JPH10158453A - ポリ塩化ビニル系ストレッチフィルム - Google Patents

ポリ塩化ビニル系ストレッチフィルム

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JPH10158453A
JPH10158453A JP32508996A JP32508996A JPH10158453A JP H10158453 A JPH10158453 A JP H10158453A JP 32508996 A JP32508996 A JP 32508996A JP 32508996 A JP32508996 A JP 32508996A JP H10158453 A JPH10158453 A JP H10158453A
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JP
Japan
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film
weight
plasticizer
parts
polyvinyl chloride
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JP32508996A
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English (en)
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Michimasa Ote
道正 大手
Hideki Suzuki
秀樹 鈴木
Michiko Magai
美智子 真貝
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Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Polymer Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 ポリエステル系可塑剤とアジピン酸エステル
系可塑剤を併用したポリ塩化ビニル系ストレッチフィル
ムにおいて、ポリエステル系可塑剤の有する自己粘着性
を維持しつつ、防曇剤のブリードアウトを確保すること
により、フィルムの表面滑性に優れ、かつフィルム巻回
体の経時寸法安定性に優れた、食品容器包装において自
動包装機で使用するのに好適なフィルムが得られるよう
にしたこと。 【解決手段】 ポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、平均分子量1000〜3000のポリエステル系可
塑剤15〜40重量部、炭素数が8以上のアルキル基を
有するアジピン酸エステル系可塑剤3〜15重量部、エ
ポキシ化植物油5〜15重量部および、グリセリン脂肪
酸エステルとソルビタン脂肪酸エステルの群より選ばれ
た1種または2種以上の防曇剤2.0〜4.0重量部、
を配合してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品容器包装など
の用途に使用されるポリ塩化ビニル系ストレッチフィル
ムに係り、特にフィルムの表面滑性に優れ、かつフィル
ム巻回体の経時寸法変化が極めて小さい、自動包装機で
使用するのに好適なポリ塩化ビニル系ストレッチフィル
ムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンビニエンス・ストアの普及および一
般家庭の主婦層の利用増加などにより、コンビニエンス
・ストアにおいて弁当・惣菜が多量に販売され、消費さ
れている。この弁当・惣菜の包装形態は、蓋付き容器を
ストレッチフィルムで包装する容器包装が一般的であ
り、このようなストレッチフィルムとしては、ポリ塩化
ビニルを主成分として、これに可塑剤を添加したポリ塩
化ビニル系ストレッチフィルムが広く用いられている。
ポリ塩化ビニル系ストレッチフィルムによる弁当・惣菜
の容器包装の多くは、自動包装機により行われている。
このため、これに供せられるフィルムには、自動包装機
に対する機械適性、すなわち、フィルムの表面滑性とフ
