JPH10156276A - コーティング部品及びコーティング方法 - Google Patents

コーティング部品及びコーティング方法

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JPH10156276A
JPH10156276A JP31534396A JP31534396A JPH10156276A JP H10156276 A JPH10156276 A JP H10156276A JP 31534396 A JP31534396 A JP 31534396A JP 31534396 A JP31534396 A JP 31534396A JP H10156276 A JPH10156276 A JP H10156276A
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JP
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coating
coating agent
polyamideimide
barrel
varnish
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Application number
JP31534396A
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English (en)
Inventor
Masaya Okamoto
昌也 岡本
Katsunobu Yamada
勝信 山田
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被膜に欠け、削れ、剥がれが発生しないコー
ティング部品を提供する。 【解決手段】 未反応部分を有するポリアミドイミドワ
ニスを含有するコーティング剤3による被膜4を形成す
る。ポリアミドイミドをその未反応部分を反応させて高
分子化することによって、被膜4と部品本体2の密着性
を向上させることができると共に強度の高い被膜4を形
成することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁性又は耐磨耗
性あるいは潤滑性などの機能性を付与するためにコーテ
ィングされたコーティング部品に関するものである。ま
た本発明は、電子部品等の小物部品に絶縁性又は耐磨耗
性あるいは潤滑性などの機能性を付与するためのコーテ
ィング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子応用商品の小型化や高機能化に伴っ
て、これらに使用する部品の小型化や高機能化の要求も
高まっている。このような部品、例えば全面に絶縁被膜
が形成されたリレー部品の鉄心は、基体となる部品本体
に機能性を有する被膜をコーティングして形成されるの
が一般的であり、従来よりこのコーティングは樹脂で成
形したり真空蒸着により有機被膜を部品本体に付着させ
るようにして行われていた。しかし樹脂の成形によるコ
ーティング方法では被膜の薄膜化に限界があり、また真
空蒸着によるコーティング方法では装置が高価であって
製造コストがかかり過ぎるものであった。そこで被膜の
薄膜化を行うことができ、製造コストがかからないスプ
レー式のコーティング方法が好適に用いられている。
【0003】電子部品のような小物部品の部品本体にス
プレー式でコーティングするにあたっては、図5に示す
ようにバレル1内のかご11に多量に部品本体2を入
れ、駆動装置12でかご11を回転させながら且つ熱風
ノズル22から熱風15をかご11内に供給しながら、
スプレーノズル14から噴射した樹脂23をかご11の
投入口17を通して部品本体2に吹き付けて被膜を部品
本体2に形成するようにしている。そしてこのように回
転するバレルを用いたスプレー式のコーティング方法で
は、バレルの回転によって部品本体が攪拌させるため
に、部品本体に形成された被膜が他の部品本体の被膜と
擦れ合うことになる。従って被膜を形成する樹脂として
は耐熱性や耐磨耗性の優れるポリアミドイミドを用いる
ようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来から使用さ
れているポリアミドイミドは、芳香族ジアミンと無水ト
リメリット酸モノクロリド(略称:TMAC)を反応さ
せる酸クロライド(クロリド)法(下記(a)式参照)
で生成されるものであったり、芳香族ジアミンと無水ト
リメリット酸(略称:TMA)を反応させるアミン法
(下記(b)式参照)で生成されるものであったりする
ので、コーティング工程やコーティング後の焼成被膜の
