
るのに最も適した滑剤である脂肪酸金属塩のように樹脂
中のハロゲン化合物を中和して写真感光材料の写真性能
維持を主目的とした滑性効果が小さい滑剤の場合は、
0.01〜10重量%、好ましくは0.03〜5重量
%、特に好ましくは0.05〜3重量%、最も好ましく
は0.09〜1.5重量%である。脂肪酸アミド系滑剤
及びビス脂肪酸アミド系滑剤等のように滑性効果が大き
く、ブリードアウトしやすく、写真感光材料に影響を与
える滑剤の場合は、0.005〜5重量%、好ましくは
0.01〜1重量%、特に好ましくは0.03〜0.5
重量%、最も好ましくは0.05〜0.3重量%が最も
好ましい。
【0067】本発明に必須の構成要件の1つである酸化
防止剤について説明する。本発明の写真感光材料用射出
成形品中には、熱可塑性樹脂、滑剤、脂肪酸、有機造核
剤、界面滑性剤等の添加剤の熱劣化や熱分解を防止し、
熱可塑性樹脂組成物の流動性が著しく変化したり、ブツ
(異物状の固まり)が発生するのを防止したり、写真感
光材料の写真性に悪影響を及ぼす熱分解物資(アルデヒ
ド等)の発生を防止するために、酸化防止剤の1つ以上
を0.001〜1.0重量%、好ましくは0.005〜
0.7重量%、特に好ましくは0.01〜0.5重量
%、最も好ましくは0.02〜0.3重量%添加する。
添加量か0.01重量%未満であると添加効果がなく混
練経費増になるだけである。1.0重量%を越えると、
酸化・還元作用を利用している写真感光材料の写真性に
悪影響を及ぼすと共に射出成形品の表面にブリードアウ
トして外観を悪化させる。更に、金型表面にプレートア
ウトして射出成形品の外観を悪化させたり、発煙が多く
なり射出成形現場の環境を悪化させる。
【0068】(イ)フェノール系酸化防止剤;6−t−
ブチル−3−メチルフェニール誘導体、2・6−ジ−t
−ブチル−Pクレゾール−t−ブチルフェノール、2・
2’−メチレンビス−(4−エチル−6−t−ブチルフ
ェノール)、4・4’−ブチリデンビス(6−t−ブチ
ル−m−クレゾール)、4・4’−チオビス(6−t−
ブチル−m−クレゾール)、4・4−ジヒドロキシジフ
ェニルシクロヘキサン、アルキル化ビスフェノール、ス
チレン化フェノール、2・6−ジ−t−ブチル−4−メ
チルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’・5’
−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピ
ネート、2・2’−メチレンビス(4−メチル−6−t
−ブチルフェノール)、4・4’−チオビス(3−メチ
ル−6−t−ブチルフェニール)、4・4’−ブチリデ
ンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ス
テアリル−β(3・5−ジ−4−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート、1・1・3−トリス(2
−メチル−4ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブ
タン、1・3・5トリメチル−2・4・6−トリス(3
・5−ジ−t−ブチル−4ヒドロキシベンジル)ベンゼ
ン、テトラキス〔メチレン−3(3’・5’−ジ−t−
ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
メタン等
【0069】(ロ)ケトンアミン縮合系酸化防止剤;6
−エトキシ−2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒド
ロキノリン、2・2・4−トリメチル−1・2−ジヒド
ロキノリンの重合物、トリメチルジヒドロキノリン誘導
体等
【0070】(ハ)アリルアミン系酸化防止剤;フェニ
ル−α−ナフチルアミン、N−フェニル−β−ナフチル
アミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−P−フェ
ニレンジアミン、N・N’−ジフェニル−P−フェニレ
ンジアミン、N・N’−ジ−β−ナフチル−P−フェニ
レンジアミン、N−(3’−ヒドロキシブチリデン)−
1−ナフチルアミン等
【0071】(ニ)イミダゾール系酸化防止剤;2−メ
ルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトペンゾイ
ミダゾールの亜鉛塩、2−メルカプトメチルベンゾイミ
ダゾール等
【0072】(ホ)ホスファイト系酸化防止剤;アルキ
ル化アリルホスファイト、ジフェニルイソデシルフォス
ファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイント亜
リン酸ソーダ、トリノニルフェニルフォスファイト、ト
リフェニルフォスファイト等
【0073】(へ)チオ尿素系酸化防止剤;チオ尿素誘
導体、1・3−ビス(ジメチルアミノプロピル)−2−
チオ尿素等
【0074】(ト)その他空気酸化に有用な酸化防止
剤;チオジプロビオン酸ジラウリル等
【0075】以上の酸化防止剤の中では、フェノール系
酸化防止剤とホスファイト系酸化防止剤が好ましい。ま
た、フェノール系酸化防止剤の中では、ブリードアウト
が少なく、成形加工時の高温にも耐え、発煙が少ない、
写真感光材料の写真性に悪影響を与えることが少ない分
子量が350以上のものが好ましく、例えば、各種のヒ
ンダードフェノール系酸化防止剤、より具体的にはテト
ラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,
3,5−トリス−(2−ブチル−4ーヒドロキシ−5−
ジ−t−ブチル)ブタン等がある。
【0076】特に好ましい酸化防止剤はフェノール系の
酸化防止剤であり、市販品としてはチバガイギー社のイ
ルガノックス各種(代表例としてはIreganox
1010やIreganox 1076等)と住友化学
(株)のSumilizerBH−T、Sumiliz
er BH−76、Sumilizer WX−R、S
umilizer BP−101等である。また、2・
6−ジ−ヒブチル−p−クレゾール(BHT)、低揮発
性の高分子量フェノール型酸化防止剤(商品名Ireg
anox 1010、Ireganox 1076、T
opanolCA、Ionox 330等)、ジウラリ
ルチオジブロピオネート、ジステアリルチオプロピオネ
ート、ジアルキルフォスフェート等の1種以上、特に2
種以上併用するのが効果的である。
【0077】フェノール系酸化防止剤と燐系酸化防止剤
をカーボンブラックと併用すると酸化防止効果が特に発
揮されるので好ましい。その他プラスチック・データ・
ハンドブック(KK工業調査会発行)の794〜799
ページに開示された各種酸化防止剤やプラスチック添加
剤データー集(KK化学工業社)の327〜329ペー
ジに開示された各種酸化防止剤やPLASTICS A
GE ENCYCLOPEDIA進歩論 1986(K
Kプラスチック・エージ)の211〜212ページに開
示された各種酸化防止剤等を選択して用いることが可能
である。2種以上の酸化防止剤の組み合わせとしては、
例えは、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とペンタエ
リスリトールホスファイト化合物系酸化防止剤との組み
合わせ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とジ有機ペ
ンタエリスリトールジホスファイト化合物系酸化防止剤
との組み合わせ、ヒンダードフェノール系酸化防止剤と
亜リン酸エステル系酸化防止剤との組み合わせ等、アル
キル置換モノフェノール系酸化防止剤及びアルキル置換
多価フェノール系酸化防止剤及び有機ホスファイト化合
物系酸化防止剤及び有機亜リン酸エステル系酸化防止剤
もしくは、このいずれか、もしくは2種類以上組み合わ
せから選択されたものがある。これらのなかでヒンダー
ド系酸化防止剤が熱劣化しやすいステアリン酸亜鉛の熱
劣化を防止することができ、ブツの発生を大幅に減少さ
せることかできるのみならず、写真感光材料の写真性を
良化させることができるため特に好ましい。
【0078】本発明に必須の構成要件の1つである遮光
性物質について以下に示す。 1.無機化合物 A.酸化物;シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化鉄(鉄黒)、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸
化アンチモン、バリウムフェライト、ストロンチウムフ
ェライト、酸化ベリリウム、軽石、軽石バルーン、アル
ミナ繊維等 B.水酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウ
ム、塩基性炭酸マグネシウム C.炭酸塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロ
マイト、ドーソナイト等 D.(亜)硫酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バリウム、硫
酸アンモニウム、亜硫酸カルシウム等 E.ケイ酸塩;タルク、クレー、マイカ、アスベスト、
ガラス繊維、ガラスバルーン、ガラスビーズ、ケイ酸カ
ルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト等 F.炭素;カーボンブラック、グラファイト、炭素繊
維、炭素中空球等 G.その他;鉄粉、銅粉、鉛粉、アルミニウム粉、硫化
モリブデン、ポロン繊維、炭化ケイ素繊維、黄銅繊維、
チタン酸カリウム、チタン酸ジルコン酸鉛、ホウ酸亜
鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸カルシウム、ホウ酸ナ
トリウム、アルミニウムペースト、タルク等
【0079】2.有機化合物 木粉(松、樫、ノコギリクズなど)、殻繊維(アーモン
ド、ピーナッツ、モミ殻など)、木綿、ジュート、紙細
片、セロハン片、ナイロン繊維、ポリプロピレン繊維、
デンプン(変性デンプン、表面処理デンプンも含む)、
芳香族ポリアミド繊維等
【0080】これら遮光性物質の中で、写真性に悪影響
を及ぼすことが少なく、150°C以上でも熱に安定な
ので、不透明化する無機化合物が好ましく、特に、耐熱
性、耐光性が優れ比較的不活性な物質であるので、光吸
収性のカーボンブラックと窒化チタンとグラファイト及
び鉄黒が好ましい。
【0081】カーボンブラックの原料による分類例をあ
げるとガスブラック、ファーネスブラック、チャンネル
ブラック、アントラブラック、アセチレンブラック、ケ
ッチェチェンカーボンブラック、サーマルブラック、ラ
ンプブラック、油煙、松煙、アニマルブラック、ベジタ
ブルブラック等がある。
【0082】好ましいカーボンブラックの市販品の代表
例としては、例えば三菱化成製のカーボンブラック♯20
(B),♯30(B),♯33(B),♯40(B),♯41(B),♯44(B),♯45
(B),♯50, ♯55, ♯100,♯600,♯950, ♯1000, ♯2200
(B),♯2200(B),♯2400(B),MA8,MA11,MA100 等
が挙げられる。
【0083】さらにアシュランドケミカル社のUnited
R,BB,15, 102, 3001, 3004, 3006, 3007, 3008, 3
009, 3011, 3012,XC−3016, XC−3017, 3020等が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。
【0084】本発明では遮光性、コスト、物性向上の目
的ではファーネスカーボンブラックが好ましく、高価で
あるが帯電防止効果を有する遮光性物質としてはアセチ
レンカーボンブラック、変性副生カーボンブラックであ
るケッチェンカーボンブラックが好ましい。必要により
前者と後者を必要特性に従ってミックスすることも好ま
しい。遮光生物質を熱可塑生樹脂に配合する形態を大別
すると下記のようになる。 (1)均一着色ペレット状 (カラーコンパウンドと言われる最も一般的に用いられ
ているもの) (2)分散生粉末状 (ドライカラーとも呼ばれる、種々の表面処理剤で処理
し、さらに分散助剤を加えて微粒子状に粉砕した粉末状
のもの) (3)ペースト状 (可塑剤等に分散させたもの) (4)液状 (リキッドカラーとも呼ばれる界面活性剤等に分散した
液状のもの) (5)マスターバッチペレット状 (遮光性物質を着色しようとするプラスチック中に高濃
度に分散したもの) (6)潤性粒粉末状 (遮光性物質をプラスチック中に高濃度に分散させたの
ち、粒粉末状に加工したもの) (7)乾燥粉末状 (普通の無処理の乾燥粉末状のもの)
【0085】遮光性物質を熱可塑性樹脂に配合する形態
は上記のように種々あるが、マスターバッチ法がコス
ト、作業場の汚染防止等の点で好ましい。公知文献の特
公昭40−26196 号公報では有機溶媒に溶解した重合体の
溶液中にカーボンブラックを分散せしめて、重合体−カ
ーボンブラックのマスターバッチをつくる方法を、特公
昭43−10362 号公報にはカーボンブラックをポリエチレ
ンに分散してマスターバッチをつくる方法を述べてい
る。本発明人も特公昭63−186740号公報で遮光性物質を
特定エチレン・エチルアクリレート共重合体樹脂に分散
した着色マスターバッチ用樹脂組成物を開示している。
【0086】本発明の写真感光材料用包装材料として使
用する上で写真感光材料にカブリを発生させることな
く、感光度の増減の発生が少なく、遮光能力が大きく、
熱可塑性樹脂、特に本発明で最も好ましいL−LDPE
樹脂フイルム層に添加した場合でもカーボンブラックの
固り(ブツ)の発生やフィッシュアイ等フイルムにピン
ホールが発生しにくい点で、カーボンブラックの中でも
特にpH(JIS K6221で測定) が6.0 〜9.0 、平均
粒子径(電子顕微鏡で測定)が 10 〜120 mμ、特に10
〜80mμのものが好ましく、これらの中でも特に揮発成
分(JIS K6221で測定)が 2.0%以下、DBP吸油
量(JIS K 6221の吸油量A法で測定)が50ml/10
0g以上のファーネスカーボンブラックが遮光性向上と分
散性向上、物理特性低下の少ない点で好ましい。
【0087】また、包装材料中のASTM D 1619−
60の測定方法による硫黄成分は 0.9%以下、好ましくは
0.5%以下、特に好ましくは 0.5%以下にしないとカブ
リ増加や感度以上、発生異常等の写真感光材料の写真性
に悪影響を及ぼす。特に直接写真感光材料の写真性に大
きく悪影響を及ぼす遊離硫黄成分(各試料を液体窒素で
冷却固化後粉砕し、この粉砕した試料100gをソックスレ
ー抽出器に入れ 700ホルムで60°C で8時間抽出冷却
後、全容を 100mlとする。この溶液10ml を高速液体ク
ロマトグラフに注入し、イオウを定量する。高速液体ク
ロマトグラフ分離条件は、カラム;ODSシリカカラム
(4.5φ×150mm)、分離液;メタノール95と氷5(酢酸とト
リエチルアミンをそれぞれ 0.1%含む)流速;1ml/
分、検出波長;254mm、定量は絶対検量線法によって行
う。)は 0.1%以下、好ましくは0.05%以下、特に好ま
しくは0.01%以下であり、写真性を悪化させるシアン化
合物含有量(4−ピリジンカルボン酸・ピラゾロン吸光
分析法にて定量したシアン化水素量を遮光性物質の重量
に対する PPM単位に換算した値)が 20PPM以下、好まし
くは 10PPM以下, 特に好ましくは5PPM以下であり、ヨウ
素吸着量(JIS K 6221 で測定)が20mg/g以上、好ましく
は30mg/g以上、特に好ましくは50mg/g以上、最も好まし
くは80mg/g以上で、かつジブチルフタレート(DBP)
吸油量((JIS K 6221で測定)が 50ml/100g以上、好まし
くは 60ml/100g以上、特に好ましくは 70ml/100g以上、
好ましくは100ml/100g以上のカーボンブラックである。
【0088】カーボンブラックの次に好ましい遮光性物
質はLarsen の油浸法で測定した屈折率が1.50以上の無
機顔料と各種の金属粉末、金属フレーク、金属ペース
ト、金属繊維及び炭素繊維である。好ましい屈折率が1.