ィルム巻回体の経時寸法安定性とがともに要求される。
【0003】この表面滑性が不足したフィルムを使用し
た場合、被包装物である食品容器とフィルムとの滑性が
低下してしまうため、包装時にフィルムが容器の上面や
端部に密着して滑らず、容器がつぶれたり、あるいはフ
ィルムが破れたりといった不都合が発生して、生産性が
低下してしまう。反対に、表面滑性が過剰なフィルムを
使用した場合、包装後、食品容器とフィルムが滑ってし
まい、フィルムと容器がズレてフィルムにシワが発生す
るという不都合があった。
【0004】フィルムの表面滑性は、被包装物とフィル
ムとの静摩擦係数により定量的に把握できる。すなわ
ち、被包装物とフィルムとの静摩擦係数とは、温度20
〜30℃、相対湿度30〜50%の環境下でヘイドン表
面性試験機を使用して、全体荷重100g、滑り速度2
00mm/分において測定した値である。この静摩擦係
数が0.50〜1.50の範囲にあるフィルムは、表面
滑性が良好なため、表面滑性が不足して包装時にフィル
ムが破れたり、反対に、表面滑性が過剰になって包装後
のフィルムにシワが発生するといった不都合が起こらな
い。例えば、被包装物として弁当容器を用いた場合、静
摩擦係数が0.50未満の場合は、フィルムの表面滑性
が過剰で、包装後にフィルムがズレてシワが発生してし
まう。反対に、1.50を超えた場合、フィルムの表面
滑性が不足して、包装時に容器がつぶれたり、あるいは
フィルムが破れたりしてしまう。
【0005】次に、フィルム巻回体の経時寸法安定性と
は、紙管にフィルムを巻いたフィルム巻回体を高温環境
下に長時間保管した場合の寸法安定性であり、また、そ
の時のフィルム巻回体の幅両端部が階段状に変形してし
まう、いわゆるせり出し現象の発生の度合いである。こ
のせり出し現象は、ポリ塩化ビニル系のフィルム巻回体
に特有の現象である。これはフィルム温度の上昇にとも
ないフィルム中のポリ塩化ビニル分子鎖が収縮し、フィ
ルムが巻き締まり、これによりフィルム巻回体のフィル
ムに紙管方向への圧力が発生する。この圧力により、フ
ィルム巻回体の巻芯部のフィルムが幅方向へ押し広げら
れ、フィルム幅が元寸法よりも長くなる。一方、フィル
ム巻回体の巻表層部では、フィルムが収縮するのみのた
め、フィルム幅が元寸法よりも短くなる。同時に、フィ
ルムの温度上昇によりフィルム表面への可塑剤や防曇剤
のブリードアウトが増加し、フィルム同士の自己粘着性
が低下するため、フィルム巻回体の巻表層部と巻芯部の
寸法差に起因してサイドカット面に段ズレが発生してし
まう。このようなせり出し現象が発生したフィルム巻回
体は、外観不良のほか、フィルムの使用過程でフィルム
幅が変化するため、その変化に応じて包装機を調整しな
ければならないという不利が生じ、生産性が低下してし
まう。フィルム巻回体の経時寸法安定性は、フィルム巻
回体を40℃で120時間保管することにより確認でき
る。この保管試験において、フィルム巻回体のサイドカ
ット面が階段状に変形するせり出し現象が発生しなけれ
ば、通常の流通保管において実用上問題とならない。
【0006】このような現状から、近年、弁当・惣菜な
どの容器包装に用いられてきたポリ塩化ビニル系ストレ
ッチフィルムは、当然のことながら、フィルムの表面滑
性とフィルム巻回体の経時寸法安定性にともに優れるも
のであり、自動包装機に対する機械適性を十分満足し得
るものであった。このポリ塩化ビニル系ストレッチフィ
ルムに添加される可塑剤としては、アジピン酸エステル
系可塑剤や混合アジピン酸エステル系可塑剤が広く用い
られてきた。ところが、PL法施行以降、これらの可塑
剤が容器の蓋に対し溶剤として作用し、蓋に亀裂を発生
させる現象、いわゆる環境応力亀裂の問題や、食品への
可塑剤の移行の問題などがクローズアップされてきたた
め、アジピン酸エステル系可塑剤の単独使用から、低移
行性のポリエステル系可塑剤とアジピン酸エステル系可
塑剤とが併用されるようになった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ポリエ
ステル系可塑剤とアジピン酸エステル系可塑剤を併用し
たポリ塩化ビニル系ストレッチフィルムは、ポリエステ