強度や被膜と部品本体の密着性が低く、よって被膜同士
が擦れ合う上記バレルを用いたコーティング方法では、
部品本体のエッジ部分に被膜の欠けや削れや剥がれなど
の欠損が生じるという問題があった。
【0005】
【化1】
【0006】
【化2】
【0007】また被膜が15μm以下の薄膜の場合はコ
ーティングの際に欠損が生じなくても、その後の組み立
て工程などの例えばパーツフィーダー(部品供給装置)
の振動などで被膜が容易に削れたり剥がれたりするとい
う問題があった。そこで従来では、バレルを用いたコー
ティングの後、部品を一つずつ整列させてスプレーを用
いてコーティングし、乾燥後反転させてさらにスプレー
を用いてコーティングするなどの手間のかかる作業が必
要であった。
【0008】またフッ素樹脂等の固形潤滑材を含有する
コーティング剤(塗料)を部品本体にコーティングした
場合には、被膜と部品本体の密着性がさらに低いため
に、コーティングする前に部品本体にサンドブラストや
化成処理等を施して表面を粗面化する処理が不可欠であ
った。本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、
被膜に欠け、削れ、剥がれが発生しないようにすること
ができるコーティング部品を提供することを目的とする
ものである。また本発明は被膜に欠け、削れ、剥がれが
発生しないコーティング部品を形成することができるコ
ーティング方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のコーティング部品は、未反応部分を有するポリアミド
イミドワニスを含有するコーティング剤3による被膜4
を部品本体2の表面に形成して成ることを特徴とするも
のである。また本発明の請求項2に記載のコーティング
部品は、請求項1の構成に加えて、重量平均分子量が8
万〜20万の範囲のポリアミドイミドを含有するコーテ
ィング剤3を用いて成ることを特徴とするものである。
【0010】また本発明の請求項3に記載のコーティン
グ部品は、請求項1又は2の構成に加えて、イソシアネ
ート法で生成されたポリアミドイミドを含有するコーテ
ィング剤3を用いて成ることを特徴とするものである。
また本発明の請求項4に記載のコーティング部品は、請
求項1乃至3のいずれかの構成に加えて、未反応部分を
有するポリアミドイミドワニスを含有する他のコーティ
ング剤5による表面層6を上記被膜4の表面に形成して
成ることを特徴とするものである。
【0011】また本発明の請求項5に記載のコーティン
グ部品は、請求項4の構成に加えて、固体潤滑材に未反
応部分を有するポリアミドイミドワニスをバインダーと
して配合して他のコーティング剤5を調製して成ること
を特徴とするものである。本発明の請求項6に記載のコ
ーティング方法は、バレル1に入れられた多数の部品本
体2に未反応部分を有するポリアミドイミドのワニスを
含有するコーティング剤3を供給して部品本体2の表面
に被膜4を形成することを特徴とするものである。
【0012】また本発明の請求項7に記載のコーティン
グ方法は、請求項6の構成に加えて、重量平均分子量が
8万〜20万の範囲のポリアミドイミドを含有するコー
ティング剤3を用いることを特徴とするものである。ま
た本発明の請求項8に記載のコーティング方法は、請求
項6又は7の構成に加えて、イソシアネート法で生成さ
れたポリアミドイミドを含有するコーティング剤3を用
いることを特徴とするものである。
【0013】また本発明の請求項9に記載のコーティン
グ方法は、請求項6乃至8のいずれかの構成に加えて、
バレル1に入れられ上記被膜4が形成された多数の部品
本体2に未反応部分を有するポリアミドイミドワニスを
含有する他のコーティング剤5を供給して被膜4の表面
に表面層6を形成することを特徴とするものである。ま
た本発明の請求項10に記載のコーティング方法は、請
求項9の構成に加えて、固体潤滑材に未反応部分を有す
るポリアミドイミドをバインダーとして配合して他のコ
ーティング剤5を調製することを特徴とするものであ
る。
【0014】また本発明の請求項11に記載のコーティ
ング方法は、請求項6乃至10のいずれかの構成に加え
て、密閉式のバレル1を用いることを特徴とするもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。コーティング剤3は、未反応部分を有するポリア
ミドイミドワニスをN−メチル−2−ピロリドン(略
称:NMP)もしくはジメチルホルムアミド(略称:D
MF)等の極性溶媒で適当な濃度(通常は2〜20%)
に希釈して調製することができ、例えばポリアミドイミ
