JPH10157603A - アンチスキッド制御装置 - Google Patents

アンチスキッド制御装置

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JPH10157603A
JPH10157603A JP31979896A JP31979896A JPH10157603A JP H10157603 A JPH10157603 A JP H10157603A JP 31979896 A JP31979896 A JP 31979896A JP 31979896 A JP31979896 A JP 31979896A JP H10157603 A JPH10157603 A JP H10157603A
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JP
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pressure
wheel
pressure reduction
brake
brake pressure
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Application number
JP31979896A
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English (en)
Inventor
Masaki Sakano
野 正 樹 阪
Hiroaki Kawai
合 浩 明 河
Akitaka Nishio
尾 彰 高 西
Yukio Mori
雪 生 森
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実質上意味をなさない減圧用の電磁開閉弁の
オン/オフ駆動を抑制する。 【解決手段】 運転者の操作力に応じたブレ−キ液圧を
車輪ブレ−キ51〜54に与えるためのブレ−キマスタ
シリンダ2と、車輪回転速度の時系列の変化に基づいて
車輪ブレ−キ圧を「減圧」,「保持」又は「増圧」する
ブレ−キ圧制御手段11,18a〜18i,31〜38
を備えるアンチスキッド制御装置において、ブレ−キ圧
制御手段による車輪ブレ−キ圧の「減圧」に基づいて車
輪ブレ−キ圧の減圧量(図8)又は残圧量(図9)を推
定演算し、算出した減圧量が設定値以上(FLT≧T
r)のとき又は残圧量が設定値以下(FLT≦Pr)の
ときには、車輪ブレ−キ圧の「減圧」を「保持」に変更
する(図8,図9の67)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車体の走行安定性
および操舵性を確保するために、ドライバ(運転者)に
よる制動時に車輪回転が完全停止(車輪ロック)するの
を回避するように車輪ブレ−キ圧を減圧し、その後制動
距離が可及的に短くなるように増圧し、更に必要に応じ
て「減圧」,「保持」,「増圧」を繰返すアンチスキッ
ド制御(ABS制御)に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS制御では、車輪のスリップ率が車
輪速度と推定車体速度(基準速度)に基づいて推定演算
され、車輪スリップ率が目標スリップ率になるように車
輪ブレ−キ圧が「減圧」,「保持」又は「増圧」され
る。例えば、運転者のブレ−キペダルの踏込みに応じた
車輪制動による車輪回転速度の低下が大きく車体速度の
低下は少く、路面に対する車輪のスリップ(減速スリッ
プ)が大きく車輪ロック(車輪回転停止)傾向が強いと
推定されるとき、車輪ブレ−キ圧の「減圧」(初回の減
圧,最初の減圧)が自動的に開始される。これがABS
制御による車輪ブレ−キ圧制御の開始であり、その後、
車輪速度の上昇(車輪スリップの減少)に伴って、車輪
ブレ−キ圧の「保持」(減,増圧なし)あるいは「増
圧」が行なわれ、再び車輪ロック傾向が強くなると「減
圧」が行なわれ、以後、車輪スリップ率が適値範囲に入
るように、「減圧」,「保持」あるいは「増圧」が行な
われる。このようなABS制御装置の1つが、例えば特
開平3−159854号公報に開示されている。
【0003】「減圧」には、ブレ−キマスタシリンダと
車輪ブレ−キとの間の増圧用の電磁開閉弁に通電(オ
ン)してブレ−キマスタシリンダと車輪ブレ−キとの間
のブレ−キ液の通流を遮断し、リザ−バと車輪ブレ−キ
との間の減圧用の電磁開閉弁に通電(オン)して車輪ブ
レ−キ圧からリザ−バへのブレ−キ液の通流を可とし、
これ(減圧出力)を連続する連続減圧(急減圧パタ−
ン)と、減圧用の電磁開閉弁の通電(オン:減圧出力)
と非通電(オフ:保持出力)を交互に繰返すパルス減圧
パタ−ン(緩減圧)がある。また「増圧」にも、減圧用
の電磁開閉弁を非通電(オフ)にしてリザ−バと車輪ブ
レ−キとの間のブレ−キ液の通流を遮断し、増圧用の電
磁開閉弁に通電(オン)してマスタシリンダから車輪ブ
レ−キへのブレ−キ液の通流を可とし、これ(増圧出
力)を連続する連続増圧(急増圧パタ−ン)と、増圧用
の電磁開閉弁の通電(オン:増圧出力)と非通電(オ
フ:保持出力)を交互に繰返すパルス増圧パタ−ン(緩
増圧)がある。
【0004】そして例えば、車輪ブレ−キの初回の減圧
(急減圧パタ−ン)を開始した後、連続的に車輪速度の
変化を監視して、車体速度が比較的に高いにもかかわら
ず車輪ロック(回転停止)傾向が高い間は急減圧パタ−
ンを継続するが、車輪ロック傾向が少し低下するとパル
ス減圧パタ−ンを行ない更に低くなって車輪速度が回転
し始めると保持(増圧用の電磁開閉弁はオン(遮断)、
減圧用の電磁開閉弁はオフ(遮断))を行ない、車体速
度がある程度回復するとパルス増圧パタ−ンを行ない、
車輪速度が車体速度に近くなると急増圧パタ−ンを行な
う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】路面摩擦係数μが低
い、いわゆる低μ路の場合には、初回の減圧(急減圧)
が比較的に長く、しかも車輪速度の回復が遅いので急減
