JPH10161054A

JPH10161054A - 光偏向走査装置

Info

Publication number: JPH10161054A
Application number: JP8340573A
Authority: JP
Inventors: Koichi Kitagami; 浩一北上; Youko Goka; 洋子五箇
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1996-12-05
Filing date: 1996-12-05
Publication date: 1998-06-19

Abstract

(57)【要約】【課題】回転多面鏡の軸受部から光学箱に侵入する外
気のために回転多面鏡が汚染されるのを防ぐ。【解決手段】回転多面鏡１は回転軸３と一体的に回転
し、図示しない光源装置から発生されたレーザ光を偏向
走査する。回転多面鏡１が回転すると、回転軸３を回転
支持するボールベアリング２の開口から光学箱９内に外
気が侵入し、外気に含まれる塵埃によって回転多面鏡１
の鏡面１ａが汚染される。そこで、ボールベアリング２
の開口にフィルタ１１を取り付けて、侵入する外気の塵
埃を捕捉することで、回転多面鏡１の汚染を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、レーザビームプリ
ンタやレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられ
る光偏向走査装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】レーザビームプリンタやレーザファクシ
ミリ等の画像形成装置に用いられる光偏向走査装置は、
一般的に、光源ユニットから発生されたレーザ光をシリ
ドリカルレンズによって回転多面鏡の鏡面に線状に集光
し、回転多面鏡の回転によって偏向走査し、結像レンズ
系を経て回転ドラム上の感光体に結像させる。結像レン
ズ系は球面レンズ、トーリックレンズ等によって構成さ
れ、前記感光体に結像する点像の歪を補正する機能を有
する。また、偏向走査されたレーザ光の一部分は検出ミ
ラーによって光ファイバの受光端に導入され、走査開始
信号に変換されて光源ユニットに送信される。回転多面
鏡や結像レンズ系等は光学箱の内部に収容され、光学箱
の上部開口は、回転多面鏡や結像レンズ系等を光学箱内
に組み付けたうえで、ふた部材によって閉塞される。

【０００３】近年では光偏向走査装置の高速化が進み、
回転多面鏡の回転速度が１０，０００ｒｐｍを越えるも
のも開発されている。

【０００４】図４は一従来例による光偏向走査装置の主
要部を示すもので、これは、レーザ光を反射する回転多
面鏡１０１と、ボールベアリング１０２を介して支承さ
れた回転軸１０３と、これと一体であるフランジ部材１
０４に一体的に結合されたロータ１０５と、モータ基板
１０６に固定されたステータ１０７を有し、回転多面鏡
１０１は押えバネとバネ押さえと止め金からなる弾性押
圧機構１０８によってフランジ部材１０４に押圧され
て、回転軸１０３やロータ１０５と一体化される。

【０００５】光学箱Ｈ₀ の底部に配設されたモータ基板
１０６上の駆動回路から供給された駆動電流によってス
テータ１０７が励磁されると、ロータ１０５が回転多面
鏡１０１とともに高速度で回転し、回転多面鏡１０１に
照射されたレーザ光を偏向走査する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、前述のように回転多面鏡１０１が高速
回転すると、回転多面鏡１０１の外周面には相対的に回
転方向と逆向きの空気流が発生し、図５に示すように、
回転多面鏡１０１の鏡面１０１ａの間に形成される稜角
１０１ｂの回転方向上流側においては、矢印Ａ₀ で示す
ような渦流となり、これが各稜角１０１ｂの上流側の鏡
面１０１ａに激しくぶつかって空気中の塵埃を付着させ
る。その結果、図６に示すように各稜角１０１ｂの近傍
から鏡面１０１ａの中央にかけて汚れＸ₀ が付着し、各
鏡面１０１ａの有効部Ｂ₀ の反射率を低下させる。この
ために、感光体上で光量ムラが発生したり、時間の経過
とともに光量全体が不足する等のトラブルを招く。

【０００７】近年では、光偏向走査装置がより一層高速
化される傾向にあり、回転多面鏡の回転速度の増加とと
もに鏡面の汚染も急速に進行する。このために、画像形
成装置において鮮明な画像を得られる期間が短くなっ
て、光偏向走査装置全体が短命化したり、あるいは、回
転多面鏡の交換や、鏡面の清浄化等のメンテナンスを頻
繁に行なう必要性が生じ、メンテナンスフリーが不可能
となる。

