JPH06145771A - 極低炭素鋼の溶製方法 - Google Patents
極低炭素鋼の溶製方法Info
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- JPH06145771A JPH06145771A JP29747192A JP29747192A JPH06145771A JP H06145771 A JPH06145771 A JP H06145771A JP 29747192 A JP29747192 A JP 29747192A JP 29747192 A JP29747192 A JP 29747192A JP H06145771 A JPH06145771 A JP H06145771A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、真空脱ガス処理により極低炭素鋼
を効率的かつ経済的に溶製する方法を提供するものであ
る。 【構成】 溶鋼を装入した取鍋を真空槽内に入れ、減圧
下で溶鋼の脱炭処理を実施するにあたり、溶鋼内部から
のCO気泡発生による脱炭を促進するため、耐火物製の
攪拌翼を溶鋼中に浸漬して、CO気泡発生サイトである
耐火物/溶鋼界面積を増大させるとともに、攪拌翼を回
転させることにより溶鋼表面近傍での溶鋼の流れが取鍋
中心軸の周りに旋回するように溶鋼流を形成することを
特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。
を効率的かつ経済的に溶製する方法を提供するものであ
る。 【構成】 溶鋼を装入した取鍋を真空槽内に入れ、減圧
下で溶鋼の脱炭処理を実施するにあたり、溶鋼内部から
のCO気泡発生による脱炭を促進するため、耐火物製の
攪拌翼を溶鋼中に浸漬して、CO気泡発生サイトである
耐火物/溶鋼界面積を増大させるとともに、攪拌翼を回
転させることにより溶鋼表面近傍での溶鋼の流れが取鍋
中心軸の周りに旋回するように溶鋼流を形成することを
特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶鋼を装入した取鍋全
体を真空槽内に装入し、減圧下において溶鋼の脱ガス処
理を実施する装置(以下、取鍋型脱ガス装置と記す)を
用いて、溶鋼の脱炭処理を実施するにあたり、溶鋼中の
炭素(以下、[C]と記す)の含有量を極微量、例えば
0.0015mass%以下まで除去し、極低炭素鋼を
溶製するための効率的かつ経済的な方法に関するもので
ある。
体を真空槽内に装入し、減圧下において溶鋼の脱ガス処
理を実施する装置(以下、取鍋型脱ガス装置と記す)を
用いて、溶鋼の脱炭処理を実施するにあたり、溶鋼中の
炭素(以下、[C]と記す)の含有量を極微量、例えば
0.0015mass%以下まで除去し、極低炭素鋼を
溶製するための効率的かつ経済的な方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】取鍋型脱ガス炉は、例えばR.J.Fr
uehan編“VACUUM DEGASSING O
F STEEL”(AIME、1990)、p.23〜
p.27に示されているように、溶鋼を装入した取鍋全
体を真空槽内に装入し、減圧下で、取鍋底部に設置した
ポーラスプラグより不活性ガスを溶鋼中に吹込み、溶鋼
の脱炭、脱水素、脱窒などの脱ガス処理を行う装置であ
る。この装置による脱炭処理中の溶鋼流れの特徴は、図
2(a)に示すように取鍋側壁近傍では下向きになって
いる。
uehan編“VACUUM DEGASSING O
F STEEL”(AIME、1990)、p.23〜
p.27に示されているように、溶鋼を装入した取鍋全
体を真空槽内に装入し、減圧下で、取鍋底部に設置した
ポーラスプラグより不活性ガスを溶鋼中に吹込み、溶鋼
の脱炭、脱水素、脱窒などの脱ガス処理を行う装置であ
る。この装置による脱炭処理中の溶鋼流れの特徴は、図
2(a)に示すように取鍋側壁近傍では下向きになって
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】後述するように、減圧
下における溶鋼の脱炭は、脱炭処理開始から[C]濃度
