JPH101544A - 水性2成分塗料メジウム用のバインダービヒクル成分の製造方法 - Google Patents

水性2成分塗料メジウム用のバインダービヒクル成分の製造方法

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JPH101544A
JPH101544A JP9041981A JP4198197A JPH101544A JP H101544 A JPH101544 A JP H101544A JP 9041981 A JP9041981 A JP 9041981A JP 4198197 A JP4198197 A JP 4198197A JP H101544 A JPH101544 A JP H101544A
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binder vehicle
aqueous
binder
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JP9041981A
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ゲーベル アルミン
Bettina Vogt-Birnbrich
フォクト−ビルンブリッヒ ベッツィナ
Wilfried Collong
コロン ウィルフィレッド
Birgit Kleuser
クラウザー ビルギット
Werner Lenhard
レンハート ウェルナー
Robert Besold
ベゾルト ロベルト
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 十分な長期保存安定性を示す水希釈可能2成
分塗料メジウム用のヒドロキシ官能性バインダービヒク
ルを含む水希釈可能成分を提供する。 【解決手段】 水性の2成分塗料メジウム用のバインダ
ービヒクル成分として用いることができる、または、イ
オン性、非イオン性で親水性のおよび/または中和可能
な酸性または塩基性の基を含むヒドロキシ官能性の慣用
のラッカーバインダービヒクルの上記バインダービヒク
ル成分を製造するのに適する水性分散体の製造方法にお
いて、有機溶剤の存在下で存在しうる上記ヒドロキシ官
能性バインダービヒクルは慣用のラッカー添加物の少な
くとも一部と非水性相で混合され、添加物との混合の
前、混合中または混合後に少なくとも部分的に中和され
るものとし、かくして得られた混合物が、均質化され、
次に水性相に変換され、更に、慣用のラッカー添加物の
残りがあるときは、これを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、保存安定性に優
れ、ヒロドキシ官能性バインダービヒクル(hydro
xy−functional binder vehi
cle)を含んだ、2成分塗料メジウム用の水希釈可能
成分(water−thinnable compon
ent)の製造方法に関し、また、車両(vehicl
e)の塗装及びその他の工業塗装用の多層塗布における
2成分塗料メジウム(two−component c
oating medium)中のこれらの成分の使用
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ラッカーの適用操作中に放出され
る溶剤に関し、排出ガイドラインがより厳しくなってき
ており、そのため、水性のラッカーおよび塗料の重要性
が増大している。一方、水性の2成分系は、多くの使用
分野で既に入手可能となってきているが、これらは、従
来の溶剤含有2成分ラッカーの高い品質レベルを全ての
点でまだ達成しているとはいえない。一方、既に公知の
ポリイソシアネート成分およびヒドロキシ官能性成分に
基づく多数の水希釈可能2成分系のものがある。たとえ
ば、ポリアクリレートポリオールベースのイソシアネー
ト架橋2成分系のものが、EP−A−0358979
号、WO−A−94/03516号、EP−A−055
4747号およびEP−A−0557844号各公報に
記載されており、ポリウレタンポリオールベースの2成
分系のものが、たとえば、EP−A−0496205
号、WO−A−94/03511号およびEP−A−0
554747号各公報に記載されている。また、ポリエ
ステルポリオールベースのものが、たとえば、EP−A
−0537568号およびWO−A−94/03513
号各公報に記載されている。更に、該ポリオールの混合
物が、たとえば、EP−A−0542105号およびE
