JPH11183836A

JPH11183836A - 光走査装置

Info

Publication number: JPH11183836A
Application number: JP36652597A
Authority: JP
Inventors: Michiyo Miyamoto; みち代宮本
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1997-12-24
Filing date: 1997-12-24
Publication date: 1999-07-09

Abstract

(57)【要約】【課題】浮遊塵埃による回転多面鏡の汚染を防ぐ。【解決手段】回転多面鏡１はモータ２によって回転駆
動され、光ビームを偏向走査する。回転多面鏡１は、風
切音を低減するカバー３によって覆われており、カバー
３の内壁には粘着剤４が塗布されている。窓３ｃ等から
カバー３内に侵入する浮遊塵埃は、回転多面鏡１の起動
時においてカバー３の内壁に吹き付けられ、粘着剤４に
よって捕捉される。これによってカバー３の内部の雰囲
気をクリーンな状態に保ち、回転多面鏡１の汚染を防
ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はレーザビームプリン
タやレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられる
光走査装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】レーザビームプリンタやレーザファクシ
ミリ等の画像形成装置に用いられる光走査装置は、高速
回転する回転多面鏡によってレーザビーム等の光ビーム
を反射させてこれを偏向走査し、得られた走査光を回転
ドラム上の感光体に結像させて静電潜像を形成する。次
いで、感光体の静電潜像を現像装置によってトナー像に
顕像化し、これを記録紙等の記録媒体に転写して定着装
置へ送り、記録媒体上のトナーを加熱定着させることで
印刷（プリント）が行なわれる。

【０００３】図６は一従来例による光走査装置を示すも
ので、半導体レーザ１０３から発生されたレーザ光Ｌ₀
をコリメータレンズによって平行化し、シリンドリカル
レンズ１０４によって線状の光束に集光し、回転多面鏡
１０１によって所定の走査方向に偏向走査し、結像レン
ズ１０５と折り返しミラー１０６を経て図示しない回転
ドラム上の感光体に結像させる。感光体に結像する光束
は、回転多面鏡１０１の回転による主走査と、回転ドラ
ムの回転による副走査に伴なって静電潜像を形成する。

【０００４】結像レンズ１０５は、球面レンズ部とトー
リックレンズ部からなり、回転多面鏡１０１によって等
角速度で走査される走査光を、回転ドラム上において等
速度で走査する走査光に変換するいわゆるｆθ機能を有
する。

【０００５】半導体レーザ１０３、シリンドリカルレン
ズ１０４、回転多面鏡１０１、結像レンズ１０５等は光
学箱１１０の側壁や底壁に取り付けられる。回転ドラム
は光学箱１１０の外側に配設されており、光学箱１１０
の底壁には、図７に示すように、走査光を光学箱１１０
から回転ドラムに向かって取り出すための窓が設けられ
ている。また、光学箱１１０の上部開口はふた部材１２
０によって閉塞される。

【０００６】回転多面鏡１０１を回転駆動するモータ１
０２は、光学箱１１０の底壁に支持されたモータハウジ
ングと、これと一体であるモータ基板１１１に実装され
た駆動回路と、該駆動回路の駆動電流によって励磁され
るステータおよびこれに対向するロータ等からなる磁気
回路によって構成される。ステータが励磁されると、ロ
ータと回転多面鏡１０１が一体となって回転する。

【０００７】回転多面鏡１０１とそのモータ１０２は、
略円筒状のカバー（ミラーカバー）１１２に内蔵されて
いる。カバー１１２は、回転多面鏡１０１の回転に伴っ
て発生する風切音が外部に洩れて騒音となるのを防ぐも
のであり、カバー１１２の円筒部分には、レーザ光を入
出射させるための開口１１２ａが設けられている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、回転多面鏡を高速回転させると、ふた
部材の反り等のために光学箱の側壁の上端との間に形成
された隙間等から光学箱内に多量の外気が吸引され、外
気中の塵埃が回転多面鏡の反射面に付着して反射率が低
下する。また、回転多面鏡を覆うカバーが設けられてい
ても、カバーの内部へ浮遊塵埃が侵入して回転多面鏡が
汚染されるという未解決の課題がある。

【０００９】近年では、画像形成装置の高速化に伴なっ
て回転多面鏡を高速回転させることが要求されている
が、回転多面鏡の回転速度が上昇すると光学箱内に吸引
される外気の量も増大し、極めて短時間のうちに回転多
面鏡の汚染が進む結果となるため、防塵対策の必要性は
より一層大きくなる傾向にある。

