JPH10154218A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体の使用方法、磁気記録方法および磁気記録再生方法 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体の使用方法、磁気記録方法および磁気記録再生方法

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JPH10154218A
JPH10154218A JP9260326A JP26032697A JPH10154218A JP H10154218 A JPH10154218 A JP H10154218A JP 9260326 A JP9260326 A JP 9260326A JP 26032697 A JP26032697 A JP 26032697A JP H10154218 A JPH10154218 A JP H10154218A
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JP9260326A
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English (en)
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Toshikazu Nagura
敏和 名倉
Shoji Aoyanagi
祥二 青柳
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New Oji Paper Co Ltd
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偽造、変造の困難な磁気記録媒体等を提供す
る。 【解決手段】 カードの走査方向Xとほぼ直交する方向
にレーザ光を照射して、磁気記録層6を切断することに
より、磁性層存在部14および磁性層欠如部16が形成
される。磁性層存在部14および磁性層欠如部16を組
合わせ走査方向Xに沿って配置することで、書換え不能
な磁気バーコード20が形成される。境界面18は、走
査方向Xにほぼ直交するほぼ平坦な面となっている。ま
た、レーザー加工によりほぼ直角のエッジ部Eが得られ
る。したがって、磁気バーコード20を読み取る際のS
N比は、極めて高い。このため、磁気バーコード20の
情報記録密度を上げることができ、個々の磁気記録媒体
固有の識別情報を記録することができる。このため、磁
気記録媒体の偽造、変造が困難となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁気記録媒体、
磁気記録媒体の製造方法、磁気記録媒体の使用方法、磁
気記録方法および磁気記録再生方法に関し、特に、情報
を書換え不能に磁気的に記録する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】予め代金を支払って購入し、以降、現金
を使用することなく商品代金等の決済を行なうことがで
きる磁気カードとして、プリペイドカード等が知られて
いる。図23に、従来のプリペイドカード500の平面
図を示す。プリペイドカード500の磁気記録トラック
506には、使用できる金額が度数として予め磁気的に
書き込まれている。物品等を購入してプリペイドカード
500で決済を行う場合、使用した金額に応じた度数の
引き落としが、店頭の端末機器等を通じて行われる。
【0003】つり銭に相当する残高情報は、磁気記録情
報として磁気記録トラック506に記録されるととも
に、残高パンチ穴位置情報の形でプリペイドカード50
0上の所定の位置に残される。継続使用にあたっては、
磁気記録情報、残高パンチ穴位置情報等により前回の残
高が確認される。確認された残高分が使用可能となる。
このようにして、現金を使用することなく商品代金等の
決済を行なうことができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
プリペイドカード500には、次のような問題があっ
た。パンチ穴位置の読取りは、通常、カード平面に垂直
に光をあて、あてた光がプリペイドカード500の挿入
端502で遮光されてから、つぎにパンチ穴504を透
過してくるまでの時間を測定することにより行なう。
【0005】したがって、なんらかの方法でパンチ穴5
04を埋めることで、残高パンチ穴位置情報を改変する
ことができる。さらに、磁気記録トラック506に記録
され残高の磁気記録情報を上書きして更新することもで
きる。このため、残高情報の改変が容易であった。ま
た、磁気記録トラック506等に記録された個々のプリ
ペイドカードを識別するための個別情報の改変も、比較
的容易であった。すなわち、プリペイドカードの偽造、
変造が比較的容易であった。
【0006】この発明は、従来のこのようなプリペイド
カードなど磁気記録媒体の問題点を解決し、偽造、変造
の困難な磁気記録媒体等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の磁気記録媒体
は、情報を書換え不能に磁気的に記録する固定記録領域
を備えた磁気記録媒体であって、当該固定記録領域を、
磁性層が存在する磁性層存在部と当該磁性層が存在しな
い磁性層欠如部とを隣接して配置し、磁性層存在部と磁
性層欠如部との境界面を当該固定記録領域の走査方向に
ほぼ直交するほぼ平坦な面とするよう構成したことを特
徴とする。
【0008】請求項2の磁気記録媒体は、請求項1の磁
気記録媒体において、前記固定記録領域を、前記走査方
向の長さが異なる2種類の前記磁性層存在部および磁性
層欠如部を組合わせて、当該走査方向に沿って配置する
よう構成したことを特徴とする。
【0009】請求項3の磁気記録媒体は、請求項1の磁
気記録媒体において、前記固定記録領域を構成する前記
磁性層存在部または磁性層欠如部の少なくとも一方の前
記走査方向の長さが、ランダムに与えられた長さである
ことを特徴とする。
【0010】請求項4の磁気記録媒体は、請求項1ない
し請求項3のいずれかの磁気記録媒体において、前記固
定記録領域に記録した情報を暗号化した情報を磁気的に
記録する記録領域を、さらに備えたことを特徴とする。
【0011】請求項5の磁気記録媒体は、請求項1ない
し請求項3のいずれかの磁気記録媒体において、前記固
定記録領域に記録した情報と実質的に同一の情報を書換
え不能に磁気的に記録する第2の固定記録領域を、さら
に備えたことを特徴とする。
【0012】請求項6の磁気記録媒体は、請求項1ない
し請求項5のいずれかの磁気記録媒体において、情報を
書換え可能に磁気的に記録する可変記録領域を、さらに
備えたことを特徴とする。
【0013】請求項7の磁気記録媒体は、請求項1ない
し請求項6のいずれかの磁気記録媒体において、前記磁
性層を、強磁性で高保磁力を有する材料により構成され
た磁気記録層としたことを特徴とする。
【0014】請求項8の磁気記録媒体は、請求項1ない
し請求項6のいずれかの磁気記録媒体において、前記磁
性層を、強磁性で高保磁力を有する材料により構成され
た磁気記録層の上方に配置され軟磁性材料により構成さ
れた磁気シールド層としたことを特徴とする。
【0015】請求項9の磁気記録媒体は、請求項1ない
し請求項6のいずれかの磁気記録媒体において、前記磁
性層を、強磁性で高保磁力を有する材料により構成され
た磁気記録層、および当該磁気記録層の上方に配置され
軟磁性材料により構成された磁気シールド層としたこと
を特徴とする。
【0016】請求項10の磁気記録媒体の製造方法は、
請求項1ないし請求項9のいずれかの磁気記録媒体を製
造する方法であって、前記走査方向にほぼ直交する方向
にレーザ光を照射して、前記固定記録領域の磁性層を切
断することにより、前記磁性層存在部および磁性層欠如
部を形成することを特徴とする。
【0017】請求項11の磁気記録媒体の製造方法は、
請求項10の磁気記録媒体の製造方法において、前記磁
性層欠如部の前記走査方向の最小寸法以下の幅のスリッ
トを有するマスクを用意し、当該マスクに対し磁気記録
媒体を当該走査方向に相対的に移動可能にするととも
に、当該スリットの幅より大きいスポット径のレーザ光
を、当該スリットを介して磁気記録媒体に照射可能に
し、磁気記録媒体の移動とレーザ光の照射タイミングと
を調整することにより、前記固定記録領域の所望の位置
に、所望の走査方向の長さを有する前記磁性層存在部お
よび磁性層欠如部を、所望の数量、形成することを特徴
とする。
【0018】請求項12の磁気記録媒体の製造方法は、
請求項10の磁気記録媒体の製造方法において、レーザ
光を絞り込むことにより前記磁性層欠如部の前記走査方
向の最小寸法以下の幅のスポットを得ることができるレ
ンズを用意し、当該レンズに対し磁気記録媒体を当該走
査方向に相対的に移動可能にするとともに、レーザ光
を、当該レンズを介して磁気記録媒体に照射可能にし、
磁気記録媒体の移動とレーザ光の照射タイミングとを調
整することにより、前記固定記録領域の所望の位置に、
所望の走査方向の長さを有する前記磁性層存在部および
磁性層欠如部を、所望の数量、形成することを特徴とす
る。
【0019】請求項13の磁気記録媒体の使用方法は、
請求項4の磁気記録媒体を使用する方法であって、磁気
記録媒体の使用時に、固定記録領域に記録した情報と前
記暗号化した情報を磁気的に記録する記録領域に記憶さ
れた暗号化された情報とを比較することにより、当該磁
気記録媒体の真偽判定を行なうことを特徴とする。
【0020】請求項14の磁気記録媒体の使用方法は、
請求項1ないし請求項9のいずれかの磁気記録媒体を使
用する方法であって、前記固定記録領域に記録した情報
を暗号化して外部装置に記憶しておき、磁気記録媒体の
使用時に、固定記録領域に記録した情報と外部装置に記
憶された暗号化された情報とを比較することにより、当
該磁気記録媒体の真偽判定を行なうことを特徴とする。
【0021】請求項15の磁気記録媒体の使用方法は、
請求項1ないし請求項9のいずれかの磁気記録媒体を使
用する方法であって、磁気記録媒体の使用時に、前記固
定記録領域を機械的に破壊することを特徴とする。
【0022】請求項16の磁気記録方法は、情報を書換
え不能に磁気的に記録する方法であって、磁性層が存在
する磁性層存在部と磁性層が存在しない磁性層欠如部と
を、当該情報を再生する際の走査方向にほぼ直交するほ
ぼ平坦な境界面で隣接するよう配置するとともに、当該
境界面の位置を当該情報に基づいて決定することによ
り、当該情報を当該境界面の位置に対応する情報に変換
して記録することを特徴とする。
【0023】請求項17の磁気記録再生方法は、請求項
