JPH10152971A - 移動式床構造体及びこれを利用した建築物 - Google Patents

移動式床構造体及びこれを利用した建築物

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JPH10152971A
JPH10152971A JP8324828A JP32482896A JPH10152971A JP H10152971 A JPH10152971 A JP H10152971A JP 8324828 A JP8324828 A JP 8324828A JP 32482896 A JP32482896 A JP 32482896A JP H10152971 A JPH10152971 A JP H10152971A
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movable floor
floor
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特に集合住宅等の高層建築物等の建築物にお
いて、スペースの有効利用することが出来るのみなら
ず、施工や修理・点検時の作業性に優れ、且つ建築コス
トの削減を達成した建築物、及びこれを構成する移動式
床構造体の提供。 【解決手段】 パネル構成部と、該パネル構成部と一体
に形成されているパネル構成部を相互に連結するための
連結部とを有する構造用部材を少なくとも有する移動式
床構造体において、上記構造用部材のパネル構成部が、
上下の位置で略平行に対峙している2枚の板と、該2枚
の板と一体に形成されている2枚の板の間に斜めに掛け
渡された補強部材とからなり、且つ連結部の形状が、パ
ネル構成部の長手方向を上下の位置で相互に連結する構
造を有し、更に、移動式床構造体が水平方向に移動可能
に構成されている移動式床構造体、及び建築物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、移動式床構造体及
びこれを用いた建築物に関し、更に詳しくは、水平方向
に移動可能に構成されている移動式床構造体、及び部屋
の床体が自在な位置に移動及び固定可能に構成されてい
る空間の有効利用を実現し得る施工性に富んだ移動式床
構造体及びこれを用いた建築物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、狭い国土を集約的に利用して
いる我が国においては、限られたスペースに、いかに多
くの生活用品や業務用品の収納場所を確保するか、或い
は広い生活空間や作業空間を効率的に確保するかが建物
を造る上での重要な要素となっている。この為、特に、
住居用の建築物においては、人間が快適な日常を送るた
めの各種の工夫がなされている。例えば、特開平3−4
3544号公報には、集合住宅やオフィスビル等の鉄筋
・鉄骨コンクリート建築物の各階層に仕切る為のコンク
リートスラブの上面に梁を設け、この梁の上に床材を支
持させて(以下、逆梁コンクリートスラブと呼ぶ)、コ
ンクリートスラブの上面と床材との間に床下空間が形成
された建築物の床構造が開示されており、該空間を、生
活用品等を収納する収納庫や各種配管や機材を収納する
場所とすることが提案されている。又、従来より一戸建
ての木造等の家屋においては、例えば、各種の工夫を凝
らした床下収納庫や、掘り炬燵等の埋め込み型の器材の
使用等、地面と床体との間の床下の空間部分を有効に利
用する試みが種々知られている。
【0003】しかし、従来から知られているこれらのも
のは、例えば、床下収納庫においては、固定されている
床面に開口部が設けられ、その開口部に開閉可能なハッ
チが設けられた構造をしている為、収納することの出来
る荷物の大きさがハッチの大きさによって限定された
り、ハッチを構成している枠体部分等が荷物の出し入れ