P−A−0610450号各公報に記載されている。こ
れらの全ての2成分系のものの有意的欠点は、OH官能
性バインダービヒクルを含み、塗料作業場(coati
ng shop)において、例えば、いわゆるマスター
材料として存在するものなどの水希釈可能分散体の形態
の完成製品が、例えばその保存安定性が不充分であるこ
とである。これらの水希釈可能分散体は、通常、数週間
または数カ月の後、相分離を示す。従って、このような
適用の分野では、1−3年の長期安定性が必要な、たと
えば、修理の目的のビヒクル塗装(vehicle c
oating)の場合、上記水希釈可能2成分系は限定
された範囲でしか用いることができなかった。さらに
は、加工時間(processing time)、す
なわち、最終製品であるラッカーが2つの成分の混合後
においてもまだ加工できる期間が多くの場合短すぎると
いう問題もあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、十分な長期保存安定性を示す水希釈可能2成分塗料
メジウム用のヒドロキシ官能性バインダービヒクルを含
む水希釈可能成分を提供することである。また、本発明
の目的は、増大した加工時間を有する最終的な塗料メジ
ウムを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、慣用のラッ
カー添加物を含み、水性の2成分塗料メジウム用のバイ
ンダービヒクル成分として用いることができる、また
は、イオン性、非イオン性で親水性のおよび/または中
和可能な酸性または塩基性の基を含むヒドロキシ官能性
の慣用のラッカーバインダービヒクルの上記バインダー
ビヒクル成分を製造するのに適する水性分散体の製造方
法において、有機溶剤の存在下で存在しうる上記ヒドロ
キシ官能性バインダービヒクルは慣用のラッカー添加物
の少なくとも一部と非水性相で混合され、この際、存在
する酸性のまたは塩基性の基が、添加物との混合の前、
混合中または混合後に少なくとも部分的に中和されるも
のとし、かくして得られた混合物が、均質化され、次に
水性相に変換され、更に、慣用のラッカー添加物の残り
があるときは、これを添加することを特徴とする水性分
散体の製造方法により達成される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の方法により得られる水性
分散体を、以下、マスター成分と呼ぶ。該マスター成分
は、一種またはそれ以上の上述のようなヒドロキシ官能
性バインダービヒクル、水および慣用のラッカー添加物
を含み、さらに、必要に応じ、一種またはそれ以上の有
機溶媒および/または一種またはそれ以上の顔料および
/またはエクステンダーを含む。添加剤の添加が、常に
水性相中のエマルジョンまたは分散体の形成中および/
または形成後に行われ、他の点では慣用的であるような
方法とは対照的に、本発明の方法により、驚くべきこと
にマスター成分の非常に良好な保存安定性が、かなり長
期間にわたり得られることが見いだされた。更に驚くべ
きことに、本発明に従い製造されたバインダービヒクル
成分を含む塗料メジウムの加工時間についても、本発明
の方法により向上する。
【0006】詳細には、水性マスター成分の製造は、た
とえば、次のようにして行うことができる。すなわち、
OH官能性バインダービヒクルは、重合、重縮合および
/または付加重合により通常の方法で非水性形態で製造
される。それによりOH官能性バインダービヒクルの溶
剤ベースの溶液、分散体またはメルトがそれぞれの場合
について得られる。本発明においては、水性相に変換す
べくバインダービヒクルに必要な親水性を与えるため
に、それらをイオン的にまたは非イオン的に改質する。
【0007】非水性形態でOH官能性バインダービヒク
ルを製造した後、最終塗料メジウム中に含まれる慣用ラ
ッカー添加物の少なくとも一部が上記溶液、分散体また
はメルトに加えられる。添加物の添加は、溶液または分
散体中に存在する溶剤が完全にまたは部分的に除去され
た後に行ってもよい。しかしながら、添加物の少なくと
も一部の添加は、OH官能性バインダービヒクルの水性
相への変換の前に行われることが本発明においては必須
である。この点については、添加物の全量を、OH官能
性バインダービヒクルの水性相への変換前に添加しても
よい。慣用のラッカー添加物の一部だけが添加される場
合、その部分は、部分量の一種またはそれ以上の特定の
添加物からなっていてもよく、さらに/または異なる添
加物からなっていてもよく、この異なる添加物のうちあ