50以上の無機顔料と金属粉末の代表例を以下に示すが、
本発明はこれらに限定されるものではない。( )内の
数字は屈折率を示す。屈折率が1.50以上の無機顔料とし
ては、ルチル型酸化チタン(2.75)、炭化ケイ素(2.6
7) 、アナターゼ型酸化チタン(2.52) 、酸化亜鉛(2.3
7)、酸化アンチモン(2.35)、鉛白(2.09)、亜鉛華
(2.02)、リトポン(1.84)、ジルコン(1.80)、コラ
ンダム(1.77)、スピネール(1.73)、アパタイト(1.
64)、バライト粉(1.64)、硫酸バリウム(1.64)、マ
グネサイト(1.62)、ドロマイト(1.59)、炭酸カルシ
ウム(1.58)、タルク(1.58)、硫酸カルシウム(1.5
6)、無水ケイ酸(1.55)、石英粉(1.54)、水酸化マ
グネシウム(1.54)、塩酸性炭酸マグネシウム(1.5
2)、アルミナ(1.50)等がある。特に好ましいもの
は、屈折率が1.56以上、最も好ましいものは1.60以上の
遮光性物質である。
【0089】屈折率が1.50未満のケイ酸カルシウム(1.
46)、ケイ藻土(1.45)、含水ケイ酸(1.44)等は遮光
能力が小さいので多量の添加が必要で遮光性物質として
の使用は好ましくない。また、最近の海外旅行ブームに
より空港での手荷物検査でX線を用いた検査機にISO
感度が 400以上の高感度写真フイルムを通過させるとX
線によりカブリが発生しやすくなる。これを防止するた
めに比重が 3.1以上、好ましくは 3.4以上の遮光性物質
を用いることが好ましい。比重が 3.1以上、好ましくは
3.4以上、特に好ましくは 4.0以上の遮光性以外にX線
遮断性を有する遮光性物質の形態は以下に代表例を例示
したものに限定されず、いかなる形態、例えば顔料、粉
末、フレーク、ウィスカー、ファイバー等であってよ
い。比重が3.1以上の遮光性物質としては炭化ケイ素、
硫酸バリウム、二硫化モリブデン、酸化鉛(鉛白)、酸
化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム、チタン酸バリウ
ム、銅粉末、鉄粉末、黄銅粉末、ニッケル粉末、銀粉
末、鉛粉末、鋼粉末、亜鉛粉末、タングステンウィスカ
ー、窒化ケイ素ウィスカー、銅ウィスカー、鉄ウィスカ
ー、ニッケルウィスカー、クロムウィスカー、ステンレ
ス粉およびウィスカー、マグネサイト、アパタイト、ス
ピネール、コランダム、ジルコン、三酸化アンチモン、
炭酸バリウム、亜鉛華、酸化クロミニウム,錫粉および
これらの混合物等がある。
【0090】特にX線遮断性を付与するのに好ましい遮
光性物質はジルコン、コランダム、硫酸バリウム、塩化
バリウム、チタン酸バリウム、鉛粉末、酸化鉛、亜鉛粉
末、亜鉛華、錫粉末、ステンレス粉末、ステンレスウィ
スカー、酸化鉄、タングステンウィスカー、ニッケルウ
ィスカーである。ISO感度が 400以上の超高感度写真
感光材料用射出成形品として特に好ましい遮光性物質は
屈折率が1.50以上、比重が 3.1以上であり、最も好まし
いのは屈折率が1.56以上、比重が 3.4以上の遮光性物質
である。これらの遮光性物質の含有量は層厚や使用する
樹脂の種類によって変化するが、 0.05 〜60重量%、好
ましくは 0.1〜50重量%、特に好ましくは 0.2〜40重量
%、最も好ましくは 0.3〜30重量%である。遮光性物質
の屈折率及び比重を表3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】X線遮断性遮光性物質の含有量は、好まし
くは5〜80重量%、より好ましくは10〜70重量%、最も
好ましくは20〜60重量%である。5重量%未満ではX線
遮断効果がほとんどなく、80重量%を越えると製造が困
難であり、且つ物理強度や射出成形性に欠け実用化困難
である。
【0093】以上前述の各種の遮光性物質を含む樹脂組
成物中の揮発成分(大部分は水分)は、写真感光材料に
悪影響を与えず、発泡したり、銀条が発生したりして射
出成形性を悪化させないようにするために、100 °C、
5時間での乾燥減量が、好ましくは 2.0重量以下、より
好ましくは 1.0重量%以下、特に好ましくは 0.5重量%
以下、最も好ましくは 0.3重量%以下の乾燥状態になる
ようにして使用する(加熱したり、真空にしたり、加熱
・真空にしたりして乾燥する)。
【0094】ブリードアウトしやすい滑剤や酸化防止剤
や有機造核剤を吸着させたり、脱臭剤、芳香剤、脱酸素
剤等を吸着させる効果を有する吸油性無機顔料の代表例
としては亜鉛華(52)、アスベスチン(50)、クレー
(51)、酸化チタン(56)、カオリン(60)、タルク
(60)、カーボンブラック(60以上)、活性炭等があ
る。( )内の数字は吸油量(JIS K 6221の吸油
量A法で測定。単位ml/100g)を示す。
【0095】金属粉末(金属ペーストも含む)の代表例
としては、アルミニウム粉末、アルミニウムペースト、
銅粉末、ステンレス粉末、鉄粉末、ニッケル粉末、黄銅
粉末、銀粉末、錫粉末、亜鉛粉末、スチール粉末等があ
る。
【0096】アルミニウム粉末は、本発明ではアルミニ
ウム粉末及びアルミニウムペーストを含めた意味であ
り、アルミニウム粉末の表面を表面被覆物質で被覆した
ものと、アルミニウムペーストより低揮発物質を除去し
たものを熱可塑性樹脂に混練したものが好ましい。均一
分散性、成形性、写真性、外観の優れた、臭いの少ない
アルミニウム粉末とするには、平均粒径が 0.3〜50μ
m、好ましくは 0.5〜45μm、特に好ましくは 0.8〜40
μm、平均厚さが0.03〜 0.5μm、好ましくは0.05〜
0.4μm、特に好ましくは0.08〜0.35μm、脂肪酸含有
量が5重量%以下、好ましくは4重量%以下、特に好ま
しくは3重量%以下のアルミニウム粉末である。
【0097】ここにアルミニウムペーストとは、ホール
ミル法、スタンプミル法、又はアトマイズ法等の公知の
方法でアルミニウム粉末を作るときに、ミネラルスピリ
ットと少量のステアリン酸又はオレイン酸等の高級脂肪
酸の存在のもとにペースト状に作ったものである。本発
明ではこのアルミニウムペーストと各種芳香族モノビニ
ル樹脂(ポリスチレン樹脂、ゴム含有ポリスチレン樹脂
等)、ポリオレフィン熱可塑性樹脂(各種ポリプロピレ
ン樹脂、各種ポリエチレン樹脂、酸変性樹脂、EVE樹
脂、EEA樹脂、EAA樹脂等)、低分子量のポリオレ
フィン樹脂、パラフィンワックス、粘度付与剤、金属石
けん等の分散剤等を加熱混練し、低揮発物質(主として
悪臭が強いミネラルスピリット、ホワイトスピリット)
を真空ポンプ等で除去した揮発物質の含有量が3%以
下、好ましくは1%以下、特に好ましくは 0.5%以下の
ものをアルミニウムペーストコンパウンド樹脂、アルミ
ニウムペーストマスターバッチ樹脂として使用すること
が好ましい。
【0098】特にアルミニウムペーストマスターバッチ
樹脂として使用するのが写真感光材料への悪影響や悪臭
をなくすために好ましい。例えはアルミニウムペースト
含有率40重量%のマスターバッチ樹脂中のミネラルスピ
リット含有量が 1.0重量%であっても、これを写真感光
材料用射出成形品中でのアルミニウムペースト濃度を2
重量%にしようとすると、アルミニウムペーストマスタ
ーバッチ1重量部に対してナチュラル樹脂(希釈用樹
脂)19重量部を混練することになり、射出成形品中には
成形中にミネラルスピリットが加熱によりガスとして除
去される分もあるので、ミネラルスピリット含有量は0.
