JPH10159777A - 密閉形圧縮機 - Google Patents

密閉形圧縮機

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JPH10159777A
JPH10159777A JP32051396A JP32051396A JPH10159777A JP H10159777 A JPH10159777 A JP H10159777A JP 32051396 A JP32051396 A JP 32051396A JP 32051396 A JP32051396 A JP 32051396A JP H10159777 A JPH10159777 A JP H10159777A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】使用圧力の高い冷媒を用いることの対応で、こ
とさら密閉ケースの肉厚を厚くすることなく充分な耐圧
強度をもち、安定性が高く、かつ低コストを保持できる
密閉形圧縮機を提供する。 【解決手段】HFC冷媒を用いた冷凍サイクルを構成す
る密閉形圧縮機において、両端部が閉成される円筒体で
あり、その内部に電動機部4および圧縮機部5が収容さ
れる密閉ケース1と、この密閉ケースの、少なくとも一
部に形成された球面部15と、この密閉ケースの球面部
に開口された取付け用部18と、この取付け用部に気密
を有して嵌め込まれ、上記電動機部と電気的に接続され
る密封端子17とを具備した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば空気調和機の
冷凍サイクルを構成する密閉形圧縮機において、用いら
れる冷媒としてHFC冷媒を特定し、特に密閉ケースに
おける密封端子の取付け構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば空気調和機の冷凍サイクルで
は、従来より、冷媒としてCFC(クロロフルオロカー
ボン)12(R12と呼ばれる)冷媒、あるいはHCF
C(ハイドロクロロフルオロカーボン)22(R22と
呼ばれる)冷媒が用いられていたが、オゾン層を破壊す
る恐れが強いと言われている。
【0003】そこで、これらのフロンに代わる新たな冷
媒が求められていて、オゾン層破壊がないことを中心と
して新代替え物質の開発を促進した結果、塩素原子を含
まないHFC(ハイドロフルオロカーボン)冷媒が採用
されるに至った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この代替え
冷媒であるHFC冷媒のなかで、混合冷媒であるR41
0Aは、理論冷凍能力が従来より用いられる冷媒の理論
冷凍能力よりも大きい。このことから、HFC混合冷媒
を空気調和機の冷凍サイクルに用いると、使用圧力が従
来のR22と比較して約1.5倍高くなり、構成部品全
ての耐圧設計を見直さなければならない。
【0005】従来の、密閉形圧縮機の一部を図7に示
す。密閉ケースa内部の上部に電動機部bが収容され、
下部には一部を残して省略した圧縮機構部cが収容され
る。これら電動機部bと圧縮機構部cは回転軸dで連結
される。
【0006】上記密閉ケースaは、少なくとも上端部が
開口する円筒体からなるケース本体eと、このケース本
体eの開口部に嵌合された上、溶接手段によってケース
本体に固着されて開口部を閉成する蓋体fとから構成さ
れる。
【0007】また、蓋体fはケース本体eの端部周面に
嵌合する嵌合部f1 と、ケース本体eの軸方向とは直交
する方向にR部を介して一体に連設される閉塞部f2 か
ら構成され、閉塞部は平坦面となっている。
【0008】蓋体fの閉塞部f2 には密封端子gが取付
けられている。この密封端子gと密閉ケースa内の電動
機部bとの間には、ここでは図示しないリード線が設け
られていて、密封端子と電動機部とはリード線を介して
電気的に接続される。
