JPH10158555A - 画像記録用着色組成物 - Google Patents

画像記録用着色組成物

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JPH10158555A
JPH10158555A JP9362281A JP36228197A JPH10158555A JP H10158555 A JPH10158555 A JP H10158555A JP 9362281 A JP9362281 A JP 9362281A JP 36228197 A JP36228197 A JP 36228197A JP H10158555 A JPH10158555 A JP H10158555A
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monoazo pigment
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Hisanori Takami
尚徳 高見
Shiyunichi Ichiyanagi
俊弌 一柳
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 堅牢性を含めた諸性能に優れたインクジェッ
ト方式による画像記録用着色組成物を提供すること。 【構成】 色素及び樹脂を含む画像記録用着色組成物に
おいて、画像記録方式がインクジェット方式であり、色
素が、下記の式(I)で表わされるもののうちのある特
定の構造の黄色モノアゾ顔料と、式(I)で表わされる
が、上記のモノアゾ顔料とは異なる置換基を有する黄色
モノアゾ顔料及び/又は下記の式(II)で表わされる
黄色モノアゾ顔料を顔料合成時に生成させ、混在させた
黄色モノアゾ顔料組成物であることを特徴とする画像記
録用着色組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真、静電印刷、
静電記録、熱転写記録、インクジェット記録等の画像記
録における画像記録剤、或はその製造に使用される着色
組成物に関する。更に詳しくは、本発明は、顔料及び樹
脂を含有する画像記録の記録剤において、顔料が優れた
各種堅牢性及び透明性、鮮明性等を有し且つ非常に微細
な粒子径を有する黄色モノアゾ顔料組成物である画像記
録用着色組成物を提供するものである。
【0002】
【従来技術】従来、フルカラー又はモノカラーの電子写
真、静電印刷、静電記録、熱転写記録及びインクジェッ
ト記録等の画像記録に使用される黄色や、混色の緑色、
黄味の赤色、橙色或いは黒色の記録剤に使用される黄色
色素としては、黄色の油溶性染料、分散性染料、ジスア
ゾ系黄色アゾ顔料及び通常のモノアゾ系黄色顔料が使用
されてきている。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】しかしながら、油溶
性染料や分散性染料は、樹脂媒体を着色する場合に溶解
的に着色することが出来る為、着色力は高いが、耐光
性、耐溶剤性、耐薬品性等の堅牢度に劣るという問題が
ある。又、ジスアゾ系黄色アゾ顔料及び通常のモノアゾ
系黄色顔料も耐熱性等の堅牢性が不十分であり、不透明
性、くすみ等をもたらした。従って、本発明の目的は、
堅牢性を含めた諸性能に優れた画像記録用着色組成物を
提供することである。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によつて達成される。即ち、本発明は、色素及び樹脂を
含む画像記録用着色組成物において、画像記録方式がイ
ンクジェット方式であり、色素が、下記の式(I)で表
わされるもののうちのある特定の構造の黄色モノアゾ顔
料を99.8〜80モル%と、式(I)で表わされる
が、上記のモノアゾ顔料とは異なる置換基を有する黄色
モノアゾ顔料及び/又は下記の式(II)で表わされる黄
色モノアゾ顔料の0.2〜20モル%を顔料合成時に生
成させ、混在させた顔料組成物で、更に必要に応じてロ
ジン類或は公知の処理剤で処理した黄色モノアゾ顔料組
成物であることを特徴とする画像記録用着色組成物であ
る。
【化3】 (但し、上記式中のX1 、X2 、X3 、Y1 、Y2 及び