05重量%以下になる。その結果、写真感光材料への悪影
響もなくなる上、悪臭も低減される。
【0099】またアルミニウム粉末とは、溶融アルミニ
ウムをアトマイズ法、粒化法、回転円盤滴下法、蒸発法
等により粉末状にしたものの外、アルミニウム箔をボー
ルミル法やスタンプミル法等で粉砕してフレーク状にし
たものを含む。アルミニウム粉末単体では不安定なので
アルミニウム粉末表面を不活性にする各種の公知の表面
被覆処理が施される。特に写真感光材料の写真性に悪影
響を与えない圧延油を用いて所定の厚さ(5〜20μm、
好ましくは6〜15μm、特に好ましくは7〜10μm)に
圧延したアルミニウム箔をシュレッダー等で切断し、焼
き鈍しするとともに脂肪酸を除去し、しかる後この切断
したアルミニウム箔に対して5重量%以下の炭素数が8
以上の脂肪酸(化合物を含む)を添加する。そして、ボ
ールミル、スタンプミル、振動ミルおよびアトライター
から選んだ粉砕機の1つ以上を用いて平均粒子径が 0.3
〜50μm、平均厚さ0.03〜 0.5μmで、脂肪酸含有量が
5重量%以下のアルミニウム粉末にした。本発明では、
このアルミニウム粉末が分散性、写真性、光沢が優れ臭
いが少ないので特に好ましい。
【0100】本発明の写真感光材料用射出成形品として
実用化するには品質確保、物理強度確保、写真性能確
保、射出成形性、経済性等を優れたものにするため、射
出成形品中の遮光物質の好ましい合計含有量を0.05〜60
重量%にしているが、含有量は遮光性物質の遮光能力に
よって適宜、変化する。遮光能力の優れたカーボンブラ
ック、酸化チタン及びアルミニウム粉末の場合は遮光性
確保、経済性、物理強度確保、射出成形性等のバランス
の点から合計含有量は0.05〜20重量%がより好ましく、
0.1〜15重量%が特に好ましく、 0.2〜10重量%が最も
好ましい。
【0101】合計含有量が0.05重量%未満であると射出
成形品の肉厚を非常に厚くしないと遮光能力が不足し光
カブリを発生する。しかも、この含有量のまま充分な遮
光性を得るために写真感光材料用射出成形品の厚さを大
きくすると、写真感光材料用射出成形品の射出成形速度
が遅くなり(冷却時間が長くなるため)、樹脂使用量も
多く高価になるので、実用化困難である。また、含有量
が60重量%を超えると、分散性が悪化し、ミクログリッ
ド(凝集不純物)の発生が多くなり、写真感光材料に圧
力カブリや擦り傷を発生させたり、写真感光材料用射出
成形品中の水分量がカーボンブラックに吸着した水分増
加により多くなり、写真感光材料の写真性に悪影響(カ
ブリの発生、感度異常、発色異常等)を及ぼす。さら
に、写真感光材料用射出成形品の射出成形性悪化(発
泡、銀条、ピンホール、ショートショット等の発生)や
物理強度の低下となり実用化困難である。
【0102】遮光性物質(カーボンブラック、アルミニ
ウム粉末、屈折率が1.50以上の無機顔料、比重が 3.4以
上の無機顔料、吸油量が50ml/100g以上の無機顔料が特
に好ましい)の樹脂中への分散性向上、樹脂流動性向
上、写真感光材料に摩擦カブリや圧力カブリ、擦り傷等
を発生させるミクログリットの発生防止、写真性に有害
な揮発性物質の発生を防止、吸湿度低下、ダイリップ汚
れ防止等のためにその表面を表面被覆物質で被覆するこ
とが好ましい。表面被覆物質の代表例を以下に示す。
【0103】(1) カップリング剤 1.アジドシラン類を含むカップリング剤被覆(特開昭
62− 32125号公報等に開示) 2.シラン系カップリング剤被覆(アミノシラン等) 3.チタネート系カップリング剤被覆 (2) シリカを沈着させ、つづいてアルミナを沈着被覆 (3) ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ス
テアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸金属塩被覆 (4) ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸カリウム、オキ
シ・エチレンドデシル・アミン等の界面活性剤被覆 (5) バリウムイオンの過剰量の存在下に硫化バリウム水
溶液と硫酸水溶液とを反応させ、平均粒子径 0.1〜 2.5
μmの硫酸バリウムを生成させ、この水スラリーにケイ
酸アルカリ水曜液を加えて硫酸バリウムの表面にケイ酸
バリウムを生成させ、次いでスラリーに鉱酸を加え、上
記ケイ酸バリウムを含水シリカに分解して硫酸バリウム
表面に沈着させ被覆。 (6) 金属水和酸化物(チタン、アルミニウム、セリウ
ム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の水酸化物の1種又
は2種以上)及び金属酸化物(チタン、アルミニウム、
セリウム、亜鉛、鉄、コバルト又はケイ素の酸化物の1
種及び2種)、または前述した金属水和酸化物又は金属
酸化物の一方のみからなる組成物で表面被覆。 (7) 分子内にアジリジン基、オキサゾリン基及びN−ヒ
ドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択される1
種又は2種以上の反応基を有する重合体を被覆 (8) ポリオキシアルキレンアミン化合物を表面被覆 (9) セリウムカチオン、選択された酸アニオン及びアル
ミナで表面被覆 (10) 置換基にα−ヒドロキシカルボン酸残基を有する
アルコキシタン誘導体で表面被覆。 (11) ポリテトラフルオロエチレンで表面被覆 (12) ポリジメチルシロキサン又はシリコン変性体で表
面被覆 (13) リン酸エステル化合物で表面被覆 (14) 2〜4価アルコールで表面被覆 (15) オレフィンワックス(ポリエチレンワックス、ポ
リプロピレンワックス)で表面被覆。 (16) 含水酸化アルミニウムを表面被覆 (17) シリカ又は亜鉛化合物(塩化亜鉛、水酸化亜鉛、
酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、酢酸亜鉛、クエン酸亜
鉛等の1種又は2種以上組み合わせたもの)で表面被
覆。 (18) ポリヒドロキシ飽和炭化水素で表面被覆 (19) 界面活性剤(カチオン系、ノニオン系、両性イオ
ン系)で表面被覆 (20) 有機金属キレート化合物(特にβ−ジチトンキレ
ート化合物が写真性、分散性向上等が優れているので好
ましい。)で表面被覆、等。
【0104】上記遮光性物質の表面被覆物質として写真
感光材料の写真特性(カブリ発生、感度異常、発色異常
等)に悪影響が少なく、遮光性物質の分散性向上、ブツ
の発生減少、樹脂の流動性向上等の効果が優れた(1) 、
(3) 、(12)、(15)、(16)、(18)、(19)、(20)が特に好ま
しい。その他表面被覆効果以外の効果を有する各種帯電
防止剤、滑剤、防滴剤も好ましい。特に、炭素数が20〜
40の脂肪族モノカルボン酸と炭素数が20〜40の脂肪族1
価アルコールとのエステルを添加することにより、上記
問題点の防止効果を発揮できることを見出したものであ
る。特に、写真感光材料の写真性に対する悪影響を減少
させるだけでなく射出成形機のモーター負荷を小さく
し、遮光性物質の分散性を向上させ、射出成形性を向上
し射出成形品の外観を優れたものにする。
【0105】上記モノカルボン酸の例としては、モンタ
ン酸、メリシン酸、セロチン際、ブリシン酸、ラクセル
酸等が挙げられる。1価アルコールの例としては、モン
チルアルコール、メリシルアルコール、ラクシルアルコ
ール、セリルアルコール、ブリシルアルコール等が挙げ
られる。
【0106】これらは、熱可塑性樹脂の流動性を向上さ
せると共に、均一混練を達成せしめるので前記遮光性物
質の表面被覆物質としても非常に優れている。さらに、
前記無線及び有機造核剤、もしくはこれらのうちの一方
の分散剤として表面被覆に用いると飛散防止、ブリード
アウト防止、均一分散性向上、樹脂流動性向上等種々の
優れた効果を発揮する。これらの遮光性物質の表面被覆
物質の表面被覆量は、カーボンブラック、酸化チタン又
はアルミニウム粉末等の遮光性物質に 100重量部に対し
て、 0.1〜50重量部、好ましくは 0.5〜40重量部、より
好ましくは1〜30重量部、最も好ましくは 1.5〜20重量
部である。被覆量が 0.1重量部未満では被覆効果がほと
んど発揮されない。被覆量が50重量部を越えると経時で
ブリードアウトの発生が多くなるとともに樹脂とスクリ
ューとのスリップが発生して吐出量が変動する結果、射
出成形品の厚さのバラツキが大きくなり実用化困難であ
る。
【0107】上記合計遮光性物質中の全硫黄量(AST
M D−1619)は 1.0%以下、好ましくは 0.8%以下、
特に好ましくは 0.5%以下であり、遊離硫黄分は150ppm
以下、好ましくは 50ppm以下、特に好ましくは 30ppm以
下であり、ASTM D−1506による灰分量は 0.5%以
下、好ましくは 0.4%以下、特に好ましくは 0.3%以下
であり、アルデヒド化合物含有量は 0.2%以下、好まし
くは 0.1%以下、特に好ましくは0.05%以下である。こ
れらの物質の含有量を一定量以下に抑えないと感光材料
の写真性に悪影響を及ぼすので注意が必要である。
【0108】さらに、シアン化合物も写真感光材料の写
真性能に悪影響を及ぼすので4−ピリジンカルボン際・
ピラゾロン吸光分析法にて定量したシアン化水素量を遮
光性物質の重量に対する ppm単位に換算した値が 20ppm
以下、好ましくは 10ppm以下、特に好ましくは5ppm以下
の遮光性物質である。
【0109】本発明では着色用遮光性物質を本発明の射
出成形品を構成する熱可塑性樹脂組成物中に添加して半
透明又は不透明に着色してもよい。これにより遮光性が
向上し、剛性が大きくなり、また射出成形性が改良さ
れ、樹脂の着色故障やブツが目立たなくなり、外観が美
しくなり、商品価値が上がるので好ましい。さらに半透
明または透明である容器内の写真感光材料の種類の識別
に利用できるので好ましい。着色用遮光性物質としては
染料、着色顔料、白色顔料、金属粉末、金属繊維、金属
フレーク、カーボンブラック等がある。
【0110】次に色別の着色用遮光性物質の代表例をあ
げる。 黒色;カーボンブラック、鉄黒(四三酸化鉄)、黒鉛
(グラファイト)、ミネラルブラック、アニリンブラッ
ク等 白色;酸化チタン、炭酸カルシウム、雲母、亜鉛華、ク
レー、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、アンチモン白、
鉛白、リトポン、ケイ酸マグネシウム等 黄色;チタンイエロー、黄色酸化鉄、クロムイエロー、
ジンクイエロー、カドミウムイエロー、黄土、ピグメン
トイエローL、ハンザイエロー3G等 赤色;ベンガラ、カドミウムレッド、ボンレッド2B、
カーミン6B、ピラゾロンレッド、レーキレッドC、鉛
丹、パーマネントレッド4R等 青色;コバルトブルー、群青、紺青、フタロシアニンブ
ルー、インダンスレンブルー、インジゴ、シアニンブル
ー等 緑色;酸化クロムグリーン、チタニウムグリーン、ジン
クグリーン、エメラルドグリーン、コバルトグリーン、
ピグメントグリーン、フタロシアニングリーン、シアニ
ングリーン等 があるが特にカーボンブラックが安価で樹脂の斑点状着
色故障やブツ(異物状の固まり)が目立たない、遮光能
力が優れる、写真性が良好である、酸化防止相乗効果を
有する等の点で好ましい。容器本体やパトローネ本体等
にカラー印刷を施す場合は外観、印刷の彩光等の点から
白色、灰色、黄色または銀色に着色することが好まし
い。
【0111】本発明の写真感光材料用射出成形品に含有
させることが好ましい帯電防止性を確保するための界面
活性剤の代表例を以下に示す。 〔ノニオン系〕(=非イオン系) (1) アルキルアミン誘導体;T−B103(松本油
脂)、T−B104(松本油脂) アルキルアミド型 3級アミン(ラウリルアミン);アーモスタット400
(ライオン油脂) N,N−ビス(2−ヒドロキシエチルココアミン);ア
ーモスタット410(ライオン油脂) 3級アミン;ANTISTATIC273C、273、273E
(Fine Org.Chem ) N−hydoroxyhexadecyl −di−ethanol −amine ;Bel
g.P.654 ,049 N−hydoroxyoctadecyl −di−ethanol −amine ;(N
ational Dist.)
【0112】(2) 脂肪酸アマイド誘導体;TB−115
(松下油脂)、エレガンP100(日本油脂)、エリー
クSM−2(吉村油化学) ヒドロキシステエリン酸アマイド シュウ酸−N,N’−ジステアリルアミドブチルエステ
ル:ヘキスト ポリオキシエチレンアルキルアミド
【0113】(3) エーテル型 ポリオキシエチレンアルキルエーテル RO(CH2 CH2 O)nH ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル 特殊非イオン型;レジスタット104、PE100、1
16〜118(第一工業製薬)、レジスタットPE13
2、139、エレガンE115、ケミスタット113
(第一工業製薬)、ケミスタット1005(日本油
脂)、エリークBM−1(吉村油化学)、エレクトロス
トリッパーTS、TS2、3、5、EA、EA2、3
(花王石鹸)
【0114】(4) 多価アルコールエステル型 グリセリン脂肪酸エステル;ステアリン酸もしくはヒド
ロキシステアリン酸等のモノ、ジ、又はトリグラリセラ
イド、モノグリ(日本樟脳)、TB−123(松本油
脂)、レジスタット113(第一工業製薬) ゾルビタン脂肪酸エステル 特殊エステル;エリークBS−1(吉村油化学) 1−ヒドロキシエチル−2−ドデシルグリオキサゾリ
ン;ブリティシュ・セロファン
【0115】〔アニオン系〕 (1) スルホン酸類; アルキルスルホネート RSO3 Na アルキルベンゼンスルホネート アルキルサンフェート ROSO3 Na
【0116】(2) リン酸エステル型; アルキルホスフェート
【0117】〔カチオン系〕 (1) アミド型カチオン;レジスタットPE300、40
1、402、406、411(第一工業製薬)
【0118】(2) 4級アンモニウム塩; 第4級アンモニウムクロライド 第4級アンモニウムサルフェート 第4級アンモニウムナイトレート カチミンCSM−9(吉村油化学)、CATANAC6
09(アメリカン・シアナミド)、デンノ314C(丸
菱油化)、アーモスタット300(ライオン油脂)、1
00V(アーマー)、エレクトロストリッパーES(花
王石鹸)、ケミスタット2009(日本油脂) Stearamido propyl−dimethyl−β−hydroxyethyl am
monium nitratc ;CATANAC・SN(アメリカン
・ジアナミド)
【0119】〔両性イオン系〕 (1) アルキルペタイン型;
【0120】(2) イミダゾリン型;レオスタット53、
532(ライオン油脂)、AMS 53.ライオン油
脂)、AMS303、313(ライオン油脂) アルキルイミダゾリン型
【0121】(3) 金属塩型; AMS 576(ライオン油脂) レオスタット826、923(ライオン油脂) (RNR’CH2 CH2 CH2 NCH2 COO)2 Mg {R≧C,R’=H又は(CH2 )mCOO−}(ライ
オン油脂) R=C3 〜C8 炭化水素、A=酸素又はイミノ基、M=