16の磁気記録方法を用いて記録された情報を再生する
方法であって、前記境界面から漏洩する磁気を検出する
ことにより、前記境界面の位置に対応する情報に変換し
て記録された前記情報を再生することを特徴とする。
【0024】請求項18の磁気記録方法は、磁気記録媒
体に所定の磁気被検出部をランダムに配置することによ
り、ランダムな情報を、磁気被検出部の位置に変換して
書換え不能に磁気的に記録する方法であって、前記ラン
ダムな情報を、当該情報を再生する際の走査方向におけ
る磁気被検出部の位置に変換して記録するとともに、磁
気被検出部の形状を、走査面内において当該走査方向に
直交する方向に実質的に変化しない部分を有する形状と
したこと、を特徴とする。
【0025】
【発明の効果】請求項1の磁気記録媒体は、磁性層存在
部と磁性層欠如部とを隣接して配置することにより固定
記録領域を構成するとともに、磁性層存在部と磁性層欠
如部との境界面を当該固定記録領域の走査方向にほぼ直
交するほぼ平坦な面とするよう構成したことを特徴とす
る。
【0026】したがって、磁性層存在部と磁性層欠如部
との境界面から漏洩する磁束の分布は、明瞭な凹凸パタ
ーンを形成する。このため、情報を、境界面の位置に対
応する情報に変換して記録する場合、当該情報の読み取
り時におけるSN比は極めて大きい。この結果、情報記
録密度を高くすることができる。このため、たとえば個
々の磁気記録媒体ごとに別々の識別情報を書換え不能に
磁気的に記録することができる。すなわち、磁気記録媒
体の偽造、変造が困難になる。
【0027】請求項2の磁気記録媒体は、固定記録領域
を、走査方向の長さが異なる2種類の磁性層存在部およ
び磁性層欠如部を組合わせて走査方向に沿って配置する
よう構成したことを特徴とする。
【0028】したがって、情報を磁気バーコードの形態
で書換え不能に記録することができる。すなわち、既存
のコード体系を利用して容易に偽造、変造を防止するこ
とができる。
【0029】請求項3の磁気記録媒体は、固定記録領域
を構成する磁性層存在部または磁性層欠如部の少なくと
も一方の走査方向の長さが、ランダムに与えられた長さ
であることを特徴とする。したがって、磁性層存在部ま
たは磁性層欠如部の少なくとも一方の走査方向の長さを
ランダムに与えることにより、ランダムな情報を記憶す
ることができる。このため、たとえば、磁気記録媒体の
識別情報としてこのようなランダムな情報を用いた場
合、情報に規則性がないため、偽造が極めて困難とな
る。
【0030】また、コンピュータ等を用い人工的にラン
ダムな情報を与えることにより、情報の計算上の重複確
率を容易に知ることができる。したがって、計算上の重
複確率と実際の使用状況における重複率とを比較するこ
とにより、不正な偽造の有無を容易に発見することがで
きる。また、発行数量等に見合った桁数のランダム情報
を容易に設定することができる。このため、無駄のない
桁数で、偽造の発見の容易な磁気記録媒体を実現するこ
とができる。
【0031】請求項4の磁気記録媒体は、固定記録領域
に記録した情報を暗号化した情報を磁気的に記録する記
録領域を、さらに備えたことを特徴とする。したがっ
て、たとえば、磁気記録媒体の識別情報としてこのよう
な暗号化した情報を用いることにより、偽造をいっそう
困難にすることができる。
【0032】請求項5の磁気記録媒体は、固定記録領域
に記録した情報と実質的に同一の情報を書換え不能に磁
気的に記録する第2の固定記録領域を、さらに備えたこ
とを特徴とする。
【0033】したがって、たとえば固定記録領域の記録
内容と実質的に同一の情報を第2の固定記録領域に記録
しておき、使用時に固定記録領域の所定領域の記録内容
と第2の固定記録領域の所定領域の記録内容とが所定の
関係を有するか否かを照合することにより、当該磁気記
録媒体の真偽を判定することができる。このため、ホス
トコンピュータに真偽照合のための参照用データを持た
せる必要がない。すなわち、ホストコンピュータを持た
ない小規模システムにおいても、有効に偽造、変造を防
止することができる。
【0034】請求項6の磁気記録媒体は、情報を書換え
可能に磁気的に記録する可変記録領域を、さらに備えた
ことを特徴とする。
【0035】したがって、たとえば固定記録領域の記録
内容と同一の情報を暗号化して可変記録領域に記録する
ようにしておき、使用時に固定記録領域の記録内容と可
変記録領域の記録内容とが所定の関係を有するか否かを
照合することにより、当該磁気記録媒体の真偽を判定す
ることができる。このため、ホストコンピュータに真偽
照合のための参照用データを持たせる必要がない。すな
わち、ホストコンピュータを持たない小規模システムに
おいても、有効に偽造、変造を防止することができる。
【0036】請求項7の磁気記録媒体は、磁性層を、強
磁性で高保磁力を有する材料により構成された磁気記録
層としたことを特徴とする。
【0037】したがって、磁性層を一度磁化しておけ
ば、半永久的に磁化が維持される。このため、製造工程
等において磁性層を一度磁化しておけば、照合時に磁場
を与える必要はない。すなわち、より簡易な読み取り装
置を用いて照合処理を行なうことができる。
【0038】請求項8および請求項9の磁気記録媒体
は、磁性層を、磁気シールド層、または、磁気記録層お
よび磁気シールド層としたことを特徴とする。
【0039】したがって、たとえば磁気記録層に記録さ
れた書換え可能な信号の不正読み取りを磁気シールド層
により防止するとともに、情報を磁気シールド層等に書
換え不能に磁気的に記録することができる。このため、
さらに有効に偽造、変造を防止することができる。
【0040】請求項10の磁気記録媒体の製造方法は、
固定記録領域の走査方向にほぼ直交する方向にレーザ光
を照射して、固定記録領域の磁性層を切断することによ
り、磁性層存在部および磁性層欠如部を形成することを
特徴とする。
【0041】したがって、レーザ光の直進性により、磁
性層存在部と磁性層欠如部との境界面が、当該走査方向
にほぼ直交するほぼ平坦な面となる。このため、容易か
つ確実に、理想的な境界面を得ることができる。すなわ
ち、偽造、変造が困難な磁気記録媒体を、容易かつ確実
に製造することができる。
【0042】請求項11の磁気記録媒体の製造方法は、
スリットの幅より大きいスポット径のレーザ光を、スリ
ットを介して磁気記録媒体に照射可能にし、磁気記録媒
体の移動とレーザ光の照射タイミングとを調整すること
により、固定記録領域の所望の位置に、所望の走査方向
の長さを有する磁性層存在部および磁性層欠如部を、所
望の数量、形成することを特徴とする。
【0043】したがって、たとえば同一のスリットパタ
ーンのマスクを用いて、個々の磁気記録媒体に対して別
々の識別情報を、書換え不能な磁気情報として記録する
ことができる。このため、個々の磁気記録媒体に対して
別々の識別情報を容易かつ確実に書換え不能に記録する
ことができる。すなわち、偽造、変造がさらに困難な磁
気記録媒体を、容易かつ確実に製造することができる。
【0044】請求項12の磁気記録媒体の製造方法は、
レーザ光を絞り込むことにより磁性層欠如部の走査方向
の最小寸法以下の幅のスポットを得ることができるレン
ズを用意し、レーザ光を、当該レンズを介して磁気記録
媒体に照射可能にし、磁気記録媒体の移動とレーザ光の
照射タイミングとを調整することにより、固定記録領域
の所望の位置に、磁性層存在部および磁性層欠如部を、
所望の数量、形成することを特徴とする。
【0045】したがって、レーザ光を絞り込むことで、
発生したレーザ光を磁気記録媒体に無駄なく照射するこ
とができる。このため、エネルギの利用効率が高い。こ
の結果、より高速度で磁性層存在部および磁性層欠如部
の加工を行なうことができる。すなわち、個々の磁気記
録媒体に対して別々の識別情報を、書換え不能な磁気情
報として、より高速度で記録することができる。
【0046】請求項13の磁気記録媒体の使用方法は、
磁気記録媒体の使用時に、固定記録領域に記録した情報
と暗号化した情報を磁気的に記録する記録領域に記憶さ
れた暗号化された情報とを比較することにより、当該磁
気記録媒体の真偽判定を行なうことを特徴とする。
【0047】したがって、暗号化された情報を真偽判定
に用いることにより、偽造を困難にすることができる。
また、磁気記録媒体自体に暗号化した情報を記録するこ
とで、外部コンピュータ等を持たない小規模なシステム
においても、偽造を困難にすることができる。
【0048】請求項14の磁気記録媒体の使用方法は、
固定記録領域に記録した情報を暗号化して外部装置に記
憶しておき、磁気記録媒体の使用時に、固定記録領域に
記録した情報と外部装置に記憶された暗号化された情報
とを比較することにより、当該磁気記録媒体の真偽判定
を行なうことを特徴とする。したがって、外部コンピュ
ータ等を有する大規模なシステムにおいて、効果的に偽
造を防止することができる。
【0049】請求項15の磁気記録媒体の使用方法は、
磁気記録媒体の使用時に、固定記録領域を機械的に破壊
することを特徴とする。
【0050】したがって、たとえば使用時に固定記録領
域に複数のパンチ穴をあけて破壊するようにした場合、
使用済みの磁気記録媒体を不正に再生するためには、数
あるパンチ片の中から、該磁気記録媒体固有のかつ各パ
ンチ領域固有のパンチ穴片と同一のパンチ穴片を全て探
しだし、所定の方向に埋め戻さなければならない。ま
た、仮に埋め戻せたとしても、パンチ片を埋め戻す際に
できる不連続線で生じる磁気的不連続が新たに生ずる。
このため、使用済みの磁気記録媒体を利用して偽造変造
することが事実上不可能となる。
【0051】請求項16の磁気記録方法は、情報を磁性
層存在部と磁性層欠如部との境界面の位置に対応する情
報に変換して記録することを特徴とする。
【0052】したがって、情報を書換え不能に磁気的に
記録することができるとともに、情報記録密度を高くす
ることができる。このため、たとえば個々の磁気記録媒
体ごとに別々の識別情報を書換え不能に磁気的に記録す
ることができる。すなわち、磁気記録媒体の偽造、変造
が困難になる。
【0053】請求項17の磁気記録再生方法は、境界面
から漏洩する磁気を検出することにより、境界面の位置
に対応する情報に変換して記録された情報を再生するこ
とを特徴とする。したがって、書換え不能に記録された
情報を、従来の磁気ヘッド等を用いて読み取ることがで
きる。このため、ハードウェア資源の大幅な変更を伴う
ことなく、偽造、変造を防止するシステムを実現するこ
とができる。
【0054】請求項18の磁気記録方法は、ランダムな
情報を、当該情報を再生する際の走査方向における磁気
被検出部の位置に変換して記録するとともに、磁気被検
出部の形状を、走査面内において当該走査方向に直交す
る方向に実質的に変化しない部分を有する形状としたこ