ル系可塑剤が低移行性であるために、防曇剤のフィルム
表面へのブリードアウトが抑制されてしまい、これによ
ってフィルムの表面滑性が低下して、機械適性が著しく
損なわれるといった不都合があった。これに対し、防曇
剤のブリードアウトを増加させるために、一般的に行わ
れる防曇剤の多量配合を行った場合、フィルムの表面滑
性の向上は認められるものの、ポリエステル系可塑剤が
本来有する優れた自己粘着性をも弱める結果となり、フ
ィルム巻回体の経時寸法安定性を損なう結果となってい
た。すなわち、ポリエステル系可塑剤とアジピン酸エス
テル系可塑剤を併用したポリ塩化ビニル系のフィルムで
は、フィルムの表面滑性とフィルム巻回体の経時寸法安
定性をともに満足させる優れたフィルムは未だ見い出さ
れていなかった。
【0008】したがって、本発明は、ポリエステル系可
塑剤とアジピン酸エステル系可塑剤を併用したポリ塩化
ビニル系ストレッチフィルムにおいて、ポリエステル系
可塑剤の有する自己粘着性を維持しつつ、防曇剤のブリ
ードアウトを確保することにより、フィルムの表面滑性
に優れ、かつフィルム巻回体の経時寸法安定性に優れ
た、食品容器包装において自動包装機で使用するのに好
適なフィルムを提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のポリ塩化ビニル
系ストレッチフィルム(以下、フィルムと略称する)
は、1)ポリ塩化ビニル系樹脂:100重量部、2)平
均分子量が1000〜3000のポリエステル系可塑
剤:15〜40重量部、3)炭素数が8以上のアルキル
基を有するアジピン酸エステル系可塑剤:3〜15重量
部、4)エポキシ化植物油:5〜15重量部および、
5)グリセリン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エス
テルの群より選ばれた1種または2種以上の防曇剤:
2.0〜4.0重量部、からなることによって上記課題
を解決することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、詳細に説明する。本発明のフィルムにおいて、第1
成分として用いられるポリ塩化ビニル系樹脂は、主に重
合度700〜1700、特には重合度1000〜140
0の塩化ビニル単独重合体が好ましい。この塩化ビニル
の単独重合体のほかには、これと共重合可能なビニル系
単量体との共重合体や、塩化ビニル系重合体以外に塩化
ビニルをグラフト重合させたグラフト共重合体などが挙
げられ、これらの共重合体は共重合体中の塩化ビニル以
外の構成単位の含有量が多くなると機械適性が低下する
ので、塩化ビニルを60重量%以上含有するのが好まし
い。
【0011】上記の塩化ビニルと共重合可能なビニル系
単量体としては、分子中に反応性二重結合を有するもの
であればよく、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレ
ンなどのα−オレフィン類;酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなどのビニルエステル類;ブチルビニルエーテ
ル、アセチルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;
アクリル酸またはメタクリル酸、アクリル酸メチル、メ
タクリル酸エチル、メタクリル酸フェニルなどのアクリ
ル酸またはメタクリル酸のエステル類;スチレン、α−
メチルスチレンなどの芳香族ビニル類;塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;N−フェ
ニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドなどの
N−置換マレイミド類などが挙げられ、これらは1種単
独または2種以上の組み合わせで用いられる。
【0012】上記の塩化ビニル系重合体以外の重合体と
しては、塩化ビニルをグラフトできるものであればよ
く、例えば、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン
・酢酸ビニル・一酸化炭素共重合体、エチレン・エチル
