JPH1045195A - 浄化槽 - Google Patents

浄化槽

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Publication number
JPH1045195A
JPH1045195A JP8219481A JP21948196A JPH1045195A JP H1045195 A JPH1045195 A JP H1045195A JP 8219481 A JP8219481 A JP 8219481A JP 21948196 A JP21948196 A JP 21948196A JP H1045195 A JPH1045195 A JP H1045195A
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JP
Japan
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tank
corrugated
tank body
side wall
septic tank
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Application number
JP8219481A
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English (en)
Inventor
Masahiro Funaki
正博 舟木
Hitoshi Imaizumi
仁 今泉
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Filing date
Publication date
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Publication of JPH1045195A publication Critical patent/JPH1045195A/ja
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  • Treatment Of Biological Wastes In General (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 浄化槽内部に設置される部材との干渉がな
く、しかも強度的に十分な補強効果を持つコルゲート状
凹凸が形成された浄化槽を提供すること。 【解決手段】 浄化槽の槽体11の少なくとも側壁部
に、周方向に沿って延びるコルゲート状凹凸部80が形
成してあり、コルゲート状凹凸部80のうち、槽の外側
に膨出する凸部82が、側壁の基準面2よりも外側に膨
出してある。すなわち、浄化槽の槽体側壁の基準面2に
対する凸部82の突出高さをbとし、コルゲート状凹凸
部80の段差をHとし、浄化槽の槽体側壁の基準面2に
対するフランジ6の幅をcとした場合には、b/H比
と、b/c比と、H寸法とが以下の関係にある。b/H
は、好ましくは0.1≦b/H≦1.0、b/cは、好
ましくは0.1≦b/c≦0.6、Hは、好ましくは1
0mm≦H≦100mmである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浄化槽に係り、さ
らに詳しくは、コルゲート状凹凸部を有する浄化槽の改
良に関する。
【0002】
【従来の技術】便所から排水されるし尿や、洗面所、風
呂、厨房などから排水される雑排水など、各種汚水の浄
化槽として、浄化槽内を、汚水が流入する嫌気性処理槽
と、ここで嫌気性処理された処理水が流入する好気性処
理槽と、ここで好気性処理された処理水が流入する沈澱
槽と、沈澱槽で分離された上澄み液が流入する消毒槽と
に仕切った合併浄化槽や、し尿のみを対象とし、上記の
各処理室の全部又は一部を組合わせてなる単独浄化槽が
知られている。
【0003】このような浄化槽において、浄化槽の槽体
は、従来より繊維強化プラスチック(FRP)などで構
成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、FRPで成
形された浄化槽は、重量が大きく、ひびが入り易いとい
う課題と、製造時の作業環境が劣悪で、廃棄処分に難点
があるという課題がある。
【0005】そこで、最近では、特開平7−13707
0号公報に示すように、浄化槽の槽体を反応射出成形に
より成形することも提案されている。
【0006】しかしながら、重量を軽減するために、反
応射出成形体の肉厚を薄くした場合に、槽体の一部にお
いて、浄化槽として要求される強度が足りなくなるおそ
