JPH10156958A - ポリノルボルネン系樹脂成形品の補修方法 - Google Patents

ポリノルボルネン系樹脂成形品の補修方法

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JPH10156958A
JPH10156958A JP33281396A JP33281396A JPH10156958A JP H10156958 A JPH10156958 A JP H10156958A JP 33281396 A JP33281396 A JP 33281396A JP 33281396 A JP33281396 A JP 33281396A JP H10156958 A JPH10156958 A JP H10156958A
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JP
Japan
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polynorbornene
molded product
roundness
fibers
molded
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JP33281396A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ozeki
宏 大関
Masahiro Funaki
正博 舟木
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高寸法精度の成形品を低コストで製造するこ
とができ、しかも、材料の無駄をなくし、廃棄物の低減
および省資源に寄与するポリノルボルネン系樹脂成形品
の補修方法(矯正方法を含む)を提供すること。 【解決手段】 反応射出成形によりポリノルボルネン系
樹脂成形品6aを成形した後、補修対象部分と成る円柱
部分8a(金型内での反応原液の主流れ方向に略直角方
向となる成形部分)の外周に補強繊維を巻き付け、接着
剤を用いて接着する。あるいは、反応射出成形によりポ
リノルボルネン系樹脂成形品を成形した後、補修対象部
分と成る薄肉部分の片面または両面に補強繊維を張り付
け、接着剤を用いて接着する。あるいは、反応射出成形
によりポリノルボルネン系樹脂成形品を成形した後、補
修対象部分と成る孔の内部に補強繊維を埋め込み、接着
剤を用いて接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応射出成形によ
り得られるポリノルボルネン系樹脂成形品の補修方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート成形体や金属成形体は、重
いことおよび切削加工が困難であることなどの欠点を有
することから、近年では、従来金属またはコンクリート
で成形していた成形体を合成樹脂で成形しようとする試
みが盛んである。
【0003】特にノルボルネン系モノマーの反応射出成
形により得られるポリノルボルネン系樹脂成形品(RI
M)は、耐衝撃性に優れ、しかも大型成形体の成形が容
易であることから、多方面の技術分野において用いられ
ることが検討されている。反応射出成形では、二以上の
反応原液を金型のキャビティ内に射出し、キャビティ内
で反応させることにより成形を行う。
【0004】ところで、このような反応射出成形の際
に、金型内での反応原液の主流れと略直角方向となる成
形部分では、樹脂の収縮に差が生じ、特に精度を必要と
する円柱形状の場合、必要とする真円度がでない場合が
ある。このような場合に、従来では、樹脂収縮の差異に
よる変形量を見込んで金型のキャビティ形状を製作し、
必要とする寸法精度の成形品を成形している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、樹脂収縮の
差異による変形量を正確に見積ることは困難であり、金
型を製作する工程と反応射出成形を行う工程とを繰り返
し行い、試行錯誤を繰り返すことにより、必要とする寸
法精度の成形品を作る以外に方法はなかった。そのた
め、高寸法精度のポリノルボルネン系樹脂成形品を成形
するためには、製造コストが増大していた。
【0006】また、ポリノルボルネン系樹脂成形品を成
形後に、真円度以外の何らかの不具合箇所を補修したい
場合がある。たとえば部分的な薄肉部を他と同じ肉厚に
したい場合や、部分的な孔を埋めたい場合などがある。
このような場合に、部分的な不具合箇所を持つ成形品を
廃棄し、金型を作り直して反応射出成形をやり直すので
は、製造コストが増大すると共に、材料の無駄になり、
廃棄物の低減および省資源の要請にも反する。