圧パタ−ンに続いてパルス減圧パタ−ンを比較的に長く
行なうことになり、この間増圧用の電磁開閉弁がオン
(遮断)であるので、車輪ブレ−キ圧がリザ−バに抜け
て低下してしまい、減圧用の電磁開閉弁をパルス減圧パ
タ−ンのためにオン(通流:減圧出力),オフ(遮断:
保持出力)しても、車輪ブレ−キ圧が実質上リザ−バに
抜けなくなる。すなわちパルス減圧パタ−ンのための減
圧用の電磁開閉弁のオン/オフ駆動が実質上意味をなさ
なくなる。のみならず、減圧用の電磁開閉弁がオン/オ
フ作動音又は振動を発生する。
【0006】本発明は、実質上意味をなさない減圧用の
電磁開閉弁のオン/オフ駆動を抑制することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明は、運転者の操作力に応じたブレ−キ液圧
を車輪ブレ−キ(51〜54)に与えるためのブレ−キ圧発生
手段(2)と、車輪回転速度の時系列の変化に基づいて車
輪ブレ−キ圧を「減圧」,「保持」又は「増圧」するブ
レ−キ圧制御手段(11,18a〜18i,31〜38)を備えるアンチ
スキッド制御装置において、前記ブレ−キ圧制御手段に
よる車輪ブレ−キ圧の「減圧」に基づいて車輪ブレ−キ
圧の減圧量を推定演算する減圧演算手段(14);および、
減圧演算手段が算出した減圧量(図8のFLT)が設定値(Tr)
以上(FLT≧Tr)のとき前記ブレ−キ圧制御手段による車
輪ブレ−キ圧の「減圧」を「保持」に変更する(図8の6
7)修正手段(14);を備えることを特徴とする。なお、理
解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述す
る実施例の対応要素又は対応事項を、参考までに付記し
た。
【0008】これによれば、減圧(急減圧,パルス減
圧)が継続している間ならびに間断して実行されている
とき、減圧演算手段(14)が、ブレ−キ圧制御手段(11,18
a〜18i,31〜38)による車輪ブレ−キ圧の「減圧」(減圧
用の電磁開閉弁のオン)に基づいて車輪ブレ−キ圧の減
圧量(図8のFLT)を推定演算し、算出された減圧設定値(T
r)以上(FLT≧Tr)のとき、修正手段(14)が、ブレ−キ圧
制御手段による車輪ブレ−キ圧の「減圧」を「保持」に
変更する(図8の62,63,67)。したがって、例えば低μ路
走行であるため初回の減圧(急減圧)が比較的に長くし
かも車輪速度の回復が遅いので急減圧に続いてパルス減
圧が比較的に長く行なわれて車輪ブレ−キ圧がリザ−バ
に抜けて低下してしまった後、あるいはその前に、減圧
用の電磁開閉弁のパルス減圧のためにオン(通流:減
圧),オフ(遮断:保持)が停止され、オフに留められ
る。これにより実質上意義がない減圧用の電磁開閉弁の
オン/オフ駆動が止まり、作動音又は振動の発生がなく
なる。
【0009】
【発明の実施の形態】 (2)減圧演算手段(14)は、初回の「減圧」の開始に対
応して計時カウント(FLT)を開始して「減圧」の間計時
カウントをアップカウントし(図8の62〜64)、「増圧」
の間計時カウントをダウンカウント(図8の65,66)する。
修正手段(14)は、計時カウント値(FLT)が設定値(Tr)以
上のときにはブレ−キ圧制御手段による車輪ブレ−キ圧
の「減圧」を「保持」に変更する(図8の62,63,67)。
【0010】これによればABS制御の開始(初回の減
圧の開始)から、減圧(減圧用電磁開閉弁オン)の時間
の累算値−増圧(増圧用電磁開閉弁オフ)の時間の累算
値=車輪ブレ−キの減圧量(FLT) が、設定値(Tr)以上に
なると「減圧」は「保持」に変更され、減圧用電磁開閉
弁のオン/オフが停止する。減圧後に増圧があってその
後減圧を行なう場合、該増圧の期間に車輪ブレ−キ圧が
上昇するので、該増圧後の減圧時には車輪ブレ−キ圧が
上っている。この実施形態では減圧後に増圧があってそ
の後減圧を行なうなど減圧と増圧が繰返し行なわれる場
合の車輪ブレ−キ圧の残存量の推定精度が高く、車輪ブ
レ−キ圧の実残存量と、実質上意義がない減圧用の電磁
開閉弁のオン/オフ駆動を止めるための、減圧を保持に
修正する処理と、の整合性が高い。
【0011】(3)運転者の操作力に応じたブレ−キ液
圧を車輪ブレ−キ(51〜54)に与えるためのブレ−キ圧発
生手段(2)と、車輪回転速度の時系列の変化に基づいて
車輪ブレ−キ圧を「減圧」,「保持」又は「増圧」する
ブレ−キ圧制御手段(11,18a〜18i,31〜38)を備えるアン
チスキッド制御装置において、前記ブレ−キ圧制御手段
による車輪ブレ−キ圧の「減圧」に基づいて車輪ブレ−
キ圧の残圧量(図9のFLT)を推定演算する残圧演算手段(1
4);および、残圧演算手段が算出した残圧量(図9のFLT)
が設定値(Pr)以下のとき前記ブレ−キ圧制御手段による
車輪ブレ−キ圧の「減圧」を「保持」に変更する修正手
段(14);を備えることを特徴とする。
【0012】これによれば、減圧(急減圧,パルス減
圧)が継続している間ならびに間断して実行されている
とき、残圧演算手段(14)が、ブレ−キ圧制御手段(11,18
a〜18i,31〜38)による車輪ブレ−キ圧の「減圧」(減圧
用の電磁開閉弁のオン)に基づいて車輪ブレ−キ圧の残
圧量(図9のFLT)を推定演算し、算出された残圧量が設定
値(Pr)以下(FLT≦Pr)のとき、修正手段(14)が、ブレ−
キ圧制御手段による車輪ブレ−キ圧の「減圧」を「保
持」に変更する(図9の62,63,67)。したがって、例えば
低μ路走行であるため初回の減圧(急減圧)が比較的に
長くしかも車輪速度の回復が遅いので急減圧に続いてパ
ルス減圧が比較的に長く行なわれて車輪ブレ−キ圧がリ
ザ−バに抜けて低下してしまった後、あるいはその前
に、減圧用の電磁開閉弁のパルス減圧のためにオン(通
流:減圧),オフ(遮断:保持)が停止され、オフに留
められる。これにより実質上意義がない減圧用の電磁開
閉弁のオン/オフ駆動が止まり、作動音又は振動の発生
がなくなる。
【0013】(4)残圧演算手段(14)は、初回の「減
圧」の開始時の車輪ブレ−キ圧推定値(f(Pd))より「減
圧」の時間対応値を減算し(図9の83,62〜64)「増圧」の