3 は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数
1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキ
シル基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基又はそのア
ルカリ土類金属塩又は高級アミン塩、N−フェニルアミ
ノスルホニル基、カルボキシル基又はそのアルカリ土類
金属塩又は高級アミン塩、カルボアミド基、N−フェニ
ルカルバモイル基、ウレイレン基、イミノジカルボニル
基又はカルボン酸エステル基である。)
【0005】
【作用】本発明者らは、前記の従来の記録剤の欠陥を解
決し、呈色性に優れ、諸堅牢性及び経済性を満足させ得
る黄色顔料の開発について種々研究した結果、特定の黄
色モノアゾ顔料が特定の製造方法をとることにより、従
来の塗料やプラスチック着色等の用途に使用されている
顔料に比べ粒子径を小さくし、且つ耐熱性を向上させる
ことにより、色相の鮮明性、冴え、透明性等に優れた性
質を発揮することが出来、又、諸物性も満足することが
出来、これを画像記録剤の着色剤として使用することに
より優れた画像記録剤が得られることを見出し本発明を
完成した。即ち、従来、アゾ顔料を塗料、プラスチッ
ク、合成繊維の着色等に使用しようとする場合には、色
の隠蔽性や呈色性等を重視する為、アゾ顔料の平均粒子
径を大きく調整してその変化率を小さくすることで耐熱
性を上げるているが、それでは画像記録剤用の着色剤と
しては色相の鮮明性、透明性及び冴えが欠けてしまう。
画像記録剤は、フルカラーで使用されたり、オバーヘツ
ドプロジェクターに使用されたりしているので、色相の
鮮明性、冴え、更には透明性を有していることが望まれ
ている。
【0006】電子写真乾式現像剤等の製造に当たって
は、凡そ100〜150℃位の温度で加熱混練すること
が多く、その様な加熱条件で顔料の粒子が成長したり、
結晶が変化したりすることで色調が変わったり、色がく
すんだり、色濃度が低下したり、色が不透明になったり
することが多い。本発明においては、目的のアゾ顔料を
合成するに当たり、それと色や物性は類似しているが、
構造の異なるアゾ顔料化合物を同時に合成することで、
生成した顔料粒子が混晶乃至は微結晶混合物或は局部的
な無定形物の混在といった様な状態となって結晶成長抑
制の効果をもたらし、その結果、上記で述べた様な加熱
条件下での耐熱性を向上させる様になったものと考えら
れる。従って、上記のアゾ顔料組成物を用いて得た画像
記録剤により、色相の鮮明な、冴え、透明性を損なわな
い優れた画像が得られた。
【0007】
【好ましい実施態様】次に好ましい実施態様を挙げて本
発明を更に詳細に説明する。本発明で使用し、主として
本発明を特徴づける特定の黄色モノアゾ顔料組成物と
は、その製造方法が、下記の式(III) で表わされるもの
のうちの特定の構造の芳香族アミノ化合物をジアゾ成分
としてジアゾ化して、下記の式(IV)で表わされるもの
のうちの特定の構造のアセトアセトアミド化合物をカッ
プリング成分としてカップリングするに際して、ジアゾ
成分及びカップリング成分の合計モル量の0.1〜10
モル%が、下記の式(III) で表わされるが、上記の特定
の芳香族アミノ化合物とは異なる置換基を有する芳香族
アミノ化合物、下記の一般式(V)で表される芳香族ア
ミノ化合物及び下記の式(IV)で表わされるが、上記の
特定のアセトアセトアミド化合物とは異なる置換基を有
するアセトアセトアミド化合物から選ばれた化合物に置
き換えて使用しており、又、必要に応じて生成した顔料
組成物を更にロジン類或は公知の処理剤で処理すること
によって得られる。
【化4】 (但し、上記式中のX1 、X2 、X3 、Y1 、Y2 及び
3 は前記定義の通りである。)
【0008】上記のシアゾ化反応及びカップリング反応
は常法に従って為される。上述の特定の黄色顔料につい
て更に具体的に述べると、該顔料としては、ジアゾ成分
としての構造式(III) のアミノ化合物は、その置換基が
下記表1に示され、構造式(IV)のカツプリング成分
は、その置換基が下記表2に示される夫々の中間体化合