【0009】この種の圧縮機において、上記HFC混合
冷媒を用いると、使用圧力が高いところから密閉ケース
aが内圧を受けて変形する恐れがある。ただしケース本
体eは、電動機部bを構成する固定子hが嵌着されると
ともに、圧縮機構部cを構成する支持フレームiなどが
嵌合されるので、内圧を受けてもそれ程顕著な変形は生
じない。
【0010】ところが、同じ密閉ケースaを構成する部
材としての蓋体fには、密封端子gと吐出管jが取付け
られるのみで、これら部材は内圧を受けても蓋体の変形
を抑制する部材にはなり得ない。すなわち、蓋体fは内
圧を受けて変形し易い。
【0011】図8に模式的に示すように、蓋体fの特に
閉塞部f2 は平坦面を保持できなくなり、中心部が最も
突出するよう膨出変形する。この変形の影響で、開口面
積が大きい密封端子gの取付け用部kに著しい応力集中
が現れる。
【0012】圧縮機の運転開始や、停止の都度、および
圧力条件の変化によって繰り返して密封端子gの取付け
用部kに応力が発生するのであるから、この部分に疲労
破壊の恐れが存在する。
【0013】ケース本体eとともに蓋体fの肉厚寸法を
大にすれば、このような不具合が生じることはないが、
今度は材料費が増大し、加工性が低下して工数が増大
し、コストアップにつながる。
【0014】本発明は上記事情にもとづきなされたもの
であり、その目的とするところは、使用圧力の高い冷媒
を用いることの対応で、ことさら密閉ケースの肉厚を厚
くすることなく充分な耐圧強度を有し、安定性が高く、
かつ低コストを保持できる密閉形圧縮機を提供しようと
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を満足するた
め、本発明の密閉形圧縮機は、請求項1として、HFC
冷媒を用いた冷凍サイクルを構成する密閉形圧縮機にお
いて、両端部が閉成される円筒体であり、その内部に電
動機部および圧縮機部が収容された密閉ケースと、この
密閉ケースの、少なくとも一部に形成された球面部と、
この密閉ケースの上記球面部に開口された取付け用部
と、この取付け用部の開口に気密を有して嵌着され、上
記電動機部と電気的に接続される密封端子とを具備した
ことを特徴とする。
【0016】請求項2として、請求項1記載の密閉形圧
縮機において上記冷媒は、R22に比べ凝縮圧力や蒸発
圧力が高いHFC混合冷媒である、R410Aが用いら
れることを特徴とする請求項3として、請求項1および
請求項2記載の密閉形圧縮機において上記球面部は、そ
の球面半径が密閉ケース円筒内径の50〜100%に設
定されることを特徴とする。
【0017】請求項4として、請求項1記載の密閉形圧
縮機において上記密閉ケースは、上記密封端子取付け用
部とその周辺のみに、上記球面部が設けられることを特
徴とする。
【0018】請求項5として、請求項1記載の密閉形圧
縮機において上記密封端子は、密封端子を構成するキャ
ップ部が球面状に形成されることを特徴とする。請求項
6として、請求項5記載の密閉形圧縮機において上記キ
ャップ部は、球面半径が上記球面部の球面半径と同一、
もしくはそれ以下の大きさに設定されることを特徴とす
る。
【0019】上述の課題を解決する手段を採用すること
により、請求項1の発明では、密閉ケースの変形にとも
なって、密封端子取付け用部が受ける応力が低減し、こ
の部分の剛性強度が向上する。したがって、凝縮圧力や
蒸発圧力が高い冷媒を使用しても、充分な耐圧効果が得
られ、密閉ケースの板厚を厚くせずともよいし、ケース
内圧が従来と同等であればケース板厚を薄くできる。
【0020】請求項2の発明では、従来より用いられる
R22冷媒と比較して圧力が高いR410A冷媒を用い
たが、従来と同等の肉厚を有する密閉ケースであっても
密封端子の取付け強度を保持できる。
【0021】請求項3の発明では、球面部の寸法設定を
なすことにより、球面部の出っ張りを極力抑制した最適