時間対応値を加算し(図9の65,66);前記修正手段は、該
減算,加算の結果値(図9のFLT)が設定値(Pr)以下のとき
には前記ブレ−キ圧制御手段による車輪ブレ−キ圧の
「減圧」を「保持」に変更する。
【0014】これによればABS制御の開始(初回の減
圧の開始)から、そのときの車輪ブレ−キ圧推定値(f(P
d))を基点値として、減圧(減圧用電磁開閉弁オン)の
時間の累算値相当値の減算および増圧(増圧用電磁開閉
弁オフ)の時間の累算値相当値の加算の結果値=車輪ブ
レ−キの残圧量(図9のFLT) が、設定値(Pr)以下になる
と「減圧」は「保持」に変更され、減圧用電磁開閉弁の
オン/オフが停止する。減圧後に増圧があってその後減
圧を行なう場合、該増圧の期間に車輪ブレ−キ圧が上昇
するので、該増圧後の減圧時には車輪ブレ−キ圧が上っ
ている。この実施形態では減圧後に増圧があってその後
減圧を行なうなど減圧と増圧が繰返し行なわれる場合の
車輪ブレ−キ圧の残存量の推定精度が高く、車輪ブレ−
キ圧の実残存量と、実質上意義がない減圧用の電磁開閉
弁のオン/オフ駆動を止めるための、減圧を保持に修正
する処理と、の整合性が高い。
【0015】本発明の他の目的および特徴は、図面を参
照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【0016】
【実施例】
−第1実施例− 図1は、本発明の一実施例を示す。液圧制御装置2は、
マスタシリンダ2aとブースタ2bから成り、ブレーキ
ペダル3によって駆動されると、車輪FR,FL,RR
及びRLに配設されたホイールシリンダ51〜54が接
続された液圧路にブレ−キ圧を与える。この液圧路に
は、ポンプ21,22、リザーバ23,24及び電磁弁
31〜38が接続又は介挿されている。尚、車輪FRは
運転席からみて前方右側の車輪を示し、以下車輪FLは
前方左側、車輪RRは後方右側、車輪RLは後方左側の
車輪を示しており、図1に明らかなように所謂ダイアゴ
ナル配管が構成されている。
【0017】マスタシリンダ2aの一方の出力ポートと
ホイールシリンダ51,54の各々を接続する液圧路に
夫々電磁弁31,32及び電磁弁33,34が介装さ
れ、これらとマスタシリンダ2aとの間にポンプ21が
介装されている。同様に、マスタシリンダ2aの他方の
出力ポートとホイールシリンダ52,53の各々を接続
する液圧路に夫々電磁弁35,36及び電磁弁37,3
8が介装され、これらとマスタシリンダ2aとの間にポ
ンプ22が介装されている。ポンプ21,22は電気モ
ータ20によって駆動され、これらの液圧路に所定の圧
力に昇圧されたブレーキ液が供給される。而して、これ
らの液圧路が常開の電磁弁31,33,35,37に対
するブレーキ液圧の供給側となっている。常閉の電磁弁
32,34の排出側液圧路はリザーバ23を介してポン
プ21に接続され、同じく常閉の電磁弁36,38の排
出側液圧路はリザーバ24を介してポンプ22に接続さ
れている。リザーバ23,24は、夫々ピストンとスプ
リングを備えており、電磁弁32,34,36,38か
ら排出側液圧路を介して還流されるブレーキ液を収容
し、ポンプ21,22作動時にこれらに対しブレーキ液
を供給するものである。電磁弁31〜38は2ポート2
位置電磁切替弁であり、夫々ソレノイドコイル非通電時
には図1に示す第1位置にあって、各ホイールシリンダ
51〜54は液圧制御装置2のブレ−キマスタシリンダ
2aと連通している。ソレノイドコイル通電時には第2
位置となり、各ホイールシリンダ51〜54はマスタシ
リンダ2aと遮断され、リザーバ23と連通する。尚、
図1中のチエックバルブはホイールシリンダ51〜54
側からマスタシリンダ2a側への還流を許容し、逆方向
の流れを遮断するものである。
【0018】而して、これらの電磁弁31〜38のソレ
ノイドコイルに対する通電,非通電を制御することによ
り、ホイールシリンダ51〜54内のブレーキ液圧(以
下、車輪ブレ−キ圧という)を増,減あるいは保持する
ことができる。即ち、電磁弁31〜38のソレノイドコ
イル非通電(オフ)時にはホイールシリンダ51〜54
にマスタシリンダ2aからブレーキ液圧が供給されて増
圧し(増圧出力モ−ド)、通電(オン)時にはリザーバ
23側に連通し減圧する(減圧出力モ−ド)。増圧用の
電磁弁31,33,35および37のソレノイドコイル
通電(オン)および減圧用の電磁弁32,34,36お
よび38のソレノイドコイル非通電(オフ)時にはホイ
ールシリンダ51〜54はマスタシリンダ2aおよびリ
ザ−バ23から遮断され、そのときの車輪ブレ−キ圧を
維持(保持)する(保持出力モ−ド)。尚、電磁弁31
〜38に替えて半数の3ポート2位置電磁切替弁を用い
ても良い。
【0019】上記電磁弁31〜38は、電子制御装置1
0に接続され、各々のソレノイドコイルに対する通電,
非通電が制御される。また、車輪FR,FL,RR,R
Lには夫々車輪速度センサ41〜44が配設され、これ
らが電子制御装置10に接続されており、各車輪の回転
速度、即ち車輪速度信号が電子制御装置10に入力され
るように構成されている。車輪速度センサ41〜44は
各車輪の回転に伴って回転する歯付ロータと、このロー
タの歯部に対向して設けられたピックアップから成る周
知の電磁誘導方式のセンサであり、各車輪の回転速度に
比例した周波数のパルス電圧を出力するものである。
尚、これに替えホールIC、光センサ等を用いても良
い。
【0020】ブレ−キペダル3と一体のペダル軸には、
マスタシリンダ2a内のピストンの踏込み位置を検出す
るストロ−クセンサとしてポテンショメ−タ3pが結合
されており、このポテンショメ−タ3pが、ブレ−キペ
ダル3の踏込量(ペダル3の回動角)を表わすアナログ
信号を電子制御装置10に与える。電子制御装置10は
該アナログ信号を踏込量デ−タPdにデジタル変換して
ペダル踏込量Pdを読込む。
【0021】図2に示すように、電子制御装置10は、
CPU14,ROM15及びRAM16等を有し、コモ
ンバスを介して入力ポート12及び出力ポート13に接