とを特徴とする。
【0055】したがって、走査方向に直交する方向に読
取り装置がずれたとしても、装置のずれ等による読取り
誤差は生じ難い。このため、読取り誤差を考慮して読取
り装置の読取り精度の設定を甘くする必要はない。すな
わち、読取り精度の高い読取り装置を使用することがで
きるので、偽造しにくい磁気記録媒体を実現することが
できる。
【0056】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる磁気記録媒体である磁気記録カード(プリペイドカ
ード等)の構成を模式的に表わした斜視図である。図1
に示すように、磁気記録カード2は、2つの磁気トラッ
ク、すなわち磁気バートラック10および磁気記録トラ
ック12を備えている。磁気バートラック10は、固定
記憶領域に対応する。磁気記録トラック12は、可変記
憶領域に対応する。
【0057】図2は、図1に示す磁気記録カード2の磁
気バートラック10部分の断面構造(断面P1−P1)
を示す図面である。図2に示すように、磁気記録カード
2は、支持体4の上に、強磁性で高保磁力を有する材料
により構成された磁気記録層6、保護層8をこの順に積
み上げた積層構造を有している。
【0058】後述するように、磁気バートラック10の
走査方向Xにほぼ直交する方向にレーザ光を照射して、
磁気記録層6を切断することにより、磁性層存在部14
および磁性層欠如部16が形成される。すなわち、磁気
記録層6のうちレーザ加工により切除された部分が磁性
層欠如部16であり、取残された部分が磁性層存在部1
4である。
【0059】したがって、磁性層存在部14と磁性層欠
如部16との境界面18は、磁気バートラック10の走
査方向Xにほぼ直交するほぼ平坦な面となっている。
【0060】磁性層存在部14の走査方向Xの長さLA
は、長短2種類設定されている。磁性層欠如部16の走
査方向Xの長さLBも、同様である。これら、合計4種
類の磁性層存在部14および磁性層欠如部16を組合わ
せ走査方向Xに沿って配置するよう構成している。すな
わち、このような磁性層存在部14および磁性層欠如部
16の配列により、磁気バーコード20(図1参照)を
形成している。つまり、磁気バートラック10に形成さ
れた磁気バーコード20の形で、所望の情報が書換え不
能に磁気的に記録されることになる。記録すべき所望の
情報としては、たとえば個々の磁気記録カードを識別す
るための識別情報や、カードの使用可能金額がある。
【0061】図3は、図1に示す磁気記録カード2の磁
気記録トラック12部分の断面構造(断面P2−P2)
を示す図面である。図3に示すように、磁気記録トラッ
ク12部分は、磁気記録層6が走査方向Xに沿って連続
的に形成されており、通常の書換え可能な磁気記録部と
して機能する。
【0062】図4は、磁気記録カード2の製造工程を示
すフローチャートである。図4に基づいて、磁気記録カ
ード2の製造方法を説明する。まず、支持体4であるロ
ール状のPET(polyethylene terephthalate)フィル
ムを用意する。支持体4の素材としては、PETフィル
ム以外に、たとえば、ポリエステル、ポリエチレン、ナ
イロン等のプラスティックフィルム、貼り合わせプラス
チックシート、発泡プラスチックシート、銅、アルミニ
ウムなどの金属板、紙、ラミネート紙、合成紙、不織
布、網などを単体で、あるいは複合体として使用しても
よい。なお、この実施形態においては、支持体4の素材
として、ロール状のフィルムを用い、後の工程(ステッ
プS8)でこれをシート状にカットするようにしている
が、最初からシート状の素材を用いてもよい。
【0063】つぎに、支持体4の表面に、磁気記録層6
を形成する(ステップS2)。磁気記録層6の素材とし
ては、酸化クロム、酸化鉄、金属鉄、バリウムフェライ
ト等の強磁性体を用いる。上記素材を、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、セルロース系樹脂、エポキシ樹脂等の単体あるいは
混合系樹脂に分散して得られた塗料を、フィルム状の支
持体4の表面にグラビアコーティング、ナイフコーティ
ング、印刷等で塗工し、その後、乾燥硬化することによ
り、磁気記録層6を形成する。
【0064】なお、磁気記録層6を形成する方法として
は、塗工や印刷の他に、たとえば、蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング、噴霧等を行なったり、金属
布、金属箔の貼り込みを行なったりする方法がある。ま
た、これらを組合せて磁気記録層6を形成してもよい。
【0065】なお、磁気記録層6を形成する工程を、磁
場配向下で行なうことにより、磁気記録層6を配向塗工
することができる。この塗工工程で磁気記録層6を磁化
しておけば、後述する磁気記録カード2の照合処理時
に、磁気記録層6に直流磁場をかける必要はない。ま
た、カレンダー処理等により、磁気記録層6の表面を平
滑に仕上げると、照合処理の際の出力信号波形のSN比
がより高くなる傾向があるため、好都合である。
【0066】つぎに、磁気バーコード20をレーザ加工
により形成する(ステップS4)。磁気バーコード20
は、磁気バートラック10(図1参照)の磁気記録層6
を、レーザ光を用いて部分的に切除することにより行な
う。
【0067】図5に、このステップで使用するレーザ加
工装置21の構成を簡略化して示す。図7は、レーザ加
工装置21の信号処理経路およびレーザ光の照射光路を
示すブロック図である。図5に示すように、レーザ加工
装置21は、レーザ光を発生するレーザ発生装置22、
レーザ光を反射して所定方向に導くミラー24、レーザ
光を収束させるレンズ26、冷却用または加熱用の不活
性ガスなどを噴出するノズル30等により構成されてい
る。ミラー24およびレンズ26により、光学系28を
構成している。
【0068】レーザ光は、磁気バートラック10の走査
方向Xにほぼ直交する方向に照射される。照射されたレ
ーザ光は、照射光路の最後に設けられたスクリーン32
(マスク)のスリット34を介して、磁気記録層6に到
達する。
【0069】スクリーン32の平面構造を表わす図6に
示すように、スクリーン32には一つのスリット34が
設けられている。スリット34は、走査方向Xの幅d
が、前述(図2参照)の磁性層欠如部16の走査方向X
の長さLBの最小寸法以下になるよう形成されている。
なお、スリット34の走査方向Xに直交する方向の寸法
cは、磁気バーコード20の幅W(図1参照)とほぼ等
しくなるよう形成されている。
【0070】一方、レンズ26により収束させられたレ
ーザ光の、スクリーン32上におけるスポット44は、
スリット34よりも大きくなるよう設定されている。
【0071】したがって、図7に示すように、パーツハ
ンドラー40上をX1方向に搬送されるフィルム状の磁
気原反42に対し、制御用コンピュータ36を用いてレ
ーザ光を照射するタイミングを制御することにより、磁
気バートラック10(図1参照)上の所望の位置に、所
望の走査方向Xの長さを有する磁性層存在部14および
磁性層欠如部16(図2参照)を、所望の数量、形成す
ることができる。すなわち、同一のスリットパターンの
スクリーン32を用いて、個々の磁気記録カード2に対
して別々の識別情報を、書換え不能な磁気バーコード情
報として記録することができる。磁気原反42の搬送方
向X1の位置、速度等は、センサ38を介して制御用コ
ンピュータ36に、逐次取込まれ、レーザ光の照射タイ
ミングを決定する情報として用いられる。
【0072】なお、レーザ光による磁気記録層6の切断
に際しては、磁気記録層6を構成する磁性粉、磁性面の
吸収係数、切断深さ、切断速度、スクリーン32のスリ
ット34の開口面積等によりレーザ出力がきめられる。
この実施形態においては、少なくとも数ワット以上のレ
ーザビーム強度が必要であった。目的の強度がえられれ
ば、レーザ発生装置22のレーザ物質や、発振形態(パ
ルス発振、連続発振等)等はとくに限定しないが、たと
えばYAGレーザ、CO2レーザ 等を用いることがで
きる。
【0073】また、スクリーン32のスリット34の走
査方向Xの幅dは、磁気カードの強度、記録密度、外観
上の観点から、1 〜 500μm程度が好ましい。スリ
ット34の走査方向Xに直交する方向の寸法cすなわち
磁気バーコード20の幅Wは、後述する磁気ヘツドH1
(図9参照)の検出巾に近い方が、検出精度の点から好
ましい。
【0074】また、スクリーン32の材質は、レーザ光
で変形しにくいものであれば、特に限定はしない。スリ
ット加工が困難な場合、複数のスクリーンを組み合わせ
て微細なスリット34を構成してもよい。
【0075】また、必要であれば、レーザ加工時に発生
する切り子を除去するための吸塵設備(図示せず)を設
けてもよい。
【0076】なお、上述の実施形態においては、使用す
るレーザ光をパルス発振光とし、パルス幅の高速制御に
より照射、遮断を繰り返して磁気バーコード20を形成
するよう構成したが、使用するレーザ光を連続光とする
とともに、たとえばミラー24(図5参照)を揺動可能
とし、これによりレーザ光の照射方向を変化させること
で、レーザ光の照射、遮断を行ない、磁気バーコード2
0を形成するよう構成することもできる。
【0077】後述するように、このようにして形成され
た磁気バーコード20を読み取る際のSN比は、極めて
高い。これは、磁気バーコード20を構成する磁性層存
在部14と磁性層欠如部16との境界面18(図2参
照)が、磁気バートラック10の走査方向Xとほぼ直交
する平面を有していること、レーザー加工によりほぼ直
角のエッジ部E(図2参照)が得られること、等による
ものである。
【0078】すなわち、細いレーザービームで磁気記録
層6を切除して行くため、グラビアロールによるパター
ンコーティング加工のように、塗料やインクのレベリン
グにより凸部が変形するということがなく、また、エン
ボス加工のように、エンボス加工時のロールの物理的接
触による変形で凸部のエッジ部がつぶれるということが
ないためと考えられる。なお、この実施形態において
は、ノイズの大きさの数百倍の大きさの信号が得られ
た。
【0079】また、ノイズが小さいため、磁気バーコー
ド20の情報記録密度を上げることができる。この実施
形態においては、磁気バーコード20を構成する磁性層
存在部14、磁性層欠如部16の走査方向Xの最小寸法
を約0.05mmにすることが可能であった。このた
め、磁気バーコード20の情報記録密度を100〜40
0bpiにすることができた。
【0080】このようにして、磁気バーコード20を形
成した後、磁気記録層6を覆うように、保護層8(図2
参照)を形成する(ステップS6)。保護層8は磁気記