有機アミン又は金属
【0122】(4) アルキルアラニン型;
【0123】〔その他〕;レジスタット204、205
(第一工業製薬)、エレガン2E:100E(日本油
脂)、ケミスタット1002、1003、2010(日
本油脂)、エリーク51(吉村油化学)、ALROMI
ME RV−100(ガイギー)、また、プラスチック
データハンドブック(KK工業調査会1984年4月5
日発行)の776〜778ページに開示された各種帯電
防止剤等から写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼさな
い種類や添加量を選択して用いることが可能である。
【0124】以上の界面活性剤の中では、写真性及び人
身に与える悪影響が小さく、スタッチマーク防止効果が
大きいため、非イオン系界面活性剤が特に好ましい。
【0125】本発明の写真感光材料用射出成形品中に含
有されることが好ましい消臭剤、芳香剤の代表例を以下
に説明する。
【0126】消臭剤としては、有機カルボン酸、有機カ
ルボン酸と亜鉛化合物との混合物、及び有機カルボン酸
と亜鉛化合物とアルミニウム化合物との混合物等があ
る。
【0127】有機カルボン酸としては、脂肪族ポリカル
ボン酸、芳香族ポリカルボン酸及びこれら脂肪族、芳香
族ポリカルボン酸と多価アルコール化合物との反応生成
物で末端がカルボキシル基の酸性ポリエステル化合物等
がある。
【0128】脂肪族ポリカルボン酸としては、ジュウ
酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、メチ
ルフマル酸、マレイン酸、メチルマレイン酸、イタコン
酸、アセチレン酸、リンゴ酸、メチルリンゴ酸、クエン
酸、イソクエン酸、メサコン酸、シトラコン酸等のジ又
はトリカルボン酸又はそれらの塩等があり、特に好まし
いものはクエン酸、フマル酸またはその塩である。
【0129】芳香族ポリカルボン酸としては、フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリメリット酸、ピ
ロメリット酸、ベンゼンヘキサトリカルボン酸、ナフタ
レンジカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ナフタ
レンテトラカルボン酸、アゾベンゼンテトラカルボン酸
等の芳香族カルボン酸又はそれらの無水化合物等があ
り、特に好ましいのはベンゼントリカルボン酸とトリメ
リット酸である。
【0130】末端がカルボキシル基の酸性ポリエステル
化合物としては、フタル酸等のポリカルボン酸とエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコー
ルとが反応した末端カルボキシル基のポリエステル、ポ
リカルボン酸で変性した酸性セルロース誘導体等があ
る。有機カルボン酸と混合して併用される亜鉛化合物と
しては、酸化亜鉛、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、リン酸亜鉛、
炭酸亜鉛類の無機亜鉛塩及びクエン酸亜鉛、フマル酸亜
鉛類等の有機亜鉛等がある。
【0131】芳香剤は、ライラック花製油、ジャスミ
ン、アビエス油、シナモン油、ラベンダー油、レモン油
等の天然香気成分、ゲラニオール、オイゲノール、n−
オクチルアルコール、カルビトール、シス−シャスモ
ン、レモンテルペン、メントン、サリチル酸メチル、メ
チルフェニルカルビノール、トリエチルサイトレート、
安息香酸ベンジル、シトラール、d−リネモン、ゲラニ
オール、エチルシナメイト、オクタノール、ベンジルベ
ンゾエート、アルキレングリコール、サリチル酸ベンジ
ル、リナロール、バニリン、クマリン、メチルナフチル
ケトン、ローズフェノン等の合成芳香気成分をマイクロ
カプセルの微粒子化やサイクロデキストリン、マルトシ
ルサイクロデキストリン、シクロデキストリン、ゼオラ
イト、デンプン、タルク等に包接して用いる。
【0132】本発明の写真感光材料用射出成形品には、
以上に示した酸化防止剤、消臭剤、芳香剤が1種以上が
合計0.01〜20重量%含有され、好ましくは0.0
5〜17重量%、好ましくは0.1〜15重量%、より
好ましくは0.5〜12重量%である。含有量が0.0
1重量%未満であると、添加効果がほとんど発揮されず
に混練経費増となるだけである。また、含有量が20重
量%を超えると、増量効果がほとんど発揮されずに材料
費増となるだけである。種類によっては、写真感光材料
の写真性に悪影響を及ぼすようになったり、写真感光材
料用射出成形品の物理強度を低下させる。
【0133】本発明の写真感光材料用射出成形品中に含
有させることが好ましいハイドロタルサイト類化合物に
ついて以下に説明する。本発明の写真感光材料用射出成
形品中には、触媒残渣を中和したり、塩酸等のハロゲン
化合物を吸収して写真性に悪影響を及ぼす物質を無害化
したり、樹脂焼け故障等を防止したりするために以下に
代表されるハイドロサイト類化合物及び脂肪酸金属塩ま
たはこれらのいずれか一方を少なくとも、0.001 〜 5.0
重量%、好ましくは 0.005〜 4.0重量%、特に好ましく
は0.001 〜 3.0重量%、最も好ましくは0.02〜 2.0重量
%添加する。 0.001重量%未満では添加効果が発揮され
ず、混練経費増となるだけであり、 5.0重量%を越えて
も増量した添加効果がなく、ウェルドラインやブツの発
生だけでなくコストアップとなる。
【0134】ハイドロタルサイト類化合物は、一般式
が、 MX Y (OH)2x+3y-2z(A)z ・aH2 O {MはMg、Ca又はZn、RはAl又はCr又はF
e、AはCO3 又はHPO 4 、x、y、z、aは正数}
で示される複塩である。
【0135】具体例の代表例を示すと、Mg6 Al
2 (OH)16CO3 ・4H2 O、Mg8Al2 (OH)
20CO3 ・5H2 O、Mg5 Al2 (OH)14CO3
4H2 O、Mg10Al2 (OH)22(CO3 2 ・4H
2 O、Mg6 Al2 (OH)16HPO4 ・4H2 O、C
6 Al2 (OH)16CO3 ・4H2 O、Zn6 Al2
(OH)16CO3 ・4H2 O、Mg4.5 Al2 (OH)
13・ 3.5H2 O等がある。
【0136】または一般式が、 M(1-X) .Alx ・(OH)2 x/n ・mH2 O {ただし式中、Mはアルカリ土類金属およびZnを示
す。Xはn価のアニオンを示す。そして、xおよび、
m,nは下記条件を満足する。 0<x<0. 0≦m≦2 n=1〜4の整数で表される屈折率が(Larsen の油浸
法で測定)が1.40〜1.55の範囲であるハイドロタルトサ
イト類化合物である。上記式においてXで表されるn価
のアニオンの例としては、Cl- 、Br -、I- 、NO
3 - 、ClO4 - 、SO4 2-、CO3 2-、SiO3 2-
HPO4 2-、HBO3 2-、PO4 3-、Fe(C
N)6 3-、Fe(CN)4 4-、CH3 COC-、C6
4 (OH)COO- である。
【0137】好ましい具体例を以下に示す。 Mg0.7 Al0.3 (OH)2 (CO3 0.15・0.54H2
O Mg0.67Al0.33(OH)2 (CO3 0.165 ・0.54H
2 O Mg0.67Al0.33(OH)2 (CO3 0.155 ・0.54H
2 O Mg0.6 Al0.4 (OH)2 (CO3 0.2 ・0.54H2
O Mg0.75 Al0.25(OH)2 (CO3 0.125 ・0.54
2 O Mg0.83 Al0.17(OH)2 (CO3 0.085 ・0.54
2 O 等 これらのハイドロタルサイト類化合物は、天然物であっ
ても、合成品であってもよい。これらのハイドロタルサ
イト類化合物は、マグネシウム、アルミニウム等を主成
分としており、写真感光材料の写真性に悪影響を及ぼし
たり、成形機に用いられている金属の発錆の原因と考え
られる塩素イオン等のハロゲン化イオンを吸着して無害
化する能力に優れている。さらに熱可塑性樹脂中のモノ
マーや各種添加剤中の揮発性物質等写真性に悪影響を及
ぼす物質を吸着安定化するものと推定される。ハイドロ
タルサイト類化合物の具体的な合成方法としては、特公
昭46−2280号公報及び特公昭50−30039 号公報等に開示
されている公知の方法も使用できる。
【0138】本発明では特に上記のハイドロタルサイト
類化合物が好ましく、その結晶構造、結晶粒子径に制限
されることなく使用可能である。ハイドロタルサイト類
化合物の天然品としては、ハイドロタルク石、スチヒタ
イト、パイロオーライト等がある。これらのハイドロタ
ルサイト類化合物は単独で使用しても、2種以上混合し
て使用してもよい。特に後述する各種酸化防止剤や各種
脂肪酸金属塩と併用することが写真性を悪化させずに、
遮光性物質やハイドロタルサイト類化合物の分散性向上
の点で好ましい。また、射出成形等の加工性、物性等を
特に向上させるためには平均2次粒子径が20μm以下、
好ましくは10μm以下、特に好ましくは5μm以下、B
ET比表面積が50m2 /g以下、好ましくは40m2
g、特に30m2 /g以下である。
【0139】本発明においてハイドロタルサイト類化合
物は表面被覆物質で処理して利用するのが分散性を向上
させるので好ましい。表面被覆する事により、樹脂に対
する分散性ないし親和性が一層向上し、射出成形適性、
物理強度等も向上する。
【0140】このような表面被覆物質の例としては、前
述の遮光性物質の表面被覆物質(1)〜(20)等を用いるこ
とが出来るが、特に好ましいのは、例えば、ラウリル酸
ソーダ、ラウリル酸カリウム、オレイン酸ソーダ、オレ
イン酸カリウム、オレイン酸カルシウム、ステアリン酸
マグネシウム、ステアリン酸ソーダ、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カリウム、パルチミン酸ソーダ、パル
チミン酸カリウム、カプリン酸ソーダ、カプリン酸カリ
ウム、ミリスチン酸ソーダ、ミリスチン酸カリウム、リ
ノール酸ソーダ、リノール酸カリウムなどのような高級
脂肪酸の金属塩類;ラウリル酸、パルチミン酸、オレイ
ン酸、ステアリン酸、カプリン酸、ミリスチン酸、リノ
ール酸などの如き高級脂肪酸類;ドデシルベンゼンスル
ホン酸カルシウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリ
ウム等の有機スルホン酸金属塩類;イソプロピルトリイ
メステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオ
クチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプ
ロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、ビ
ニルトリエトキシシラン、ガンマメタクリルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ガンマグリシドオキシプロピ
ルトリメトキシシランなどのようなカップリング剤類、
高級脂肪酸アミド類、高級脂肪酸エステル類、シリコー
ン類、ワックス類の各種滑剤などを例示することができ
る。
【0141】これら表面被覆物質による表面被覆は、例
えば、温水にハイドロタルサイト類化合物を懸濁した状
態のところに、攪拌下に、高級脂肪酸のアルカリ金属塩
の水溶液を加えることにより、或いは、ハイドロタルサ
イト類化合物粉末をヘンシェルミキサー等の混合機によ
り攪拌下、高級脂肪酸の溶液とか、カップリング剤の希
釈液を滴下することにより行うことができる。これら表
面被覆物質の量は適宜に選択変更できるが、ハイドロタ
ルサイト類化合物 100重量部に対して、約0.01〜50重量
部、好ましくは0.05〜35重量部、特に好ましくは 0.1〜
20重量部、最も好ましくは0.5 〜10重量部程度が適当で
ある。
【0142】さらに本発明の主旨を損なわない限りは少
量の他の金属酸化物等の不純物を含んでもよい。さらに
ハイドロタルサイト類化合物の分散をより良好にするた
めに例えば高級脂肪酸や脂肪酸アミド系滑剤やシリコー
ンオイルやソルビタンモノステアレートのようなソルビ
タン脂肪酸エステルやグリセリンモノステアレートのよ
うなグリセリン脂肪酸エステルなどの1種以上を分散剤
として樹脂組成物中に合計量0.01〜10重量%、好ましく
は0.05〜8重量%、特に好ましくは0.08〜5重量%、最
も好ましくは 0.1〜3重量%添加してもよい。ハイドロ
タルサイト類化合物と併用することにより、写真性の悪
化防止、射出成形の安定性、射出成形機や金型の防蝕
(防錆とも言う)効果が向上し、射出成形品の着色や、
樹脂劣化を防止するほか、透明度を向上させ、物理強度
低下を防止し、樹脂焼けによるブツの発生や着色故障の
発生を防止する作用等が相乗的に向上する。フェノール
系酸化防止剤や燐(ホスファイト)系酸化防止剤及び脂
肪酸金属塩から成る群より選択された1種以上の安定剤
と併用することが写真感光材料の写真性悪化がほとんど
なく、射出成形機や金型の防蝕(防錆とも言う)効果及
び酸化防止効果が大きくなるので特に好ましい。
【0143】この場合、写真感光材料の写真性能に悪影
響を及ぼさないようにするためには写真感光材料用射出
成形品中に、 (1) フェノール系酸化防止剤を0.0005〜 0.5重量%、好
ましくは 0.001〜 0.4重量%、特に好ましくは 0.002〜
0.3重量%添加する。 (2) 燐系酸化防止剤0.0005〜 0.5重量%、好ましくは
0.001〜0.4 重量%、特に好ましくは 0.002〜 0.1重量
%添加する。 (3) ハイドロタルサイト類化合物及び脂肪酸金属塩(金
属石けん)、もしくはこれらのいずれか一種以上を 0.0
01〜5重量%、好ましくは 0.005〜4重量%、特に好ま
しくは 0.01 〜3重量%添加する。 且つ (1)+(2)+(3) の合計含有量が0.0015〜6重量
%、好ましくは0.002 〜5重量%、特に好ましくは 0.0
03〜4重量%、最も好ましくは 0.005〜3重量%写真感
光材料用射出成形品中に含まれるようにする。いずれに
してもこれらの添加物は樹脂劣化を防止できる最小量添
加することが写真性能を悪化させず、ブリードアウトを
防止し、コストアップを抑制する点からも好ましい。
【0144】また、ハイドロタルサイト類化合物と併用
することが好ましく、且つハイドロタルサイト類化合物
と同様の優れた効果を発揮するだけでなく、さらに滑剤
及び遮光性物質の分散性としての効果を発揮する脂肪酸
金属塩(金属石けんとも言う)について説明する。
【0145】脂肪酸金属塩の代表例としては、ラウリン
酸、ステアリン酸、コハク酸、ステアリル乳酸、乳酸、
フタル酸、安息香酸、ヒドロキシステアリン酸、リシノ
ール酸、ナフテン酸、オレイン酸、パルチミン酸、エル
カ酸等の高級脂肪酸とLi、Na、Mg、Ca、Sr、
Ba、Zn、Cd、Al、Sn、Pb、Cd、等の金属
との化合物が挙げられ、好ましいものはステアリン酸マ
グネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸ナ
トリウム、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸カルシウム、
オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム等である。
【0146】市販されている代表的な脂肪酸金属塩の名
称と分子式と状態と融点を表4に示す。
【表4】
【0147】また、本発明の写真感光材料用射出成形品
中に無機造核剤及び有機造核剤の1又は2種以上を添加
することができる。無機造核剤及び有機造核剤の1種又
は2種以上を添加することにより、表面硬度や剛性やア
イゾット衝撃強度や耐摩耗性等を改善することができ
る。また、結晶性樹脂のポリオレフィン樹脂、特にホモ
ポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体
樹脂、プロピレン−α−オレフィン共重合体樹脂に添加
した場合は、上記特性以外に透明性、射出成形性(サイ
クル短縮、成形故障減少)を改善できる。
【0148】無機造核剤及び有機造核剤の1種又は2種
以上の射出成形品中の合計含有量は、0.001〜10
重量%が好ましく、0.005〜8重量%がより好まし
く、0.01〜5重量%が最も好ましい。合計含有量が
0.001重量%未満であると、含有効果がなく、混練
経費増となるだけである。また、合計含有量が10重量
%を超えると、増量効果がなく、コストアップになるだ
けである。さらに、有機造核剤の場合は、射出成形時の
発煙が多くなり、且つ経時により射出成形品の表面にブ
リードアウトして外観を悪化させる。さらに白粉となっ
て写真感光材料の感光層に付着して現像阻害を起こす問
題を発生するようになる。
【0149】本発明に使用できる有機造核剤としては、
カルボン酸、ジカルボン酸、これらの塩及び無水物、芳
香族スルホン酸の塩及びエステル、芳香族ホスフィン
酸、芳香族ホスホン酸、芳香族カルボン酸、その他のア
ルミニウム塩、芳香族リン酸金属塩、炭素数8〜30のア
ルキルアルコール、多価アルコールとアルデヒドの縮合
物、並びにアルキルアミンなどであり、例えばp−t−
ブチル安息香酸アルミニウム、1,2,3,4−ジベン
ジリデンソルビトール、化2で表されるジ置換ベンジリ
デンソルビトール化合物{式中、R1 及びR2 は炭素数
1〜8のアルキル、アルコキシ又はハロゲンであり、m
及びnはいずれも0〜3であって且つm+n≧1であ
る。}、ステアリル乳酸のカルシウム、マグネシウム等
の金属塩、N−(2−ヒドロキシエチル)−ステアリル
アミン等の化3で表される化合物{式中、R3 は炭素数
8〜30のアルキル基であり、k及びlはいずれも0〜
10であってk+1 ≧1である。}、1,2−ヒドロキ
システアリン酸のリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム
塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の金属塩、ステア
リルアルコール、ラウリルアルコール等のアルキルアル
コール、安息香酸ソーダ、安息香酸、セバチン酸などが
ある。
【0150】
【化2】
【0151】
【化3】
【0152】有機造核剤の中で特に好ましいソルビトー
ル化合物の代表例を以下に示す。 di-(o-methylbenzylidene)sorbitol o-methylbenzylidene-p-methylbenzylidenesorbitol di-(o-methylbenzylidene)sorbitol m-methylbenzylidene-o-methylbenzylidenesorbitol di-(o-methylbenzylidene)sorbitolh m-methylbenzylidene-p-methylbenzylidenesorbitol 1・3-heptanylidenesorbitol 1・3,2・4-diheptanylidenesorbitol 1・3,2・4-di(3-nony1-3-pentenylidene)sorbito
l 1・3-cyclohexanecarbylidenesorbitol 1・3,2・4-dicyclohexanecarbylidenesorbitol 1・3,2・4-di(p-methylcyclohexanecarbylidene)s
orbitol Aromatic hybrocarbon groups or derivatives thereof 1・3-benzylidenesorbitol 1・3,2・4-dibenzylidene-D-sorbitol 1・3,2・4-di(m-methylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(p-methylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(p-hexylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(l-naphthalenecarbylidene)sorbito
l 1・3,2・4-di(phenylacetylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(methylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(ethylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(propylbenzyledene)sorbitol 1・3,2・4-di(methoxybenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(ethoxybenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(P-methylbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(P-chlorbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(P-methoxybenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(alkilbenzylidene)sorbitol 1・3,2・4-di(methybenzylidene)sorbitol aluminumbenzoate、等
【0153】上記の有機造核剤中でも本発明に特に好ま
しい上記ジベンジリデンソルビトール化合物をポリオレ
フィン樹脂、例えばホモポリプロピレン樹脂、プロピレ
ン・α−オレフィン共重合体(ブロックタイプ及びラン
ダムタイプ)樹脂等のポリプロピレン系樹脂、低密度ホ
モポリエチレン樹脂、高密度ホモポリエチレン樹脂、直
鎖状ポリエチレン(エチレン・α−オレフィン共重合
体)樹脂及びエチレン・プロピレン共重合体樹脂等のポ
リオレフィン系樹脂である。特に結晶化度が高い結晶性
ポリオレフィン系樹脂が好ましく、有機造核剤の添加効
果が効果的に発揮されるので結晶化度は50%以上、好
ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上、最も
好ましくは90%以上のポリオレフィン系樹脂である。
【0154】これらのポリオレフィン系樹脂の分子量分
布(数平均分子量/数平均分子量)は物理強度確保と成
形性確保のバランスの点で 1.1〜20、好ましくは 1.3
〜15、特に好ましくは 1.5〜12であり、最も好まし
くは 1.8〜10である。有機造核剤の添加効果は、分子
量分布が小さい程発揮されることが今回判明した。従っ
て有機造核剤を含有する場合は分子量分布は 1.1〜1
0、好ましくは 1.3〜8、特に好ましくは 1.5〜6、最
も好ましくは 1.8〜5である。ここで分子量分布はGP
C法により重量平均分子量/数平均分子量で表される測
定された分子量より求める。分子量分布が 1.1未満では
物理強度は非常に優れ、射出成形品では寸法精度が優れ
るが射出成形性が悪化すると共に重合が困難で高価にな
る。分子量分布が20を越えるとこの逆になりいずれも
実用化困難である。
【0155】本発明のポリオレフィン系樹脂組成物に、
上記のジ−置換ベンジリデンソルビトール化合物を含ま
せることにより、物理強度、表面強度、表面硬度、剛
性、耐ブリードアウト性、無臭性、透明性、写真性、射
出成形性、寸法精度,耐摩耗性等の優れた写真感光材料
用射出成形品を提供することか出来る。
【0156】本発明の好ましい有機造核剤を含むポリオ
レフィン系樹脂組成物が上記の優れた効果を奏する理由
は必ずしも明らかでないが、従来のジベンジリデンソル
ビトールの製造原料であるベンズアルデヒド及び上記の
ジベンジリデンソルビトール誘導体の製造原料であるp
置換ベンズアルデヒド等のベンズアルデヒド誘導体には
臭気があって、共に精製後も不可避的にジベンジリデン
ソルビトール(誘導体)に微量残留して本発明の写真感
光材料用射出成形品の異臭の原因となること、及びジベ
ンジリデンソルビトール化合物が射出成形時の加熱によ
り若干分解を起こして異臭の原因となることが考えられ
る。これらのアルデヒド化合物は異臭だけでなく、写真
感光材料の写真性に悪影響を及ぼす(カブリ、感度異
常、発色異常、階調異常の発生)ので、これを防止する
のに各種酸化防止剤や脂肪酸金属塩やハイドロタルサイ
ト類化合物と併用することが好ましい。
【0157】各種の有機造核剤は、単独で用いても各種
の無機造核剤との併用、有機造核剤の2種以上を併用す
ることもできる。また、有機造核剤及び無機造核剤、も
しくはこれらの一方の表面を各種の脂肪酸、脂肪酸化合
物やシリコーン等の滑剤、カップリング剤、可塑剤、界
面活性剤等の前記各種の遮光性物質の表面被覆剤等を含
む分散剤や湿潤剤等で被覆することができる。特に好ま
しいのは高級脂肪酸と高級脂肪酸化合物(好ましいのは
高級脂肪酸金属塩)と可塑剤の1種以上で表面被覆した
ジベンジリデンソルビトール化合物である。
【0158】無機造核剤としては例えば、タルク,クレ
ー、マイカ、モンモリロナイト、べントナイト等の粘度
類、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、硫酸カル
シウム、硫酸バリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、水酸化バリウム、等の無機塩、酸化ナト
リウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、アルミ
ナ、酸化チタン、酸化鉄、酸化亜鉛等の金属塩化物等が
挙げられる。
【0159】これらの有機造核剤や無機造核剤の配合量
は樹脂組成物中に0.01〜5重量%、好ましくは0.
3〜3.5重量%、特に好ましくは0.06〜2重量
%、最も好ましくは0.1〜1重量%である。配合量が
0.01重量%よりも少ないと剛性、透明度、生産性、
耐熱性及び硬度などの向上がなく、また、その配合量を
5重量%より多くしても透明度や剛性などがそれ以上向
上せず、ブリードアウトや着色故障の発生が多くなり、
かつ、材料費増となるだけである。
【0160】造核剤の中で悪臭もなく、アルデヒド化合
物の発生が少なく写真感光材料の写真性に悪影響を与え
ず、造核効果が最も高く、成形サイクルを最も短縮可能
であり、射出成形故障の発生を最も減少できる等種々の
効果を発揮する点から下記の化学式で示されるソルビト
ール誘導体である。
【0161】
【化4】
【0162】1,3-2,4-ジ(4-メチルベンジリデン)ソル
ビトールが最も好ましい。市販品としては新日本理化K
KのゲルオールMD(商品名)等がある。
【0163】本発明の写真感光材料用射出成形品に含有
した酸化防止剤の効果を相乗的に高めるために、酸化防
止相乗効果剤を含有するのが好ましい。本発明の写真感
光材料用射出成形品に、酸化防止相乗効果剤を含有量が
0.0015〜11重量%、好ましくは 0.002〜10重量%、特に
好ましくは 0.003〜9重量%、最も好ましくは 0.005〜
8 重量%含まれるようにすることができる。いずれにし
ても樹脂や添加剤の熱や光劣化を防止できる最小量添加
することが写真性能を悪化させず、コストアップを抑制
する点からも好ましい。
【0164】上記酸化防止相乗効果剤は、上記酸化防止
剤やラジカル捕獲剤やハイドロタルサイト類化合物の1
種以上と併用することにより、樹脂や低分子量の添加剤
(滑剤や帯電防止剤や有機造核剤や防滴剤や相溶化剤
等)の熱劣化や熱分解を防止し、物理強度の低下や樹脂
の流動性が著しく変化したり、金型のゲート詰まりやシ
ョートショットやブツが発生するのを防止できる。さら
に写真感光材料に悪影響を及ぼす熱分解物質(アルデヒ
ド等)の発生を防止する。このような作用をする酸化防
止相乗効果剤としてはリン酸、クエン酸、リン酸化合
物、クエン酸化合物等がある。特にリン酸金属塩とクエ
ン酸金属塩が好ましい。
【0165】本発明の写真感光材料用射出成形品では、
太陽光下に放置されたり、長期間写真感光材料の品質を
良好に確保することを必須とされるので、酸化防止剤や
ラジカル捕獲剤や酸化防止相乗効果剤や老化防止剤と同
様、シングルサイト触媒を用いて重合製造した分子量分
布が1.1〜5の各種ポリオレフィン樹脂やホモポリス
チレン樹脂やゴム含有芳香族ビニル樹脂等の熱可塑性樹
脂の光劣化を防止する紫外線吸収剤を用いることが好ま
しい。本発明の写真感光材料用射出成形品に用いること
のできる紫外線吸収剤の代表例を以下に示す。
【0166】(1) サリチル酸化紫外線吸収剤 主要なものは次の通り。 Phenylsalicylate p-t-Butylphenylsalicylate p-Octylphenylsalicylate (2) ベンゾフェノン系紫外線吸収剤 主要なものは次の通り。 2,4-Dihydroxybenzophenone 2-Hydroxy-4-methoxybenzophenone 2-Hydroxy-4-octoxybenzophenone 2-Hydroxy-4-dodecyloxybenzophenone 2,2'-Dihydroxy-4-methoxybenzophenone 2,2'-Dihydroxy-4,4'-dimethoxybenzophenone 2-Hydroxy-4-methoxy-5-sulfobenzophenone (3) ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤 主要なものは次の通り。 2-(2'-Hydroxy-5'-methylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-5'-t-butylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-butylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-3'-t-butyl-5'-methylphenyl)-5-chloro
benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-butylphenyl)-5-chlorobenz