の際に邪魔になったりする場合がある。又、床面の下に
落とし込んで収納された荷物は、床下に潜り込む様にし
て取り出さなければならず、使い勝手が悪いという問題
もある。これに対し、本発明者らは、特願平7−204
030や特願平7−349994において、床面全体を
互いに水平方向に移動可能に構成することによって、こ
れらの問題を一挙に解決し、床下を最大限に有効利用し
得る使い勝手に優れた建築物を提案している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記建
築物は、従来にない各種の機能を建築物に付与するもの
である為、構造が複雑となる部分があり、施工の際の作
業性に劣ることや、従来の建築物よりも部材の費用が余
分にかかり建築コストが上ってしまうこと、居住してい
く上での維持管理の非容易性等の実用上の問題があっ
た。特に、床体全体を円滑に移動させることが出来る様
に構成したものであるので、室内における施工や可動状
態の調整作業、更には修理・点検等が必要となり、これ
らの作業をいかに効率よく簡単にすることが出来るかが
普及上の大きな問題である。従って本発明の目的は、上
記従来技術の課題を解決し、特に集合住宅等の高層建築
物や一戸建ての家屋等の建築物において、限られたスペ
ースを有効利用することが出来るのみならず、施工や修
理点検等の際の作業性に優れ、且つ建築コストの削減を
達成した建築物、及び該建築物を構成する移動式床構造
体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、パネル構成
部と、該パネル構成部と一体に形成されているパネル構
成部を相互に連結するための連結部とを有する構造用部
材を少なくとも有する移動式床構造体において、上記構
造用部材のパネル構成部が、上下の位置で略平行に対峙
している2枚の板と、該2枚の板と一体に形成されてい
る2枚の板の間に斜めに掛け渡された補強部材とからな
り、且つ連結部の形状が、パネル構成部の長手方向を上
下の位置で相互に連結する構造を有し、更に、移動式床
構造体が水平方向に移動可能に構成されていることを特
徴とする移動式床構造体、及びこれを用いた建築物であ
る。
【0006】
【発明の実施の態様】本発明者らは、上記の従来技術の
課題を解決すべく鋭意検討の結果、通常は壁にしっかり
と固定されているはずの床面を水平方向に移動可能に構
成し、且つ、その際の施工性や各種作業性、更に経済性
を高める為には、先ず、その性質上、強度的、耐久的に
十分な構造物とし、更に安全対策が十分になされた上
で、移動式の床構造体をできるだけ軽量且つ簡略な構造
とする必要があるが、上記構成を有する本発明の移動式
床構造体を使用すれば、これらの全てを満足し、従来技
術の課題が解決されることを知見して本発明に至った。
即ち、本発明の移動式床構造体は、非常に軽量で取扱い
易い部材で構成され、しかも部材数が少ない為、施工性
や各種作業性、更には経済性に優れると共に、床の撓み
や振動の発生が少なく、人が生活するのに十分な強度と
耐久性を有し、加えて使い勝手や維持管理にも優れる。
【0007】先ず、本発明の移動式床構造体で使用する
構造用部材について説明する。本発明で使用する構造用
部材1は、図2に示した様に、パネル構成部Pと、該パ
ネル構成部Pと一体的に形成されている連結部Kとから
なる長尺の建築用部材である(図2(c)参照)。ここ
で、パネル構成部Pは、図2に示した様に、筒状の函体
形状をしている。又、このパネル構成部Pの函体の中空
部分には、函体の上下の位置に略平行に対峙した上面2
及び下面2’の間に(図2(a)参照)、夫々斜めに掛
け渡された補強部材3が函体部分と一体に形成されてい
る。該補強部材3の形状は、構造用部材の強度を十分な
ものとすることができれば特に限定されないが、例え
ば、図2(a)に示した様に、函体の側面形状を見た場
合に、上下の面2及び2’に対して、全てが鋭角で交わ
