JPH10158722A - 取鍋精錬における揺動防止方法 - Google Patents

取鍋精錬における揺動防止方法

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JPH10158722A
JPH10158722A JP31621496A JP31621496A JPH10158722A JP H10158722 A JPH10158722 A JP H10158722A JP 31621496 A JP31621496 A JP 31621496A JP 31621496 A JP31621496 A JP 31621496A JP H10158722 A JPH10158722 A JP H10158722A
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JP
Japan
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disk
sloshing
gas
bath surface
depth
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Withdrawn
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JP31621496A
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English (en)
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Shinya Kitamura
北村信也
Manabu Iguchi
学 井口
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取鍋精錬における揺動防止方法に関し、高い
反応速度を維持したままスロッシングによる歩留まり低
下を抑制した精錬を可能とする方法を提供する。 【解決手段】 ガス吹き込み深さHに対して0.05H
〜0.15Hの半径を有する円盤を、ガス撹拌用ノズル
の浴表面での垂直投影点を中心とした0.2Hの半径を
有する円内に、0.1H以下の深さに浸漬する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本技術は取鍋精錬における揺
動防止方法に関する。
【0002】
【従来の技術】溶銑の脱硫や脱燐処理、叉は溶鋼の脱硫
処理等において、取鍋内溶鉄に対しガス吹き込みによる
撹拌を付与した溶鉄精錬方法が広く用いられている。ま
た、溶鋼の真空処理においても、取鍋全体を真空容器へ
収納し取鍋内溶鉄に対しガス吹き込みによる撹拌を付与
したタンク式取鍋脱ガス装置がある。例えば、鉄と鋼、
1988年、270ページ以降には溶銑脱燐処理が、鉄
と鋼、1988年、823ページ以降には溶鋼脱硫処理
が、鉄と鋼、1986年、S249及びS250に開示
されているタンク式取鍋脱ガス装置が開示されている。
【0003】これらの方法においては、吹き込みガス流
量を増やすことで撹拌エネルギーが増大し、均一混合時
間が短縮されるため精錬効果が向上するが、多量のガス
を吹き込んだ場合には、溶鉄表面が揺動(いわゆるスロ
ッシング現象)し始め、溶鉄が容器外へ飛散する挙動が
起こる。この場合には、歩留まりが大きく低下し、か
つ、安全上も問題があるため操業できず、実際には、ス
ロッシングが起こる限界以下の流量で操業をしている。
【0004】このスロッシングが発生する条件について
は、鉄と鋼、1992年、1778ページ以降に詳細な
研究結果が開示されているが、吹き込みガス流量を低下
させずにスロッシングを回避するには浴深を深くする方
法がある。しかし、取鍋形状を大きく変更することは多
大の投資が必要となり実際的ではない。また、鉄と鋼、
1993年、934ページ以降には、円筒管を気泡塔の
浮上領域を囲むように浸漬することでスロッシングが抑
制されることが示されている。しかし、この方法では同
時に均一混合時間も大幅に長くなるため精錬効果が低下
するという問題を生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、スロッシン
グを抑制する方法である、吹き込みガス流量を低下させ
る方法や円筒管を気泡塔の浮上領域を囲むように浸漬す
る方法では、均一混合時間が長くなり精錬効率を低下さ
せるという問題を解決し、多量のガスを吹き込んでも均
一混合時間を延長させずにスロッシングを抑制させるこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、表面のガ
ス吹き込み位置の投影位置に、小さな円盤を浅く漬ける
だけで、スロッシングが防止できることを見いだした。
【0007】本発明の要旨は、以下の各方法にある。
【0008】(1) 取鍋内溶鉄に対しガス吹き込みに
よる撹拌を付与した溶鉄精錬装置において、浴表面の少
なくとも一部に円盤底面を浸すことを特徴とする取鍋精
錬における揺動防止方法。
【0009】(2) ガス吹き込み深さHに対して0.