が0.003mass%以上の[C]濃度範囲では、溶
鋼内部からのCO気泡発生を伴う脱炭が主体となってい
ることが知られている。このCO気泡は主として溶鋼
と、溶鋼との濡れ性が悪い物質、例えば取鍋耐火物との
界面において発生する。取鍋型脱ガス炉では、そのよう
なCO気泡発生場所は、溶鋼と取鍋耐火物との界面に限
られる。
下における溶鋼の脱炭は、脱炭処理開始から[C]濃度
が0.003mass%以上の[C]濃度範囲では、溶
鋼内部からのCO気泡発生を伴う脱炭が主体となってい
ることが知られている。このCO気泡は主として溶鋼
と、溶鋼との濡れ性が悪い物質、例えば取鍋耐火物との
界面において発生する。取鍋型脱ガス炉では、そのよう
なCO気泡発生場所は、溶鋼と取鍋耐火物との界面に限
られる。
【0004】取鍋型脱ガス炉では、鍋底に設置したポー
ラスプラグよりガスを吹込むことが一般に行われている
が、その場合の溶鋼のマクロな流れは、図2(a)に示
すごとく、取鍋内溶鋼表面付近の取鍋耐火物/溶鋼界面
において下向きになっており、図3(a)に示すよう
に、耐火物表面で発生したCO気泡の耐火物表面からの
離脱、浮上を妨げるためCO気泡発生による脱炭を阻害
している。そのため、[C]濃度が0.003mass
%以上の[C]濃度領域では脱炭速度が小さく、到達
[C]濃度が高い。[C]を極低炭素濃度まで低減する
ためには、処理時間を延長しなければならず、脱炭処理
中の温度降下が大きい。したがって、前工程において溶
鋼温度を高めにしておくか、脱炭処理後に、溶鋼の加熱
工程が必要であり、不経済である。
ラスプラグよりガスを吹込むことが一般に行われている
が、その場合の溶鋼のマクロな流れは、図2(a)に示
すごとく、取鍋内溶鋼表面付近の取鍋耐火物/溶鋼界面
において下向きになっており、図3(a)に示すよう
に、耐火物表面で発生したCO気泡の耐火物表面からの
離脱、浮上を妨げるためCO気泡発生による脱炭を阻害
している。そのため、[C]濃度が0.003mass
%以上の[C]濃度領域では脱炭速度が小さく、到達
[C]濃度が高い。[C]を極低炭素濃度まで低減する
ためには、処理時間を延長しなければならず、脱炭処理
中の温度降下が大きい。したがって、前工程において溶
鋼温度を高めにしておくか、脱炭処理後に、溶鋼の加熱
工程が必要であり、不経済である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を有
利に解決するためになされたものであり、その要旨とす
るところは、図1に基づいて説明すると、下記のとおり
である。 (イ) 真空槽(1)内に溶鋼(2)を装入した取鍋
(3)を入れ、減圧下において、溶鋼(2)の脱ガス処
理を実施するにあたり、溶鋼(2)に攪拌翼(4)を浸
漬し、回転させることにより、取鍋(3)の中心軸の周
りに旋回するように溶鋼流を与えることを特徴とする極
低炭素鋼の溶製方法。
利に解決するためになされたものであり、その要旨とす
るところは、図1に基づいて説明すると、下記のとおり
である。 (イ) 真空槽(1)内に溶鋼(2)を装入した取鍋
(3)を入れ、減圧下において、溶鋼(2)の脱ガス処
理を実施するにあたり、溶鋼(2)に攪拌翼(4)を浸
漬し、回転させることにより、取鍋(3)の中心軸の周
りに旋回するように溶鋼流を与えることを特徴とする極
低炭素鋼の溶製方法。
【0006】(ロ) 上記(イ)の方法において、
[C]濃度が0.003mass%以上の[C]濃度領
域において、攪拌翼(4)を溶鋼(2)に浸漬すること
を特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。
[C]濃度が0.003mass%以上の[C]濃度領
域において、攪拌翼(4)を溶鋼(2)に浸漬すること
を特徴とする極低炭素鋼の溶製方法。
【0007】
【作用】以下、本発明について詳細に述べる。一般に、
減圧下での溶鋼の脱炭反応は、大きく次の3種類に分類
される。 (A)耐火物/溶鋼界面における[C]と溶鋼中の酸素
(以下、[O]と記す)との反応。この場合はCO気泡
の発生を伴う。
減圧下での溶鋼の脱炭反応は、大きく次の3種類に分類
