JPH10160574A - カラーセンサ - Google Patents

カラーセンサ

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JPH10160574A
JPH10160574A JP8315957A JP31595796A JPH10160574A JP H10160574 A JPH10160574 A JP H10160574A JP 8315957 A JP8315957 A JP 8315957A JP 31595796 A JP31595796 A JP 31595796A JP H10160574 A JPH10160574 A JP H10160574A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無尽埋蔵量かつ環境汚染フリーな材料であっ
て、Si−LSI技術整合性、耐環境性、アセンブリー
レス性を有する光電子材料を用いて、カラーフィルタ等
の必要のない簡便な構成のカラーセンサを提供すること
を目的とする。 【解決手段】 導電率等の電気的特性が制御可能な実質
的に均質な媒質中に分散された光電子材料を含む光電子
材料層84と、その光電子材料層84の上下に設けられ
た1対の電極87とを備え、光電子材料層84への光照
射に対応したキャリア発生による内部抵抗の変化や光起
電力を検出することによる受光機能であって、超微粒子
の光学ギャップエネルギーを制御することによる互いに
異なった所定の波長領域での受光機能を呈する光電変換
層81〜83が、透明絶縁体膜88を介して積層されて
いるカラーセンサである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーセンサに関
し、特に、無尽埋蔵量かつ環境汚染フリーな材料から形
成される粒径の制御され得る半導体等の超微粒子を含む
光電子材料を含み、さらに、シリコン(Si)−LSI
技術整合性、自発光性、高速応答性、細密画素性、低消
費電力、高耐環境性及びアセンブリーレス工程において
優れた特徴を有する光電子材料を含んだカラーセンサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、シリコン(Si)は間接遷移型半
導体であり、さらにバンドギャップが1.1eVと近赤
外領域にあるため、可視光領域での発光素子や受光素子
の実現は不可能であるとされてきた。そのため、発光素
子としてはIII−V族あるいはII−VI族を中心と
した化合物半導体が用いられてきた。
【0003】そこで、まず、第1の従来例として、化合
物半導体を用いた発光素子から説明を始める。
【0004】直接遷移型半導体であるガリウム砒素(G
aAs)等の化合物半導体を用いてp−n接合を形成
し、ダイオードとして順方向電圧を印加すれば、少数キ
ャリアとしてp−型領域にドリフトした電子とp−型領
域多数キャリアである正孔の輻射再結合が、p−n接合
面近傍で効率的に起こるので発光が可能となる。これが
所謂注入型LED(Light Emitting D
iode)の原理である。このLEDの発光波長は構成
する半導体の種類により決まる。
【0005】一方、1990年における多孔質Siの室
温可視発光の確認(例えば、“アプライド フィジック
ス レターズ”(L.T.Canham,Applie
dPhysics Letters Vol.57,N
o.10,1046(1990))等に開示されてい
る。)から、Siを母材とした室温可視発光特性の研究
が盛んになってきた。これらの報告の大多数は、多孔質
形状のSiに関するものであるから、第2の従来例とし
て、この発光性多孔質Siについて説明する。
【0006】この発光性多孔質Siは、基本的に、単結
晶Si基板表面を弗化水素を主体とした溶液中における
陽極化成により形成されるものであり、これまでに、8
00nm(赤)から425nm(青)の領域における幾
つかの波長のフォトルミネッセンス(PL)が確認され
ている。また、最近では、電流注入励起による発光(エ
レクトロルミネッセンス;EL)の試みも為されるよう
になってきた。
【0007】この技術については、例えば特開平5−2
06514号公報に記載されているが、図15を用いて
具体的に説明する。
【0008】図15は、従来の多孔質Siを用いたEL
素子の断面構造を示す。図15において、まず、面方位
(100)、p−型導電性のSi単結晶基板151の表
面に対し、エタノールで希釈された弗化水素溶液中で陽
極化成することにより多孔質Si層152を形成する。
次に、プラズマCVD法により、n−型導電性の微結晶
炭化珪素(SiC)薄膜153を堆積する。最後に、上
部に半透明電極である酸化インジウム−錫(ITO)薄
膜154を、下部に金属電極155を配し、オーミック
コンタクトを形成して完成する。
【0009】多孔質Si領域152は、n−型SiC薄
膜153とp−型Si基板151により構成されるp−
n接合領域に存在するので、n−型領域から電子を、p
−型領域から正孔を注入し、多孔質Si領域152内部
でこれらを再結合させることで発光が可能となるもので
ある。
【0010】これら多孔質SiのELにおいて特徴的な
性質として以下のことが挙げられる。(1)ELとPL
の発光スペクトルが、強度において差があるにしても、
ほぼ同様の形状をしていること。(2)実使用状態と想
定される注入電流密度の領域では、ELの発光強度が注
入電流に比例すること。但し、注入電流密度がこれより
低い領域では、ELの発光強度が注入電流の2乗に比例
することを報告する例もある。
【0011】(1)はELとPLの発光が、概ね同じ発
光準位を介したキャリア(励起された電子−正孔対)の
再結合により発生することを示唆し、(2)はELに不
可欠なキャリアの生成が主に、p−n接合付近における
少数キャリアの注入により行われていることを示してい
る。
【0012】間接遷移型半導体であるSiの発光機構に
ついては、多孔質形状のうちナノメートル(nm)オー
ダーの3次元的微細構造領域において、光遷移の波数選
択則の緩和が生じ、電子−正孔対の輻射再結合過程が可
能になるとする説と、Siの多員環酸化物(シロキセ
ン)が多孔質Siの表面に形成され、このシロキセン/
Siの界面において輻射再結合過程に寄与する新たなエ
ネルギー準位形成されるとする説等がある。しかし、い
ずれにしても、光励起過程に関しては量子閉じ込め効果
によるエネルギーバンド構造変化(ギャップ幅の増大現
象)が発生していることは確実のようである。
【0013】この分野に関する総括的解説は、例えば、
“ポーラスシリコン”(Z.C.Feng and
R.Tsu編著,“Porous Silicon”,
World Scientific(1994))に開
示されている。
【0014】さらに、多孔質Siからの発光は、概ね
0.3eV以上の広いスペクトル幅を有する。そのた
め、この多孔質Siを用いてキャビティ構造を形成し、
元来発する連続スペクトルのうち、特定の波長領域の強
度を増強しようとする試みがなされている。そこで、第
3の従来例として、この技術について説明をする。
【0015】この技術については、例えば、“アプライ
ド フィジックス レターズ”(L.Pavesi e
t al., Applied Physics Le
tters Vol.67,3280(1995))に
記載されている。
【0016】以下、図16を用いて具体的に説明する。
図16は、従来の多孔質Siを用いた発光素子の構造断
面図を示す。図16において、161はp型Si基板、
162及び164は多層反射膜層、163は活性層であ
り、多層反射膜層、活性層とも多孔質Siにて構成され
ている。本図の構成において、まず、p型Si基板16
1を陽極化成する際に、化成時間及び電流密度を交互に
変えることにより、屈折率の異なる多孔質Si層を6層
対形成し、多層反射膜層162を形成する。この多層反
射膜層162の各層の光学膜厚(屈折率×膜厚)は、発
光波長(λ)の1/4に設定される。次に、以上の多層
反射膜層を形成する際と異なる条件で陽極化成を行うこ
とにより、活性層163を形成する。この活性層163
の光学膜厚はλに設定される。さらに、多層反射膜層1
62と同様の多層反射膜層164を形成する。
【0017】次に、以上の構造を有する発光素子におけ
る、発光の動作原理を説明する。まず、本発光素子に対
し、アルゴンイオン(Ar+)レーザ光(波長:488
nm)を照射すると、表面に垂直な方向に発光を呈す
る。活性層103のみの典型的な発光スペクトルは、7
50nmをピークとし、スペクトルの半値全幅が130
nm(0.3eV)程度の広がりを有するのに対し、こ
の発光素子により得られた発光スペクトルは、ピーク波
長は750nmと同様であるが、スペクトルの半値全幅
が15nm(34meV)と非常に狭くなっている。ま
た、この発光素子の発光スペクトルにおいて、ピーク波
長での発光強度の増大が見られる。これは、活性層及び
多層反射膜層により形成されたキャビティ構造により、
活性層で発せられた光が多重干渉され、λをピークとす
る波長領域の発光強度のみが増強されたためである。
【0018】一方、半導体は光電変換素子としても広く
用いられている。そこで、第4の従来例として、半導体
を用いた光電変換素子として、フォトダイオードについ
て説明をする。
【0019】図17は、従来のフォトダイオードの構造
断面図を示す。図17において、p型領域層171とn
型領域層172はp−n接合を形成している。例えば、
Siフォトダイオードの場合には、n型基板に対して、
ボロンの選択拡散によりp型領域層171が1μm以下
の厚さに形成されている。
【0020】次に、以上の構造を有するフォトダイオー
ドにおける、受光の動作原理を説明する。
【0021】このフォトダイオードは、p−n接合に対
して、フォトダイオードを構成する半導体のバンドギャ
ップエネルギー(Eg)よりもフォトンエネルギーの大
きい光を照射すると、電子−正孔対のキャリアが発生
し、これによる光起電力を検出することにより、受光機
能を有する。その分光感度は構成する半導体の種類によ
り決まり、例えばSiフォトダイオードの場合には、E
gが1.1eVであるため、紫外線から近赤外線までの
広い波長領域に受光感度を有する。
【0022】さらに、最後に第5の従来例として、上記
のフォトダイオードを用いたカラーセンサについて説明
をする。
【0023】図18は、従来の集積型単板式カラーセン
サの断面構造を示す。このカラーセンサは、 原理的に
R、G、Bの三つに分かれた単色センサを一体化したも
のである。図18において、181、182、183
は、それぞれR、G、Bに対応するフォトダイオードで
あり、184はR、G、Bに対応する3枚のカラーフィ
ルターから構成される。
【0024】次に、以上の構造を有するカラーセンサに
おける、受光の動作原理を説明する。
【0025】このカラーセンサに対して、例えば赤色
(R)の光が照射されると、カラーフィルター184の
Rに対応する部分のみを透過して、フォトダイオード1
81において電子−正孔対のキャリアが発生し、これに
よる光起電力を検出することにより、受光機能を有す