ドワニスとN−メチル−2−ピロリドンを1:0.5〜
10の割合(体積比)で混合することによってコーティ
ング剤3を調製することができる。またコーティング剤
3には、被膜4に潤滑性を付与するために四フッ化エチ
レン樹脂(PTFE)に代表されるフッ化樹脂などの固
形潤滑材を含有させたり、あるいは着色のために顔料を
含有させたり、あるいは被膜4に導電性を付与するため
にカーボンを含有させたりしてもよい。
【0016】上記ポリアミドイミドはイソシアネート法
で生成されるものを用いるのが好ましい。イソシアネー
ト法はポリアミドイミド樹脂の合成方法の一つで、芳香
族ジアミンから誘導されたジイソシアネートと無水トリ
メリット酸(TMA)を反応させて生成されるものであ
る(下記(c)式参照)。このようにイソシアネート法
でポリアミドイミドを生成することによって、他の方法
では困難な高分子量体を得ることができ、低分子樹脂よ
りも引張強度等の機械的特性が優れ、欠けや削れのない
被膜を形成することができる。またポリアミド酸等の中
間体を経由することなく生成することができ、また副生
成物も二酸化炭素のみであるために副生成物を除去する
ための中和、水洗、乾燥などの工程が必要でなくワニス
状で供給されることになり、未反応部分を有するポリア
ミドイミドを容易に得ることができると共に重量平均分
子量が8万〜20万のポリアミドイミドを容易に得るこ
とができるものである。
【0017】
【化3】
【0018】図2には本発明で用いる回転式のバレル1
が示してある。バレル1は、ケース10内にかご11を
設けて形成されるものであり、このかご11はモーター
等の駆動装置12で回転するようになっている。またか
ご11の内部には供給管13が設けてあると共に供給管
13にはスプレーノズル14が取り付けてある。さらに
かご11を金網等で形成することによって周面から通気
可能にしてあり、温度コントロールされた熱風15がか
ご11の中を通り、排気16としてケース10外に排出
されるようにしてある。またケース10にはかご11の
投入口17と連通する開口部18が設けてあり、この開
口部18を蓋19で閉塞することによって、バレル1内
が密閉されるようになっている。
【0019】このように密閉式(クローズ)のバレル1
を用いることによって、温度コントロールされていない
外部の空気を吸い込まないようにしてバレル1内の温度
を精密にコントロールすることができ、温度が高過ぎた
り低過ぎたりしてコーティングの際に部品同士が接着さ
れるなどの不都合が生じないようにすることができるも
のであり、また排気16の量を例えば5m3 /分以下と
小さくすることができ、コーティングの際に必要なエネ
ルギーを大幅に節約することができるものであり、また
有機溶剤を用いた作業環境を大幅に改善することができ
るものであり、さらにコーティング剤3が排気とともに
排出することもなくなって部品本体2へのコーティング
剤3の付着効率を向上させることができるものである。
ちなみに図5に示す開放式(オープン)のバレル1では
温度コントロールされていない外部の空気20を吸い込
むので、バレル1内の温度を精密にコントロールするこ
とができず、コーティングの際に部品同士が接着される
などの不都合が生じ、また排気16の量も10〜40m
3 /分と大きくなり、コーティングの際に必要なエネル
ギーが多量になり、また有機溶剤がバレル1外に排出さ
れて作業環境が悪化し、さらにコーティング剤3が排気
とともに排出して部品本体2へのコーティング剤3の付
着効率が低下するものである。
【0020】上記バレル1を用いてコーティングを行う
にあたっては、まずかご11に投入口17から多数個の
部品本体2を投入する。次にスプレーノズル14に供給
管13を通してコーティング剤3を供給すると共に熱風
15の供給と排気16を行いながら且つかご11を回転
させながらスプレーノズル14から部品本体2に向けて
上記コーティング剤3を噴射して部品本体2にコーティ
ング剤3を付着させて被膜4を形成する。この後焼成工
程を行って被膜4中のポリアミドイミドを反応させて硬
化させることによって、図1に示すようなコーティング
部品を形成することができる。
【0021】そして本発明ではイソシアネート法で生成
された未反応部分を有するポリアミドイミドワニスを用
いているので、コーティング及びコーティング後の焼成
工程で被膜4中のポリアミドイミドの反応を進ませてを
高分子化することができ、部品本体2と被膜4の密着性
を高くすることができると共に、被膜4の強度を高くす
ることができるものであり、従って特にエッジ部分に欠
けや削れや剥がれが生じない強い被膜4を有するコーテ
ィング部品を形成することができる。尚、上記のような