【0007】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、高寸法精度の成形品を低コストで製造することがで
き、しかも、材料の無駄をなくし、廃棄物の低減および
省資源に寄与するポリノルボルネン系樹脂成形品の補修
方法(矯正方法を含む)を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るポリノルボルネン系樹脂成形品の補修
方法は、ポリノルボルネン系樹脂成形品の補修対象部分
に、接着剤を用いて補強繊維を接着することを特徴とす
る。なお、本発明において、補修とは、矯正も含む概念
で用いる。
【0009】本発明では、前記補修対象部分としては、
特に限定されないが、たとえば成形品を反応射出成形に
より成形する際に金型内での反応原液の主流れ方向に略
直角方向となる成形部分である。このような成形部分
(たとえば円柱状に突出している部分であり、内側が空
洞の円筒形状も含む意味で用いる)は、従来の方法で
は、真円度などの寸法精度を正確に出すことが困難であ
る。本発明では、このような成形部分の外周に接着剤を
用いて補強繊維を接着することで、成形後の成形部分
(円柱)の真円度を矯正することが可能になり、必要と
する真円度を得ることができる。
【0010】本発明において用いることができる補強繊
維としては、特に限定されないが、たとえば、炭素繊
維、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維、スチー
ル繊維、アモルファス金属繊維、アラミド繊維、ボロン
繊維、ビニロン繊維、ポリアクリレート繊維、アクリル
繊維、ポリエステル繊維、高強力ビニロン繊維(ポリビ
ニルアルコール繊維)、ナイロン繊維などの無機または
有機の繊維、あるいはこれらの繊維の混合などが例示さ
れ、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、高強力ビニ
ロン繊維、ナイロン繊維が好ましく、より好ましくは炭
素繊維、ガラス繊維、ビニロン繊維である。補強繊維
は、単独で使用しても良く、2種類以上を組み合わせて
使用しても良い。補強繊維は、連続繊維、長繊維、単繊
維のいずれでも良いが、高剛性および高強度が必要な場
合には、連続繊維あるいは長繊維の形態で用いられるこ
とが好ましい。このような連続繊維あるいは長繊維の形
態としては、たとえばクロス織物、フィラメントワイン
ディング、コンティニュアスストランドマットのような
ランダム配列のマットなどが例示できる。
【0011】また、本発明において、補強繊維は、不織
布を含むものであっても良い。不織布としては、例え
ば、ガラス繊維ペーパー、カーボン繊維ペーパー、ポリ
エステル不織布、ナイロン不織布、ビニロン不織布、ポ
リフェニレンサルファイド不織布、アクリル不織布など
が用いられ、ガラス繊維ペーパー、カーボン繊維ペーパ
ー、ビニロン不織布が好ましい。
【0012】本発明において、補強繊維の繊維径は、特
に限定されないが、3〜170μm程度が好ましい。
【0013】このような補強繊維を成形品の補修対象部
分に接着するための接着剤としては、エポキシ系、ウレ
タン系、アクリル系、ゴム系、ポリエステル系、酢酸ビ
ニル系、ポリアミド系、エチレン−酢酸ビニル共重合体
系、シアノアクリレート系などの接着剤が考えられる
が、ポリノルボルネン系樹脂との接着性および経済性を
考慮すると、エポキシ系、ウレタン系、アクリル系、酢
酸ビニル系、シアノアクリレート系の接着剤が好まし
く、より好ましくはエポキシ系、ウレタン系、シアノア
クリレート系である。
【0014】接着剤は、成形品の表面または補強繊維
に、刷毛やスプレーなどの手段で塗布した後、成形品と
補強繊維とを接着しても良いが、補強繊維に接着剤を含
浸させた後補強繊維を成形品の補修対象部分に貼着して
も良い。いずれにしても成形品の補修対象部分に補強繊
維が接着された状態で、接着剤は、補強繊維間に十分に
に含浸していることが好ましい。そのためには、接着剤
は、適度な粘性を有することが好ましい。また、補強繊
維を補強対象部分に張り付ける際の施工性を考慮した場
合には、接着剤としては、たとえば30°Cで30〜1
80分程度の可使用時間を有するものが好ましい。
【0015】接着剤を用いて補強繊維を接着する前に、
成形品の表面をプライマー処理しても良い。プライマー
処理では、例えばシランカップリング剤等のカップリン
グ剤などが用いられる。プライマー処理を行うことによ
り、RIM成形品との接着性が向上する。また、このプ
ライマー処理を用いることにより、RIM成形品に対し
て用いることができる接着剤の種類が増える。
【0016】本発明に係るポリノルボルネン系樹脂成形
品の補修方法を用いて真円度の矯正を行う場合には、反
応射出成形によりポリノルボルネン系樹脂成形品を成形
した後、補正対象部分と成る円柱部分(金型内での反応