続されて外部との入出力を行うマイクロコンピュータ1
1を備えている。上記車輪速度センサ41〜44および
ポテンショメ−タ3pの検出信号は、増幅回路17a〜
17eを介して夫々入力ポート12からCPU14に入
力される。また出力ポート13から駆動回路(ソレノイ
ドドライバ,モータドライバ)18a〜18iには夫々
電磁弁31〜38,モータ20に制御信号が出力され
る。
【0022】上記電子制御装置10においては、コンピ
ュ−タ11によりアンチスキッド制御のための一連の処
理が行われるが、以下これを図3〜図8に基づいて説明
する。 図3に、コンピュ−タ11によるアンチスキッ
ド制御の概要を示し、図4〜図8に部分詳細を示す。図
3に示すアンチスキッド制御(ステップ2〜15)は、
実質上一定周期Tsで繰り返し実行される。イグニッシ
ョンスイッチがオンになると図3において先ず事前処理
として、ステップ1にて初期設定がなされ、カウンタ,
タイマ等がクリアされる。また、車輪速度センサ41〜
44が発生するパルス電圧の1パルス毎に実行する割込
処理が許可される。例えば車輪速度センサ41が1パル
スを発生するとコンピュ−タ11のCPU14が、これ
に応答して割込処理を実行し、前右車輪FR宛てのパル
ス周期レジスタに計時パルス(クロックパルス)カウン
ト値を書込み、計時パルスカウンタをクリアする。計時
パルスカウンタは、割込処理が許可されている間、クロ
ックパルスのカウントアップを常時行なうので、前右車
輪FR宛てのパルス周期レジスタには、車輪速度センサ
41が発生するパルス電圧の最新の一周期(車輪速度の
逆数)が常に保持されている。車輪速度センサ42〜4
4が発生する電圧パルスに対してもCPU14が同様な
処理を実行するので、割込処理が許可された後は、車輪
速度センサ41〜44が発生する電圧パルスの最新の一
周期のデ−タが各パルス周期レジスタに常時維持され
る。後述の「各輪車輪速度演算」(ステップ4)でCP
U14は、パルス周期レジスタのデ−タの逆数に係数
(周期/速度変換係数)を乗算して、車輪速度を算出す
る。
【0023】ここで、本実施例において用いられるカウ
ンタ,タイマ等について概括して説明する。先ず、内部
レジスタとしてパタ−ンレジスタ,出力モードレジス
タ,フラグレジスタを有する。ホイールシリンダ51〜
54内のブレーキ液圧を夫々減圧,増圧または保持する
減圧出力モード,増圧出力モードまたは保持出力モード
の各出力モードが出力モ−ドに書込まれ、急減圧パタ−
ン(減圧出力モ−ドの継続),パルス減圧パタ−ン(減
圧出力モ−ドと保持出力モ−ドの交互繰返し),保持パ
タ−ン(保持出力モ−ドの継続),パルス増圧パタ−ン
(増圧出力モ−ドと保持出力モ−ドの交互の繰返し)お
よび急増圧パタ−ン(増圧出力モ−ドの継続)がパタ−
ンレジスタに書込まれる。パルス減圧パタ−ンは、後述
するように適宜設定する所定時間「減圧」を行い、次の
所定時間「保持」を行い、この「減圧」と「保持」を交
互に繰り返し実行するブレ−キ圧制御パタ−ンであり、
パルス増圧パタ−ンも同様に「増圧」と「保持」を交互
に繰り返し実行する制御パタ−ンである。
【0024】急減圧パタ−ンは、「減圧」のみを継続す
るもので、パルス減圧パタ−ンの作動に比し急激な減圧
作動となる。タイマとしては、システムタイマの他、少
なくとも減圧タイマ,増圧タイマ及び保持タイマを有
し、夫々設定された減圧時間,増圧時間及び保持時間だ
け夫々減圧モード信号,増圧モード信号及び保持モード
信号が出力されるように構成されている。
【0025】再度図3を参照すると、ステップ1にて初
期設定が終わると、ステップ2からステップ15までの
処理が行われた後ステップ2へ戻る。ステップ2ではT
s時限のタイマをスタ−トする。ステップ3で、ポテン
ショメ−タ3pの踏込量信号をデジタルデ−タPdに変
換して入力レジスタに書込み、上述の車輪速度センサ4
1〜44が発生するパルスの周期を格納したパルス周期
レジスタ(FR宛て,FL宛て,RR宛て&RL宛ての
4個)のデ−タを読出して入力レジスタに書込む。そし
てステップ4で各輪FL,FR,RLおよびRRの車輪
速度(周速度)VWFL,VWFR,VWRRおよびVWRL を演
算して車輪速度レジスタに書込み、ステップ5では車輪
速度VWFL,VWFR,VWRRおよびVWRL から各輪減速度
DVWFL,DVWFR,DVWRRおよびDVWRL(正値が減速
度、負値が加速度)を演算して車輪減速度レジスタに書
込む。そして、ステップ6で、路面摩擦係数μを推定す
る。
【0026】図4に、「路面摩擦係数μ推定」(ステッ
プ6)の内容を示す。ここでCPU14はまずステップ
3で読込んだブレ−キペダル踏込量Pdが、少領域,中
領域,多領域のいずれにあるかをチェックし、いずれの
領域に属するかを示すデ−タを生成する(ステップ2
1)。次に、最高速度の車輪速度の減速度を車輪減速度
レジスタから読出して、この減速度が小領域,中領域,
大領域のいずれにあるかをチェックし、いずれの領域に
属するかを示すデ−タを生成する(ステップ22)。そ
して、ブレ−キペダル踏込量Pdの領域デ−タと減速度
の領域デ−タに基づいて、ペダル踏込量少&減速度小,
ペダル踏込量中&減速度中 又は、ペダル踏込量多&減
速度大、のときには路面摩擦係数μは中領域と推定し、
そうでないと、ペダル踏込量少又は中&減速度大又は
中、のときには路面摩擦係数μは低領域と推定し、そう
でないと、路面摩擦係数μは高領域と推定し、推定した
領域を示すデ−タを摩擦係数レジスタに書込む(ステッ
プ23〜27)。
【0027】再度図3を参照する。次にCPU14は、
「推定車体速度演算」(ステップ7)で車体速度VSO
(n)を算出する。なお、VSO(n)のnは今回の算出値を意
味し、後に現われるn−1は、前回(Ts前)の算出値
を意味する。
【0028】図5に「推定車体速度演算」(ステップ
7)の内容を示す。ここではまず、推定した路面摩擦係
数μ(高領域,中領域又は低領域)に対応して、それが
高領域であると車体減速度αDNを1.1Gと定め、中領
域であると0.6Gと定め、そして低領域であると0.