るものは本発明に従い、あるものは従来の方法で最終的
な分散体に加えられるものである。この点については、
個々の特定の添加物の部分的な量の添加を行わずに、各
場合において本発明に従う特定の添加物の全量を加える
ことが好ましい。添加物の添加後、全ての成分を均質化
する。均質化は、たとえば、慣用のホモジナイザー〔例
えば、慣用の攪拌ユニット(agitating un
its)〕を用いることにより行うことができる。均質
化は、高められた温度、たとえば、40〜60℃で行う
ことができる。
【0008】塩基性または酸性の基により改質したバイ
ンダービヒクルは、水性相への変換前に中和される。こ
の点に関し、対応する中和剤の添加を、添加物の添加
前、添加中または添加後に行うことが可能であるが、好
ましくは、添加物の添加後に加えられる。次いで、繰り
返し均質化を行う。均質化は、添加物の添加に対して上
記したようにして行うことができる。高められた温度、
たとえば、40〜60℃での均質化は、この場合も可能
である。添加物および中和剤の添加の後、分散体の形成
は水性相で行われる。分散は有機相を水性相に加える
か、水を有機相に加えるかのいずれか通常の方法で行わ
れる。分散体の形成の後、製造プロセスで生じる有機溶
剤は予め除去されてなくまた分散体中で望ましくない場
合には除去することができる。除去は、たとえば、蒸留
により行うことができる。分散体の形成中および/また
は形成後に、必要に応じて存在してもよい添加物の残り
の部分を添加してもよい。また、添加物のこの残りの部
分は、一種またはそれ以上の有機溶剤を含んでいてもよ
く、その有機溶剤は好ましくは水と混和性のものであ
る。溶剤は、たとえば、所望のレオロジー特性または粘
度特性を得るように当業者に周知の量で加えられる。
【0009】このようにして得られたマスター成分を顔
料入り塗料メジウムに用いる場合には、マスター成分に
一種またはそれ以上の顔料および/またはエクステンダ
ー(これは、本発明に従い配合してもよい添加物の定義
には入らない)を配合することもできる。これは、たと
えば、残りの慣用のラッカー添加物と同時にまたはその
添加に引き続き、顔料および/またはエクステンダーを
配合することにより行うことができる。均質化または微
粉砕は、たとえば、顔料および/またはエクステンダー
の配合に用いられる通常の方法により行うことができ
る。その手順としては、先ず、たとえば、本発明に従っ
て製造されたマスター成分の一部分または全部を顔料お
よび/またはエクステンダーと、必要に応じて、溶剤と
さらに必要に応じ残りの慣用のラッカー添加物と混合
し、混合物は微粉砕ユニットにより粉砕する。その後、
粉砕した材料は残りの量のバインダービヒクルを用いて
仕上げる。また、顔料をペースト樹脂中で先ず粉砕し次
にこのバッチを本発明に従って製造したマスター成分で
仕上げてもよい。ペースト樹脂は、たとえば、ポリエス
テル、ポリアクリレートおよび/またはポリウレタン樹
脂ベースの通常のペースト樹脂である。好ましく用いら
れるポリウレタンペースト樹脂は、たとえば、EP−A
−0438090号に記載されている。
【0010】有機性または無機性の全ての慣用のラッカ
ー顔料が、顔料またはエクステンダーとして適当であ
る。無機または有機の着色用顔料およびエキステンダー
の例としては、チタニア、超微粉砕チタニア、酸化鉄顔
料、燐酸亜鉛(耐腐食顔料)、アゾ顔料、フタロシアニ
ン顔料、キナクリドン系またはピロロピロール系顔料、
カーボンブラック、シリカ、硫酸バリウム、フレンチチ
ョーク、珪酸アルミニウムおよび珪酸マグネシウムがあ
る。本発明の方法で加えられる添加物は、ラッカー工業
で通常用いることのできる慣用の添加物である。この種
の添加物は、一定の特質を改善させるためまたは望まし
くない性質を抑制するために通常、塗料メジウムに比較
的少量添加することのできる物質である。これらは、当
業者に周知のものが用いられる。
【0011】本発明に従って用いられる添加物として
は、そのままで添加しうる固体または液体の添加物から
なるものを使用できる。たとえば、そのような固体の添
加物は添加前に溶融または溶解させることも可能であ
る。溶解のために用いることのできる溶剤としては、例
えば、製造すべきバインダービヒクルに含まれる溶剤ま
たはそれに加えられるべき溶剤が用いられる。そのよう
な添加物の例としては、光安定剤、たとえばベンゾトリ
アゾールおよびHALS化合物ベースの光安定剤、平坦
化剤(levelling agent)たとえば(メ
タ)アクリルホモポリマーまたはシリコーン油ベースの
