JP2000168887A - 浄化槽および被接着部材の固定方法 - Google Patents

浄化槽および被接着部材の固定方法

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JP2000168887A
JP2000168887A JP10349746A JP34974698A JP2000168887A JP 2000168887 A JP2000168887 A JP 2000168887A JP 10349746 A JP10349746 A JP 10349746A JP 34974698 A JP34974698 A JP 34974698A JP 2000168887 A JP2000168887 A JP 2000168887A
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tank
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septic tank
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Hideki Hamanaka
英機 浜中
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着剤の粘度のバラツキ、粘度上昇および塗
布量のムラやバラツキなどが生じても、容易に仕切板を
槽体内部の所定位置に設置および固定が可能である浄化
槽と、このように仕切板などの被接着部材を対象物に対
して位置ズレすることなく正確な位置に固定することが
可能な被接着部材の固定方法を提供すること。 【解決手段】 槽体14の内部に少なくとも1の仕切板
40が装着してある浄化槽100であって、仕切板40
の接着用フランジ下部41aには、フランジ下部41a
と槽体14との間に介在される接着剤51がはみ出すこ
とを許容する複数の貫通孔43が形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄化槽および被接
着部材の固定方法に係り、さらに詳しくは、浄化槽の仕
切板が槽体内部に位置ズレすることなく正確な位置に接
着固定してある浄化槽と、このように仕切板などの被接
着部材を対象物に対して位置ズレすることなく正確な位
置に固定することが可能な被接着部材の固定方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】浄化槽は、嫌気性微生物および好気性微
生物を用いた生物学的方法を利用して汚水を浄化する装
置であり、浄化槽の内部は、一般に、嫌気処理槽と好気
処理槽とに仕切られ、それらの槽間は、水密性に仕切ら
れることが要求される。
【0003】そこで、浄化槽の内部を仕切るために、槽
体の内部には、少なくとも1以上の仕切板が配置してあ
り、仕切板と槽体との間の接合部には、水密性を持たせ
るために、接着剤が用いられる。具体的には、図4
(C)に示すように、槽体14の内壁に略直角に立てら
れたリブ45および47の間に形成してある挿入溝49
に接着剤51を塗布した後、仕切板40’の接着面4
1’を接着剤51に押し付けながら仕切板40’を所定
位置まで挿入し、仕切板40’を仮固定する。その後、
仕切板40’をボルト・ナットやリベットなどでリブに
対して固定する。仕切板を槽体14の挿入溝49の内部
の所定位置まで挿入する際には、仕切板40’の接着面
全体に接着剤を延展させるために、仕切板40’を上部
から押し付ける作業が必要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】通常、接着剤51は、
適度な粘度を有し、仕切板40’を上から押し付けるこ
とで、仕切板40’の接着面に対して良好に延展する。
しかしながら、接着剤51の製造ロットにより粘度がば
らついたり、温度(気温)によって粘度が上昇する。特
に冬季などの気温が低い季節には、接着剤51の粘度が
上昇する。接着剤51の粘度が通常よりも高い場合に
は、仕切板40’を上から押し付ける力を増大させて