れがある。そのような場合には、従来では、強度的に弱
くなる部分に、たとえばコルゲート状の補強リブ(凹凸
部)を一体に成形することがあった。
【0007】ところが、従来の浄化槽では、図3(B)
に示すように、コルゲート状凹凸部4の凸部4bが槽体
側壁の基準面2と略同一面にあり、凹部4aが基準面2
よりも大きく内側に位置していたため、凹部4aが浄化
槽内部に配置される部材(たとえば仕切り板、濾床、散
気装置など)にぶつかり、これらの部材の設置が困難で
あった。なお、図3(B)中、符号6は、浄化槽の外側
に突出するフランジを示す。
【0008】そこで、図3(C)に示すように、コルゲ
ート状凹凸部4において、凹部4aと凸部4bとの段差
Hを、図3(B)に示す対応する段差Hよりも小さく
し、浄化槽内部の部材との干渉を避けるように構成する
ことも考えられる。
【0009】ところが、図3(B)に示すように、コル
ゲート状凹凸部4の段差Hを小さくすると、補強効果が
小さくなり、槽体としての強度が不足するおそれがあっ
た。本発明は、このような実状に鑑みてなされ、浄化槽
内部に設置される部材との干渉がなく、しかも強度的に
十分な補強効果を持つコルゲート状凹凸が形成された浄
化槽を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る浄化槽は、浄化槽の槽体の少なくとも
側壁部に、周方向に沿って延びるコルゲート状凹凸部が
形成してあり、前記コルゲート状凹凸部のうち、槽の外
側に膨出する凸部が、側壁の基準面よりも外側に膨出し
てあることを特徴とする。
【0011】本発明では、浄化槽の槽体は、上部槽体と
下部槽体とから構成することが好ましく、これら槽体
は、槽体に一体に成形されたフランジにより気密に接合
される。
【0012】コルゲート状凹凸部は、上部槽体では、槽
体の両側壁部のみでなく両端壁部にも形成することが好
ましく、天井壁部には形成しなくても良い。また、下部
槽体では、コルゲート状凹凸部は、フランジからフラン
ジまでの槽体の半周にわたり形成しても良いが、両側の
側壁部にのみ形成し、底壁部には形成しなくても良い。
本発明において、浄化槽の槽体側壁の基準面に対する凹
部の引き込み高さをaとし、凸部の突出高さをbとし、
コルゲート状凹凸部の段差(a+b)をHとし、浄化槽
の槽体側壁の基準面に対するフランジの幅をcとした場
合には、b/H比と、b/c比と、H寸法とが以下の関
係にあることが好ましい。
【0013】すなわち、好ましくは0.1≦b/H≦
1.0である。b/H<0.1では、従来のコルゲート
状凹凸部に近くなり、浄化槽の内部に装着される部材と
干渉するので好ましくない。
【0014】また、本発明では、好ましくは0.1≦b
/c≦0.6、さらに好ましくは0.2≦b/c≦0.
5である。b/c<0.1では、コルゲートの段差Hを
十分にとることができないため、強度不足になりやすい
ので好ましくなく、b/c>0.6では、フランジでの
水密性が低下するおそれがあり好ましくない。
【0015】また、本発明では、好ましくは10mm≦H
≦100mm、さらに好ましくは20mm≦H≦90mmであ
る。H<10mmでは、コルゲート状凹凸部としての補強
効果が小さく、H>100mmでは、補強の意味では好ま
しいが、コルゲート状凹凸部の段差が大きく成りすぎ、
浄化槽の内部に装着される部材の邪魔になると共に、浄
化槽の外部にコルゲート状凹凸部が突出し過ぎるので好
ましくない。
【0016】本発明に係るコルゲート状凹凸部におい
て、凸部と凹部とが交互に形成される凹凸であることが
好ましいが、全ての凸部が、側壁の基準面よりも外側に
膨出する必要はない。
【0017】本発明に係る浄化槽の槽体は、ノルボルネ
ン系モノマーの反応射出成形体で構成することが特に好
ましい。
【0018】本発明に係る浄化槽の槽体を、ノルボルネ
ン系モノマーの反応射出成形体で構成した場合には、本
発明に係るコルゲート状のリブを持つ浄化槽の槽体を一
体成形し易く、しかも比較的大型の槽体を容易に成形す
ることができる。また、ポリノルボルネン系樹脂は、比
剛性は低いが比強度は高いという材料的特徴を利用し
て、浄化槽として必要とされる十分な耐圧を有すること
ができる。
【0019】本発明では、浄化槽の槽体のコルゲート状
凹凸部のうち、槽の外側に膨出する凸部が、側壁の基準
面よりも外側に膨出してあるので、内側に窪む凹部の凹
み深さを大きくすることなく、コルゲート状凹凸部の段
差を十分に確保することができる。そのため、浄化槽内
部に設置される部材にコルゲート状凹凸部が干渉するこ
とがなくなり、槽内部に設置される部材の設計および装
着が容易になる。また、コルゲート状凹凸部の段差を十