な外形寸法を得る。すなわち、据付けスペースの拡大を
防止し、かつ他の部品との干渉をなくす。
【0022】請求項4の発明では、ケース構造上、最も
弱いと言われている密封端子の取付け用部の強度の増強
を図れる。請求項5および請求項6の発明では、キャッ
プ部の板厚は密閉ケースの板厚よりも薄く、本来ならば
強度を保持できないが、上述のように寸法設定すること
によりキャップ部の板厚を増すことなく強度の増強を得
られる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明における密閉形圧縮
機の一実施の形態を、図面にもとづいて説明する。この
密閉形圧縮機は、たとえば空気調和機の冷凍サイクルを
構成している。そして、冷凍サイクルに用いられる冷媒
は、従来のR22冷媒に比べて凝縮圧力や蒸発圧力が高
いHFC冷媒であることが前提であり、そのなかでも4
10Aが使用される。
【0024】この410A冷媒は、ジフルオロメタン
(R32)と、ペンタフルオロエタン(R125)とを
互いに50%(重量比)の割合で混合した疑似共沸混合
冷媒であって、圧力損失が小さく、熱伝導が高いところ
から空気調和機に最適な特性を有している。
【0025】ただし、このR410A冷媒は従来より用
いられるR22冷媒に対して凝縮圧力や蒸発圧力が高
く、他のHFC混合冷媒と比較しても高い。したがっ
て、HFC混合冷媒のうちで、特にR410A冷媒は高
圧冷媒と呼ばれる。
【0026】図1に示す、図中1は、後述する密閉ケー
スである。この密閉ケース1内には、電動圧縮機本体2
が収容される。上記電動圧縮機本体2は、垂直方向に向
けられる回転軸3の上部側に電動機部4、下部側に圧縮
機構部5が連設されて構成される。
【0027】密閉ケース1の内底部には潤滑油を収容す
る油溜り部6が形成されていて、上記圧縮機構部5の一
部が浸漬される。上記電動機部4は、密閉ケース1内壁
に固定される固定子7と、この固定子の内周面と狭少の
間隙を存して配設され、上記回転軸3に嵌着される回転
子8とからなる。
【0028】上記圧縮機構部5は、ここでは上下に二段
のシリンダ室9a,9bを備え、それぞれのシリンダ室
に偏心ローラ10a,10bが偏心回転自在に収容され
る、二段ロータリ式圧縮機構をなす。
【0029】そして、この圧縮機構部5の各シリンダ室
9a,9bには吸込み管11a,11bが接続されてい
て、気液分離器12を介して冷凍サイクルを構成する図
示しない蒸発器(室内熱交換器)に連通される。
【0030】つぎに上記密閉ケース1について詳述す
る。この密閉ケースは、下端部が底部となり、上端部が
開口する円筒体からなるケース本体13と、このケース
本体の上端開口部を閉成する蓋体14とから構成され
る。
【0031】上記ケース本体13および蓋体14とも、
使用冷媒が高圧冷媒である410Aを用いるにも拘ら
ず、その板厚は従来と同一でよい。ケース本体13には
電動機部4を構成する固定子7と、圧縮機構部5を構成
する支持フレーム5aが嵌着されること、および蓋体1
4には吐出管16と密封端子17が取付けられることは
従来と全く変更ない。
【0032】上記蓋体14は、ケース本体13の上端開
口部に嵌合され、かつケース体の嵌合端縁に沿って溶接
される嵌合部14aと、この嵌合部とR部を介して一体
に連設されケース本体13の軸方向とは直交する方向
で、かつケース本体の開口部を閉塞する閉塞部15とか
ら形成されることも変わりがない。
【0033】ただし、ここで上記閉塞部15はケース本
体13の軸心上にその中心をもつ球面状に形成されると
ころから、これ以降、球面部と呼ぶ。上記球面部15の
球面半径Rは、ケース体13の内径寸法Rcの50〜1
00%の範囲で設定しなければならない。(0.5Rc
≦R≦Rc)この範囲より小さな内径に設定すれば、さ
らに高強度が得られる反面、大きく突出して成形が困難
となり、かつ成形できたとしても圧縮機の外形が大型化