も、接着剤51が所定の厚みまで延展せず、したがって
仕切板40’が槽体内部の所定位置に収まらない結果と
なる。
【0005】このため、上部槽体と下部槽体との組合せ
作業や空気配管などの組み付け作業に支障が生じたり、
無理に組み立てや組付けを行うことで、特定部位に変形
や過大な内部応力を発生させたりする。この場合、浄化
槽の機能に悪影響が及んだり、使用後に漏水事故や耐久
性の低下などの原因になる可能性がある。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、接着剤の粘度のバラツキ、粘度上昇および塗布量の
ムラやバラツキなどが生じても、容易に仕切板を槽体内
部の所定位置に設置および固定が可能である浄化槽と、
このように仕切板などの被接着部材を対象物に対して位
置ズレすることなく正確な位置に固定することが可能な
被接着部材の固定方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る浄化槽は、槽体の内部に少なくとも1
の仕切板が装着してある浄化槽であって、前記仕切板の
接着部分には、接着部分と槽体との間に介在される接着
剤がはみ出すことを許容する複数の貫通孔が形成してあ
ることを特徴とする。
【0008】本発明に係る被接着部材の固定方法は、被
接着部材を対象部材に固定するための固定方法であっ
て、前記被接着部材の接着部分には、接着部分と対象部
材との間に介在される接着剤がはみ出すことを許容する
複数の貫通孔が形成してあり、当該被接着部材の接着部
分を、対象部材の表面に塗布された接着剤に対して押し
付けることを特徴とする。
【0009】前記対象部材(たとえば槽体の内壁)に
は、被接着部材(たとえば仕切板)の接着部分を対象部
材の表面に塗布された接着剤に対して押し付けた後にボ
ルト・ナットやリベットなどで被接着部材を固定するた
めのリブと、リブに隣接して配置され、接着剤が塗布さ
れて接着部分が差し込まれる挿入溝とが具備してあるこ
とが好ましい。
【0010】前記貫通孔の内径が好ましくは2〜10m
m、さらに好ましくは4〜7mmであり、これら貫通孔
が好ましくは50〜300mm、さらに好ましくは10
0〜200mmのピッチで前記接着部分に形成してあ
る。貫通孔の内径が小さすぎると、貫通孔を通して接着
剤がはみ出すことが困難になる傾向にあり、内径が大き
すぎると、接着部分の固定が弱くなる傾向にある。ま
た、貫通孔の配置ピッチが狭すぎると、接着部分の固定
が弱くなる傾向にあり、また、配置ピッチが広すぎる
と、従来技術と同じ不都合が生じやすい傾向にある。
【0011】なお、本発明において、貫通孔の配置、配
列は特に限定されず、1列等間隔、1列不等間隔、2列
以上の等間隔または不等間隔、あるいはランダムでもよ
い。ただし、接着剤を均一に延展するには、1列等間隔
が好ましい。
【0012】本発明において用いられる接着剤として
は、特に限定されないが、たとえば1液硬化型ウレタン
ポリマー、2液硬化型ウレタンポリマー、エポキシ系ポ
リマー、変成シリコン系合成ゴムなどが好ましい。ま
た、接着剤を塗布する前には、その塗布予定部分を清掃
および脱脂処理(アセトンなどの溶剤を用いる)を行う
ことが好ましい。また、その後に、プライマーを塗布し
た後、接着剤を塗布することが好ましい。プライマーと
しては、特に限定されないが、ウレタン系プライマー、
ポリイソシアネート系プライマーなどが好ましい。
【0013】本発明において、浄化槽の槽体を構成する
材質は、特に限定されず、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエステル、繊維強化プラスチック(FRP)な
どが例示されるが、好ましくは、反応射出成形法(RI
M)によって得られるポリノルボルネン系樹脂で構成さ
れる。特に、エラストマーで改質されたノルボルネン系
モノマーの開環重合体で構成されたものが好ましい。ま
た、この場合、浄化槽の槽体および前記リブを一体成形
することがより好ましい。
【0014】エラストマーとしては、例えば、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン
−ジエンターポリマー(EPT)などを挙げることがで
きる。
【0015】エラストマーの配合割合は、ノルボルネン
系モノマー100重量部に対して、1〜20重量部、好
ましくは2〜15重量部である。エラストマーの配合割
合が少ないと、可撓性が低下する。逆に、エラストマー
の配合割合が多すぎると、ガラス転移温度が低下し、か
つ、強度が低下するので好ましくない。
【0016】モノマーは、ジシクロペンタジエンやジヒ
ドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、ト
リシクロペンタジエン等のノルボルネン環を有するシク
ロオレフィンが好ましい。
【0017】メタセシス触媒は、六塩化タングステン、
トリドデシルアンモニウムモリブデート、トリ(トリデ
シル)アンモニウムモリブデート等の有機モリブデン酸
アンモニウム塩等のノルボルネン系モノマーの塊状重合
用触媒として公知のメタセシス触媒であれば特に制限は
ないが、有機モリブデン酸アンモニウム塩が特に好まし
い。
【0018】活性剤(共触媒)としては、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等の
アルキルアルミニウムハライド、これらのアルコキシア
ルキルアルミニウムハライド、有機スズ化合物等が挙げ
られる。
【0019】反応射出成形の前準備として、ノルボルネ
ン系モノマー、メタセシス触媒および活性剤を主材とす
る反応射出成形用材料を、ノルボルネン系モノマーとメ
タセシス触媒とよりなる液と、前記のノルボルネン系モ
ノマーと活性剤とよりなる液との安定な2液に分けて別
の容器に入れておく。反応射出成形に際しては、この2
液を混合し、次いで、この混合液を、金型のキャビティ
内に注入し、キャビティ内で塊状重合して、浄化槽の槽
体を得る。
【0020】反応射出成形に用いる金型としては、必ず
しも剛性の高い高価な金型である必要はなく、金属製金
型に限らず、樹脂製金型、または単なる型枠を用いるこ
とができる。ノルボルネン系樹脂の反応射出成形は、低
粘度の反応液を用い、比較的低温低圧で成形できるため
である。金型内は不活性ガスでシールし、重合反応に用
いる成分類は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で貯蔵
し、かつ操作することが好ましい。
【0021】金型温度は、好ましくは、10〜150
℃、より好ましくは、30〜120℃、さらに好ましく
は、50〜100℃である。金型圧力は通常0.1〜1
00Kg/cm の範囲である。重合時間は、適宜選
択すればよいが、通常、反応液の注入終了後、30秒〜
20分、好ましくは、5分以下である。
【0022】なお、浄化槽の槽体を構成する材質は上述
したものに限定されるものではなく、また、成形法も反
応射出成形に限定されるものではなく、いかなる方法、
例えば、中空成形法や回転成形法により成形することが
できる。
【0023】ただし、本発明に係る浄化槽の槽体を、反
応射出成形法により得られるポリノルボルネン系樹脂で
構成した場合には、リブを一体成形し易く、しかも比較
的大型の浄化槽の槽体を容易に成形することができる。
また、ポリノルボルネン系樹脂は、比剛性は低いが比強
度は高いという材料的特徴を利用して、浄化槽の槽体と
して必要とされる十分な耐圧を有することができる。
【0024】
【作用】本発明に係る浄化槽では、仕切板の接着部分に
は複数の貫通孔が形成してあるので、仕切板の接着部分
を接着剤に押し付けることで、余分な接着剤は、貫通孔
を通して、仕切板の接着部分からはみ出す。このため、
接着剤の粘度のバラツキ、粘度上昇および塗布量のムラ
やバラツキなどが生じても、接着剤が所定の厚みまで延
展し、容易に仕切板を槽体内部の所定位置に押し込むこ
とができる。その後、必要に応じて、ボルト・ナットや
リベットなどで仕切板を槽体内部のリブなどに固定す
る。
【0025】貫通孔からはみだした接着剤の後処理方法
としては、特に限定されないが、通常、接着剤が固化す
る前にヘラでならすことが好ましい。また、ヘラでかき