分に確保することができるので、コルゲート状凹凸部で
の補強効果が向上する。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る浄化槽を、図
面に示す実施形態に基づき、詳細に説明する。図1は本
発明の一実施形態に係る浄化槽の槽体の要部斜視図、図
2は図1に示すII−II線に沿う槽体の断面図、図3
(A)は図1に示すIII−III線に沿う要部断面図、同図
(B)は従来のコルゲート状凹凸部を示す要部断面図、
同図(C)はその他の従来例に係るコルゲート状凹凸部
を示す要部断面図、図4は浄化槽の一例の構成を示す概
略図である。
【0021】まず、図4に基づき、浄化槽の全体構成に
ついて説明する。本実施形態に係る合併処理浄化槽10
0は、槽体10を有する。この槽体10は、例えば上部
槽体と下部槽体とを、濾材30などの構成部品を内部に
取り付けた後、フランジ部分で接合して重ね合わせるこ
とにより組み立てられる。図1,2では、上部槽体11
のみを図示してある。
【0022】図4に示す槽体10には、図示はしない
が、浄化槽100を構成するために必要となるマンホー
ル蓋が取り付けられる取付孔が槽体10の長手方向に形
成してある。また、槽体10の長手方向の前後には、汚
水を導入するための流入管18と、処理を終えた浄化水
を放流するための放流管20がそれぞれ設けられてい
る。
【0023】この浄化槽100は、嫌気性処理と好気性
処理とを行う合併処理浄化槽であることから、槽体10
の内部は、長手方向に沿って複数の仕切り板40,4
2,44と隔壁46により複数の槽50,52,54,
56,58に区切られている。本実施形態では、汚水が
導入される上流側から、第1嫌気性処理槽50、第2嫌
気性処理槽52、好気性処理槽54、沈澱槽56、およ
び消毒槽58の都合5槽の処理槽が形成してある。
【0024】第1嫌気性処理槽50は、流入管18から
汚水が導入される処理槽であり、隣接する第2嫌気性処
理槽52とは仕切り板40で仕切られているが、当該仕
切り板40の上部に開設された連通孔40aによって両
槽50,52は連通している。この第1嫌気性処理槽5
0には、合成樹脂などの濾材に嫌気性菌が付着した嫌気
性濾床30が支持されて設けてあり、流入管18から流
入した汚水は、嫌気性濾床30を通過する際に嫌気性処
理が施され、仕切り板40の連通孔40aを通って第2
嫌気性処理槽52へ、堰の自然越流によって流下するこ
とになる。
【0025】上記第1嫌気性処理槽50に隣接する第2
嫌気性処理槽52は、第1嫌気性処理槽50で嫌気性処
理された処理水が導入される第2の嫌気性処理槽52で
あり、隣接する好気性処理槽54とは仕切り板42で仕
切られているが、当該仕切り板42の上部に開設された
連通孔42aによって両槽52,54は連通している。
この第2嫌気性処理槽52にも、第1嫌気性処理槽50
と同様に、合成樹脂などの濾材に嫌気性菌が付着した嫌
気性濾床30が、支持されて設けてあり、第1嫌気性処
理槽50から流入した処理水は、嫌気性濾床30を通過
する際に、さらなる嫌気性処理が施され、仕切り板42
の連通孔42aを通って好気性処理槽54へ、自然越流
によって流下することになる。
【0026】上記第2嫌気性処理槽52に隣接する好気
性処理槽54は、第2嫌気性処理槽52で嫌気性処理さ
れた処理水が導入される処理槽であり、隣接する沈澱槽
56とは仕切り板44で仕切られているが、当該仕切り
板44の下部に形成されたスロット(狭小通路)44a
によって両槽54,56は連通している。この好気性処
理槽54には、合成樹脂などの接触材に好気性菌が付着
した好気性濾床30が、支持されて設けてあり、第2嫌
気性処理槽52から流入した処理水は、好気性濾床30
を通過する際に好気性処理が施され、仕切り板44下部
のスロット44aを通って沈澱槽56へ流れることにな
る。なお、図4において符号「21」は、当該好気性処
理槽54の好気性処理を促進させるための空気散気管で
あり、空気配管は図示しない送気装置にも接続してあ
る。
【0027】上記沈澱槽56に隣接する消毒槽58は、
隔壁46によって沈澱槽と仕切られており、当該消毒槽
58には、沈澱槽56の上澄み液が流れ込み、薬剤筒に
よって供給された消毒剤で塩素消毒された後、放流管2
0を通って浄化水として外部に放流される。
【0028】本実施形態において、沈澱槽56において
重力沈降したスラッジを極力底部に集約するために、槽
体10の槽底が、好気性処理槽54側に向かって傾斜し
て形成してあり、これにより沈澱槽56のスラッジは仕
切り板44の下端であるスロット44aの近傍に堆積す
ることとなる。