回転式のバレル1内でスプレーによるコーティングを行
う場合、少量の塗料(コーティング剤3)を乾かしなが
らコーティングしていくために被膜全体の機械的強度が
弱くなるが、本発明のようにイソシアネート法で生成さ
れたポリアミドイミドは焼成中に反応が進み、被膜全体
の強度が向上するために強固なコーティング被膜を得る
ことができる。
【0022】次に上記バレル1を用いた多層コーティン
グ法について説明する。図3(a)に示すようにまずか
ご11に投入口17から多数個の部品本体2を投入す
る。次にスプレーノズル14に供給管13を通してコー
ティング剤3を供給すると共に熱風15の供給と排気1
6を行いながら且つかご11を回転させながらスプレー
ノズル14から部品本体2に向けて上記実施の形態と同
様のコーティング剤3を噴射して部品本体2にコーティ
ング剤3を付着させる。次に図3(b)に示すように熱
風15の供給と排気16及びかご11の回転を持続させ
ながらコーティング剤3を他のコーティング剤5に切り
換ええてスプレーノズル14から部品本体2に向けて噴
射して部品本体2にコーティング剤3を付着させ、被膜
4の表面に表面層6を形成する。この他のコーティング
剤5はコーティング剤3に固形潤滑材や顔料やカーボン
等を配合して調製されるものである。この後乾燥機25
で乾燥焼成工程を行って被膜4及び表面層6中のポリア
ミドイミドを反応させて硬化させることによって図4に
示すようなコーティング部品を形成することができる。
【0023】上記被膜4はアンダーコートとして形成さ
れるものであり、部品本体2と密着性が要求されるもの
である。一方は表面層6はトップコートとして形成され
るものであって、高い機能性が要求されるものである。
従って被膜4を形成するコーティング剤3は、固形潤滑
材や顔料やカーボン等の機能性付与材を含有させないか
あるいはこれらの濃度を低くして調製するのが好まし
く、また表面層6を形成するコーティング剤5は機能性
付与材の濃度をコーティング剤3よりも高くして調製す
るのが好ましい。例えば潤滑性を有するコーティング部
品を作成する場合は、部品本体2の表面に固形潤滑材を
含まないコーティング剤3を付着させて厚さ0.5μm
以上の被膜4をアンダーコートとして形成し、次にコー
ティング剤3に固形潤滑材を1〜50重量%配合して調
製されるコーティング剤5を被膜4の表面に付着させて
表面層6を形成するようにしておこなうができる。
【0024】このようにイソシアネート法で生成された
未反応部分を有するポリアミドイミドワニスを含有する
コーティング剤3を用いて部品本体2の表面に被膜4を
形成し、この被膜4の表面にイソシアネート法で生成さ
れた未反応部分を有するポリアミドイミドワニスを含有
し且つ機能性付与材を含有して調製される他のコーティ
ング剤5を用いて表面層6を形成するので、部品本体2
との密着性が高い被膜4をアンダーコートとして用いる
ことによって表面層6と部品本体2の密着性を高くする
ことができ、部品本体2の表面に下地処理を施すことな
く機能性を有する表面層6を形成することができる。ま
たイソシアネート法で生成された未反応部分を有するポ
リアミドイミドは高分子化することによって樹脂強度が
高くなるので、固形潤滑材のバインダーとしてイソシア
ネート法で生成された未反応部分を有するポリアミドイ
ミドを用いることによって、回転式のバレル1を用いた
スプレーコーティング法で形成される被膜の問題点であ
った被膜強度の低さを解消することができる。
【0025】また回転式のバレル1を用いない普通のス
プレーコーティングやディップコーティングでは、まず
図6(a)に示すように浸漬などしてコーティング剤3
を部品本体2に付着させ、次に図6(b)に示すように
熱風発生機21による乾燥工程でコーティング剤3を乾
燥させて被膜4を形成し、次に図6(c)に示すように
浸漬などして他のコーティング剤5を部品本体2の被膜
4の表面に付着させ、次に図6(d)に示すように熱風
発生機21による乾燥工程でコーティング剤5を乾燥さ
せて表面層6を形成するようにするものである。従って
図6(e)に示すように被膜4と表面層6の境界27が
完全に形成されることになり、層間剥離が起こり易いも
のである。
【0026】しかし本発明では、コーティングの途中、
つまりコーティング剤3が完全に硬化する前にコーティ
ング剤3から他のコーティング剤5へと切り替えるの
で、被膜4と表面層6の境界27が完全に形成されず、
しかもコーティング剤3と他のコーティング剤5の両方
が未反応部分を有するポリアミドイミドワニスを含有す
るものであるので、コーティング後の焼成工程で図4
(b)に示すように被膜4中のポリアミドイミド4aと