る。フォトダイオード182、183においても、同様
にして、それぞれ、G、Bに対して感度を有することに
なる。さらに、これらの3原色を適宜演算処理すること
によって、中間色を含めた12色以上のカラー識別が可
能となる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、第1の
従来例に見られるように、直接遷移型であるIII−V
族あるいはII−VI族を中心とした化合物半導体によ
り構成する場合には、発光効率は高いが、有害物質(C
d、As等)、あるいは埋蔵量が極めて少なく精製コス
トが高い材料(In等)が含まれている。また、これら
の化合物半導体はSiと比較すると半導体製造プロセス
技術としての微細加工技術がいまだ成熟していないた
め、ミクロン(μm)以下の微細パターンを形成するこ
とは困難である。さらに、III族及びV族元素は、そ
れぞれSi中でドーパントとして働うため、導電性に影
響を与える。つまり、半導体材料を主体として自発光性
素子が構成されるものの、電子素子の代表であるSi−
LSIのプロセス・デバイス技術との整合性が悪く、実
質的にSi−LSIと一体化された素子の作製は不可能
といえる。そして、さらに、本質的課題として、発光波
長を調整するためには、材料種を変更(つまり新たに探
索)し、製法を全般にわたり再構築しなければならない
という課題がある。
【0027】次に、第2の従来技術によった場合には、
溶液中の陽極化成により、単結晶Si基板の表面に多孔
質状の層を形成するため、多孔質層における微結晶の結
晶性は良好であるものの、微結晶の形状と大きさを制御
することが難しい。特に、粒径5nm以下の球状微結晶
を効率的に生成することが困難である。Si系IV族材
料における可視発光のメカニズムが量子サイズ効果(波
数選択則の緩和、量子閉じ込め効果によるバンド構造変
化等)であるとすると、やはり粒径がnmレベルで制御
された球形微粒子の生成が不可欠となるが、この点から
判断すると、最適な作製技術とはいえない。また、これ
ら多孔質Siによる発光素子を規則的に配列した上、独
立に動作させることにより表示素子の機能を発揮しよう
と意図した際に困難が生じる。即ち、上記の多孔質Si
はSi基板に直接作り込むため、各素子間の電気的独立
性(絶縁性)を保つことが不可能である。
【0028】さらに、半導体により構成されたLED
は、広いスペクトル幅を持つ。そこで、第3の従来例で
は、キャビティ構造を形成してスペクトル幅を狭くして
いるが、周期構造を形成している層が全て多孔質Siか
ら構成されているため、可視光領域での吸収が大きく、
結果として発光効率が低くなってしまう。しかしなが
ら、多孔質Siは、先に述べたようにSi基板に直接作
り込むため、可視域での透過率の高い透明材質等の他の
物質との積層構造を形成することは不可能である。
【0029】一方、第4の従来例では、そもそも、受光
波長を調整するためには、材料種を変更しなければなら
ないという課題があり、化合物半導体を用いた場合に
は、第1の従来例で生じる課題と同様の課題を有する。
また、単にSiを用いた光電変換素子では、可視光全領
域で感度を有するため、受光波長を調整するためには、
カラーフィルターを介する必要がある。
【0030】さらに、第4の従来例で述べた光電変換素
子を紫外線センサとして用いようとすると、この波長領
域でのSiの吸収係数が大きいため、p−n接合部を非
常に浅い部分に作らなければならないという課題を有す
る。
【0031】また、第5の従来例では、結局カラーセン
サとして色の判別を行うために、カラーフィルターを用
いている必要があり、アセンブリ工程を避け得ず、Si
−LSIのプロセス・デバイス技術との整合性が悪く、
実質的にSi−LSIと一体化された素子の作製は不可
能といえる。さらに、3原色に対応する素子が平面的に
配列されているため、実質的な受光感度が低いという課
題を有する。
【0032】本発明は上記の課題に鑑みなされたもので
あって、無尽埋蔵量かつ環境汚染フリーな材料であっ
て、Si−LSI技術整合性、耐環境性、アセンブリー
レス性を有する光電子材料を用いて、カラーフィルタ等
の必要のない簡便なカラーセンサを提供することを目的
とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のカラーセンサは、導電率等の電気的特性が
制御可能な実質的に均質な媒質中に分散された光電子材
料を含む光電子材料層と、その光電子材料層の上下に設
けられた1対の電極とを有し、光電子材料層への光照射
に対応したキャリア発生による内部抵抗の変化や光起電
力を検出することにより受光機能を有する光電変換層で
あって、超微粒子の光学ギャップエネルギーを制御する
ことにより、互いに異なった所定の波長領域での受光機
能を有する光電変換層が、透明絶縁体膜を介して積層さ
れている構成を有する。
【0034】このような構成により、無尽埋蔵量かつ環
境汚染フリーな材料であって、Si−LSI技術整合
性、耐環境性、アセンブリーレス性を有する光電子材料
を用いて、カラーフィルタ等の必要のない簡便な構成の
カラーセンサを提供することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の本発明は、超微
粒子が導電率または誘電率が制御可能であって実質的に
均質な媒質中に分散された光電子材料を含む光電子材料
層と、前記光電子材料層の上下に設けられた1対の電極
とを有し、前記光電子材料層への光照射に対応したキャ
リア発生による内部抵抗の変化を検出することにより受
光機能を有する光電変換層であって、前記超微粒子の平
均粒径または表面原子配列の構造を調整して光学ギャッ
プエネルギーを制御することにより、互いに異なった所
定の波長領域での受光機能を有する前記光電変換層が、
透明絶縁体膜を介して積層されているカラーセンサであ
る。
【0036】このような構成により、光が照射されると
その波長成分に感度を有する光電子材料層の内部抵抗が
変化し、その内部抵抗変化を用いてその波長に対応した
光電変換を行うこととなり、カラーセンサの作用を呈す
る。
【0037】また、請求項2記載のように、超微粒子が
導電率または誘電率が制御可能であって実質的に均質な
媒質中に分散された光電子材料を含む光電子材料層と、
前記光電子材料層の上下に設けられた1対の電極とを有
し、前記光電子材料層と前記電極界面におけるショット
キー接合、または前記光電子材料層内部におけるp−n
接合が形成されており、光照射によるキャリア発生によ
る光起電力を検出することによる受光機能を有する光電
変換層であって、前記超微粒子の平均粒径または表面原
子配列の構造を調整して光学ギャップエネルギーを制御
することにより、互いに異なった所定の波長領域での受
光機能を有する前記光電変換層が、透明絶縁体膜を介し
て積層されているカラーセンサであってもよい。
【0038】このような構成により、光が照射されると
その波長成分に感度を有する光電子材料層に起電力が発
生して、その起電力を用いてその波長に対応した光電変
換を行うこととなり、カラーセンサの作用を呈する。
【0039】ここで、請求項3記載のように、光電変換
層は、1対の電極により少数キャリアを光電子材料層の
超微粒子に注入した場合には、生成された電子−正孔対
の輻射再結合過程により発光現象を呈する発光機能をも
有していてもよい。
【0040】そして、請求項4記載のように、積層され
た光電変換層が、互いに異なる光学ギャップエネルギー
を有し、受光表面に近い層程、前記光学ギャップエネル
ギーが大きい構成が、受光感度上好適である。
【0041】また、光電変換層は、請求項5記載のよう
に、可視光領域で互いに異なる光学ギャップエネルギー
を示す3つのものであってもよい。
【0042】また、1対の電極については、請求項6記
載のように、光の受光効率上透明または半透明な電極で
あることが好ましい。
【0043】一方、超微粒子は、請求項7または8記載
のように、IV族半導体であるのみならず、、III−
V族またはII−VI族化合物半導体を含にでいても構
成可能である。
【0044】また、媒質は、請求項9記載のように、薄
膜状の導電体であってもよいし、請求項10記載のよう
に、薄膜状の誘電体であってもよい。
【0045】また、請求項11記載のように、光電子材
料層は、超微粒子が導電率または誘電率が制御可能であ
って実質的に均質な媒質中に分散された光電子材料を含
む超微粒子分散層と透明材質層とが交互に積層された周
期構造を有するものでもよく、受光波長が狭帯域化さ
れ、受光感度も大きくなる。
【0046】ここで、請求項12または13記載のよう
に、透明材質層が、導電体薄膜または誘電体薄膜であっ
てもよい。
【0047】また、請求項14記載のように、光電子材
料層は、超微粒子を含む活性層と、前記活性層の下部に
設けられた高反射層と、前記活性層の上部に設けられた
部分反射層とを有する構成であってもよく、受光波長が
狭帯域化され、受光感度も大きくなる。
【0048】ここで、請求項15記載のように、部分反
射層及び高反射層の少なくとも一方が、金属薄膜であっ
てよいし、請求項16記載のように、屈折率の異なる少
なくとも2種類の層が交互に積層した周期構造の多層膜
層であってもよい。
【0049】また、請求項17記載のように、高反射層
が、屈折率の異なる少なくとも2種類の層が交互に積層
した周期構造の多層膜層と、金属薄膜層とを有する構成
であってもよい。
【0050】さらに、請求項18記載のように、以上の
光電子材料は、第1のターゲット材を低圧希ガス雰囲気
の真空反応室の内部に配置する第1のターゲット材配置
工程と、堆積基板を真空反応室の内部に配置する基板配
置工程と、第2のターゲット材を前記第1のターゲット
材及び前記堆積基板から雰囲気成分として隔離された反
応室内に配置する第2のターゲット材配置工程と、前記
第1のターゲット材配置工程で配置された第1のターゲ
ット材にレーザ光を照射して前記ターゲット材の脱離・
射出を生じるアブレーション工程と、前記第2のターゲ
ット材配置工程で配置された第2のターゲット材を蒸発
させる蒸発工程とを有し、前記アブレーション工程にお
いて脱離・射出された物質を空中で凝縮・成長させて得
られた超微粒子が前記堆積基板上に補集されるのと実質
的に同時に、前記蒸発工程での生成物質を前記堆積基板
上に補集して、前記第2のターゲット材から構成される
物質中に前記超微粒子が分散された光電子材料を得る製
造方法により得られることが好適である。
【0051】そして、請求項19記載のように、第2の
ターゲット材を蒸発させる蒸発工程は、レーザを用いて
前記第2のターゲット材を蒸発させることが好ましく、
より具体的には、請求項20記載のように、第2のター
ゲット材を蒸発させる蒸発工程は、第2のターゲット材
に第2のレーザ光を照射して前記ターゲット材の脱離・
射出を生じるアブレーション工程を含むことが好まし
い。
【0052】また、請求項21記載のように、第1のタ
ーゲット材が半導体を含むことが好適で、請求項22ま
たは23記載のように、第2のターゲット材は導電体で
あってもよいし、誘電体であってもよい。
【0053】ここで、受光波長等を適宜調整して付与す