【００１０】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであり、光学箱内に侵入す
る浮遊塵埃等のために回転多面鏡が汚染されるのを防
ぎ、画像形成装置等の高性能化と長寿命化に大きく貢献
できる光走査装置を提供することを目的とするものであ
る。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明の光走査装置は、光ビームを偏向走査する回
転多面鏡と、該回転多面鏡の少なくとも外周部を覆うカ
バーを有し、該カバーが、粘着性を有する内壁を備えて
いることを特徴とする。

【００１２】カバーの内壁に、粘着剤が塗布されている
とよい。

【００１３】カバーの内壁に、両面接着テープが貼着さ
れていてもよい。

【００１４】カバーが、光学箱のふた部材の穴から着脱
できるように構成されているとよい。

【００１５】

【作用】回転多面鏡を覆うカバーは、回転多面鏡の風切
音が外部に洩れるのを防ぎ、装置の運転音を低減する。
カバーの内壁に粘着剤を塗布しておくことで、カバー内
に侵入する浮遊塵埃を粘着剤に捕捉して、カバー内の雰
囲気をクリーンな状態に保つ。このようにして回転多面
鏡の反射面が浮遊塵埃によって汚染されるのを防ぎ、長
時間良好な画質を維持できる。

【００１６】カバーの内壁に粘着剤を塗布する替わり
に、両面接着テープを貼着しておいてもよい。

【００１７】光学箱のふた部材の穴からカバーの一部分
を露出させて、ふた部材を取りはずすことなくカバーを
交換できるように構成すれば、カバーの内壁の粘着性が
低下したときにカバーを交換する作業が簡略でメンテナ
ンスのコストが低くてすむという利点がある。

【００１８】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。

【００１９】図１は第１の実施の形態による光走査装置
を示すもので、回転軸Ｏのまわりに複数の反射面１ａを
有する回転多面鏡１は、モータ２によって回転駆動さ
れ、反射面１ａに照射された光ビーム（光束）を偏向走
査する。モータ２は、モータ基板２ａに立設されたステ
ータと、これに対向するロータを有し、モータ基板２ａ
上の駆動回路から供給される駆動電流によってステータ
を励磁してロータを回転させ、ロータと一体的に結合さ
れた回転多面鏡１を高速回転させるものである。

【００２０】回転多面鏡１およびモータ２はカバー３の
内部に配設され、カバー３は、回転多面鏡１およびモー
タ２の外周部を包囲する円筒部分３ａと、回転多面鏡１
の頂部に対向する円板部分３ｂを備えており、円筒部分
３ａには、回転多面鏡１の反射面１ａに照射される光束
を入出射させるための窓３ｃが形成されている。

【００２１】回転多面鏡１を包囲するカバー３は、回転
多面鏡１の回転に伴なう空気の流動を制限して、風切音
の発生を低減するとともに、風切音が外部に洩れるのを
防ぐ等の働きをするものであるが、カバー３の窓３ｃ等
から浮遊塵埃等がカバー３の内部に侵入して、回転多面
鏡１の反射面１ａに付着し、反射率を低下させる。この
ように回転多面鏡１の反射率が低下すると、画像形成装
置の画質が劣化するため、装置の短命化や、メンテナン
スのコストが上昇する等のトラブルを招く。

【００２２】そこで、カバー３の円筒部分３ａの内壁に
粘着剤４を塗布しておき、カバー３内に侵入した浮遊塵
埃を粘着剤４に捕捉させることで、回転多面鏡１の周囲
の雰囲気をクリーンな状態に保ち、回転多面鏡１の汚染
を低減する。

【００２３】粘着剤４は、例えばオリバイン（商品名：
Ｃａｎｏｎ化成の製品）等の液状の粘着剤を円筒部分３
ａの内壁に直接塗布したものであるが、これに替えて、
両面接着テープをカバー３の内壁に貼着する等の他の方
法によって粘着性を与えてもよい。

【００２４】カバー３内の回転多面鏡１がモータ２によ
って高速回転すると、回転多面鏡１の回転とともにその
外周部の空気が回転軸Ｏのまわりに流動し、カバー３の
円筒部分３ａの内壁に浮遊塵埃が吹き付けられて、粘着
剤４に付着する。このように、カバー３内で流動する空
気の浮遊塵埃を粘着剤４によって捕捉して、カバー３内
の雰囲気をクリーンな状態に保つことで、回転多面鏡１
の汚染を効果的に低減できる。

【００２５】実験によれば、特にモータ２の起動時に、
回転多面鏡１がカバー３内の空気をかきまぜることで、
カバー３内の浮遊塵埃が、最大で約８０％程度粘着剤４
に吸着されることが判明している。従って、運転中はカ
バー３内の浮遊塵埃が、最小で従来例の約２０％に減少
していることになり、回転多面鏡１をクリーンな状態に
保つことのできる期間は最大５倍近く延長される。その
結果、画像形成装置の長寿命化やメンテナンスのコスト
の低減に大きく貢献できる。

