JPH1015401A - 無機イオン交換体、その製造方法および金属イオンの除去方法 - Google Patents

無機イオン交換体、その製造方法および金属イオンの除去方法

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JPH1015401A
JPH1015401A JP8173390A JP17339096A JPH1015401A JP H1015401 A JPH1015401 A JP H1015401A JP 8173390 A JP8173390 A JP 8173390A JP 17339096 A JP17339096 A JP 17339096A JP H1015401 A JPH1015401 A JP H1015401A
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sodium
ions
potassium
ferrierite
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Keiji Itabashi
慶治 板橋
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】アルカリ金属イオンの中でカリウムイオン、ル
ビジウムイオンおよびセシウムイオンに対して高い選択
性を有するフェリエライト型ゼオライトを基剤とする無
機イオン交換体を提供する。 【解決手段】骨格中のシリカ/アルミナ比が25以下,
およびナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンに対
するカリウムイオン、ルビジウムイオン及びセシウムイ
オンの分離係数の少なくとも一つが5以上であるフェリ
エライト型ゼオライトからなる無機イオン交換体、及び
そのフェリエライト型ゼオライト中の陽イオンがナトリ
ウムおよび/またはリチウムイオンである請求項1に記
載の無機イオン交換体。また、フェリエライト型ゼオラ
イトを水酸化ナトリウムおよび/または水酸化リチウム
水溶液中で加熱処理してシリカ/アルミナ比を低減させ
ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の無
機イオン交換体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ金属イオン
の中でカリウムイオン、ルビジウムイオンおよびセシウ
ムイオンに対して高い選択性を有するフェリエライト型
ゼオライトを基剤とする無機イオン交換体に関するもの
である。また本発明は、特にアルカリ金属イオンの混合
物の中からこれらのイオンを選択的にイオン交換するこ
とによって分離、除去、精製、回収、または濃縮する方
法を提供するものである。
【0002】アルカリ金属イオンの混合物は、アルカリ
金属精錬、および無機薬品製造時の廃液中に多量に含ま
れている。また放射性セシウムイオンは核燃料再処理時
の副産物として生成するので、これを分離回収して安定
に保管する必要がある。さらに、希少金属であるセシウ
ムは鉱泉水、温泉水中に含まれていることが知られてい
るが、有効なイオン交換体が存在しないために分離、採
取されていないのが実状である。このように、カリウム
イオン、ルビジウムイオンおよびセシウムイオンをイオ
ン交換して分離、除去、精製、回収または濃縮するため
のイオン交換体およびその方法は化学工業のみならず、
多くの工業分野で必要とされる技術である。
【0003】
【従来の技術】金属イオンを選択的に分離、除去、精
製、回収、または濃縮するイオン交換体としてイオン交
換樹脂が主として使用されている。その他に用いられる
イオン交換体としては天然ゼオライト、ヘテロポリ酸、
リン酸塩、無機層状化合物等が知られている。
【0004】しかしながら、アルカリ金属イオンは互い
にその性質が類似しているため、効率よく分離すること
には限界がある。すなわち、アルカリ金属イオンの混合
物の中からカリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウ
ムイオンを選択的にイオン交換しようとしてもナトリウ
ムイオン及びリチウムイオンが同時に多量にイオン交換