される。 (A)耐火物/溶鋼界面における[C]と溶鋼中の酸素
(以下、[O]と記す)との反応。この場合はCO気泡
の発生を伴う。
【0008】(B)減圧雰囲気に曝されている溶鋼自由
表面での[C]と[O]との反応。 (C)溶鋼中に吹込まれたアルゴン気泡と溶鋼との界面
で起こる[C]と[O]との反応。 これらの反応の内、[C]濃度が0.003mass%
以上の領域では(A)の反応が主体であることが明らか
にされている。この領域では、溶鋼内部からCO気泡発
生が起こり得る深さHの範囲は(1)式で表わされる。
表面での[C]と[O]との反応。 (C)溶鋼中に吹込まれたアルゴン気泡と溶鋼との界面
で起こる[C]と[O]との反応。 これらの反応の内、[C]濃度が0.003mass%
以上の領域では(A)の反応が主体であることが明らか
にされている。この領域では、溶鋼内部からCO気泡発
生が起こり得る深さHの範囲は(1)式で表わされる。
【0009】
【数1】
【0010】ここで、Kは反応[C]+[O]=CO
(g)の平衡定数、P0 は真空槽内圧力、ρは溶鋼密
度、gは重力加速度である。[C]濃度が0.005m
ass%未満の[C]濃度領域では、(A)の反応の割
合が[C]濃度の低下とともに小さくなり、[C]濃度
が0.003mass%未満の[C]濃度領域では、
(B)あるいは(C)の反応が主体となって脱炭反応が
起こる。
(g)の平衡定数、P0 は真空槽内圧力、ρは溶鋼密
度、gは重力加速度である。[C]濃度が0.005m
ass%未満の[C]濃度領域では、(A)の反応の割
合が[C]濃度の低下とともに小さくなり、[C]濃度
が0.003mass%未満の[C]濃度領域では、
(B)あるいは(C)の反応が主体となって脱炭反応が
起こる。
【0011】本発明は、(A)の反応による脱炭を促進
し、脱炭処理時間の短縮と到達[C]濃度の低減を図る
ものである。(A)の反応において重要なことはCO気
泡が取鍋耐火物/溶鍋界面で発生していることである。
耐火物/溶鋼界面でのCO気泡発生をより詳細に検討し
た結果、耐火物表面での微小な空孔においてCO気泡が
成長し、CO気泡の浮力が、溶鋼/耐火物間の界面張力
に基づく力より大きくなったときにCO気泡は耐火物表
面から離脱し、溶鋼中を浮上することを解明した。した
がって、脱炭速度を増大させるためにはCO気泡発生サ
イトである耐火物と溶鋼の界面積を大きくすることが重
要である。
し、脱炭処理時間の短縮と到達[C]濃度の低減を図る
ものである。(A)の反応において重要なことはCO気
泡が取鍋耐火物/溶鍋界面で発生していることである。
耐火物/溶鋼界面でのCO気泡発生をより詳細に検討し
た結果、耐火物表面での微小な空孔においてCO気泡が
成長し、CO気泡の浮力が、溶鋼/耐火物間の界面張力
に基づく力より大きくなったときにCO気泡は耐火物表
面から離脱し、溶鋼中を浮上することを解明した。した
がって、脱炭速度を増大させるためにはCO気泡発生サ
イトである耐火物と溶鋼の界面積を大きくすることが重
要である。
【0012】さらに、耐火物表面からのCO気泡の離脱
を促進することも重要である。すなわち、図3(b)に
示すように、CO気泡の浮上方向に溶鋼を流すことによ
り、CO気泡の耐火物表面からの離脱を促進することが
でき、脱炭速度を大きくすることができる。また、気泡
の浮上方向に溶鋼を流す場合に比べると若干劣るが、取
鍋側壁に平行で水平方向に溶鋼を流すことも耐火物表面
でのCO気泡離脱促進には有効である。
を促進することも重要である。すなわち、図3(b)に
示すように、CO気泡の浮上方向に溶鋼を流すことによ
り、CO気泡の耐火物表面からの離脱を促進することが
でき、脱炭速度を大きくすることができる。また、気泡
の浮上方向に溶鋼を流す場合に比べると若干劣るが、取
鍋側壁に平行で水平方向に溶鋼を流すことも耐火物表面
でのCO気泡離脱促進には有効である。
【0013】図2(b)に示すように、取鍋内の溶鋼に
耐火物製の攪拌翼を浸漬し、回転することにより、耐火
物と溶鋼の界面積を増大し、取鍋耐火物/溶鋼界面付近
において、取鍋側壁に平行で水平方向向きの溶鋼流を形
成することができる。なお、図2(b)では、上方から
