JPH10158939A - 高集束性マルチフィラメント糸 - Google Patents
高集束性マルチフィラメント糸Info
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- JPH10158939A JPH10158939A JP31088196A JP31088196A JPH10158939A JP H10158939 A JPH10158939 A JP H10158939A JP 31088196 A JP31088196 A JP 31088196A JP 31088196 A JP31088196 A JP 31088196A JP H10158939 A JPH10158939 A JP H10158939A
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Abstract
速化に十分対応できる高度な集束性を有し、その製糸工
程では毛羽や断糸の発生が少なく安定に製造することが
できる高集束性マルチフィラメント糸を提供する。 【解決手段】 分子量が300〜500の一価脂肪酸エ
ステルの含有量が20〜60重量%、分子内に一個以上
のカルボキシル基を有する多価ヒドロキシ化合物と多価
カルボン酸とからなる縮重合体の含有量が5〜50重量
%の油剤が、0.5〜2.0重量%付着している合成繊
維からなるマルチフィラメント糸。
Description
められた合成繊維マルチフィラメント糸に関する。さら
に詳しくは、本発明は、製糸段階では平滑性に優れ且つ
工程糸導へのスカム堆積が少なくて安定に製糸すること
ができ、しかも製織時には集束性に優れていて安定に製
織することができる高集束性マルチフィラメント糸に関
する。
製織性を高めるため、各種集束剤を配合した製糸油剤を
該糸に付与し、繊維の集束性を高める方法が提案されて
いる。例えば、集束剤として、ポリブテン、プロピレン
オキサイド(PO)/エチレンオキサイド(EO)共重
合体、ポリエチレングリコール(PEG)・フタル酸類
ポリエステル、ポリエチレングリコール(PEG)・ロ
ジン酸エステルなどの高分子量化合物や、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、
ポリウレタンなどの皮膜形成能を有する熱可塑性樹脂を
配合した紡糸油剤を、未延伸糸束に給油した後に延伸す
る方法が提案されている。
題を抱えており、未だ工業生産上満足な結果が得られて
いないのが実情である。すなわち、上述のような高分子
量化合物を油剤中に配合する方法は、併用する他の油剤
成分との相溶性が劣るために油剤の乳化が困難で取扱い
性が悪く、しかも得られる繊維の集束性も不十分で製織
性の改善効果は十分なものではない。一方、皮膜形成性
熱可塑性樹脂を油剤中に配合する方法は、ローラーやガ
イドなど糸導へのスカムの堆積が多いため製糸性に支障
をきたしたり、これら熱可塑性樹脂の密着能や皮膜形成
能のために得られるマルチフィラメント糸の単繊維間に
膠着が生じやすく、巻取りパッケージから該糸条を引出
す際にスムーズに引出すことができなくなるという操業
上の問題を有するものであった。
繊維束に空気処理を施して繊維間に絡みあいを作る、所
謂インターレース法による集束性向上技術が開発され、
近年では該方法が一般に採用されている。
糸工程と延伸工程の直結(直延製糸)やその製糸速度の
増大、さらには後加工における整経や製織の速度増大が
急速に展開され、従来のインターレース法では空気処理
時間が短くなって、繊維間に十分な絡みあいを付与する
ことが困難となり、殊に無糊製織といった工程合理化工
程に耐えられるに十分な集束性を有するものは得られな
くなってきた。かかる交絡度低下の問題を解消するた