るには、請求項24記載のように、超微粒子の粒径の調
整による受光光子エネルギーの制御が好適である。
【0054】この超微粒子の制御は、請求項25記載の
ように、低圧希ガスの導入圧力を変化させる工程により
行なうことが好ましい。
【0055】または、請求項26記載のように、アブレ
ーション工程に起因して得られた超微粒子を質量分離す
る工程により、前記超微粒子の平均粒径を制御するもの
であってもよく、請求項27記載のように、超微粒子を
質量分離する工程は、超微粒子をイオン化する工程と、
イオン化された超微粒子に対して電界あるいは磁界を加
える工程とを含むものが好適である。
【0056】または、請求項28記載のように、超微粒
子の表面原子配列の構造を調整することにより、受光光
子エネルギーが制御される構成であってもよい。
【0057】(カラーセンサの実施例)以下、本発明の
光電子材料を用いたカラーセンサについて説明をしてい
くが、その前提として、超微粒子を含む光電子材料の機
能の原理的な説明をするために、最初に、発光素子、特
にIV族半導体の内でも、代表的に表面が自身の熱酸化
膜にて被覆されたSiの超微粒子が、導電率あるいは誘
電率の制御可能な均質な透明媒質中に分散された光電子
材料層を発光(活性)領域としたエレクトロルミネッセ
ンス(EL)素子について説明する。
【0058】なお、ここで場合によっては、超微粒子の
酸化膜は、省略してもかまわない。また、均質な媒質と
は、媒質中の電気的性質、特に導電率や誘電率が媒質中
でほぼ均一であるという意味であり、媒質中に分散され
る超微粒子が、数10個から数100個の原子・分子の
集合体であるのに対して、媒質自体は、それよりも小さ
な数個の原子・分子の集合体が、所定の基板等の上に積
もっていくことにより形成されたものが一例としてあげ
られる。
【0059】図1は、光電子材料を用いた発光素子の断
面構造を示す。図1において、11は基板である。この
基板11は、面方位(100)、導電性がホウ素ドープ
のp−型、比抵抗が10Ω・cmであるp−型Si基板
を一例として用いた。このp−型Si基板11の上部表
面には、一例としての二酸化珪素(SiO2)膜である
分離絶縁膜12が厚さ100nmで形成されている。こ
の分離絶縁膜12には、発光素子の発光(活性)領域た
るべき箇所に、直径1〜2mm程度の開口部12aが形
成され、基板11の表面が露出した形状になっている。
【0060】そして、少なくとも開口部12aを被覆す
るように、光電子材料層13が堆積されている。この光
電子材料層13は、先に述べたように、Si超微粒子1
4が均質な透明媒質15中に分散されて構成されてい
る。ここで、Si超微粒子14は、形状がほぼ球形であ
り、結晶性はバルクSiと同一の結晶構造を有し、かつ
導電性は低濃度にホウ素がド−プされたp−型であっ
て、粒径は3から10nm程度に調整されている。さら
に、このSi超微粒子14は、その表面が不図示の厚さ
1から5nmのSiO2膜により被覆されている。ま
た、透明媒質15は、可視光領域での透過率が高く、か
つ導電率あるいは誘電率が制御可能な均質薄膜であり、
ここでは、一例として、酸化錫(SnO2)薄膜を用い
た。このSnO2薄膜は、可視光透過率80%以上であ
り、さらに、その作製条件(基板温度、酸素分圧等)を
調整することにより、導電率あるいは誘電率を制御する
ことが可能である。したがって、例えば、Si超微粒子
の比抵抗が10Ω・cm程度であれば、SnO2薄膜の
比抵抗を1〜103Ω・cm程度の範囲で制御すること
ができ、これにより超微粒子へのキャリア注入や超微粒
子内のキャリアの量子閉じ込め効果を制御することがで
きる。
【0061】なお、ここでは光電子材料層を構成する超
微粒子の材料としてSiを用いたが、他にゲルマニウム
(Ge)あるいはその混晶等のIV族半導体が好適に使
用可能であり、III−V族やII−VI族化合物半導
体を用いてもよい。そして、均質な透明媒質としてSn
2薄膜を用いたが、分散させる超微粒子の比抵抗と同
程度あるいはそれ以上の比抵抗を有する他の導電体薄
膜、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化インジウム
(InO2)、酸化インジウム−錫(ITO)薄膜を用
いてもよい。または、トンネリングあるいはホッピング
による電気伝導が可能な膜厚範囲であれば、SiO2
酸化アルミニウム(Al23)等の誘電体薄膜を用いる
ことも可能である。
【0062】さらに、光電子材料層13の上部表面に
は、一例として厚さ10nmで材質が白金(Pt)の半
透明電極16が接触し、導電率の制御された透明媒質1
5を含む光電子材料層13と電気的にはいわゆるショッ
トキー接合を形成している。また、基板11の下部表面
には、一例としてPt製の裏面電極17が設けられ、基
板11と電気的にはオーミック接触を形成している。
【0063】なお、電極16と17は、Pt以外にも、
アルミニウム、金、銀、タングステン、モリブデン、タ
ンタル等のいずれかを主体に形成することも可能であ
る。
【0064】そして、半透明電極16と裏面電極17
は、必要に応じ導電性ペースト18等を介して、ワイヤ
リード線等により電源に接続されている。ここで、半透
明電極16側における電源接続位置である導電性ペース
ト18の位置は、発光(活性)領域を避けて配置するこ
とが好適である。
【0065】次に、以上の構成において、EL素子とし
ての動作特性について説明する。まず、EL素子として
の動作は、裏面電極17側に対して、半透明電極16側
に、負の直流バイアスを印加する。これは、この素子が
順方向バイアスで動作することを意味する。
【0066】このような条件により発光素子を動作させ
た場合において、図2は、発光素子の電流−電圧特性曲
線図を示す。
【0067】図2(a)は、縦軸(電流)・横軸(電
圧)ともにリニアスケール表示とし、横軸の印加電圧に
ついては、図1における半透明電極16と光電子材料層
13の界面に形成されるショットキー接合における順方
向電位をグラフ上の正方向としている。この図2(a)
によると、半透明電極16と光電子材料層13の界面の
ショットキー接合による強い整流特性が示されている。
また、順方向電圧印加時の高電流側での外挿から推定さ
れる発光素子全体としての外部直列抵抗は、400Ω程
度である。
【0068】次に、図2(b)は、縦軸(電流)のみ対
数スケール表示とし、横軸(電圧)はショットキー接合
における順方向電位をグラフ上の正方向としてリニアス
ケール表示したものである。この図の特性曲線の傾きか
らは、ショットキー接合の理想因子n値を求めることが
できるが、この発光素子のn値は印加電圧依存性を持っ
ており、0.2V以下では1.8、これより高い領域で
は15程度まで増加していることがわかる。一般に1を
大きく越えて高いn値は、界面準位密度が高く、かつこ
れらが帯電していることを意味する。つまり、この点か
らも、このEL素子が発光するのは、半透明電極16と
光電子材料層13の界面に形成されるショットキー接合
に対し、順方向電圧を印加した際であり、逆方向電圧印
加時には発光しないと考えられる。
【0069】図3に、このEL素子の発光強度−電流特
性曲線図を示す。ここでは、縦軸(発光強度)・横軸
(電流)ともに対数スケール表示を用いている。図3に
よれば、順方向の電流密度が30mA/cm2(この際
の順方向電圧は約7.0V)の時に発光がはじまり、そ
の後、順方向電流の増加に従い、発光強度は単調に増大
してゆくことがわかる。つまり、発光強度IELと、順方
向電流jとは、以下の関係式(数1)で表わせることに
なる。
【0070】
【数1】
【0071】このように発光強度が順方向電流の3.5
乗に比例するとういことは、発光強度の順方向電流に対
する依存性がきわめて急峻であるということであり、こ
れまでの微結晶Siを活性層とする発光素子には、全く
観察されなかった新規な結果である。例えば、多孔質S
i層を活性領域としたEL素子においては、従来の技術
で述べたように、基本的に発光強度は、順方向電流に比
例し増大するに過ぎないものであった。
【0072】図4に、この形態のEL素子のパルス駆動
時の発光強度−デューティー比特性曲線図を示す。
【0073】ここでは、縦軸(発光強度)・横軸(デュ
ーティー比)ともに対数スケール表示を用いている。ま
た、EL素子への印加電圧は、パルス幅20μs、電圧
値32Vとし、周波数を変えることによりデューティー
比を0.25%〜100%(DC)まで変化させた。
【0074】図4によれば、発光強度はデューティー比
の減少に比例して減少していることがわかる。この結果
は、発光効率が一定であることを示している。つまり、
このようなEL素子は、EL素子内での発熱の影響をほ
とんど受けないといえる。さらに、μs以下の応答速度
を有することがわかる。
【0075】図5に、このEL素子のフォトルミネッセ
ンス(PL)及びEL双方のスペクトル(発光強度−光
子エネルギー特性曲線図)を示す。
【0076】ここで、PLの励起手法は、光子エネルギ
ー2.54eV、パワー10mWのアルゴンイオン(A
+)レーザを用い、活性層となる光電子材料層に直接
レーザ光を照射した。また、ELの励起条件は、光電子
材料層への注入パワーを0.55W〜1.10Wとし、
発光活性領域は円形(3.1×10-2cm2)とした。
【0077】図5によれば、PLでは、2.10eV
(緑色)を中心としたメインピークと、1.65eV
(赤色)を中心としたサブピークを持つ発光スペクトル
となっている。これに対し、ELでは、中心光子エネル
ギーが1.65eV(赤色)のブロードな発光スペクト
ルとなっている。また、ELスペクトルのピーク位置
は、EL素子への注入パワーが増加するのに伴い低エネ
ルギー側に若干シフトしている。
【0078】この結果は、このEL素子の発光原理が、
発熱による黒体輻射によるものではないことを示してい
る。なぜなら、黒体輻射においては、温度の上昇に伴い
輻射のピークが高エネルギー側にシフトするが、本実施
の形態では、先に述べたように、注入パワーの増加(す
なわち温度上昇)に伴いむしろ低エネルギー側にシフト
している。さらに、黒体が1.65eVにピークを持つ
光を発する場合、その温度は3800Kと見積られる
が、本結果においてこのような高温になっていることは
ありえない。
【0079】以上のような結果を呈する発光素子の動作
原理は以下のごとく説明されると考える。
【0080】まず、順方向印加電圧により加速された電
子(ホットエレクトロン)は、発光素子上部の半透明電
極16から、ショットキー接合している光電子材料層1
3に注入される。注入された電子は、Si超微粒子14
本体にまで到達すると、衝突イオン化により電子−正孔
対を励起(生成)する。この励起過程における量子効率
は、注入電子のエネルギーが4.0eVのとき約1.0
に到達し、さらにエネルギーの上昇に伴い上昇してい
く。
【0081】ついで、一旦、注入された電子や励起され
た電子−正孔対は、Si超微粒子14と、その表面に形
成されているSiO2膜あるいは透明媒質15との界面
により、Si超微粒子14内に閉じこめられ、印加電圧
中でSi超微粒子14内において電子−正孔対を生成し