原液の主流れ方向に略直角方向となる成形部分)の外周
に補強繊維を巻き付け、接着剤を用いて接着する。円柱
部分の外周に補強繊維を巻き付ける際には、円柱部分の
真円度が所定の真円度になるように巻き付け量を調節す
る。その結果、偏芯して成形された円柱部分の真円度
を、成形品の用途として必要十分な真円度まで修正する
ことができる。その後、耐熱(約80°C)試験を行っ
ても、補強繊維が成形品から剥がれることはなく、真円
度の変化もない。
【0017】本発明に係るポリノルボルネン系樹脂成形
品の補修方法を用いて薄肉部の補修を行う場合には、反
応射出成形によりポリノルボルネン系樹脂成形品を成形
した後、補正対象部分と成る薄肉部分の片面または両面
に補強繊維を張り付け、接着剤を用いて接着する。補強
繊維を張り付ける際には、薄肉部分の肉厚が他の部分の
肉厚と略同じ程度になるように、張り付ける量を調節す
る。その結果、補修対象部分の肉厚は、他の部分の肉厚
と同程度になる。その後、耐熱(約80°C)試験を行
っても、補強繊維が成形品から剥がれることはなく、肉
厚の変化もない。
【0018】本発明に係るポリノルボルネン系樹脂成形
品の補修方法を用いて孔の埋め込みを行う場合には、反
応射出成形によりポリノルボルネン系樹脂成形品を成形
した後、補修対象部分と成る孔の内部に補強繊維を埋め
込み、接着剤を用いて接着する。補強繊維を埋め込む際
には、孔を埋め込むために十分な量の補強繊維を埋め込
む。その結果、補修対象部分である孔を完全に塞ぐこと
ができる。その後、耐熱(約80°C)試験を行って
も、補強繊維が成形品から剥がれることはない。また、
補強繊維と成形品とは強固に接着され、そこから流体が
漏れることもない。
【0019】本発明に係るポリノルボルネン系樹脂成形
品の補修方法により補修される成形品の具体的用途とし
ては、特に限定されないが、たとえば円柱部分が突出し
て成形されるCTスキャンのコーン部、タンクなどの容
器、円筒を有する成形体などを例示することができる。
また、その他の成形品の用途として、嵌合部を有する成
形体、格子を有する外観部品、建設機器の外観部品など
が例示される。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るポリノルボル
ネン系樹脂成形品の補修方法を、図面に示す実施形態に
基づき、詳細に説明する。
【0021】図1(A)は本発明の一実施形態に係るポ
リノルボルネン系樹脂成形品の製造に用いる金型装置の
断面図、同図(B)は同図(A)に示すミキサーの要部
断面図、図2は成形品に形成された補修対象部分の一例
を示す要部斜視図、図3(A),(B)は成形品に形成
された補修対象部分の他の例を示す要部断面図である。
【0022】本実施形態では、まず、複数の円柱部分が
形成されたポリノルボルネン系樹脂成形品を反応射出成
形により成形する。反応射出成形を行うための金型装置
は、図1(A)に示すように、金型2と金型4とを有
し、これらが相対的に接近離反可能に設けてある。金型
2,4が組み合わされた状態で、型内部にはキャビティ
6が形成される。キャビティ6は、ミキサー10に連通
してあり、ここから反応原液がキャビティ6内に注入さ
れるようになっている。
【0023】ミキサー10は、タンク12内の反応液A
と、タンク14内の反応液Bとを混合して吐出するもの
で、中央に進退ロッド16を有している。そして、図1
(A)に示す注入前の状態では、進退ロッド16が前進
することにより、反応液Aおよび反応液Bはそれぞれ循
環閉回路を循環し、混合されることはないが、図1
(B)に示す注入時には、進退ロッド16が後退するこ
とにより、反応液Aと反応液Bとがミキサー10内で混
合し、注入口を介してキャビティ6に充填される。
【0024】キャビティ6は、図2に示す板状の成形品
6aを成形するために対応した形状を持ち、成形品6a
にエンボス状に突出した円柱部分8aを一体に成形する
ための凹部8を有する。したがって、凹部8は、金型の
キャビティ6内での反応原液の主流れ方向Xに略直角方
向の窪みとなる。
【0025】本実施形態では、図2に示す円柱部分8a
を持つ成形品6aをポリノルボルネン系樹脂で構成する
ために、反応液Aとしてノルボルネン系モノマーとメタ
セシス触媒とよりなる液を用い、反応液Bとして前記の
ノルボルネン系モノマーと活性剤とよりなる液を用い
る。
【0026】反応射出成形に際して好ましく使用するノ
ルボルネン系モノマーは、例えば、ジシクロペンタジエ
ンやジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデ
セン、トリシクロペンタジエン等のノルボルネン環を有
するシクロオレフィンである。
【0027】ノルボルネン系モノマーを用いた反応射出
成形において使用することができるメタセシス触媒は、
例えば、六塩化タングステン、トリドデシルアンモニウ