【０００８】このような回転多面鏡の汚染を避けるため
に、回転多面鏡や結像レンズ系を収容する光学箱の上部
開口をふた部材によって閉塞し、塵埃等が浮遊する外気
が光学箱内に流入しないように工夫されているが、回転
多面鏡の回転軸を回転支持するボールベアリング等の軸
受部から多量の外気が光学箱内に吸引され、上記のトラ
ブルを引き起こすのを防ぐことができないという未解決
の課題がある。

【０００９】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであり、外気の侵入による
回転多面鏡の鏡面の汚染を防ぎ、回転多面鏡を交換した
り鏡面の清浄化等を行なう頻度を低減し、長期間メンテ
ナンスフリーであってしかも高性能な光偏向走査装置を
提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光偏向走査装置は、光ビームを反射する回
転多面鏡と、これを回転させる駆動手段と、前記回転多
面鏡を収容する光学箱と、前記回転多面鏡の軸受部を通
って前記光学箱に侵入する外気を清浄化する清浄化手段
を有することを特徴とする。

【００１１】清浄化手段が、軸受部の回転軸の直径に等
しい内径を有する円形穴を有するとよい。

【００１２】清浄化手段が、軸受部に複数個設置されて
いるとよい。

【００１３】清浄化手段が、その剛性を強化する補強手
段を有するとよい。

【００１４】

【作用】回転多面鏡が回転すると、そのまわりに発生す
る空気流が回転多面鏡の鏡面にぶつかって、該空気流に
含まれる塵埃等が鏡面に付着する。このような鏡面の汚
染は、反射率の低下による画質劣化を招くため、早期に
光偏向走査装置全体を交換したり、あるいは回転多面鏡
の鏡面を清浄化するメンテナンスを頻繁に行なう必要性
を生じる。特に、回転多面鏡の回転によってその軸受部
から光学箱内に多量の外気が吸引されると、回転多面鏡
の鏡面が著しく汚染される傾向がある。

【００１５】そこで、回転多面鏡の軸受部の開口にフィ
ルタ等の清浄化手段を配設し、ここを通って光学箱内に
流入する外気中の塵埃等を捕捉する。

【００１６】回転多面鏡のまわりに発生する空気流が清
浄化手段によって清浄化されたものであるため、回転多
面鏡の鏡面にぶつかってもこれを著しく汚染するおそれ
はない。これによって回転多面鏡の汚染を防ぎ、長期間
メンテナンスフリーであってしかも高性能な光偏向走査
装置を実現できる。

【００１７】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。

【００１８】図１は一実施例による光偏向走査装置の主
要部を示す断面図であって、これは、光ビームであるレ
ーザ光を反射する鏡面１ａを備えた回転多面鏡１とこれ
を回転させる駆動手段であるである駆動部を有し、該駆
動部は、軸受部であるボールベアリング２に支承された
回転軸３と、該回転軸３と一体であるフランジ部材４
と、押えバネとワッシャとＧリングからなる弾性押圧機
構５によってフランジ部材４と一体的に結合されたロー
タ６と、モータハウジング７に支持されたモータ基板７
ａに立設されたステータ８からなる。ステータ８は、モ
ータ基板７ａ上の駆動回路から供給される駆動電流によ
って励磁され、ロータ６を回転させる。前述のように回
転多面鏡１はフランジ部材を介してロータ６と一体的に
結合されており、ロータ６とともに回転する。

【００１９】光学箱９は、回転多面鏡１とその駆動部
や、図２に示す光源装置５１、シリンドリカルレンズ５
２、結像レンズ系５３、検出ミラー５４および検出器５
５等を収容しており、光学箱９の上部開口はふた部材１
０によって閉塞される。

【００２０】光源装置５１から発生されたレーザ光Ｌ₁
は、シリドリカルレンズ５２によって回転多面鏡１の鏡
面１ａに線状に集光し、回転多面鏡１の回転によって偏
向走査され、結像レンズ系５３を経て回転ドラム５６上
の感光体に結像させる。結像レンズ系５３は球面レンズ
５３ａ、トーリックレンズ５３ｂ等によって構成され、
前記感光体に結像する点像の歪を補正する機能を有す
る。また、偏向走査されたレーザ光Ｌ₁ の一部分は検出
ミラー５４によって検出器５５の受光端に導入され、走
査開始信号に変換されて光源装置５１に送信される。

【００２１】回転多面鏡１が高速回転すると、ボールベ
アリング２のレース２ａ，２ｂの間に形成された間隙等
から多量の外気が矢印Ａ₁ で示すように光学箱９内に吸
引され、外気中の塵埃等によって回転多面鏡１の鏡面１
ａが汚染される。そこで、ボールベアリング２の内端部
（上端）に清浄化手段である円板状のフィルタ１１を装
着し、回転多面鏡１の回転によって吸引される外気の塵
埃を捕捉する。フィルタ１１の外形は、ボールベアリン
グ２の上端を塞ぐキャップ状であり、中央には、回転軸
３の直径に等しい内径を有する円形穴が設けられる。