る様にして掛け渡わたされた構造のものが強度的に好ま
しい。
【0008】例えば、図2(a)に示した例では、補強
部材3の側面構造が、底辺が約100mmで高さが約6
0mmの2等辺三角形が組み合わされた形状を形作るも
のとなっている。本発明で使用する構造用部材のパネル
構成部Pは、この様に、函体の枠部分と、該枠部分の強
度を補強する為の中空部分に斜めに掛け渡された補強部
材とを有する形状をしている為、構造用部材を、1〜5
mm、より好ましくは1.5〜3mm程度の薄いアルミ
ニウム等の軽量金属板や、繊維強化プラスチックの薄板
等で作製した場合にも、人が乗って激しく飛びはねたと
しても撓みにくい強固な部材となる。又、アルミニウム
板等で形成しているので、木材や鉄板等で形成した場合
と比べ、格段に耐久性に優れたものとなる。例えば、構
造用部材全体を1.8mmの厚みのアルミニウム板で形
成し、図2(a)で示した構造の補強部材3を有する、
長さ約2,400mm、パネル構成部Pの幅が約200
mmの1枚の構造用部材は、その重量が約10kgと非
常に軽いものであるにもかかわらず、中心に100kg
の荷重を加えても、約1.8mm程度しか撓むことがな
い。
【0009】本発明で使用する構造用部材1は、図2
(a)及び(c)に示した様に、上記の様なパネル構成
部Pに隣接し、略平行の位置に対峙している上面2及び
下面2’の両端側に続けて一体的に突起状の連結部Kが
形成されている。そして、図2(b)に示した様に、連
結部Kを構成している4つの突起部を夫々、下面2’側
では突起部4と突起部5とを、上面2側では突起部6と
突起部7とを嵌合させることによって、構造用部材1の
長手部分を上下の位置で互いに結合することが出来る構
造となっている。この際、構造用部材1の大きさは特に
限定されないが、長手方向の長さを十分に長くすれば、
例えば、構造用部材1の長手方向の長さを部屋の幅に一
致させておけば、2枚の構造用部材が非常に長い部分
で、しかも上下の位置で互いにがっちりと噛み合わされ
た形で連結されるので、強固な連結が達成される。即
ち、図2(b)に示した様に互いに嵌合された場合に
は、2枚の構造用部材を、長手方向の逆の方向に互いに
スライドさせない限り、両者の連結関係が解除されるこ
とがなく、一端連結された構造用部材が外れてしまった
たり、連結部分がガタついたりすることがない。更に、
この連結部Kは20〜30mm程度の幅を有する為、構
造用部材を並列に連結した場合に、隣接する構造用部材
1が部屋の幅に一致した長さで且つこの20〜30mm
の幅でがっちりと連結されることになり、構造用部材を
相互に連結してパネルを形成した場合の方が先に述べた
1枚の構造用部材の強度よりも強くなり、撓みや振動を
より小さく抑えることが出来る。
【0010】本発明の移動式床構造体は、少なくとも、
上記の様な構成を有する構造用部材1が使用されて構成
されるが、以下、その構成について説明する。図1に示
した様に、本発明においては、上記で説明した様な形状
を有する構造用部材1を複数枚並列に連結することによ
って、本発明の移動式床構造体の芯材パネルが形成され
る。図1は、その構成を説明する為の概略模式図である
が、以下、これに従って本発明の移動式床構造体の構成
を説明する。先ず、図1(b)は、本発明の移動式床構
造体の芯材パネル部分Aの構成を説明する為の概略模式
図であるが、上記で説明した構造を有する構造用部材
の、例えば、1.5〜3mmの厚みのアルミニウム等の
軽量金属板や、繊維強化プラスチックの薄板等で作製さ
れた、幅200〜300mm程度、厚み50〜80mm
程度、長手方向の長さが2,000〜3,000mm程
度の長尺な構造用部材を複数枚使用し、これらの構造用
部材を並列に連結して芯材パネル部Aを形成する。尚、
図1(b)では、構造用部材を4枚並列に連結た様子を
描いているが、実際に施工する場合には、例えば、4.