アクリレート共重合体、エチレン・エチルアクリレート
・一酸化炭素共重合体、エチレン・メチルメタクリレー
ト共重合体、エチレン・プロピレン共重合体、アクリロ
ニトリル・ブタジエン共重合体、ポリウレタン、塩素化
ポリエチレン、塩素化ポリプロピレンなどが挙げられ、
これらは1種単独または2種以上の組み合わせで用いら
れる。これらの例示したポリ塩化ビニル系樹脂は、1種
単独または2種以上の組み合わせで使用される。また、
上記ポリ塩化ビニル系樹脂は、乳化重合法、懸濁重合
法、溶液重合法、塊状重合法などいずれの重合方法で得
られたものでもよい。
【0013】第2成分としてのポリエステル系可塑剤
は、二塩基酸と二価アルコールの反応物であり、分子中
に多数のエステル基を有するため、これらエステル基の
極性により、低移行性および自己粘着性として作用す
る。二塩基酸としては、アジピン酸、セバシン酸、フタ
ル酸などがあり、二価アルコールとしては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、
1,6−ヘキサンジオールなどがある。ポリエステル系
可塑剤は、上記した二塩基酸の1種類と二価アルコール
の1種類または2種類以上の反応生成物として得られ、
成形加工性と自己粘着性の観点から適宜選択される。具
体的には、ポリ(プロピレングリコール、アジピン酸)
エステル、ポリ(プロピレングリコール、セバシン酸)
エステル、ポリ(ブタンジオール、アジピン酸)エステ
ル、ポリ(ブタンジオール、セバシン酸)エステル、ポ
リ(エチレングリコール、アジピン酸)エステル、ポリ
(1,6−ヘキサンジオール、ブタンジオール、アジピ
ン酸)エステル、ポリ(ブタンジオール、エチレングリ
コール、アジピン酸)エステル、ポリ(エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、アジピ
ン酸)エステルなどが挙げられる。
【0014】この平均分子量は、1000〜3000の
ものが使用されるが、これが1000未満では、自身の
ブリードアウトが増加するために、本来有する自己粘着
性が阻害され、フィルム巻回体の経時寸法安定性が低下
してしまうため、せり出しが発生してしまう。一方、平
均分子量が3000を超える場合には、可塑剤自身は極
めて低移行性となって自己粘着性が強まるため、せり出
しの発生はなくなるが、成形加工性が大幅に低下する上
に、フィルムの耐寒性も低下してしまう。したがって、
自己粘着性、成形加工性および耐寒性を満足し得るの
は、平均分子量が1000〜3000の範囲、特に平均
分子量2000前後のものが好適に使用される。
【0015】この添加量は、ポリ塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対し、15〜40重量部の範囲であり、好ま
しくは20〜35重量部、さらに好ましくは20〜30
重量部の範囲である。この添加量が15重量部未満の場
合、自己粘着性が十分に付与されず、フィルム巻回体の
経時寸法安定性が得られず、せり出しが発生してしま
う。逆に40重量部を超えて添加した場合、せり出しの
発生は抑えられるものの、自己粘着性が強くなり過ぎ
て、包装時にフィルムがフィルム巻回体から繰り出され
る際に、フィルムに穴開きが発生したり、ちぎれたりと
いった繰り出し不良が発生して、包装不良となってしま
う。したがって、ポリエステル系可塑剤の添加量が15
〜40重量部の範囲においてのみ、機械適性を満足し得
る自己粘着性が得られる。
【0016】第3成分である炭素数が8以上のアルキル
基を有するアジピン酸エステル系可塑剤は、ポリエステ
ル系可塑剤に比べ分子量が小さいので、ブリードアウト
しやすい。また、防曇剤との相溶性に優れるため、自身
がブリードアウトすることによって、より一層防曇剤の
ブリードアウトを促進させることになる。この具体例と
しては、アジピン酸ジオクチル(n−オクチル、2−エ
チルヘキシル:炭素数8のアルキル基を有するアルコー
ルとのエステル)、アジピン酸ジイソノニル(同9のも
の)、アジピン酸ジデシル(同10のもの)、アジピン
酸ジイソデシル(同10のもの)などが挙げられ、これ
らの中では上記した効果の面でアジピン酸ジイソノニル