【0029】本実施形態では、好気性処理槽54と沈澱
槽56とを連通するスロット44a近傍の処理水を第1
嫌気性処理槽へ返送するための循環手段60が設けてあ
る。この循環手段60は、処理水を移送する取水管62
と、還流処理水の流量を計測する循環用分水計量器63
と、適量の還流処理水を第1嫌気性処理槽50へ返送す
る返送管64と、循環用分水計量器63で計量された結
果、余剰となった処理水を好気性処理槽54へ戻すため
の戻し管65と、エアリフト効果を発揮させるために取
水管62内へ空気を吹き込むためのエアー配管66とか
ら構成してある。
【0030】取水管62の下端にはエアー配管が接続さ
れて、当該取水管62内に空気が吹き込まれる。これに
より、取水管62内が密度の小さい気泡水で満たされる
ことから、取水管62外の処理水との比重差が生じ、こ
れによって取水管62から処理水を揚水することができ
る。
【0031】循環手段60であるこの種のエアリフトポ
ンプは、吹き込み空気を生成する送風機以外に運動する
部分がないので、摩耗や故障のおそれがなく、耐食性材
料の使用が容易である。
【0032】本実施形態では、このような槽体10の半
周部分を構成する上部槽体11の側壁部11aおよび端
壁部11bに、図1〜3に示すコルゲート状凹凸部80
を一体に成形してある。なお、図示省略してあるが、槽
体10の他の半周部分を構成する下部槽体にも同様なコ
ルゲート状凹凸部が形成してある。
【0033】図1,2に示すように、本実施形態の側壁
部11aのコルゲート状凹凸部80は、上部槽体11の
横断面において、側壁の曲率半径R1 と天井壁角部の曲
率半径R2 との交点部分から始まり、下部槽体との接合
部であるフランジ6の部分まで延びるように成形してあ
る。
【0034】本実施形態では、図3(A)に示すよう
に、コルゲート状凹凸部80において、槽体11の外側
に膨出する凸部82が、側壁の基準面2よりも外側に膨
出してある。すなわち、図3(A)に示すように、浄化
槽の槽体側壁の基準面2に対する凸部82の突出高さを
bとし、コルゲート状凹凸部80の段差をHとし、浄化
槽の槽体側壁の基準面2に対するフランジ6の幅をcと
した場合には、b/H比と、b/c比と、H寸法とが以
下の関係にある。
【0035】本実施形態では、b/Hは、好ましくは
0.1≦b/H≦1.0である。b/H<0.1では、
従来のコルゲート状凹凸部に近くなり、浄化槽の内部に
装着される部材と干渉するので好ましくない。
【0036】また、本実施形態では、b/cは、好まし
くは0.1≦b/c≦0.6、さらに好ましくは0.2
≦b/c≦0.5である。b/c<0.1では、コルゲ
ート段差Hを十分にとることができないため強度不足に
なりやすいので好ましくなく、b/c>0.6では、フ
ランジ6での水密性が低下するおそれがあり好ましくな
い。
【0037】また、本実施形態では、Hは、好ましくは
10mm≦H≦100mm、さらに好ましくは20mm≦H≦
90mmである。H<10mmでは、コルゲート状凹凸部8
0としての補強効果が小さく、H>100mmでは、補強
の意味では好ましいが、コルゲート状凹凸部80の段差
Hが大きく成りすぎ、浄化槽の内部に装着される部材の
邪魔になると共に、浄化槽の外部にコルゲート状凹凸部
80が突出し過ぎるので好ましくない。
【0038】さらに本実施形態では、凸部82のX軸方
向幅e1 は、20〜300mm程度が好ましく、凹部84
のX軸方向幅e2 は、20〜300mm程度が好ましく、
凹部84から凸部82へ移行する部分86のX軸方向幅
fは、5〜150mm程度が好ましく、凹部84から側壁
の基準面2へ移行する部分88のX軸方向長さgは、5
〜150mm程度が好ましい。
【0039】コルゲート状凸部のX軸方向の幅Wは、e
1 +2fであり、30〜450mm程度が好ましく、さら
に好ましくは50〜300mm程度である。また、H/W
の比の値は、好ましくは0.02〜0.5、さらに好ま
しくは0.1〜0.3である。
【0040】なお、本実施形態において、b,H寸法の
絶対値は、図1,2に示すように、上部槽体11の周方
向で変化し、フランジ6に近づくほど大きくなるが、こ
れらの比(b/H)は、略同じ関係にある。また、b/
cは、コルゲート状凹凸部80がフランジ6と交わる部
分での寸法関係とする。さらに、e1 ,e2 ,f,g
は、槽体11の周方向で略同じ関係にある。
【0041】また、槽体11の厚さt1 は、好ましくは
4mm以上である。4mm以上にすることで、槽体として要
求される十分な強度を持たせることができる。ただし、
厚さt1 の上限は、好ましくは30mm以下、より好まし
くは20mm以下、特に好ましくは15mm以下である。厚