5畳用の床構造体の場合には13枚程度、6畳用の床構
造体の場合には、15枚程度の構造用部材を並列に連結
して使用する。
【0011】上記の様にして形成される芯材パネル部A
は、厚みが薄くても非常に強度が強く且つ耐久性に富
み、更に撓みや振動を生じない優れたものとなる。上記
で得られた芯材パネルAの上に、実際に大人が5〜6人
が乗って、飛び跳ねたり動き回ってみたところ、床体が
沈み込んだり振動を生ずることがなく、通常の生活状態
であれば殆ど撓だり、振動したりするおそれがないこと
が確認された。
【0012】上記の様に芯材パネル部Aは、軽量である
にもかかわらず非常に強度が強く且つ耐久性に優れたも
のであるが、更にこれに加えて、1枚の構造用部材の重
さが約10kg程度である為、夫々の部材を簡単に持ち
上げることが可能であり、搬入や施工の作業が容易とな
る。更に、連結部Kの構造が簡単であるので、何ら工具
や助けを必要とすることなく、芯材パネル部Aの組み立
て作業を1人で容易にすることが可能となる。即ち、本
発明で使用する構造用部材は、先ず、2枚の構造用部材
の一方を水平に置いた後、他方の構造用部材を斜めにし
て、水平に配置されている構造用部材の突起部5の凹部
に、斜めに配置されている構造用部材の突起部4の凸部
を引っ掻け、その後、突起部4の凸部を有する構造用部
材を持ち上げることにより、突起部4の凸部が突起部5
の凹部の曲線に沿って挿入され、突起部4に対峙する位
置にある突起部6の先端部分が突起部7の下面に沿って
移動し、突起部7の下面のパネル構成部P側に形成され
ている凹部に嵌め込まれる。この結果、図2(b)に示
した状態で2枚の構造用部材が強固に連結される。この
為、従来と比べ、格段に容易に移動式床構造体の形成が
可能となり、建築コストが大幅に削減される。更に、本
発明の移動式床構造体で使用する上記した構造を有する
構造用部材は、所望の形状の金型さえ形成してしまえ
ば、同様に軽量で高強度を有するハニカム構造を有する
パネル材等よりも安価に製造することが可能であり、こ
の点からも、建築コストを大幅に削減することが出来
る。
【0013】上記のようにして形成される本発明の移動
式床構造体の芯材パネル部分Aの上には、図1(a)に
示した様に、例えば、畳材等の床材Cが乗せられる。こ
の際に、例えば、芯材パネル部分Aの上面の周囲に木製
の枠10を配置し、床材Cが乗せられた場合に額縁状と
なって床材Cが固定される様にすることが好ましい。
尚、図1に示した例では、床材を畳としているが、本発
明はこれに限定されず、フローリングや各種合成樹脂シ
ート、絨毯等で構成してもよいのは勿論である。
【0014】次に、本発明の移動式床構造体の移動機構
の構成について説明する。本発明の移動式床構造体は、
上記芯材パネル部分Aに取り付けられた複数の車輪とラ
ックギア、及び固定床側に設けられたピニオンギア、及
びこれらを駆動させる為のモーター等の稼働手段とによ
り、床体全体を水平に移動及び固定させることを可能と
している。
【0015】先ず、複数の車輪は、上記で説明した芯材
パネル部分Aの下面の両側面の近傍に取り付けられる。
この際、図1(c)に示した様な、車輪構造体Bを用い
れば、取り付け作業や車輪が破損等した場合の取り替え
作業を容易にすることが出来、且つ取り付け位置の調整
作業等も容易にすることが出来る。図3に車輪構造体B
の構造の説明図を示したが、車輪15を取り付ける部分
の切欠きが所望の位置にされている車輪取り付け用基板
11を用意し、図3(c)に示した様に、この切欠き位
置に車軸12を溶接等の手段で直接取り付けておき、車
輪構造体Bとして予め作製しておくことが好ましい。こ
の際に、車輪取り付け用基板11に車輪を1つずつ取り
付けた構成としてもよいし(図3(a)及び(b)参
照)、長尺の車輪取り付け用基板11を用意し、これに
車輪を複数取り付けて構成してもよい(図3(d)参
照)。そして、芯材パネル部分には、図3(c)に示し
た様に、下面の所望の位置に車輪を格納するための孔を
設けておき、この孔の部分に車輪構造体Bの車輪部分を
挿入し、その後、車輪取り付け用基板11に設けられて
いる取り付け用の小孔にビス等を差し込み、車輪取り付