4Gと定める(ステップ31〜35)。そして車体加速
度αUPを0.5Gと定める(ステップ36)。次に、車
輪速度VWFL,VWFR,VWRR,VWRL の中の最も高い車
輪速度を選択し、前回算出値VWO(n-1)と減速度αDNか
ら推定される現在の車体速度VWO(n-1)−αDN・Tsを
算出し、前回算出値VWO(n-1)と加速度αUPから推定さ
れる現在の車体速度VWO(n-1)+αUP・Tsを算出し
て、これら3者の中間値(平均値)を算出してこれを現
時点の車体速度VWO(n)とする(ステップ37)。
【0029】CPU14は次に、各輪部の推定車体速度
を算出する(ステップ8)。その内容を図6に示す。こ
こでは、前右車輪速度の今回値VWFR(n),前回値VWFR
(n-1)より、減速度αDNでのTsの間の減速量αDN・T
sを減算した値VWFR(n-1)−αDN・Ts、および、前回
値VWFR(n-1)に、加速度αUPでのTsの間の増速量αUP
・Tsを加算した値VWFR(n-1)+αUP・Ts、の3者の
中間値を算出し、これを前右車輪部推定車体速度VSOFR
(n)とする(ステップ41)。同様に、前左車輪部推定
車体速度VSOFL(n),後右車輪速度の今回値VWRR(n)お
よび後左車輪部推定車体速度VSORL(n)を算出する(ステ
ップ42〜44)。
【0030】再度図3を参照すると、CPU14は次
に、「前左輪FL制御演算」(ステップ9FL),「前
右輪FR制御演算」(9FR),「後左輪FL制御演
算」(9RL)および「後右輪FR制御演算」(9R
R)をそれぞれ行なう。これらの内容は対象車輪が異な
るだけで実質的に同じであるので、代表して「左前輪F
L制御演算」(9FL)の内容を図7を参照して説明す
る。
【0031】図7において、推定車体速度VSOFL(n)
〔以下VSOFLと記す〕が制御開始の最低速度(4km/h)
を越えているか否かを判定し(ステップ51)、最低速
度以下であれば、車輪スリップ率Spを0とする(ステ
ップ52)。推定車体速度VSOFLが上記最低速度を越え
ていれば、推定車体速度VSOFLと車輪速度VWFLから車
輪スリップ率Spを算出する(ステップ53)。
【0032】そして推定車体速度VSOFLと車輪速度VWF
Lの差である車輪速偏差ΔVWFLを算出する(ステップ5
4)。次に、ABS制御中(FLF=1)か否かをチェ
ックし(ステップ55)、ABS制御中であればステッ
プ59に進む。例えば、初期状態のように、ABS制御
中でない(FLF=0)ときには、ステップ56,57
の条件を充足するか否かをチェックする。すなわち、先
ず推定車体速度VSOFLが所定速度10km/hを越えている
か否かをチェックし(56)、10km/h以下であれば、
「前左輪FL制御演算」(9FL)を抜け出る。
【0033】10km/hを越えていればステップ57の条
件を充足するか否かをチェックし、充足しなければ「前
左輪FL制御演算」(9FL)を抜け出る。充足してい
ればABS制御中を示す「1」をフラグレジスタFLF
に書込む(ステップ58)。ステップ57における「K
3・VSOFL−K4」は、車輪速度VWFLの車輪FLに対
するアンチスキッド制御開始判定基準速度を表し、K3
及びK4は定数で、本実施例ではK3として0.95、
K4として2.0km/hを設定しているが、これらの定数
は車両の特性等に応じ種々の値を設定することができ
る。
【0034】次に、車輪のロック状態を示す車輪ロック
度Lkを下記(1)式に基づいて算出する(ステップ5
9)。 Lk=(C・Sp+D・ΔVWFL)/(C+D) ・・・(1) ここで、C及びDは定数で、これらによりスリップ率S
pと車輪速偏差ΔVWFLとの重みづけが行われる。一般的
に、スリップ率Sp側の重みを増やすと低速域で過減圧
となり易く、車輪速偏差ΔVWFL側の重みを増した場合
には高速域で過減圧となり易い。
【0035】ステップ60ではデ−タマップ(LkとD
Vwをパラメ−タとする、急減圧パタ−ン,パルス減圧
パタ−ン,保持パタ−ン,パルス増圧パタ−ンおよび急
増圧パタ−ンの区分と、パルス増,減圧区分内の、Lk
とDVwをパラメ−タとする増,減圧時間および保持時
間デ−タを書込んだデ−タ表:メモリ上の1領域)に従
い、車輪ロック度Lkと車輪加速度DVWFLの値に応じ
て選択されるパルス減圧モード又はパルス増圧モードに
おける何れかの枠内の時間配分に基づき、ホイールシリ
ンダ液圧の減圧時間と保持時間の配分、及び増圧時間と
保持時間の配分を定める。また、マップ上の急減圧パタ
−ン領域に該当するときには急減フラグをセット(”
1”)する。
【0036】パルス減圧パタ−ンは、ホイールシリンダ
液圧に対する減圧作動(減圧出力モ−ド)と保持作動
(保持出力モ−ド)が交互に繰り返される制御モードで
あり、上記減圧時間と保持時間に応じて電磁弁31〜3
8が駆動制御されることによりホイールシリンダ液圧が
減圧される。従って、減圧時間と保持時間の割合に応じ
て減圧速度が制御される。パルス増圧パタ−ンも同様
に、増圧時間と保持時間に応じて電磁弁31〜38が駆
動制御される。尚、上記減圧時間,増圧時間及び保持時
間は減圧タイマ,増圧タイマ及び保持タイマによって計
時される。
【0037】上記パルス減圧パタ−ンにおける減圧時間