otriazole 2-(2'-Hydroxy-3',5'-di-t-amylphenyl)benzotriazole 2-(2'-Hydroxy-4'-octoxyphenyl)benzotriazole 2-[2'-Hydroxy-3'-(3",4",5",6"-tetrahydrophthal im
idemethyl)-5'-methylphenyl]-benzotriazole 2,2-Methylene-bis [4-(1,1,3,3-tetramethylbutyl)-6
-(2H-benzotriazole-2-il)phenol] (4) シアノアクリレート系紫外線吸収剤 2-Ethylhexyl-2-cyano-3,3'-di-phenylacrylate Ethyl-2-cyano-3,3'-diphenylate
【0167】この紫外線吸収剤の配合量は各種ポリオレ
フィン樹脂やホモポリスチレン樹脂やポリアミド樹脂や
ゴム含有芳香族ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂 100重量部
に対して0.01重量部以下では充分な紫外線吸収効果を与
えず10重量部以上とするとブリードアウトが発生し、写
真感光材料の写真性能に悪影響を与えるので、0.01〜10
重量部の範囲とする必要がある。好ましい範囲は0.05〜
5重量部であり、特に好ましい範囲は 0.1〜3重量部で
ある。
【0168】なお、これらの紫外線吸収剤はその2種以
上を組み合わせて使用してもよい。0.01重量部未満であ
ると、添加効果がほとんど発揮されずに、混練経費増と
なるだけである。また、添加量が10重量部を越えると写
真感光材料の写真性に悪影響を与え、且つ増量効果がほ
とんどなく、材料費が増加するうえにブリードアウトが
激しくなり実用化困難である。
【0169】本発明では、酸化防止剤やラジカル捕獲剤
や酸化防止相乗効果剤と同様、シングルサイト触媒を用
いて重合製造した分子量分布が 1.1〜5の各種ポリオレ
フィン樹脂やホモポリスチレン樹脂やゴム含有芳香族ビ
ニル樹脂等の熱可塑性樹脂のおかれた環境(熱、日光、
雨、オゾン、亜硫酸ガス等)及び時間の経過によって外
観(色、つや、ひび割れ等)、物理強度等が悪化する老
化現象を防止する老化防止剤を用いることが好ましい。
代表例はフェニル−β−ナフチルアミンなどのナフチル
アミン系、N−N’−ジフェニルエチレンジアミンなど
のジフェニルアミン系、N,N’−ジフェニル−p−フ
ェニレンジアミンなどのp−フェニレンジアミン系,6
−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒド
ロキナリンなどのヒドロキノン誘導体、2,6−ジ−第
三−ブチル−4−メチルフェノールなどモノフェノール
系、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)などのポリフェノール系、4,
4’−チオビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノ
ール)などのチオビスフェノール系、2−メルカプトベ
ンズイミダゾールなどが例示されるが、これらはそれぞ
れの必要特性や写真性に対する影響や老化防止効果に応
じて任意に配合される。
【0170】この老化防止剤の配合量は各種ポリオレフ
ィン樹脂やゴム含有芳香族ビニル樹脂等の熱可塑性樹脂
100重量部に対して0.01重量部以下では充分な老化防止
効果を与えず、10重量部以上とするとこの組成物に加硫
障害や著しいブリードアウトが発生するので、0.01〜10
重量部の範囲とする必要があるが、好ましい範囲は0.05
〜5重量部であり、特に好ましい範囲は 0.1〜3重量部
である。
【0171】また、本発明のシングルサイト触媒で重合
製造した分子量分布が 1.1〜5の熱可塑性樹脂30重量%
以上を含む熱可塑性樹脂組成物には、各種添加剤を添加
することができる。この添加剤の詳細については改訂増
補「最新顔料便覧」(昭和52年1月10日、(株) 誠文堂
新光社発行)や1994年版「新化学インデックス」(1993
年7月23日、化学工業日報社発行)や「 12394の化学商
品」(1994年1月26日、化学工業日報社発行)や「プラ
スチック データハンド ブック」(1984年4月5日、
(株)工業調査会発行)や「実用プラスチック用語辞典
第三版」((株)プラスチック・エージ発行)等各種文
献に記載された配合例(添加剤)の中から要求される特
性を満足すると共に写真感光材料に悪影響(写真性やブ
ロッキング等の物理的な故障等)を及ぼさないように種
類や添加料や他の配合剤との組み合わせによる無害化反
応等を利用したり、樹脂組成を検討することによりほと
んどの配合剤が本発明の写真感光材料用射出成形品にも
利用可能である。代表例を以下に記載するが本発明はこ
れらに限定されるものではない。
【0172】 A.第1分類(ニーズに対する性能別の分類) 1.加工用助剤 a.加工安定剤(酸化防止剤、熱安定剤) (PVC安定剤) b.流動制御剤(可塑剤、滑剤) c.保形助剤(離形剤、収縮防止剤) 2.改質配合剤 2−1 安定剤(寿命制御剤) a.酸化防止剤 b.耐光安定剤 c.難燃剤 d.生物安定剤(Biostabilizers) e.劣化修復剤 2−2 性能改質剤(物性制御剤) a.耐衝撃性改良剤 (各種エラストマー、ゴム、L−LDPE樹脂等) b.充填材、補強材 c.着色剤 d.可塑剤 e.発泡剤 f.架橋剤(有機酸化物) g.造核剤 2−3 機能改質剤(機能付与剤) a.導電剤、磁性剤 b.静電防止剤(帯電防止剤とも言う) c.蛍光白色剤 2−4 分解促進剤 a.生分解 b.光分解 c.熱分解 等
【0173】 B.第2分類(配合剤の持つ属性別の分類) 1.粉体改質剤 a.補強材/充填材 b.造核剤 c.加工助剤 d.粉/粉特殊構造体 2.反応改質剤 a.架橋剤 b.マクロモノマー c.安定剤(熱、光、放射線、生物) d.分解促進剤(生物、光、熱) 3.界面改質剤 a.カップリング剤 b.相溶化剤 c.可塑剤及び溶剤、可塑剤又は溶剤 4.高分子改質剤 a.加工性改良剤、性能改質剤 b.ポリマーアロイ、ブレンド(性能改質) 等
【0174】以上のような本発明の熱可塑性樹脂組成物
を用いて射出成形する時に、銀条、発泡、ウェルドライ
ン、ショートショット等思わぬトラブルの原因となるの
で、ISO 2053−76測定法(105度±2°
C、1時間乾燥)による熱可塑性樹脂組成物中の水分量
を好ましくは 1.0重量%、より好ましくは 0.7重量%以
下、特に好ましくは 0.5重量%以下、最も好ましくは
0.3重量%以下にして使用する(加熱したり、真空にし
たり、加熱真空にしたりして乾燥する)。
【0175】本発明の写真感光材料用射出成形品として
は、樹脂製写真フイルムパトローネ、写真ディスクフイ
ルム用カートリッジ、インスタントフイルムユニット、
レンズ付きフイルムユニット、写真フイルム用スプー
ル、遮光容器、写真フイルム用パトローネ、シート状又
はロール状写真感光材料の明室装填用遮光マガジン、巻
芯、写真フイルムカートリッジ、インスタントフイルム
パック、シートフイルム用マガジン、シートフイルム用
ホルダー、写真フイルム撮影用カメラ、写真感光材料現
像処理機、シートフイルムユニット等、完全遮光性や良
好な写真性を確保することを必須とする各種の写真感光
材料用射出成形品に本発明を適用できる。
【0176】本発明の写真感光材料用射出成形品の代表
例を文献名とともに以下に示すが、本発明はこれらに限
定されるものではない。 (1)写真ディスクフイルム用カートリッジ:実開昭6
0−21743号公報等 (2)レンズ付きフイルムユニット:特開昭63−22
6643号公報、特開平8−114891号公報、特開
平8−227122号公報等 (3)写真フイルム用スプール:特開平1−25103
0号公報、特開昭57−196218号公報、特開昭5
9−15049号公報、実開昭63−73742号公
報、米国特許第1930144号明細書、実開昭63−
73742号公報、実開昭54−120931号公報、
実開昭58−178139〜178145号公報、実公
昭55−31541号公報、特開昭58−203436
号公報、特開昭58−82237号公報、特開昭58−
82236号公報、実公昭44−16777号公報、実
開昭63−73742号公報、特開昭62−24095
7号公報、特開昭62−284355号公報、特開平4
−335638号公報、特開平8−110614号公
報、特開平8−118406号公報、特開平8−201
986号公報、英国特許第2,199,805号公開明
細書等
【0177】(4)写真フイルム(APS等)用パトロ
ーネ:特開昭54−111822号公報、特公昭45−
6991号公報、特公昭55−21089号公報、特開
昭50−33831号公報、特開昭56−87039号
公報、実開昭55−97738号公報、特開平1−31
2538号公報、特開昭57−190948号公報、特
開平4−273240号公報、特開平4−320258
号公報、特開平4−335344号公報、特開平4−3
35639号公報、特開平4−343353号公報、特
開平4−349454号公報、特開平8−122976
号公報、特開平8−179469号公報、特開平8−1
79470号公報、特開平8−179471号公報、特
開平8−179472号公報、米国特許第4,846,
418号明細書、米国特許第4,848,693号明細
書、米国特許第4,887,776号明細書等
【0178】(5)写真フイルムパトローネ用容器:特
開昭61−250639号公報、特開昭61−7394
7号公報、実開昭60−153451号公報、USP
4,801,011号明細書、特開昭63−12104
7号公報、特開昭62−291639号公報、実開平1
−113235号公報、実開平1−152337号公
報、実公平2−33236号公報、実公平3−4858
1号公報、特公平2−38939号公報、米国特許第
4,639,386号明細書、米国特許第4,801,
011号明細書、米国特許第4,979,351号明細
書、欧州特許第237,062号公開明細書、欧州特許
第280,065号公開明細書、欧州特許第298,3
75号公開明細書等
【0179】(6)巻芯、帯状感光材料用コア、リー
ル:実開昭60−107848号公報、米国特許第4,
809,923号明細書、英国特許第2,033,87
3号公告明細書等 (7)シートフイルムパック、シートフイルムパック及
びシートフイルムユニット:特開平5−341379号
公報、特開平8−110568号公報、特開平8−11
0569号公報、特開平8−201982号公報、特開
平8−201983号公報、特開平8−201984号
公報、特開平8−262557号公報、特開平8−26
2558号公報、特開平8−110570号公報等 (8)写真フイルムカートリッジ:実公昭56−166
10号公報、実開平2−24846号公報、実開平2−
29041号公報、実公昭60−120448号公報、
特開平1−312537号公報等 (9)写真フイルムケース:米国特許第4,779,7
56号明細書、実開昭54−100617号公報、実開
昭64−32343号公報、実開平1−94258号公
報、実開平2−56139号公報、欧州特許第242,
905号公開明細書、特公平2−54934号公報等
【0180】(10)インスタントフイルムパック:実
開昭61−41248号公報、特開昭50−33831
号公報、特開昭57−19048号公報、特開昭62−
240961号公報、特開平1−312538号公報、
特公昭57−190948号公報、特開平1−3125
38号公報、特開平7−159931号公報、特開平7
−159932号公報、特開平7−159933号公
報、実開昭55−97738号公報、米国特許第4,8
34,306号明細書、米国特許第4,846,418
号明細書、米国特許第4,887,776号明細書等等
【0181】(11)樹脂製写真フイルムパトローネ
(APS等):特開昭50−33831号公報、特開昭
57−190948号公報、特開平1−312538号
公報、特公昭45−6991号公報、特公昭55−21
089号公報、実開昭55−97738号公報、米国特
許第4,834,306号明細書、米国特許第4,84
6,418号明細書、米国特許第4,887,776号
明細書等
【0182】また、本発明の写真感光材料用射出成形品
が適用可能な写真感光材料を以下に示す。
【0183】(1)ハロゲン化銀写真感光材料(印刷用
フイルム、カラー又は白黒印画紙、カラー又は白黒ネガ
フイルム、印画紙マスター紙、拡散転写(DTR)感光
材料、電算写植フイルム及び電算写植ペーパー、マイク
ロフイルム、カラー又は白黒ポジフイルム、映画用フイ
ルム、自己現像型写真感光材料、直接ポジ型フイルム及
びペーパー等)
【0184】(2)熱現像感光材料(熱現像カラー感光
材料、熱現像白黒感光材料(例えば特公昭43−492
1号公報、同43−4924号公報、「写真光学の基
礎」銀塩写真編(1879年コロナ社刊行)の553〜
555頁及びリサーチ・ディスクロージャー誌 197
8年6月号9〜15頁(RD−17029)等に記載さ
れているもの。更に、特開昭59−12431号公報、
同60−2950号公報、同61−52343号公報や
米国特許第4,584,267号明細書に記載さされて
いる転写方式の熱現像カラー感光材料等))
【0185】(3)感光・感熱性記録材料(特開平3−
72358号公報等に記載されているフォトサーモグラ
フィー(感光・感熱画像形成方法)を用いた記録材料
等) (4)ジアゾニウム写真感光材料(4−モルフォリノベ
ンゼンジアゾニウムマイクロフイルム、マイクロフイル
ム、複写用フイルム、印刷用版材等) (5)アジド、ジアジド系写真感光材料(パラアジドベ
ンゾエード、4,4’ジアジドスチルベン等を含む感光
材料、例えば複写用フイルム、印刷用版材等)
【0186】(6)キノンジアジド系写真感光材料(オ
ルソーキノンジアジド、オルソーナフトキノンアジド系
化合物、例えばベンゾキノン(1,2)−ジアジド−
(2)−4−スルフォン酸フェニエーテル等を含む感光
材料、例えば印刷用版材、複写用フイルム、密着用フイ
ルム等) (7)フォトポリマー(ビニル系モノマー等を含む感光
材料、印刷用版材、密着用フイルム等) (8)ポリビニル桂皮酸エステル系感光材料(例えば印
刷用フイルム、ICレジスト等)
【0187】
【作用】本発明の写真感光材料用射出成形品では、シン
グルサイト触媒を用いて重合製造した熱可塑性樹脂を用
いるので物理強度やブロッキング防止性に優れる。滑剤
及び酸化防止剤を含むことで滑性及び酸化防止性を向上
している。熱可塑性樹脂をポリオレフィン樹脂にし、熱
可塑性樹脂と併用した時に相容性が優れ、射出成形性や
滑剤添加効果を発揮するようにしている。さらに造核剤
によって、結晶を成長させ、透明性や耐衝撃性、剛性、
硬度、寸法安定性などを向上させている。遮光性物質に
別の遮光性物質を含ませることにより遮光性を向上させ
ている。モース硬度の異なる2種以上、例えばモース硬
度がカーボンブラックより大きい遮光性物質を併用する
とカーボンブラックの分散性が一層向上し、遮光能力を
20%以上(カーボンブラックの含有量を略20%減量
しても略同等の遮光性を確保)向上させることができ
る。導電性物質を含むことで静電気障害を少なくでき
る。シンジオタクチックポリスチレン樹脂にして高結晶