見て反時計回りの旋回流を記したが、上方から見て時計
回りの旋回流を形成させても脱炭促進効果は同等であ
る。
耐火物製の攪拌翼を浸漬し、回転することにより、耐火
物と溶鋼の界面積を増大し、取鍋耐火物/溶鋼界面付近
において、取鍋側壁に平行で水平方向向きの溶鋼流を形
成することができる。なお、図2(b)では、上方から
見て反時計回りの旋回流を記したが、上方から見て時計
回りの旋回流を形成させても脱炭促進効果は同等であ
る。
【0014】耐火物製攪拌翼を溶鋼に浸漬する際の
[C]濃度範囲について述べる。前述したように、溶鋼
内部からのCO気泡発生は[C]濃度が0.003ma
ss%以上の[C]濃度範囲において活発に生じるが、
0.003mass%未満の[C]濃度範囲では、CO
気泡発生はほとんど起こらず、減圧雰囲気にさらされた
真空槽内溶鋼表面も脱炭反応サイトの一つとなる。CO
気泡発生を促進するため溶鋼に浸漬した耐火物製攪拌翼
も真空槽内溶鋼表面積を減少させるため、0.003m
ass%未満の[C]濃度範囲では、攪拌翼を溶鋼中に
浸漬しない方が脱炭促進には有利である、したがって、
耐火物製攪拌翼を溶鋼に浸漬するときの[C]濃度範囲
は0.003mass%以上とする。
[C]濃度範囲について述べる。前述したように、溶鋼
内部からのCO気泡発生は[C]濃度が0.003ma
ss%以上の[C]濃度範囲において活発に生じるが、
0.003mass%未満の[C]濃度範囲では、CO
気泡発生はほとんど起こらず、減圧雰囲気にさらされた
真空槽内溶鋼表面も脱炭反応サイトの一つとなる。CO
気泡発生を促進するため溶鋼に浸漬した耐火物製攪拌翼
も真空槽内溶鋼表面積を減少させるため、0.003m
ass%未満の[C]濃度範囲では、攪拌翼を溶鋼中に
浸漬しない方が脱炭促進には有利である、したがって、
耐火物製攪拌翼を溶鋼に浸漬するときの[C]濃度範囲
は0.003mass%以上とする。
【0015】次に、取鍋中心軸周りに旋回流を形成すべ
き領域の溶鋼表面からの距離(深さ)について述べる。
(1)式で示されるCO発生が可能な浴深は、通常の溶
鋼の脱ガス処理においては高々500mm程度である。
脱炭促進のためにはこの領域でのCO気泡の耐火物表面
からの離脱を促進することが重要である。したがって、
浴表面からの距離が少なくとも500mm以下の範囲に
おいて旋回流を形成すればよい。
き領域の溶鋼表面からの距離(深さ)について述べる。
(1)式で示されるCO発生が可能な浴深は、通常の溶
鋼の脱ガス処理においては高々500mm程度である。
脱炭促進のためにはこの領域でのCO気泡の耐火物表面
からの離脱を促進することが重要である。したがって、
浴表面からの距離が少なくとも500mm以下の範囲に
おいて旋回流を形成すればよい。
【0016】[C]濃度が0.003mass%以上の
[C]濃度領域において脱炭反応を促進するためには、
(1)式のCO気泡発生深さを深くすることが有効であ
る。CO気泡発生深さを深くするためには、(1)式よ
り、[O]濃度を高くするか、あるいは真空槽内の圧力
を下げることが有効である。したがって、本発明に従い
脱炭処理を実施する際は、[O]濃度を高めにし、槽内
圧力を低減することが望ましい。
[C]濃度領域において脱炭反応を促進するためには、
(1)式のCO気泡発生深さを深くすることが有効であ
る。CO気泡発生深さを深くするためには、(1)式よ
り、[O]濃度を高くするか、あるいは真空槽内の圧力
を下げることが有効である。したがって、本発明に従い
脱炭処理を実施する際は、[O]濃度を高めにし、槽内
圧力を低減することが望ましい。
【0017】
(実施例1)初期成分が[C];0.03mass%、
[Si];0.1mass%以下、[Mn];0.01
〜0.5mass%、[P];0.005〜0.02m
ass%、[S];0.003〜0.02mass%、
[Al];0.002mass%以下で重量が300ト
ンの溶鋼を取鍋型脱ガス装置を用いて脱炭処理を実施し
た。その際、図2(b)に示すように、耐火物製攪拌翼
を取鍋内の溶鋼中に浸漬し、毎分120回回転し、取鍋
内溶鋼の表面から少なくとも500mm以下の範囲にお
いて取鍋中心軸の周りに旋回流を形成させた。さらに、
