JPH1015318A - 風呂水浄化装置および風呂水浄化装置の逆洗方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】高性能な多孔質セラミックフィルタを用いた風
呂水浄化装置であって、多孔質セラミックフィルタの性
能劣化を大幅に低下することができ、長期に渡って所定
性能の風呂水浄化を行うことができる風呂水浄化装置、
および、その風呂水浄化装置の逆洗方法を提供する。 【解決手段】風呂水を吸着浄化する第１吸着浄化手段
と、第１吸着浄化手段によって浄化された風呂水を濾過
する多孔質セラミックフィルタと、多孔質セラミックフ
ィルタで濾過された風呂水を浄化する第２吸着浄化手段
と、所定の経路で風呂水を移送するポンプとを有するこ
とにより、前記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆる２４時間
風呂に好適に利用される風呂水用の浄化装置の技術分野
に属する。

【０００２】

【従来の技術】自宅でいつでも風呂に入れる快適な生活
や、水やガスの節約等を目的として、いわゆる２４時間
風呂が注目されており、これを実現するための家庭用の
風呂水浄化装置が各種開発され、販売されている。この
風呂水浄化装置は、通常、風呂水を粗濾過して髪の毛や
ごみ等を除去するプレフィルタ、風呂水を高度に濾過し
てアカや油分等を除去するフィルタや活性炭濾過手段、
紫外線やオゾン等を用いる殺菌手段、脱臭や有機質等の
除去を行う吸着浄化手段、風呂水を所定温度に保つため
のヒータ（加熱器）等が適宜組み合わされて構成されて
おり、浴槽の水を汲み上げ、浄化装置で浄化してヒータ
で加熱して浴槽に戻す、すなわち風呂水を循環して浄化
・加熱することにより、常に一定温度で清潔な風呂を実
現している。

【０００３】風呂水浄化装置に用いられるフィルタに
は、前述のようにアカや油分等を風呂水から除去できる
程度の高度な性能が要求され、多孔質セラミックフィル
タや活性炭フィルタなどの高性能な濾過手段が用いられ
るのが通常である。

【０００４】多孔質セラミックフィルタは、微細な孔を
３次元的に有するものであり、油分、人体から出る汚
れ、アカなどの微細粒子まで濾過することができる。こ
こで、浄水手段として用いられるフィルタには、使用と
共に風呂水から分離された不純物が濾滓として堆積し、
次第に濾過能力が低減する。特に、多孔質セラミックフ
ィルタは、その高い性能故にアカや油分等が微細な孔を
閉塞し易く、短時間に濾滓が体積し、かつ性能が劣化す
る。また、この劣化が激しくなると、高価な多孔質セラ
ミックフィルタを交換する必要まで生じてしまう。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来技術の問題点を解決することにあり、高性能な多孔
質セラミックフィルタを用いた風呂水浄化装置であっ
て、多孔質セラミックフィルタの性能劣化を大幅に低下
することができ、長期に渡って所定性能の風呂水浄化を
行うことができる風呂水浄化装置、および、この風呂水
浄化装置の逆洗方法を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の風呂水浄化装置は、風呂水を吸着浄化する
第１吸着浄化手段と、前記第１吸着浄化手段によって浄
化された風呂水を濾過する多孔質セラミックフィルタ
と、前記多孔質セラミックフィルタで濾過された風呂水
を浄化する第２吸着浄化手段と、所定の経路で風呂水を
移送するポンプとを有することを特徴とする風呂水浄化
装置を提供する。

【０００７】また、前記本発明の風呂水浄化装置におい
て、さらに、上方が開放する堰で仕切られた空間内に前
記多孔質セラミックフィルタの濾過助剤を充填する濾過
助剤槽を有し、かつ、この濾過助剤槽が前記堰を介して
風呂水の移送経路と連通しており、さらに、この濾過助
剤槽と前記多孔質セラミックフィルタで濾過された風呂
水を第２吸着浄化手段に供給する配管とが、少なくとも
１つのバルブを介して接続されているのが好ましい。

【０００８】さらに、前記本発明の風呂水浄化装置にお
いて、円筒と、この円筒に収容される円筒とで形成され
る、互いに液密に分離される２つの空間を有し、内側の
空間の中心部に多孔質セラミックフィルタが配置され、
この多孔質セラミックフィルタを囲んで、風呂水が側壁
を通過する円筒状の第１吸着浄化手段が配置され、外側
の空間には、上方が開放する円筒状の第１堰と、この第
１堰の外側に配置される下方が開放する円筒状の第２堰
とが配置され、前記第１堰と第２堰とで囲まれた空間内
に前記第２吸着浄化手段が設置され、前記第２堰の外側
に前記濾過助剤槽を形成する円筒状の堰が配置されるの
が好ましい。