が好ましい。
【0017】この添加量は、ポリ塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対し、3〜15重量部であり、好ましくは4
〜15重量部、さらに好ましくは5〜15重量部であ
る。この添加量が3重量部未満では、自身のブリードア
ウトおよび防曇剤のブリードアウトが不足し、フィルム
の表面滑性が付与されず、被包装物とフィルムとの静摩
擦係数が1.50を超えてしまい、包装時に包装容器が
つぶれたり、あるいはフィルムが破れたりといった不都
合が発生してしまう。逆に15重量部を超えて添加した
場合には、自身のブリードアウトおよび防曇剤のブリー
ドアウトが過剰となって、静摩擦係数が0.50を下回
ってしまい、包装後のフィルムにシワが入るといった不
都合が発生してしまう。したがって、アジピン酸エステ
ル系可塑剤の添加量は、3〜15重量部の範囲であり、
この範囲の場合にのみ、機械適性を満足し得る表面滑性
が得られる。
【0018】第4成分のエポキシ化植物油は、フィルム
製造時の成形加工性、特には成形時の熱安定性を向上さ
せる目的で使用される。このエポキシ化植物油として
は、エポキシ化大豆油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ
化アマニ油およびエポキシ化サフラワー油などが挙げら
れ、この中では、上記した効果の面でエポキシ化大豆油
が好ましい。この添加量は、ポリ塩化ビニル系樹脂10
0重量部に対し、5〜15重量部の範囲である。この添
加量が5重量部未満では、成形加工時の熱安定性が悪
く、逆に15重量部を超えて添加した場合には、フィル
ムの剥離性が低下してフィルム巻回体からのフィルムの
繰り出しが滑らかに行われず、繰り出されたフィルムに
穴開きが発生したり、ちぎれたりといった繰り出し不良
が発生して包装不良となってしまう。したがって、エポ
キシ化植物油の添加量が5〜15重量部の範囲である場
合にのみ、成形加工性が向上し、しかも機械適性を悪化
させることがない。
【0019】第5成分の防曇剤としては、モノグリセリ
ン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルおよ
びソルビタン脂肪酸エステルが挙げられる。これらの防
曇剤は、フィルム表面へブリードアウトして、食品容器
や自動包装機内で使用されているゴムベルトなどに対し
滑剤として作用し、フィルムに表面滑性を付与すること
ができる。このモノグリセリン脂肪酸エステルとして
は、炭素原子数が12〜18の飽和または不飽和脂肪酸
のモノグリセリンエステルが好ましい。具体的にはモノ
グリセリンラウレート、モノグリセリンミリステート、
モノグリセリンパルミテート、モノグリセリンステアレ
ート、モノグリセリンオレート、モノグリセリンリノレ
ートなどが挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステル
としては、炭素原子数が12〜18の飽和または不飽和
脂肪酸のポリグリセリンエステルが好ましい。具体的に
はポリグリセリンラウレート、ポリグリセリンミリステ
ート、ポリグリセリンパルミテート、ポリグリセリンス
テアレート、ポリグリセリンオレート、ポリグリセリン
リノレートなどが挙げられる。ソルビタン脂肪酸エステ
ルとしては、炭素原子数が12〜18の飽和または不飽
和脂肪酸のソルビタンエステルが好ましい。具体的には
ソルビタンラウレート、ソルビタンミリステート、ソル
ビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビ
タンオレート、ソルビタンリノレートなどが挙げられ
る。
【0020】上記の中では、特にモノグリセリンラウレ
ート、モノグリセリンオレート、モノグリセリンリノレ
ート、ポリグリセリンラウレート、ポリグリセリンオレ
ート、ポリグリセリンリノレート、ソルビタンラウレー
ト、ソルビタンオレート、ソルビタンリノレートが好ま
しく、より好ましくは、モノグリセリンラウレート、モ
ノグリセリンオレート、ポリグリセリンラウレート、ポ
リグリセリンオレート、ソルビタンラウレート、ソルビ