されてしまう。特に、ナトリウムイオンとカリウムイオ
ンを効率よく分離できるイオン交換体が存在しないため
に、両イオンを同時に含有する貴重な水溶液が有効に活
用されることなく廃棄されているのが実状である。
【0005】また、放射性廃棄物としての放射性アルカ
リ金属陽イオン、特にセシウムイオンを選択的に交換す
るものとして天然ゼオライトなどが使用されているが、
イオン交換選択性は必ずしも満足できるものではない。
これらの場合において一般的に使用されているイオン交
換樹脂は、熱に弱いために使用温度範囲が限定されると
いう欠点がある。
【0006】すなわち、これまでは化学的、熱的に安定
で且つアルカリ金属イオンの中でカリウムイオン、ルビ
ジウムイオン、セシウムイオンに対して十分に選択性の
高いイオン交換体は存在しなかった。化学的、熱的に安
定であり、これらのイオンに対して高いイオン交換選択
性を有すると同時に十分なイオン交換容量を有する無機
化合物の出現が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アル
カリ金属イオンの中でカリウムイオン、ルビジウムイオ
ンおよびセシウムイオンに対して高い選択性を有するフ
ェリエライト型ゼオライトを基剤とする無機イオン交換
体を提供することにあり、その製造方法及びアルカリ金
属イオンの混合物の中からこれらのイオンを選択的にイ
オン交換することによって分離、除去、精製、回収、ま
たは濃縮する方法も提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はゼオライトの
構造特性とイオン交換特性の関係を詳細に検討し、フェ
リエライト型ゼオライトがこれらのイオンに対して非常
に高い選択性を有することを見出した。さらに、フェリ
エライト型ゼオライトを水酸化アルカリ金属水溶液中で
加熱処理して骨格からSiO2を引き抜いてシリカ/ア
ルミナ比を低減させても、イオン交換選択性を大きく変
化させることなくイオン交換容量を大きくすることがで
きることを見出して、本発明を完成した。
【0009】本発明の無機イオン交換体はフェリエライ
ト(FER)と称されるゼオライトの骨格構造を有する
アルミノシリケートを基材とするものである。フェリエ
ライト型ゼオライトは図1に示すようなX線回折図を有
することで特徴づけられ、その組成式はM2O・Al2
3・nSiO2・xH2O(ここでMは一価金属、nはシ
リカ/アルミナ比、xは吸着水分子数を表す。)で示さ
れる。一価金属陽イオンはアルミニウムと等しいモル数
だけイオン交換可能である。
【0010】したがって、シリカ/アルミナ比の値が小
さいほど単位重量あたりのイオン交換容量が大きくな
る。シリカ/アルミナ比の値が25よりも大きい場合は
選択性が高くてもイオン交換容量が小さくなるので、効
率的なイオン交換ができない。また、25以下であれば
小さい方が有利であり、12以下の結晶が好適である。
フェリエライト型ゼオライトの合成法は数多くの例が知
られているが、特開昭59ー69419号公報および特
開昭60ー141617号公報に開示されている方法が
安価に合成でき、本発明の目的に有利に使用することが
できる。この方法の特徴は、特定の組成を有する粒状無
定形アルミノ珪酸塩均一相化合物(以下、単に均一化合
物と略称する)を水または水酸化アルカリ金属水溶液中
で、有機鉱化剤を用いずに結晶化させる合成法である。
すなわち、ナトリウム含有均一化合物、またはナトリウ
ム及びカリウムを含有する均一化合物の水性スラリーを
攪拌下で加熱することによって結晶化することができ
る。これらの方法によって得られるフェリエライト型ゼ
オライトのシリカ/アルミナ比は、12〜25の範囲で
ある。結晶化したフェリエライト型ゼオライト中には交
換可能な陽イオンとして、ナトリウムまたはナトリウム
とカリウムの混合イオンが含まれている。
【0011】本発明者は種々のゼオライトのイオン交換
特性を詳細に検討した結果、フェリエライト型ゼオライ
トが、ナトリウムおよび/またはリチウムイオンに対し
てカリウム、ルビジウム、およびセシウムイオンは高い
イオン交換選択性を有することを見出した。したがっ
て、Na型の場合にはそのままの形でイオン交換体とし