【０００９】また、本発明の風呂水浄化装置の逆洗方法
は、吸着浄化手段と多孔質セラミックフィルタとを用
い、多孔質セラミックフィルタによる濾過に先立ち、吸
着浄化手段による風呂水の浄化を行う風呂水浄化装置の
逆洗方法であって、吸着浄化手段に水流中に高圧空気を
噴射してなるジェット水流を通過せしめた後、流路を切
り替えて前記ジェット水流で多孔質セラミックフィルタ
を逆洗し、次いで、流路を切り替えて前記ジェット水流
で吸着浄化手段を逆洗することを特徴とする風呂水浄化
装置の逆洗方法を提供する。

【００１０】さらに、前記本発明の風呂水浄化装置の逆
洗方法において、前記多孔質セラミックフィルタの風呂
水流出部を洗浄水で満たした状態で前記吸着浄化手段に
ジェット水流を通過させ、前記吸着浄化手段の風呂水流
出部を洗浄水で満たした状態で前記多孔質セラミックフ
ィルタの逆洗を行い、前記多孔質セラミックフィルタの
風呂水流出部を洗浄水で満たした状態で前記吸着浄化手
段の逆洗を行うのが好ましい。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の風呂水浄化装置お
よび風呂水浄化装置の逆洗方法について、添付の図面に
示される好適実施例を基に詳細に説明する。

【００１２】図１に、本発明の風呂水逆洗方法を実施す
る本発明の風呂水浄化装置１０（以下、浄化装置１０と
する）は、浴槽１２内の風呂水を循環して浄化・加熱す
る装置であって、基本的に、浄化装置本体１４と、加熱
装置１６と、ポンプ１８を有し、浴槽１２や浄化装置本
体１４の各部位を所定の経路で接続して風呂水を移送す
る移送手段２０とを有して構成される。

【００１３】浄化装置本体１４は、例えば、直方体状の
外観形状を有するもので、図１に示されるように、隔壁
１４ｃによって互いに液密に分離される第１浄化室１４
ａおよび第２浄化室１４ｂを有する。図中左側の第１浄
化室１４ａには、第１吸着浄化手段としての第１活性炭
層２２と、多孔質セラミックフィルタ２４と、殺菌手段
である紫外線ランプ２６とが配置される。

【００１４】図示例の浄化装置１０において、第１活性
炭層２２は、第１浄化室１４ａの天井面と床面とに端部
が固定される、水は通過するが活性炭は通過しないフィ
ルタ材２枚の間に、活性炭を充填・保持してなるもので
あり、第１浄化室１４ａ内を２つに分ける壁のようにし
て配置される。図示例においては、浄化される風呂水
は、壁状の第１活性炭層２２すなわち活性炭で形成され
た壁面を通過（図示例では図中右から左に通過）する。
これにより、活性炭が風呂水中の不純物を吸着除去し、
風呂水が浄化される。なお、吸着浄化手段（第１，第
２）としては、活性炭以外にも、ゼオライトやシリカゲ
ル等が利用可能であり、また、これらの混合または複数
使用も可能である。

【００１５】第１活性炭層２２で浄化された風呂水は、
次いで、多孔質セラミックフィルタ（以下、セラミック
フィルタとする）２４で高度に濾過される。前述のよう
に、セラミックフィルタは、微細な孔を３次元的に有
し、浮遊金属塩類、油分、汚れなどの有機物、不純物、
細菌などの微細粒子、例えば０．２５μｍ〜１μｍ程度
の微細粒子まで濾過することができる。そのため、セラ
ミックフィルタ２４を用いる本発明の浄化装置１０は、
極めて高度な風呂水の浄化が可能である。

【００１６】ここで、セラミックフィルタ２４は、その
高い性能故に、風呂水に含まれるアカや油分等の不純物
が微細な孔を閉塞し易く、従来の浄化装置では、通常短
時間に濾滓が体積し、性能が劣化してしまうのは前述の
とおりである。これに対し、本発明の浄化装置１０にお
いては、セラミックフィルタ２４による濾過に先立ち、
第１吸着浄化手段としての第１活性炭層２２によって風
呂水が浄化されているので、アカや油分等によるセラミ
ックフィルタ２４の濾過空間の閉塞が極めて少なく、長
期に渡って所定性能を発揮できる。従って、浄化装置１
０が有する所定性能を、長期間、安定して発揮すること
ができる。しかも、図示例の浄化装置１０においては、
好ましい態様として、セラミックフィルタ２４の表面に
後述する濾過助剤層を形成するので、セラミックフィル
タ２４の目詰まりが極めて少なく、セラミックフィルタ
２４の長寿命化および長期に渡る所定性能を安定発揮を
実現することができる。

【００１７】図示例の浄化装置１０において、セラミッ
クフィルタ２４は中心に貫通孔を有する円筒形状を有す
るものであり、貫通孔の上下面が第１浄化室１４ａの天
井面および床面（あるいは所定の閉塞部材）で閉塞され
た状態で、第１浄化室１４ａ内に固定されている。後に
詳述するが、図示例においては、第１活性炭層２２を通
過した風呂水は、外壁面から流入して貫通孔に至るよう
にセラミックフィルタ２４の側壁を通過することによ
り、セラミックフィルタ２４によって高度に濾過され、
アカや油分等の夾雑物が取り除かれる。