ていき、つまり、いわば増倍(mutiplicati
on)現象を呈し、さらに多数の励起電子−正孔対を生
成していくことになる。
【0082】そして、このように増倍的に生成され続け
る励起電子−正孔対に対応した輻射再結合中心を介した
再結合現象により、発光強度の順方向電流に対する依存
性がきわめて急峻である発光現象を呈することになるわ
けである。
【0083】さらにつけ加えると、対象となるSi超微
粒子14が粒径nmレベルの球形をしているため、超微
粒子14内に閉じこめられた電子や励起電子−正孔対が
移動する平均自由行程が短く、より効果的に衝突イオン
化による励起電子−正孔対を生成し得ているとも考えら
れる。
【0084】一方、従来の技術における第2の従来例で
説明した多孔質Siを活性層とするEL素子では、基本
的に接合(p−n)における少数キャリアの注入により
励起電子−正孔対を生成しているものに過ぎず、励起電
子−正孔対の数は注入電流に比例し、結果として発光強
度も注入電流に比例することになるわけである。また、
この従来例では、多孔質Siがnmレベルの微細な構造
を有しているものの、実際には多孔質Siが線状の形状
をしているため、多孔質Si中をキャリアがドリフトす
る際の平均自由行程が比較的長いことも、励起電子−正
孔対の発生効率に悪影響しているとも考えられる。
【0085】さらに、図5で示したように、PLとEL
の発光スペクトルが一致しない理由は次のように考えら
れる。
【0086】即ち、EL過程における衝突イオン化とそ
の増倍による励起電子−正孔対の生成では、注入される
電子が、Siのバンドギャップ(1.1eV)よりはる
かに高いエネルギーを持っているために(図5の励起条
件では印加電圧26〜32Vである。)、伝導帯中でも
より高エネルギー側への遷移(いわゆるハイヤーインタ
ーバンド遷移)が可能となる。故に、最小バンド幅にお
ける輻射再結合のみならず、より高いエネルギー差をも
った輻射再結合も発生するようになり、結果として発光
スペクトルの幅がより幅広くなってしまうと考えられ
る。
【0087】対して、PLでは、注入される光子エネル
ギーが2.54eVと相対的に低いため、ハイヤーイン
ターバンド遷移が発生する割合は低く、発光スペクトル
の幅はELよりも狭くなると考えられるのである。
【0088】さらに、ELでは、注入電子による衝突イ
オン化が、Si超微粒子表面近傍のSi超微粒子14本
体で発生する。そのため、この励起過程は界面状態に極
めて敏感であるが、界面には帯電した界面準位が多数存
在しているため、バルクと同様な電子−正孔対の励起は
期待できず、特に高エネルギー側の励起効率が低下して
いると考えられる。
【0089】対して、PLでは、エネルギー2.54e
Vの励起光を照射した際の吸収係数の大きさから、Si
超微粒子14全体にわたってほぼ同一の強度の励起光が
貫くと考えられ、各々のSi超微粒子14の中心部も含
んだほぼ全体で、バルク的に電子−正孔対が励起される
と見積られ、高エネルギー側の励起効率が低下しないと
考えられるのである。
【0090】なお、このような発光素子の構成におい
て、光電子材料層13の上側半分を高濃度のn−型に変
更し、光電子材料層13の下層側半分及び基板11の全
体を低濃度p−型にしておくと、光電子材料層13と金
属半透明電極16の接触はオーミック性となり、 光電
子材料層13の中央にはp−n接合が形成される。ここ
で、n−型に対応した不純物の拡散深さは元々のp−型
に対応した不純物の拡散深さより短ければ、光電子材料
層13中にp−n接合が形成され得る。
【0091】この構成において、順方向電圧(半透明電
極16側が、基板11側に対して負)を印加すると、光
電子材料層13の内部で、電子が高濃度n−型領域から
低濃度p−型領域へ、正孔が低濃度p−型領域から高濃
度n−型領域へと、少数キャリアが相互に注入されるこ
ととなる。このp−n接合は、ショットキー接合を介し
て電子(p−型Siに対する少数キャリア)のみの注入
を行う構成よりも、電子−正孔対の生成が効率的に実現
できる効果を有する。そして、p−型Si基板11に対
し、光電子材料層13の堆積が完了した時点で、砒素
(As)をイオン注入法により導入することにより得
た。この際のイオン注入条件は、加速エネルギー100
keV、ドーズ量5×1015cm-2とした。
【0092】次に、この発光素子において、可視光域で
発光波長(光子エネルギー)を制御する方法について説
明する。
【0093】まず、第1の方法としては、Si超微粒子
14本体の粒径(サイズ)を調整し、この際生じる量子
閉じ込め効果により、バンドギャップ幅とこれに伴う吸
収端発光エネルギーを直接可変するものである。例え
ば、Si単体超微粒子では、直径4.0nmで赤色、
3.2nmで緑色が発光できる。
【0094】しかし青色については、直径2.8nmが
対応することになるが、実際には直径2nm台でのサイ
ズ制御はかなり困難である上に、前述したごとく衝突イ
オン化による電子−正孔対の励起は、高エネルギー側に
なるほど効率が低下してしまう。さらに、直径2nm台
の超微粒子の表面原子割合は70%近くに達し、当然表
面欠陥とこれに伴う界面準位の影響は無視できないもの
になる。故に、Si単体超微粒子14において量子閉じ
込め効果による青色発生は実現が容易ではないともいえ
る。
【0095】そこで、第2の方法として、Si単体超微
粒子14を活性発光層として青色を発生させるために
は、Si超微粒子14と表面酸化膜の界面における表面
酸化膜の分子配列を再構成し、青色の光子エネルギーに
対応する局在発光中心を形成することが有効である。よ
り具体的には、Si超微粒子14の最表面を、例えば鎖
状シロキセン構造とすることにより、青色の発光が可能
となる。
【0096】また、化合物半導体の場合には、化合物半
導体の超微粒子が酸化できる場合にはその酸化膜の、酸
化できない場合には別種の誘電膜の分子配列を再構成す
る等により、発光光子エネルギーが制御できるものであ
る。
【0097】さて、以下、本発明のカラーセンサで用い
る光電子材料を用いた光電変換素子の原理的な構成を説
明する。
【0098】このようなカラーセンサとしては、発光素
子で説明したのと同様に、IV族半導体の内でも、代表
的に表面が自身の熱酸化膜にて被覆されたSiの超微粒
子が、導電率あるいは誘電率の制御可能な均質な透明媒
質中に分散された光電子材料層を受光(活性)領域とし
た、光起電力型の光電変換素子と、このような光電子材
料層を受光(活性)領域とした、光導電型の光電変換素
子とが好適に用いられる。
【0099】そこで、以下、光起電力型の光電変換素子
について説明をする。なお、場合によっては、超微粒子
の酸化膜は、省略してもかまわない。
【0100】図6は、光電子材料が用いられた光電変換
素子の断面構造を示す。図6において、61は基板であ
り、一例として、面方位(100)、導電性がホウ素ド
ープのp−型、比抵抗が10Ω・cmであるp−型Si
基板を用いた。このp−型Si基板61の上部表面に
は、一例としてのSiO2膜である分離絶縁膜62が厚
さ100nmで形成されている。この分離絶縁膜62に
は、光電変換素子の受光(活性)領域たるべき箇所に、
直径10mm程度の開口部62aが形成され、基板61
の表面が露出した形状になっている。
【0101】そして、少なくとも開口部62aを被覆す
るように、光電子材料層63が堆積されている。この光
電子材料層63は、先に述べたように、Si超微粒子6
4が透明媒質65中に分散されて構成されている。この
光電子材料層63の構成は、前述した光電子材料層13
と同様の構成である。すなわち、Si超微粒子64は、
形状がほぼ球形であり、結晶性はバルクSiと同一の結
晶構造を有し、かつ導電性は低濃度にホウ素がド−プさ
れたp−型であって、粒径は3から10nm程度に調整
されている。さらに、このSi超微粒子64は、その表
面が不図示の厚さ1から5nmのSiO2膜により被覆
されている。また、透明媒質65は、可視光領域での透
過率が高く、かつ導電率あるいは誘電率が制御可能な均
質薄膜であり、ここでは、一例として、SnO2薄膜を
用いた。
【0102】なお、ここでは光電子材料層を構成する超
微粒子の材料としてSiを用いたが、他にGeあるいは
その混晶等のIV族半導体が好適に使用可能であり、I
II−V族やII−VI族化合物半導体を用いてもよ
い。そして、均質な透明媒質としてSnO2薄膜を用い
たが、分散させる超微粒子の比抵抗と同程度あるいはそ
れ以上の比抵抗を有する他の導電体薄膜あるいは誘電体
薄膜を用いてもよい。
【0103】さらに、光電子材料層63の上部表面に
は、一例として厚さ10nmで材質がPtの半透明電極
66が接触し、導電率の制御された透明媒質15を含む
光電子材料層63と電気的にはいわゆるショットキー接
合を形成している。また、基板61の下部表面には、一
例としてPt製の裏面電極67が設けられ、基板61と
電気的にはオーミック接触を形成している。
【0104】なお、電極66と67は、Pt以外にも、
アルミニウム、金、銀、タングステン、モリブデン、タ
ンタル等のいずれかを主体に形成することも可能であ
る。
【0105】そして、半透明電極66と裏面電極67
は、必要に応じ導電性ペースト68等を介して、ワイヤ
リード線等により電源に接続されている。ここで、半透
明電極66側における電源接続位置である導電性ペース
ト68の位置は、受光(活性)領域を避けて配置するこ
とが好適である。
【0106】次に、以上の構成において、光起電力型の
受光素子としての動作原理を説明する。
【0107】まず、受光素子としての動作は、裏面電極
67側に対して、半透明電極66側に、正の直流バイア
スを印加する。本素子構造では、実施の形態1において
図2(a)に示したように、半透明電極66と光電子材
料層63の界面のショットキー接合による強い整流特性
が示されており、この逆方向バイアスは、数〜数十V程
度とすればよい。
【0108】この状態で、光電子材料層63にSi超微
粒子64のバンドギャップエネルギーよりも光子エネル
ギーの大きい光を照射すると、光電効果によりSi超微
粒子64内で電子−正孔対のキャリアが生成され、生成
された電子は半透明電極66に到達する。この結果、半
透明電極66と光電子材料層63により形成されている
ショットキー接合部に光起電力が生じる。この光起電力
を検出することにより、受光機能を呈する。
【0109】なお、本実施の形態の光電子材料を用いた
受光素子の構成において、光電子材料層63の上側半分
を高濃度のn−型に変更し、光電子材料層63の下層側
半分及び基板61の全体を低濃度p−型にしておくと、
光電子材料層63と金属半透明電極66の接触はオーミ
ック性となり、 光電子材料層63の中央にはp−n接
合が形成される。ここで、n−型に対応した不純物の拡
散深さは元々のp−型に対応した不純物の拡散深さより
短ければ、光電子材料層63中にp−n接合が形成され
得る。
【0110】この構成において、逆方向電圧(半透明電
極66側が、基板61側に対して正)を印加した状態で
光電子材料層63にSi超微粒子64のバンドギャップ
エネルギーよりも光子エネルギーの大きい光を照射する
と、光電効果によりSi超微粒子64内で電子−正孔対