て使用することができる。また、ナトリウムとカリウム
の混合イオン系から合成したフェリエライト型ゼオライ
トは交換可能な陽イオンの一部としてカリウムイオンを
含有しているので、例えばカリウムイオン交換体として
は交換容量が小さくなる。そこで、ナトリウム、カリウ
ム混合イオン型の場合には目的とするイオン交換操作を
行う前に、前処理としてナトリウムおよび/またはリチ
ウムイオンに置換することが好ましい。ナトリウムおよ
び/またはリチウム型に置換するには、塩化ナトリウ
ム、硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、塩化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸
リチウム、などの水に可溶な塩の水溶液と接触させて置
換する方法が一般的に採用される。
【0012】合成によりシリカ/アルミナ比の値を小さ
くすることには限界があるので、イオン交換容量を大き
くするための工夫が必要である。フェリエライト型ゼオ
ライトを水酸化アルカリ金属水溶液中に入れて加熱処理
すれば、ゼオライトの骨格構造を本質的に破壊させるこ
となく、骨格中のSiO2を引き抜いてシリカ/アルミ
ナ比の値を小さくすることができる。水酸化アルカリ金
属はどれを用いてもSiO2を引き抜くことができる
が、本発明の目的のためには水酸化ナトリウムおよび/
または水酸化リチウムの水溶液が好ましい。その濃度は
特に限定されないが、0.1−20%の濃度のものが好
適に使用される。また処理する温度は100℃以下の温
度で十分であり、処理時間は特に限定されない。水酸化
アルカリ金属水溶液の濃度が高く、温度が高いほどSi
2が抜け易く、また処理時間が長いほどシリカ/アル
ミナ比の値は小さくなる。反対に、水酸化アルカリ金属
水溶液の濃度が薄く、温度が低いほどSiO2は抜け難
くなり、長時間の処理を行ってもシリカ/アルミナ比の
低下は小さい。したがって、目的とするシリカ/アルミ
ナ比の値によって水酸化アルカリ金属水溶液の濃度、温
度、処理時間を決定する。
【0013】カリウム、ルビジウム、セシウムのイオン
交換は、これらの金属イオンを含有する水溶液に本発明
の無機イオン交換体を効率よく接触させることにより可
能である。その方法は回分式でもよいし連続式でもよ
い。最大イオン交換容量はフェリエライト型ゼオライト
のシリカ/アルミナ比の値により自ずから決まるが、選
択性によるイオン交換容量はイオン交換等温線を測定す
ることにより求めることができ、同時に分離係数も求め
ることができる。
【0014】図2に示すイオン交換等温線から求める分
離係数は、下記のように定義される。
【0015】A,B両イオンを含む水溶液とイオン交換
体が平衡状態にある時、Bイオンに対するAイオンの選
択係数 α(A/B)=az /(1−az )=(面積比)I/II 図2および上式において、 AS :イオン交換平衡時の、A,B両イオンを含む水溶
液中のAイオンの当量分率 AZ :イオン交換平衡時の、イオン交換体中のAイオン
の当量分率 α(A/B):Bイオンに対するAイオンの分離係数 az :AS =0.5の時のAZ の値 α(A/B)=1の場合はA,B両イオンに選択性の差
はなく、また1より大きくなるほどAイオンの選択性が
高いことを示している。
【0016】しかしながら、分離係数が5よりも小さい
場合には、回分式または連続式のいずれの方法でイオン
交換を行っても分離効率が低いので、工業的に応用する
ことは困難である。分離係数が5以上の場合は効率よく
イオン交換ができ、分離係数は大きければ大きいほど効
率が良くなる。
【0017】本発明において、Aイオンとは、カリウム
イオン、ルビジウムイオンおよび/またはセシウムイオ
ンであり、Bイオンとはナトリウムイオンおよび/また
はリチウムイオンである。
【0018】イオン交換温度は特に限定されず、常温以
上の温度で好適に使用できる。イオン交換樹脂では不可
能な100℃以上の温度でも使用可能で、温度が高い方
がイオン交換平衡に到達する時間が短く、好都合であ
る。
【0019】本発明の無機イオン交換体は粉末のまま用
いてもよいし、バインダー成分を加えて球状、柱状また
は破砕状などイオン交換方法に応じてその形状を替えて