【００１８】セラミックフィルタ２４の貫通孔には、殺
菌手段としての紫外線ランプ２６が挿入されている。濾
過されてセラミックフィルタ２４の貫通孔に至った風呂
水は、この空間を通過しつつ、紫外線ランプ２６によっ
て発生される紫外線とオゾンとによって殺菌される。図
示例の浄化装置１０においては、１つの紫外線ランプ２
６によって紫外線とオゾン生成とを発生しているが、そ
れぞれに専用の紫外線ランプを用いて、紫外線とオゾン
とを生成してもよい。また、オゾン生成源は紫外線ラン
プに限定はされず、公知の方法が各種利用可能である。
また、殺菌手段として紫外線とオゾンとを併用するのに
も限定はされず、いずれか一方のみで殺菌手段としても
よく、あるいは、紫外線やオゾン以外の殺菌手段を用い
てもよい。

【００１９】一方、浄化装置本体１４の図中右側となる
第２浄化室１４ｂには、第２吸着浄化手段としての第２
活性炭層２８と、濾過助剤槽３０が配置される。

【００２０】図１に示されるように、第２浄化室１４ｂ
には、上方が開放する堰３２と、堰３２の第１浄化室１
４ａと逆側に配置される下方が開放する堰３４とが配置
されている。両堰で形成される空間内に、水は通過する
が活性炭は通過しないフィルタ材を配置し、その上に活
性炭を充填することにより、第２活性炭層２８が形成さ
れる。なお、このフィルタ材としては、不織布やガラス
フィルタ、ステンレスメッシュ上にガーネット粒子を敷
き詰めたもの等、後述する濾過助剤が通過不可能なもの
を用いるのが好ましい。第２活性炭層２８は、セラミッ
クフィルタ２４で濾過しきれなかった夾雑物や細菌、殺
菌によって生成した有機質（細菌の死骸など）を吸着除
去し、かつ風呂水を脱臭して、最終的に浄化された風呂
水とするものである。

【００２１】ここで、堰３４は下方が開放する堰であ
り、第２活性炭層２８はこの堰３４によって形成される
空間内に前記フィルタ材を配置しているので、第２活性
炭層２８の下方には空間が存在する。後に詳述するが、
紫外線ランプ２６によって殺菌された風呂水は、隔壁１
４ｃと堰３２との間から第２浄化室内１４ｂ内に流入
し、堰３２を超えて上方から第２活性炭層２８に流入
し、下方に通過して、最終的に浄化された風呂水となっ
て浴槽１２に戻される。従って、第２活性炭層２８の下
方の空間には、常に浄化された水が貯槽された状態とな
っている。図示例の装置では、この空間に貯槽された水
を後述するセラミックフィルタ２４等の逆洗の洗浄水と
して用いる。これにより、風呂水を洗浄水として用いる
ことによる逆洗での装置内部の汚染を防止し、逆洗直後
であっても、風呂水を所定の状態に浄化することができ
る。また、この構成により、装置内の空間を無駄にする
こと無く、洗浄用の浄化済風呂水を貯槽することができ
る。

【００２２】堰３４の隔壁１４ｃと逆側には上方が開放
する堰３６が配置され、この堰３６と浄化装置本体１４
（ハウジング）との間で、濾過助剤槽３０が形成され
る。前述のように、セラミックフィルタ２４は極めて微
細な濾過空間（孔）を有するため、これを直接用いて風
呂水を濾過すると、この微細な孔が閉塞して、処理能力
が次第に低減すると共に、甚だしい場合には、高価なセ
ラミックフィルタ２４が再生不可能になってしまう。そ
のため、セラミックフィルタ２４の外壁面に濾過助剤層
を形成して、この濾過助剤層を通して風呂水をセラミッ
クフィルタ２４に流入することにより、セラミックフィ
ルタ２４そのものが目詰まりすることを防止すると共
に、後述するセラミックフィルタ２４の逆洗による洗浄
効果を、より良好なものとする。

【００２３】濾過助剤としては、珪藻土や石灰などの粉
末状濾過助剤、セルロース、パルプ繊維、アスベスト等
の繊維状濾過助剤、タンパク質の選択的除去が可能なシ
リカゲル等、公知の材料が各種利用可能である。また、
繊維状濾過助剤を下層（セラミックフィルタ２４の表面
に形成）とし、粉末状濾過助剤を上層にする等、複数の
濾過助剤を用いてもよい。後に詳述するが、図示例の浄
化装置１０においては、前記第２活性炭層２８の下方の
空間およびセラミックフィルタ２４を含む所定経路で風
呂水を循環しつつ、濾過助剤層３０の底面から循環風呂
水を簡潔的もしくは連続的に供給することにより、濾過
助剤を堰３６からオーバーフローさせ、前記空間に供給
することにより、セラミックフィルタ２４の表面に濾過
助剤層を形成する。