め、例えば空気処理における圧空量を増やすなど無理に
繊維間の絡みあい度を上げようとしても、逆に毛羽が増
大するなど糸品質の低下を招くばかりでなく、コスト的
にも益がなくなるなどの問題を生じることになる。
製織工程などの高速化に堪え得る高度な集束性を有する
合成繊維マルチフィラメント糸は、未だ提案されていな
いのが実情である。
術の問題が解消され、製糸工程では毛羽や断糸の発生が
少なく、しかも整経工程や製織工程などの後加工工程で
はその高速化に十分対応できる、高度な集束性を有する
マルチフィラメント糸の提供を目的とするものである。
を達成するため鋭意検討した結果、以下の構成を見出し
たものである。すなわち、本発明は、「合成繊維からな
るマルチフィラメント糸において、該マルチフィラメン
ト糸には、下記(i) 及び(ii)を同時に満足する油剤が糸
重量に対して0.5〜2.0重量%付着していることを
特徴とする高集束性マルチフィラメント糸。」である。 (i) 分子量が300〜500の一価脂肪酸エステル
(A)の含有量 20〜60重量% (ii)分子内に一個以上のカルボキシル基を有する多価ヒ
ドロキシ化合物と、多価カルボン酸とからなる縮重合体
(B)の含有量 5〜50重量%
構成する繊維は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン−
6、ナイロン−66などのポリアミド、その他ポリアク
リロニトリル、全芳香族ポリアミド、全芳香族ポリエス
テル、レーヨン、アセテートなどからなる合成繊維であ
ればいずれでもよく、特に限定されるものではないが、
なかでもポリエチレンテレフタレート繊維が好ましい。
いる油剤には、分子量が300〜500の一価脂肪酸エ
ステル(A)が20〜60重量%、好ましくは25〜5
5重量%含まれている必要がある。一価脂肪酸エステル
の分子量が300未満の場合には、該フィラメント糸を
製造する際の延伸・熱セット時に発煙を生じやすく、作
業環境が悪化しやすいので好ましくない。一方500を
越える場合又はアルコール成分もしくは酸成分の少なく
とも一方が多価であるか又は芳香族である場合には、油
剤の粘性が高くなって糸の走行摩擦が高くなるため、各
加工工程で単糸切れ(毛羽発生)などのトラブルが増大
するので好ましくない。また該一価脂肪酸エステル
(A)の油剤中含有量が20重量%未満の場合には、平
滑性が不足して単糸切れが増大し、一方60重量%を越
える場合には、油剤の凝集力が低減してマルチフィラメ
ント糸の集束効果が低下するため本発明の目的を達成す
ることができなくなる。
0の一価脂肪酸エステル(A)としては、例えばブチル
アルコール、オクチルアルコール、ラウリルアルコー
ル、イソステアリルアルコール、オレイルアルコールな
どの炭素数4〜18の一価アルコールと、カプリン酸、
ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、オレイン酸などの炭素数8〜18の一価脂肪酸との
エステル化合物をあげることができ、具体的にはイソオ
クチルパルミテート、イソブチルパルミテート、イソト
リデシルステアレート、ラウリルラウレートなどが例示
される。
成分である縮重合体(B)は、分子内に一個以上のカル
ボキシル基を有する多価ヒドロキシ化合物と、多価カル
ボン酸との縮重合体であり、その平均分子量は300〜
10000の範囲が適当である。分子量が300未満の
場合には集束性向上効果が低下し、一方10000を越
える場合には、油剤の粘度が高くなりすぎて平滑性が低
下する傾向にあり、また油剤をニートで付与する場合に
は均一に付与することが困難となる。
ルボキシル基を有する多価ヒドロキシ化合物としては、
ジメチロールプロパン酸、ジメチロールブタン酸、ジメ
チロールヘプタン酸などの脂肪族多価アルコールモノカ