と保持時間の時間配分について説明する。車輪加速度D
VWFLはホイールシリンダ液圧の過不足を表しているの
で、車輪加速度DVWFLが小さくなると、即ち減速度が
大となるとホイールシリンダ液圧の減圧量が大きくなる
ように減圧時間と保持時間の配分が設定されている。即
ち減圧時間が長く、保持時間が短くなるように設定され
ている。また、車輪ロック度Lkが大きい場合には、よ
り低摩擦係数の路面上を走行中と判定し、ホイールシリ
ンダ液圧が比較的低圧である状態から減圧する場合の減
圧速度が遅くなることに鑑み、減圧量が大きくなるよう
に減圧時間と保持時間の配分が設定されている。
【0038】一方、パルス増圧パタ−ンにおいては、車
輪ロック度Lkが大きい場合であっても車輪加速度DV
WFLが大きいときには、ホイールシリンダ液圧の増圧量
が大きくなるように増圧時間と保持時間の時間配分が設
定され、ホイールシリンダ液圧不足による制動距離の延
びが抑えられている。そして、車輪ロック度Lkが小さ
くなった後に車輪がロック傾向を示すようになるときに
は、穏やかなホイールシリンダ液圧の増圧が行われるよ
うに設定され、車輪速度VWFLの急激な低下が防止され
ている。
【0039】以上のように、パルス減圧パタ−ンにおけ
る減圧時間と保持時間の時間配分、及びパルス増圧パタ
−ンにおける増圧時間と保持時間の時間配分を適宜設定
することにより、電磁弁31〜38の応答性,減圧速
度、あるいは増圧速度等の車両制動時の種々の特性に応
じた細かい制御が可能となる。
【0040】再度図3を参照する。各輪制御演算9FL
〜9RRを実行するとCPU14は、ブレ−キペダル踏
込量Pdが、踏込み遊び代より少し大きい設定値Pd1を
越えている(ペダル踏込有り)か否(ペダル踏込みな
し)をチェックして(10)、ペダル踏込有りである
と、各輪制御演算9FL〜9RRの演算結果に従って、
モ−タドライバおよびソレノイドドライバ18a〜18
iにオン,オフ指示を出力する(ステップ11)。
【0041】図8に、図3に示す「制御出力」(ステッ
プ11)の内容を示す。ここではまず「FLの出力修
正」(ステップ61)を実行する。これにおいては、前
左車輪FLのホイ−ルシリンダ52に対する制御パタ−
ンが急減圧又はパルス減圧パタ−ンかをチェックして、
そうであると、電磁弁36に対する出力が「オン」(減
圧)を示すもの(出力モ−ドが減圧)であるかをチェッ
クして(ステップ62)、そうであると、減圧時間FL
Tが設定値Tr以上であるかをチェックする(63)。
そして、設定値Tr以上であると、「前左輪FL制御演
算」(9FL)のステップ60で決定した制御パタ−ン
(急減圧又はパルス減圧)を保持パタ−ンに変更する。
すなわちFL宛て制御パタ−ンレジスタに保持パタ−ン
を示すデ−タを書込む(ステップ67)。減圧時間FL
Tが設定値Tr未満であったときには、減圧時間FLT
(減圧時間レジスタFLTのデ−タFLT)を1インク
レメント(カウントアップ)する(ステップ64)。
【0042】ステップ62のチェック結果が、電磁弁3
6に対する出力が「オン」(減圧)を示すもの(出力モ
−ドが減圧)ではないときには、CPU14は、前左車
輪FLのホイ−ルシリンダ52に対する制御パタ−ンが
急増圧パタ−ン又はパルス増圧パタ−ンであるかをチェ
ックして、そうであると電磁弁35に対する出力が「オ
フ」(増圧)を示すもの(出力モ−ドが増圧)であるか
をチェックして(ステップ65)、そうであると、減圧
時間FLT(減圧時間レジスタFLTのデ−タFLT)
を1デクレメント(カウントダウン)する(ステップ6
6)。
【0043】以上が、前左輪FL宛ての、「FLの出力
修正」(ステップ61)の内容である。CPU14は、
この出力修正と同様な処理を、前右輪FR宛ての「FR
の出力修正」(ステップ68),後左輪RL宛ての「R
Lの出力修正」(ステップ69)および後右輪RR宛て
の「RRの出力修正」(ステップ70)で実行する。こ
れらでの修正対象は、それぞれ「前右輪FR制御演算」
(9FL),「後左輪RL制御演算」(9FR)および
「後右輪RR制御演算」(9RR)で定めた急減圧パタ
−ン又はパルス減圧パタ−ンである。
【0044】以上の出力修正(ステップ61,68,6
9および70)の処理を終えるとCPU14は、「電磁
弁への出力」(ステップ71)で、各輪宛て制御パタ−
ンレジスタのパタ−ンデ−タと、減圧タイマ,増圧タイ
マあるいは保持タイマのタイムオ−バに従って、出力モ
−ドを切換える。例えば、パタ−ンデ−タがパルス減圧
パタ−ンであって、減圧タイマがタイムオ−バしている
と出力モ−ドを減圧出力モ−ドから保持出力モ−ドに切
換えて保持タイマをスタ−トする。保持タイマがタイム
オ−バすると出力モ−ドを保持出力モ−ドから減圧出力
モ−ドに切換えて減圧タイマをスタ−トする。このよう
な処理を各輪宛てに行ない、出力モ−ドに応じて上述の
ようにソレノイドドライバ18a〜18iにオン又はオ
フ指示を出力する。
【0045】再度図3を参照すると、ペダル踏込みなし
のときには、モ−タドライバ18aおよびソレノイドド
ライバ18b〜18iにオフ指示を出力して、保持タイ
マ,減圧タイマ及び増圧タイマの各タイマをクリアし、
減圧時間レジスタFLT,FRT,RLT,RRTなら
びにABS制御中の状態を示す各種レジスタ,カウン