【００２４】風呂水は、移送手段２０によってこれらの
各部位を移送され、浴槽１２との間で循環浄化され、あ
るいは濾過助剤層の形成や第１活性炭層２２およびセラ
ミックフィルタ２４の逆洗に利用される。浴槽１２とポ
ンプ１８の流入口とは、バルブ３７を含む流入ライン３
８で接続され、他方、ポンプ１８の吐出口は、バルブ４
０を含む供給ライン４２によって第１浄化室１４ａ内の
隔壁１４ｃと第１活性炭層２２との間に接続される。こ
こで、流入ライン３８の途中には、スポンジやメッシュ
等からなるプレフィルタ４４が配置されており、髪の毛
やゴミ等の大きな不純物は、ここで取り除かれ、浄化装
置本体１４に至ることはない。

【００２５】また、セラミックフィルタ２４の貫通孔に
は、バルブ５４を有する流出ライン４６が接続され、バ
ルブ４８を介して第２浄化室１４ｃ内の隔壁１４ｃと堰
３２との間に、バルブ５０を介して同第２活性炭層２８
下部の空間に、バルブ５２を介して同濾過助剤層３０の
底部に、それぞれ接続される。

【００２６】風呂水の浄化を行うにしたがって、第１活
性炭層２２の内部や表面、セラミックフィルタ２４（濾
過助剤層）の表面には濾滓が体積して、濾過および浄化
能力が低減する。そのため、定期的に第１活性炭層２２
およびセラミックフィルタ２４の洗浄を行う必要があ
る。図示例の浄化装置１０においては、逆洗ライン５６
が設置され、洗浄水（本発明においては、貯槽部５６内
の浄化済風呂水）と空気とを混合したジェット水流を用
いた逆洗によってセラミックフィルタ２４の洗浄を行
う。

【００２７】図示例の浄化装置１０においては、逆洗ラ
イン５６は、供給ライン４２の流入ポンプ１８とバルブ
４０との間と、流出ライン４６のセラミックフィルタ２
４とバルブ５４との間を接続して配置されており、ジェ
ットノズル５８と、ジェットノズル５８より供給ライン
４２側のバルブ６０と、同流出ライン４６側のバルブ６
２とを有し、さらに、バルブ６４を介して、ジェットノ
ズル５８およびバルブ６２の間と、第１浄化室１４ａ内
の第１活性炭層２２およびセラミックフィルタ２４の間
とが接続されている。

【００２８】ジェットノズル５８は、流路が急激に絞り
込まれるノズル部分と、このノズル部分に空気導入ノズ
ルとを有する、いわゆるエゼクタで、ポンプ１８によっ
て逆洗ライン５６に供給された洗浄液の流速をノズル部
分で急激に増大すると共に、その速度変化によって生じ
る吸引力によって空気導入ノズルから空気を導入して洗
浄液に混入し、高速流のジェット水流を生成する。図示
例の装置においては、このジェット水流をバルブ６４を
有するラインから第１活性炭層２２に噴射し、あるい
は、流出ライン４６からセラミックフィルタ２４の貫通
孔内に噴射し、風呂水の循環・浄化と逆方向に流すこと
により、第１活性炭層２２に堆積した不純物を除去し、
また、セラミックフィルタ２４の外壁面に付着した濾滓
を濾過助剤層ごと除去し、洗浄を行う。なお、この逆洗
の操作については、後に詳述する。

【００２９】また、ジェットノズルとして、本出願人に
よる特願平８−４７２６１号明細書に開示される流路径
可変バルブを用いることにより、後述するバイパスライ
ン７６を不要にすることができる。この流路径可変バル
ブは、同一径を有するｎ本の円柱体と、この円柱体のそ
れぞれを、その軸線を中心として回転する回転手段とを
有するもので、各円柱体は、隣り合わせる円柱体と外周
面の少なくとも一部を重ねて、その軸線が互いに平行に
なるように、同一円周上に３６０°／ｎの間隔で配置さ
れている。この各円柱体の外周面には、形成する流路径
に応じた半径を有し中心が円柱体の半径の延長上にある
扇型で互いに半径の異なる複数の流路形成窪み、ならび
に、各円柱体の外周面が重なり合う部分を相殺する円柱
体と同半径の扇形の窪みが、軸線方向に延在して形成さ
れており、かつ、流路形成窪みは、全円柱体に形成され
た対応する流路形成窪みを組み合わせることにより、円
形の流路を形成するように構成されているものである。
従って、この流路径可変バルブによれば、形成すべき流
路径に応じて、各円柱体の対応する流路形成窪みの円弧
の中心が、円柱体が配置される円周の中心に位置するよ
うに、回転手段によって各円柱体を回転することによ
り、流体の流路径を複数に切り替えることができる。