ルボン酸、ジヒドロキシ安息香酸などの芳香族カルボン
酸多価フェノール、シトラジン酸などの複素環式カルボ
ン酸多価ヒドロキシ化合物があげられる。
酸、コハク酸、ドデカメチレンジカルボン酸などのアル
キレンジカルボン酸、オクテニルコハク酸、オクタデセ
ニルコハク酸などのアルケニルコハク酸、リノール酸な
どの不飽和脂肪族カルボン酸を2量化したダイマー酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などの芳香族多
価カルボン酸などが例示され、なかでも炭素数4以上の
脂肪族ジカルボン酸、特に炭素数4〜20のアルケニル
コハク酸が好ましい。
脂肪酸で封鎖されていることが望ましく、かくすること
により、油剤中における溶解性が向上する。好ましく用
いられる脂肪酸としては、炭素数が8〜50の一価又は
二価の脂肪酸、特に炭素数が12〜22の一価脂肪酸又
は炭素数が12〜40の二価脂肪酸が例示され、具体的
にはラウリン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノレイン酸
などの一価脂肪酸、ドデセニルコハク酸、ダイマー酸な
どの二価脂肪酸があげられる。
有量は、5〜50重量%好ましくは10〜30重量%の
範囲とする必要があり、含有量が5重量%未満の場合に
は、集束性向上効果が不十分となり本発明の目的を達成
することができない。一方50重量%を越える場合に
は、油剤の粘性が増大して平滑性が阻害されるため、毛
羽が増大するなどのトラブルが発生するので好ましくな
い。
てシリコーン化合物、例えばジメチルシリコーン、アミ
ノ変性シリコーン、アルキレンオキサイド変性シリコー
ン、カルボキシ変性シリコーンなどを、0.5〜10重
量%好ましくは2〜7重量%含有していることが望まし
く、かくすることにより、前記B成分使用による油剤の
粘着性増加や潤滑性低下の程度が小さくなり、製糸時や
後加工工程での毛羽発生が抑制されるのでより好まし
い。特にシリコーン化合物の25℃における粘度が5〜
150センチストークス(cst)の範囲にある場合、
油剤の粘着性低下や潤滑性向上の効果が大きく好まし
い。
及びBの2成分、好ましくはA〜Cの3成分を含有する
油剤が付着していることにより、製糸や後加工工程での
毛羽発生が抑制されると共に、高度な集束性を有するも
のであるが、かかる油剤には、本発明の目的を阻害しな
い範囲で他の油剤成分を含有していてもよく、鉱物油、
ジオレイルアジペートやジオレイルチオジプロピオネー
トなどの二塩基酸エステル、1,6−ヘキサンジオール
ジラウレートやネオペンチルグリコールジラウレート、
ヤシ油、トリメチロールプロパントリデカネートなどの
多価アルコールエステル、及びポリエチレンオキサイド
/プロピレンキサイド共重合体などの潤滑剤成分、ポリ
オキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン
オレイルエーテル、ポリオキシエチレンひまし油エーテ
ルやポリエチレングリコールジラウレートなどの乳化剤
成分、アルキルホスフェートK塩、アルキルスルホネー
トNa塩などの制電剤成分、さらに必要に応じて酸化防
止剤や防錆剤その他の添加剤が含まれていても構わな
い。
は、通常は製糸時に上記油剤を付与することにより得ら
れるが、製糸方法は任意であり特に限定されない。しか
し好ましい方法としては、例えば溶融吐出糸条を冷却固
化後給油して引取り、引続き延伸・熱セットして300
0m/分以上の速度で巻取る方法があげられる。
グローラー又は計量オイリングノズルを介して、水系エ
マルジョン、油剤原液(ニ−ト)、又は溶剤希釈液(ス
トレート)を所定量付与する方法がとられる。この際、
付与する油剤量は油剤純分として繊維重量に対して0.