05H〜0.15Hの半径を有する円盤底面を浸すこと
を特徴とする(1)記載の取鍋精錬における揺動防止方
法。
【0010】(3) ガス吹き込み深さHに対してガス
撹拌用ノズルの浴表面での垂直投影点を中心とした0.
2Hの半径を有する円内に、0.1H以下の深さに円盤
底面を浸すことを特徴とする(1)又は(2)記載の取
鍋精錬における揺動防止方法。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態の模式図を図1
に示す。図中1は取鍋、2は溶鉄、3はガス吹き込み用
ポーラス煉瓦、4は気泡塔、5は円盤、6はスラグを示
す。本発明の基本となる構成要件及びさらに好ましい条
件の限定理由を以下に説明する。
【0012】鋼浴中に吹き込まれた気泡は鋼浴全体に広
がるのではなく、吹き込み孔を頂点とした逆円錐状に広
がりながら上昇する。この気泡が含まれる領域は気泡塔
(あるいはプルーム)と呼ばれる。通常は、気泡塔はガ
ス吹き込み孔を頂点として24度の立体角を持った逆円
錐状に広がりながら垂直上方に向かって上昇する。これ
に対して、スロッシングとは、気泡塔が吹き込み孔を頂
点として円周方向に旋回運動をし、それにより溶鉄表面
が上下方向に激しく揺れ動く現象である。これは、吹き
込まれたガス気泡が表面で破泡する時に、浴表面を部分
的に上方へ持ち上げる力が作用することにより引き起こ
される現象である。従って、上方へ持ち上げる力を打ち
消せばスロッシングは防止することができ、具体的には
浴表面の少なくとも一部に円盤を浸漬することにより強
制的に上方へ持ち上げる力を打ち消すことができ、揺動
をも防止することができるのである。
【0013】浴表面の少なくとも一部に浸漬させる円盤
の具備すべき条件として、ガス吹き込み深さHに対して
0.05H〜0.15Hの半径を有することが好ましい
理由と、ガス撹拌用ノズルの浴表面での垂直投影点を中
心とした0.2Hの半径を有する円内に、0.1H以下
の深さに浸漬することにより精錬効果を維持したままス
ロッシングを防止することができる理由について以下に
説明する。
【0014】図2は、溶銑脱硫での試験結果を示したも
のであるが、円盤の半径が0.05Hよりも小さい場合
にはスロッシングが抑制できず、0.15Hよりも大き
い場合にはスロッシングは抑制できるものの、表面の溶
鋼流速が著しく低下するため脱硫速度も低下することが
わかる。特に、0.15Hよりも大きい場合には、均一
混合時間の低下のみならず、表面流速の低下によるスラ
グの溶鋼への巻き込みも低下されるため、著しい反応速
度の低下が引き起こされている。さらに、0.05Hよ
りも小さくスロッシングが起こった場合の反応速度より
も、0.05H〜0.15Hの範囲の円盤を浸漬させた
場合の方が反応速度が大きい点は注目すべきである。こ
れは、溶鉄が取鍋外へ飛散しない範囲で適度に気泡塔の
旋回を与えることで、表面のスラグが溶鉄中に巻き込ま
れ易くなり反応速度が増加するのに対し、激しくスロッ
シングした場合には、撹拌エネルギーが溶鉄の飛散に消
費されるため有効にスラグの巻き込みが起こらず、かえ
って反応速度が低下することを示している。円盤は、ガ
ス撹拌用ノズルの浴表面での垂直投影点を中心とした
0.2Hの半径を有する円内に浸漬する必要がある。
0.2Hよりも外側では気泡塔の表面への浮上域から外
れるためスロッシングは抑制できない。また、図3に示
すように適正な半径の円盤を用いた場合であっても、
0.1H以下の深さに浸漬する必要がある。浸漬深さが
0.1Hよりも深い場合には、スロッシングは抑制され
るものの表面流速の低下によるスラグの溶鋼への巻き込
みが低下され、著しい反応速度の低下が引き起こされて
いる。このように、円盤の浸漬は単にスロッシングを抑
制するだけでなく、表面流速を確保して反応効率を最大
限に引き出す効果もある。
【0015】以上述べたことを整理すると、スロッシン
グを抑制するには気泡塔の表面への浮上域に円盤の底面