け用基板11を芯材パネル部分Aの下面に固定すれば、
簡単に且つ所望の位置に車輪を取り付けること可能とな
る。更に、この様な構成とすると、車輪の大半が芯材パ
ネルの厚み部分に格納されので、先に述べた厚みの薄い
優れた強度を有する構造用部材の使用と合わせ、移動式
床構造体全体の厚みを格段に薄くすることが出来る。
【0016】本発明で用いる車輪は、いずれのものでも
よいが、大重量を支えることが出来、且つ円滑に回転し
て大重量の本発明の移動式床構造体を容易に移動させる
ことが出来るものを使用する必要がある。この様な車輪
としては、例えば、円滑に回転することが可能な内部に
ベアリング13を有した構造の鋼等の金属製のものや、
或いはエンジニアプラスチック製のもの等、強度が強く
材料の摩耗や劣化の少ないものを使用するのが好まし
い。例えば、本発明においては、直径が37mmφ程度
の車輪の幅が10〜20mmの大きさの鋼製の車輪を好
ましく使用することが出来る。
【0017】上記の様にして、芯材パネル部分Aの下面
両側に車輪が取り付けらた本発明の移動式床構造体20
は、図7に示した様に、通常の床面よりも50〜70c
m程度落し込んで形成されている固定床18の上部に、
あたかもスライド形式の蓋の様に配置される。即ち、固
定床18の端部に垂直に設けられている両側壁に、車輪
が走行し得る走行路19を設けておき、該走行路19に
車輪15を乗せることによって、本発明の移動式床構造
体20は水平方向に移動可能に構成される。この際、本
発明の移動式床構造体20を、手動で移動させることも
可能であるが、かなりの重量物であり、又、使い勝手や
安全性を考慮すると、モーター等の稼働手段によって自
在に移動及び固定可能に構成することが好ましい。先
ず、これについて説明する。
【0018】図4は、本発明の移動式床構造体20の両
側面部の近傍における断面構造を示したものであるが、
本発明の移動式床構造体20の芯材パネル部分Aの下面
に取り付けられた車輪は、夫々走行路19の上に乗せら
れる。この際、走行路19には、車輪を介して床構造体
の大重量の負荷がかかり、長期の走行によっては走行路
が沈みこんだり破損したりする可能性がある。特に、走
行路19が木材で形成されている場合には、この問題が
顕著となる。そこで、本発明においては、木製等の走行
路上に、金属製、或いはポリスチレン、ポリプロピレ
ン、ポリブチレンテレフタレート、FRP、ABS及び
PVC樹脂等の硬質プラスチックからなる強化部分19
aを、木製等の走行路上に設けておくのが好ましい。こ
のように構成すれば、車輪の滑り性も向上し、床構造体
の円滑な移動が可能となる。更に、走行路19上に設け
る強化部分の形状を、車輪15の幅と同様の幅を有する
凹状の溝19bとしてもよい。この様にすれば、車輪
は、この溝に嵌り込み外れることなく溝内を安定して走
行し得る。例えば、幅20mmの厚さ6.0mm程度の
の黄銅製の板の中央部に、12mmの幅の2.7mm程
度の深さの浅い溝を形成する。
【0019】次に、上記した車輪を自動的に駆動させる
ための構成について説明する。本発明においては、移動
式床構造体20の車輪が設けられている一方の側に、図
4に示した様に、ラックギア30を取り付けておき、該
ラックギアに噛み合うピニオンギア40との作用によっ
て、重量物である移動式床構造体20を自在に移動及び
固定させることを可能とする。即ち、図5(a)に示し
た様に、移動式床構造体20の一方の側壁に沿った位置
に設けられたラックギア30のピッチ面に並んだ歯と噛
み合う位置に、ラックギアの歯と同一のピッチを有する
円板状のピニオンギア40を設け、該ピニオンギア40
を固定床に配置されている駆動用モータMの回転軸に取
り付ける構成とすることにより、駆動用モータの駆動に
より移動式床構造体20の水平方向への移動が可能とな
る。
【0020】上記の構成によって、本発明の移動式床構
造体20は、ブレーキ付き駆動用モータを駆動させなけ
ればピニオンギア40が回転運動することはなく、ラッ
クギア30の歯とピニオンギア40の歯は、図5(a)
に示した様にしっかりと噛み合わされている為、ラック
ギアを有する床構造体20は、ピニオンギア40を介し