使用することができ、特に流通法の場合は球状、柱状、
破砕状などの成型体が好適に用いられる。
【0020】フェリエライト型ゼオライトのイオン交換
選択性の発現機構は十分には明らかではないが、ゼオラ
イト骨格の構造的要因が大きく、他のゼオライトとは大
きく異なるイオン交換選択性を示す。また水酸化アルカ
リ金属水溶液中でSiO2を引き抜いてもイオン交換選
択性が変化しないことは、脱SiO2後も構造的要因が
支配的に作用していると推定される。
【0021】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、フェリ
エライト型ゼオライトを基剤とする無機イオン交換体を
用いれば、アルカリ金属イオン混合物からカリウム、ル
ビジウム、セシウムイオンを選択的にイオン交換するこ
とによって、これらのイオンを分離、除去することがで
きる。イオン交換は100℃以上の温度でも可能であ
り、また放射性イオンの交換による発熱にも十分な耐久
性があるので保存安定性にも優れている。したがって、
不要なイオンを交換して固定化し、そのまま貯蔵するこ
とが容易である。また、交換したイオンを精製、回収ま
たは濃縮する場合は、イオン交換体が溶解しない程度の
希酸等で交換イオン種を溶離して利用する。
【0022】
【実施例】以下の実施例により本発明を具体的に説明す
るが、これらに実施例により本発明は何等限定されるも
のでない。
【0023】[粒状無定形アルミノ珪酸塩均一相化合物
(以下、単に均一化合物と略称する)の合成とそれを用
いたフェリエライト型ゼオライトの結晶化]通常のパド
ル型攪拌機を備えたオーバーフロータイプの反応槽(実
容量5.5リットル)に表1に示した組成の珪酸ソーダ
水溶液と硫酸を添加した硫酸アルミニウム水溶液とをそ
れぞれ表1に示した一定比率の供給速度で同時に且つ連
続的に供給し、攪拌下で反応させた。反応スラリーの見
掛け滞在時間は表1に示す通りである。
【0024】
【表1】
【0025】このスラリーのpHは6.3〜6.6、反
応温度は30〜32℃であった。
【0026】反応槽からオーバーフローしたスラリー状
生成物を遠心分離機で固液分離し、十分水洗後第1表に
示す組成の均一化合物,の湿ケ−キを得た。これら
の均一化合物中にSO4 2-イオンは認められず、X線粉
末回折図の結果はすべて無定形であった。
【0027】次に、前記のように調製した均一化合物の
湿ケーキおよびと水酸化アルカリ金属水溶液とを2
リットルまたは10リットルのオートクレーブに仕込
み、撹拌しながら加熱した。結晶化終了後、生成したス
ラリーを取出し、固液分離後十分水洗して110℃で乾
燥して、製造例1及び製造例2のフェリエライト型ゼオ
ライトを得た。その結晶化の条件および生成物の組成を
表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】製造例1の生成物のX線回折図は図1に示
す通り、不純物を含まないフェリエライト型ゼオライト
であり、また製造例2で得られた生成物のX線回折図は
図1と同等であった。
【0030】実施例1 製造例1で得られたフェリエライト型ゼオライトを十分
量の塩化ナトリウム水溶液(濃度1モル/リットル)を
用いてイオン交換し、交換イオン種を全てナトリウムイ
オンに置換した。このナトリウム型フェリエライト無機
イオン交換体を塩化カリウム水溶液(濃度0.2モル/
リットル)と接触させてナトリウムイオンに対するカリ
ウムイオンのイオン交換等温線(60℃、図3)を測定
し、分離係数を求めた。分離係数のα(K/Na)は1
1.5であった。また、カリウムイオン交換容量は、
2.2meq/g・dryであった。
【0031】実施例2 実施例1で用いたナトリウム型無機イオン交換体を塩化
ルビジウム水溶液(濃度0.2モル/リットル)を用い
てイオン交換し、ナトリウムイオンに対するルビジウム
イオンのイオン交換等温線(60℃)を測定し、実施例
1と同様にして分離係数を求めた。分離係数のα(Rb
/Na)は16.2であった。また、ルビジウムイオン
交換容量は2.0meq/g・dryであった。
【0032】実施例3 実施例1で用いたナトリウム型無機イオン交換体を塩化
セシウム水溶液(濃度0.2モル/リットル)を用いて