平坦化剤、レオロジー影響剤、たとえば超微分散水和シ
リカまたはポリマー尿素化合物、増粘剤たとえば架橋ポ
リカルボン酸またはポリウレタン、消泡剤、湿潤剤、皮
張り防止剤、沈降防止剤、凝集防止剤、艶消剤、結合
剤、構造形成添加物、光沢増強添加物、触媒たとえばO
H官能性バインダービヒクルの架橋反応のための硬化促
進剤、たとえばポリイソシアネートとの架橋反応のため
のトリエチルアミンなどの第3アミノ基を含む化合物お
よびジブチル錫ジラウレートまたは亜鉛ナフタレートな
どの金属の有機塩がある。
【0012】これらの添加物は、当業者周知の慣用の量
で用いられる。添加物により、たとえばこれらの量は、
全仕上がり塗料メジウムに関して0.005〜5重量%の
範囲である。本発明においては、慣用のラッカー添加物
は、また、塗料メジウムの工業的利用特性に影響を与え
る溶剤であり、それらがバインダービヒクル成分の製造
中にまだ存在していない場合は、本発明の方法の添加物
添加の範囲で加えられうる溶剤を包含するものである。
添加物と考えられるこの種の溶剤は、多量に、たとえ
ば、マスター成分に対して15重量%まで加えることが
できる。そのような溶剤の例は後述する。
【0013】イオン的におよび/または非イオン的に改
質したOH官能性バインダービヒクルは、慣用のヒドロ
キシ官能性ポリマー、たとえばポリウレタンラッカーな
どの2成分ラッカーなどの製造に用いられるヒドロキシ
官能性ポリマーである。上記ヒドロキシ官能性ポリマー
の例には、ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、
ポリウレタン尿素、ポリエステル、ポリエーテルまたは
ポリーボネートに基づくものを含み、これらは個々にま
たは組み合わせて用いることができる。ヒドロキシ官能
性ポリマーは、好ましくは、OH価10〜250mgK
OH/gを有する。イオン的に改質したヒドロキシ官能
性ポリマーは、陰イオン性のあるいは陽イオン性の基、
または陰イオン性のあるいは陽イオン性の基に変換され
得る基、すなわち、酸性の基または塩基性の基を含んで
いてもよい。例えばアミノ基は、陽イオン性の基に変換
され得る塩基性の基の一例であり、カルボキシル基およ
びスルホン酸基は、陰イオン性の基に変換され得る酸性
の基の例である。
【0014】非イオン的に安定化されたヒドロキシ官能
性ポリマーの例としては、水希釈可能性が樹脂分子への
親水性基、たとえばポリエーテルセグメント、特にポリ
エチレンオキシドセグメントの組み込みにより達成され
るものを挙げることができる。イオン的におよび/また
は非イオン的に改質されたOH官能性ポリ(メタ)アク
リレートの例は、EP−A−0358979号、EP−
A−0554747号、WO−A−94/03516号
およびWO−A−95/02005号各公報に詳細に記
載されている。使用できるイオン的におよび/または非
イオン的に改質されたOH官能性ポリエステルの例は、
EP−A−0554747号、EP−A−053756
8号、WO−A−94/03513号およびEP−A−
0583728号各公報に記載されており、イオン的に
および/または非イオン的に改質されたOH官能性ポリ
ウレタンの例は、EP−A−0496205号、EP−
A−0554747号、WO−A−94/03511
号、WO−A−94/03512号、EP−A−060
3219号およびEP−A−0469389号各公報に
記載されている。ポリウレタンの例は、たとえば、EP
−A−0657483号公報に引用されているアクリル
化ポリウレタンも含む。また、ポリエーテルポリオール
の例は、EP−A−0554747号公報に引用されて
いる。
【0015】OH官能性バインダービヒクルは、好まし
くは、必要に応じ脂肪酸で改質されていてもよいポリウ
レタンポリオールである。上記ポリウレタンポリオール
は、好ましくは、陰イオン的にまたは陰イオン的かつ非
イオン的に改質されている。陰イオン的にまたは陰イオ
ン的かつ非イオン的に改質されているポリウレタンポリ
オールの好ましい例は、OH価25〜250mgKOH
/g、好ましくは40〜140mgKOH/g、樹脂固
形分に関しウレタン基含有量2〜20重量%、好ましく
は5〜15重量%、数平均分子量(Mn)1,000〜1
00,000、好ましくは1,500〜50,000、樹脂固
形分100gについて好ましくは酸価10〜35mgK
OH/g、最も好ましくは15〜25mgKOH/gを
それぞれの場合有するものである。上記ポリウレタンポ
リオールは、200ミリ当量未満、好ましくは150ミ
リ当量未満、最も好ましくは100ミリ当量未満のエチ