タ,フラグをクリアする(ステップ12)。なお、減圧
時間レジスタFRT,RLTおよびRRTは、FLTに
対応する、前右輪,後左輪および後右輪宛てのものであ
る。
【0046】そしてタイマTsがタイムオ−バしたかを
チェックし(ステップ13)、タイムオ−バするまで異
常チェックを行ない、異常がなくタイムオ−バすると、
ステップ2に戻る。異常を検知すると、そこでブレ−キ
圧制御を解除し、警報を発生する(ステップ14〜1
6)。
【0047】以上に説明した実施例によれば、最初の減
圧の開始から連続又は間断して実行される減圧出力モ−
ドの実行時間が累算され、この累算値から連続又は間断
して実行される増圧出力モ−ドの実行時間の累算値を減
算した値が減圧時間レジスタ(FLT)のデ−タとな
り、これは、最初の減圧の開始からの減圧量残値を表わ
し、これが設定値Tr以上であると、車輪ブレ−キの減
圧が十分で電磁弁(36)のオン(開:リザ−バ連通)
によっては格別に車輪ブレ−キ圧が低下しない略基底値
に車輪ブレ−キ圧が低下していると見込まれる。このと
きにはCPU14が、急減圧パタ−ン又はパルス減圧パ
タ−ンを、保持パタ−ンに変更するので、車輪ブレ−キ
がブレ−キマスタシリンダ2aおよびリザ−バ23から
遮断され、車輪ブレ−キに対するブレ−キ液の給排が停
止し、減圧用の電磁弁(36)のオン/オフが止まるの
で、電磁弁(36)の作動音又は振動を生じない。車輪
ブレ−キ圧が低圧に維持されることにより車輪速度が回
復し、制御演算(9FL)でパルス増圧パタ−ン又は急
増圧パタ−ンが決定されて、増圧用の電磁弁(35)が
オン(遮断)からオフ(通流)に切換わると、ブレ−キ
マスタシリンダ2aの出力圧が車輪ブレ−キに加わって
車輪ブレ−キ圧が上昇すると共に、減圧時間レジスタ
(FLT)のデ−タの値(FLT)が低下する(ステッ
プ65,66による)。その後また急減圧パタ−ン又は
パルス減圧パタ−ンが決定されると、減圧時間レジスタ
(FLT)のデ−タの値(FLT)が小さくなっている
ので、減圧用の電磁弁(36)のオン(急減圧パタ−ン
の場合)又はオン/オフ(パルス減圧パタ−ンの場合)
が行なわれて今度は車輪ブレ−キ圧が低下し減圧時間レ
ジスタ(FLT)のデ−タの値(FLT)が大きくなっ
て行く。そして該値(FLT)が設定値Trに達する
と、減圧用の電磁弁(36)はオフ(遮断)に拘束され
る。
【0048】以上のように、減圧により車輪ブレ−キ圧
が、減圧操作が実質上効果をもたらさない程に低下した
あたりで減圧操作が停止するので、減圧操作が実質上無
意味となる車輪ブレ−キ圧での、減圧用の電磁弁の開,
閉が停止され、作動音あるいは振動を生ずる可能性が低
減する。
【0049】−第2実施例− 次に本発明の第2実施例を説明する。第2実施例のハ−
ドウェア構成ならびにCPU14の制御動作(図3:メ
インル−チン)は上述の第1実施例と同一であるが、第
2実施例は、「制御出力」(11)の内容の一部が第1
実施例と異なる。 図9に、第2実施例の「制御出力」
(11)の内容を示す。ここにおいてCPU14は、
「前左輪FL制御演算」(9FL),「前右輪FR制御
演算」(9FR),「後左輪RL制御演算」(9RL)
および「後右輪RR制御演算」(9RR)のいずれかで
ABS制御要(FLF=1:図7)になったかをチェッ
クして(ステップ81,82)、前回は全輪がABS制
御不要(FLF=0:図7)であったが、今回一輪でも
ABS制御要となった時点で、そのときのペダル踏込量
Pdに対応する車輪ブレ−キ圧f(Pd)をメモリ(ABS
制御プログラム)上のデ−タテ−ブルより読出して、各
輪宛てのレジスタFLT(前左輪宛て),FRT(前右
輪宛て),RLT(後左輪宛て)およびRRT(後右輪
宛て)に書込み(ステップ83)、そして、レジスタF
Fに1(少くとも一輪がABS制御要)を書込む(ステ
ップ84)。
【0050】そして「FLの出力修正」(ステップ6
1)では、前左輪が減圧期間であると、レジスタFLT
のデ−タFLT(残圧量)が設定値Pr以下かチェック
して(62,63)、設定値Pr以下であると、減圧用
の電磁弁36をオン(ブレ−キ52をリザ−バ23に接
続)してもブレ−キ52の減圧は実質上期待できないの
で、前左輪用の制御パタ−ンレジスタのデ−タ(急減圧
パタ−ン又はパルス減圧パタ−ン)を保持パタ−ンに変
更する(ステップ67)。デ−タFLT(残圧量)が設
定値Prを越えていたときには、レジスタFLTのデ−
タFLTを1デクレメント(一周期Tsの間の減圧量の
減算)する(ステップ62〜64)。前左輪用の制御パ
タ−ンレジスタのデ−タ変更は行なわない。前左輪が増
圧期間であると1インクレメント(一周期Tsの間の増
圧量の加算)する(ステップ62,65,66)。
【0051】以上が、前左輪FL宛ての、「FLの出力
修正」(ステップ61)の内容である。CPU14は、
この出力修正と同様な処理を、前右輪FR宛ての「FR
の出力修正」(ステップ68),後左輪RL宛ての「R
Lの出力修正」(ステップ69)および後右輪RR宛て
の「RRの出力修正」(ステップ70)で実行する。な
お、第2実施例では、マスタシリンダ2aのピストンの
押込み量を検出するストロ−クセンサとしてポテンショ
メ−タ3pを用い、その信号が表わすペダル踏込量Pd
を車輪ブレ−キ圧f(Pd)に変換して、ABS制御開