【００２６】図２は第２の実施の形態による光走査装置
の主要部を示す。これは、図１の装置のカバー３と同様
のカバー１３の頂部を光学箱５０のふた部材６０に設け
た穴６０ａから露出させるとともに、カバー１３の頂部
に設けられたフランジをビス６１によってふた部材６０
にビス止めすることで、ふた部材６０を光学箱５０から
取りはずすことなくカバー１３を交換できるように構成
したものである。

【００２７】回転多面鏡１、モータ２等は第１の実施の
形態と同様であるから同一符号で表わし、説明は省略す
る。

【００２８】カバー１３の円筒部分１３ａの内壁には粘
着剤１４が塗布されており、モータ２によって回転多面
鏡１が回転するとカバー１３内の空気が粘着剤１４に吹
き付けられて浮遊塵埃が捕捉される。粘着剤１４に多量
の浮遊塵埃が捕捉されると粘着性が低下するため、定期
的にふた部材６０からカバー１３を取りはずして新しい
ものと交換する。

【００２９】ふた部材６０を光学箱５０から取りはずす
ことなくカバー１３の交換ができるため、メンテナンス
が簡単であるという利点が付加される。その他の点は第
１の実施の形態と同様である。

【００３０】図３は第３の実施の形態を示す。これは、
図２の装置のカバー１３と同様に内壁に粘着剤２４を塗
布したカバー２３を有し、その外側に第２のカバー３３
を配設したもので、第２のカバー３３は光学箱５０の底
壁に固定されている。このように光学箱側に固定された
第２のカバー３３の上端には、第１のカバー２３をふた
部材６０にビス止めするために設けられたビス穴の直下
に位置するように溝３３ａが設けられ、ビス６１を締結
するときに発生する切り粉が、溝３３ａ内に落ちるよう
に構成されている。

【００３１】回転多面鏡１、モータ２、光学箱５０、ふ
た部材６０等については第２の実施の形態と同じである
から同一符号で表わし、説明は省略する。

【００３２】第１のカバー２３の粘着剤２４に多量の浮
遊塵埃が捕捉されて交換が必要となったときには、ビス
６１をはずしてカバー２３を新しいものと交換する。ビ
ス６１を再度締結するときにビス穴から発生する切り粉
が光学箱５０内に侵入すると、光学箱５０内の汚染物質
が増える結果となるが、本実施の形態においては、切り
粉が第２のカバー３３の溝３３ａに落下するため、光学
箱５０内を汚染するおそれはない。

【００３３】加えて、ふた部材６０の穴６０ａから第１
のカバー２３を取りはずしても、回転多面鏡１のまわり
は第２のカバー３３によって包囲されているため、カバ
ー２３の交換中にふた部材６０の穴６０ａから侵入する
ゴミ等が光学箱５０内の他の光学部品に付着するおそれ
がないという長所がある。

【００３４】図４は第３の実施の形態の一変形例を示
す。これは、第１のカバー２３の円筒部分を軸方向のス
リット２３ａによって複数の円筒壁２３ｂに分割すると
ともに、ふた部材６０にカバー２３の円筒壁２３ｂと同
数の円弧状の穴６０ｂを設けておき、各穴６０ｂにカバ
ー２３の各円筒壁２３ｂを差し込むことで、ビスを用い
ることなくカバー２３を組み付けるように構成したもの
である。

【００３５】ビスを締結する作業等が不必要であるか
ら、カバー２３の交換が簡単であるうえに、ビスの締結
時に発生する切り粉によるトラブルもない。図４の
（ｂ）に示すように、第２のカバー３３の内側に第１の
カバー２３に弾力的に係合する突起３３ｂを設けておけ
ば、第１のカバー２３がガタつくおそれはない。

【００３６】図５は光走査装置全体を示すもので、これ
は、レーザ光等の光ビーム（光束）を発生する光源５１
と、前記レーザ光を回転多面鏡１の反射面１ａに線状に
集光させるシリンドリカルレンズ５１ａとを有し、前記
光ビームを回転多面鏡１の回転によって偏向走査し、結
像レンズ系５２を経て回転ドラム上の感光体５３に結像
させる。結像レンズ系５２は球面レンズ５２ａ、トーリ
ックレンズ５２ｂ等を有し、感光体５３に結像する点像
の走査速度等を補正するいわゆるｆθ機能を有する。

【００３７】前記モータ２によって回転多面鏡１が回転
すると、その反射面１ａは、回転多面鏡１の軸線まわり
に等速で回転する。前述のように光源５１から発生さ
れ、シリンドリカルレンズ５１ａによって集光される光
ビームの光路と回転多面鏡１の反射面１ａの法線とがな
す角、すなわち該反射面１ａに対する光ビームの入射角
は、回転多面鏡１の回転とともに経時的に変化し、同様
に反射角も変化するため、感光体５３上で光ビームが集
光されてできる点像は回転ドラムの軸方向（主走査方
向）に移動（走査）する。