録層6を保護するために設けられる層で、1種以上のポ
リビニルアセタール、ポリビニルブチラール、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、エポキシ樹脂等の樹脂から形成される場合と、前
記の樹脂にアルミニウム、酸化チタン等の顔料や潤滑剤
等を分散させた塗料、インクから形成される場合とがあ
る。
【0081】なお、この層を形成した後の表面をスーパ
ーカレンダー等により平滑化することが好ましい。表面
を平滑化すれば、磁気記録層6に形成された磁気バーコ
ード20の凹凸パターンが、視覚を通じて判別すること
が困難となり、不正使用を防止することができる。
【0082】つぎに、上述の各工程を終了したフィルム
状の磁気原反42を、所定の縦横寸法を有するシート状
にカットし(ステップS8)、得られた各シートに印刷
を施す(ステップS10)。印刷は、保護層8の上に施
される。この工程で、磁気記録カード2に装飾性を持た
せる為の図柄(図示せず)や、カード使用約款(図示せ
ず)、機械による読み取りのための可視バーコード(図
示せず)、OP(オーバープリンティング)ニス等が印
刷される。印刷は上記保護層8と共に、磁気記録層6に
形成された磁気バーコード20の凹凸パターンの判別を
肉眼では困難にする作用がある。
【0083】つぎに、印刷後のシートをカットすること
により、最終形状の磁気記録カード2を得る。さらに、
得られた各磁気記録カード2の品質検査を行なう(ステ
ップS12)。このようにして、磁気記録カード2を製
造する。
【0084】図8は、磁気記録カード2の流通過程を示
すフローチャートである。図8に基づいて、製造された
磁気記録カード2が流通過程におかれ、使用される状況
を説明する。磁気塗工メーカーで製造された磁気記録カ
ード2は、カード発行会社に出荷され(ステップS1
4、S16)、カード発行会社において、書換え可能な
情報である所定の磁気情報の書込みが行なわれる(ステ
ップS18)。
【0085】磁気情報は、通常のカードライター(図示
せず)を用いて、磁気記録トラック12(図1参照)に
書込まれる。この工程において、カードの使用可能金
額、カード発行会社名等の情報が書込まれる。また、磁
気記録カード2の運用方法に応じて、他の情報も書込ま
れる。この実施形態においては、前述のステップS4に
おいて磁気バートラック10に記録された磁気バーコー
ド情報と同じ内容の情報を所定の方法で暗号化し、磁気
情報の形で磁気記録トラック12に記録するようにして
いる。このようにすれば、後述するように、小規模な磁
気カード運用システムにおける偽造防止に、とくに好都
合である。
【0086】磁気記録トラック12への磁気情報の書込
みが終了すると、磁気記録カード2の発行、販売がなさ
れ(ステップS20)、ユーザーは、これを購入する
(ステップS22)。
【0087】ユーザーが、磁気記録カード2を使用して
物品等を購入する際、磁気記録カード2に対する所定の
照合処理および使用度数の引き落とし処理が行なわれる
(ステップS24)。照合処理および引き落とし処理
は、カードリーダー/ライターを用いて行なわれる。こ
の実施形態におけるカードリーダー/ライター46のブ
ロック構成を図9に示す。
【0088】カードリーダー/ライター46は、磁気バ
ートラック10および磁気記録トラック12に、それぞ
れ対応する2個の磁気ヘッドH1,H2と、磁気バート
ラック10上にパンチ穴52を開ける打ち抜き機Pとを
備えている。このカードリーダー/ライター46は、従
来の2ヘッドのカードリーダー/ライターに、打ち抜き
機Pを追加することにより構成することができる。な
お、磁気ヘッドとして、リングヘッド、MR素子、ホー
ル素子等を用いることができる。
【0089】照合処理は、つぎのようにして行なわれ
る。カードリーダー/ライター46のカード挿入口(図
示せず)より挿入された磁気記録カード2は、搬送ベル
ト48によって、磁気ヘッド位置(図示せず)まで搬送
される。磁気ヘッド位置には、磁気記録カード2の磁気
バートラック10および磁気記録トラック12に対応す
る位置に、それぞれ専用の磁気ヘッドH1,H2が設置
されている。
【0090】磁気ヘッドH1により、磁気バートラック
10に記録された磁気バーコード20(図1参照)の内
容が読み取られる。上述のように、磁気バートラック1
0の磁気記録層6に形成された磁性層存在部14と磁性
層欠如部16との境界面18から漏洩する磁束のパター
ンは、極めてSN比の高いものであるため、図10に示
すように磁気ヘッドH1には、SN比の高い極めて明瞭
な出力電圧の凹凸パターンが生ずる。
【0091】一方、磁気ヘッドH2により、磁気記録ト
ラック12の所定の位置に記録された、前述の暗号化情
報(ステップS18)が読み取られる。
【0092】磁気ヘッドH1から読み取られた磁気バー
コード20の内容と、磁気ヘッドH2から読み取られた
暗号化情報は、マイクロコンピューターによって構成さ
れる制御装置50に送られ、両方の情報に矛盾がないか
確認される。
【0093】双方の情報に矛盾があった場合、磁気記録
カード2は搬送ベルト48によって逆送され挿入口より
排出される。
【0094】一方、双方の情報に矛盾がない場合、以下
の手順で引き落とし処理がおこなわれる。まず、搬送ベ
ルト48を逆転させ、磁気記録カード2を磁気ヘッド位
置まで戻し、磁気ヘッドH2により、磁気記録トラック
12の記録内容を、使用残高に応じた内容に書換える。
【0095】その後、磁気記録カード2はパンチ穴開け
部(図示せず)に搬送され、磁気バートラック10の磁
気バーコード20の所定領域に、パンチャーPにより使
用に応じてパンチ穴52が開けられる。
【0096】なお、パンチ穴52の形状には特に制限は
なく、円形の他、多角形、星状等であってもよい。パン
チ穴52の大きさは、磁気バートラック10に形成され
ている磁気バーコード20の前記所定領域部分の出力が
読み出し困難になる程度の大きさが必要である。すなわ
ち磁気トラック幅の1/5以上、望ましくは1/3以
上、さらに望ましくは1/2以上であることが好まし
い。
【0097】パンチ穴開け後、磁気記録カード2は再び
磁気ヘッド位置まで逆送され、書き換え後の磁気記録ト
ラック12の記録内容と矛盾しない位置に確実にパンチ
穴52があけられたか、すなわち磁気バーコード20の
所定領域の磁気信号が消滅したかが、磁気ヘッドH1に
より確認される。その後、磁気記録カード2は、挿入口
より排出される。
【0098】上述の処理により、使用残高が「0」とな
った場合は、以後、この磁気記録カード2の使用は不能
となる(ステップS26、S28)。
【0099】上述のように、この実施形態においては、
磁気バーコード20の内容を、各磁気記録カード2ごと
に異ならせることができる。したがって、多くの磁気記
録カード2の打ち抜き片の中から、偽造しようとする磁
気記録カード2の磁気バーコード20のパンチ穴片と同
一のパンチ穴片を、正確に選び出すことのできる確率は
極めて小さく、偽造が殆ど不可能である。
【0100】また、パンチ穴の打ち抜き片で磁気バート
ラック10のパンチ穴52を埋め込む際にできる不連続
線で生じる磁気信号は、無視できる程度まで小さくする
ことが困難である。したがって、万一、同一の打抜き片
が得られたとしても、パンチ穴埋めによって、かえって
磁気記録トラック12の暗号化信号には存在しない磁気
信号を、磁気バートラック10に作成すると同様の結果
を招く。このため、このような偽造カードは、照合処理
において排除される。すなわち、本発明に係わる不正使
用防止方法を用いた場合、偽造再生は事実上不可能に近
い。
【0101】また、上述の照合方法においては、照合処
理に用いる参照用の暗号化信号を、各磁気記録カード2
自体に記録している。したがって、ホストコンピュータ
との間で照合処理を行なう必要がない。このため、オン
ライン化されていない比較的小規模な磁気カード運用シ
ステムにおいても有効に不正使用防止を図ることができ
る。
【0102】つぎに、図11に、この発明の他の実施形
態による磁気記録カード62の構成を模式的に表わした
斜視図を示す。磁気記録カード62は、使用にしたがっ
てパンチ穴72があけられる運用用の磁気バートラック
64(固定記録領域)、および、照合処理の際に参照す
べき基準信号を記録した参照用の磁気バートラック66
(第2の固定記録領域)の、2つの磁気バートラックを
備えている点で、磁気バートラック10、磁気記録トラ
ック12をそれぞれ一つずつ備えた図1の磁気記録カー
ド2と異なる。その他の構造は、磁気記録カード2と同
様である。
【0103】製造工程において、2つの磁気バートラッ
ク64、66には、レーザ加工により、同一パターンの
磁気バーコード68、70が形成される。照合処理、引
き落とし処理は、図9に示すカードリーダー/ライター
46と同様の装置を用い、磁気記録カード2の場合と同
様に行なわる。つまり、使用残高に応じたパンチ穴72
が、運用用の磁気バーコード68の所定領域にあけられ
る。ただし、参照用の磁気バーコード70は、なんら変
更されない。
【0104】使用残高を示す運用用の磁気バーコード6
8に基づく磁気信号と、同時に読み取られる参照用の磁
気バーコード70に基づく磁気信号の、特定部分の特徴
が一致するときにのみ、該磁気記録カード62が有効と
なるシステムとなっている。
【0105】なお、運用用の磁気バートラック64、参
照用の磁気バートラック66に加え、通常の磁気信号を
記録するための書換え可能な磁気記録トラック(図示せ
ず)を、さらに追加して設けるよう構成することもでき
る。
【0106】つぎに、図12に、この発明のさらに他の
実施形態による磁気記録カード82の構成を模式的に表
わした斜視図を示す。磁気記録カード82は、1本の磁
気トラック84が、磁気バーコード86を形成する磁気
トラックと、通常の磁気信号を記録する磁気トラックを
兼ねる点で、これらの磁気トラックを別々に設けた図1
の磁気記録カード2と異なる。その他の構造は、磁気記
録カード2と同様である。
【0107】図12に示すように、磁気トラック84に
は、運用用の磁気バーコード86と、参照用の磁気記録
部88が形成されている。運用用の磁気バーコード86
は、図1に示す磁気記録カード2の磁気バーコード20
と同様の機能を果し、参照用の磁気記録部88は、磁気
記録カード2の磁気記録トラック12と同様の機能を果
す。
【0108】上述の場合同様、照合処理、引き落とし処
理は、図9に示すカードリーダー/ライター46と同様
の装置を用い、磁気記録カード2の場合と同様に行なわ
る。つまり、使用残高に応じたパンチ穴92が、運用用
の磁気バーコード86の所定領域にあけられる。ただ
し、運用用の磁気バーコード86と、参照用の磁気記録
部88がひとつの磁気トラック84に形成されているた