物をカップリングさせて得たモノアゾ顔料が挙げられ
る。
【表1】
【0009】
【表2】
【0010】それらの代表的なモノアゾ顔料の例として
は下記の如きものが挙げられる。 2−メトキシ−4−ニトロアニリンをジアゾ化して
アセトアセト−2−メトキシアニライドとカップリング
させて得た黄色アゾ顔料 2−ニトロ−4−クロルアニリンをジアゾ化してア
セトアセト−2−メチル−4−クロルアニライドとカッ
プリングさせて得た黄色アゾ顔料 2−ニトロ−4−クロルアニリンをジアゾ化してア
セトアセト−2−クロルアニライドとカップリングさせ
て得た黄色アゾ顔料 4−アミノフタルイミドをジアゾ化してアセトアセ
ト−2,4−ジメチルアニライドとカップリングさせて
得た黄色アゾ顔料 2−トリフルオロメチルアニリンをジアゾ化してN
−(2−オキソ−5−ベンゾイミダゾリニル)アセトア
セトアミドとカップリングさせて得た黄色アゾ顔料等で
ある。又、前記した如く上記の顔料のジアゾ成分の一部
を置き換えて使用される一般式(V)で表される芳香族
アミノ化合物としては、例えば、2−アミノナフタレン
−1−スルホン酸等が挙げられる。
【0011】本発明に使用される黄色アゾ顔料組成物の
製造について、上記の顔料であるC.I.ピグメント
イエロー74を例に挙げて具体的に述べると、ジアゾ成
分としては2−メトキシ−4−ニトロアニリンのほかの
芳香族アミノ化合物を、カップリング成分としてはアセ
トアセト−2−メトキシアニライドのほかのアセトアセ
トアミド化合物をそれらの一方か双方を混合して使用す
る。好ましいアミノ化合物としては、例えば、2−ニト
ロ−4−メチルアニリン、2−メチル−5−ニトロアニ
リン、2−ニトロ−4−クロルアニリン、2−アミノ−
5−メチルベンゼンスルホン酸、2−アミノ−ナフタレ
ン−1−スルホン酸等が挙げられる。好ましいアセトア
セトアミド化合物としては、例えば、2−カルボキシ−
アセトアセトアニライド、4−(アセトアセチルアミ
ノ)フタルイミド、5−(アセトアセチルアミノ)ベン
ズイミダゾロン、4−(アセトアセチルアミノ)安息香
酸ブチルエステル等が挙げられる。スルホン酸の場合は
更にカップリング反応後にアルカリ土類金属塩やアミン
塩等にすることも出来る。ジアゾ成分及びカツプリング
成分の混合される比率は、該顔料の使用される条件が厳
しい条件であるほど多く使用されて効果をもたらすもの
であるが、顔料としての性能の関係もあり、ジアゾ成分
とカップリング成分の合計モル量の0.1〜10モル
%、好ましくは3〜8モル%である。
【0012】カップリング反応後に生成物の結晶を整え
たり、粒子の形状や粒子径を所望の範囲に整えたりする
等の後処理は、必要に応じて通常の方法と同様に行なわ
れる。モノアゾ顔料を塗料或いはプラスチック、合成繊
維の着色等の用途に使用する場合には一般に耐熱性を上
げる為の、アゾ顔料の平均粒子径を大きくする、例え
ば、約0.4〜1.0μmの大きさにするのが一般的で
ある。しかし、これを画像記録剤の着色剤として、特に
色相の鮮明性及び透明性、冴えが要求されるフルカラー
記録剤の着色剤として使用する場合には、分散した時の
モノアゾ顔料の平均粒子径は、0.2μm以下、好まし
くは0.15μm以下になる様に調整することが好まし
い。以上に示した特定の黄色モノアゾ顔料組成物は、画
像記録剤用の着色剤として耐光性、耐熱性、耐薬品性、
耐水性等の諸堅牢性に優れた性質を示した。
【0013】本発明において使用される樹脂は、固体の
形の着色組成物にあっては、顔料の分散媒体であり、液
体の形の着色組成物にあっては顔料の分散助剤として機
能するものであり、又、実際に記録剤として使用された
ときは顔料の固着剤として作用するものである。この様
な目的で使用される樹脂としては、電子写真、静電印
刷、静電記録等の乾式現像剤及び湿式現像剤、熱転写イ
ンクリボン及びフィルム、油性及び水性インクジェット
インク等の画像記録剤に通常使用されているいずれの樹
脂であってもよい。又、夫々の用途に合わせて、必要に
応じて従来公知の添加剤、例えば、帯電制御剤、流動化
剤等、或いは媒体として溶剤、水系媒体が使用される。
又、本発明の画像記録用着色組成物には高濃度着色組成
物も含まれる。その目的は、顔料を高濃度に含み、予め