表面層6中のポリアミドイミド6aが反応することにな
り、層間剥離が起こりにくく密着性が高いものとなるの
である。尚、上記実施の形態では二層の場合を説明した
が、これに限らず、異なる種類の樹脂を多層にコーティ
ングするようにしてもよい。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例によって詳述する。 (実施例1)ポリアミドイミドワニス(日立化成工業製
のHPC−5000−30)とN−メチル−2−ピロリ
ドンとを1:1の割合(体積比)で混合し、コーティン
グ剤3を調製した。上記ポリアミドイミドはイソシアネ
ート法で生成されるものであって、重量平均分子量は1
47000であった。
【0028】次にリレーの電磁部品鉄心として用いられ
る部品本体2を図1に示すバレル1のかご11内に多量
に投入し、かご11を10rpmの回転数で回転させる
と共にバレル1内の温度が225℃になるように熱風1
5の温度をコントロールしながら、スプレーノズル14
から部品本体2に上記コーティング剤3を噴射して厚さ
6μmの被膜4を形成した。この後部品本体2に焼成、
乾燥を施してコーティング部品を作成した。
【0029】(実施例2)実施例1と同様のポリアミド
イミドワニスとN−メチル−2−ピロリドンとを1:5
の割合(体積比)で混合し、コーティング剤3を調製し
た。また四フッ化エポキシ樹脂と実施例1と同様のポリ
アミドイミドワニスとN−メチル−2−ピロリドンとを
1:15:15の割合(体積比)で混合して他のコーテ
ィング剤5を調製した。
【0030】次にリレーの電磁部品鉄心として用いられ
る部品本体2を図3に示すバレル1のかご11内に多量
に投入し、かご11を10rpmの回転数で回転させる
と共にバレル1内の温度が225℃になるように熱風1
5の温度をコントロールしながら、スプレーノズル14
から部品本体2に上記コーティング剤3を噴射して被膜
4をアンダーコートとして形成し、続いてスプレーノズ
ル14から部品本体2に上記コーティング剤5を噴射し
て表面層6をトップコートとして形成した。被膜4と表
面層6の合計の厚みは6μmにした。この後部品本体2
に焼成、乾燥を施してコーティング部品を作成した。
【0031】(比較例1)ポリアミドイミドワニスとし
てWhit ford 製のP-92を用いた以外は、上記実施例1 と
同様にしてコーティング部品を作成した。ここで使用さ
れるポリアミドイミドは酸クロリド法によって生成され
るものであり、重量平均分子量が55000であった。
【0032】(比較例2)比較例1と同様のポリアミド
イミドワニスとN−メチル−2−ピロリドンとを1:5
の割合(体積比)で混合し、コーティング剤3を調製し
た。また四フッ化エポキシ樹脂と比較例1と同様のポリ
アミドイミドワニスとN−メチル−2−ピロリドンとを
1:15:15の割合(体積比)で混合して他のコーテ
ィング剤5を調製した。
【0033】次にリレーの電磁部品鉄心として用いられ
る部品本体2にサンドブラスト処理を施して粗面化した
後、この部品本体2を図3に示すバレル1のかご11内
に多量に投入し、かご11を10rpmの回転数で回転
させると共にバレル1内の温度が225℃になるように
熱風15の温度をコントロールしながら、スプレーノズ
ル14から部品本体2に上記コーティング剤3を噴射し
て被膜4をアンダーコートとして形成し、続いてスプレ
ーノズル14から部品本体2に上記コーティング剤5を
噴射して表面層6をトップコートとして形成した。被膜
4と表面層6の合計の厚みは6μmにした。この後部品
本体2に焼成、乾燥を施してコーティング部品を作成し
た。
【0034】上記実施例1、2と比較例1、2につい
て、コーティング時及び部品組み立て時の被膜4及び表
面層6の欠け、剥がれを観察した。この結果、実施例
1、2ではコーティング時及び部品組み立て時の両方で
被膜4及び表面層6の欠け、剥がれが発生しなかった
が、比較例1、2ではコーティング時で被膜4及び表面
層6の欠け、剥がれが発生して部品本体2の全面にコー
ティングをすることができず、また組み立て時において
も被膜4及び表面層6の欠け、剥がれが発生した。
【0035】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に記載の
発明は、未反応部分を有するポリアミドイミドワニスを
含有するコーティング剤による被膜を部品本体の表面に
形成したので、ポリアミドイミドをその未反応部分を反
応させて高分子化することによって、被膜と部品本体の
密着性を向上させることができると共に強度の高い被膜
を形成することができ、被膜に欠け、削れ、剥がれが発
生しないようにすることができるものである。