レンオキシドユニット含有量を有する。
【0016】好ましい陰イオン的にまたは陰イオン的か
つ非イオン的に改質されているポリウレタンポリオール
は、以下のように製造される: I)NCO基を含む予備付加化合物を: a)立体的にヒンダードされた(sterically
hindered)酸基(acid functio
n)およびイソシアネートと反応しうる2つの基を有す
る一種またはそれ以上の有機酸および/またはエチレン
オキシドユニットおよびイソシアネートと反応しうる2
つの基を含む少なくとも1つの親水性側鎖を有する化合
物から、また、 b)一種またはそれ以上の脂肪族または脂環式のジイソ
シアネートとさらに必要に応じてエチレンオキシドユニ
ットを含む少なくとも1つの親水性側鎖を有する一種ま
たはそれ以上の脂肪族または脂環式のジイソシアネート
と一緒にしたものから得る。
【0017】II)OH基を含む予備縮合体を: c)一種またはそれ以上のポリアルコール、 d)必要に応じて用いてもよい一種またはそれ以上の脂
肪酸、 e)一種またはそれ以上のジカルボン酸、および f)エチレンオキシドユニットを含む少なくとも1つの
親水性側鎖を有する任意に用いてもよい一種またはそれ
以上のポリオールから得る。そして III)I)とII)で得た生成物のその後の反応を、
必要に応じてエチレンオキシドユニットを含む親水性鎖
を有する一種またはそれ以上のモノイソシアネートの存
在下で、II)で得られるような予備縮合体のOH基
が、存在するNCO基に関して過剰に存在するような量
的な割合で行う。
【0018】好ましいOH官能性ポリウレタンまたはウ
レタンアルキドの製造は、たとえば、ポリアルコールI
I)をポリイソシアネートI)とメルト中でまたはイソ
シアネート基と反応しない非水性の有機溶剤中で、例え
ば温度60〜160℃で反応させることにより行うこと
ができる。好ましい陰イオン的にまたは陰イオン的かつ
非イオン的に改質されているOH官能性ポリウレタンお
よびその製造は、WO−A−94/03511号および
WO−A−94/03512号各公報に詳細に記載され
ており、親水性鎖中にエチレンオキシドユニットを有さ
ないポリウレタンポリオールが好ましく用いられる。好
ましい陰イオン的にまたは陰イオン的かつ非イオン的に
改質されているOH官能性ポリウレタンは、また、上記
の陰イオン的および/または非イオン的に改質されてい
るOH官能性ポリマーと他のものとの混合物として用い
てもよい。
【0019】有機溶剤の少量、好ましくは、全マスター
成分に関して15重量%を越えない量を、本発明に従っ
て製造されたマスター成分中に存在させることができ
る。上記したように、これらの溶剤は、本発明に従う添
加物として全部または部分的に配合されていてもよい。
しかしながら、それらは、バインダービヒクルの製造か
ら全部または部分的に由来してもよく、あるいは、水性
分散体中に組み入れられていたものでもよい。これらの
有機溶剤は、好ましくは、水と混和性である。これらの
溶剤としては、たとえば、ラッカー技術で用いられる慣
用の溶剤が用いられ、そのような溶剤の例としては、一
価または多価アルコール、たとえば、プロパノール、ブ
タノールまたはヘキサノール;グリコールエーテルまた
はエステル、たとえば、ジエチレングリコールジアルキ
ルエーテル、ジプロピレングリコールジアルキルエーテ
ル(それぞれC1−6のアルキルを含む)、エトキシプ
ロパノールまたはブチルグリコール;グリコール、たと
えば、エチレングリコール、プロピレングリコールおよ
びそのオリゴマー;N−メチルピロリドンおよびケトン
たとえばメチルエチルケトン、アセトンまたはシクロヘ
キサノン;芳香族または脂肪族炭化水素たとえばトルエ
ン、キシレンまたは線状のまたは分岐の脂肪族C6−C
12炭化水素がある。マスター成分から製造された塗料
メジウムの流動性と粘度は、溶剤の選択と量により左右
され得る。
【0020】本発明の方法に従って製造されたマスター
成分は、陰イオン的にまたは陽イオン的に改質されたバ
インダービヒクルを得るため、酸性のまたは塩基性の基
を中和する中和剤を含む。陰イオン的に改質されたバイ
ンダービヒクルは、中和剤として塩基を含む。これらの
例としては、アンモニアまたは有機アミン、たとえば、
トリエチルアミンまたはN−メチルモルホリン、アミノ
アルコールたとえばジメチルイソプロパノールアミン、
ジメチルエタノールアミン、または2−アミノ−2−メ
チルプロパノール−1がある。陽イオン的に改質された
バインダービヒクルは、中和剤として酸を含む。このよ