充分に練肉して分散させたり、調色を行なっておくこと
により、後の工程を容易にする為のものであり、粗粒、
粗粉、微粉、シート状、小塊状等の固体状、或はペース
ト状又は液状のいずれの形状にても使用される。
【0014】本発明で使用される黄色モノアゾ顔料組成
物の、樹脂やその他の添加剤或は媒体を含む着色組成物
中における含有量は、その使用する目的によって異な
る。黄色モノアゾ顔料組成物を高濃度に含有する固体
状、ペースト状或いは液状の着色組成物では、その含有
量はおよそ15重量%〜60重量%、好ましくは20重
量%〜50重量%程度であり、電子写真現像剤等の着色
剤として使用される場合には、およそ1重量%〜10重
量%、好ましくは2重量%〜8重量%程度であり、熱転
写インクリボン、フイルムの着色剤として使用される場
合には、2重量%〜20重量%、好ましくは4重量%〜
15重量%程度であり、使用する目的に応じて最も好ま
しい含有量で使用される。
【0015】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。尚、文中部又は%とあるのは重量基準である。 実施例1 2−メトキシ−4−ニトロ−アニリン182.7部と2
−ニトロ−4−メチルアニリン5.1部とを、水1,3
00部及び35%塩酸290部の混合物中に加えて攪拌
し、それから0℃に冷却し、亜硝酸ソーダ80部を加え
てジアゾ化する。別に2−メトキシアセトアセトアニラ
イド241.8部を水5,000部中に加え、水酸化ナ
トリウム48部と共に溶かし、次いで酢酸196部と水
196部との混合液を添加することによって析出させて
カップリング成分の懸濁液を得る。澄明になったジアゾ
溶液をよく撹拌しながら、15℃において1時間30分
〜2時間以内に上記のカップリング成分の酢酸酸性懸濁
液に流下し添加する。カップリングが終わった後に、ロ
ジン45部を加え顔料処理を施し、得られた顔料組成物
を濾過、水洗、乾燥、粉砕し、463部の黄色アゾ顔料
組成物を得た。得られた顔料組成物を加熱混練して分散
させたときの平均粒子径は、およそ0.15μm以下で
あり、色相は鮮明な黄色を示した。
【0016】上記で得た黄色モノアゾ顔料組成物30部
を、スチレン−メタクリル系共重合樹脂(軟化点約11
0℃、ガラス転移点約56℃、GPC法重量平均分子量
約9万)70部と三本ロールにて充分混練し、顔料を分
散させた。冷却後粗砕して、黄色顔料を30%の濃度で
含有する高濃度着色組成物の粗粉を得た。次に、この様
にして得た黄色顔料を含む高濃度着色組成物14.7部
及びクロム錯塩系負帯電制御剤3部を上記で使用したス
チレン−メタクリル系共重合樹脂82.3部と常法に従
って混練し、冷却後粗砕して後、ジェットミルで微粉砕
し、更に分級して5〜30μmの黄色樹脂組成物の微粉
末を得た。次に、常法に従い流動化剤としてコロイダル
シリカを添加し、充分混合し、黄色電子写真乾式現像剤
とした。これをキャリアの磁性鉄粉と混合し、負電荷フ
ルカラー現像用電子写真複写機にて単色の複写をした結
果、鮮明な黄色画像が得られた。画像は鮮明で冴えた黄
色を呈し、耐光性等の諸物性に優れた堅牢性を示した。
【0017】又、オーバーヘッドプロジェクター用のポ
リエステルシートに複写すると透明な画像を呈し、オー
バーヘッドプロジェクタースクリーンに鮮明な黄色の映
像を示した。又、シアン顔料として銅フタロシアニンブ
ルー顔料、マゼンタ顔料としてジメチルキナクリドン顔
料、ブラック顔料としてカーボンブラック顔料を用いて
上記と同様にして各々シアン色現像剤、マゼンタ色現像
剤、ブラック色現像剤とし、上記で得たイエロー色現像
剤と共に四色フルカラー複写を行ない、鮮明なフルカラ
ー画像を得た。又、オーバーヘッドプロジェクターシー
トに複写し、スクリーンに鮮明なフルカラー映像を映す
フルカラー画像を得た。
【0018】実施例2 実施例1で述べた方法に従って、2−ニトロ−4−クロ
ルアニリン86.3部をジアゾ化して、2−クロルアセ
トアセトアニライド110部と2,4−ジメチル−アセ
トアセトアニライド5.6部とをカップリング成分とし
てカップリングさせ、濾過、水洗、乾燥、粉砕し、19
7.0部の顔料組成物を得た。得られた顔料組成物を加
熱混練して分散させたときの平均粒子径は、およそ0.