【００３０】浄化装置１０において、ジェット水流の生
成方法は上記エゼクタを用いる方法に限定はされず、コ
ンプレッサ等を用いて高速流にされた洗浄液中に高圧空
気を吹き込んでジェット水流を生成する方法等、公知の
方法が利用可能である。また、ジェット水流を用いず、
洗浄液のみで逆洗を行ってもよいが、洗浄効果を考慮す
ると、ジェット水流を用いるのが好ましい。さらに、よ
り高度な洗浄を行うために、セラミックフィルタ２４の
外壁面にシャワーを吹き掛けるシャワーノズルを濾過部
２２内に配置し、逆洗とシャワー洗浄とを併用してもよ
い。あるいはシャワー洗浄のみでセラミックフィルタ２
４の洗浄を行ってもよいが、やはり逆洗を併用するのが
好ましい。なお、このようなセラミックフィルタ２４の
洗浄は、稼動時間等に応じて浄化装置１０が自動的に行
ってもよく、警告ランプ等の点灯やユーザの判断によっ
てユーザが指示を出すことで行ってもよい。

【００３１】また、供給ライン４２のバルブ４０よりも
第１浄化室１４ａ側には、排水ライン（ブロー）６８が
接続される。排水ライン６８は、バルブ７０および７２
を有し、また、両バルブの間で、バルブ６６を介して第
１浄化室１４ａ内の第１活性炭層２２とセラミックフィ
ルタ２４との間と接続されている。図示例の浄化装置１
０においては、この排水ライン６８によって、第１活性
炭層２２およびセラミックフィルタ２４の逆洗廃水を、
浄化装置１０の外部に排水する。さらに、供給ライン４
２と逆洗ライン５６とは、バルブ７４を有するバイパス
ライン７６で接続される。

【００３２】前述のように、風呂水は、第２浄化室１４
ｂ内の第２活性炭層２８を通過して、浄化済の風呂水と
されて第２活性炭層２８の下方の空間に至る。この空間
は、戻りライン７８によって浴槽１２に接続されてい
る。ここで、戻りライン７８には、バルブ８０が配置さ
れ、バルブ８０に並列に加熱装置１６が配置される。

【００３３】加熱装置１６は、コントロールバルブ８
２、熱交換器８４、バルブ８６および７４から構成さ
れ、コントロールバルブ８２によってバルブ８０よりも
浄化装置本体１４側で戻りライン７８から分岐し、バル
ブ８６、熱交換器８４、バルブ８８を経て、バルブ６６
よりも浴槽１２側で戻りライン７８に合流する。図示例
の浄化装置１０においては、コントロールバルブ８２に
おいて浴槽１２に戻る風呂水の温度を測定して、加熱装
置１６に流入する水量と戻りライン７８を進行する水量
とを調節し、分岐されて加熱装置１６に流入した水を熱
交換器８４で加熱して再度戻りライン７８に合流するこ
とにより、浄化済風呂水を所定温度として、浴槽１２内
の風呂水温度を所定温度に保つ。なお、本発明の浄化装
置において、風呂水の加熱方法はこれに限定はされず、
熱交換器における加熱温度を調整して水温を所定温度に
保つ方法等、公知の水温調整方法が各種利用可能であ
る。

【００３４】また、加熱装置１６によって、風呂水を高
温に加熱して循環し、第１活性炭層２２および第２活性
炭層２８の活性炭の再生を行ってもよい。なお、この場
合には、高温の風呂水が浴槽１２に流入しないよう、流
入ライン３８と戻りライン７８とを、加熱装置１６より
も浴槽１２側で接続し、浄化装置１０内のみで風呂水を
循環するように構成するのが好ましい。

【００３５】さらに、戻りライン７８と流入ライン３
８、および戻りライン７８と供給ライン７２は、それぞ
れバルブ９０およびバルブ９２を介して接続（バイパ
ス）されている。

【００３６】本発明にかかる浄化装置１０は、基本的に
上記構成を有するものであるが、以下、風呂水の循環浄
化、第１活性炭層２２ならびにセラミックフィルタ２４
の逆洗、および濾過助剤層の形成の作用について説明す
る。

【００３７】浄化装置１０においては、ポンプ１８によ
って浴槽１２と浄化装置１０との間で風呂水を循環しつ
つ、第１活性炭層２２による浄化、セラミックフィルタ
２４による濾過、紫外線ランプ２６による殺菌、第２活
性炭層２８による吸着浄化を順次行うことにより、風呂
水を浄化して浴槽１２内の風呂水を清浄に保つ。