うなものとして、たとえば蟻酸および酢酸のような有機
モノカルボン酸が好ましい。また、乳酸、グリコール
酸、ジグリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、マンデル
酸、酒石酸、ヒドロキシプロピオン酸およびジメチロー
ルプロピオン酸などのヒドロキシカルボン酸も極めて適
切である。
【0021】本発明に従って製造されるマスター成分を
用いて得られる塗料メジウムは、マスター成分に加え、
ヒドロキシル基と反応する基を含むさらなる成分を含ん
でいる。ここでは、これをOH反応性成分と呼す。OH
反応性成分の適当な例としては、無水物基(anhyd
ride group)を含むバインダービヒクルまた
はポリイソシアネートが挙げられる。無水物基を含むバ
インダービヒクルは、たとえば、無水マレイン酸と他の
不飽和モノマーとの共重合により製造される。本発明に
従って使用され得る無水物官能性バインダービヒクルの
例は、EP−A−048128号、EP−A−0304
817号およびEP−A−0353899号各公報に記
載されている。
【0022】本発明においては、ポリイソシアネートは
OH反応性成分として好ましく用いられる。これらのポ
リイソシアネートとしては、脂肪族的に、脂環式的に、
芳香族脂肪族的(araliphatically)に
および/または芳香族的に結合した遊離イソシアネート
基を含む有機ポリイソシアネートが挙げられ、このよう
なものとして、たとえばラッカー分野の当業者に周知の
ものがいずれも挙げられる。これらは、室温で液体であ
るか、または有機溶剤の添加により液化される。好まし
くは、上記ポリイソシアネートは、23℃で1〜600
0mPa.s、最も好ましくは、5より大きく3000
mPa.sより小さい粘度を有している。この種のポリ
イソシアネートは一般に公知であり、たとえば、DE−
A−3829587号およびDE−A−4226243
号各公報に記載されている。上記ポリイソシアネート
は、好ましくは、平均NCO官能価1.5〜5、好ましく
は2〜3を有する脂肪族的におよび/または脂環式的に
結合したイソシアネート基だけを含むポリイソシアネー
トまたはポリイソシアネート混合物である。
【0023】特に適当なポリイソシアネートの例として
は、ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアナ
ト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメタン
−シクロヘキサン(IPDI)および/またはビス(イ
ソシアナトシクロヘキシル)メタンおよびビュレット
基、アロファネート基、ウレタン基および/またはイソ
シアヌレート基を含み本分野で公知のこれらジイソシア
ネートの誘導体に基づく「ラッカーポリイソシアネー
ト」が挙げられ、これらは、その製造後、好ましくは蒸
留により過剰のジイソシアネート出発材料から0.5重量
%未満となるよう遊離される。特に適当なポリイソシア
ネートとしては下記一般式の立体的にヒンダードされた
ポリイソシアネートが挙げられる。
【0024】
【化1】
【0025】式中、R1 はHまたはR2 、R2 はCn
2n+1であり、nは1〜6である。置換基R1 およびR2
は各々線状あるいは分岐のものであり、同一でも異なっ
ていてもよい。基本的骨格Aは、単一の結合、芳香族環
または脂環であるかまたは1−12炭素原子を含む脂肪
族線状または分岐炭素鎖からなるものが挙げられる。こ
のようなポリイソシアネートの例としては、1,1,
6,6−テトラメチル−ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、1,5−ジブチルペンタメチルジイソシアネート、
p−またはm−テトラメチルキシレンジイソシアネート
およびその対応する水素化同族体がある。これらのジイ
ソシアネートは、適当な方法、たとえば三量化によりあ
るいは水またはトリメチロールプロパンとの反応により
より高い官能価の化合物に変換され得る。
【0026】芳香族ポリイソシアネートも使用可能であ
るが、好ましさにおいて劣る。その例としては、2,4
−ジイソシアナトトルエンまたはこれと2,6−ジイソ
シアナトトルエンとの混合物に基づくポリイソシアネー
トまたは4,4’−ジイソシアナトフェニルメタンまた
はその三量体に基づくポリイソシアネートがある。本発
明に従って製造されたマスター成分は、適用直前にOH
反応性成分、好ましくはポリイソシアネートと、更に必
要に応じて顔料および/またはエクステンダーと一緒に