め、図9に示すカードリーダー/ライター46の磁気ヘ
ッドH2は、不要である。このため、カードリーダー/
ライターの構造が簡単になる。
【0109】なお、パンチ穴92を不正にふさいだ時の
不連続線で新たに発生する波形が容易に判読できるよう
に、磁気トラッック84の磁気記録部88近傍には本来
の磁気情報を記録しない無信号部90を設定しておくこ
とが好ましい。無信号部90はパンチ穴92よりも若干
広く設定しておくのが好ましい。
【0110】つぎに、図13に、この発明のさらに他の
実施形態による磁気記録カード102の断面構成を示
す。磁気記録カード102は、磁気記録層6と保護層8
との間に、磁気記録の不可視化のための磁気シールド層
104を形成し、この磁気シールド層104に磁気バー
コード20(図1参照)を形成した点で、磁気シールド
層を設けず、磁気記録層6に磁気バーコード20を形成
した図2の磁気記録カード2と異なる。
【0111】磁気シールド層104は、センダスト、パ
ーマロイ等の軟磁性材料粉を、ポリウレタン樹脂、ポリ
エステル樹脂、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、セル
ロース樹脂等の単体あるいは混合物に分散させて得られ
た塗料を、磁気記録層6の上にグラビアコーティング、
ナイフコーティング、印刷等によって塗工し、その後、
乾燥硬化することにより形成される。
【0112】磁気シールド層104に含有される高透磁
率の軟磁性粉により磁気記録層6の磁束を遮蔽すること
で、磁気記録トラック12(図1参照)に記録された磁
気信号のパターンを外部に漏れなくすることができる。
【0113】一方、部分的に磁気シールド層104が切
除された磁気記録トラック10(図1参照)において
は、磁気バーコード20に対応した磁束の漏れが生ず
る。これを、前述の、図9に示すカードリーダー/ライ
ター46の磁気ヘッドH1で読み取ることになる。この
場合、磁束の漏れ量が少ないときは、読み取り時に、所
定の直流磁場をかけ、直流磁場の下で、磁気バーコード
20に対応した磁束の漏れを読み取ればよい。
【0114】なお、レーザー光を用いて磁気バーコード
20を形成する際、レーザー光の強度等を調整すること
により、レーザー光が、磁気シールド層104のみなら
ず磁気記録層6をも切除するように構成することもでき
る。すなわち、磁気シールド層104および磁気記録層
6の2層に渡り、磁気バーコード20を形成することも
できる。
【0115】つぎに、図14に、この発明のさらに他の
実施形態による磁気記録カード112の断面構成を示
す。図14の磁気記録カード112は、磁気記録層6と
保護層8との間に磁気シールド層104を形成した点で
図13に示す磁気記録カード102と共通するが、磁気
記録層6に磁気バーコード20(図1参照)を形成した
点で、磁気シールド層104に磁気バーコード20を形
成した図13の磁気記録カード102と異なる。磁気記
録カード112の製造方法については、後に詳述する。
【0116】なお、上述の各実施形態においては、照合
処理の際に基準となる参照用の信号を、磁気記録カード
自体に記録しておくよう構成したが、参照用の信号を、
カードリーダ/ライター46の制御装置50内のマイク
ロコンピュータにあらかじめ記憶させておいたり、カー
ドリーダ/ライター46に接続されている上位のホスト
コンピュータに記憶させておくよう構成することもでき
る。
【0117】また、上述の各実施形態においては、レー
ザー加工により磁気バーコード20等を形成する際、同
一のスリットパターンのスクリーン32を用いて、種々
のパターンの磁気バーコードを形成するよう構成した
が、各磁気バーコードごとに異なるマスクパターンのス
クリーンを用いるよう構成することもできる。
【0118】また、磁気バーコードを形成する方法とし
ては、上述のレーザ加工以外に、たとえば、所定のマス
クパターンのスクリーンを介して、磁気記録層等の一部
をドライエッチングする方法等もある。
【0119】また、上述の各実施形態においては、磁気
バーコードを1つまたは2つの磁気トラックに形成する
よう構成したが、磁気バーコードを3つ以上の磁気トラ
ックに形成してもよい。さらに、カード上の全磁気トラ
ックに磁気バーコードを形成し、複数の磁気トラックに
おいてパンチ穴を開けるよう構成することもできる。こ
のようにすれば、磁気記録カードを偽造再生できる確率
をさらに低下させることができる。
【0120】なお、複数の磁気トラックに磁気バーコー
ドを形成する場合、磁気バーコードの一部のみを照合処
理に使用するよう構成することもできる。使用しない磁
気バーコード部分はダミーとしてもよいし、通常の記録
用に用いてもよい。
【0121】また、上述の各実施形態においては、1つ
の磁気バーコードを、一つの磁性層または、連続して積
層された2つの磁性層に形成するよう構成したが、磁気
的に検知可能であれば、異なる磁気バーコードを2層以
上の磁性層にそれぞれ形成してもよい。たとえば、図1
3において、磁気記録層6と磁気シールド層104とに
別々の磁気バーコードを形成することもできる。
【0122】このように、使用する磁気バーコードのパ
ターン数、磁気バーコードを形成する磁気トラックの
数、打ち抜くパンチ穴数、磁気バーコードを形成する磁
性層の数をそれぞれ増加させることにより、磁気記録カ
ードを偽造できる確率は低下する。
【0123】また、磁気記録層6や磁気シールド層10
4以外にも、漏洩磁束に影響を与えるような磁性材料で
構成される全面的な磁性層や部分的な磁性層を設け、そ
の少なくとも一部にレーザー加工等によって磁気バーコ
ードを形成することもできる。この場合、磁気バーコー
ドを形成する磁性層として、強磁性体により構成された
層を用いたり、強磁性体により構成された層と軟磁性体
により構成された層とを連続して用いたりする他、軟磁
性体により構成された層を単独で用いることもできる。
ただし、軟磁性体により構成された層を単独で用いる場
合には、軟磁性体自体の保磁力が極めて小さいため、磁
気バーコードの読み取りに際して、磁場をかける必要が
ある。
【0124】また、磁気カードの機能を多様化するた
め、たとえば図13における磁気シールド層104と保
護層との間等に目視可能情報記録層(図示せず)を形成
することもできる。目視可能情報記録層は磁気記録カー
ドの使用残高等の情報を、肉眼で確認できる文字情報と
して記録する必要がある場合に設けられる層で、錫等の
蒸着膜を形成し、その膜を熱破壊して記録するタイプや
ロイコ染料等の感熱発色型の染料を塗布して記録層を形
成し、その層に熱記録するタイプ等がある。さらに、磁
気カードの機能を多様化するため、両面磁気塗工、凹凸
加工、光学マーク加工等を行なうこともできる。
【0125】なお、上述の実施形態においては、磁気記
録カードとして、プリペイドカードを例に説明したが、
この発明は、磁気記録領域を備えたキャッシュカード、
クレジットカード、乗車券、定期乗車券、通行券、ID
カード等にも適用することができる。さらに、この発明
は磁気記録カードのみならず、円板状の磁気記録媒体、
帯状の磁気記録媒体等、磁気記録媒体全般に適用するこ
とができる。
【0126】なお、上述の各実施形態においては、図2
に示すように、磁気バートラック10(図1参照)等の
固定記録領域を構成する磁性層存在部14の走査方向X
の長さLAを、長短2種類設定するとともに、磁性層欠
如部16の走査方向Xの長さLBも長短2種類設定し、
これら合計4種類の磁性層存在部14および磁性層欠如
部16を組合わせ走査方向Xに沿って配置することで、
磁気バーコード20等を形成するよう構成したが、この
発明はこれに限定されるものではない。
【0127】たとえば、固定記録領域に記録する情報
が、個々の磁気記録カードを識別するための識別情報で
あるような場合には、固定記録領域を構成する磁性層存
在部14の走査方向Xの長さLAまたは磁性層欠如部1
6の走査方向Xの長さLBのうち、少なくとも一方の走
査方向の長さをランダムに与えるよう構成することもで
きる。このようにして固定記録領域に記録された情報
を、磁気ランダムシグナルと呼ぶ。
【0128】図15に、磁気ランダムシグナルが形成さ
れた磁気バートラック10部分(図1参照)の断面構造
を示す。この磁気ランダムシグナル220は、磁性層存
在部14の走査方向Xの長さLAをランダムに与えると
ともに、磁性層欠如部16の走査方向Xの長さLBを一
定としている。磁性層存在部14の走査方向Xの長さL
Aをランダムに与える方法は種々あるが、たとえば、L
Aを、所定の最小値LAminとLAmaxとの間で予め設定
された不連続な値LA1、LA2、・・・LAnの中から
ランダムに選択する方法や、LAを、所定の最小値LA
minとLAmaxとの間でランダムに決定された連続的な値
とする方法などがある。
【0129】なお、磁気ランダムシグナルは、磁性層存
在部14の走査方向Xの長さLAを一定とするととも
に、磁性層欠如部16の走査方向Xの長さLBをランダ
ムに与えるようにしてもよい。また、磁性層存在部14
の走査方向Xの長さLAおよび磁性層欠如部16の走査
方向Xの長さLBを、ともにランダムに与えるようにし
てもよい。
【0130】図16に、固定記録領域である磁気バート
ラック10(図1参照)に磁気ランダムシグナルが形成
された磁気記録カード202の製造工程を示すフローチ
ャートを示す。図16に示すように、磁気記録カード2
02の製造工程は、磁気記録カード2(図2参照)の製
造工程(図4参照)とほぼ同じである。ただし、磁気記
録カード202の製造工程においては、磁気バーコード
(図4、ステップS4参照)ではなく、磁気ランダムシ
グナルを形成する(図16、ステップS5参照)点で、
磁気記録カード2の製造工程と異なる。
【0131】したがって、ここでは、磁気ランダムシグ
ナルを形成するステップ(図16、ステップS5参照)
について説明する。なお、磁気記録カード202に用い
られる磁性材料は、前述の磁気記録カード2の場合と同
様に、通常のプリペイドカード等に使用されるものが使
用できる。すなわち、飽和磁化10〜300emu/
g、保持力1〜5000エルステッド、粒径0.01〜
100μmの鉄化合物、クロム化合物、ニッケル化合
物、またはコバルト化合物、たとえば、鉄、磁鉄鉱、γ
−フェライト、コバルトドープのγフェライト、ストロ
ンチュウムフェライト、クロム鋼、コバルト鋼、MK
鋼、KS鋼、二酸化クロム、コバルト鉄、メタル鉄、セ
ンダスト合金、パーマロイ合金、または鉄アモルファス
合金等が使用できる。これらの球状、棒状、フレーク
状、板状、または不定形の材料1種類以上を、単独また
は混合して用いる。また、磁性材料の使用量としては
0.1〜10.0Mx/cm、好ましくは0.5〜5.