を浸すこととが重要であり、その条件は、0.05H以
上の半径を有する円盤底面を浸すことと、ガス撹拌用ノ
ズルの浴表面での垂直投影点を中心とした0.2Hの半
径を有する円内に浸すことである。また、スロッシング
を抑制した上で表面流速を低下させずに反応速度を高く
維持する条件は、0.15H以下の半径を有する円盤底
面を浸すことと、0.1H以下の深さに浸漬すことであ
る。
【0016】尚、円盤としてはアルミナ等の不定形耐火
物製のものや、マグネシウム等の定形耐火物製のものが
望ましく、中実であっても管であっても良く、また、円
柱でも角柱でも良い。
【0017】脱硫速度(K)は次式で表される。
【0018】K=(ln[S]I/[S]F)/t ここで、[S]Iは処理前[S]濃度、[S]Fは処理
後[S]濃度、tは処理時間(分)である。
【0019】
【実施例】実施例は、300トン規模の取鍋精錬装置で
実施した。ガス撹拌は取鍋底に設けたポーラス煉瓦から
Arガスを吹き込んだ。取鍋の内直径Dは400cm、
浴深Hは300cmであった。操業は、炭素:4.3
%、Si:0.25%、Mn:0.3%、P:0.08
5%、S:0.035%の溶銑に対して、CaOが90
%、Al灰が10%からなるフラックスを上方から約4
kg/t添加し、10分間、Arガスを500Nl/分
の流量で供給しガス撹拌して実施した。
【0020】実施例では、マグネシウム定形耐火物製の
半径30cmで30cmの厚みを有する円盤をポーラス
煉瓦の表面投影点を中心に、表面から15cmの深さま
で浸漬した。その結果、スロッシングは軽微であり歩留
まりも98%と高く、更に、[S]は0.010%まで
低下し、脱硫速度Kは0.126であった。
【0021】比較例では、円盤を浸漬しなかったが、そ
の結果、激しいスロッシングにより歩留まりは91%ま
で低下し、[S]も0.019%までしか低下せず、脱
硫速度Kは0.061であった。
【0022】
【発明の効果】本発明により、高い反応速度を維持した
ままスロッシングによる歩留まり低下を抑制した精錬が
可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の模式図。
【図2】円盤半径と脱硫速度との関係を示す実験結果を
示す図。
【図3】円盤浸漬深さと脱硫速度との関係を示す実験結
果を示す図で、円盤の半径が0.1Hの場合の例。
【符号の説明】
1…取鍋 2…溶鉄 3…ガス吹き込み用ポーラス煉瓦 4…気泡塔 5…円盤 6…スラグ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋内溶鉄に対しガス吹き込みによる撹
    拌を付与した溶鉄精錬装置において、浴表面の少なくと
    も一部に円盤底面を浸すことを特徴とする取鍋精錬にお
    ける揺動防止方法。
  2. 【請求項2】 ガス吹き込み深さHに対して0.05H
    〜0.15Hの半径を有する円盤底面を浸すことを特徴
    とする請求項1記載の取鍋精錬における揺動防止方法。
  3. 【請求項3】 ガス吹き込み深さHに対してガス撹拌用
    ノズルの浴表面での垂直投影点を中心とした0.2Hの
    半径を有する円内に、0.1H以下の深さに円盤底面を
    浸すことを特徴とする請求項1又は2に記載の取鍋精錬
    における揺動防止方法。
JP31621496A 1996-11-27 1996-11-27 取鍋精錬における揺動防止方法 Withdrawn JPH10158722A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111172354A (zh) * 2020-02-28 2020-05-19 鞍钢股份有限公司 一种微气泡钢液净化装置及净化方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Effective date: 20040203