5〜2.0重量%とする必要がある。付着量が0.5重
量%未満の場合には、集束性が不十分となるだけでなく
潤滑性も不十分になって、製糸時の毛羽や断糸が増え、
一方2.0重量%を越える場合には、過剰の油剤が糸導
ガイドやローラーに付着堆積してスカムとなり、糸条の
走行安定性を阻害することになるので好ましくない。
する。なお、各評価項目は以下の方法によって行った。
上端を固定して下端に50gの荷重を掛けて吊るす。次
いで下端から約20cmの所を鋭利な鋏で切断し、吊る
し残った糸束の切断端の単糸のバラケた部分の長さをm
m単位で測定する。結果は、繰返し10回測定の平均値
で表し、この値により下記表1の基準で評点をつけた。
mm、表面粗度11sの梨地クローム仕上げの摩擦体に
接触角180°の状態で接触走行させ、この時の摩擦体
前後の張力(T1 、T2 ;g)から、下記式より摩擦係
数を算出した。なお、T1 は10gとなるように調整
し、この時の摩擦係数の値により、下記表2の基準で評
点をつけた。 摩擦係数(μ)=1/π(ln(T2 /T1 ))
かけ、12万m走らせて毛羽の個数をカウントし、繊維
長100万m当たりの値に換算した。この時の測定毛羽
ケ数により下記表3の基準で評点をつけた。
ポリエチレンテレフタレートを溶融吐出して36フィラ
メントの糸条となし、この糸条を冷却固化後、計量オイ
リングノズルを介して表4に示す油剤を糸重量に対して
0.8重量%付与した。次いで1500m/分の速度で
引取り、引続き2.87倍に延伸して75デニール/3
6フィラメントの延伸糸を得た。得られた延伸糸を用い
て各評価を行い、結果を表5にまとめた。
いて、油剤付与量を変える以外は実施例1と同様の実験
を行った。結果を表6に示す。
ト糸は、極めて集束性に優れた油剤が付着してるので、
整経・製織などの後加工工程での毛羽発生が極めて少な
く安定して品位の良好な製品を得ることができる。しか
も該油剤は潤滑性にも優れまたスカム発生も少ないの
で、製糸毛羽が少ない品位の良好なマルチフィラメント
糸が高速度の下に効率よく生産できるものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 合成繊維からなるマルチフィラメント糸
において、該マルチフィラメント糸には、下記(i) 及び
(ii)を同時に満足する油剤が糸重量に対して0.5〜
2.0重量%付着していることを特徴とする高集束性マ
ルチフィラメント糸。 (i) 分子量が300〜500の一価脂肪酸エステル
(A)の含有量 20〜60重量% (ii)分子内に一個以上のカルボキシル基を有する多価ヒ
ドロキシ化合物と、多価カルボン酸とからなる縮重合体
(B)の含有量 5〜50重量% - 【請求項2】 縮重合体の平均分子量が300〜100
00である請求項1記載の高集束性マルチフィラメント
糸。 - 【請求項3】 油剤が、シリコーン化合物(C)を0.
5〜10重量%含有する請求項1記載の高集束性マルチ
フィラメント糸。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31088196A JP3786484B2 (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 高集束性マルチフィラメント糸 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31088196A JP3786484B2 (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 高集束性マルチフィラメント糸 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10158939A true JPH10158939A (ja) | 1998-06-16 |
JP3786484B2 JP3786484B2 (ja) | 2006-06-14 |
Family
ID=18010514
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31088196A Expired - Fee Related JP3786484B2 (ja) | 1996-11-21 | 1996-11-21 | 高集束性マルチフィラメント糸 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3786484B2 (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008522049A (ja) * | 2004-12-01 | 2008-06-26 | テイジン・アラミド・ビー.ブイ. | アラミド糸の束の結束性を向上させるための方法 |
EP2484819A2 (en) * | 2009-09-30 | 2012-08-08 | Kolon Industries, Inc. | Marine polyester fiber, and preparation method thereof |
US8663744B2 (en) | 2004-12-01 | 2014-03-04 | Teijin Aramid B.V. | Method for improving aramid yarn bundle cohesiveness |
WO2014123090A1 (ja) * | 2013-02-06 | 2014-08-14 | 旭化成せんい株式会社 | エアバッグ用織物および織物ロール |
-
1996
- 1996-11-21 JP JP31088196A patent/JP3786484B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008522049A (ja) * | 2004-12-01 | 2008-06-26 | テイジン・アラミド・ビー.ブイ. | アラミド糸の束の結束性を向上させるための方法 |
US8663744B2 (en) | 2004-12-01 | 2014-03-04 | Teijin Aramid B.V. | Method for improving aramid yarn bundle cohesiveness |
EP2484819A2 (en) * | 2009-09-30 | 2012-08-08 | Kolon Industries, Inc. | Marine polyester fiber, and preparation method thereof |
EP2484819A4 (en) * | 2009-09-30 | 2013-07-31 | Kolon Inc | MARINE POLYESTER FIBER AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
WO2014123090A1 (ja) * | 2013-02-06 | 2014-08-14 | 旭化成せんい株式会社 | エアバッグ用織物および織物ロール |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3786484B2 (ja) | 2006-06-14 |
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