イオン交換し、ナトリウムイオンに対するセシウムイオ
ンのイオン交換等温線(60℃)を測定し、実施例1と
同様にして分離係数を求めた。分離係数のα(Cs/N
a)は22.5であった。また、セシウムイオン交換容
量は2.0meq/g・dryであった。
【0033】実施例4 製造例2のフェリエライト型ゼオライトを実施例1と同
様の方法および条件で、ナトリウム型に置換した後、ナ
トリウムイオンに対するカリウムイオンのイオン交換等
温線(60℃)を測定し、分離係数を求めた。分離係数
のα(K/Na)は10.1であった。また、カリウム
イオン交換容量は1.5meq/g・dryであった。
【0034】実施例5 製造例1のフェリエライト型ゼオライトを8wt%濃度
の水酸化ナトリウム水溶液中に入れて、50℃に加熱し
ながら25時間撹拌処理した。固液分離後十分に洗浄、
乾燥した後の化学組成は0.19K2O・0.81Na2
O・Al23・8.2SiO2(無水ベース)であっ
た。この生成物のX線回折図は実質的に図1と同等であ
った。このフェリエライト型ゼオライトを実施例1と同
様の方法、条件でナトリウムイオン型に置換した後、ナ
トリウムイオンに対するカリウムイオンのイオン交換等
温線(60℃)を測定し、分離係数を求めた。
【0035】分離係数のα(K/Na)は10.8であ
った。また、カリウムイオン交換容量は3.0meq/
g・dryであった。
【0036】実施例6 製造例1のフェリエライト型ゼオライトを実施例5と同
様の方法で78時間処理した。固液分離後十分に洗浄、
乾燥した後の化学組成は0.49K2O・0.51Na2
O・Al23・5.8SiO2(無水ベース)であっ
た。この生成物のX線回折図は実質的に図1と同等であ
った。このフェリエライト型ゼオライトを実施例1と同
様の方法、条件でナトリウムイオン型に置換した後、塩
化ルビジウム水溶液(濃度0.2モル/リットル)を用
いてイオン交換し、ナトリウムイオンに対するルビジウ
ムイオンのイオン交換等温線(60℃)を測定し、分離
係数と交換容量を求めた。分離係数のα(Rb/Na)
は15.6であり、ルビジウムイオン交換容量は2.8
meq/g・dryであった。
【0037】実施例7 実施例6で用いたナトリウム型無機イオン交換体を塩化
セシウム水溶液(濃度0.2モル/リットル)を用いて
イオン交換し、ナトリウムイオンに対するセシウムイオ
ンのイオン交換等温線(60℃)を測定し、分離係数と
交換容量を求めた。分離係数のα(Cs/Na)は2
0.1であり、セシウムイオン交換容量は2.8meq
/g・dryであった。
【0038】実施例8 実施例6で調製したイオン交換体をさらに塩化リチウム
水溶液(濃度1モル/リットル)を用いてリチウム型イ
オン交換体とした。このイオン交換体を用い、塩化セシ
ウム水溶液(濃度0.2モル/リットル)を用いてイオ
ン交換し、ナトリウムイオンに対するセシウムイオンの
イオン交換等温線(60℃)を測定し、分離係数と交換
容量を求めた。分離係数のα(Cs/Li)は25.3
であり、セシウムイオン交換容量は3.1meq/g・
dryであった。
【0039】実施例9 実施例5で使用したものと同じナトリウム型イオン交換
体を粘土バインダー10部と共に混練した後、プレス成
型して焼成した。成型体を破砕して100〜150メッ
シュに整粒した。整粒したナトリウム型イオン交換体を
直径10mmのカラムに充填し、0.1モル/リットル
のナトリウムイオンと0.1モル/リットルのカリウム
イオンを同量含む水溶液を流して、ナトリウムイオンと
カリウムイオンを分離した。流出液にカリウムイオンが
検出されるまでの流出液量から求めたカリウムイオン交
換容量は2.2meq/g・dryであった。
【0040】実施例10 実施例6で使用したものと同じナトリウム型イオン交換
体を実施例7の場合と同様に、バインダーを添加して成
型、焼成、破砕して100〜150メッシュの整粒品を
作成した。このナトリウム型イオン交換体を直径10m
mのカラムに充填し0.1モル/リットルのナトリウム
イオンと0.1モル/リットルのセシウムイオンを同量
含む水溶液を流して、ナトリウムイオンとセシウムイオ
ンを分離した。流出液にセシウムイオンが検出されるま
での流出液量から求めたセシウムイオン交換容量は2.