15μm以下であり、色相は鮮明で冴えた黄色を示し
た。得られたモノアゾ顔料組成物を、実施例1で述べた
方法に従って高濃度着色組成物を作り、更にそれを使用
して電子写真用乾式現像剤を作成した。これをキャリヤ
ーと混合し、フルカラー電子写真複写機にて単色及びフ
ルカラーの複写をした結果、鮮明な画像が得られた。画
像は鮮明で冴えた黄色及び四色フルカラー画像を示し、
諸物性に優れた堅牢性を示した。
【0019】実施例3 実施例1で述べた方法に従って、2−メトキシ−4−ニ
トロアニリン140.5部と2−アミノ−5−メチルベ
ンゼンスルホン酸4.8部とをジアゾ化して、2−メト
キシアセトアセトアニライド183.3部と2−カルボ
キシアセトアセトアニライド6.1部とをカップリング
成分としてカップリングさせ、濾過、水洗、乾燥、粉砕
し、332部の顔料組成物を得た。得られた顔料組成物
を、加熱混練して分散させたときの平均粒子径は、およ
そ0.15μm以下であり、色相は鮮明な黄色を示し
た。得られたモノアゾ顔料組成物を実施例1で述べた方
法に従って使用して高濃度着色組成物を作り、更にそれ
を使用して電子写真用乾式現像剤を作成した。これをキ
ャリヤーと混合し、フルカラー電子写真複写機にて単色
及びフルカラーの複写をした結果、鮮明な画像が得られ
た。画像は鮮明で冴えた黄色及び四色フルカラー画像を
示し、諸物性に優れた堅牢性を示した。
【0020】実施例4 実施例1で述べた方法に従って、2−メトキシ−4−ニ
トロ−アニリン154.5部とp−トルイジン−m−ス
ルホン酸15.0部とをジアゾ化して、2−メトキシア
セトアセトアニライド217.0部をカップリング成分
としてカップリングし、ロジン38部と塩化カルシウム
13部を用いて顔料処理を施し、濾過、水洗、乾燥、粉
砕し、424部の黄色顔料組成物を得た。得られた顔料
組成物を加熱混練して分散させたときの平均粒子径は、
およそ0.15μm以下であり、色相は鮮明な黄色を示
した。上記で得た黄色顔料組成物10部を、エステルワ
ックス41部、パラフィン系ワックス41部、スチレン
−メタクリル系共重合樹脂5部及びシリカ3部をバイン
ダーとして常法に従い、ポリエチレンフイルムに塗布
し、黄色熱転写記録用インクフイルムとした。これをフ
ルカラー熱転写複写機にて複写し、鮮明な黄色複写画像
を得た。この画像は、耐光性等の諸物性に優れた堅牢性
を示した。又、オーバーヘッドプロジェクター用のポリ
エステルシートに複写すると、透明な画像が得られ、ス
クリーンに鮮明な画像を示した。又、銅フタロシアニン
ブルー顔料、ジメチルキナクリドン顔料、カーボンブラ
ック顔料を用いて上記と同様にして、各々、シアン色、
マゼンタ色及びブラック色の熱転写インクフイルムと
し、上記で得たイエロー熱転写インクフイルムと共に、
四色フルカラー複写を行い、鮮明なフルカラー複写画像
を得た。更に、オーバーヘッドプロジェクター用のポリ
エステルシートに複写し、スクリーンに透明なフルカラ
ー映像を映すフルカラー画像を得た。
【0021】実施例5 実施例1で述べた方法に従って、2−メトキシ−4−ニ
トロ−アニリン55.0部とp−トルイジン−m−スル
ホン酸3.2部とをジアゾ化して、2−メトキシアセト
アセトアニライド74.4部をカップリング成分とカッ
プリングさせ、濾過、水洗、乾燥、粉砕し、133.0
部の黄色顔料組成物を得た。得られた顔料組成物を加熱
混練して分散させたときの平均粒子径は、およそ0.1
5μm以下であり、色相は鮮明な黄色を示した。上記で
得た黄色顔料組成物5部、スチレン−アクリレート−メ
タクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体3部、エチレ
ングリコール22部、グリセリン8部及び水62部の水
性顔料分散液を作り、超遠心分離機で分散し得なかった
顔料粗粒子を除去し、インクジェット用水性黄色インキ
を得た。ピエゾ振動子を有するオンデマンド型のインク
ジェットプリンターで、上記の黄色インキを用いて画像
情報をプリントし、鮮明な黄色画像を得た。又、銅フタ
ロシアニンブルー顔料、ジメチルキナクリドン顔料及び
カーボンブラック顔料を用いて、上記と同様にして、各
々、シアン色、マゼンタ色及びブラック色のインクジェ
ットインキとし、上記で得たイエロー色インクジェット
インキと共に、四色フルカラープリントを行い、鮮明な
フルカラー画像を得た。