すぎると、槽体の製造が困難になる。
【0042】本実施形態では、上部槽体11および図示
省略してある下部槽体は、反応射出成形法(RIM)に
よって得られるポリノルボルネン系樹脂で構成される。
特に、エラストマーで改質されたノルボルネン系モノマ
ーの開環重合体で構成されたものが好ましい。
【0043】エラストマーとしては、例えば、ポリブタ
ジエン、スチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、ス
チレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SB
S)、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン−スチレ
ンブロック共重合体(SIS)、エチレン−プロピレン
−ジエンターポリマー(EPDM)などを挙げることが
できる。
【0044】エラストマーの配合割合は、ノルボルネン
系モノマー100重量部に対して、1〜20重量部、好
ましくは2〜15重量部である。エラストマーの配合割
合が少ないと、可撓性が低下する。逆に、エラストマー
の配合割合が多すぎると、ガラス転移温度が低下し、か
つ、強度が低下するので好ましくない。
【0045】ノルボルネン系モノマーは、ジシクロペン
タジエンやジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシク
ロドデセン、トリシクロペンタジエン等のノルボルネン
環を有するシクロオレフィンである。
【0046】メタセシス触媒は、六塩化タングステン、
トリドデシルアンモニウムモリブデート、トリ(トリデ
シル)アンモニウムモリブデート等のモリブデン酸有機
アンモニウム塩等のノルボルネン系モノマーの塊状重合
用触媒として公知のメタセシス触媒であれば特に制限は
ないが、モリブデン酸有機アンモニウム塩が特に好まし
い。
【0047】活性剤(共触媒)としては、エチルアルミ
ニウムジクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド等の
アルキルアルミニウムハライド、これらのアルコキシア
ルキルアルミニウムハライド、有機スズ化合物等が挙げ
られる。
【0048】反応射出成形の前準備として、ノルボルネ
ン系モノマー、メタセシス触媒および活性剤を主材とす
る反応射出成形用材料をノルボルネン系モノマーとメタ
セシス触媒とよりなる液と、前記のノルボルネン系モノ
マーと活性剤とよりなる液との安定な2液に分けて別の
容器に入れておく。反応射出成形に際しては、この2液
を混合し、次いで、この混合液を、金型のキャビティ内
に注入し、キャビティ内で塊状重合して、上部槽体11
および下部槽体を得る。
【0049】反応射出成形に用いる金型は、必ずしも剛
性の高い高価な金型である必要はなく、金属製金型に限
らず、樹脂製金型、または単なる型枠を用いることがで
きる。ノルボルネン系樹脂の反応射出成形は、低粘度の
反応液を用い、比較的低温低圧で成形できるためであ
る。金型内は不活性ガスでシールし、重合反応に用いる
成分類は窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で貯蔵し、
かつ操作することが好ましい。
【0050】金型温度は、好ましくは、10〜150
℃、より好ましくは、30〜120℃、さらに好ましく
は、50〜100℃である。金型圧力は通常0.1〜1
00Kg/cm2 の範囲である。重合時間は、適宜選択
すればよいが、通常、反応液の注入終了後、30秒〜2
0分、好ましくは、5分以下である。
【0051】本実施形態に係る上部槽体11および下部
槽体は、反応射出成形法により得られるポリノルボルネ
ン系樹脂で構成してあるので、コルゲート状凹凸部80
を一体成形し易く、しかも比較的大型の上部槽体11お
よび下部槽体を容易に成形することができる。また、ポ
リノルボルネン系樹脂は、比剛性は低いが比強度は高い
という材料的特徴を利用して、浄化槽として必要とされ
る十分な耐圧を有することができる。
【0052】また、本実施形態では、浄化槽の上部槽体
11のコルゲート状凹凸部80のうち、槽の外側に膨出
する凸部82が、側壁の基準面2よりも外側に膨出して
あるので、内側に窪む凹部84の凹み深さを大きくする
ことなく、コルゲート状凹凸部80の段差aを十分に確
保することができる。そのため、浄化槽内部に設置され
る部材(たとえば図4に示す仕切り板40,42,44
や、濾材30や、散気管21など)および消毒槽などに
コルゲート状凹凸部80が干渉することがなくなり、槽
内部に設置される部材の設計および装着が容易になる。