とり、布で拭きとりなどの方法でもよい。さらに接着剤
が固化後、ナイフ、牛刀、ハサミ、グラインダーなどで
切削してもよい。なお、はみ出し分をそのままにしてお
いてもよい。
【0026】本発明に係る浄化槽では、仕切板と槽体と
の間の接着剤が良好に延展されることから、接着不良が
無く、シール性に優れている。浄化槽においては、内部
に形成してある隣接する槽間で漏水すると、浄化槽とし
ての性能が低下するおそれがあるが、本発明では、この
ような事態を有効に阻止することができる。また、本発
明では、仕切板が槽体内部の所定位置に固定されること
から、上部槽体と下部槽体との組合せ作業や空気配管な
どの組み付け作業に支障が生じることはなく、特定部位
に変形や過大な内部応力を発生させることもない。した
がって、浄化槽の機能に悪影響が及ぶこともなく、耐久
性も向上する。
【0027】本発明に係る被接着部材の固定方法では、
被接着部材の接着部分には複数の貫通孔が形成してある
ので、被接着部材の接着部分を接着剤に押し付けること
で、余分な接着剤は、貫通孔を通して、被接着部材の接
着部分からはみ出す。このため、接着剤の粘度のバラツ
キ、粘度上昇および塗布量のムラやバラツキなどが生じ
ても、接着剤が所定の厚みまで延展し、容易に被接着部
材を対象物の所定位置に接着することができる。その
後、必要に応じて、ボルト・ナットやリベットなどで被
接着部材を対象物に固定する。なお、接着剤のみで固定
することも可能である。
【0028】本発明に係る方法では、被接着部材が対象
物の所定位置に固定されることから、その後の組合せ作
業や組み付け作業に支障が生じることはなく、特定部位
に変形や過大な内部応力を発生させることもない。した
がって、被接着部材を対象物に接着して得られる組合せ
構造体または組み付け構造体の耐久性も向上する。ま
た、本発明に係る方法では、被接着部材と対象物との間
の接着剤が良好に延展されることから、接着不良が無
く、シール性に優れている。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。図1は本発明の1実施形態に係
る浄化槽の要部断面斜視図、図2は図1に示す浄化槽の
II−II線に沿う断面図、図3は浄化槽の下部槽体と仕切
板との関係を示す要部斜視図、図4(A)および(B)
は本発明の1実施形態に係る仕切板の接着方法を示す要
部断面図、図4(C)は従来例に係る仕切板の接着方法
を示す要部断面図である。
【0030】図1および図2に示すように、本実施形態
に係る合併処理浄化槽100は、上部槽体12と下部槽
体14とを有し、後述する仕切板や濾床などの構成部品
を内部に取り付けた後、これら上下槽体12,14をフ
ランジ部12a,14aで重ね合わせることにより組み
立てられる。
【0031】上部槽体12には、浄化槽100を構成す
るために必要となるマンホール蓋取付部16が長手方向
に三つ形成してある。また、上部槽体12の長手方向の
前後には、汚水を導入するための流入管18と浄化処理
を終えた処理水を放流するための放流管20がそれぞれ
設けてある。
【0032】この浄化槽100は、嫌気性処理と好気性
処理とを行う合併処理浄化槽であることから、槽体1
2,14の内部は、長手方向に沿って複数の仕切板4
0,42,44により複数の室50,52,54,56
に区切られている。本実施形態では、上流側から、嫌気
濾床槽第1室50、嫌気濾床槽第2室52、接触曝気槽
54、沈澱槽56、および一体成形された消毒槽58の
都合5個の処理槽が形成してある。
【0033】嫌気濾床槽第1室50は、流入管18から
汚水が導入される処理槽であり、隣接する嫌気濾床槽第
2室52とは仕切板40で仕切られているが、当該仕切
板40の上部に開設された連通孔40aによって両室5
0,52は連通している。この嫌気濾床槽第1室50に
は、合成樹脂などの濾材からなる嫌気性濾床30が、そ
の下面を受け板32により、またその上面を押さえ板3
4により支持されて設けてあり、流入管18から流入し
た汚水は、押さえ板34から嫌気性濾床30を通過する
際に嫌気性処理が施され、受け板32を通過した後、仕