0Mx/cmである。
【0132】さて、磁気ランダムシグナル220は、前
述の磁気バーコード20((図2参照)の場合と同様
に、磁気バートラック10(図1参照)の磁気記録層6
を、レーザ光を用いて部分的に切除することにより行な
う。このステップで使用するレーザ加工装置としては、
前述のように、スリット34を有するスクリーン32を
レーザ光の照射光路の最後に設けたレーザ加工装置21
(図5参照)を用いてもよい(なお、図5に示すレーザ
加工装置21を用いた場合の例を、後述する「実施例
3」に示す。)が、図17に示すような構成のレーザ加
工装置221を用いることもできる。
【0133】図19は、レーザ加工装置221の信号処
理経路およびレーザ光の照射光路を示すブロック図であ
る。図17に示すように、レーザ加工装置221は、レ
ーザ光を発生するレーザ発生装置22、レーザ光を反射
して所定方向に導くミラー24、レーザ光を収束させる
レンズ226、冷却用または加熱用の不活性ガスなどを
噴出するノズル30等により構成されているとともに、
ミラー24およびレンズ226により、光学系28を構
成している点で、前述(図5参照)のレーザ加工装置2
1と共通する。また、レーザ光が、磁気バートラック1
0の走査方向Xにほぼ直交する方向に照射される点も、
前述(図5参照)のレーザ加工装置21と同様である。
【0134】しかし、本実施形態においては、レーザ光
を収束させるレンズ226としてシリンドリカル(円
筒)レンズを用い、図18に示すように、磁気記録層6
に投射されるレーザ光のスポット244がかなり小さく
なるように絞り込んでいる。このため、前述のレーザ加
工装置21のように、スリット34を有するスクリーン
32をレーザ光の照射光路の最後に設ける必要はない。
【0135】レンズ226により形成されるスポット2
44は、走査方向Xの幅d1が、図15に示す磁性層欠
如部16の走査方向Xの長さLB以下になるよう設定さ
れている。なお、スポット244の走査方向Xに直交す
る方向の寸法c1は、磁気バートラック10の有効幅W
よりもやや大きくなるよう設定されている。
【0136】したがって、小さいスポット244に絞り
込まれた密度の高いレーザ光を無駄なく用いて磁気記録
層6の加工を行なうことができる。このため、投射され
たレーザ光のうちスリット34を透過したレーザ光のみ
を用いて磁気記録層6の加工を行なう前述のレーザ加工
装置21に比し、エネルギの利用効率が高い。この結
果、同じ出力のレーザ発生装置22を用いる場合には、
より高速度で磁気記録層6の加工を行なうことができ
る。なお、前述の各実施形態(図2に示す磁気記録カー
ド2を製造する場合など)においても、レーザ加工装置
21のかわりに、図17に示すような構成のレーザ加工
装置221を用いることができる。
【0137】図19に示すように、パーツハンドラー4
0上をX1方向に搬送されるフィルム状の磁気原反42
に対し、制御用コンピュータ36を用いてレーザ光を照
射するタイミングを制御することにより、磁気バートラ
ック10(図1参照)上の所望の位置に、所望の走査方
向Xの長さを有する磁性層存在部14および磁性層欠如
部16(図15参照)を、所望の数量、形成することが
できる。
【0138】この実施形態においては、磁性層欠如部1
6の長さLBに対応するレーザ光の照射時間を一定にす
るとともに、磁性層存在部14の長さLAに対応するレ
ーザ光の非照射時間を、制御用コンピュータ36により
発生された乱数等を用いて、ランダムに決定している。
【0139】このようにして、個々の磁気記録カード2
02に対して別々のランダムな識別情報を、書換え不能
な磁気ランダムシグナルとして記録することができる。
【0140】なお、この実施形態においては、レンズ2
26により形成されるスポット244の幅d1を、0.
3〜0.4mmとしたが、スポット244の幅d1は、
0.3mm以下としてもよいし、0.4mm以上として
もよい。ただし、スポット244の幅d1を小さくすれ
ば、より桁数の大きい磁気ランダムシグナルを書込むこ
とができる。
【0141】また、磁性層欠如部16の長さLBは特に
制限されるものではないが、10μm〜100mm程度が
好ましい。より好ましくは、50μm〜5mm程度であ
る。ただし、磁性層欠如部16の長さLBは、スポット
244の幅d1より小さくすることはできない。なお、
磁性層存在部14の長さLAは、50μm以上が好まし
い。
【0142】また、後述するカードリーダー/ライター
46の磁気ヘッドH1(図9参照)により、磁気バート
ラック10に記録された磁気ランダムシグナル220の
内容を読取る際、複数のカードリーダー/ライター46
間で、磁気ヘッドH1の位置が多少バラついていても安
定した読取り結果が得られるように、磁気バートラック
10の有効幅Wは、磁気ヘッドH1の読み取り巾よりも
十分大きくとることが好ましい。具体的には、磁気バー
トラック10の有効幅Wは、0.1mm〜100mm程度が好まし
い。より好ましくは、1mm〜10mm程度である。
【0143】なお、この実施形態においては、使用する
レーザ光をパルス発振光とし、パルス幅を制御すること
により照射、遮断を繰り返して磁気ランダムシグナル2
20を形成するよう構成したが、前述の実施形態(図2
参照)と同様に本実施形態においても、使用するレーザ
光を連続光とするとともに、ミラー24(図17参照)
を揺動可能とし、これによりレーザ光の照射方向を変化
させることで、レーザ光の照射、遮断を行ない、磁気ラ
ンダムシグナル220を形成するよう構成することもで
きる。
【0144】このようにして、磁気ランダムシグナルを
形成するステップ(図16、ステップS5参照)が実行
される。磁気記録カード202を製造する他のステップ
(図16、ステップS2、ステップS6〜ステップS1
2参照)は、前述の磁気記録カード2を製造するステッ
プ(図4、ステップS2、ステップS6〜ステップS1
2参照)と同様に実行される。このようにして、磁気記
録カード202が製造される。
【0145】なお、磁気記録層6を部分的に除去する方
法は、レーザ光を用いる方法に限定されるものではな
い。たとえば、磁気記録層6の一部を針等を用いて機械
的に除去する方法もある。
【0146】また、磁気記録層6を部分的に除去する
際、完全に除去するようにしたが、磁気記録層6を部分
的に除去する際、当該磁気記録層6の厚さの一部を残し
て除去するようにしてもよい。このようにすれば、図1
5の磁性層存在部14に対応する部分の磁気記録層6の
厚さは元のままであるが、磁性層欠如部16に対応する
部分の磁気記録層6の厚さは、これよりも薄くなる。境
界面18から漏洩する磁束の分布が、明瞭な凹凸パター
ンを形成するのであれば、このように構成することもで
きる。
【0147】また、複数の支持体を貼り合わせて磁気記
録カードを構成する場合には、該複数の支持体の間に磁
気記録層6を形成するよう構成することも可能である。
【0148】磁気記録カード202の流通過程は、前述
の磁気記録カード2の流通過程(図8参照)と、ほぼ同
じである。すなわち、磁気記録カード2の場合と同様
に、磁気塗工メーカーで製造された磁気記録カード20
2は、カード発行会社に出荷され(図8、ステップS1
4、S16参照)、カード発行会社において、書換え可
能な情報である所定の磁気情報の書込みが行なわれる
(図8、ステップS18参照)。
【0149】前述の磁気記録カード2の場合と同様に、
図16のステップS5において磁気バートラック10に
記録された磁気ランダムシグナルと同じ内容の情報を、
所定の方法で暗号化し、磁気情報の形で磁気記録トラッ
ク12に記録するようにしている。
【0150】磁気記録トラック12への磁気情報の書込
みが終了すると、磁気記録カード202の発行、販売が
なされ(図8、ステップS20参照)、ユーザーは、こ
れを購入する(図8、ステップS22参照)。
【0151】ユーザーが、磁気記録カード202を使用
して物品等を購入する際、磁気記録カード202に対す
る所定の照合処理および使用度数の引き落とし処理が、
たとえば図9に示すようなカードリーダー/ライター4
6を用いて行なわれるのも、前述の磁気記録カード2の
場合と同様である(図8、ステップS24参照)。
【0152】磁気記録カード202の照合処理につい
て、やや詳しく説明する。磁気記録カード202の場合
も、磁気記録カード2の場合と同様に、まず、図9に示
すカードリーダー/ライター46の磁気ヘッドH1によ
り、磁気バートラック10に記録された磁気ランダムシ
グナル220(図20、(a)参照)の内容が読み取ら
れる。
【0153】前述の磁気記録カード2の場合と同様に、
磁気バートラック10の磁気記録層6に形成された磁性
層存在部14と磁性層欠如部16との境界面18から漏
洩する磁束のパターンは、極めてSN比の高いものであ
るため、図20(b)に示すように磁気ヘッドH1に
は、SN比の高い極めて明瞭なアナログ信号出力が生ず
る。なお、この実施形態においては、境界面18のう
ち、磁気ヘッドH1が磁性層欠如部16から磁性層存在