ムモリブデート、トリ(トリデシル)アンモニウムモリ
ブデート等のモリブデン酸有機アンモニウム塩等のノル
ボルネン系モノマーの塊状重合用触媒として公知のメタ
セシス触媒であれば特に制限はないが、モリブデン酸有
機アンモニウム塩が好ましい。
【0028】活性剤(共触媒)としては、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等の
アルキルアルミニウムハライド、アルコキシアルキルア
ルミニウムハライド、有機スズ化合物等が挙げられる。
【0029】反応射出成形時において、金型2,4の型
締め圧力は通常0〜100Kgf/cm2 の範囲であ
る。重合時間は、適宜選択すればよいが、通常、反応液
の注入終了後、20秒〜20分である。
【0030】反応射出成形時において用いられる金型
2,4は特に限定されず、必ずしも剛性の高い高価な金
型である必要はなく、金属製金型に限らず、樹脂製金
型、または単なる型枠を用いることができる。
【0031】このような反応射出成形により得られた図
2に示す成形品6aの円柱部分8aは、図1に示す金型
2,4内での反応原液の主流れ方向Xと略直角方向とな
る成形部分であり、この部分では、樹脂の収縮に差が生
じ、特に精度を必要とする円柱形状の場合、必要とする
真円度がでない場合がある。
【0032】そこで、本実施形態では、反応射出成形に
よりポリノルボルネン系樹脂成形品6aを成形した後、
補正対象部分と成る円柱部分8aの外周に補強繊維を巻
き付け、接着剤を用いて接着する。円柱部分8aの外周
に補強繊維を巻き付ける際には、円柱部分8aの真円度
が所定の真円度になるように巻き付け量を調節する。そ
の結果、偏芯して成形された円柱部分8aの真円度を、
成形品の用途として必要十分な真円度まで修正すること
ができる。その後、耐熱(約80°C)試験を行って
も、補強繊維が成形品から剥がれることはなく、真円度
の変化もない。
【0033】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0034】たとえば、本発明に係るポリノルボルネン
系樹脂成形品の補修方法を用いて薄肉部の補修を行うこ
ともできる。その場合には、図3(A)に示すように、
反応射出成形によりポリノルボルネン系樹脂成形品6b
を成形した後、補修対象部分と成る薄肉部分8bの片面
(または両面)に補強繊維を張り付け、接着剤を用いて
接着する。補強繊維を張り付ける際には、薄肉部分の肉
厚が他の部分の肉厚と略同じ程度になるように、張り付
ける量を調節する。その結果、補修対象部分の肉厚は、
他の部分の肉厚と同程度になる。その後、耐熱(約80
°C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれる
ことはなく、肉厚の変化もない。
【0035】さらに、本発明に係るポリノルボルネン系
樹脂成形品の補修方法を用いて孔の埋め込みを行うこと
もできる。その場合には、図3(B)に示すように、反
応射出成形によりポリノルボルネン系樹脂成形品6cを
成形した後、補修対象部分と成る孔8cの内部に補強繊
維を埋め込み、接着剤を用いて接着する。補強繊維を埋
め込む際には、孔8cを埋め込むために十分な量の補強
繊維を埋め込む。その結果、補修対象部分である孔8c
を完全に塞ぐことができる。その後、耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはない。また、補強繊維と成形品とは強固に接着さ
れ、そこから流体が漏れることもない。
【0036】
【実施例】以下、本発明を、さらに具体的な実施例に基
づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。以下の説明では、部または%は、特に断わらない限
り、重量基準である。
【0037】実施例1 図1(A)に示すような金型2,4を準備した。金型
2,4に形成された平板状キャビティ6の縦寸法が22
00mm、横寸法が2200mm、厚み寸法が600mmであ
り、図2に示す円柱部8aを成形するための凹部8の内
径が680mm、深さが300mmであった。
【0038】反応射出成形に際しては、ジシクロペンタ
ジエン(DCP)90重量%と非対称型シクロペンタジ
エン3量体10重量%とから成るノルボルネン系モノマ
ーを2つの容器に入れ、一方にはモノマーに対しジエチ
ルアルミニウムクロリド(DEAC)を40モル濃度、
1,3−ジクロロ−2−プロパノール(dcPrOH)
48モル濃度に成るように添加した(A液)。他方に
は、モノマーに対し、トリ(トリデシル)アンモニウム
モリブデートを10ミリモル濃度となるように添加した
(B液)。これらA液およびB液は、それぞれAタンク
12およびBタンク14に貯留した。
【0039】ミキサー16から金型のキャビティ6内