また、コルゲート状凹凸部80の段差aを十分に確保す
ることができるので、コルゲート状凹凸部80での補強
効果が向上する。
【0053】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0054】たとえば、上記実施形態では、上部槽体1
1と下部槽体(図示省略)とに同様な範囲でコルゲート
状凹凸部80を一体に成形したが、下部槽体では、フラ
ンジからフランジに至る半周にわたり、前記のようなコ
ルゲート状凹凸部80を形成しても良い。
【0055】また、上記実施形態では、図1に示すよう
に、槽体11の側壁部11aのみでなく、端壁部11b
にも、側壁部11aと同様なコルゲート状凹凸部80を
形成したが、端壁部11bには、必ずしも設けなくても
良い。
【0056】
【実施例】次に、本発明をさらに具体的な実施例に基づ
き説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
【0057】実施例1 本実施例では、図3(A)に示す浄化槽のコルゲート状
凹凸部80において、H=37mm、b=20mm、c=6
8mm、e1 =e2 =60mm、f=40mm、g=20mm、
1 =5mmとし、X軸方向の断面二次モーメントIを求
めた。I=8.51×108 mm4 であった。この断面二
次モーメントの値は、後述する比較例1のものと同等で
あり、比較例2のものに比較して10倍の値であり、十
分な強度を有することが確認された。また、本実施例で
は、槽体の内部に突出する部分は、a=H−b=17mm
であり、小さいことが確認された。
【0058】比較例1 図3(B)に示すように、同図(A)に示すb寸法が0
とした以外は、前記実施例1と同じ寸法関係で、コルゲ
ート状凹凸部4を形成した。そのコルゲート状凹凸部の
X軸方向の断面二次モーメントIを求めた。I=7.5
8×108 mm4であった。ただし、この比較例に係るコ
ルゲート状凹凸部4では、槽体の内側に、H=37mmも
突出することから、内部に装着される部材との干渉が問
題となる。
【0059】比較例2 図3(C)に示すように、同図(A)に示すb寸法が0
であり、しかもH=17mmとした以外は、前記実施例1
と同じ寸法関係で、コルゲート状凹凸部4を形成した。
そのコルゲート状凹凸部のX軸方向の断面二次モーメン
トIを求めた。I=8.04×107 mm4 であった。
【0060】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、浄化槽の槽体のコルゲート状凹凸部のうち、槽の外
側に膨出する凸部が、側壁の基準面よりも外側に膨出し
てあるので、内側に窪む凹部の凹み深さを大きくするこ
となく、コルゲート状凹凸部の段差を十分に確保するこ
とができる。そのため、浄化槽内部に設置される部材に
コルゲート状凹凸部が干渉することがなくなり、槽内部
に設置される部材の設計および装着が容易になる。ま
た、コルゲート状凹凸部の段差を十分に確保することが
できるので、コルゲート状凹凸部での補強効果が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の一実施形態に係る浄化槽の槽体
の要部斜視図である。
【図2】図2は図1に示すII−II線に沿う槽体の断面図
である。
【図3】図3(A)は図1に示すIII−III線に沿う要部
断面図、同図(B)は従来のコルゲート状凹凸部を示す
要部断面図、同図(C)はその他の従来例に係るコルゲ
ート状凹凸部を示す要部断面図である。
【図4】図4は浄化槽の一例の構成を示す概略図であ
る。
【符号の説明】
2… 基準面 6… フランジ 10… 槽体 11… 上部槽体 80… コルゲート状凹凸部 82… 凸部 84… 凹部

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浄化槽の槽体の少なくとも側壁部に、周
    方向に沿って延びるコルゲート状凹凸部が形成してあ
    り、 前記コルゲート状凹凸部のうち、槽の外側に膨出する凸
    部が、側壁の基準面よりも外側に膨出してある浄化槽。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011162252A (ja) * 2010-02-15 2011-08-25 Hitachi Maxell Ltd 収納ケース
CN114804531A (zh) * 2022-05-07 2022-07-29 秦皇岛智卓环保科技有限公司 一种内置加固结构的玻璃钢化粪池

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