のキャリアが生成される。そして、光電子材料層63の
内部で、電子が高濃度n−型領域へ、正孔が低濃度p−
型領域へと、少数キャリアが相互に加速されることとな
り、p−n接合部に光起電力が生じる。このp−n接合
は、ショットキー接合の構成よりも、暗電流が小さいと
いう効果を有する。
【0111】ところで、Siのバンドギャップエネルギ
ーは1.1eV(限界受光波長は1100nm)である
ため、バルクSiはほぼ可視光領域全域に受光感度を有
する。
【0112】これに対し、光電変換素子において、受光
波長領域を制御する方法について説明する。
【0113】まず、第1の方法としては、Si超微粒子
64本体の粒径(サイズ)を調整し、この際生じる量子
閉じ込め効果により、バンドギャップエネルギーを直接
可変するものである。例えば、Si単体超微粒子では、
直径4.0nmで赤色、3.2nmで緑色、2.8nm
で青色が吸収端領域となる。したがって、Si単体超微
粒子の直径を3nm以下とすれば、カラーフィルターを
用いることなく青色領域にのみ感度を有する受光素子が
実現できる。
【0114】しかしながら、実際には直径2nm台での
サイズ制御はかなり困難である上に、直径2nm台の超
微粒子の表面原子割合は70%近くに達し、当然表面欠
陥とこれに伴う界面準位の影響は無視できないものにな
る。
【0115】そこで、第2の方法として、Si超微粒子
64と表面酸化膜の界面における表面酸化膜の分子配列
を再構成し、例えば青色の光子エネルギーに対応する局
在発光中心を形成することが有効である。より具体的に
は、Si超微粒子64の最表面を、例えば鎖状シロキセ
ン構造とすることにより、青色領域での受光感度が向上
する。
【0116】また、化合物半導体の場合には、化合物半
導体の超微粒子が酸化できる場合にはその酸化膜の、酸
化できない場合には別種の誘電膜の分子配列を再構成す
る等により、受光波長領域が制御できる。
【0117】以上のような受光特性を有する光電子材料
を用いた光電変換素子を用いれば、フィルター等を用い
る必要の無い、IV族半導体から成る紫外線センサある
いは青色センサを構成することができる。
【0118】さらに、以上の説明から明らかなように、
本実施の形態の光電子材料を用いた光電変換素子は、当
然発光素子としての機能も有する。すなわち、裏面電極
67側に対して、半透明電極66側に負の直流バイアス
を印加すると、活性層63に電子が注入され、電子−正
孔対を励起させる。励起された電子−正孔対は、再結合
過程において、超微粒子のバンドギャップエネルギーに
応じた発光を呈することになる。したがって、受発光が
同じ構成で可能な光電変換素子をも得ることができる。
【0119】ついで、以下、光導電型の光電変換素子の
原理的な構成を、図7を用いて詳細に説明する。
【0120】図7は、光電子材料が用いられた光導電型
の光電変換素子の断面構造を示す。図7において、71
は基板であり、一例として、Si−LSIプロセスで多
用されているガラス基板を用いた。このガラス基板71
の上部表面には、一例としてのPtの下部電極72が形
成されている。そして、この下部電極72の上部表面に
は、光電子材料層73が堆積されている。この光電子材
料層73は、先に述べたように、Si超微粒子74が透
明媒質75中に分散されて構成されている。このSi超
微粒子74は、形状がほぼ球形であり、結晶性はバルク
Siと同一の結晶構造を有し、かつ導電性は低濃度にホ
ウ素がド−プされたp−型であって、粒径は3から10
nm程度に調整されている。また、透明媒質75は、可
視光領域での透過率が高く、かつ導電率あるいは誘電率
が制御可能な均質薄膜であり、ここでは、一例として、
SnO2薄膜を用いた。このSnO2薄膜は、可視光透過
率80%以上であり、さらに、その作製条件(基板温
度、酸素分圧等)を調整することにより、導電率あるい
は誘電率を制御することが可能であり、本実施の形態で
は光導電型の受光素子であるため、Si超微粒子の比抵
抗と同程度の比抵抗とした。
【0121】なお、ここでは光電子材料層を構成する超
微粒子の材料としてSiを用いたが、実施の形態1及び
2でも述べたように、他にGeあるいはその混晶等のI
V族半導体が好適に使用可能であり、III−V族やI
I−VI族化合物半導体を用いてもよい。そして、均質
な透明媒質としてSnO2薄膜を用いたが、分散させる
超微粒子の比抵抗と同程度あるいはそれ以上の比抵抗を
有する他の導電体薄膜あるいは誘電体薄膜を用いてもよ
い。
【0122】さらに、光電子材料層73の上部表面に
は、一例として厚さ10nmで材質がPtの半透明電極
76が接触している。
【0123】なお、電極72と76は、Pt以外にも、
アルミニウム、金、銀、タングステン、モリブデン、タ
ンタル等のいずれかを主体に形成することも可能であ
る。
【0124】そして、半透明電極76と下部電極72
は、必要に応じ導電性ペースト等を介して、ワイヤリー
ド線等により抵抗計に接続されている。
【0125】次に、以上の構成において、光導電型の受
光素子としての動作原理を説明する。
【0126】本実施の形態の光電子材料を用いた受光素
子としての動作は、光電子材料層73に光が照射される
と、光電子材料層73のSi超微粒子74内で光エネル
ギーが吸収され、価電子帯あるいはドナー準位にある電
子が伝導帯に励起される。これが自由電子となり、外部
電界によって加速されて電極に達する。この結果、光電
子材料層73の内部抵抗が減少する。この内部抵抗の変
化を検出することにより、受光機能を呈する。
【0127】このような光電子材料を用いた光電変換素
子において、受光波長領域を制御する方法については、
実施の形態2で述べたように、Si超微粒子74本体の
粒径(サイズ)を調整し、この際に生じる量子閉じ込め
効果により、バンドギャップエネルギーを直接可変する
方法と、超微粒子が酸化できる場合にはその酸化膜の、
酸化できない場合には別種の誘電膜の分子配列を再構成
する等により制御する方法がある。
【0128】以上のような受光特性を有する光導電型の
光電変換素子を用いても、フィルター等を用いる必要の
無い、IV族半導体から成る紫外線センサあるいは青色
センサを構成することができる。
【0129】ここで、受光センサのより具体的な例とし
て、本発明の光電子材料を用いたカラーセンサの原理的
な構成を、図8及び図9を用いて説明する。
【0130】ここでは、IV族半導体であるSiの超微
粒子が、導電率あるいは誘電率の制御可能な均質透明媒
質中に分散された光電子材料層を受光(活性)領域とし
た、光導電型の光電変換素子を代表的に積層したカラー
センサについて説明するものである。
【0131】図8に、このような光電子材料を用いたカ
ラーセンサの断面構造を示す。図8において、81、8
2、83は、それぞれ、第1、2、3光電変換層であ
る。各光電変換層は、前述した光導電型の受光素子と同
様の構成であり、 Si超微粒子85が透明媒質86に
分散されて成る光電子材料層84と、その上下に接触し
て配置されている、一例として厚さ10nmで材質がP
tの半透明電極87から構成されている。そして、上下
の半透明電極87は、必要に応じ導電性ペースト等を介
して、ワイヤリード線等により抵抗計に接続されてい
る。
【0132】ここで、光電子材料層84のSi超微粒子
85は、形状がほぼ球形であり、結晶性はバルクSiと
同一の結晶構造を有し、かつ導電性は低濃度にホウ素が
ド−プされたp−型である。また、透明媒質86は、可
視光領域での透過率が高く、かつ導電率あるいは誘電率
が制御可能な均質薄膜であり、ここでは、一例として、
Si超微粒子の比抵抗と同程度の比抵抗を有するSn
2薄膜を用いた。そして、光電子材料層84内のSi
超微粒子85の充填率が高い程、光電子材料層84全体
としての内部抵抗の変化が大きくなる、すなわち受光感
度が大きくなるため、例えば50%以上と高くすること
が好ましい。
【0133】なお、ここでは光電子材料層を構成する超
微粒子の材料としてSiを用いたが、前述したように、
他にGeあるいはその混晶等のIV族半導体が好適に使
用可能であり、III−V族やII−VI族化合物半導
体を用いてもよい。そして、均質な透明媒質としてSn
2薄膜を用いたが、分散させる超微粒子の比抵抗と同
程度あるいはそれ以上の比抵抗を有する他の導電体薄膜
あるいは誘電体薄膜を用いてもよい。さらに、半透明電
極87は、Pt以外にも、アルミニウム、金、銀、タン
グステン、モリブデン、タンタル等のいずれかを主体に
形成することも可能である。
【0134】以上の構成を有する各光電変換層81、8
2、83は、一例として、材質が可視光透過率の高いS
iO2膜である分離絶縁膜88により、互いに電気的に
絶縁されている。
【0135】なお、ここでは分離絶縁膜としてSiO2
膜を用いたが、可視光透過率の高い絶縁体、例えばAl
23膜等を用いてもよい。
【0136】次に、以上の構成を有するカラーセンサに
おける、受光の動作原理を説明する。
【0137】まず、本実施の形態の光電子材料を用いた
各光電変換層の動作は、光電子材料層84に光が照射さ
れると、光電子材料層84のSi超微粒子85内でキャ
リアが生成され、外部電界によって加速されて電極に達
する。この結果、光電子材料層84の内部抵抗が減少す
る。この内部抵抗の変化を検出することにより、受光機
能を呈する。
【0138】以上の受光機能を呈する各光電変換層の受
光波長領域は、前述したように、Siの形状を粒径が数
nmオーダーの超微粒子にすることにより、量子閉じ込
め効果によるEgの増大現象を利用して制御することが
できる。すなわち、各光電変換層に含まれるSi超微粒
子の平均粒径あるいは表面原子配列を調整することによ
り、各光電変換層毎に異なる受光特性を付与することが
可能となる。
【0139】また、第1、2、3光電変換層81、8
2、83に含まれるSi超微粒子のサイズをこの順に大
きくすると、超微粒子のサイズが小さい程Egは増大す
るので、受光面側に近い層程光学ギャップが大きくな
る。この様子を図9に示す。より具体的には、第1、
2、3光電変換層の超微粒子の直径を、それぞれ、一例
として3.0nm、3.5nm、4.0nmとし、各光
電変換層の光学ギャップが、それぞれ、青色、緑色、赤
色の領域にあるようにした。その結果、赤色(R)の光
は第1および2光電変換層では吸収されず透過して第3
光電変換層で吸収される。同様に、緑色(G)の光は第
1光電変換層を透過して第2光電変換層で(厚さによっ
ては第3光電変換層でも)吸収され、青色(B)の光は
主に第1光電変換層で吸収されることになる。したがっ
て、各光電変換層での受光強度の差分から、R、G、B
の各強度を求めることができ、さらにこれらの3原色を
適宜信号処理することにより、中間色を含めたカラー識
別が可能となる。
【0140】なお、このようなカラーセンサにおいて
は、光電変換層として、光導電型の受光素子を用いた
が、もちろん光起電力型の受光素子から構成されていて
もよく、この場合、入射光に対する直線性、高速応答特
性、低雑音性等の点では有利である。
【0141】(光電子材料の実施例A)以下、カラーセ
ンサに用い得る本発明の他の光電子材料の原理的な構成