切板40の連通孔40aを通って嫌気濾床槽第2室52
へ、堰の自然越流によって移流することになる。
【0034】上記嫌気濾床槽第1室50に隣接する嫌気
濾床槽第2室52は、嫌気濾床槽第1室50で嫌気性処
理された処理水が導入される第2の嫌気濾床槽であり、
隣接する接触曝気槽54とは仕切板42で仕切られてい
るが、当該仕切板42の上部に開設された連通孔42a
によって両室52,54は連通している。この嫌気濾床
槽第2室52にも、嫌気濾床槽第1室50と同様に、合
成樹脂などの濾材からなる嫌気性濾床30が、その下面
を受け板32により、またその上面を押さえ板34によ
り支持されて設けてあり、嫌気濾床槽第1室50から流
入した処理水は、押さえ板34から嫌気性濾床30を通
過する際にさらなる嫌気性処理が施され、受け板32を
通過した後、仕切板42の連通孔42aを通って接触曝
気槽54へ、堰の自然越流によって移流することにな
る。
【0035】上記嫌気濾床槽第2室52に隣接する接触
曝気槽54は、嫌気濾床槽第2室52で嫌気性処理され
た処理水が導入される処理槽であり、隣接する沈澱槽5
6とは仕切板44で仕切られているが、当該仕切板44
の下部に形成されたスロット(狭小通路)44aによっ
て両槽54,56は連通している。この接触曝気槽54
には、合成樹脂などの濾材からなる好気性濾床30が装
着してあり、その下面を受け板32により、またその上
面を押さえ板34により支持してある。嫌気濾床槽第2
室52から流入した処理水は、押さえ板34から好気性
濾床30を通過する際に好気性処理が施され、受け板3
2を通過した後、仕切板44下部のスロット44aを通
って沈澱槽56へ流れることになる。接触曝気槽の下部
には散気装置及び濾床逆洗装置(共に図示は略)が設け
てある。
【0036】上記沈澱槽56に隣接する消毒槽58は、
一体成形された小室であり、隔壁46によって沈澱槽と
仕切られており、当該消毒槽58には、沈澱槽56の上
澄み液が堰の自然越流によって移流し、図示しない薬剤
筒によって供給された消毒剤で塩素消毒された後、放流
管20を通って放流水として外部に放流される。
【0037】図2に示すように、嫌気濾床槽第1室5
0、嫌気濾床槽第2室52および接触曝気槽54には、
上部槽体12の内面と下部槽体14の内面とのそれぞれ
に、内部リブ60が形成してある。図2に示す実施形態
では、濾床30の長手方向の長さ等を考慮して、嫌気濾
床槽第1室50にはそれぞれ3つの内部リブ60、嫌気
濾床槽第2室52にはそれぞれ1つの内部リブ60、接
触曝気槽54にはそれぞれ1つの内部リブ60が形成し
てある。これら内部リブ60は、濾床30を支持するた
めのものである。
【0038】このような浄化槽100において、浄化槽
100の内部に、たとえば1の仕切板を固定するには、
次のようにして行う。浄化槽100の内部に複数の仕切
板を固定する場合も同様であるので、以下の説明では、
単一の仕切板40を浄化槽100の槽体内部に取り付け
るものとして説明する。
【0039】図3に示すように、本実施形態の浄化槽1
00では、仕切板40の外周部に、接着部分としての接
着用フランジ41が、仕切板40の主面に対して略直角
に一体的に折り曲げられて成形してある。また、この仕
切板40が取り付けられる位置の下部槽体14の内面に
は、第1リブ45と第2リブ47とが、槽体の長手方向
Xに沿って所定間隔で一体成形してあり、これらリブ4
5および47の間に挿入溝49が形成してある。第1リ
ブ45は、第2リブ47に対して、突出高さが大きくし
てある。仕切板40は、最終的には、第1リブ45に対
して、ボルト・ナットまたはリベットなどで固定され
る。
【0040】第1リブ45の突出高さH1(図4(A)
参照)は、特に限定されないが、好ましくは20〜90
mm、さらに好ましくは30〜60mmである。第2リ
ブ47のH2(図4(A)参照)は、特に限定されない
が、好ましくは5〜60mm、さらに好ましくは10〜
30mmである。また、挿入溝49の幅Wは、特に限定
されないが、好ましくは20〜80mm、さらに好まし
くは30〜60mmである。さらに、これらリブ45お