性、高重合性が得られるようになり、耐熱性を向上させ
安価に重合製造できるようにしている。
【0188】
【発明の実施の形態】本発明の写真感光材料用射出成形
品の代表的な実施例を図1〜図11に基づいて説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0189】図1は、本発明の写真感光材料用射出成形
品としての写真フイルムパトローネ用容器の一部を構成
する蓋の平面図であり、図2は、前述した蓋を含め、本
発明としての写真感光材料用射出成形品とした写真フイ
ルムパトローネ用容器の全体の縦断面図である。写真フ
イルムパトローネ用容器10は、容器本体11とその上
部に嵌め付けられる蓋12とからなり、容器本体11に
収納した後述するアドバンストフォトシステム(以後A
PSと表示)用の樹脂製写真フイルムカートリッジ90
や従来の135タイプの写真フイルムパトローネ等を塵
埃や水及び写真性に開く影響を及ぼす各種のガス(亜硫
酸ガス、ホルマリン酸ガス、アセトアルデヒドガス、硫
黄ガス、酸素、シアンガス、塩素ガス等)や水分等から
保護するものである。なお図1及び図2中の符号14は
ゲート(樹脂注入口)を示している。
【0190】図1に示す蓋12に用いる熱可塑性樹脂組
成物(実施例1a〜6a、比較例1a〜6a)の組成内
容及び各樹脂の特性比較を以下の表5及び表6に示す。
【0191】表5及び表6に示すエチレン系樹脂(LD
1,LD2,L−L1,L−L2,M1,M2,M3)
は以下のとおりである。 LD1,LD2;従来の高圧ラジカル重合法により製造
した分岐状低密度ホモポリエチレン樹脂(以後LDPE
樹脂と表示する) L−L1,L−L2;従来のマルチサイト触媒を用いる
重合法により製造したエチレン−ブテン−1共重合体樹
脂 M1,M2;本発明のシングルサイト触媒を用いる重合
法により製造したエチレン−ブテン−1共重合体樹脂 M3;本発明のシングルサイト触媒を用いる重合法によ
り製造した低密度ポリエチレン樹脂 なお、表5及び表6における単位は樹脂合計100重量
部に対する量を重量部で示している。これらのエチレン
系樹脂の各々について、ASTM D 1238のE条
件で測定したメルトフローレート(MFR)と、GPC
法で測定した分子量分布(重量平均分子量Mw(AV)/数
平均分子量Mv(AV))とを表7に示している。
【0192】
【表5】
【0193】
【表6】
【0194】
【表7】
【0195】射出成形品の特性の試験評価は以下のとお
りである。 ◎;非常に優れる、○;優れる、●;実用限度、▲;改
良必要、×;実用化不可 射出成形品の特性の試験方法は以下のとおりである。 (A)射出成形性;成形サイクル、射出成形機のモータ
ー負荷、樹脂ペレットや射出成形品のブロッキング防止
性、成形品の搬送性等の総合適性より判断。 (B)透明度;ASTM D 1003に準ずる。 (C)寸法安定性;金属寸法との差(成形収縮、変形に
よる差)より判断。 (D)成形故障防止性;樹脂焼け、ショートショット、
バリ、ガス焼け等の射出成形故障の発生の多少により判
断。 (E)防湿性;図2に示す同一の容器本体11に吸湿剤
(シリカゲル)を5g入れて各試験品の蓋12で密封し
た後、50°C、90%RHの恒温恒湿室に1月放置し
た時の吸湿による重量増加より判断。 (F)その他の優れた特性;特に優れた特性を成形時ま
たは低温倉庫(10°C)に長時間(6ケ月)保管後、
常温(20°C、60%RH)に取り出した時の状態か
ら判断。 (G)写真性;各試験品のISO感度400のフジカラ
ーネガ写真フイルムに対する写真性(カブリ、感度変
化、階調変化、発色変化)の影響程度によって判断。 ところで、実施例(1a〜6a)と比較例(1a〜6
a)を比べると、実施例(1a〜6a)のものが、本発
明の樹脂と各種添加剤とが効果的に配合されているので
優れており、いずれも実用可能であり、実施例1a〜6
aのうち、4aを除く他のものと比較例1aは防湿性と
帯電防止性とが優れていた。ところが、比較例(1a〜
6a)は実用化に際して数多くの問題点がある。例え
ば、比較例の2a,3a,5a,6aは変形が発生する
ため寸法安定性が低く要改良である。また、比較例の2
a〜6aは樹脂焼けを生じ成形故障防止性が低く実用化
不可である。また、比較例2a,3a,5a,6aは防
湿性の試験中に変形を生じるため、改良が必要である。
【0196】図3(A),(B)は、本発明としての写
真感光材料用射出成形品としての写真フイルムパトロー
ネ用容器の別の構成を示す。写真フイルムパトローネ用
容器30は容器本体31とその上部に嵌め付けられる蓋
32とからなる。写真フイルムパトローネ用容器35は
容器本体36とその上部に嵌め付けられる蓋37とから
なる。なお図3の符号34はゲート(樹脂注入口)を示
している。
【0197】図3に示す容器本体31に用いる熱可塑性
樹脂組成物(実施例1b〜8b、比較例1b〜8b)の
組成内容及び各樹脂の特性は以下に示す表8及び表9の
とおりである。
【0198】熱可塑性樹脂組成物(実施例1b〜8b、
比較例1b〜4b)を構成する表8及び表9記載のエチ
レン系樹脂(LD3,L−L3,M4,M5及びプロピ
レン系樹脂M6,M7,P1)は、以下のとおりであ
る。 LD3;従来のマルチサイト触媒を用いる重合法により
製造した密度が0.951 g/cm3 と0.958 g/cm
3 の高密度ホモポリエチレン樹脂(以後HDPE樹脂と
表示) L−L3;従来のマルチサイト触媒を用いる重合法によ
り製造したエチレン−ブテン−1共重合体樹脂(以後L
−LDPEと表示) M4;本発明のシングルサイト触媒を用いる重合法によ
り製造したエチレン−ブテン−1共重合体樹脂(以後L
−LDPEと表示) M5;本発明のシングルサイト触媒を用いる重合法によ
り製造した高密度ホモポリエチレン樹脂(以後HDPE
と表示) M6;本発明のシングルサイト触媒を用いる重合法によ
り製造したプロピレン・エチレンランダム共重合樹脂 M7;本発明のシングルサイト触媒を用いる重合法によ
り製造したホモポリプロピレン樹脂 P1;従来のマルチサイト触媒を用いる重合法により製
造したプロピレン・エチレンランダム共重合樹脂 なお、表8及び表9における単位は樹脂合計100重量
部に対する量を重量部で示している。これらのエチレン
系樹脂の各々について、ASTM D 1238のE条
件(但しP1 のみL条件)で測定したメルトフローレー
ト(MFR)と、GPC法で測定した分子量分布(重量
平均分子量Mw(AV)/数平均分子量Mv (AV))を表10
に示している。
【0199】
【表8】
【0200】
【表9】
【0201】
【表10】
【0202】射出成形品の特性の試験評価は以下の通り
である。 ◎;非常に優れる、○;優れる、●;実用限度、▲;改
良必要、×;実用化不可 射出成形品の特性の試験方法は以下のとおりである。 (H)写真性;各試験品のISO感度400のフジカラ
ーネガ写真フイルムに対する写真性(カブリ、感度変
化、階調変化、発色変化)の影響程度により判断。 (I)透明度;白紙に太さ0.5mm、間隙2mmの黒線で
描いた平行線から容器本体31を遠ざけていった時に、
平行線として判別できなくなる距離から判断。距離が大
きい程透明度大である。 (J)成形故障防止性;樹脂焼け、ショートショット、
バリ、変形、ガス焼け等の射出成形故障の発生の多少に
より判断。 (K)外観;容器本体31の外観を目視観察して着色故
障、つや、スリ傷等の発生程度により判断。 (L)射出成形性;成形サイクル、射出成形機のモータ
負荷、樹脂ペレットや射出成形品のブロッキング防止
性、成形品の搬送性等の総合適性より判断。 (M)防湿性;図2に相当する各試験品の容器本体11
内に吸湿剤(シリカゲル)を5g入れて同一の蓋12で
密封した後、50°C、90RHにした恒温恒湿室に1
日放置した時の吸湿による重量増加より判断。 なお、実施例(1b〜8b)と比較例(1b〜4b)と
を比較すると、(H)〜(M)のすべての試験で、本発
明の樹脂と添加剤とを効果的に含んだ実施例(1b〜8
b)が優れ、実用可能である。比較例(1b〜4b)は
実用化に際して数多くの問題点がある。例えば、比較例
1bは試験中に変形を生じて防湿性が悪化するのがわか
った。
【0203】また、上述した本発明の実施例3bの樹脂
組成物Aと、比較例1b,比較例2bの樹脂組成物B,
Cを用いて、図12に示す成形プログラム(射出速度パ
ターン)で、写真フイルムパトローネ用容器の容器本体
を住友重機製「ネスタール(商品名)」成形機(型締圧
150トン)を用いて射出成形した。金型の壁面温度を
260°Cとし、金型キャビティーへの溶融樹脂の充填
が完了(スクリューのストロークは160mm)した後、
冷却固化に伴う成形品の収縮を補うために40kg/cm2
の圧力で0.6秒間保圧後、冷却してから射出成形品
(容器本体)を金型から取り出した。その結果を金属顕
微鏡で観察した。
【0204】容器本体の底の略中心に設けたゲート(樹
脂注入口)から溶融樹脂をキャビティーに多段速度制御
(キャビティーに充填させる速度(射出速度)を最初、
高速にし、キャビティー末端付近に充填する最後に、最
小の射出速度で樹脂を流入させる)を行って充填する。
多段速度制御とすることが、成形故障(ショートショッ
トやウェルドラインやバリの発生)をなくし、無人連続
射出成形を可能にする点で特に好ましい。以下、樹脂組
成物A〜Cの射出速度と射出時間を示す。 (射出速度) (射出時間) 樹脂組成物A 約220mm/秒 約0.5秒 樹脂組成物B 約100mm/秒 約1.6秒 樹脂組成物C 約60mm/秒 約2.6秒
【0205】ところで、射出成形後の容器本体の内壁を
金属顕微鏡で観察した結果、本発明の実施例3bの樹脂
組成物Aでは良好な品質であった。これに対し、比較例
1bの樹脂組成物B、比較例2bの樹脂組成物Cではウ
ェルドライン(溶融樹脂の流れが分かれた後、再び合流
するところに発生する細い線)や、フローマーク(溶融
樹脂がキャビティー内が流れるとき、成形表面にリング
状や波状の流れ模様を発生する現象)を多発していた。
本発明の実施例3bの樹脂組成物Aを用い、射出速度を
射出成形初期には高速で95%以上の樹脂をキャビティ
ーに充填後、最後に射出速度を低速にすることで、上述
した各種添加剤を配合しているため、成形時間が短くて
も成形故障のない、良好な品質の写真感光材料用射出成
形品を得ることができ、良好な射出成形性を得ているこ
とが表1からわかる。
【0206】図4は、本発明の写真感光材料用射出成形
品としての新写真システム(アドバンストフォトシステ
ムとも言う、以後APSと表示)用の樹脂製写真フイル
ムパトローネの側面図を示し、図5は分解斜視図を示す
ものである。このAPS用の樹脂製写真フイルムパトロ
ーネ(以後、端に樹脂製写真フイルムパトローネと表
示)は、写真フイルムのベロまでもパトローネ本体内に
収納しており、スプールの回転によって写真フイルムの
送り出しを可能にしたことを最大の特徴とするものであ
る。
【0207】樹脂製写真フイルムパトローネ40は、パ
トローネ本体を構成する上ケース41a、下ケース41
bと、その中に回転自在に組み込まれるスプール42
と、後端43aをスプール42に係止してスプール42
に巻きつけられる写真フイルム43とからなり、写真フ
イルム43を除いた各部品を本発明の写真感光材料用射
出成形品としている。スプール42は、スプール軸42
aに、外周縁が互いに向き合う方向に屈曲し、この屈曲
部分でスプール42に巻かれた写真フイルム43の最外
周を抑えて巻き緩みを防ぐ一対のディスク42b,42
cを固定し、スプール軸42aの回転止めとして作用す
る係止歯42dと、ディスク42cに外側から係合し、
スプール42をフイルム送り出し方向(図中時計方向)
に回転したときにのみディスク42cを同方向に回転さ
せる係止爪42eとを一体に設けた抑え環42fが固定
される。
【0208】下ケース41bには遮光蓋44とロックレ
バー45とが組み込まれる。遮光蓋44は、上下ケース
41a,41bを結合したときの合わせ目に形成される
フイルム通路内に位置し、フイルム通路を光密に閉じる
遮蔽位置とフイルム通路を開放する開放位置との間で回
転自在である。ロックレバー45は、遮光蓋44が遮蔽
位置にあると係止歯42dに係合してスプール軸42a
の回転を禁止し、遮光蓋44が開放位置に回動するとこ
の係止を解除してスプール軸42aの回転を可能とす
る。符号46は写真フイルム43の品種,撮影可能枚数
などを印刷したラベルシールで、上下ケース41a,4
1bを結合した後に貼付される。
【0209】図4及び図5の樹脂製写真フイルムパトロ
ーネに用いた熱可塑性樹脂組成物(実施例1C〜5C、
比較例1C,2C)を表11に示す。
【0210】表11記載のスチレン系樹脂(PS1 ,P
2 ,M8 ,M9 )は、以下のとおりである。 PS1 ;従来のラジカル重合法により製造したホモポリ
スチレン樹脂(以後GPPSと表示) PS2 ;従来のラジカル重合法により製造したスチレン
・ブタジエン共重合体樹脂(以後HIPSと表示) M8 ;本発明のシングルサイト触媒を用いる重合法によ
り製造したホモポリスチレン樹脂 M9 ;本発明のシングルサイト触媒を用いる重合法によ
り製造したスチレン・ブタジエン共重合体樹脂 なお、表11の単位は樹脂合計100重量部に対する量
を重量部で示している。
【0211】
【表11】 ※5cの分子量分布は、上段にM8 を含む場合の値を示し、下段にM9 を含む 場合の値を示している。
【0212】射出成形品の特性の試験評価は以下の通り
である。 ◎;非常に優れる、○;優れる、●;実用限度、▲;改
良必要、×;実用化不可 表11に示す射出成形品の特性の試験方法を以下に示
す。 (N)写真性;各試験のISO感度400のフジカラー
ネガ写真フイルムに対する写真性(カブリ、感度変化、
階調変化、発色変化)の影響程度により判断。 (O)射出成形性;成形サイクル、射出成形機のモータ
負荷、樹脂ペレットや射出成形品のブロッキング防止
性、成形品の搬送性等の総合適性より判断。 (P)耐熱性;変形開始温度により判断。 (Q)カーボンブラックの分散性;ミクロトームで切断
した薄肉片を電子顕微鏡で観察し判断。 (R)外観;つや、光沢ムラ、スリ傷、銀条、ウェルド
ライン、フローマーク等樹脂製写真フイルムパトローネ
の外観を目視観察により判断。 (S)耐化学薬品性;トルエン、キシレン、ベンゼン、
ガソリン、アセトンに23°Cで7日間浸漬した後の表
面状態を目視観察により判断。 (T)遮光能力;厚さ50μmに圧延したシートを、光
透過性がISO感度400のカラーネガ写真フイルムに
重ね、密着度8万ルクスの光を10分照射後、カラーネ
ガ写真フイルムを現像し、その光カブリ程度により判
断。 (U)塵付着防止性;テトロン布で5回摩擦した後、タ
バコの吸殻から5cm離れた位置にした時に、樹脂製写真
フイルムパトローネに付着したタバコの吸殻の量を目視
観察により判断。 (V)リサイクル適性;5回繰り返しリサイクルした時
の物性低下及び外観悪化程度により判断。
【0213】図6は、本発明の写真感光材料用射出成形
品としてのレンズ付きフイルムユニットの分解斜視図を
示すものである。レンズ付きフイルムユニットは、予め
写真フイルムを装填して販売され、誰にでも手軽に撮影
を可能とするとともに、そのほとんどの部品を本発明の