[C]濃度が0.003mass%未満の[C]濃度範
囲において、攪拌翼を溶鋼中に浸漬せずに脱炭処理を実
施した。このとき、取鍋内径は4000mmであり、攪
拌翼は一辺が500mmの十字形である。耐火物と溶鋼
との界面積は、図4に示すように耐火物製攪拌翼を溶鋼
に浸漬することにより攪拌翼を浸漬しない場合に比べて
約1.5倍に増大する。
[Si];0.1mass%以下、[Mn];0.01
〜0.5mass%、[P];0.005〜0.02m
ass%、[S];0.003〜0.02mass%、
[Al];0.002mass%以下で重量が300ト
ンの溶鋼を取鍋型脱ガス装置を用いて脱炭処理を実施し
た。その際、図2(b)に示すように、耐火物製攪拌翼
を取鍋内の溶鋼中に浸漬し、毎分120回回転し、取鍋
内溶鋼の表面から少なくとも500mm以下の範囲にお
いて取鍋中心軸の周りに旋回流を形成させた。さらに、
[C]濃度が0.003mass%未満の[C]濃度範
囲において、攪拌翼を溶鋼中に浸漬せずに脱炭処理を実
施した。このとき、取鍋内径は4000mmであり、攪
拌翼は一辺が500mmの十字形である。耐火物と溶鋼
との界面積は、図4に示すように耐火物製攪拌翼を溶鋼
に浸漬することにより攪拌翼を浸漬しない場合に比べて
約1.5倍に増大する。
【0018】比較例1は、取鍋底部に設置したポーラス
プラグより、毎分1000NlのArガスを溶鋼中に吹
込んだ場合である。このとき、取鍋内の溶鋼流は取鍋側
壁の溶鋼表面から少なくとも500mm以下の範囲では
図2(a)に示すように下向きになっていた。図5に本
発明による脱炭処理時の[C]濃度の経時変化を比較例
1の場合と比較して示す。比較例1の方法では20分の
脱炭処理での到達[C]濃度は0.0017mass%
であるのに対して、本発明によると0.0012mas
s%まで[C]濃度を低減することができる。
プラグより、毎分1000NlのArガスを溶鋼中に吹
込んだ場合である。このとき、取鍋内の溶鋼流は取鍋側
壁の溶鋼表面から少なくとも500mm以下の範囲では
図2(a)に示すように下向きになっていた。図5に本
発明による脱炭処理時の[C]濃度の経時変化を比較例
1の場合と比較して示す。比較例1の方法では20分の
脱炭処理での到達[C]濃度は0.0017mass%
であるのに対して、本発明によると0.0012mas
s%まで[C]濃度を低減することができる。
【0019】(実施例2)初期成分が[C];0.03
mass%、[Si];0.1mass%以下、[M
n];0.01〜0.5mass%、[P];0.00
5〜0.02mass%、[S];0.003〜0.0
2mass%、[Al];0.002mass%以下で
重量が300トンの溶鋼を取鍋型脱ガス装置を用いて脱
炭処理を実施した。その際、図2(b)に示すように、
耐火物製攪拌翼を取鍋内の溶鋼中に浸漬し、毎分120
回回転し、取鍋内溶鋼の表面から少なくとも500mm
以下の範囲において取鍋中心軸の周りに旋回流を付与し
た。さらに、[C]濃度が0.003mass%未満の
[C]濃度範囲において、攪拌翼を溶鋼中に浸漬せずに
脱炭処理を実施した。
mass%、[Si];0.1mass%以下、[M
n];0.01〜0.5mass%、[P];0.00
5〜0.02mass%、[S];0.003〜0.0
2mass%、[Al];0.002mass%以下で
重量が300トンの溶鋼を取鍋型脱ガス装置を用いて脱
炭処理を実施した。その際、図2(b)に示すように、
耐火物製攪拌翼を取鍋内の溶鋼中に浸漬し、毎分120
回回転し、取鍋内溶鋼の表面から少なくとも500mm
以下の範囲において取鍋中心軸の周りに旋回流を付与し
た。さらに、[C]濃度が0.003mass%未満の
[C]濃度範囲において、攪拌翼を溶鋼中に浸漬せずに
脱炭処理を実施した。
【0020】比較例2は、[C]濃度が0.003ma
ss%未満の[C]濃度範囲においても、攪拌翼を溶鋼
中に浸漬して脱炭処理を実施した場合である。このと
き、真空槽内の溶鋼表面積が小さくなった。図6に本発
明による脱炭処理時の[C]濃度の経時変化を比較例2
の場合と比較して示す。比較例2の方法では20分の脱