【００３８】図示例の浄化装置１０においては、風呂水
の循環浄化時（すなわち、通常の作動時）には、バルブ
３７，４０，５４，４８，８０，８６および８８が開放
され、それ以外のバルブはすべて閉塞されている。浴槽
１２内の風呂水は、ポンプ１８によって、流入ライン３
８から供給ライン４２を経て、第１浄化室１４ａ内の隔
壁１４ｃと第１活性炭層２２との間に流入・充填され
る。隔壁１４ｃと第１活性炭層２２との間に流入した風
呂水は、第１活性炭層２２を通過することで浄化され
て、第１活性炭層２２とセラミックフィルタ２４との間
に流入・充填され、セラミックフィルタ２４の側壁を外
壁から貫通孔に至るように通過して、高度に濾過され
る。

【００３９】セラミックフィルタ２４の貫通孔に流入・
充填し風呂水は、この貫通孔内において、紫外線ランプ
２６が発生する紫外線およびオゾンによって殺菌され、
流出ライン４６からバルブ４８を経て、第２浄化室１４
ｂ内の隔壁１４ｃと堰３２との間に流入される。隔壁１
４ｃと堰３２との間に流入した風呂水は、堰３２をオー
バーフローして第２活性炭層２８に流入、通過して、浄
化済の風呂水とされて第２活性炭層２８の下方の空間に
流入し、かつ濾過助剤槽３０を含む第２浄化室１４ｂ内
に充填され、戻りライン７８に流入する。戻りライン７
８に流入した浄化済風呂水は、その水温に応じてコント
ロールバルブ８２によって加熱装置１６に流入する水量
が調整され、熱交換器８４で加熱された風呂水と非加熱
の風呂水とが合流することで所定温度の風呂水とされ、
浴槽１２に戻される。

【００４０】第１活性炭槽２２およびセラミックフィル
タ２４の逆洗は、以下のように行われる。まず、バルブ
９０および９２以外の全てのバルブを閉塞して、ポンプ
１８を駆動して水を循環する。ポンプ１８の出力が最高
になった時点で、バルブ９２を閉塞し、逆洗ライン５６
のバルブ６０および６４、ならびに排水ライン６８のバ
ルブ７０および７２が開放される。同時に、逆洗ライン
５６のバルブ６２も開放される。これにより、第２活性
炭層２８の下部の浄化済風呂水が戻りライン７８からポ
ンプ１８に供給され、供給ライン４２から逆洗ライン５
６に流入してジェット水流が生成され、まず、セラミッ
クフィルタ２４の貫通孔内、およびセラミックフィルタ
２４と第１活性炭層２２との間に噴射される。

【００４１】セラミックフィルタ２４の貫通孔内に風呂
水が満たされた時点でバルブ６２は閉塞される。このよ
うに、セラミックフィルタ２４の貫通孔内にもジェット
水流が供給され、充填された後に閉塞されているので、
一方のセラミックフィルタ２４と第１活性炭層２２との
間に供給されるジェット水流は、圧力のかかっていない
側、すなわち通常の浄化と逆に第１活性炭層２２を通過
して、隔壁１４ｃと第１活性炭層２２との間に流入し、
排水ライン６８を経て、廃水として外部に排出される。
この逆洗は、第１活性炭層２２の洗浄というよりも、ジ
ェット水流を利用して第１活性炭層２２内で凝集された
活性炭を解す性格のものであり、また、ジェット水流に
よる活性炭を解す作用は高いので、長い時間行う必要は
ない。

【００４２】この第１活性炭層２２の逆洗が終了する
と、次いで、逆洗ライン５６のバルブ６４および排水ラ
イン６８のバルブ７０が閉塞され、同時に、逆洗ライン
５６のバルブ６２、排水ライン６８のバルブ６６、およ
び供給ライン４２のバルブ４０が開放される。これによ
り、ジェット水流がセラミックフィルタ２４の貫通孔内
に噴射され、同時に、風呂水が第１浄化室１４ａ内の隔
壁１４ｃと第１活性炭層２２との間に流入する。バルブ
４０は、隔壁１４ｃと第１活性炭層２２との間の空間が
満たされた時点で閉塞される。一方、セラミックフィル
タ２４の貫通孔内に噴射されたジェット水流は、貫通孔
から外に通過して、セラミックフィルタ２４の外壁面に
体積した濾滓を濾過助剤ごと除去して洗浄し、セラミッ
クフィルタ２４と第１活性炭層２２との間に至るが、前
記空間にも風呂水が供給され、充填・閉塞されているの
で、第１活性炭層２２を通過することはなく、圧のかか
っていない方向すなわちバルブ６６および７２が開放さ
れた排水ライン６８を経て、廃水として外部に排出され
る。

【００４３】セラミックフィルタ２４の逆洗が終了する
と、次いで、バルブ６６が閉塞してバルブ７０が開放
し、最初に行われた第１活性炭層２２の逆洗と同様に、
ジェット水流が、セラミックフィルタ２４の貫通孔内、
およびセラミックフィルタ２４と第１活性炭層２２との
間に噴射される。先の逆洗と同様、セラミックフィルタ
２４の貫通孔内に風呂水が満たされた時点でバルブ６２
は閉塞され、セラミックフィルタ２４と第１活性炭層２
２との間に供給されるジェット水流は、圧力のかかって
いない第１活性炭層２２を通過して、隔壁１４ｃと第１
活性炭層２２との間に流入し、排水ライン６８を経て、
廃水として外部に排出される。ここで、先の第１回目の
逆洗によって、第１活性炭層２２内の活性炭は十分に解
されているので、極めて良好な効率および効果で第１活
性炭層２２を洗浄することができる。