してしまう。
【0034】また、この範囲よりも大きな半径に設定す
ると、平坦に近い形状になり、従来との差を保ち得な
い。したがって上述の範囲がさほどの出っ張りがないと
ともに高い強度を保持できる。
【0035】上記球面部15のほぼ中心部を貫通して設
けられる吐出管16は、その下端部が上記電動機部4の
上方部位において開口され、図示しない他端部は冷凍サ
イクルを構成する凝縮器(室外側熱交換器)に連通され
る。
【0036】また、球面部15の所定部位には開口から
なる取付け用部18が設けられていて、ここに上記密封
端子17が挿入され、たとえばプロジェクション溶接手
段によって取付け固着される。当然、気密を有した精度
の高い溶接が行われる。
【0037】密封端子17の取付け手段についてなお説
明すると、蓋体球面部15は球面状に形成されるため、
取付け用部18を開口してもこのエッジ部は同一平面上
にあって、ほとんど円形である。
【0038】したがって、密封端子17は従来より用い
られる普通の市販品をそのまま取付け用部18の開口に
嵌め込んで溶接すればよく、特に、取付け用部分が曲面
である特殊な密封端子は全く必要がない。
【0039】密封端子17は密閉ケース1に取付けられ
るカバー体19によってカバーされる。このことから、
たとえ雨粒がかかっても密封端子17が濡れることはな
く、漏電事故など発生しない。
【0040】しかして、外部市中電源から密封端子17
を介して電動機部4に通電されると回転軸3が回転駆動
され、それによって各偏心ローラ10a,10bはシリ
ンダ室9a,9b内で偏心回転を行う。このことで、気
液分離器12を介して各吸込管11a,11bから,そ
れぞれのシリンダ室へHFC混合冷媒であるR410A
ガスが吸込まれる。
【0041】偏心ローラ10a,10bがシリンダ室9
a,9b内周面の所定部位に転接すると、シリンダ室の
空間容量が最大となる。冷媒ガスは各吸込管11a,1
1bからシリンダ室9a,9bに導かれて充満する。
【0042】そして、偏心ローラ10a,10bの偏心
回転にともなってシリンダ室9a,9b内周面との転接
位置が移動し、移動側のシリンダ室容積が減少する。す
なわち、先にシリンダ室に導かれたガスが徐々に圧縮さ
れる。
【0043】回転軸3が継続して回転されると移動側の
シリンダ室9a,9b容量がさらに減少し、ここに導か
れたガスが圧縮され、所定圧まで上昇したところでシリ
ンダ室から高圧ガスが密閉ケース1内に吐出され充満す
る。そして、密閉ケース1上部の吐出管16から吐出さ
れる。
【0044】密閉ケース1の特に蓋体14部分におい
て、起動や停止あるいは使用条件によっては、図2に示
すように、図の二点鎖線状態から実線状態に変形する。
すなわち、冷凍サイクルに高圧冷媒410Aを用いる一
方、密閉ケース1の板厚は従来と同様薄いものを採用し
たから、密閉ケースはある程度変形する。
【0045】ただし、密閉ケース1を構成するケース本
体13には、電動機部4の固定子7が嵌着されるととも
に、圧縮機構部5の支持フレーム5aが嵌着されてお
り、また底部には潤滑油の溜り部6が形成されているか
ら、ほとんど変形しない。これに対して蓋体14には、
吐出管16と密封端子17が設けられているのみで、と
もに蓋体の変形を抑制する部材ではないから、蓋体は変
形が生じてしまう。
【0046】それも、蓋体14を構成する嵌合部14a
はケース本体13に連設されているので変形はさほどで
はないが、球面部15は変形抑制部材と少しの関係もな
いので、変形が集中する。なお、同図では模式的に表し
ているので、球面部15は極端に変形しているが、実際
にはわずかな変形である。
【0047】変形状態として、球面部15の球状形状は
変化せず、球面部が全体的に、かつほとんど均一に外方
へ膨出変形する。密封端子17にかかる力は、これを単
純に外へ押し出そうとする力だけである。
【0048】したがって、従来のように密封端子17の