【0036】また本発明の請求項2に記載の発明は、重
量平均分子量が8万〜20万の範囲のポリアミドイミド
を含有するコーティング剤を用いたので、低分子樹脂を
用いるよりも機械的強度の高い被膜を形成することがで
き、被膜に欠け、削れ、剥がれが発生しないようにする
ことができるものである。また本発明の請求項3に記載
の発明は、イソシアネート法で生成されたポリアミドイ
ミドを含有するコーティング剤を用いたので、他の方法
で生成されるポリアミドイミドでは得ることが困難な高
分子量体を得ることができて機械的強度の高い被膜を形
成することができ、被膜に欠け、削れ、剥がれが発生し
ないようにすることができるものである。
【0037】また本発明の請求項4に記載の発明は、未
反応部分を有するポリアミドイミドワニスを含有する他
のコーティング剤による表面層を上記被膜の表面に形成
したので、被膜中のポリアミドイミドと表面層中のポリ
アミドイミドを反応させて密着性を高めることによっ
て、被膜と表面層に完全な境界が形成されないようにす
ることができ、層間剥離などが起きないようにすること
ができるものである。
【0038】また本発明の請求項5に記載の発明は、固
体潤滑材に未反応部分を有するポリアミドイミドワニス
をバインダーとして配合して他のコーティング剤を調製
したので、ポリアミドイミドワニスをバインダーとして
用いることによって、固体潤滑材で表面層が脆くならな
いようにすることができ、表面層に欠け、削れ、剥がれ
が発生しないようにすることができるものである。また
被膜中のポリアミドイミドと表面層中のポリアミドイミ
ドを反応させて密着性を高めることができ、部品本体に
煩雑な下地処理を施さなくても表面層に欠け、削れ、剥
がれが発生しないようにすることができるものである。
【0039】また本発明の請求項6に記載の発明は、バ
レル内に入れられた多数の部品本体に未反応部分を有す
るポリアミドイミドワニスを含有するコーティング剤を
供給して部品本体の表面に被膜を形成したので、ポリア
ミドイミドをその未反応部分を反応させて高分子化する
ことによって、被膜と部品本体の密着性を向上させるこ
とができると共に強度の高い被膜を形成することがで
き、被膜に欠け、削れ、剥がれが発生しないコーティン
グ部品を形成することができるものである。
【0040】また本発明の請求項7に記載の発明は、重
量平均分子量が8万〜20万の範囲のポリアミドイミド
を含有するコーティング剤を用いたので、低分子樹脂を
用いるよりも機械的強度の高い被膜を形成することがで
き、被膜に欠け、削れ、剥がれが発生しないコーティン
グ部品を形成することができるものである。また本発明
の請求項8に記載の発明は、イソシアネート法で生成さ
れたポリアミドイミドを含有するコーティング剤を用い
たので、他の方法で生成されるポリアミドイミドでは得
ることが困難な高分子量体を得ることができて機械的強
度の高い被膜を形成することができ、被膜に欠け、削
れ、剥がれが発生しないコーティング部品を形成するこ
とができるものである。
【0041】また本発明の請求項9に記載の発明は、バ
レルに入れられ上記被膜が形成された多数の部品本体に
未反応部分を有するポリアミドイミドワニスを含有する
他のコーティング剤を供給して被膜の表面に表面層を形
成したので、被膜中のポリアミドイミドと表面層中のポ
リアミドイミドを反応させて密着性を高めることによっ
て、被膜と表面層に完全な境界が形成されないようにす
ることができ、層間剥離などが起きないコーティング部
品を形成することができるものである。
【0042】また本発明の請求項10に記載の発明は、
固体潤滑材に未反応部分を有するポリアミドイミドワニ
スをバインダーとして配合して他のコーティング剤を調
製したので、ポリアミドイミドワニスをバインダーとし
て用いることによって、固体潤滑材で表面層が脆くなら
ないようにすることができ、表面層に欠け、削れ、剥が
れが発生しないコーティング部品を形成することができ
るものである。また被膜中のポリアミドイミドと表面層
中のポリアミドイミドを反応させて密着性を高めること
ができ、部品本体に煩雑な下地処理を施さなくても表面
層に欠け、削れ、剥がれが発生しないコーティング部品
を形成することができるものである。
【0043】また本発明の請求項11に記載の発明は、
密閉式のバレルを用いたので、バレル内の温度コントロ
ールを精密に行うことができ、コーティングの際の部品
同士の接着を防止することができるものである。またバ
レルからの排気量を少なくすることができ、コーティン
グの際に必要なエネルギーを大幅に節約することができ
るものであり、また有機溶剤を用いた作業環境を大幅に
