JPH10158263A - Dl−ホモシステインチオラクトン無機酸塩の製造方法 - Google Patents

Dl−ホモシステインチオラクトン無機酸塩の製造方法

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JPH10158263A
JPH10158263A JP31357396A JP31357396A JPH10158263A JP H10158263 A JPH10158263 A JP H10158263A JP 31357396 A JP31357396 A JP 31357396A JP 31357396 A JP31357396 A JP 31357396A JP H10158263 A JPH10158263 A JP H10158263A
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JP
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methionine
homocysteine thiolactone
inorganic acid
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halide
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JP31357396A
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Jun Takehara
潤 竹原
Shuji Ichikawa
修治 市川
Hiroshi Iwane
寛 岩根
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Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DL−メチオニンを原料として、安価に、高
品質のDL−ホモシステインチオラクトン無機酸塩を高
収率で製造する方法を提供する。 【解決手段】 DL−メチオニンを、ハロゲン化アラル
キルの存在下、ハロゲン化水素及び酸無水物と反応さ
せ、生成するN−アシル−DL−ホモシステインチオラ
クトンを、無機酸の存在下、加水分解することを特徴と
するDL−ホモシステインチオラクトン無機酸塩の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬その他
有機化合物の合成中間体として有用なDL−ホモシステ
インチオラクトン無機酸塩の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】DL−ホモシステインチオラクトン無機
酸塩の製造方法としては、汎用工業薬品であるアクロレ
インを原料として合成され、安価で入手容易なDL−メ
チオニンを原料とする方法が知られている。例えば、
J.Biol.Chem.,99,135(1932−
33)、Youji Huaxue,5,417,(1
985)、ヨーロッパ特許第618312号あるいはス
ペイン特許第2061397号には、DL−メチオニン
を大過剰の濃硫酸中で加熱してDL−ホモシスチンとし
た後、還元、環化する方法が報告されている。しかしな
がら、この方法は大量のジメチルスルホニウム塩(メチ
オニン−S−メチルスルホニウム硫酸塩)を副生し、中
間体であるDL−ホモシスチンの収率が低く、また多工
程であることから工業的な製造法として望ましいもので
はない。
【0003】また、西ドイツ特許2547672号に
は、DL−メチオニンを液体アンモニア中で金属ナトリ
ウムにより還元してDL−ホモシステインを得た後、こ
れを環化してDL−ホモシステインチオラクトン無機酸
塩を製造する方法が報告されている。しかしながら、こ
の方法も扱いが容易でない液体アンモニアや金属ナトリ
ウムを使用することから、工業的製法として望ましいも
のではない。フランス特許第214768号はDL−メ
チオニンを燐、無水酢酸と共にヨウ化水素酸水溶液中で
加熱する方法を報告している。しかしながら、この方法
も、DL−ホモシステインチオラクトン無機酸塩の収率
が低く、しかも高価で腐食性の強いヨウ化水素酸水溶液
を使用することから工業的な製造法として望ましくな
い。
【0004】更に、スペイン特許第469867号は、
DL−メチオニンのハロゲン化水素塩を酢酸中で無水酢
酸と反応させることによりN−アセチル−DL−ホモシ
ステインチオラクトンとした後、無機酸で加水分解して
DL−ホモシステインチオラクトン無機酸塩を製造する
方法を報告している。しかしながら、この方法もDL−
ホモシステインチオラクトン無機酸塩の収率が低く副生
物も多いため、工業的な製造法として望ましいものでは
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の通り、DL−メ