を、図10及び図11を用いて詳細に説明する。
【0142】ここにおいても、IV族半導体の内でも、
代表的に表面が自身の熱酸化膜にて被覆されたSiの超
微粒子が均質透明媒質中に分散された超微粒子分散層を
発光(活性)領域とした、フォトルミネッセンス(P
L)発光部材として代表的に説明するものであり、場合
によっては、超微粒子の酸化膜は、省略してもかまわな
い。
【0143】図10は、この光電子材料の断面構造を示
す。図10(a)において、101は基板であり、一例
として、面方位(100)、導電性がホウ素ドープのp
−型、比抵抗が10Ω・cmであるp−型Si基板を用
いた。このp−型Si基板61の上部表面には、低屈折
率を有する透明材質層102と、高屈折率を有する超微
粒子分散層103とが交互に所定の周期で積層され、周
期構造を形成している。ここで、透明材質層102は、
可視光領域での透過率が高く、かつ導電率あるいは誘電
率が制御可能な均質薄膜であり、一例として、ITO薄
膜を用いた。このITO薄膜は、可視光透過率90%以
上であり、さらに、その作製条件(基板温度、酸素分圧
等)を調整することにより、導電率および誘電率を制御
することが可能である。例えば、蒸着法によりITO薄
膜を作製する際のSnO2の添加率を数〜数十重量%の
範囲で調整することにより、比抵抗を10-4〜10-2Ω
・cm程度の範囲で制御することができる。また、誘電
率も、4〜5程度の範囲で制御することができる。
【0144】なお、ここでは均質な透明材質層としてI
TO薄膜を用いたが、後述する周期構造の設計に従い、
低屈折率層として所望の誘電率を有する均質薄膜を用い
ることが好ましく、他の導電体薄膜、例えばSnO2
TiO2、InO2薄膜等を用いてもよく、SiO2、A
23等の誘電体薄膜を用いることも可能である。さら
に、この光電子材料は、前述したEL素子あるいは受光
素子の光電子材料層として用いることができるものであ
るが、この場合、この透明材質層は導電率の高いことが
好ましい。
【0145】さらに、超微粒子分散層103は、図10
(b)に示すように、透明媒質104中にSi超微粒子
105が分散されて構成されている。この超微粒子分散
層103の構成は、実施の形態1で述べた光電子材料層
13と同様の構成である。すなわち、Si超微粒子10
5は、形状がほぼ球形であり、結晶性はバルクSiと同
一の結晶構造を有し、かつ導電性は低濃度にホウ素がド
−プされたp−型であって、粒径は3から10nm程度
に調整されている。さらに、このSi超微粒子105
は、その表面が不図示の厚さ1から5nmのSiO2
により被覆されている。また、透明媒質104は、可視
光領域での透過率が高く、かつ導電率および誘電率が制
御可能な均質薄膜であり、ここでは、一例として、Sn
2薄膜を用いた。
【0146】なお、ここでは超微粒子分散層を構成する
超微粒子の材料としてSiを用いたが、他にGeあるい
はその混晶等のIV族半導体が好適に使用可能であり、
III−V族やII−VI族化合物半導体を用いてもよ
い。そして、均質な透明媒質としてSnO2薄膜を用い
たが、後述する周期構造の設計に従い、高屈折率層とし
て所望の誘電率を有する均質薄膜を用いることが好まし
く、他の導電体薄膜あるいは誘電体薄膜を用いてもよ
い。さらに、この光電子材料は、前述したEL素子ある
いは受光素子の光電子材料層として用いることができる
ものであるが、この場合、この超微粒子分散層の透明媒
質は、分散させる超微粒子の比抵抗と同程度あるいはそ
れ以上の比抵抗を有することが望ましい。
【0147】次に、このような光電子材料における、周
期構造の設計方法について説明する。
【0148】この光電子材料が後述するような発光現象
を呈する場合、所望の発光光の中心波長をλとした場
合、透明材質層102と超微粒子分散層103との積層
の1周期の光学膜厚(屈折率×膜厚)がλ/2となるよ
うに交互に積層する。周期構造の設計の一例として、λ
を600nmとし、各層の光学膜厚が150nm(λ/
4)となるようにした。より具体的には、ITO薄膜の
典型的な屈折率は2.1なので、低屈折率層である透明
材質層102の膜厚は71nmとした。
【0149】また、超微粒子分散層103については、
平均有効媒質理論を基に設計した。すなわち、超微粒子
分散層が、誘電率εmの透明媒質中に誘電率εの球形超
微粒子が充填率fで分散されて構成されているとする。
超微粒子の粒径が波長に比べて十分小さい場合、超微粒
子分散層の平均としての誘電率εavは、以下の関係式
(数2)で表される。
【0150】
【数2】
【0151】ここで、SnO2薄膜の典型的な誘電率は
4.8であり、Si超微粒子の誘電率は、近似的にバル
クSiの値(11.9)を用いる。また、充填率fは5
0%とすると、超微粒子分散層の平均の誘電率は、上式
より7.6となる。屈折率は、誘電率の1/2乗と近似
できるので、超微粒子分散層の平均の屈折率は、2.8
と得られる。したがって、高屈折率層である超微粒子分
散層の膜厚は54nmとした。
【0152】なお、ここでは、各層の光学膜厚をλ/4
としたが、超微粒子分散層103での吸収を考慮して、
透明材質層102と超微粒子分散層103との積層の1
周期の光学膜厚はλ/2とした上で、超微粒子分散層1
03の光学膜厚をλ/4より小さくしてもよい。これに
より、光電子材料の発光光を取り出す効率を高めること
ができる。
【0153】次に、以上の構成の光電子材料における物
理的性質を発光の動作原理に代表して説明する。
【0154】まず、超微粒子のバンドギャップエネルギ
ー(Eg)以上の光子エネルギーを有する光を照射する
と、超微粒子分散層103中のSi超微粒子105にお
いて電子−正孔対が生成される。生成された電子−正孔
対は、対応した輻射再結合中心を介した再結合現象によ
り、超微粒子のEgに応じた発光を呈する。
【0155】元来IV族半導体は間接遷移型なので、輻
射再結合の発生確率は極めて少ないが、形状を粒径が数
nmオーダーの超微粒子にするとその確率が増大し、強
い発光を呈することが可能となる。ここで、発光波長の
制御方法は、量子閉じ込め効果によるEgの増大現象を
利用する。すなわち、Si超微粒子の粒径(サイズ)、
表面原子配列の構造等を調整することにより、必要とす
る発光波長を得ることが可能となる。
【0156】しかしながら、この超微粒子単体の発光ス
ペクトルは、図11(a)に示すように、広いスペクト
ル幅を有する。Si超微粒子では、図5に示したよう
に、0.3eV程度のスペクトル幅となる。
【0157】これに対し、前述した周期構造の設計に従
い、透明材質層102と超微粒子分散層103を1周期
の光学膜厚がλ/2となるように交互に積層すると、透
明材質層と超微粒子分散層の屈折率の差により各層の界
面で多重干渉が生じ、λを中心とする波長領域の発光強
度のみを増強することができた。この様子を図11
(b)に示す。このスペクトル幅は、周期構造の積層数
が多いほど狭くなるため、必要なスペクトル幅に応じて
積層数を調整すればよい。
【0158】さらに、Si超微粒子元来の発光の中心波
長と、周期構造により増強される中心波長が一致するよ
うに、Si超微粒子の粒径あるいは表面原子配列を調整
するとともに、前述した周期構造の設計に従って各層の
膜厚を調整することにより、超微粒子が元来発する連続
スペクトルのうち、所望の波長領域の強度を増強する効
果が高められる。
【0159】以上、光電子材料の発光特性について主に
述べたが、もちろん、このような特性の光電子材料はカ
ラーセンサの光電子材料層として用いることができる。
【0160】この場合、超微粒子が元来受光する連続ス
ペクトルのうち、所望の狭帯域化された波長領域で、受
光強度を増強することが可能となる。
【0161】(光電子材料の実施例B)以下、前述した
カラーセンサに用い得る他の光電子材料の原理的な構成
を、図12を用いて詳細に説明する。
【0162】ここでも、IV族半導体の内でも、代表的
に表面が自身の熱酸化膜にて被覆されたSiの超微粒子
が均質透明媒質中に分散された活性層を発光(活性)領
域とした、フォトルミネッセンス(PL)発光部材とし
ての光電子材料について説明するものであり、場合によ
っては、超微粒子の酸化膜は、省略してもかまわない。
【0163】図12は、この光電子材料の断面構造を示
す。図12において、121は基板であり、一例とし
て、Si−LSIプロセスで多用されているガラス基板
を用いた。このガラス基板121の上部表面には、一例
として厚さ100nmで材質がアルミニウム(Al)の
金属薄膜層122が設けられている。
【0164】なお、金属薄膜層122には可視光領域で
高反射率を有する材料を用いればよく、 Al以外に
も、Pt、アルミニウム、金、銀、タングステン、モリ
ブデン、タンタル等のいずれかを主体に形成することも
可能である。
【0165】金属薄膜層122の上部表面には多層膜層
123が形成されている。この多層膜層123は、屈折
率の異なる少なくとも2種類の層が交互に積層して周期
構造を成したものであり、一例として、ITO薄膜から
成る透明媒質層と、Si超微粒子をSnO2薄膜中に分
散した超微粒子分散層とが交互に積層されて成る光電子
材料にて構成されている。
【0166】この多層膜層123の周期構造は、その1
周期の光学膜厚(屈折率×膜厚)が、λ/2(λ:発光
光の中心波長)となるようにした。すなわち、一例とし
てλを600nmとし、透明媒質層の膜厚を71nm、
超微粒子分散層の膜厚を54nmとして交互に積層する
ことにより、多層膜層123を形成した。
【0167】なお、ここでは多層膜層123として光電
子材料を用いたが、可視光領域での多層反射膜として従
来用いられている誘電体多層膜等を用いてもよい。
【0168】次に、多層膜層123の上部表面には、活
性層124が形成されている。この活性層124は、前
述した超微粒子分散層103と同様の構成であり、Si
超微粒子125が透明媒質126中に分散されて構成さ
れている。このSi超微粒子124は、形状がほぼ球形
であり、結晶性はバルクSiと同一の結晶構造を有し、
かつ導電性は低濃度にホウ素がド−プされたp−型であ
って、粒径は3から10nm程度に調整されている。さ
らに、このSi超微粒子124は、その表面が不図示の
厚さ1から5nmのSiO2膜により被覆されている。
また、透明媒質125は、可視光領域での透過率が高
く、かつ導電率および誘電率が制御可能な均質薄膜であ
り、ここでは、一例として、SnO2薄膜を用いた。
【0169】さらに、この活性層124の光学膜厚(屈
折率×膜厚)は、λの整数倍とする。ここでは、一例と
してλを600nmとし、活性層124の光学膜厚を2
λとした。より具体的には、活性層124の屈折率は、
実施の形態5で求めたように、一例として充填率を50
%とした場合、2.8となる。したがって、活性層12
4の膜厚は429nmとした。
【0170】なお、ここでは活性層を構成する超微粒子
の材料としてSiを用いたが、他にGeあるいはその混
晶等のIV族半導体が好適に使用可能であり、III−
V族やII−VI族化合物半導体を用いてもよい。そし
て、均質な透明媒質としてSnO2薄膜を用いたが、実
施の形態4で述べた周期構造の設計に従い、所望の誘電