充分混合される。次いで、必要に応じて、このバッチは
水または少量の有機溶剤によりスプレー粘度に調節され
得る。
【0027】このようにして製造された塗料メジウム
は、自然乾燥あるいは強制乾燥多層皮膜の着色あるいは
透明な外皮膜の製造に特に適する。これらは、たとえ
ば、80〜140℃の高い温度で硬化させることができ
る。これらは車両の塗装に適し、また、工業的塗装操作
に適し、修理を目的とした車両または車両部分の塗料に
特に適する。塗料メジウムは、たとえばスプレー法、浸
漬法などの公知の方法により、またたとえばローラー、
ドクターブレードなどを用いて塗布される。透明なクリ
ヤラッカー皮膜が、たとえばウエット−インツ−ウエッ
ト(wet−into−wet)法により従来のまたは
水性ベースのラッカーに適用され得、これにより両方の
皮膜がたとえば50〜80℃、15〜20分で一緒に硬
化されるか、または着色被覆ラッカー皮膜が慣用の単一
成分または2成分プライマーサーフェーサー皮膜に適用
され得る。
【0028】
【実施例】本発明を以下の例によりさらに詳細に説明す
る。ここで「部」(parts)は重量部を示す。 実施例11.1マスター成分の製造 A)600部のトリメチロールプロパン、444部の椰
子油酸および421部の無水テトラヒドロフタル酸を混
合し、注意深く溶融した。このバッチを攪拌しつつ窒素
雰囲気下で170〜230℃まで100部のキシレンと
一緒にゆっくりと加熱し、反応の水を共沸的に確実に蒸
留し酸価を0.3未満にした。 B)212部のジメチロールプロピオン酸を乾燥反応容
器中の1000部のアセトン中に懸濁させ、704部の
イソホロンジイソシアネートを加えた後反応させ、この
間温度を60℃に上げた。
【0029】500部の反応生成物A)を300部の反
応生成物B)と混合し、熱の発生が観察されるまで注意
深く加熱した。熱の放出が完了した後、NCO含有量が
0.2%未満となるまでバッチを60℃で攪拌した。次い
で、14部のジメチルエタノールアミンを加えた。更
に、以下の市販のラッカー添加物をその順、すなわちブ
チルグリコール107部、ベンゾトリアゾール型のUV
吸収剤とHALS型(HALS:ヒンダードアミン光安
定剤)のラジカル掃去剤とを含む17部の光安定剤の組
合せ、4部のポリウレタン増粘剤および7部のポリシロ
キサン系平坦化剤の順で加えた。この混合物を50℃で
30分間均質化させた。その後、これを脱イオン水で希
釈してから、アセトンを真空下で蒸留除去し、易流動性
の分散体を得た(固形分:約40重量%/150℃で6
0分)。このようにして得たマスター成分は、2年を越
える保存期間の後も、凝固および/または沈降の現象を
示さなかった。
【0030】1.2 2成分クリヤラッカーの製造 ヘキサメチレンジイソシアネート三量体ベースの市販の
ポリイソシアネート(NCO数:17%)19部を、上
記1.1のマスター成分100部に中に均質に攪拌しつ
つ導入した。次に、粘度を脱イオン水により20秒(D
IN−4カップ/23℃)に調節した。塗料メジウムは
4時間の加工時間を有した。
【0031】比較例12.1バインダービヒクルの製造 成分A)とB)とを実施例1に従い製造した。500部
の反応生成物A)を300部の反応生成物B)と混合
し、熱の発生が観察されるまで注意深く加熱した。熱の
放出が完了した後、NCO含有量が0.2%未満となるま
でバッチを60℃で攪拌した。次いで、14部のジメチ
ルエタノールアミンおよび100部の脱イオン水を加
え、5分後、さらに600部の脱イオン水を加えた。更
に、このバッチを70℃に加熱しつつ攪拌し、次にアセ
トンを真空下で蒸留除去した。固形分約43重量%を有
する易流動性の分散体が得られた。
【0032】2.2マスター成分の製造 上記2.1に従って製造された分散体500部に以下に
示した市販のラッカー添加物をその順、すなわち、ブチ
ルグリコール13部、ベンゾトリアゾール型のUV吸収
剤とHALS型のラジカル掃去剤とを含む光安定剤の組
合せ2部、ポリウレタン増粘剤0.6部およびポリシロキ
サン系平坦化剤0.8部の順で均質に配合した。固形分を
脱イオン水により40重量%に調節した。数カ月の保存
後でも、分散体の粒子の認識できる沈降挙動が観察され
た。
【0033】2.3 2成分クリヤラッカーの製造 ヘキサメチレンジイソシアネート三量体ベースの市販の
ポリイソシアネート(NCO数:17%)19部を、上
記2.2のマスター成分100部に均質に攪拌しつつ導
入した。次に粘度を、脱イオン水により20秒(DIN