て固定床に強固に固定された状態となる。一方、ピニオ
ンギア40を回転させた場合には、ピニオンギア40の
回転につれて該ピニオンギアの歯車と噛み合わされてい
るラックギア30の歯がピニオンギア40の歯車の上を
水平方向に進むことになり、ピニオンギア40の回転運
動がラックギア30の水平運動へと伝達される。この結
果、ラックギア30と一体的に構成されている床構造体
20を、ピニオンギア40の回転の開始及び停止に伴っ
て固定床に固定させたり、水平方向に移動させることが
可能となる。この際、駆動用モーターMの駆動状態は、
コンピュータで適宜に制御することが可能である為、移
動式床構造体20の移動状態を光センサー等の各種セン
サーで感知しつつコンピュータで稼働の制御を行えば、
ピニオンギア40の回転運動は自在に制御され、ラック
ギア30と一体に構成されている床構造体20の移動及
び固定を自在にすることが可能となる。この結果、本発
明の移動式床構造体20の移動を安全に行うことが出
来、且つ移動式床構造体20を適宜な位置でしっかりと
固定することが可能となる為、安全性の達成と共に使い
勝手に優れたものとなる。
【0021】上記で用いられるラックギアは、ピッチ面
が平板状で、円板状のピニオンギアと噛み合う台形状の
歯が該ピッチ面に並んでいる帯状部材であり、図5
(b)に示す様に、床構造体20の裏面の1辺に沿って
両端迄かけ渡し、例えば、10〜50mm程度の幅で設
けらる。本発明においては、ピッチとして、6〜12程
度のものを用いるのが好ましい。又、その材質として
は、床構造体の総重量が、数10kg、用いる材料によ
っては100kg以上の重さとなり、且つその上で数十
kgの複数の人間が動き回ることを考えると、1トン以
上の重量に耐え、長期間の使用によっても破損や摩耗が
生じない強度の強いものが好ましい。このためには、例
えば、炭素鋼等の金属製、又はこれに代替し得る各種の
エンジニアリングプラスチック製等のものを用いるのが
好ましい。
【0022】上記した様なラックギアのピッチ面に並ん
だ歯と噛み合わせて用いられるピニオンギアは、ラック
ギアの歯と同一のピッチを有する円板状のギアであっ
て、固定床に配置されている駆動用モータMの回転軸に
取り付けられ、駆動用モータMを駆動させるとモーター
の回転軸と共に回転運動をする。この結果、ピニオンギ
アの回転が、該ピニオンギアの歯車と噛み合わされてい
るラックギアに伝わり、ラックギアがピニオンギアの歯
車の上を水平方向に進み、ラックギアと一体に構成され
ている床体の水平移動を可能にしている。
【0023】本発明の移動式床構造体20では、このラ
ックギア30の取り付け位置を、図4に示す様に、構造
用部材1の芯材パネルの上面近傍に取り付け部材等を介
して取り付ける。本発明者らが既に開示している従来の
ものでは、ハニカムパネルの芯材部材の底面にラックギ
アを取り付けていたが、上記の様に、上面側に取り付け
ることによって、移動式床構造体20の全体としての厚
みを薄くすることが出来る。この結果、床下空間をより
有効に利用することが出来る様になる。
【0024】更に、本発明で使用する駆動用モータM
は、固定床の框の側面等にボルト等の締結具によって固
定して設置し、該モータMの回転軸にピニオンギア40
を取り付ける。駆動用モータMを取り付ける位置として
は、例えば、図7及び図8に示した様に、床が走行する
範囲の略中心、即ち、走行路19の真ん中付近に設ける
のが好ましい。又、モータの数は、図に示した例では、
床体の片側の1箇所のみに設けたが、本発明はこれに限
定されず、例えば、床体の対峙する2辺に夫々設けても
よい。
【0025】本発明で使用する駆動用モータとしては、
通常はブレーキによって固定されており、該ブレーキが
解除された場合のみモータが回転し、該回転によって床
体全体を移動し得るものであればいずれのものでもよい
が、例えば、三相ブレーキ付ギアモータGMT010U
50B(椿本チェーン製)等が挙げられる。当該モータ
は、通電時以外は常時ブレーキが掛けられた状態となっ
ており、大きさが135mmφ×283mm程度であ
り、出力が0.1kWの小型モータで、騒音が小さく、
減速比が1/50と大きい。この為、モータの回転速度