に、同容量のA液とB液とを混合して注入し、約5分程
度経過した後、金型内から図2に示すポリノルボルネン
系樹脂成形品6aを取り出した。成形品6aにおける円
柱部分8aの真円度を測定したところ、最大直径が68
4mm、最小直径が676mmであり、偏心していることが
確認された。
【0040】この成形品6aの円柱部分8aの外周に、
エポキシ系接着剤(日本チバガイギー株式会社製、主材
Y5052、硬化材Y5052)を予め含浸させたカー
ボン繊維(東邦レーヨン株式会社製、目付け重量22g
/m2 、厚み0.35mm、平織り)を巻き付け、室温で
一昼夜乾燥させた後、60°C〜70°Cで30分アフ
タキュアさせた。
【0041】その後、円柱部分8aの真円度を測定した
ところ、最大直径が681.0mm、最小直径が679.
0mmであり、必要且つ十分な真円度が得られることが確
認された。
【0042】その後、この成形品6aの耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはなく、真円度の変化もないことが確認された。
【0043】実施例2 接着剤として、ゼオンライズ株式会社製接着剤MEZ6
90CL(エポキシ系)を用いた以外は、前記実施例1
と同様にして、円柱部分8aの矯正を行い、円柱部分8
aの真円度を測定したところ、最大直径が681.0m
m、最小直径が679.0mmであり、必要且つ十分な真
円度が得られることが確認された。
【0044】その後、この成形品6aの耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはなく、真円度の変化もないことが確認された。
【0045】実施例3 接着剤として、東燃株式会社製接着剤FR−E3P(エ
ポキシ系)を用いた以外は、前記実施例1と同様にし
て、円柱部分8aの矯正を行い、円柱部分8aの真円度
を測定したところ、最大直径が681.5mm、最小直径
が678.5mmであり、必要且つ十分な真円度が得られ
ることが確認された。
【0046】その後、この成形品6aの耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはなく、真円度の変化もないことが確認された。
【0047】実施例4 接着剤として、東京ハマタイト株式会社製接着剤Y−1
700−A(ウレタン系)を用いた以外は、前記実施例
1と同様にして、円柱部分8aの矯正を行い、円柱部分
8aの真円度を測定したところ、最大直径が681.0
mm、最小直径が679.0mmであり、必要且つ十分な真
円度が得られることが確認された。
【0048】その後、この成形品6aの耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはなく、真円度の変化もないことが確認された。
【0049】実施例5 接着剤として、東燃株式会社製接着剤FR−E3P(エ
ポキシ系)を用い、カーボン繊維として、東燃株式会社
の、目付け重量300g/m2 、厚み0.17mmの一方
向繊維を用いた以外は、前記実施例1と同様にして、円
柱部分8aの矯正を行い、円柱部分8aの真円度を測定
したところ、最大直径が681.5mm、最小直径が67
8.5mmであり、必要且つ十分な真円度が得られること
が確認された。
【0050】その後、この成形品6aの耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはなく、真円度の変化もないことが確認された。
【0051】実施例6 補強繊維として、日東紡績株式会社製のガラス繊維ロー
ビングクロス WR860B−100(目付け重量86
0g/m2 )を用いた以外は、前記実施例1と同様にし
て、円柱部分8aの矯正を行い、円柱部分8aの真円度
を測定したところ、最大直径が681.0mm、最小直径
が679.0mmであり、必要且つ十分な真円度が得られ
ることが確認された。
【0052】その後、この成形品6aの耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはなく、真円度の変化もないことが確認された。
【0053】実施例7 補強繊維として、クラレ株式会社製のビニロン繊維 F
VH180(目付け重量180g/m2 、平織)を用い
た以外は、前記実施例1と同様にして、円柱部分8aの
矯正を行い、円柱部分8aの真円度を測定したところ、
最大直径が681.5mm、最小直径が679.0mmであ
り、必要且つ十分な真円度が得られることが確認され
た。
【0054】その後、この成形品6aの耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはなく、真円度の変化もないことが確認された。
【0055】実施例8 補強繊維として、クラレ株式会社製のビニロン不織布V