よび47の厚みT1およびT2は、槽体14の厚みT0
と略同一であり、特に限定されないが、好ましくは3〜
10mm、さらに好ましくは4〜7mmである。
【0041】図3に示すように、仕切板40の外周に形
成してあるフランジ41のフランジ下部41aには、そ
の長手方向に沿って所定のピッチPで、貫通孔43が形
成してある。本実施形態では、一列の貫通孔43である
が、二列以上形成しても良い。各貫通孔43の内径は、
好ましくは2〜10mm、さらに好ましくは4〜7mm
である。また、貫通孔43の配置ピッチPは、好ましく
は50〜300mm、さらに好ましくは100〜200
mmである。仕切板40の材質は、特に限定されない
が、たとえばポリノルボルネン系樹脂、PVC、FRP
(SMC)、FRP(ハンドレイアップ)、FRP(ス
プレーアップ)などで構成されることが多い。
【0042】仕切板40の下半分を下部槽体14の挿入
溝49の内部に差し込む前に、挿入溝49の内部を清掃
し、その後に脱脂処理を行う。脱脂処理は、たとえばア
セトンなどの溶剤を用いて行う。その後、挿入溝49の
内部にプライマーを塗布した後、図4(A)に示すよう
に、挿入溝49の内部に、接着剤51を塗布する。接着
剤の塗布に際しては、圧送ポンプなどを用いる。その後
に、仕切板40のフランジ41の下半分を下部槽体14
の挿入溝49の内部に差し込み、仕切板40を上から押
し付けると、図4(B)に示すように、余分な接着剤
は、貫通孔43を通して、仕切板40のフランジ下部4
1aからはみ出す。このため、接着剤51の粘度のバラ
ツキ、粘度上昇および塗布量のムラやバラツキなどが生
じても、接着剤が所定の厚み(たとえば約2mm程度)
まで延展し、容易に仕切板40を槽体14内部の所定位
置にまで押し込むことができる。その後、仕切板40と
第1リブ45とを貫通する取り付け用貫通孔を開け、そ
れらにボルト・ナットやリベットなどを通し、仕切板4
0を第1リブ45に対して固定する。
【0043】その後、下部槽体14の内部に、図1およ
び図2に示すその他の部材または部品(エアー配管など
を含む)などを取り付け、図1および図2に示す上部槽
体12を被せ、両フランジ部12aおよび14aを接着
剤およびボルト・ナットで固定する。
【0044】本実施形態に係る浄化槽100では、仕切
板40と槽体14との間の接着剤51が良好に延展され
ることから、接着不良が無く、シール性に優れている。
浄化槽100においては、内部に形成してある隣接する
槽間で漏水すると、浄化槽100としての性能が低下す
るおそれがあるが、本実施形態では、このような事態を
有効に阻止することができる。また、本実施形態では、
仕切板40が槽体14内部の所定位置に固定されること
から、上部槽体12と下部槽体14との組合せ作業や空
気配管などの組み付け作業に支障が生じることはなく、
特定部位に変形や過大な内部応力を発生させることもな
い。したがって、浄化槽100の機能に悪影響が及ぶこ
ともなく、耐久性も向上する。
【0045】本実施形態では、上部槽体12および下部
槽体14は、エラストマーで改質されたノルボルネン系
モノマーの開環重合体で構成してある。
【0046】具体的には、ジシクロペンタジエン(DC
P)85%と、非対称型シクロペンタジエン三量体15
%を用い、これにスチレン−イソプレン−スチレンブロ
ック共重合体(クレイトン1170、シェル社製)を5
%とフェノール系の酸化防止剤であるイルガノックス1
010(チバガイギー社製)を2%溶解させ、これを2
つの容器に入れ、一方にはモノマーに対しジエチルアル
ミニウムクロリド(DEAC)を40ミリモル濃度、n
−プロパノールを44ミリモル濃度、四塩化ケイ素を2
0ミリモル濃度となるように添加する(A液)。他方に
は、モノマーに対しトリ(トリデシル)アンモニウムモ
リブデートを10ミリモル濃度となるように添加する
(B液)。
【0047】このようにして調製されたA液およびB液
を、それぞれギヤーポンプにて1対1の容積比となるよ
うにパワーミキサーに送液し、次いで、金型内に、金型
温度70℃および注入圧力2.0Kg/cm 以下で