を適宜に変えることができ、可動床体の自在な移動及び
固定を可能とし得る。
【0026】上記の様な構成を有する本発明の移動式床
構造体の使用例について、図を参照しながら説明する。
本発明の移動式床構造体は、特に、床下に広い空間部分
を有する一戸建ての住宅、或いは、鉄筋・鉄骨コンクリ
ート製の集合住宅等の高層建築物の逆梁コンクリートス
ラブ構造の建物に好ましく適用される。即ち、これらの
建物においては、建築条件に応じて異なるが、通常、高
さ50〜70cm程度の床下空間部分が存在するが、従
来、この部分は配線や配管を設ける程度にしか利用され
ていなかった。これに対し、本発明の移動式床構造体を
適用することによってこの部分の有効活用が図れる。
【0027】先ず、図6に示す例では、スキップフロア
に隣接している6畳の部屋の床体に本発明の移動式床構
造体20を適用した例である。図6に示す様に、床構造
体20をを水平方向に動かし、隣接しているスキップフ
ロア18の上部へと移動させると、床体の床下部分を露
出させることが出来る。そこで、該床下部分に、収納庫
用の板材を張り巡らしておけば、広い間口を有する高さ
が40〜70cm程度の非常に収納量の大きい収納庫が
無理なく確保される。この様にすれば、例えば、大型の
旅行用トランクや乳母車やスキー用具等、かなり大きな
物や重いものを収納庫の入口の大きさに左右されること
なく、容易に出し入れすることが可能となる。尚、上記
に挙げた例では、可動床体に隣接する部分がスキップフ
ロアを有する部屋で構成されているが、本発明はこれに
限定されず、部屋の床体が可動に構成されればよく、隣
接する部分が部屋ではなく押し入れ等の収納庫であって
もかまわない(不図示)。更に、床下部分に別の床材を
施工しておけば、先の例と異なる別の形態の部屋として
利用することも可能である。
【0028】本発明の移動式床構造体は、電動スイッチ
のみで所望の位置に可動床体を移動させ、且つその位置
で可動床体が強固に固定される構造となっている為、荷
物を取り出すのに必要な広さの開口部が得られる分だけ
床体を移動す等の使用方法が可能であり、非常に使い勝
手に優れる。
【0029】又、本発明の移動式床構造体の別の使用態
様として、図7の様に、2間続きの部屋の一方の部屋の
床体に本発明の移動式床構造体を適用してもよいし、図
8の様に、両方の部屋の床体に本発明の移動式床構造体
を適用してもよい。この結果、本発明の移動式床構造体
では、広い居住空間と、広い収納スペースを同時に確保
することが可能となる。更に、家族構成や荷物の量、或
いは来客等による居住人数の変更に柔軟に対処し得る多
様性に富んだ建築物が提供される。
【0030】更に、前述した様に、本発明の移動式床構
造体は、軽量で耐久性に優れ、且つ取扱い易く、連結が
非常に容易な構造用部材を使用し、更に部材の構成が簡
単であるので、施工や各種調整、或いは保守点検等を簡
便にすることが出来る結果、建築コストの削減、維持管
理の容易さが達成される。又、本発明の移動式床構造体
は、この様に施工等の容易さが達成されるのみならず、
床体の上に人が乗り、その上で激しく飛び跳ねたとして
も床体が沈み込んだり、振動が激しかったりすることが
ない快適な居住空間を提供し得る。
【0031】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、集
合住宅等の高層建築物や一戸建ての家屋等の建築物にお
いて、限られたスペースを可能な限り有効に利用するこ
とが出来るのみならず、施工時や修理点検等の際の作業
性に優れ、且つ建築コストの削減を達成した建築物が提
供される。又、本発明によれば、床体が移動可能に構成
されているにもかかわらず、どの段階においても常に床
体が強固に固定され、更に使用時に床体が沈み込んだり
破損したりすることがない為、移動式の床体の上で通常
の固定式の床体と同様の安定した生活を安心して営むこ
とが出来る優れた建築物が提供される。更に、本発明に
よれば、強度が強く耐久性に優れると共に、厚みが薄い
移動が静かに円滑に行われるスマートな構造の移動式床