率を有する均質薄膜を用いることが好ましく、他の導電
体薄膜あるいは誘電体薄膜を用いてもよい。
【0171】さらに、この光電子材料は、前述したEL
素子あるいは受光素子の光電子材料層として用いること
ができるが、この場合、この活性層の透明媒質は、分散
させる超微粒子の比抵抗と同程度あるいはそれ以上の比
抵抗を有することが望ましい。
【0172】さらに、活性層124の上部表面には、一
例として厚さが10nmで材質がPtの部分反射膜層1
27が設けられている。
【0173】なお、部分反射膜層127には可視光領域
で適当な反射率を有する材料を用いればよく、Pt以外
にも、Al、金、銀、タングステン、モリブデン、タン
タル等のいずれかを主体に形成することも可能である。
また、可視光領域で部分反射膜として従来用いられてい
る誘電体多層膜を用いることも可能である。
【0174】次に、以上の構成の光電子材料において、
超微粒子を含む活性層34に対し、超微粒子のバンドギ
ャップエネルギー(Eg)以上の光子エネルギーを有す
る光を照射すると、図11(a)に示したような広いス
ペクトル幅を有する発光を呈する。
【0175】そこで、前述のように、多層膜層123の
1周期の光学膜厚がλ/2となるように交互に積層して
周期構造を形成し、さらに、活性層124の光学膜厚が
λの整数倍になるように形成すると、活性層124が多
層膜層123と部分反射膜層127に挟まれた共振器構
造を構成するため、図11(b)に示すように、λをピ
ークとする波長領域の発光強度のみを増強することがで
きる。
【0176】さらに、ここで多層膜層123として光電
子材料を用いているため、多層膜層123中のSi超微
粒子も発光を呈することになり、より発光強度が増強さ
れる。
【0177】また、Si超微粒子元来の発光の中心波長
と、周期構造により増強される中心波長が一致するよう
に、Si超微粒子の粒径あるいは表面原子配列を調整す
るとともに、前述した周期構造の設計に従って各層の膜
厚を調整することにより、超微粒子が元来発する連続ス
ペクトルのうち、所望の波長領域の強度を増強する効果
が高められる。
【0178】以上、光電子材料の発光特性について主に
述べたが、もちろん、このような特性の光電子材料はカ
ラーセンサの光電子材料層として用いることができる。
【0179】この場合には、超微粒子が元来受光する連
続スペクトルのうち、所望の狭帯域化された波長領域
で、受光強度を増強することが可能となる。
【0180】(光電子材料の製造実施例)以下、前述し
てきた本発明の光電子材料の好適な製造方法を、図13
を用いて詳細に説明する。
【0181】ここで、Si超微粒子が分散した透明導電
体薄膜からなる光電子材料の製造方法について説明する
こととし、Si超微粒子と透明導電体材料の堆積を同時
に同一基板上に対して行い、透明導電体薄膜中にSi超
微粒子を分散させる工程を有し、Si超微粒子は希ガス
(Ar、He等)雰囲気中におけるレーザアブレーショ
ンを用いて作製されて基板上に付着堆積され、透明導電
体薄膜は蒸発工程、好適には酸化性ガス雰囲気中におけ
るレーザアブレーションを介して、Si超微粒子を内部
に分散するように同一基板上に形成するものである。
【0182】なお、レーザアブレーション法とは、高い
エネルギー密度(パルスエネルギー:1.0J/cm2
程度かそれ以上とする。)のレーザ光をターゲット材に
照射し、被照射ターゲット材表面の溶融・脱離を起こす
ものである。ここで、1.0J/cm2程度のパルスエ
ネルギー密度における脱離物質は、主にイオン及び中性
粒子である原子・分子・クラスター(数個から数十個程
度の原子から構成される。)である。また、運動エネル
ギーは、イオンで数十eV、中性粒子の場合は数eVで
あることが知られているが、この際の運動エネルギーの
分布は、温度に換算すると数万℃以上に相当するので、
極端な非熱平衡状態が現出しているといえる。
【0183】具体的に、図13において、Siターゲッ
ト及び透明導電体ターゲットのレーザアブレーションを
同時に行うことにより、均質な透明導電体薄膜中にSi
超微粒子が分散した光電子材料薄膜を形成するための光
電子材料製造装置の概念図を示す。
【0184】図13において、まず全金属製の第1反応
室1301は、ターボ分子ポンプを主体とする高真空排
気系により到達真空1.0×10-9Torrまで排気し
た後、マスフローコントローラ1302を経由して、希
ガス導入ライン1303より、Arガスの導入を行う。
ここで、ドライロータリーポンプもしくは高圧用ターボ
分子ポンプを主体としたガス排気系1304の動作と連
動することにより、第1反応室1301内の希ガス圧力
を、0.01〜1.0Torrの範囲の一圧力値に設定
する。
【0185】そして、この状態で、自転機構を有する第
1ターゲットホルダー1305に配置されたSiターゲ
ット1306の表面に対して、第1パルスレーザ光源1
307からレーザ光を照射する。すると、Siターゲッ
ト1306表面では、レーザアブレーション現象が発生
し、Siのイオンあるいは中性粒子(原子、クラスタ
ー)が脱離し、当初はイオンで50eV、中性粒子で5
eVのオーダーの運動エネルギーで、主にターゲット法
線方向に射出して行く。そして、脱離物質は、希ガス原
子と衝突することにより、飛行方向が乱雑になるととも
に、運動エネルギーが雰囲気に散逸され、空中での会合
と凝縮が促進される。この結果、粒径数nmから数十n
mの超微粒子に成長する。
【0186】また、全金属製の第2反応室1308にお
いては、高真空排気系により到達真空1.0×10-9
orrまで排気した後、マスフローコントローラ130
9を経由して、酸化性ガス導入ライン1310より、酸
素混入ガスの導入を行う。酸素混入割合は、数%のオー
ダーでHeガスに対して混入することが好適である。こ
こで、ドライロータリーポンプもしくは高圧用ターボ分
子ポンプを主体としたガス排気系1311の動作と連動
することにより、第2反応室1308内のガス圧力を、
0.01〜1.0Torr程度の範囲の一圧力値に設定
する。そして、この状態で、自転機構を有する第2ター
ゲットホルダー1312に配置されたSnO2ターゲッ
ト1313の表面に対して、第2パルスレーザ光源13
14からのレーザ光を照射すると、SnO2ターゲット
1313表面でレーザアブレーション現象が発生し、S
nO2のイオンあるいは中性粒子(原子、クラスター)
が脱離し、当初はイオンで50eV、中性粒子で5eV
のオーダーの運動エネルギーで、主にターゲット法線方
向に原子、クラスターレベルの大きさを維持して、射出
して行く。この際に、酸素ガス雰囲気にすることによ
り、SnO2の酸素組成は減少されず化学量論的組成が
保たれる。
【0187】一方、真空反応室1315内には堆積基板
1316が配置され、ターボ分子ポンプを主体とする高
真空排気系1317により到達真空1.0×10-6To
rr程度まで排気されている。この真空反応室1315
と第1反応室1301との差圧により、第1反応室13
01内で生成されたSi超微粒子は、第1ノズル131
8を通過して真空反応室1315内に噴射され、基板1
316に堆積する。
【0188】同様に、真空反応室1315と第2反応室
1308との差圧により、第2反応室1308内で生成
されたSnO2クラスターは、第2ノズル1319を通
過して真空反応室1315内に噴射され、基板1316
に薄膜として堆積する。
【0189】したがって、以上のSi及びSnO2のレ
ーザアブレーションを同時に行うことにより、堆積基板
1316上にはSi超微粒子が分散した均質なSnO2
(透明導電体)薄膜を形成することが可能となる。さら
に、本実施の形態においては、透明導電体薄膜作製のた
めの活性酸素が存在するのは第2反応室1308のみで
あるので、非常に酸化されやすいSi超微粒子を、活性
酸素雰囲気に晒すことなく、透明導電体薄膜中に分散さ
せることができる。
【0190】なお、雰囲気希ガスとしてArを用いる場
合とHeを用いる場合との差は、堆積時で同等の超微粒
子平均粒径を得るためには、Arの場合はHeを基準と
すると0.1から0.2倍の圧力に設定する必要がある
という点にある。
【0191】また、以上の説明では、Si超微粒子をS
nO2薄膜中に分散させて成る光電子材料の製造方法に
ついて述べたが、超微粒子の材料としては、他の種類や
組成比の単体または混晶を用いることももちろん可能で
あるし、超微粒子を分散させる透明媒質材料としては、
透明導電体薄膜の他にも、SiO2等の誘電体薄膜を用
いることも可能である。
【0192】また、場合によっては、Si超微粒子を酸
素雰囲気中で酸化したり、熱酸化により酸化してもよ
い。
【0193】ところで、以上の説明では、第1反応室内
で生成されたSi超微粒子を第1ノズルを介して直接基
板に堆積させていたが、この場合、超微粒子の粒径分布
に広がりが生じる。そこで、さらに、本発明の光電子材
料の製造工程において、Si超微粒子の粒径を制御する
方法を、図14を用いて説明する。
【0194】図14は、レーザアブレーション法により
超微粒子を堆積する際に、質量分離を用いて粒径を制御
する粒径制御装置の概略図である。
【0195】図14において、前述のように、希ガス雰
囲気の反応室内で、その中に配置されたターゲット14
1の表面に対してパルスレーザ光を照射すると、ターゲ
ット141表面でレーザアブレーション現象が発生し、
空中での会合と成長が促進されて超微粒子142が生成
される。この生成微粒子142に対して、質量分離部1
44を用いて、堆積基板143に到達する超微粒子の粒
径制御を行う。この質量分離部144は、超微粒子14
2を導入するためのオリフィス145、導入された超微
粒子をイオン化するためのイオン化室146、イオン化
した超微粒子の速度を加速するための加速管147、お
よび、超微粒子を質量分離するための電界を印加する偏
向電極148により構成されている。
【0196】次に、以上の構成における、超微粒子の粒
径制御方法を説明する。まず、先に述べたように、希ガ
ス雰囲気の真空反応室内に配置されたターゲット141
の表面に対してパルスレーザ光を照射すると、超微粒子
142が生成される。この超微粒子142は、オリフィ
ス145を通過してイオン化室146に導入される。こ
のイオン化室146内にはグロー放電領域が形成されて
おり、導入された超微粒子はこのグロー放電領域を通過
する際にイオン化される。次に、イオン化された超微粒
子は、加速管147に印加された電圧に応じて加速され
た後、偏向電極148に到達する。ここで、偏向電極1
48に電界を印加しておくと、一部の超微粒子の射出方
向が堆積基板143の方向へ変えられる。この射出方向
は、堆積すべき超微粒子の粒径(正確に言えば質量)、
加速管147での加速電圧、及び、偏向電極148での
印加電界により決定されるので、これらの物理量の制御
により、堆積すべき超微粒子のみ堆積基板143の方向
に射出することができる。
【0197】したがって、以上の質量分離部144を、
ターゲット141と堆積基板143の間に組み込むこと
により、堆積基板143上には粒径の揃った超微粒子を
堆積することが可能となる。
【0198】なお、以上の説明では、超微粒子の射出方