【００４４】なお、以上の第１活性炭層２２およびセラ
ミックフィルタ２４の逆洗は、洗浄水として第２活性炭
層２８の下部空間に充填された浄化済風呂水を用いた
が、必要に応じて、浴槽１２内の風呂水を洗浄水として
用いてもよい。

【００４５】セラミックフィルタ２４の濾過助剤層の形
成は、以下のように行われる。まず、バルブ９０，７
４，６４，５４および５０を開放、それ以外のバルブを
すべて閉塞し、ポンプ１８によって、系内の風呂水を
『第２活性炭層２８の下部空間→第１浄化室内のセラミ
ックフィルタ２４と第１活性炭層２２との間→セラミッ
クフィルタ２４の貫通孔→前記下部空間』の所定の経路
を循環させる。この状態で、バルブ５２を断続的に所定
回数、もしくは所定時間連続的に開放する。これによ
り、濾過助剤槽３０内に底面から循環風呂水が流入さ
れ、濾過助剤槽３０内の濾過助剤が堰３６をオーバーフ
ローして第２活性炭層２８の下部空間に流入し、循環風
呂水に混入する。なお、循環水は、常時戻りライン７８
から引かれているので、第２活性炭層２８の下部空間に
流入した濾過助剤が第２活性炭層２８に混入することは
なく、また、前述のように、第２活性炭層２８を形成す
るフィルタ材として、濾過助剤が通過不可能なものを用
いることにより、濾過助剤の第２活性炭層２８への混入
はより好適に防止できる。ここで、前記循環経路では、
風呂水は、外壁面から流入して貫通孔に至る、通常の循
環浄化と同様にセラミックフィルタ２４を通過している
ので、循環風呂水に混入した濾過助剤は、セラミックフ
ィルタ２４の外壁面で補足され、濾過助剤層が形成され
る。

【００４６】図１に示される浄化装置１０は、筐体状の
浄化装置本体１４を有するものであったが、本発明はこ
れに限定はされず、例えば、図２に平面図を概念的に示
すように、円筒状の浄化装置本体を有する構成であって
もよい。なお、図２に示される例は、形状が異なる以外
は図１に示される浄化装置１０と同様であるので、説明
を明瞭にするために、同じ部材には同じ符号を付し、説
明は異なる部分を主に行う。従って、図２に示される浄
化装置１００においても、風呂水の循環浄化、セラミッ
クフィルタ２４の逆洗および濾過助剤層の形成、およ
び、これらの各操作における風呂水や洗浄液の流れは、
前記浄化装置１０と同様であり、基本的に図１に示され
る浄化装置１０と同様に各部位を接続して移送手段２０
が構成されている。

【００４７】図２に示される浄化装置１００は、円筒状
の浄化装置本体１０２を有し、隔壁１４ｃによって、内
側の第１浄化質１４ａと外側の第２浄化質１４ｂとに互
いに液密に分離されている。浄化装置１００は、最外部
に堰３６によって形成される円環状の濾過助剤槽３０を
有し、その内側に堰３２および３４によって形成される
円環状の第２活性炭層２８を有する。また、第２活性炭
層２８の下部は空間となっているのは図１に示される浄
化装置１０と同様である。また、堰３２の内側には隔壁
１４ｃが位置し、その内側には、フィルタ材によって形
成される円環状の第１活性炭層２２が配置され、その内
側に浄化装置本体１０２の天井面と床面とで貫通孔を閉
塞されて円筒状のセラミックフィルタ２４が配置され
る。さらに、セラミックフィルタ２４の貫通孔には、殺
菌手段としての紫外線ランプ２６が挿入・配置される。

【００４８】図１および図２に示される浄化装置では、
共に円筒状のセラミックフィルタ２４を一本用いている
が、本発明はこれに限定はされず、複数のセラミックフ
ィルタ２２を用いてもよい。また、円筒状のセラミック
フィルタのみならず、板状のセラミックフィルタを用い
てもよい。さらに、殺菌手段となる紫外線ランプはセラ
ミックフィルタの貫通孔に挿入される以外にも、堰や隔
壁を利用して別途空間を設けて、ここに紫外線ランプを
配置して殺菌を行ってもよい。なお、いかなる場合で
も、殺菌手段は風呂水の循環浄化におけるセラミックフ
ィルタの下流側に配置するのが好ましい。

【００４９】また、図示例においては、浴槽１２と第１
活性炭層２２との間にポンプ１８が配置されていたが、
本発明はこれに限定はされず、ポンプ１８は、第１活性
炭層２２とセラミックフィルタ２４の間、セラミックフ
ィルタ２４と第２活性炭層２８との間、第２活性炭層２
８と浴槽１２との間、等に配置してもよい。