炭処理での到達[C]濃度は0.0016mass%で
あるのに対して、本発明によると0.0012mass
%まで[C]濃度を低減することができる。
ss%未満の[C]濃度範囲においても、攪拌翼を溶鋼
中に浸漬して脱炭処理を実施した場合である。このと
き、真空槽内の溶鋼表面積が小さくなった。図6に本発
明による脱炭処理時の[C]濃度の経時変化を比較例2
の場合と比較して示す。比較例2の方法では20分の脱
炭処理での到達[C]濃度は0.0016mass%で
あるのに対して、本発明によると0.0012mass
%まで[C]濃度を低減することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明により、取鍋型脱ガス装置におい
て、脱炭時間を延長することなく、[C]濃度が0.0
015mass%以下の極低炭素鋼を容易に溶製できる
ようになった。
て、脱炭時間を延長することなく、[C]濃度が0.0
015mass%以下の極低炭素鋼を容易に溶製できる
ようになった。
【図1】本発明の実施様態を示す図である。
【図2】取鍋内の溶鋼流れを模式的に示す図である。
【図3】耐火物表面におけるCO気泡の離脱と溶鋼流を
模式的に示す図である。
模式的に示す図である。
【図4】耐火物と溶鋼との界面積を示す図である。
【図5】[C]濃度の経時変化を示す図である。
【図6】[C]濃度の経時変化を示す図である。
1…真空槽 2…溶鋼 3…取鍋 4…耐火物製攪拌翼
Claims (2)
- 【請求項1】 真空槽(1)内に溶鋼(2)を装入した
取鍋(3)を入れ、減圧下において、溶鋼(2)の脱ガ
ス処理を実施するにあたり、溶鋼(2)に攪拌翼(4)
を浸漬し、回転させることにより、取鍋(3)の中心軸
の周りに旋回するように溶鋼流を与えることを特徴とす
る極低炭素鋼の溶製方法。 - 【請求項2】 請求項1の方法において、[C]濃度が
0.003mass%以上の[C]濃度領域において、
攪拌翼(4)を溶鋼(2)に浸漬することを特徴とする
極低炭素鋼の溶製方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29747192A JPH06145771A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 極低炭素鋼の溶製方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29747192A JPH06145771A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 極低炭素鋼の溶製方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06145771A true JPH06145771A (ja) | 1994-05-27 |
Family
ID=17846930
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29747192A Withdrawn JPH06145771A (ja) | 1992-11-06 | 1992-11-06 | 極低炭素鋼の溶製方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06145771A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111172354A (zh) * | 2020-02-28 | 2020-05-19 | 鞍钢股份有限公司 | 一种微气泡钢液净化装置及净化方法 |
-
1992
- 1992-11-06 JP JP29747192A patent/JPH06145771A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111172354A (zh) * | 2020-02-28 | 2020-05-19 | 鞍钢股份有限公司 | 一种微气泡钢液净化装置及净化方法 |
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