構造体を有する、機能性と意匠性に富んだ建築物が提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動式床構造体の分解斜視図である。
【図2】本発明の移動式床構造体で使用する構造用部材
の説明図である。
【図3】本発明の移動式床構造体で使用する車輪構造体
の説明図である。
【図4】本発明の移動式床構造体の移動機構の説明図で
ある。
【図5】本発明の移動式床構造体の移動機構の説明図で
ある。
【図6】本発明の使用状態の説明図である。
【図7】本発明の別の使用状態の説明図である。
【図8】本発明の別の使用状態の説明図である。
【符号の説明】
A:芯材パネル B:車輪構造体 C:床材 P:パネル構成部 K:連結部 M:駆動用モータ 1:構造用部材 2:上面 2’:下面 3:補強部材 4、5、6、7:突起部 10:枠 11:車輪取り付け具 12:車軸 13:ベアリング 15:車輪 18:床下の床面 19:走行路 20:移動式床構造体 30:ラックギア 40:ピニオンギア

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パネル構成部と、該パネル構成部と一体
    に形成されているパネル構成部を相互に連結するための
    連結部とを有する構造用部材を少なくとも有する移動式
    床構造体において、上記構造用部材のパネル構成部が、
    上下の位置で略平行に対峙している2枚の板と、該2枚
    の板と一体に形成されている2枚の板の間に斜めに掛け
    渡された補強部材とからなり、且つ連結部の形状が、パ
    ネル構成部の長手方向を上下の位置で相互に連結する構
    造を有し、更に、移動式床構造体が水平方向に移動可能
    に構成されていることを特徴とする移動式床構造体。
  2. 【請求項2】 構造用部材が、1〜5mmのアルミニウ
    ム製又は強化プラスチック製の板で軽量化形成されてい
    る請求項1に記載の移動式床構造体。
  3. 【請求項3】 車輪構造体が構造用部材の裏面側に直接
    設置されて、床体全体が水平方向に移動可能に構成され
    ている請求項1又は請求項2に記載の移動式床構造体。
  4. 【請求項4】 床体全体が、電動スイッチのオンオフに
    よって自動的に移動及び固定可能に構成されている請求
    項1〜請求項3のいずれかに記載の移動式床構造体。
  5. 【請求項5】 構造用部材の裏面側又は側面側にラック
    ギアと複数の車輪とが配置され、該ラックギアの歯が固
    定床に固定して設けられている駆動用モータの回転軸に
    取りつけられているピニオンギアの歯と噛み合わされ
    て、可動床体がこれらのギア及びモータを介して固定床
    に固定される一方、電動スイッチを入れて駆動電源に通
    電して駆動用モータを回転させると、該回転がピニオン
    ギアの回転に伝達され、更にピニオンギアを介してラッ
    クギアの水平運動に伝達され、更に該水平運動に伴って
    上記複数の車輪が回転運動し、可動床体全体が水平方向
    に自動的に移動する請求項1〜請求項4のいずれかに記
    載の移動式床構造体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5に記載されている移
    動式床構造体を有する建築物であって、移動可能に構成
    されている移動式床構造体の下方に該床構造体と略同一
    又はそれ以上の大きさの固定された床面を有し、該固定
    された床面と移動式床構造体との間に空間が形成されて
    いることを特徴とする建築物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5219419A (en) * 1975-08-04 1977-02-14 Fruehauf Corp Composite floor material consisting of extrusion type material
JPH0229975Y2 (ja) * 1982-07-14 1990-08-13
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