【００５０】以上、本発明の風呂水浄化装置および逆洗
方法について詳細に説明したが、本発明は上述の例に限
定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、
各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんであ
る。

【００５１】

【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、多孔質セラミックフィルタを用いた高性能な風
呂水浄化装置であって、多孔質セラミックフィルタの汚
染をより好適に防止することができ、長期に渡って所定
性能を安定して発揮する風呂水状か装置を実現すること
ができる。また、本発明の風呂水浄化装置の逆洗方法に
よれば、前記本発明の風呂水浄化装置のように、多孔質
セラミックフィルタによる濾過に先立ち、吸着浄化手段
によって風呂水の浄化を行う装置において、吸着浄化手
段および多孔質セラミックフィルタの逆洗を好適に行う
ことができ、長期に渡って所定性能を安定して発揮する
風呂水浄化装置を実現することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の風呂水浄化装置の一例の概略図であ
る。

【図２】本発明の風呂水浄化装置の別の構成例を概念的
に示す上面図である。

【符号の説明】

１０，１００ （風呂水）浄化装置 １２ 浴槽 １４，１０２ 浄化装置本体 １６ 加熱装置 １８ ポンプ ２０ 移送手段 ２２ 第１活性炭層 ２４ （多孔質）セラミックフィルタ ２６ 紫外線ランプ ２８ 第２活性炭層 ３０ 濾過助剤槽 ３２，３４，３６ 堰 ３７，４０，４８，５０，５２，５４，６０，６２，６
４，６６，７０，７２，７４，８０，８６，８８，９
０，９２ バルブ ３８ 流入ライン ４２ 供給ライン ４４ プレフィルタ ４６ 流出ライン ５６ 逆洗ライン ５８ ジェットノズル ６８ 排水ライン ７６ バイパスライン ７８ 戻りライン ８２ コントロールバルブ ８４ 熱交換器

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】風呂水を吸着浄化する第１吸着浄化手段
   と、前記第１吸着浄化手段によって浄化された風呂水を
   濾過する多孔質セラミックフィルタと、前記多孔質セラ
   ミックフィルタで濾過された風呂水を浄化する第２吸着
   浄化手段と、所定の経路で風呂水を移送するポンプとを
   有することを特徴とする風呂水浄化装置。
2. 【請求項２】請求項１に記載の風呂水浄化装置におい
   て、さらに、上方が開放する堰で仕切られた空間内に前
   記多孔質セラミックフィルタの濾過助剤を充填する濾過
   助剤槽を有し、かつ、この濾過助剤槽が前記堰を介して
   風呂水の移送経路と連通しており、さらに、この濾過助
   剤槽と前記多孔質セラミックフィルタで濾過された風呂
   水を第２吸着浄化手段に供給する配管とが、少なくとも
   １つのバルブを介して接続されている風呂水浄化装置。
3. 【請求項３】円筒と、この円筒に収容される円筒とで形
   成される、互いに液密に分離される２つの空間を有し、 内側の空間の中心部に多孔質セラミックフィルタが配置
   され、この多孔質セラミックフィルタを囲んで、風呂水
   が側壁を通過する円筒状の第１吸着浄化手段が配置さ
   れ、 外側の空間には、上方が開放する円筒状の第１堰と、こ
   の第１堰の外側に配置される下方が開放する円筒状の第
   ２堰とが配置され、前記第１堰と第２堰とで囲まれた空
   間内に前記第２吸着浄化手段が設置され、前記第２堰の
   外側に前記濾過助剤槽を形成する円筒状の堰が配置され
   る請求項２に記載の風呂水浄化装置。
4. 【請求項４】吸着浄化手段と多孔質セラミックフィルタ
   とを用い、多孔質セラミックフィルタによる濾過に先立
   ち、吸着浄化手段による風呂水の浄化を行う風呂水浄化
   装置の逆洗方法であって、 吸着浄化手段に水流中に高圧空気を噴射してなるジェッ
   ト水流を通過せしめた後、流路を切り替えて前記ジェッ
   ト水流で多孔質セラミックフィルタを逆洗し、次いで、
   流路を切り替えて前記ジェット水流で吸着浄化手段を逆
   洗することを特徴とする風呂水浄化装置の逆洗方法。
5. 【請求項５】前記多孔質セラミックフィルタの風呂水流
   出部を洗浄水で満たした状態で前記吸着浄化手段にジェ
   ット水流を通過させ、前記吸着浄化手段の風呂水流出部
   を洗浄水で満たした状態で前記多孔質セラミックフィル
   タの逆洗を行い、前記多孔質セラミックフィルタの風呂
   水流出部を洗浄水で満たした状態で前記吸着浄化手段の
   逆洗を行う請求項４に記載の風呂水浄化装置の逆洗方
   法。