M300(目付け重量300g/m2 )を用いた以外
は、前記実施例1と同様にして、円柱部分8aの矯正を
行い、円柱部分8aの真円度を測定したところ、最大直
径が681.5mm、最小直径が679.5mmであり、必
要且つ十分な真円度が得られることが確認された。
【0056】その後、この成形品6aの耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはなく、真円度の変化もないことが確認された。
【0057】実施例9 接着剤として、東亜合成化学工業株式会社製接着剤アロ
ンアルファ(シアノアクリレート系)を用いた以外は、
前記実施例1と同様にして、円柱部分8aの矯正を行
い、円柱部分8aの真円度を測定したところ、最大直径
が681.5mm、最小直径が679mmであり、必要且つ
十分な真円度が得られることが確認された。
【0058】その後、この成形品6aの耐熱(約80°
C)試験を行っても、補強繊維が成形品から剥がれるこ
とはなく、真円度の変化もないことが確認された。
【0059】実施例10 図3(B)に示すような内径2mmの孔8cが開いたポリ
ノルボルネン系樹脂成形品6cから成る容器を、実施例
1と同様にして成形し、この孔8cに、エポキシ系接着
剤(日本チバガイギー株式会社製、主材Y5052、硬
化材Y5052)を予め含浸させたカーボン繊維(東邦
レーヨン株式会社製、目付け重量22g/m2 、厚み
0.35mm、平織り)を埋め込み、室温で一昼夜乾燥さ
せた後、60°C〜70°Cで30分アフタキュアさせ
た。
【0060】この成形品6cから成る容器に、水を0.
5kgf/cm2 (ゲージ圧)の圧力で封入し、孔補修
部分の漏れを調べたところ、漏れは観察されなかった。
【0061】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、偏芯して成形された円柱部分の真円度を、成形品の
用途として必要十分な真円度まで修正することができ
る。その後、耐熱(約80°C)試験を行っても、補強
繊維が成形品から剥がれることはなく、真円度の変化も
ない。また、本発明によれば、補修対象部分である薄肉
部の肉厚を、他の部分の肉厚と同程度にすることができ
る。そして、耐熱試験を行っても、補強繊維が成形品か
ら剥がれることはなく、肉厚の変化もない。さらに本発
明によれば、補修対象部分である孔を完全に塞ぐことが
できる。そして、耐熱試験を行っても、補強繊維が成形
品から剥がれることはない。また、補強繊維と成形品と
は強固に接着され、そこから流体が漏れることもない。
すなわち、本発明によれば、高寸法精度のポリノルボル
ネン系樹脂成形品を低コストで製造することができ、し
かも、材料の無駄をなくし、廃棄物の低減および省資源
に寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(A)は本発明の一実施形態に係るポリノ
ルボルネン系樹脂成形品の製造に用いる金型装置の断面
図、同図(B)は同図(A)に示すミキサーの要部断面
図である。
【図2】図2は成形品に形成された補修対象部分の一例
を示す要部斜視図である。
【図3】図3(A),(B)は成形品に形成された補修
対象部分の他の例を示す要部断面図である。
【符号の説明】
2,4… 金型 6… キャビティ 6a… ポリノルボルネン系樹脂成形品 8… 凹部 8a… 円柱部分 10… ミキサー 12,14… タンク

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリノルボルネン系樹脂成形品の補修対
    象部分に、接着剤を用いて補強繊維を接着することを特
    徴とするポリノルボルネン系樹脂成形品の補修方法。
  2. 【請求項2】 前記補修対象部分が、成形品を反応射出
    成形により成形する際に金型内での反応原液の主流れ方
    向に略直角方向となる成形部分である請求項1に記載の
    ポリノルボルネン系樹脂成形品の補修方法。
JP33281396A 1996-11-28 1996-11-28 ポリノルボルネン系樹脂成形品の補修方法 Pending JPH10156958A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016002689A (ja) * 2014-06-16 2016-01-12 ヒエン電工株式会社 樹脂成形品の補修方法及びその補修用樹脂材料

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JP2016002689A (ja) * 2014-06-16 2016-01-12 ヒエン電工株式会社 樹脂成形品の補修方法及びその補修用樹脂材料

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