改善することができるものであり、さらにコーティング
剤が排気とともに排出することもなくなって部品本体へ
のコーティング剤の付着効率を向上させることができる
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコーティング部品の実施の形態の一例
を示す一部の断面図である。
【図2】同上のコーティング方法の実施の形態の一例を
示す概略図である。
【図3】(a)乃至(c)は同上の他のコーティング方
法を示す概略図である。
【図4】(a)は同上の他のコーティング部品の一例を
示す断面図、(b)は(a)の説明図である。
【図5】従来例を示す概略図である。
【図6】(a)乃至(d)は他の従来例を示す概略図、
(e)は従来例のコーティング部品を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 バレル 2 部品本体 3 コーティング剤 4 被膜 5 コーティング剤 6 表面層

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 未反応部分を有するポリアミドイミドワ
    ニスを含有するコーティング剤による被膜を部品本体の
    表面に形成して成ることを特徴とするコーティング部
    品。
  2. 【請求項2】 重量平均分子量が8万〜20万の範囲の
    ポリアミドイミドを含有するコーティング剤を用いて成
    ることを特徴とする請求項1に記載のコーティング部
    品。
  3. 【請求項3】 イソシアネート法で生成されたポリアミ
    ドイミドを含有するコーティング剤を用いて成ることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のコーティング部品。
  4. 【請求項4】 未反応部分を有するポリアミドイミドワ
    ニスを含有する他のコーティング剤による表面層を上記
    被膜の表面に形成して成ることを特徴とする請求項1乃
    至3のいずれかに記載のコーティング部品。
  5. 【請求項5】 固体潤滑材に未反応部分を有するポリア
    ミドイミドワニスをバインダーとして配合して他のコー
    ティング剤を調製して成ることを特徴とする請求項4に
    記載のコーティング部品。
  6. 【請求項6】 バレル内に入れられた多数の部品本体に
    未反応部分を有するポリアミドイミドワニスを含有する
    コーティング剤を供給して部品本体の表面に被膜を形成
    することを特徴とするコーティング方法。
  7. 【請求項7】 重量平均分子量が8万〜20万の範囲の
    ポリアミドイミドを含有するコーティング剤を用いるこ
    とを特徴とする請求項6に記載のコーティング方法。
  8. 【請求項8】 イソシアネート法で生成されたポリアミ
    ドイミドを含有するコーティング剤を用いることを特徴
    とする請求項6又は7に記載のコーティング方法。
  9. 【請求項9】 バレルに入れられ上記被膜が形成された
    多数の部品本体に未反応部分を有するポリアミドイミド
    ワニスを含有する他のコーティング剤を供給して被膜の
    表面に表面層を形成することを特徴とする請求項6乃至
    8のいずれかに記載のコーティング方法。
  10. 【請求項10】 固体潤滑材に未反応部分を有するポリ
    アミドイミドワニスをバインダーとして配合して他のコ
    ーティング剤を調製することを特徴とする請求項9に記
    載のコーティング方法。
  11. 【請求項11】 密閉式のバレルを用いることを特徴と
    する請求項6乃至10のいずれかに記載のコーティング
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001237135A (ja) * 1999-12-14 2001-08-31 Murata Mfg Co Ltd ガラス膜の形成方法およびその装置、金属膜の形成方法およびその装置、ならびに電子部品の製造方法
CN101786077A (zh) * 2010-03-10 2010-07-28 恩平万达福化工有限公司 一种工件的涂装方法
JP2010239053A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Tdk Corp 電子部品の製造方法
CN114505211A (zh) * 2022-01-14 2022-05-17 宁波沣发新材料有限公司 一种长尾票夹表面涂装工艺

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