取付け用部18に応力集中が発生することはほとんどな
く、また、たとえ発生したところでごくわずかであっ
て、到底、疲労破壊に至ることはない。
【0049】従来と本発明の特性を有限要素法にもとづ
いて算出し、その結果を図6に示す。同図の一点鎖線変
化Aは従来構造の密閉ケース内圧と、密封端子の取付け
用部にかかる応力との関係を示し、同図の実線変化Bは
本発明構造の密閉ケース内圧と、密封端子の取付け用部
にかかる応力との関係を示している。
【0050】なお、本発明における算出根拠について、
球面部15の球面半径Rをケース本体13の円筒内径R
cの65%に設定してある。この計算では塑性変形を考
慮していないため、実際の発生応力とは異なるが、両者
とも板厚を3.2mmとし、同じ条件で計算してある。そ
の結果、図6に示すように、密封端子の取付け用部の応
力(Von−Mises応力)は、本発明のものは従来
の1/4 以下に抑えることができる。
【0051】このように、密封端子17の取付け用部1
8付近の応力を従来方式に比較して数分の1に減じるこ
とができ、高圧冷媒を用いても充分な耐圧強度が確保で
きる。これは、ケース板厚を厚くすることによるコスト
アップの抑制につながる。ケース剛性が高くなるため、
圧縮機運転時の運転騒音が低減する。密封端子は従来と
全く同一のものを使用でき、特注の必要がない。
【0052】図3は、横置き形で、ヘリカルブレード式
の圧縮機構を備えた密閉形圧縮機である。密閉ケース1
A内の図の左側に電動機部4Aが収容され、右側に一部
を省略した圧縮機構部5Aが配置される。
【0053】上記密閉ケース1Aは、電動機部4A側の
端部が、言わば底部となっていて、ここに密封端子17
が溶接などの手段で固着されることは、先に説明したも
のと同様である。
【0054】ただし、上記密封端子17が固着される球
面部15Aは、この密封端子を取付けるのに必要な最小
の部位に限定される。すなわち、密封端子17を取付け
るには取付け用部18Aを開口しなければならず、この
開口によって周囲の強度が減少する。
【0055】この形態では、密封端子17を取付けるの
に必要な最小の部位である、取付け用部18Aの周囲に
球面部15Aを設けた。したがって、取付け用部18A
とその周辺の強度が増強されることとなる。
【0056】図4は、ケース本体1Bの周面に取付け用
部18Bを設けて密封端子17を取付けた例である。こ
こでも密封端子17が固着される球面部15Bは、密封
端子を取付けるのに必要な最小の部位に限定することに
よって、取付け用部18B周辺の強度の増強を図ってい
る。
【0057】図5は、球面部15に取付けられる密封端
子17Aは、密封端子を構成し、かつ直接球面部15に
溶接固着されるキャップ部20を球面状に形成したこと
を特徴としている。
【0058】このキャップ部20を球面状とすることに
より、圧力がかかっても均一に膨張変形して、ここに挿
通するガラス溶着部21に応力が集中することがなく、
したがってガラスの破損を防止できる。
【0059】このキャップ部20の板厚は密閉ケース1
(球面部15)の板厚よりも薄いが、キャップ部20の
曲率半径を球面部15の曲率半径と同一、もしくはそれ
よりも小さくすることで、キャップ部20の剛性が密閉
ケースの剛性に近付く。
【0060】なお上記実施の形態において、使用冷媒を
高圧冷媒である410Aを用いたが、これに限定される
ものではなく、HFCを主成分とする冷媒であれば種類
を問わない。この場合、ケース内圧が従来のR22を用
いた場合とほとんど差がなければ、密閉ケース1の肉厚
を薄くできる。
【0061】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1の発明によ
れば、HFC冷媒を用いた冷凍サイクルを構成する密閉
形圧縮機は、密閉ケースの少なくとも一部に球面部を形
成し、この球面部に取付け用部を開口し、ここに気密を