注入する。金型内では2〜4分間の反応を行ない、これ
らの一連の操作は、窒素雰囲気下で行う。
【0048】その後、金型より成形品を取り出すことに
より、上部槽体12を得ることができる。下部槽体14
も同様にして成形することができる。
【0049】このように、上部槽体および下部槽体1
2,14を、反応射出成形法により得られるポリノルボ
ルネン系樹脂で構成することで、図4に示すリブ45お
よび47が一体に形成された比較的大型の槽体を容易に
成形することができる。また、ポリノルボルネン系樹脂
の、比剛性は低いが比強度は高いという材料的特徴を利
用して、槽体として必要とされる十分な耐圧を有するこ
とができる。
【0050】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0051】たとえば、上述した実施形態では浄化槽内
に、嫌気濾床槽第1室50、嫌気濾床槽第2室52、接
触曝気槽54、沈澱槽56および消毒槽58の処理槽を
形成したが、これ以外の処理槽を設けることもできる
し、何れかの処理槽を省略することもできる。
【0052】また、上述した実施形態では、図3に示す
ように、仕切板40のフランジ下部41aのみに貫通孔
43を形成したが、貫通孔43は、フランジ側部41b
にも形成しても良い。しかしながら、フランジ側部41
bが接着される下部槽体14の挿入溝49は、テーパ状
に傾斜しているため、通常、貫通孔43を形成しなくと
も、接着剤は良好に延展する。
【0053】さらに、本発明に係る被接着部材の固定方
法は、浄化槽の下部槽体(対象物)の内壁に対して仕切
板(被接着部材)を固定する場合に限定されず、その他
の対象物に対して、その他の形状および構造の被接着部
材を固定する場合全てに適用することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、接着剤の粘度のバラツキ、粘度上昇および塗布量の
ムラやバラツキなどが生じても、容易に仕切板を槽体内
部の所定位置に設置および固定が可能である浄化槽と、
このように仕切板などの被接着部材を対象物に対して位
置ズレすることなく正確な位置に固定することが可能な
被接着部材の固定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の1実施形態に係る浄化槽の要
部断面斜視図である。
【図2】 図2は図1に示す浄化槽のII−II線に沿う断
面図である。
【図3】 図3は浄化槽の下部槽体と仕切板との関係を
示す要部斜視図である。
【図4】 図4(A)および(B)は本発明の1実施形
態に係る仕切板の接着方法を示す要部断面図、図4
(C)は従来例に係る仕切板の接着方法を示す要部断面
図である。
【符号の説明】
12… 上部槽体 14… 下部槽体 40… 仕切板 41… 接着用フランジ(接着部分) 41a… 接着用フランジ下部 43… 貫通孔 45… 第1リブ 47… 第2リブ 49… 挿入溝 51… 接着剤 100… 浄化槽

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 槽体の内部に少なくとも1の仕切板が装
    着してある浄化槽であって、 前記仕切板の接着部分には、接着部分と槽体との間に介
    在される接着剤がはみ出すことを許容する複数の貫通孔
    が形成してあることを特徴とする浄化槽。
  2. 【請求項2】 前記貫通孔の内径が2〜10mmであ
    り、これら貫通孔が50〜300mmのピッチで前記接
    着部分に形成してある請求項1に記載の浄化槽。
  3. 【請求項3】 被接着部材を対象部材に固定するための
    固定方法であって、前記被接着部材の接着部分には、接
    着部分と対象部材との間に介在される接着剤がはみ出す
    ことを許容する複数の貫通孔が形成してあり、当該被接
    着部材の接着部分を、対象部材の表面に塗布された接着
    剤に対して押し付けることを特徴とする被接着部材の固
    定方法。
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