チオニンからDL−ホモシステインチオラクトン無機酸
塩を製造する従来の方法は、何れも工業的製法として満
足し得るものではなかった。本発明の目的は、DL−メ
チオニンを原料として、安価に、高品質のDL−ホモシ
ステインチオラクトン無機酸塩を製造する工業的有利な
製造法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、DL−メ
チオニンのハロゲン化水素塩と酸無水物との反応につい
て検討を重ねた結果、DL−メチオニンとハロゲン化水
素を使用し、反応系にハロゲン化アラルキルを共存させ
ることにより、高収率で目的物が得られることを知り本
発明を達成した。即ち本発明の要旨は、DL−メチオニ
ンを、ハロゲン化アラルキルの存在下、ハロゲン化水素
及び酸無水物と反応させ、生成するN−アシル−DL−
ホモシステインチオラクトンを、無機酸の存在下、加水
分解することを特徴とするDL−ホモシステインチオラ
クトン無機酸塩の製造方法に存する。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。原料のDL
−メチオニンは、どのような入手経路のものでも使用可
能であるが、工業的には、例えばアクロレインにメタン
チオールを付加させた後、ストレッカー反応を行い、次
いで加水分解することにより製造される。ハロゲン化水
素としては、塩化水素、臭化水素、ヨウ化水素が使用で
き、特に臭化水素が好ましい。ハロゲン化水素の使用量
は、DL−メチオニンに対し等モル乃至等モル以上であ
る。またハロゲン化水素とDL−メチオニンを用いる代
わりに、DL−メチオニンのハロゲン化水素塩を用いて
もよい。
【0008】酸無水物としては、無水酢酸、無水安息香
酸等の脂肪族あるいは芳香族モノカルボン酸無水物、無
水マレイン酸、無水フタル酸等の脂肪族あるいは芳香族
ジカルボン酸無水物が用いられ、その使用量は、DL−
メチオニンに対し等モル以上、好ましくは1〜5倍モル
である。ハロゲン化アラルキルとしては、塩化ベンジ
ル、臭化ベンジル等のハロゲン化ベンジルの他にハロゲ
ン化ジフェニルメタン等を用いることが出来、その使用
量は触媒量以上、好ましくは、DL−メチオニンに対し
等モル以上である。
【0009】本発明方法は、先ず、ハロゲン化アラルキ
ルの存在下、DL−メチオニンにハロゲン化水素、酸無
水物を反応させて、脱メチル環化させ、N−アシル−D
L−ホモシステインチオラクトンを生成させる。この反
応は、特に溶媒を使用しなくてもよいが、必要に応じ、
ギ酸や酢酸等の低級アルキルカルボン酸を用いてもよ
い。反応温度は、50〜150℃、好ましくは80〜1
20℃である。反応時間は、反応温度、使用するハロゲ
ン化水素や酸無水物、ハロゲン化アラルキルの量などに
より異なるが、通常1〜30時間で実質的に反応が終了
する。反応は、副生するハロゲン化メチルを除去するた
めに、窒素などの不活性ガス流通下で行なうことが好ま
しい。
【0010】反応終了後、反応液中には、目的物以外
に、ハロゲン化メチル、スルホニウム塩等の副生物、ハ
ロゲン化アラルキルが存在しているので、反応液を濃縮
し、例えばカラムクロマトグラフィー等により精製し
て、目的とするN−アシル−DL−ホモシステインチオ
ラクトンを単離する。ハロゲン化アラルキルは回収し
て、再び反応に使用する。
【0011】次いで、単離されたN−アシル−DL−ホ
モシステインチオラクトンを無機酸を用いて加水分解す
る。加水分解反応は、溶媒としてアルコール等の有機溶
媒を使用してもよいが、通常、無機酸を過剰に用いて溶
媒を兼ねるのがよい。反応は、N−アシル−DL−ホモ
システインチオラクトンを、塩酸等の無機酸中で、50
〜150℃、好ましくは60〜120℃に加熱すること
により行われる。反応時間は、反応温度、使用する無機
酸の量によって異なるが、実質的に反応が終了するまで
で、通常1−30時間である。
【0012】反応終了後、反応液を濃縮することにより
DL−ホモシステインチオラクトン無機酸塩を単離する
ことができる。必要に応じ再結晶して精製することがで
きる。再結晶溶媒としてはエタノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール等の低級アルコール類のほかに、酢
酸等の低級脂肪族カルボン酸類と水の混合液、および含
水アセトンなどを用いることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。なお、生成物は液体クロマ
トグラフィーを用い、内部標準法によって定量分析し、
下式により、転化率及び選択率を求めた。
【0014】
【数1】転化率(%)=100×(反応した原料のモル
数)/(仕込んだ原料のモル数) 選択率(%)=100×{目的物(注1)のモル数}/
{目的物(注1)のモル数+副生物(注2)のモル数} 注1:N−アセチル−DL−ホモシステインチオラクト
ン 注2:N−アセチル−DL−S−ベンジルホモシステイ