有して密封端子を嵌め込んだから、取付け用部が受ける
応力が低減して強度が向上する。したがって、凝縮圧力
や蒸発圧力が高い冷媒を使用しても、充分な耐圧効果が
得られ、密閉ケースの板厚を厚くせずともよいし、ケー
ス内圧が従来と同等であればケース板厚を薄くでき、い
ずれにしてもコストの増大を阻止できる効果を奏する。
【0062】請求項2の発明によれば、上記冷媒として
凝縮圧力や蒸発圧力が高いR410Aを用いたが、従来
と同等の肉厚の密閉ケースであっても密封端子の接合強
度を保持できる。
【0063】請求項3の発明によれば、球面部の球面半
径を密閉ケース円筒内径の50〜100%に設定したか
ら、球面部の出っ張りを極力抑制した最適な外形寸法を
得て、据付けスペースの拡大を防止し、他の部品との干
渉をなくす。
【0064】請求項4の発明によれば、密閉ケースの密
封端子取付け用部とその周辺のみに球面部を設けたか
ら、ケース構造上、最も弱いと言われている取付け用部
の強度の増強を図れる。
【0065】請求項5の発明によれば、密封端子のキャ
ップ部を球面形状としたから、キャップ部の板厚を増す
ことなく強度の増強を得られる。請求項6の発明によれ
ば、キャップ部の球面半径を球面部の球面半径と同一、
もしくはそれ以下の大きさに設定したから、キャップ部
の板厚が密閉ケースの板厚よりも薄くても、キャップ部
の強度の増強を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す、密閉形圧縮機の
縦断面図。
【図2】同実施の形態の、密閉ケースの変形状態を説明
する図。
【図3】他の実施の形態の、密閉形圧縮機の一部を省略
した縦断面図。
【図4】さらに他の実施の形態の、密閉ケースの一部縦
断面図。
【図5】さらに他の実施の形態の、密閉ケースの一部縦
断面図。
【図6】本発明構造と従来構造の、内圧に対する端子取
付け用部の応力の特性図。
【図7】従来の、密閉形圧縮機の一部を省略した縦断面
図。
【図8】同従来の、密閉ケースの変形状態を説明する
図。
【符号の説明】
4…電動機部、 5…圧縮機部、 1…密閉ケース、 15…球面部、 18…取付け用部、 17…密封端子、 20…キャップ部。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】HFC冷媒を用いた冷凍サイクルを構成す
    る密閉形圧縮機において、 両端部が閉成される円筒体であり、その内部に電動機部
    および圧縮機部が収容された密閉ケースと、 この密閉ケースの、少なくとも一部に形成された球面部
    と、 この密閉ケースの上記球面部に開口された取付け用部
    と、 この取付け用部の開口に気密を有して嵌着され、上記電
    動機部と電気的に接続される密封端子とを具備したこと
    を特徴とする密閉形圧縮機。
  2. 【請求項2】上記冷媒は、R22に比べ凝縮圧力や蒸発
    圧力が高いHFC混合冷媒である、R410Aが用いら
    れることを特徴とする請求項1記載の密閉形圧縮機。
  3. 【請求項3】上記球面部は、その球面半径が密閉ケース
    円筒内径の50〜100%に設定されることを特徴とす
    る請求項1および請求項2記載の密閉形圧縮機。
  4. 【請求項4】上記密閉ケースは、上記密封端子取付け用
    部とその周辺のみに、上記球面部が設けられることを特
    徴とする請求項1記載の密閉形圧縮機。
  5. 【請求項5】上記密封端子は、密封端子を構成するキャ
    ップ部が球面状に形成されることを特徴とする請求項1
    記載の密閉形圧縮機。
  6. 【請求項6】上記キャップ部は、球面半径が上記球面部
    の球面半径と同一、もしくはそれ以下の大きさに設定さ
    れることを特徴とする請求項5記載の密閉形圧縮機。
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