部14へ移行するときの境界面18が、磁気被検出部に
対応する。
【0154】得られたアナログ信号出力は、適当に増幅
された後、所定のしきい値電圧Vthで2値化される。こ
のようにして2値化された磁気ヘッドH1の出力を図1
5(c)に示す。
【0155】図21(a)に示す2値化された磁気ヘッ
ドH1の出力は、制御装置50により所定のアルゴリズ
ムにしたがって暗号化される。暗号化のアルゴリズムは
種々考えられている。たとえば、図21(a)に示す2
値化された磁気ヘッドH1の出力と、同(b)に示すよ
うな暗号キーとの排他論理和をとるようなアルゴリズム
もある。同(b)は、このアルゴリズムにより暗号化さ
れた磁気ヘッドH1の出力である。
【0156】一方、図9の磁気ヘッドH2により、磁気
記録トラック12の所定の位置に記録された、前述の暗
号化情報(ステップS18)が読み取られる。磁気ヘッ
ドH1から読み取られたのち暗号化された出力(図21
(c)参照)と、磁気ヘッドH2から読み取られた暗号
化情報は制御装置50に送られ、両方の情報に矛盾がな
いか確認される。
【0157】このようにして、照合処理が行なわれた
後、前述の磁気記録カード2の場合と同様に、使用度数
の引き落とし処理などが行なわれ、使用残高が「0」と
なった場合は、以後、この磁気記録カード202の使用
は不能となる(図8、ステップS26、S28参照)。
【0158】
【実施例】以下の実施例1および実施例2において、図
14示す磁気記録カード112(前述)の各層の形成法
の具体例を説明する。また、実施例3において、1層磁
気層の磁気記録カード202を、図5に示すレーザ加工
装置21を用いて製造する場合の製造方法等の具体例を
説明する。実施例4において、2層磁気層の磁気記録カ
ード(図13参照)を、図17に示すレーザ加工装置2
21を用いて製造する場合の製造方法等の具体例を説明
する。ただし、本発明はこれらの例に限定されるもので
はない。また、特に断りのない場合、有機溶剤であるメ
チルエチルケトン、トルエンを除く以下の実施例のすべ
ての部は固形分重量部である。
【0159】また、実施例3または実施例4と比較する
目的で、この発明と異なる、比較例1および比較例2つ
いて説明する −実施例1− 図14に本発明に係る磁気記録カード112の断面を示
した。
【0160】<磁気記録層塗工>下記配合の磁性塗料を
サンドミルにて混合分散後、下記量のイソシアネート系
硬化剤を添加し、支持体4である厚さ188μmのPE
T(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上にグラビ
アコーティングし、乾燥硬化して厚さ15μmの磁気記
録層6を形成した。
【0161】 バリウムフェライト粉(保磁力1700エルステッド) 100部 ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製 ニッポランN−3113) 部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製 エスレックA) メチルエチルケトン 120部 トルエン 60部 イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートL) <磁気記録の有無パターンの形成>図5に示すように、
レーザ加工装置21であるCO2レーザー加工機(定格
2KW)を用いて、磁気原反42の磁気バートラック1
0(図1参照)の位置に相当する部分に、スクリーン3
2のスリット34を介して、照射エネルギー200Wで
レーザー光を照射した。磁気原反42の搬送速度(X1
方向)は、2000mm/秒であった。このようにし
て、上記磁気記録層6に、磁気バートラック10の走査
方向Xと直交する方向(図面5の紙面と直交する方向)
に長手方向を持つ、以下の線状の溝を形成した。
【0162】 長さ(mm) 深さ(μm) 線数(本) 溝幅(μm) 6.0 約17 1 約70 6.0 約20 1 約140 、の各線間の距離は約200μmである。
【0163】<磁気シールド層塗工>上記の磁気記録層
6上に、下記配合の塗料をグラビアコーティングし、厚
さ30μmの磁気シールド層104を形成した。
【0164】 センダスト粉(偏平状) 100部 (平均厚さ1.0μm、平均直径15.0μm、アスペクト比15) ポリウレタン樹脂 25部 (日本ポリウレタン工業株式会社製 ニッポランN−3113) 分散剤(燐酸エステル系) 3部 メチルエチルケトン 64部 トルエン 64部 <保護層塗工>上記磁気記録層104上に、下記原料を
ホモミキサーで撹拌して得られた保護層塗料をグラビア
コーテイングし、厚さ5μmの保護層8を形成した。
【0165】 アルミフレーク 40部 (旭化成工業株式会社製 M−301) ポリウレタン樹脂 15部 (日本ポリウレタン工業株式会社製 ニッポランN−3113) 部分ケン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 15部 (積水化学工業株式会社製 エスレックA) ポリエチレンワックス 40部 (ヘキストジャパン株式会社製 10%トルエン分散液 S150D) メチルエチルケトン 170部 トルエン 60部 イソシアネート系硬化剤 10部 (日本ポリウレタン工業株式会社製 コロネートL) −実施例2− 実施例1と同様、磁気記録層6を塗工したあと磁気記録
層6の所定位置にレーザー光を照射することで、磁気記
録層6に、磁気バートラック10の走査方向Xと直交す
る方向に長手方向を持つ、以下の線状の溝を形成した。
具体的には、波長1.06μm、出力14WのYAGレ
ーザーを用いた。磁気原反42の搬送速度(X1方向)
は、実施例1と同様、2000mm/秒であった。
【0166】 長さ(mm) 深さ(μm) 線数(本) 線幅(μm) 6.0 約 3 1 約150 6.0 約 3 2 約150 、の各線間の距離は約150μmである。
【0167】実施例1と同様に、さらに磁気記録層6の
上に厚さ30μmの磁気シールド層104を形成し、そ
の後、厚さ5μmの保護層8を、磁気シールド層104
上にグラビアコーティングにて積層して、表面を平滑に
した。
【0168】−実施例3− 図15に、本発明に係る磁気記録カード202の断面を
示す。支持体4として、厚さ188μmの乳白ポリエス
テルフィルムを用いた。
【0169】磁性材料として保持力2750エルステッ
ド、平均粒径0.7μmのバリウムフェライト80部を
用い、バインダーとしてイソシアネート架橋ウレタン樹
脂20部を用いた溶剤系磁性塗料を、中心磁界3000
ガウスのNN対向永久磁石の配向磁場下で、飽和磁束密
度1.6Mx(マクスウェル)/cm、角形比89%に
なるようマイヤーバーを用いて塗工、乾燥することによ
り、磁気記録層6を作成した。
【0170】磁性層欠如部16は、20ミリワットのY
AGレーザを用いて、磁気記録層6を部分的に除去する
ことにより形成した。磁気記録層6の除去は、磁気記録
カード202を走行させながら、d=100μm、c=
4mmのスリット34(図6参照)を有する厚さ1mmのス
テンレス板により構成されたスクリーン32を介して、
レーザをランダムに照射することにより行なった(図5
参照)。これにより、磁気バートラック10(図1参
照)上に、図15に示すような、磁気ランダムシグナル
220を形成した。
【0171】このようにして形成した磁気記録カード2
02について、磁性層欠如部16を含む磁気ランダムシ
グナル220を、図20に示すように、巾(図20の紙
面奥行方向の寸法)が1mmであるリングヘッドタイプの
磁気ヘッドH1を用いて走査したところ、磁性層欠如部
16の両端部(境界面18)にて、±600mVのアナロ
グ信号出力を得た。+300mVのしきい値電圧Vthでこ
のアナログ信号出力を2値化したところ、境界面18の
ランダム性に相当する2値化データが得られた。磁気ヘ
ッドH1を走査方向Xに直交する方向(図20の紙面奥
行方向)に1mmずらして走査したところ、同じ2値化デ
ータを得た。
【0172】−実施例4− 図13に示す磁気シールド層104に磁気ランダムシグ
ナルが形成された、2層磁気層の磁気記録カードの製造
方法等を説明する。
【0173】この実施例による磁気記録カードにおいて
は、支持体4として、厚さ188μmの乳白ポリエステ
ルフィルムを用いた。
【0174】磁性材料として保持力2750エルステッ
ド、平均粒径0.7μmのバリウムフェライト80部を
用い、バインダーとしてイソシアネート架橋ウレタン樹
脂20部を用いた溶剤系磁性塗料を、中心磁界3000
ガウスのNN対向永久磁石の配向磁場下で、飽和磁束密
度1.6Mx/cm、角形比89%になるようマイヤー
バーを用いて塗工、乾燥することにより、磁気記録層6
を作成した。
【0175】さらに磁気シールド材として保磁力7エル
ステッド、平均粒径12μmのセンダスト粉80部を用
い、バインダーとしてイソシアネート架橋ウレタン樹脂
20部を用いた溶剤系磁性塗料を、中心磁界2000ガ
ウスの直流電磁石の水平配向磁場下で飽和磁束密度0.