−4カップ/23℃)に調節した。塗料メジウムは、僅
か2.5時間の加工時間を有するものであった。
【0034】
【発明の効果】本発明の方法により製造されたマスター
成分の有意的な利点の1つは、2〜3年間もの長期にわ
たる非常に良好な保存安定性である。このマスター成分
を用いて製造される2成分塗料メジウムは、約2〜4時
間の加工時間を有する。また、塗料メジウムから得られ
る皮膜は、従来の塗料メジウムに比較して光沢および濃
度,密度(body)において改善されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベッツィナ フォクト−ビルンブリッヒ ドイツ連邦共和国,ゾーリンゲン D− 42719,ウンテニッター3 (72)発明者 ウィルフィレッド コロン ドイツ連邦共和国,ベルメルスキルフェン 42929,リンデンベーグ8 (72)発明者 ビルギット クラウザー ドイツ連邦共和国,ブッペルタール 42369,アシュベーグ12 (72)発明者 ウェルナー レンハート ドイツ連邦共和国,ブッペルタール 42109,コール エスティーアール.176ビ ー (72)発明者 ロベルト ベゾルト ドイツ連邦共和国,ブッペルタール 42279,モーレンコッテン8

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 慣用のラッカー添加物を含み、水性の2
    成分塗料メジウム用のバインダービヒクル成分として用
    いることができる、または、イオン性、非イオン性で親
    水性のおよび/または中和可能な酸性または塩基性の基
    を含むヒドロキシ官能性の慣用のラッカーバインダービ
    ヒクルの上記バインダービヒクル成分を製造するのに適
    する水性分散体の製造方法において、有機溶剤の存在下
    で存在しうる上記ヒドロキシ官能性バインダービヒクル
    は慣用のラッカー添加物の少なくとも一部と非水性相で
    混合され、この際、存在する酸性のまたは塩基性の基
    が、添加物との混合の前、混合中または混合後に少なく
    とも部分的に中和されるものとし、かくして得られた混
    合物が、均質化され、次に水性相に変換され、更に、慣
    用のラッカー添加物の残りがあるときは、これを添加す
    ることを特徴とする水性分散体の製造方法。
  2. 【請求項2】 一種またはそれ以上の光安定剤、平坦化
    剤、レオロジー影響剤、増粘剤、消泡剤、湿潤剤、皮張
    り防止剤、沈降防止剤、凝集防止剤、艶消剤、結合剤、
    構造形成添加物、光沢増強添加物、触媒、および/また
    は溶剤を慣用のラッカー添加物として加えることを特徴
    とする請求項1記載の水性分散体の製造方法。
  3. 【請求項3】 存在する酸性または塩基性の基が、非水
    性相で行われる添加剤との混合と均質化の後に、中和剤
    の添加と繰り返される均質化とにより、少なくとも部分
    的に中和されることを特徴とする請求項1または2に記
    載の水性分散体の製造方法。
  4. 【請求項4】 均質化が高められた温度で行われること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性
    分散体の製造方法。
  5. 【請求項5】 一種またはそれ以上の顔料および/また
    はエクステンダーが追加の残りの慣用のラッカー添加物
    と同時にまたはその後に水性分散体に導入されることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水性分
    散体の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に従って製
    造された分散体をバインダービヒクル成分として使用す
    るか、または水性2成分塗料メジウム用のバインダービ
    ヒクル成分の製造に使用する方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜5のいずれか1項に従って製
    造された分散体を多層皮膜中の着色または透明の外皮膜
    の製作に使用する方法。
  8. 【請求項8】 自動車部門での多層皮膜の製作におい
    て、請求項7に従って使用する方法。
  9. 【請求項9】 自動車部門での修復皮膜の製作において
    請求項8に従って使用する方法。
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