【００２２】すなわち、ボールベアリング２から光学箱
９内に吸引される外気をフィルタ１１によって清浄化
し、光学箱９内の空気を清浄な状態に保つことで、回転
多面鏡１の汚染を防ぐものである。

【００２３】回転多面鏡を高速回転させても、その鏡面
が急速に汚染されて反射率の低下を招くおそれがない。
これによって、長時間光量ムラや光量不足等を招くこと
なく良好な画像を得ることのできる光偏向走査装置を実
現できる。このような光偏向走査装置を搭載すること
で、画像形成装置の長寿命化やメンテナンスのコストの
低減に大きく貢献できる。

【００２４】ボールベアリングにフィルタを取り付けた
光偏向走査装置と、フィルタを用いない従来例をそれぞ
れ１カ月間連続運転して両者の回転多面鏡の汚染を調べ
たところ、フィルタを取り付けた光偏向走査装置におい
ては回転多面鏡の汚染はほとんど観察されず、従来例に
おいては汚染が著しいことが判明した。

【００２５】なお、必要であればフィルタのみを交換自
在に構成してもよい。極めて簡単なメンテナンスによっ
て画像形成装置の寿命を大きくのばすことができるとい
う利点が付加される。

【００２６】なお、フィルタの替わりに、スポンジ等の
多孔性部材を用いてもよい。

【００２７】また、フィルタ等を回転軸に沿って複数個
配設すれば、光学箱内の空気をより一層清浄な状態に保
つことができる。

【００２８】図３は一変形例を示す。これは、外周部に
補強手段である補強用のアルミニウム製のリング２１ａ
を備えたフィルタ２１を用いたものである。フィルタ２
１は金網状で強度が不足する傾向を有し、ボールベアリ
ング２を通る外気の流動によって変形しやすい。そこ
で、最も強度の弱い外周部にリング２１ａを取り付け
て、フィルタ２１の変形を防ぐ。

【００２９】このようにフィルタに補強用のリングを付
加することで、フィルタの剛性を強化すれば、運転中の
フィルタの変形を防ぐとともに、フィルタの交換作業も
容易であるという長所も付加される。

【００３０】なお、フィルタを補強するリングは、アル
ミニウム製のみに限らず、他の金属材料、あるいは、合
成樹脂材料等充分な剛性を有する材料であればいかなる
材料を用いてもよい。

【００３１】

【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。

【００３２】回転多面鏡を高速回転させても、その軸受
部から光学箱内に侵入する外気のために回転多面鏡の鏡
面が著しく汚染されるおそれがない。

【００３３】これによって回転多面鏡のメンテナンスの
コストを低減し、長期間メンテナンスフリーであってし
かも極めて高性能な光偏向走査装置を実現できる。この
ような光偏向走査装置を用いることで、画像形成装置の
画質の向上とランニングコストの低減に大きく貢献でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例による光偏向走査装置の主要部を示す
模式部分断面図である。

【図２】図１の光偏向走査装置の全体を示す模式平面図
である。

【図３】一変形例による光偏向走査装置を示すもので、
（ａ）はその主要部を示す模式部分断面図、（ｂ）はフ
ィルタのみを示す平面図である。

【図４】一従来例による光偏向走査装置の主要部を示す
部分模式断面図である。

【図５】図４の装置の回転多面鏡とロータのみを示す斜
視図である。

【図６】図５の回転多面鏡を回転させたときの鏡面の汚
染を説明する説明図である。

【符号の説明】

１回転多面鏡１ａ鏡面６ロータ８ステータ９光学箱１０ふた部材１１，２１フィルタ２１ａリング

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】光ビームを反射する回転多面鏡と、これ
を回転させる駆動手段と、前記回転多面鏡を収容する光
学箱と、前記回転多面鏡の軸受部を通って前記光学箱に
侵入する外気を清浄化する清浄化手段を有する光偏向走
査装置。
【請求項２】清浄化手段が、軸受部の回転軸の直径に
等しい内径を有する円形穴を有することを特徴とする請
求項１記載の光偏向走査装置。
【請求項３】清浄化手段が、軸受部に複数個設置され
ていることを特徴とする請求項１または２記載の光偏向
走査装置。
【請求項４】清浄化手段が、その剛性を強化する補強
手段を有することを特徴とする請求項１ないし３いずれ
か１項記載の光偏向走査装置。