【0022】比較例 2−メトキシ−4−ニトロ−アニリン168.0部をジ
アゾ化して、2−メトキシアセアセトアニライド21
6.0部をカップリング成分としてカップリングさせ、
濾過、水洗、乾燥、粉砕し、385部の顔料を得た。得
られた顔料を加熱混練して分散させたときの平均粒子径
はおよそ0.4〜1.0μmを示し、粒子は粗大であ
り、色相は不鮮明で不透明な黄色となった。得られたア
ゾ顔料を実施例1で述べた方法に従って高濃度着色組成
物を作り、更にそれを使用して電子写真用乾式現像剤を
作成した。これをキャリヤーと混合し、フルカラー電子
写真複写機にて単色の複写をした結果、鮮明度の劣る不
透明な黄色画像しか得られなかった。
【0023】
【効果】本発明の画像記録用着色組成物は、その色素成
分として特定の黄色モノアゾ顔料組成物を使用している
ものであるが、この黄色モノアゾ顔料組成物が、高い着
色力、鮮明性、冴え、透明性を有するものであり、耐光
性、耐熱性、耐薬品性、耐水性等の諸堅牢性に優れてい
る為、着色物の製造の工程においても安定に製造するこ
とが出来、又、画像記録用着色組成物として使用される
際にも鮮明で冴えた、透明感の高い画像を安定して記録
することが出来る。又、液体記録剤として使用するに際
にも、長期間安定に記録することが出来るものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 色素及び樹脂を含む画像記録用着色組成
    物において、画像記録方式がインクジェット方式であ
    り、色素が、下記の式(I)で表わされるもののうちの
    ある特定の構造の黄色モノアゾ顔料を99.8〜80モ
    ル%と、式(I)で表わされるが、上記のモノアゾ顔料
    とは異なる置換基を有する黄色モノアゾ顔料及び/又は
    下記の式(II)で表わされる黄色モノアゾ顔料の0.2
    〜20モル%を顔料合成時に生成させ、混在させた顔料
    組成物で、更に必要に応じてロジン類或は公知の処理剤
    で処理した黄色モノアゾ顔料組成物であることを特徴と
    する画像記録用着色組成物。 【化1】 (但し、上記式中のX1 、X2 、X3 、Y1 、Y2 及び
    3 は、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数
    1〜3のフルオロアルキル基、炭素数1〜3のアルコキ
    シル基、ハロゲン原子、ニトロ基、スルホ基又はそのア
    ルカリ土類金属塩又は高級アミン塩、N−フェニルアミ
    ノスルホニル基、カルボキシル基又はそのアルカリ土類
    金属塩又は高級アミン塩、カルボアミド基、N−フェニ
    ルカルバモイル基、ウレイレン基、イミノジカルボニル
    基又はカルボン酸エステル基である。)
  2. 【請求項2】 黄色モノアゾ顔料の平均粒子径が、0.
    2μm以下である請求項1に記載の画像記録用着色組成
    物。
  3. 【請求項3】 黄色モノアゾ顔料組成物が、下記の式(I
    II) で表わされるもののうちの特定の構造の芳香族アミ
    ノ化合物をジアゾ成分としてジアゾ化して、下記の式
    (IV)で表わされるもののうちの特定の構造のアセトア
    セトアミド化合物をカップリング成分としてカップリン
    グするに際して、ジアゾ成分及びカップリング成分の合
    計モル量の0.1〜10モル%が、下記の式(III) で表
    わされるが、上記の特定の芳香族アミノ化合物とは異な
    る置換基を有する芳香族アミノ化合物、下記の一般式
    (V)で表される芳香族アミノ化合物及び下記の式(I
    V)で表わされるが、上記の特定のアセトアセトアミド
    化合物とは異なる置換基を有するアセトアセトアミド化
    合物から選ばれた少なくとも1種の化合物に置き換えて
    使用しており、又、必要に応じて生成した顔料組成物を
    更にロジン類或は公知の処理剤で処理することによって
    得られることを特徴とする黄色モノアゾ顔料組成物であ
    る請求項1に記載の画像記録用着色組成物。 【化2】 (但し、上記式中のX1 、X2 、X3 、Y1 、Y2 及び
    3 は前記定義の通りである。)物。
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