【００３８】結像レンズ系５２は、回転多面鏡１におい
て反射された光ビームを感光体５３上で所定のスポット
形状の点像に集光するとともに、該点像の主走査方向へ
の走査速度を等速に保つように設計されたものである。

【００３９】感光体５３に結像する点像は、回転多面鏡
１の回転による主走査と、感光体５３を有する回転ドラ
ムがその軸まわりに回転することによる副走査に伴なっ
て、静電潜像を形成する。

【００４０】感光体５３の周辺には、感光体５３の表面
を一様に帯電するための帯電装置、感光体５３の表面に
形成される静電潜像をトナー像に顕像化するための現像
装置、前記トナー像を記録紙に転写する転写装置（いず
れも不図示）等が配置されており、光源５１から発生す
る光ビームによる記録情報が記録紙等にプリントされ
る。

【００４１】検出ミラー５４は、感光体５３の表面にお
ける記録情報の書き込み開始位置に入射する光ビームの
光路よりも主走査方向上流側において光ビームを反射し
て、フォトダイオード等を有する受光素子５５の受光面
に導入する。受光素子５５はその受光面が前記光ビーム
によって照射されたときに、走査開始位置（書き出し位
置）を検出するための走査開始信号を出力する。

【００４２】光源５１は、ホストコンピュータからの情
報を処理する処理回路から与えられる信号に対応した光
ビームを発生する。光源５１に与えられる信号は、感光
体５３に書き込むべき情報に対応しており、処理回路
は、感光体５３の表面において結像する点像が作る軌跡
である一走査線に対応する情報を表す信号を一単位とし
て光源５１に与える。この情報信号は、受光素子５５か
ら与えられる走査開始信号に同期して送信される。

【００４３】なお、回転多面鏡１、結像レンズ系５２等
は光学箱５０に収容され、光源５１等は光学箱５０の側
壁に取り付けられる。光学箱５０に回転多面鏡１、結像
レンズ系５２等を組み付けたうえで、光学箱５０の上部
開口に前記ふた部材６０を装着する。

【００４４】

【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。

【００４５】光学箱に侵入する浮遊塵埃等を回転多面鏡
のカバーの内壁に捕捉することで、回転多面鏡の汚染を
防ぎ、長時間良好な画像性能を保つことができる。ま
た、粘着力が低下したカバーを交換するメンテナンス
は、回転多面鏡を交換する場合に比べて簡単で、カバー
自体も安価であるから、メンテナンスのコストが低くて
すむ。

【００４６】このような光走査装置を搭載することで、
画像形成装置の高性能化と長寿命化等に大きく貢献でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１の実施の形態による光走査装置の主要部を
示すもので、（ａ）はその模式部分断面図、（ｂ）は
（ａ）のカバーのみを示す斜視図である。

【図２】第２の実施の形態を示す模式部分断面図であ
る。

【図３】第３の実施の形態を示す模式部分断面図であ
る。

【図４】第３の実施の形態の一変形例を示すもので、
（ａ）は第１のカバーをふた部材の上へ引き出した状態
を示す部分分解斜視図、（ｂ）は（ａ）の１部分を示す
部分断面図である。

【図５】光走査装置の全体を説明する図である。

【図６】一従来例を示す図である。

【図７】図６の装置を示す断面図である。

【符号の説明】

１回転多面鏡２モータ３，１３，２３，３３カバー４，１４，２４粘着剤５０光学箱６０ふた部材

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、
該回転多面鏡の少なくとも外周部を覆うカバーを有し、
該カバーが、粘着性を有する内壁を備えていることを特
徴とする光走査装置。
【請求項２】光ビームを偏向走査する回転多面鏡と、
該回転多面鏡の少なくとも外周部を覆うカバーと、前記
回転多面鏡と前記カバーを内蔵する光学箱と、その開口
を塞ぐふた部材を有し、前記カバーが、粘着性を有する
内壁を備えていることを特徴とする光走査装置。
【請求項３】カバーの内壁に、粘着剤が塗布されてい
ることを特徴とする請求項１または２記載の光走査装
置。
【請求項４】カバーの内壁に、両面接着テープが貼着
されていることを特徴とする請求項１または２記載の光
走査装置。
【請求項５】カバーが、光学箱のふた部材の穴から着
脱できるように構成されていることを特徴とする請求項
２ないし４いずれか１項記載の光走査装置。
【請求項６】カバーの外側に、光学箱に固定された第
２のカバーが配設されていることを特徴とする請求項５
記載の光走査装置。