向を変えるのに、偏向電極を用いて電界を印加したが、
磁界を印加することにより射出方向を変えることも可能
である。
【0199】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、導電率
等の電気的特性が制御可能な実質的に均質な媒質中に分
散された光電子材料を含む光電子材料層と、その光電子
材料層の上下に設けられた1対の電極とを有し、光電子
材料層への光照射に対応したキャリア発生による内部抵
抗の変化や光起電力を検出することにより受光機能を有
する光電変換層であって、超微粒子の光学ギャップエネ
ルギーを制御することにより、互いに異なった所定の波
長領域での受光機能を有する光電変換層が、透明絶縁体
膜を介して積層されている構成を有し、無尽埋蔵量かつ
環境汚染フリーな材料であって、Si−LSI技術整合
性、耐環境性、アセンブリーレス性を有する光電子材料
を用いて、カラーフィルタ等の必要のない簡便な構成の
カラーセンサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における発光素子の断面構
造図
【図2】同発光素子の電流−電圧特性曲線図
【図3】同発光素子の発光強度−電流特性曲線図
【図4】同発光素子の発光強度−デューティ比特性曲線
【図5】同発光素子のPL及びELの発光強度−光子エ
ネルギー特性曲線図
【図6】同光電変換素子の断面構造図
【図7】同光電変換素子の断面構造図
【図8】同カラーセンサの断面構造図
【図9】同カラーセンサの各光電変換層の吸収スペクト
ル図
【図10】同光電子材料の断面構造図
【図11】同光電子材料の発光スペクトル図
【図12】同光電子材料の断面構造図
【図13】同光電子材料製造装置の概念図
【図14】同実施の形態における超微粒子の粒径制御装
置の概念図
【図15】従来の多孔質Siを用いたEL素子の断面構
造図
【図16】従来の多孔質Siを用いた発光素子の断面構
造図
【図17】従来のフォトダイオードの断面構造図
【図18】従来の集積型単板式カラーセンサの断面構造
【符号の説明】
11、61、71、101、121 基板 12、62、88 分離絶縁膜 12a、62a 開口部 13、63、73、84 光電子材料層 14、64、74、85、105、125 超微粒子 15、65、75、86、104、126 透明媒質 16、66、76、87 半透明電極 17、67 裏面電極 18、68 導電性ペースト 72 下部電極 81、82、83 第1、2、3光電変換層 102 透明材質層 103 超微粒子分散層 122 金属薄膜層 123 多層膜層 124 活性層 127 部分反射膜層 1301 第1反応室 1302、1309 マスフローコントローラ 1303 希ガス導入ライン 1304、1311 ガス排気系 1305 第1ターゲットホルダー 1306 Siターゲット 1307 第1パルスレーザ光源 1308 第2反応室 1310 酸化性ガスライン 1312 第2ターゲットホルダー 1313 SnO2ターゲット 1314 第2パルスレーザ光源 1315 真空反応室 1316 堆積基板 1317 高真空排気系 1318 第1ノズル 1319 第2ノズル 141 ターゲット 142 生成超微粒子 143 堆積基板 144 質量分離部 145 オリフィス 146 イオン化室 147 加速管 148 偏向電極
フロントページの続き (72)発明者 松田 祐二 大阪府高規市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超微粒子が導電率または誘電率が制御可
    能であって実質的に均質な媒質中に分散された光電子材
    料を含む光電子材料層と、前記光電子材料層の上下に設
    けられた1対の電極とを有し、前記光電子材料層への光
    照射に対応したキャリア発生による内部抵抗の変化を検
    出することにより受光機能を有する光電変換層であっ
    て、前記超微粒子の平均粒径または表面原子配列の構造
    を調整して光学ギャップエネルギーを制御することによ
    り、互いに異なった所定の波長領域での受光機能を有す
    る前記光電変換層が、透明絶縁体膜を介して積層されて
    いるカラーセンサ。
  2. 【請求項2】 超微粒子が導電率または誘電率が制御可
    能であって実質的に均質な媒質中に分散された光電子材
    料を含む光電子材料層と、前記光電子材料層の上下に設
    けられた1対の電極とを有し、前記光電子材料層と前記
    電極界面におけるショットキー接合、または前記光電子
    材料層内部におけるp−n接合が形成されており、光照
    射によるキャリア発生による光起電力を検出することに
    よる受光機能を有する光電変換層であって、前記超微粒
    子の平均粒径または表面原子配列の構造を調整して光学
    ギャップエネルギーを制御することにより、互いに異な
    った所定の波長領域での受光機能を有する前記光電変換
    層が、透明絶縁体膜を介して積層されているカラーセン
    サ。
  3. 【請求項3】 光電変換層は、1対の電極により少数キ
    ャリアを光電子材料層の超微粒子に注入した場合には、
    生成された電子−正孔対の輻射再結合過程により発光現
    象を呈する発光機能をも有する請求項1または2記載の
    カラーセンサ。
  4. 【請求項4】 積層された光電変換層が、互いに異なる
    光学ギャップエネルギーを有し、受光表面に近い層程、
    前記光学ギャップエネルギーが大きい請求項1から3の
    いずれかに記載のカラーセンサ。
  5. 【請求項5】 可視光領域で互いに異なる光学ギャップ
    エネルギーを示す3つの光電変換層を含む請求項1から
    4のいずれかに記載のカラーセンサ。
  6. 【請求項6】 1対の電極が、透明または半透明な電極
    である請求項1から5のいずれかに記載のカラーセン
    サ。
  7. 【請求項7】 超微粒子が、IV族半導体を含む請求項
    1から6のいずれかに記載のカラーセンサ。
  8. 【請求項8】 超微粒子が、III−V族またはII−
    VI族化合物半導体を含む請求項1から6のいずれかに
    記載のカラーセンサ。
  9. 【請求項9】 媒質が、薄膜状の導電体である請求項1
    から8のいずれかに記載のカラーセンサ。
  10. 【請求項10】 媒質が、薄膜状の誘電体である請求項
    1から8のいずれかに記載のカラーセンサ。
  11. 【請求項11】 光電子材料層は、超微粒子が導電率ま
    たは誘電率が制御可能であって実質的に均質な媒質中に
    分散された光電子材料を含む超微粒子分散層と透明材質
    層とが交互に積層された周期構造を有する請求項1から
    10のいずれかに記載のカラーセンサ。
  12. 【請求項12】 透明材質層が、導電体薄膜である請求
    項11記載のカラーセンサ。
  13. 【請求項13】 透明材質層が、誘電体薄膜である請求
    項11記載のカラーセンサ。
  14. 【請求項14】 光電子材料層は、超微粒子を含む活性
    層と、前記活性層の下部に設けられた高反射層と、前記
    活性層の上部に設けられた部分反射層とを有する請求項
    1から10のいずれかに記載のカラーセンサ。
  15. 【請求項15】 部分反射層及び高反射層の少なくとも
    一方が、金属薄膜である請求項14記載のカラーセン
    サ。
  16. 【請求項16】 部分反射層及び高反射層の少なくとも
    一方が、屈折率の異なる少なくとも2種類の層が交互に
    積層した周期構造の多層膜層である請求項14記載のカ
    ラーセンサ。
  17. 【請求項17】 高反射層が、屈折率の異なる少なくと
    も2種類の層が交互に積層した周期構造の多層膜層と、
    金属薄膜層とを有する請求項14記載のカラーセンサ。
  18. 【請求項18】 光電子材料は、第1のターゲット材を
    低圧希ガス雰囲気の真空反応室の内部に配置する第1の
    ターゲット材配置工程と、堆積基板を真空反応室の内部
    に配置する基板配置工程と、第2のターゲット材を前記
    第1のターゲット材及び前記堆積基板から雰囲気成分と
    して隔離された反応室内に配置する第2のターゲット材
    配置工程と、前記第1のターゲット材配置工程で配置さ
    れた第1のターゲット材にレーザ光を照射して前記ター
    ゲット材の脱離・射出を生じるアブレーション工程と、
    前記第2のターゲット材配置工程で配置された第2のタ
    ーゲット材を蒸発させる蒸発工程とを有し、前記アブレ
    ーション工程において脱離・射出された物質を空中で凝
    縮・成長させて得られた超微粒子が前記堆積基板上に補
    集されるのと実質的に同時に、前記蒸発工程での生成物
    質を前記堆積基板上に補集して、前記第2のターゲット
    材から構成される物質中に前記超微粒子が分散された光
    電子材料を得る製造方法により得られる請求項1から1
    7のいずれかに記載のカラーセンサ。
  19. 【請求項19】 第2のターゲット材を蒸発させる蒸発
    工程は、レーザを用いて前記第2のターゲット材を蒸発
    させる請求項18記載のカラーセンサ。
  20. 【請求項20】 第2のターゲット材を蒸発させる蒸発
    工程は、第2のターゲット材に第2のレーザ光を照射し
    て前記ターゲット材の脱離・射出を生じるアブレーショ
    ン工程を含む請求項19記載のカラーセンサ。
  21. 【請求項21】 第1のターゲット材が半導体を含む請
    求項18から20のいずれかに記載のカラーセンサ。
  22. 【請求項22】 第2のターゲット材が導電体である請
    求項18から21のいずれかに記載のカラーセンサ。
  23. 【請求項23】 第2のターゲット材が誘電体である請
    求項18から21のいずれかに記載の光電子材料の製造
    方法。
  24. 【請求項24】 超微粒子の粒径を調整することによ
    り、受光光子エネルギーが制御される請求項1から23
    のいずれかに記載のカラーセンサ。
  25. 【請求項25】 低圧希ガスの導入圧力を変化させる工
    程により、超微粒子の平均粒径を制御する請求項24記
    載のカラーセンサ。
  26. 【請求項26】 アブレーション工程に起因して得られ
    た超微粒子を質量分離する工程により、前記超微粒子の
    平均粒径を制御する請求項24記載のカラーセンサ。
  27. 【請求項27】 超微粒子を質量分離する工程は、超微
    粒子をイオン化する工程と、イオン化された超微粒子に
    対して電界あるいは磁界を加える工程とを含む請求項2
    6記載のカラーセンサ。
  28. 【請求項28】 超微粒子の表面原子配列の構造を調整
    することにより、受光光子エネルギーが制御される請求
    項1から27のいずれかに記載のカラーセンサ。
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