5meq/g・dryであった。
【0041】比較例1 ナトリウムA型ゼオライトをイオン交換体として、塩化
カリウム水溶液(濃度0.2モル/リットル)を用いて
イオン交換し、カリウムイオンのイオン交換等温線(6
0℃)を測定した。等温線から求めたカリウムイオン交
換容量は7.0meq/g・dryであったが、カリウ
ムイオン分離係数のα(K/Na)は1.32であっ
た。また、実施例9で行ったのと同じ方法で調製した1
00〜150メッシュの破砕品を直径10mmカラムに
充填し、0.1モル/リットルのナトリウムイオンと
0.1モル/リットルのカリウムイオンを同量含む水溶
液を流してナトリウムイオンとカリウムイオンの分離を
行ったが、流出液中にナトリウムイオンとカリウムイオ
ンは同時に検出され、カラム流通法による分離は不可能
であった。
【0042】比較例2 ナトリウムX型ゼオライトをイオン交換体として、塩化
カリウム水溶液(濃度0.2モル/リットル)を用いて
イオン交換し、カリウムイオンのイオン交換等温線(6
0℃)を測定した。等温線から求めたカリウムイオン交
換容量は6.4meq/g・dryであったが、カリウ
ムイオン分離係数のα(K/Na)は0.89であっ
た。また、比較例1で行ったのと同じ方法と条件でカラ
ム流通法によるナトリウムイオンとカリウムイオンの分
離を行ったが、流出液中にナトリウムイオンとカリウム
イオンは同時に検出され、分離は不可能であった。
【0043】比較例3 ナトリウムY型(Si/Al=2.8)ゼオライトをイ
オン交換体として、塩化カリウム水溶液(濃度0.2モ
ル/リットル)を用いてイオン交換し、カリウムイオン
のイオン交換等温線(60℃)を測定した。等温線から
求めたカリウムイオン交換容量は5.0meq/g・d
ryであったが、カリウムイオン分離係数のα(K/N
a)は1.27であった。また、比較例1で行ったのと
同じ方法と条件でカラム流通法によるナトリウムイオン
とカリウムイオンの分離を行ったが、流出液中にナトリ
ウムイオンとカリウムイオンは同時に検出され、分離は
不可能であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1のフェリエライト型ゼオライトのX線
回折図を示す図である。
【図2】イオン交換等温線を示す図である。
【図3】実施例1におけるイオン交換体のナトリウムイ
オンに対するカリウムイオンのイオン交換平衡を示す図
である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】骨格中のシリカ/アルミナ比が25以下,
    およびナトリウムイオン及び/又はリチウムイオンに対
    するカリウムイオン、ルビジウムイオン及びセシウムイ
    オンの分離係数の少なくとも一つが5以上であるフェリ
    エライト型ゼオライトからなる無機イオン交換体。
  2. 【請求項2】フェリエライト型ゼオライト中の陽イオン
    がナトリウムおよび/またはリチウムイオンである請求
    項1に記載の無機イオン交換体。
  3. 【請求項3】フェリエライト型ゼオライトを水酸化ナト
    リウムおよび/または水酸化リチウム水溶液中で加熱処
    理してシリカ/アルミナ比を低減させることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の無機イオン交換体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2に記載の無機イオ
    ン交換体を、カリウムイオン、ルビジウムイオン及びセ
    シウムイオンの少なくとも一種類のイオンを含有する水
    溶液と接触させることを特徴とする、該水溶液中から金
    属イオンを除去する方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005324976A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Tosoh Corp 新規構造ゼオライトおよびその合成方法

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JP2005324976A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Tosoh Corp 新規構造ゼオライトおよびその合成方法

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