8Mx/cm,角形比88%になるようマイヤーバーを
用いて塗工、乾燥することにより、磁気シールド層10
4を作成した。このようにして、2層磁気層の磁気記録
カードを作成した。
【0176】磁性層欠如部は、20ミリワット、パルス
巾1msecのYAGレーザを用いて、磁気シールド層10
4を部分的に除去することにより作成した。磁気記録カ
ードを走行させながら、シリンドリカルレンズ226
(図17参照)を通して、レーザ光をランダムに照射す
ることで、磁気シールド層104を部分的に除去した。
このようにして、磁気記録カードの走行方向に0.5m
m、走行方向に直交する方向に3mmの寸法を有する長方
形の磁性層欠如部を形成した。
【0177】このようにして形成した磁気記録カードに
ついて、磁性層欠如部を含む磁気シールド層104を、
バイアス磁界付きのリングヘッドタイプの磁気ヘッドH
1を用いて走査したところ、磁性層欠如部の両端部に
て、±1000mVのアナログ信号出力を得た。+500
mVのしきい値電圧Vthでこのアナログ信号出力を2値化
したところ、磁性層欠如部の両端部のランダム性に相当
する2値化データが得られた。
【0178】−比較例1− 木材パルプNBKP100部と、長さ2mm、太さ10μ
mのステンレス繊維0.2部とを水中に分散し、金網で
抄いた後、乾燥させることにより、米坪109g/m2、紙
厚179μmの磁性金属抄き込み紙を作製し、この磁性
金属抄き込み紙を用いて、図22Aに示すような、カー
ド510を形成した。
【0179】カード510の表面を、ホール素子型の磁
気センサーを用いて、走査したところ、走査線530上
に存する磁性繊維512の位置に対応した出力が得られ
た。磁気センサーを、走査方向に直行する方向(Y方
向)に1mmずらして走査したところ、異なる磁気出力パ
ターンが得られた。
【0180】−比較例2− 実施例3と同様の磁気記録層6が形成された磁気記録カ
ード(磁気ランダムシグナル220未形成)を用意し、
刃物等を用いて不定形に磁性層欠落部を手動で形成する
ことにより、図22Bに示すような、カード520を得
た。
【0181】磁性層欠落部522を含むトラックを、巾
1mmのリングヘッド型の磁気センサーを用いて、走査し
たところ、走査線530上に存する磁性層欠落部522
の位置に対応したアナログ信号出力が得られた。このア
ナログ信号出力を、300mVのしきい値で2値化したと
ころ、磁性層欠落部522のランダム性に相当する2値
化データが得られた。磁気センサーを、走査方向に直行
する方向(Y方向)に0.5mmずらして走査したとこ
ろ、異なる2値化データが得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による磁気記録媒体であ
る磁気記録カードの構成を模式的に表わした斜視図であ
る。
【図2】図1に示す磁気記録カード2の磁気バートラッ
ク10部分の断面構造(断面P1−P1)を示す図面で
ある。
【図3】図1に示す磁気記録カード2の磁気記録トラッ
ク12部分の断面構造(断面P2−P2)を示す図面で
ある。
【図4】磁気記録カード2の製造工程を示すフローチャ
ートである。
【図5】レーザ加工装置21の構成を簡略化して示す図
面である。
【図6】スクリーン32の平面構造を表わす図面であ
る。
【図7】レーザ加工装置21の信号処理経路およびレー
ザ光の照射光路を示すブロック図である。
【図8】磁気記録カード2の流通過程を示すフローチャ
ートである。
【図9】カードリーダー/ライター46のブロック構成
を示す図面である。
【図10】磁気ヘッドH1に生ずる出力電圧のパターン
を示す図面である。
【図11】この発明の他の実施形態による磁気記録カー
ド62の構成を模式的に表わした斜視図を示す図面であ
る。
【図12】この発明のさらに他の実施形態による磁気記
録カード82の構成を模式的に表わした斜視図を示す図
面である。
【図13】この発明のさらに他の実施形態による磁気記
録カード102の断面構成を示す図面である。
【図14】この発明のさらに他の実施形態による磁気記
録カード112の断面構成を示す図面である。
【図15】この発明のさらに他の実施形態による磁気記
録カード202の磁気バートラック10部分の断面構造
(断面P1−P1)を示す図面である。
【図16】磁気記録カード202の製造工程を示すフロ
ーチャートである。
【図17】レーザ加工装置221の構成を簡略化して示
す図面である。
【図18】磁気記録カード202の磁気記録層6に投射
されるレーザ光のスポット244を示す図面である。
【図19】レーザ加工装置221の信号処理経路および
レーザ光の照射光路を示すブロック図である。
【図20】磁気記録カード202の照合処理を説明する
ための図面である。
【図21】磁気記録カード202の照合処理を説明する
ための図面である。
【図22】図22Aは、この発明による磁気記録カード
と比較するためのカード510の平面図である。図22
Bは、この発明による磁気記録カードと比較するための
カード520の平面図である。
【図23】従来のプリペイドカード500の平面図であ
る。
【符号の説明】
6・・・・・磁気記録層 14・・・・磁性層存在部 16・・・・磁性層欠如部 18・・・・境界面 20・・・・磁気バーコード X・・・・・走査方向 E・・・・・エッジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G11B 5/80 G11B 5/855 5/855 G06K 19/00 B

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】情報を書換え不能に磁気的に記録する固定
    記録領域を備えた磁気記録媒体であって、 当該固定記録領域を、 磁性層が存在する磁性層存在部と当該磁性層が存在しな
    い磁性層欠如部とを隣接して配置し、磁性層存在部と磁
    性層欠如部との境界面を当該固定記録領域の走査方向に
    ほぼ直交するほぼ平坦な面とするよう構成したことを特
    徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】請求項1の磁気記録媒体において、 前記固定記録領域を、 前記走査方向の長さが異なる2種類の前記磁性層存在部
    および磁性層欠如部を組合わせて、当該走査方向に沿っ
    て配置するよう構成したことを特徴とするもの。
  3. 【請求項3】請求項1の磁気記録媒体において、 前記固定記録領域を構成する前記磁性層存在部または磁
    性層欠如部の少なくとも一方の前記走査方向の長さが、
    ランダムに与えられた長さであることを特徴とするも
    の。
  4. 【請求項4】請求項1ないし請求項3のいずれかの磁気
    記録媒体において、 前記固定記録領域に記録した情報を暗号化した情報を磁
    気的に記録する記録領域を、さらに備えたことを特徴と
    するもの。
  5. 【請求項5】請求項1ないし請求項3のいずれかの磁気
    記録媒体において、 前記固定記録領域に記録した情報と実質的に同一の情報
    を書換え不能に磁気的に記録する第2の固定記録領域
    を、さらに備えたことを特徴とするもの。
  6. 【請求項6】請求項1ないし請求項5のいずれかの磁気
    記録媒体において、 情報を書換え可能に磁気的に記録する可変記録領域を、
    さらに備えたことを特徴とするもの。
  7. 【請求項7】請求項1ないし請求項6のいずれかの磁気
    記録媒体において、 前記磁性層を、 強磁性で高保磁力を有する材料により構成された磁気記
    録層としたことを特徴とするもの。
  8. 【請求項8】請求項1ないし請求項6のいずれかの磁気
    記録媒体において、 前記磁性層を、 強磁性で高保磁力を有する材料により構成された磁気記
    録層の上方に配置され軟磁性材料により構成された磁気
    シールド層としたことを特徴とするもの。
  9. 【請求項9】請求項1ないし請求項6のいずれかの磁気
    記録媒体において、 前記磁性層を、 強磁性で高保磁力を有する材料により構成された磁気記
    録層、および当該磁気記録層の上方に配置され軟磁性材
    料により構成された磁気シールド層としたことを特徴と
    するもの。
  10. 【請求項10】請求項1ないし請求項9のいずれかの磁
    気記録媒体を製造する方法であって、 前記走査方向にほぼ直交する方向にレーザ光を照射し
    て、前記固定記録領域の磁性層を切断することにより、
    前記磁性層存在部および磁性層欠如部を形成することを
    特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項10の磁気記録媒体の製造方法に
    おいて、 前記磁性層欠如部の前記走査方向の最小寸法以下の幅の
    スリットを有するマスクを用意し、 当該マスクに対し磁気記録媒体を当該走査方向に相対的
    に移動可能にするとともに、 当該スリットの幅より大きいスポット径のレーザ光を、
    当該スリットを介して磁気記録媒体に照射可能にし、 磁気記録媒体の移動とレーザ光の照射タイミングとを調
    整することにより、 前記固定記録領域の所望の位置に、所望の走査方向の長
    さを有する前記磁性層存在部および磁性層欠如部を、所
    望の数量、形成することを特徴とするもの。
  12. 【請求項12】請求項10の磁気記録媒体の製造方法に
    おいて、 レーザ光を絞り込むことにより前記磁性層欠如部の前記
    走査方向の最小寸法以下の幅のスポットを得ることがで
    きるレンズを用意し、 当該レンズに対し磁気記録媒体を当該走査方向に相対的
    に移動可能にするとともに、 レーザ光を、当該レンズを介して磁気記録媒体に照射可
    能にし、 磁気記録媒体の移動とレーザ光の照射タイミングとを調
    整することにより、 前記固定記録領域の所望の位置に、所望の走査方向の長
    さを有する前記磁性層存在部および磁性層欠如部を、所
    望の数量、形成することを特徴とするもの。
  13. 【請求項13】請求項4の磁気記録媒体を使用する方法
    であって、 磁気記録媒体の使用時に、固定記録領域に記録した情報
    と前記暗号化した情報を磁気的に記録する記録領域に記
    憶された暗号化された情報とを比較することにより、当
    該磁気記録媒体の真偽判定を行なうことを特徴とする磁
    気記録媒体の使用方法。
  14. 【請求項14】請求項1ないし請求項9のいずれかの磁
    気記録媒体を使用する方法であって、 前記固定記録領域に記録した情報を暗号化して外部装置
    に記憶しておき、 磁気記録媒体の使用時に、固定記録領域に記録した情報
    と外部装置に記憶された暗号化された情報とを比較する
    ことにより、当該磁気記録媒体の真偽判定を行なうこと
    を特徴とする磁気記録媒体の使用方法。
  15. 【請求項15】請求項1ないし請求項9のいずれかの磁
    気記録媒体を使用する方法であって、 磁気記録媒体の使用時に、前記固定記録領域を機械的に
    破壊することを特徴とする磁気記録媒体の使用方法。
  16. 【請求項16】情報を書換え不能に磁気的に記録する方
    法であって、 磁性層が存在する磁性層存在部と磁性層が存在しない磁
    性層欠如部とを、当該情報を再生する際の走査方向にほ
    ぼ直交するほぼ平坦な境界面で隣接するよう配置すると
    ともに、 当該境界面の位置を当該情報に基づいて決定することに
    より、 当該情報を当該境界面の位置に対応する情報に変換して
    記録することを特徴とする磁気記録方法。
  17. 【請求項17】請求項16の磁気記録方法を用いて記録
    された情報を再生する方法であって、 前記境界面から漏洩する磁気を検出することにより、前
    記境界面の位置に対応する情報に変換して記録された前
    記情報を再生することを特徴とする磁気記録再生方法。
  18. 【請求項18】磁気記録媒体に所定の磁気被検出部をラ
    ンダムに配置することにより、ランダムな情報を、磁気
    被検出部の位置に変換して書換え不能に磁気的に記録す
    る方法であって、 前記ランダムな情報を、当該情報を再生する際の走査方
    向における磁気被検出部の位置に変換して記録するとと
    もに、 磁気被検出部の形状を、走査面内において当該走査方向
    に直交する方向に実質的に変化しない部分を有する形状
    としたこと、 を特徴とする磁気記録方法。
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