始時の車輪ブレ−キ圧(ABS制御における車輪ブレ−
キ初期圧)を得るようにしているが、マスタシリンダ2
aの出力圧を検出する圧力センサを備える場合には、こ
の圧力センサの検出圧を初期圧f(Pd)としてもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例の構成を示すブロック図
である。
【図2】 図1に示す電子制御装置10の構成概要を示
すブロック図である。
【図3】 図2に示すマイクロコンピュ−タ11のアン
チスキッド制御の内容の概要を示すフロ−チャ−トであ
る。
【図4】 図3に示す「路面摩擦係数μ演算」(ステッ
プ6)の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図5】 図3に示す「推定車体速度演算」(ステップ
7)の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図6】 図3に示す「各輪部推定車体速度演算」(ス
テップ8)の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図7】 図3に示す「前左輪FL制御演算」(ステッ
プ9FL)の内容を示すフロ−チャ−トである。
【図8】 図3に示す「制御出力」(ステップ11)の
内容を示すフロ−チャ−トである。
【図9】 本発明の第2実施例の、第1実施例と内容が
少々異なる処理を示すフロ−チャ−トである。
【符号の説明】
2:液圧制御装置 2a:マスタシリンダ 2b:ブ−スタ 3:ブレ−キペダル 3p:ポテンショメ−タ 10:電子制御装置 11:マイクロコンピュ−タ 12:入力ポ−ト 13:出力ポ−ト 14:CPU 15:ROM 16:RAM 17a〜17e:増幅回路 18a〜18i:ドラ
イバ 20:電気モ−タ 21,22:ポンプ 23,24:リザ−バ 31〜38:電磁弁 41〜44:車輪速度センサ 51〜54:ホイ−ル
シリンダ FR:前右輪 FL:前左輪 RR:後右輪 RL:後左輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 雪 生 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】運転者の操作力に応じたブレ−キ液圧を車
    輪ブレ−キに与えるためのブレ−キ圧発生手段と、車輪
    回転速度の時系列の変化に基づいて車輪ブレ−キ圧を
    「減圧」,「保持」又は「増圧」するブレ−キ圧制御手
    段を備えるアンチスキッド制御装置において、 前記ブレ−キ圧制御手段による車輪ブレ−キ圧の「減
    圧」に基づいて車輪ブレ−キ圧の減圧量を推定演算する
    減圧演算手段;および、 減圧演算手段が算出した減圧量が設定値以上のとき前記
    ブレ−キ圧制御手段による車輪ブレ−キ圧の「減圧」を
    「保持」に変更する修正手段;を備えることを特徴とす
    るアンチスキッド制御装置。
  2. 【請求項2】減圧演算手段は、初回の「減圧」の開始に
    対応して計時カウントを開始して「減圧」の間計時カウ
    ントをアップカウントし「増圧」の間計時カウントをダ
    ウンカウントし;前記修正手段は、計時カウント値が設
    定値以上のときには前記ブレ−キ圧制御手段による車輪
    ブレ−キ圧の「減圧」を「保持」に変更する:請求項1
    記載のアンチスキッド制御装置。
  3. 【請求項3】運転者の操作力に応じたブレ−キ液圧を車
    輪ブレ−キに与えるためのブレ−キ圧発生手段と、車輪
    回転速度の時系列の変化に基づいて車輪ブレ−キ圧を
    「減圧」,「保持」又は「増圧」するブレ−キ圧制御手
    段を備えるアンチスキッド制御装置において、 前記ブレ−キ圧制御手段による車輪ブレ−キ圧の「減
    圧」に基づいて車輪ブレ−キ圧の残圧量を推定演算する
    残圧演算手段;および、 残圧演算手段が算出した残圧量が設定値以下のとき前記
    ブレ−キ圧制御手段による車輪ブレ−キ圧の「減圧」を
    「保持」に変更する修正手段;を備えることを特徴とす
    るアンチスキッド制御装置。
  4. 【請求項4】残圧演算手段は、初回の「減圧」の開始時
    の車輪ブレ−キ圧推定値より「減圧」の時間対応値を減
    算し「増圧」の時間対応値を加算し;前記修正手段は、
    該減算,加算の結果値が設定値以下のときには前記ブレ
    −キ圧制御手段による車輪ブレ−キ圧の「減圧」を「保
    持」に変更する:請求項3記載のアンチスキッド制御装
    置。
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WO2014157513A1 (ja) * 2013-03-27 2014-10-02 株式会社アドヴィックス 車両用ブレーキ制御装置

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WO2014157513A1 (ja) * 2013-03-27 2014-10-02 株式会社アドヴィックス 車両用ブレーキ制御装置
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