ン、N−アセチル−DL−メチオニン−S−ベンジルス
ルホニウム塩、N−アセチル−DL−メチオニン
【0015】実施例1 内容積50mlのガラス製反応フラスコに、DL−メチ
オニン5g(33.56mmol)の酢酸30ml懸濁
液、HBrガス8.16g(100.68mmol)、
無水酢酸10.27g(100.68mmol)、臭化
ベンジル5.74g(33.56mmol)を撹拌子と
共に仕込み、窒素気流下、100℃で6時間、撹拌反応
させた。反応終了後、内容物を液体クロマトグラフィー
により分析した。その結果、N−アセチル−DL−ホモ
システインチオラクトン4.80g(30.20mmo
l)、N−アセチル−DL−メチオニン−S−ベンジル
スルホニウムブロミド1.21g(3.36mmol)
が生成していた(転化率100%、選択率90%)。ま
た、臭化ベンジル5.17g(30.23mmol)が
残存していた。反応液を濃縮後、カラムクロマトグラフ
ィーで分離精製して、N−アセチル−DL−ホモシステ
インチオラクトン4.53gを得た(収率85%)。ま
た、臭化ベンジルを4.88g回収した(回収率85
%)。
【0016】次に得られたN−アセチル−DL−ホモシ
ステインチオラクトン4.53g(28.49mmo
l)に濃塩酸30g(285mmol)を加えて2時間
加熱還流後、濃縮してDL−ホモシステインチオラクト
ン塩酸塩の粗結晶を得た。得られた粗結晶を含水2−プ
ロパノール中で再結晶して、ほぼ純粋なDL−ホモシス
テインチオラクトン塩酸塩3.50gを得た。DL−メ
チオニンに対する収率は80%であった。
【0017】比較例1 内容積50mlのガラス製反応フラスコに、DL−メチ
オニン5g(33.56mmol)の酢酸30ml懸濁
液、HBrガス8.16g(100.68mmol)、
無水酢酸10.27g(100.68mmol)を撹拌
子と共に仕込み、窒素気流下、100℃で6時間、撹拌
反応させた。反応終了後、内容物を液体クロマトグラフ
ィーにより分析した。その結果、N−アセチル−DL−
ホモシステインチオラクトン3.20g(20.13m
mol)、N−アセチル−DL−メチオニン1.92g
(10.07mmol)が生成していた(転化率100
%、選択率60%)。反応液を濃縮後、カラムクロマト
グラフィーで分離精製して、N−アセチル−DL−ホモ
システインチオラクトン2.98gを得た(収率56
%)。
【0018】
【発明の効果】本発明の方法によればDL−メチオニン
を原料としてDL−ホモシステインチオラクトン無機酸
塩を温和な条件で、工業的に有利に製造することができ
る。DL−メチオニンは汎用工業製品であるアクロレイ
ンから数工程で工業規模に製造可能である。本発明方法
は反応系にハロゲン化アラルキルを存在させることによ
り、高収率で目的物を得ることが出来る。ハロゲン化ア
ラルキルは、反応途中で、環化しやすいDL−メチオニ
ンのアラルキル付加体を形成した後、系内のハロゲンイ
オンにより再びハロゲン化アラルキルを形成するものと
考えられ、反応終了後、高率で回収され、再利用するこ
とができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DL−メチオニンを、ハロゲン化アラル
    キルの存在下、ハロゲン化水素及び酸無水物と反応さ
    せ、生成するN−アシル−DL−ホモシステインチオラ
    クトンを、無機酸の存在下、加水分解することを特徴と
    するDL−ホモシステインチオラクトン無機酸塩の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 ハロゲン化アラルキルがハロゲン化ベン
    ジルであることを特徴とする請求項1記載のDL−ホモ
    システインチオラクトン無機酸塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 ハロゲン化水素が臭化水素であることを
    特徴とする請求項1又は2記載のDL−ホモシステイン
    チオラクトン無機酸塩の製造方法。
JP31357396A 1996-11-25 1996-11-25 Dl−ホモシステインチオラクトン無機酸塩の製造方法 Pending JPH10158263A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20210109705A (ko) 2020-02-27 2021-09-07 (주) 파마젠 호모시스테인 티오락톤 또는 셀레노락톤의 제조방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20210109705A (ko) 2020-02-27 2021-09-07 (주) 파마젠 호모시스테인 티오락톤 또는 셀레노락톤의 제조방법

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