タンオレートであり、さらに好ましくは、モノグリセリ
ンオレート、ポリグリセリンオレート、ソルビタンラウ
レートであり、これらは1種または2種以上の組み合わ
せで使用すればよい。
【0021】上記防曇剤の添加量は、ポリ塩化ビニル系
樹脂100重量部に対し、2.0〜4.0重量部の範囲
である。この添加量が2.0重量部未満では、防曇剤の
フィルム表面へのブリードアウトが不足し、表面滑性が
十分に付与されず、静摩擦係数が1.50を超えてしま
う。逆に4.0重量部を超えて添加した場合には、防曇
剤のフィルム表面へのブリードアウトが多くなって、表
面滑性が過剰となり、静摩擦係数が0.50に達しな
い。したがって、この添加量が2.0〜4.0重量部の
範囲である場合にのみ、静摩擦係数が0.50〜1.5
0の範囲になり、極めて良好なフィルムの表面滑性が得
られる。
【0022】本発明のフィルムにおいては、上記した第
1〜5成分に加え、必要に応じて安定剤、滑剤などを適
宜選択して配合することができる。安定剤としては、2
−エチルヘキシル酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸、ク
エン酸、グルコン酸、ソルビン酸、安息香酸、イソデカ
ン酸、ネオデカン酸などのカルシウム塩類、および2−
エチルヘキシル酸、炭素数8〜22の高級脂肪酸、イソ
デカン酸、ネオデカン酸などの亜鉛塩類からなるCa−
Zn系塩類が挙げられ、これらは1種または2種以上の
組み合わせで使用される。なお、上記の安定剤に対し
て、酸化防止剤を兼ねたものとして、トリス(ノニルフ
ェニル)ホスファイト、2,2’−メチレンビス(4−
メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ジプロピ
レングリコール、合成イソパラフィン石油炭化水素、ト
リデシルアルコール、デヒドロ酢酸などを併用してもよ
い。これらの添加量はそれぞれポリ塩化ビニル系樹脂1
00重量部に対し、1重量部以下が好ましい。
【0023】滑剤としては、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸な
どの炭素数が8〜22の高級脂肪酸;1,2−ジヒドロ
キシステアリン酸;ラウリン酸アミド、ステアリン酸ア
ミドなどの炭素数が8〜22の高級脂肪酸アミド;流動
パラフィン、合成パラフィンなどの脂肪族炭化水素;グ
リセリン、プロピレンフリコールなどのモノグリコー
ル;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ルなどのポリグリコールが挙げられ、これらは1種また
は2種以上の組み合わせで使用される。これらの添加量
は、それぞれポリ塩化ビニル系樹脂100重量部に対
し、1重量部以下が好ましい。
【0024】本発明におけるフィルムは、上記した組成
物をヘンシェルミキサーなどで混合した後、通常用いら
れているTダイ法もしくはインフレーション法などによ
り製膜される。また、このフィルムの厚さは、通常10
〜15μm程度のものが使用される。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を挙げて
説明するが、本発明はこの実施例の記載のみに限定され
るものではない。 (実施例1〜79、比較例1〜20)重合度1300の
ポリ塩化ビニル樹脂100重量部に対し、第2成分のポ
リエステル系可塑剤として分子量1200、2000お
よび2800のポリ(エチレングリコール、アジピン
酸)エステル、第3成分のアジピン酸エステル系可塑剤
としてアジピン酸ジイソノニル(DiNA)およびアジ
ピン酸−n−ジオクチル(DnOA)、第4成分のエポ
キシ化植物油としてエポキシ化大豆油(ESBO)、第
5成分の防曇剤としてモノグリセリンオレート、ジグリ
セリンオレートおよびソルビタンラウレートを、それぞ
れ表1〜10に示す量(重量部)添加し、さらに、Ca
−Zn系安定剤1重量部とイソステアリン酸0.5重量
部を添加した各組成物を、ヘンシェルミキサーで混合し
た後、Tダイ法によって製膜し、厚さ14μm、幅45
0mmのフィルムを紙管に巻き取った。得られた各フィ
ルムについて、下記の方法で、フィルムの表面滑性、包