樹脂組成物を用いて、優れた耐熱性・耐衝撃性とともに
良好なリサイクル及びリユース性を得るものである。
【0214】レンズ付きフイルムユニット60は、簡単
な撮影機構及びフイルム巻き止め機構等を組み込んだ本
体基部61の前面を覆って前カバー62を組み付け、本
体基部61に形成したパトローネ室61a及びフイルム
ロール室61bのそれぞれに、パトローネ50とそこか
ら引き出してロール状にした写真フイルム63とを収納
後、本体基部61の背面側に後カバー65を組み付け
て、パトローネ室61a及びフイルムロール室61bを
光密に塞ぎ、これを装飾用の印刷が施された紙箱や、粘
着ラベルで包装したものが市販されている。ここでは、
後に図示して説明する樹脂製写真フイルムパトローネ5
0(APS)を内蔵するタイプを図示しているが、従来
から広く一般に知られている135タイプの写真フイル
ムパトローネを内蔵したものでもよい。またフイルムロ
ール室61bに巻き軸を設けたものでもよい。
【0215】図6のレンズ付きフイルムユニットに用い
た熱可塑性樹脂組成物(実施例4c、比較例2c)を構
成する表11記載のスチレン系樹脂(PS2 ,M9
は、上記樹脂製写真フイルムパトローネの実施例に用い
たスチレン系樹脂と同一である。
【0216】以下に、その他の本発明の写真感光材料用
射出成形品の例を説明する。図7は、本発明の写真感光
材料用射出成形品としての明室装填用のシート状写真フ
イルムを複数枚遮光時に収納したフイルムパック及びそ
れに用いるパックホルダの斜視図である。フイルムパッ
ク70は、シース71aにシートフイルム71bを収納
したシートフイルムユニット71を樹脂製のパック本体
72に複数枚重ねて収納したもので、カメラに取り付け
られるパックホルダ75に装填して用いられる。パック
本体72には、最上層に積層されたシートフイルム71
bに露光を与えるための開口72aが形成されており、
内部に開口72aを開閉する引蓋76が設けられてい
る。またパック本体72内には、シートフイルムユニッ
ト71を背面側から開口72aに向けて押圧するバネ部
材(図示せず)が設けられている。
【0217】フイルムパック70をパックホルダ75に
装填し、パックホルダ75の蓋77を閉じると、パック
本体72の開口72aが蓋77に形成された露光開口7
7aから露呈する。フイルムパック70の引蓋76を所
定位置まで引くと、最上層のシートフイルムユニット7
1が開口72aから押し出され、蓋77の露光開口77
aを塞ぐ露光位置に移動する。
【0218】そして引蓋76を元の位置に戻すと、引蓋
76は最上層のシートフイルムユニット71と次のシー
トフイルムユニットとの間に挿入される。この後、撮影
操作を行ってから引蓋76を引くと、パックホルダ75
の内側に設けられた中枠78がパック本体72を保持し
た状態で引き出される。このとき、露光済みのシートフ
イルムユニット71は露光位置に停止したままであるか
ら、パック本体72が引き出されると、この露光済みシ
ートフイルムユニット71が蓋77の内壁に設けられた
4個の板バネ79によってパックホルダ75の背面内壁
に向かって押しつけられる。
【0219】続いて引蓋76を元の位置に押し戻すと、
中枠78とともにパック本体72がパックホルダ75内
の元の位置に戻る。このとき露光済みのシートフイルム
ユニット71が、パック本体74の移動方向に対して下
側の側壁に形成された開口72bからパック本体72内
に入り込み、積層されたシートフイルムユニット71の
最下層に収納される。以上の操作を繰り返すことによ
り、パック本体72に収納されている全てのシートフイ
ルムユニット71を連続的に撮影することができる。
【0220】図8は本発明の写真感光材料用射出成形品
としてのシートフイルムホルダを示すものである。シー
トフイルムホルダ80は、前述したようなシート状フイ
ルムを樹脂製のパック本体81の圧板83上に複数枚重
ねて収納した後、パック本体81の上部に開口82aを
備えるカバー部材82を組み込むもので、最上層のシー
トフイルムユニットが圧板83によって開口82aに押
しつけられるものである。
【0221】図9は、本発明の写真感光材料用射出成形
品としての角型をした身蓋一体型の写真フイルム用ケー
スの断面図であり、マイクロフイルム等を収納するもの
である。この写真フイルム用ケース91は、容器本体
(身)92と蓋93とが一体成形品でできている。
【0222】図10は、本発明の写真感光材料用射出成
形品としての写真フイルムカートリッジ100の分解斜
視図である。これは、110(通称、ワンテン)タイプ
の写真フイルム104を内蔵したカートリッジ式のもの
である。この写真フイルムカートリッジ100は、下部
ケース101及び上部ケース102と、これらに装填さ
れるスプール103、写真フイルム104及び写真フイ
ルム104とともに巻かれる遮光紙105とで構成され
ている。
【0223】図11は、本発明の写真感光材料用射出成
形品としての写真フイルム用スプールの正面図である。
写真フイルム用スプール110は、巻き軸111と、そ
の両端部に設けられた一対の円板(フランジと一般に呼
ばれる)112,112とからなる一体成形品である。
巻き軸111の軸方向に沿って伸びたスリット穴113
に写真フイルムの一端を差し込んで、スリット穴113
の内壁に設けた係合爪114に係止させてロール状に巻
き付けて使用するものである。この写真感光材料用射出
成形品としては、熱可塑性樹脂組成物中に1種以上の造
核剤や、1種以上の遮光性物質を含んだものが好まし
い。造核剤を熱可塑性樹脂中に含むと、透明性や耐衝撃
性、剛性、硬度、寸法安定性等を向上させることができ
る。また、遮光性物質を添加すると、写真感光材料にカ
ブリを発生させることなく、感光度の増減の発生が少な
くなる。遮光性物質としては、形状の異なる2種以上
や、モース硬度の異なる2種以上を含むようにすればよ
り好ましい。また、熱可塑性樹脂組成物中に導電性物質
を含むませて、静電気障害を少なくするのも好ましい。
熱可塑性樹脂をシンジオタクチックポリスチレン樹脂と
して、耐熱性を向上させ安価に重合製造できるようにす
ることも好ましい。
【0224】
【発明の効果】本発明の写真感光材料用射出成形品で
は、安価で写真感光材料の写真性に悪影響を与えること
なく、写真感光材料用射出成形品として必要な種々の特
性(耐油性、耐有機溶剤性、耐熱性、無味・無臭・無
毒、耐吸湿性、射出成形性、寸法安定性、表面硬度及び
耐破壊性等)を兼ね備え、しかも安価で写真性に悪影響
を及ぼすことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出成
形品としての写真フイルムパトローネ用容器の一部を構
成する蓋の平面図である。
【図2】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出成
形品としての写真フイルムパトローネ用容器全体の縦断
面図である。
【図3】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出成
形品としての写真フイルムパトローネ用容器の別の例で
ある。
【図4】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出成
形品としての樹脂製写真フイルムカートリッジ(AP
S)の概略図である。
【図5】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出成
形品としての樹脂製写真フイルムカートリッジ(AP
S)の分解斜視図である。
【図6】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出成
形品としてのレンズ付きフイルムユニットの分解斜視図
である。
【図7】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出成
形品としてのフイルムパック及びパックホルダの斜視図
である。
【図8】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出成
形品としてのシートフイルムホルダの別の斜視図であ
る。
【図9】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出成
形品としての身蓋一体型の写真フイルム用ケースの断面
図である。
【図10】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出
成形品としての写真フイルムカートリッジの分解斜視図
である。
【図11】本発明の実施例に係わる写真感光材料用射出
成形品としての写真フイルム用スプールの正面図であ
る。
【図12】容器本体の成形プログラムの説明図である。
【符号の説明】
10,30,35 写真フイルムパトローネ用容器 11,31,36 容器本体 12,32,37 蓋 40,50 樹脂製写真フイルムカートリッジ(AP
S) 60 レンズ付きフイルムユニット 70 フイルムパック 75 パックホルダ 80 シートフイルムホルダ 91 (身蓋一体型)写真フイルムパトローネ用ケース 100 写真フイルムカートリッジ 110 写真フイルム用スプール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 3/00 590 G03C 3/00 590H

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シングルサイト触媒を用いて重合製造し
    た分子量分布が1.1〜5.0の熱可塑性樹脂30重量
    %以上と、滑剤及び酸化防止剤を少なくとも含む熱可塑
    性樹脂組成物を用いて射出成形したことを特徴とする写
    真感光材料用射出成形品。
  2. 【請求項2】 該シングルサイト触媒を用いて重合した
    分子量分布が1.1〜5.0の該熱可塑性樹脂がポリオ
    レフィン樹脂であり、該熱可塑性樹脂組成物中に無機造
    核剤または有機造核剤の1種又は2種以上を含むことを
    特徴とする請求項1記載の写真感光材料用射出成形品。
JP32314996A 1996-12-03 1996-12-03 写真感光材料用射出成形品 Pending JPH10161274A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32314996A JPH10161274A (ja) 1996-12-03 1996-12-03 写真感光材料用射出成形品
US08/982,516 US6013723A (en) 1996-12-03 1997-12-02 Injection molded article used with a photosensitive material

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32314996A JPH10161274A (ja) 1996-12-03 1996-12-03 写真感光材料用射出成形品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10161274A true JPH10161274A (ja) 1998-06-19

Family

ID=18151638

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32314996A Pending JPH10161274A (ja) 1996-12-03 1996-12-03 写真感光材料用射出成形品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10161274A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6013723A (en) Injection molded article used with a photosensitive material
US5814697A (en) Color masterbatch resin composition for packaging material for photographic photosensitive material and packaging material
EP0717079B1 (en) Injection molded article for photographic photosensitive material, molding method thereof and package using the same
US6069196A (en) Molded articles for photographic photo-sensitive materials
EP0622412B1 (en) Molded article for photographic photosensitive material, molding method and package
JP3055586B2 (ja) 写真フィルム用容器の製造方法
JP3777057B2 (ja) 感光材料用包装材料及びその製造方法並びにそれを用いた感光材料包装体
JP2002072419A (ja) 写真感光材料用射出成形品のリサイクル方法及び写真感光材料用リサイクル部品
JPH10254092A (ja) 写真感光材料用射出成形品
JPH1115112A (ja) 写真感光材料用射出成形品及びその製造方法
JPH07295150A (ja) 写真感光材料用包装材料及びそれを用いた包装体
JPH08254793A (ja) 感光材料用包装材料及びそれを用いた感光材料包装体
JPH10161274A (ja) 写真感光材料用射出成形品
JPH0667357A (ja) 写真感光材料用成形品及びそれを用いた写真感光材料包装体
JPH07287353A (ja) 写真感光材料用包装材料及びその製造方法並びに写真感光材料包装体
JPH0980693A (ja) 写真感光材料用成形品及びそれを用いた写真感光材料包装体
JP2002082418A (ja) 写真感光材料用射出成形品のリサイクル方法
JPH06130565A (ja) 写真感光材料用成形品
JP3244236B2 (ja) 写真感光材料用遮光性成形体及びその製造方法
JPH0822102A (ja) 写真感光材料用成形品及び写真感光材料包装体
JPH10254094A (ja) 写真感光材料包装用射出成形品
JP3055582B2 (ja) 写真感光材料用成形品及びそれを用いた写真感光材料包装体
JPH06295021A (ja) 写真感光材料包装用フィルム及びその製造方法並びにそれを用いた包装体
JPH0553250A (ja) 写真フイルム用容器
JP3726984B2 (ja) 写真感光材料用成形品及びその成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040422

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040512

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050316