装適性およびフィルム巻回体の経時寸法安定性の評価を
行い、その結果を表1〜表10に併記した。また、樹脂
組成物の熱安定性を下記の方法で評価を行い、その結果
についても表1〜表10に併記した。
【0026】フィルムの表面滑性 ヘイドン表面性試験機を使用し、フィルムのサンプルサ
イズを縦100mm、横50mm、ポリプロピレン製容
器のCTコンビニ幕の内(中央化学社製)の底部を切り
抜いたサンプルのサイズを縦10mm、横50mmと
し、温度25℃、相対湿度40%の条件下、全体荷重1
00g、滑り速度200mm/分で静摩擦係数を測定し
た。 包装適性 自動包装機による包装の良否を包装適性として確認し
た。ポリプロピレン製容器のCTコンビニ幕の内(同
前)を自動包装機A−18K(フジキカイ社製、商品
名)により、包装速度40パック/分で100パックを
包装し、包装の仕上がり状態を確認し評価した。フィル
ム巻回体からのフィルムの繰り出しが滑らかに行われ
て、フィルムに穴開きが発生したり、ちぎれたりするこ
となく、また包装時に容器がつぶれたりフィルムが破れ
たりすることなく包装でき、かつ包装後のフィルムにシ
ワの発生がなかった場合を○、フィルムに穴開きやちぎ
れがあったり、あるいは容器がつぶれたりフィルムに破
れなどがあったり、もしくは包装後のフィルムにゆるみ
があったりシワがあったりした場合を×、として評価し
た。 フィルム巻回体の経時寸法安定性 フィルム巻回体の幅両端部をサイドカット処理した後、
温度40℃で120時間保管後、サイドカット面の状態
を確認した。サイドカット面が保管前の状態を保持して
おり、段ズレがなく直線状であったものを○、サイドカ
ット面に段ズレや階段状の変形があったものを×、とし
て評価した。 熱安定性 ヘンシェルミキサーで混合した表1〜表10に示す各樹
脂組成物について、185℃に温調した3インチの2本
ロールで3分間混練して厚さ0.5mmのシートを作製
し、続いて195℃のギアオーブンに投入して変色する
までの時間を測定した。60分を超えても変色が見られ
ない場合、実用上問題がないことから、60分を目安に
判断した。60分を超えても褐色に変化しなかった場合
を○、60分以内にシートが褐色に変化ないしは黒色に
分解した場合を×、として評価した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】
【表6】
【0033】
【表7】
【0034】
【表8】
【0035】
【表9】
【0036】
【表10】
【0037】
【発明の効果】本発明のフィルムによれば、低移行性の
ポリエステル系可塑剤とアジピン酸エステル系可塑剤を
併用したポリ塩化ビニル系ストレッチフィルムにおいて
も、弁当・惣菜などの食品容器に対してのフィルムの表
面滑性と、フィルム巻回体の経時寸法安定性にともに優
れているので、自動包装機に対する機械適性が極めて良
好である。これにより、包装時に容器がつぶれたり、フ
ィルムが破れたり、あるいは包装後のフィルムにシワが
残ったりといった不都合の発生がなく、さらにフィルム
巻回体の経時寸法安定性に優れているので、フィルムの
使用量に応じて機械調整を行うことなく、生産性を向上
させ、自動包装機による容器包装を円滑に行うことがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08K 5/10 5:103 5:101)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1)ポリ塩化ビニル系樹脂:100重量
    部、 2)平均分子量が1000〜3000のポリエステル系
    可塑剤:15〜40重量部、 3)炭素数が8以上のアルキル基を有するアジピン酸エ
    ステル系可塑剤:3〜15重量部、 4)エポキシ化植物油:5〜15重量部および、 5)グリセリン脂肪酸エステルとソルビタン脂肪酸エス
    テルの群より選ばれた1種または2種以上の防曇剤:
    2.0〜4.0重量部、からなることを特徴とするポリ
    塩化ビニル系ストレッチフィルム。
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